(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159691
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】天板及びこれを用いた折り畳み式テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 3/02 20060101AFI20231025BHJP
A47B 3/06 20060101ALI20231025BHJP
A47B 3/12 20060101ALI20231025BHJP
A47B 9/16 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A47B3/02 Z
A47B3/06 D
A47B3/12 A
A47B9/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069556
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】500010967
【氏名又は名称】株式会社ニューテックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100067644
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 裕
(72)【発明者】
【氏名】白石 徳宏
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053EA01
3B053FA07
3B053FB07
3B053LA00
3B053NH04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脚部を容易に組み付け可能とすると共に、天板と脚部の組み付けが強固で確実な構造にし、且、必要に応じて容易に脚部の分離を可能とする天板を提供し、更には、かかる天板と脚部とを組み合わせることにより、容易な分解、組み立て並びに平坦な収納形態への転換を行うことを可能とする。
【解決手段】所要の長さと平面を有する短冊状の天板面を備えた断面コ字状の部材からなり、側壁の両端部近傍の同一位置に側壁の下端に向かって開放した少なくとも1つの連結スリット12を形成した天板ピース10を複数並列に連結してなる天板1及び、該天板の連結スリットに係入自在な連結ピン21を備えた脚部2を天板に組み合わせ自在とした折り畳み式テーブルである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要の長さと平面を有する短冊状の天板面を備えた断面コ字状の部材からなり、側壁の両端部近傍の同一位置に側壁の下方に向って開放した少なくとも1つの連結スリットを形成した天板ピースを複数並列に連結したことを特徴とする天板。
【請求項2】
連結スリットが側壁の長手方向に伸びる横スリットと、該横スリットの一端を側壁の下方に開放する斜めスリットとからなることを特徴とする請求項1記載の天板。
【請求項3】
横スリットの出口を塞ぐ突起部を有するストッパーを自重で上下動自在に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の天板。
【請求項4】
請求項1乃至3記載の天板と、該天板の天板ピースの連結スリットに係入する連結ピンを開放端に備える二本の脚ピースからなる脚部を備え、連結ピンを連結スリットに着脱自在に係入して、天板と脚部とを組合せ自在とした折り畳み式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主としてアウトドア用の折り畳み式テーブルの天板及びこれを用いた折り畳み式テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアウトドア用の折り畳み式テーブルは、一枚の天板と、この天板の下面に着脱自在に組み付けられる折り畳み可能な脚部とから構成され、脚部を天板の下面に組み付けてテーブルとし、又、取り外した脚部を平らに折り畳んで、天板と重ねることにより、平らな形態に収納可能とする構造のものが知られている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-187973号公報
【特許文献2】特開2021-29296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の折り畳み式テーブルの天板は、一枚の平坦な板材から構成されているものであるため、天板と脚部とを着脱自在に組み付ける構造が複雑となり、必然的に脚部の構造が複雑となったり、逆に脚部と天板の組み付け構造を簡易にすると天板と脚部とが分離しやすくなり、使用中にテーブルが分解したり、傾いたりしてくるおそれがあった。
【0005】
例えば、特許文献1の折り畳みテーブルにあっては、脚部の上端に天板が単に載置されているに過ぎない構造であるため、天板と脚部とが分離し易く,使用中にテーブルが分解したり、傾いたりしてくるおそれがあった。又、特許文献2の折り畳みテーブルにあっては、天板と脚部の取り付け構造が複雑となり、テーブルの組み立てや分解、更には収納が複雑で面倒となってくるおそれがあった。
【0006】
この発明は、脚部を容易に組み付け可能とすると共に、天板と脚部の組み付けが強固で確実な構造にし、且、必要に応じて容易に脚部の分離を可能とする天板を提供し、更には、係る天板と脚部とを組み合わせることにより、容易な分解、組み立て並びに平坦な収納形態への転換を行うことが可能な折り畳み式テーブルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するために、所要の長さと平面を有する短冊状の天板面を備えた断面コ字状の部材からなり、側壁の両端部近傍の同一位置に側壁の下端に向かって開放した少なくとも1つの連結スリットを形成した天板ピースを複数並列に連結してなる天板である。
【0008】
連結スリットは、側壁の長手方向に伸びる横スリットと、該横スリットの一端を側壁の下方に開放する斜めスリットとからなり、横スリットの出口を塞ぐ折曲げ部を有したストッパーを自重で上下動自在に設ける。
【0009】
天板ピースの連結スリットに係入する連結ピンを開放端に備える二本のU字状の脚ピースからなる脚部を備え、連結ピンを連結スリットに着脱自在に係入して天板と脚部とを組合せ自在とした折り畳み式テーブルである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この発明にかかる脚部を取り付けた折り畳みテーブルの斜視図
【
図6】この発明にかかる折り畳みテーブルの高さを低くした状態の斜視図
【
図12】天板と脚部とを平坦に収納した状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。
【0012】
図1~5は、この発明に係る折り畳み式テーブルを示し、該折り畳み式テーブルは、天板(1)と脚部(2)とから構成される。天板(1)は、同一の構造からなる複数の天板ピース(10)を並列に連結して、所要の平面積を有するテーブルに構成される。脚部(2)は、
図14に示すように、二本の棒状の脚ピース(20)をX字状に回動自在に枢着して構成され、脚部(2)の上端に取り付けられた連結ピン(21)を、天板ピース(10)の側壁(11)に形成された連結スリット(12)に挿入して、天板(1)に連結される。そして、脚部(2)の連結ピン(21)と天板ピース(10)の連結スリット(12)との装着位置を変えることによって、脚部(2)の高さが変更されるので、
図1、3から
図6、7のように、、テーブルの高さを変えることができる。連結スリット(12)は、側壁(11)の両端部近傍に夫々設けられており、後述する脚部(2)の開放端に設けられた連結ピン(21)をそれぞれ係入可能となっている。
【0013】
図9~11に示すように、天板ピース(10)は、アルミニューム等の金属板若しくは合成樹脂板から構成され、所要の長さと平面を有する短冊状の天板面を備えた断面コ字状の部材からなり、両側壁(11)の両端部近傍に、同一位置に所定の間隔をおいて複数の連結スリット(12)が形成される。
図15に示すように、連結スリット(12)は、側壁の長手方向に伸びる横スリット(121)と該横スリットを側壁の下方に開放する斜めスリット(122)からなり、脚部の連結ピン(21)を斜めスリット(122)から、横スリット(121)に挿入して、脚部(2)を天板(1)に連結することができる。このように、天板(1)を複数と同一形状の天板ピース(10)を接合して形成することにより、天板(1)の大きさや面積を容易に変更することが可能となると共に、後述する脚部(2)との連結・分解を容易な構造とすることができる。尚、連結スリット(12)は、横スリットと斜めスリットを連続したもの限られず、斜めスリットのみで構成しても良い。
【0014】
図15を参照して、連結スリット(12)には、金属線材からなるストッパー(13)が設けられる。ストッパー(13)は、横スリット(121)の出口を塞ぐ突起状折曲げ部(131)を有しており、両端を側方に折曲げて外方に突出させ、該突出部を天板ピース(10)の側壁(11)に形成した案内スリット(123)に係入して、自重により上下動するように構成されている。案内スリット(123)は、前記連結スリット(12)の斜めスリット(122)と平行して斜めに形成されており、テーブルを立てたとき自重で下降して、突起状折曲部(131)が、横スリット(121)の出口を塞ぐ状態となり、連結ピン(21)が斜めスリット(122)から抜け出すのを防止している。案内スリット(123)に係入しているストッパー(13)の先端は、案内スリット(123)から、側壁(11)の外方に突出しており、自重で下降したストッパーを手指で上方に押し上げることを可能とし、天板(1)と脚部(2)との連結を、テーブルを立てた状態において、解除することが可能となっている。
【0015】
図示の実施例において、天板(1)は、3枚の天板ピース(10)を連結して構成されている。3枚の天板ピース(10)は若干の間隔をおいて側壁を貫通したボルトとナット及びワッシャーからなる連結部材(14)と、上面両端に架け渡された固定縁材(15)により平面方向に連結、固定され、一枚の天板に形成される。そして、天板ピース(10)の側壁間の隙間に前記ストッパー(13)が配置される。
【0016】
脚部(2)は、
図14に示すように、上方に向ってU字状に開放した二本の棒状の脚ピース(20)をほぼ中心でX字状に枢着ピン(22)で回動自在に枢着してなり、U字状の開放された脚ピース(20)の上端には、それぞれ連結ピン(21)が1本ずつ横方向に延び出して、固定されている。U字状の開放された上端に取り付けられた連結ピン(21)は、互いに反対方向に向かって突出しており、それぞれ対向する側壁(11)の連結スリット(12)に係入自在である。
【0017】
脚部(2)は、平坦に折り畳むことが可能であり、折り畳んだ状態で、
図12、13に示すように、天板(1)の下面に、側壁(11)の間に嵌め込むことが出来、天板(1)と共に、平坦な収納形態にし、所望の収納袋に容易に収納可能となる、
【0018】
この発明によれば、天板(1)と脚部(2)は、脚部(2)の連結ピン(21)を天板(1)の側壁(11)に形成した連結スリット(12)に装着することで、天板(1)と脚部(2)とを連結して、折り畳みテーブルを構成することができると共に、連結ピン(21)を連結スリット(12)から抜き出せば、天板(1)と脚部(2)とを分解することができるため、折り畳みテーブルの設置或は分解が極めて容易となる。更に、ストッパーを設けることにより、意図しない脚部(2)の連結ピン(21)の連結スリット(12)からの抜け出すのを阻止することができるため、折り畳みテーブルの意図しない分解を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0019】
(1)天板
(2)脚部
(10)天板ピース
(11)側壁
(12)連結スリット
(121)横スリット
(122)斜めスリット
(123)案内スリット
(20)脚ピース
(21)連結ピン
(22)枢着ピン
(13)ストッパー
(131)突起状折曲げ部
(14)連結部材
(15)固定縁材