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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159703
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】農作物内部計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
G01N21/85 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069587
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 智之
(72)【発明者】
【氏名】宇野 隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸明
(72)【発明者】
【氏名】高田 咲子
(72)【発明者】
【氏名】古澤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂井 春彦
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA05
2G051AA90
2G051AB02
2G051BA06
2G051BA08
2G051CA04
2G051CB02
2G051EB01
(57)【要約】
【課題】農作物の内部品質の計測精度を良好に確保することができる農作物内部計測装置を提供する。
【解決手段】農作物2の内部品質を計測するための光を該農作物2に向けて投光する投光部を、ローラコンベアによる搬送方向に直交する水平方向である搬送幅方向の全体に亘って配設された複数のLED光源LA1~LA15で構成する。各LED光源LA1~LA15はそれぞれ個別に点灯と消灯とが切り替え可能となっており、各LED光源LA1~LA15のうち、ローラコンベアによって搬送されてきた農作物2に対向する位置にあるLED光源LA3,LA4,LA8,LA10,LA13のみを点灯させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の通過が可能な通過領域を有し且つ該通過領域上に農作物を載置して搬送する搬送体を備えた搬送手段と、前記搬送体を上下方向で挟んで対向配置された投光部および受光部とを備え、前記投光部から前記農作物に向けて光が投光され、該農作物を透過すると共に前記通過領域を通過した光を前記受光部によって受光することにより前記農作物の内部品質を計測する農作物内部計測装置であって、
前記投光部は、前記搬送体による搬送方向に直交する水平方向である搬送幅方向の全体に亘って設けられていることを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の農作物内部計測装置において、
前記投光部は、前記搬送幅方向に亘って配置された複数の光源を備えた構成となっており、前記各光源はそれぞれ個別に点灯と消灯とが切り替え可能とされていて、
前記各光源のうち、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物に対向する位置にある光源のみを点灯させる制御装置を備えていることを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項3】
請求項2記載の農作物内部計測装置において、
前記制御装置は、前記光源を点灯させるタイミングとして、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物が当該光源に対向する位置に達した時点として設定することを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の農作物内部計測装置において、
前記各光源はLED光源またはレーザ光源であることを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項5】
請求項1記載の農作物内部計測装置において、
前記投光部は、前記搬送幅方向に亘って配置された複数の光源と、該各光源の投光側にそれぞれ対応して配設されたシャッタとを備えた構成となっており、前記各シャッタは、点灯している前記光源の光を前記受光部に向けて投光させる開放姿勢と、点灯している前記光源の光の前記受光部に向けての投光を遮断する閉鎖姿勢との間で切り替え可能とされていて、
前記各シャッタのうち、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物に対向する位置にある前記光源に対応するシャッタのみを前記開放姿勢にする制御装置を備えていることを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項6】
請求項5記載の農作物内部計測装置において、
前記制御装置は、前記シャッタを前記閉鎖姿勢から前記開放姿勢に切り替えるタイミングとして、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物が当該シャッタに対向する位置に達した時点として設定することを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の農作物内部計測装置において、
前記各光源はハロゲンランプであることを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項8】
請求項2、3、5または6記載の農作物内部計測装置において、
前記投光部は、前記搬送体による搬送方向で互いに異なる位置に複数配設されており、
前記各投光部それぞれは前記光源の波長が互いに異なるものとなっていることを特徴とする農作物内部計測装置。
【請求項9】
請求項8記載の農作物内部計測装置において、
前記搬送手段は、前記農作物の搬送方向において所定間隔を存して配置された複数の搬送体としてのローラを有するローラコンベアであって、前記通過領域は互いに隣り合う前記ローラ同士の間の空間であり、
前記各投光部は、一つの投光部が前記ローラ同士の間の空間に対向する位置にある場合には、他の投光部が前記ローラに対向する位置となるように配設されていることを特徴とする農作物内部計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物内部計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投光部から農作物に向けて光(以下、計測光という場合もある)を投光し、その透過光を受光部で受光することによって農作物の内部品質を計測する農作物内部計測装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、複数の搬送ローラと、一つの投光部と、複数の受光部とを備えた農作物内部計測装置が開示されている。この特許文献1にあっては、各搬送ローラが、農作物の搬送方向に間隙を存しつつ並列配置されており、一対の搬送ローラ同士の間隙に計測対象物である農作物が配置された状態で、当該農作物が搬送される。また、投光部および複数の受光部は、搬送ローラを挟んで対向配置されている。これにより、投光部から投光された計測光が、農作物を透過すると共に搬送ローラ同士の間隙を通過して受光部に受光され、この受光(透過光)の解析によって農作物の内部品質を計測するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-138885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されている農作物内部計測装置は、投光部が一つのみであり、該投光部からの距離としては、搬送ローラの長手方向の中央部よりも長手方向の端部の方が長くなる傾向にある。そして、搬送ローラの長手方向の端部付近に農作物が存在する場合においても該農作物に所定光量の計測光を投光する必要があることから、投光部からの計測光の光量としては大きく設定しておく必要があった。その結果、搬送ローラ同士の間隙において農作物が存在しない部分を通過した計測光は、光量が大きいまま(農作物を透過しないことで光量が減量することなく)受光部に受光されることになって、レンズフレアやゴーストといった現象の発生原因となり、農作物の内部品質の計測精度に悪影響を及ぼす可能性があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、農作物の内部品質の計測精度を良好に確保することができる農作物内部計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、光の通過が可能な通過領域を有し且つ該通過領域上に農作物を載置して搬送する搬送体を備えた搬送手段と、前記搬送体を上下方向で挟んで対向配置された投光部および受光部とを備え、前記投光部から前記農作物に向けて光が投光され、該農作物を透過すると共に前記通過領域を通過した光を前記受光部によって受光することにより前記農作物の内部品質を計測する農作物内部計測装置を前提とする。そして、この農作物内部計測装置は、前記投光部が、前記搬送体による搬送方向に直交する水平方向である搬送幅方向の全体に亘って設けられていることを特徴とする。
【0008】
この特定事項により、搬送体における搬送幅方向の中央部に位置する農作物に対しては、この搬送幅方向の中央部に位置する投光部から光を投光することができ、搬送体における搬送幅方向の端部に位置する農作物に対しては、この搬送幅方向の端部に位置する投光部から光を投光することができる。つまり、投光部から農作物までの距離を搬送体上における農作物の位置に関わりなく略均等にすることができ、投光部からの光の光量を大きく設定することなしに、搬送幅方向の端部に位置する農作物に対しても所定光量の光を投光することが可能になる。このため、光量が大きいことに起因するレンズフレアやゴーストといった現象の発生を抑制することができ、農作物の内部品質の計測精度を良好に確保することができる。
【0009】
また、前記投光部は、前記搬送幅方向に亘って配置された複数の光源を備えた構成となっており、前記各光源はそれぞれ個別に点灯と消灯とが切り替え可能とされていて、前記各光源のうち、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物に対向する位置にある光源のみを点灯させる制御装置を備えている。
【0010】
これによれば、搬送体によって搬送されてきた農作物に対向しない位置にある光源にあっては点灯することなく消灯状態となる。このため、農作物を透過することなく搬送体の通過領域を通過して受光部に達してしまう光は存在しなくなり、この光が存在した場合における農作物の内部品質の計測精度への悪影響を回避することができる。また、全ての光源を点灯する場合に比べて消費電力の削減を図ることもできる。
【0011】
また、前記制御装置は、前記光源を点灯させるタイミングとして、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物が当該光源に対向する位置に達した時点として設定する。
【0012】
これによれば、搬送体によって搬送されてきた農作物が光源に対向する位置に達するまでは当該光源は消灯状態にある。これによっても、農作物を透過することなく搬送体の通過領域(農作物が載置されていない通過領域)を通過して受光部に達してしまう光は存在しなくなり、農作物の内部品質の計測精度を良好に確保することができる。また、光源の消灯期間を長く得ることが可能となり、消費電力の削減を図ることができる。
【0013】
また、前記各光源はLED光源またはレーザ光源である。
【0014】
これらの光源は直進性が高いため、特に、光の投光方向や投光幅を調整するための機構を備えさせることなしに、対向する位置に搬送されてきた農作物に向けて良好に光を投光することができる。つまり、農作物を透過することなく(農作物の外側をすり抜けて)受光部に達してしまう光の存在を抑制することができ、農作物の内部品質の計測精度を高めることができる。
【0015】
また、前記投光部は、前記搬送幅方向に亘って配置された複数の光源と、該各光源の投光側にそれぞれ対応して配設されたシャッタとを備えた構成となっており、前記各シャッタは、点灯している前記光源の光を前記受光部に向けて投光させる開放姿勢と、点灯している前記光源の光の前記受光部に向けての投光を遮断する閉鎖姿勢との間で切り替え可能とされていて、前記各シャッタのうち、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物に対向する位置にある前記光源に対応するシャッタのみを前記開放姿勢にする制御装置を備えている。
【0016】
これによれば、搬送体によって搬送されてきた農作物に対向しない位置にある光源に対応して配設されたシャッタは閉鎖姿勢となる。このため、仮に、この光源が点灯していたとしても、その光はシャッタによって遮断されることになる。このため、農作物を透過することなく搬送体の通過領域を通過して受光部に達してしまう光は存在しなくなり、この光が存在した場合における農作物の内部品質の計測精度への悪影響を回避することができる。
【0017】
また、前記制御装置は、前記シャッタを前記閉鎖姿勢から前記開放姿勢に切り替えるタイミングとして、前記搬送体によって搬送されてきた前記農作物が当該シャッタに対向する位置に達した時点として設定する。
【0018】
これによれば、搬送体によって搬送されてきた農作物が光源に対向する位置に達するまでは当該光源(点灯している光源)に対応するシャッタは閉鎖姿勢にある。これによっても、農作物を透過することなく搬送体の通過領域(農作物が載置されていない通過領域)を通過して受光部に達してしまう光は存在しなくなり、農作物の内部品質の計測精度を良好に確保することができる。
【0019】
また、前記各光源はハロゲンランプである。
【0020】
この光源は応答性が比較的低い(LED光源等に比べて応答性が低い)ため、シャッタを閉鎖姿勢と開放姿勢との間で切り替えることにより、計測対象である農作物に対してのみ良好に光を投光できるようにしている。つまり、ハロゲンランプを常時点灯させた場合であっても、農作物を透過することなく(農作物の外側をすり抜けて)受光部に達してしまう光の存在を抑制することができ、農作物の内部品質の計測精度を高めることができる。
【0021】
また、前記投光部は、前記搬送体による搬送方向で互いに異なる位置に複数配設されており、前記各投光部それぞれは前記光源の波長が互いに異なるものとなっている。
【0022】
これによれば、農作物それぞれに対し(個々の農作物に対し)、異なるタイミングで、異なる波長の光を投光することによる内部品質の計測を行うことが可能になる。例えば、光の投光方向での農作物の厚さの影響を受けることなく(光の透過率の変動の影響を受けることなく)内部品質の計測を行うことが可能になる。このため、農作物の内部品質の計測精度をいっそう高めることができる。
【0023】
尚、この場合の光源としては、LED光源またはレーザ光源であってもよいし、ハロゲンランプであってもよい。
【0024】
また、前記搬送手段は、前記農作物の搬送方向において所定間隔を存して配置された複数の搬送体としてのローラを有するローラコンベアであって、前記通過領域は互いに隣り合う前記ローラ同士の間の空間であり、前記各投光部は、一つの投光部が前記ローラ同士の間の空間に対向する位置にある場合には、他の投光部が前記ローラに対向する位置となるように配設されている。
【0025】
これによれば、一つの投光部がローラ同士の間の空間に対向する位置にあって、光源から農作物(光源に対向する位置にある農作物)に光が投光されている状態では、他の投光部はローラに対向する位置にあり、仮に該投光部の光源が点灯していたりシャッタが開放姿勢となっていたとしても、光源からの光はローラによって遮断され、受光部に達し難くなる。このため、農作物の内部品質の計測精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、農作物の内部品質を計測するための光を該農作物に向けて投光する投光部を、搬送手段による搬送方向に直交する水平方向である搬送幅方向の全体に亘って設けている。このため、投光部からの光の光量を大きく設定することなしに、搬送幅方向の端部に位置する農作物に対しても所定光量の光を投光することが可能になる。その結果、光量が大きいことに起因するレンズフレアやゴーストといった現象の発生を抑制することができ、農作物の内部品質の計測精度を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る農作物内部計測装置を備えた農作物選別装置の一実施形態の構成を模式的に示す図である。
図2】整列手段の構成を模式的に示す側面図である。
図3】外観撮影手段および内部撮影手段の構成を模式的に示す図である。
図4】内部撮影手段におけるローラコンベアの平面図である。
図5】農作物内部計測装置の制御系の概略を示すブロック図である。
図6】第2投光部の点灯状態を説明するための図4相当図である。
図7図6におけるVII-VII線に沿った図である。
図8】第3投光部の点灯状態を説明するための図4相当図である。
図9】指示手段の指示形態を説明するための図である。
図10図1において整列区間から計測区間までのローラの駆動手段に関する構成を模式的に示す平面図である。
図11図10のローラ、第1正転用駆動手段および逆転用駆動手段を搬送方向上流側から見た図である。
図12】整列区間におけるローラの自転状態を説明するための側面図である。
図13】第1、第2正転用駆動手段、逆転用駆動手段の構成を模式的に示す側面図である。
図14】整列区間における農作物の姿勢を説明するための平面図である。
図15】計測区間の上流側(外観品質判定区間)におけるローラの自転状態を説明するための側面図である。
図16】変形例において全てのシャッタが閉鎖姿勢にある状態を示す図7相当図である。
図17】変形例における光の投光状態を示す図7相当図である。
図18】整列区間におけるローラの他の自転状態を説明するための側面図である。
図19】整列区間から取出区間までのローラの駆動手段に関する他の構成を模式的に示す平面図である。
図20】強制停止手段の構成を模式的に示す側面図である。
図21】整列区間から取出区間までのローラの駆動手段に関するさらに他の構成を模式的に示す平面図である。
図22図21の強制停止手段の構成を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る農作物内部計測装置1A(図5を参照)を備えた農作物選別装置1の一実施形態の構成を模式的に示す図である。この図1に示すように、農作物選別装置1は、例えば馬鈴薯やミカンなどの農作物2の品質(例えば色、大きさ、傷および腐敗の有無、傷および腐敗の状態)を判定し、品質が規格外であると判定した農作物2を取り出せるように構成されている。
【0030】
この農作物選別装置1は、供給手段3、搬送手段4、整列手段5、選定手段6、取出手段7、指示手段8、調節手段9などを備えている。
【0031】
供給手段3は、搬送手段4の上流側の供給区間201に設けられていて、例えば選別前の農作物2が収納されている。この供給手段3は、例えばコンテナとされている。
【0032】
搬送手段4は、供給手段3から供給された複数の農作物2を搬送するものであって、例えばローラコンベアとされている。
【0033】
この搬送手段4は、左右一対(図1における紙面に直交する方向で一対)の駆動スプロケット41、左右一対の従動スプロケット42、左右一対のチェーン43、複数のローラ44、モータ45などを備えている。
【0034】
左右一対の駆動スプロケット41は、農作物2の搬送方向の下流側に設けられている。左右一対の従動スプロケット42は、農作物2の搬送方向の上流側に設けられている。
【0035】
左右一対のチェーン43は、駆動スプロケット41と従動スプロケット42とに巻き掛けられていて、横方向に平行に離隔して対向するように配置されている。
【0036】
複数のローラ44は、左右一対のチェーン43の対向間に自転可能に設けられていて、各ローラ44の長手方向が、搬送方向に対して直交する方向(搬送幅方向)に沿っている。
【0037】
モータ45は、その出力軸(図示省略)に固定される駆動スプロケット41を回転駆動することによりチェーン43を回転(走行)させる。このチェーン43の回転に伴い、一対のローラ44,44同士の間で支持された農作物2が搬送されることになる。このため、これらチェーン43および各ローラ44,44,…によって本発明でいう搬送体(農作物を載置して搬送する搬送体)が構成されている。
【0038】
このような搬送手段4のローラ44上においては、農作物2の搬送方向の上流側から下流側に向けて、供給区間201、整列区間202、回転方向切替区間203、計測区間204、取出区間205が割り当てられている。
【0039】
整列手段5は、搬送手段4の上流側の整列区間202に設けられていて、供給手段3からランダムに供給される農作物2を搬送方向に離隔させると共に前記搬送方向と直交する方向(搬送幅方向)に一列に並べるように整列する。
【0040】
この整列手段5は、図2に示すように、拡散ローラコンベア51と、仕切手段52と、を備えている。
【0041】
拡散ローラコンベア51は、供給手段3から複数の農作物2を受け取ると共に、当該複数の農作物2を前後左右に散らしながら搬送手段4に向けて送るものであって、搬送手段4としてのローラコンベアと基本的に同じ構成になっている。
【0042】
この拡散ローラコンベア51のチェーン511の外形サイズは、搬送手段4としてのローラコンベアよりも大幅に短くなっているが、拡散ローラコンベア51のローラ512の外形サイズやローラ512それぞれの離隔寸法は、搬送手段4としてのローラコンベアのそれと同じにされている。
【0043】
この拡散ローラコンベア51は、複数の農作物2を搬送手段4としてのローラコンベアの搬送速度の1/2の速度で搬送手段4に向けて送るよう調節される。なお、拡散ローラコンベア51の速度は搬送手段4としてのローラコンベアの搬送速度の1/2に限定されるものではなく、例えば1/4、1/8など任意に設定することができる。
【0044】
仕切手段52は、拡散ローラコンベア51から送られてくる農作物2を、搬送手段4としてのローラコンベアにおいて隣り合う二つのローラ44を仮想ペアとしたときに当該各仮想ペアのローラ44間に配置させるものであって、搬送手段4の搬送面よりも上方に設けられている。
【0045】
この仕切手段52は、図2に示すように、左右一対の上流側スプロケット521、左右一対の下流側スプロケット522、左右一対の輪状部材としてのチェーン523、仕切部材524などを備えている。
【0046】
左右一対の上流側スプロケット521と左右一対の下流側スプロケット522とは、搬送方向に離隔して対向するように配置されている。上流側スプロケット521または下流側スプロケット522が不図示のモータにより回転駆動される。
【0047】
左右一対のチェーン523は、左右一対の上流側スプロケット521と左右一対の下流側スプロケット522とに巻き掛けられていて、横方向に平行に離隔して対向するように配置されている。
【0048】
仕切部材524は、チェーン523の円周方向に離隔する複数箇所に径方向外向きに突出するように取り付けられている。
【0049】
この仕切部材524それぞれの離隔間隔は、搬送手段4としてのローラコンベアにおいて隣り合う二つのローラ44を挟む長さに設定されている。
【0050】
選定手段6は、搬送手段4の上の計測区間204に設けられていて、搬送手段4により搬送される農作物2の品質が規格外か否かを判定すると共に、前記規格外の農作物2の位置(X-Y座標での位置)を認識する。
【0051】
この選定手段6は、図3に示すように、外観撮影手段61、内部撮影手段62、判定手段63、認識手段64などを備えている。
【0052】
外観撮影手段61は、第1投光部61aと、第1受光部61bとで構成されている。第1投光部61aは、例えば可視光を放射する公知の白色LEDなどとすることができる。第1受光部61bは、第1投光部61aから放射されて搬送手段4側から反射される可視光を撮影するものであって、例えば公知のCCDカメラまたはCMOSカメラなどとすることができる。
【0053】
この外観撮影手段61は、搬送手段4の上の計測区間204において搬送方向の上流側(外観品質判定区間ともいう)に配置されていて、当該計測区間204の上流側全域を撮影することにより搬送手段4で搬送される農作物2の外観を撮影して、当該撮影画像を外観判定装置61Aに送信する。該外観判定装置61Aは、受信した撮影画像に対し所定の画像処理を行うことで、外観品質が所定の規格を満たしているか否かを判定し、所定の規格を満たしていない農作物2を規格外農作物として認定する。この認定情報は判定手段63に送信される。なお、農作物2の外観品質が所定の規格外であるか否かを判定する方法については、公知の方法を採用することができるので、ここでの詳細な説明は割愛する。
【0054】
内部撮影手段62は、追跡カメラ62a、第2投光部62b、第3投光部62c、第2受光部62d、第3受光部62eとで構成されている。
【0055】
追跡カメラ62aは計測区間204において搬送方向の下流側(内部品質判定区間ともいう)に搬送されてきた農作物2を撮影するためのものであり、例えば公知のCCDカメラまたはCMOSカメラなどとすることができる。この追跡カメラ62aによって、計測区間204において前記内部品質判定区間に搬送されてきた農作物2の大きさ、個数、位置の情報を取得する。なお、この追跡カメラ62aに対応して前記内部品質判定区間に向けて光を照射する照明装置を配設するようにしてもよい。この照明装置は、例えば可視光を放射する公知の白色LEDなどとすることができる。
【0056】
第2、第3投光部62b,62cは、例えば近赤外線を放射する公知の近赤外線LEDなどとすることができる(詳しくは後述する)。第2、第3受光部62d,62eは、例えば公知のCCDカメラまたはCMOSカメラなどとすることができる。第2投光部62bと第2受光部62dとはローラ44,44,…を上下方向で挟んで対向配置されている。同様に、第3投光部62cと第3受光部62eとはローラ44,44,…を上下方で挟んで対向配置されている。このため、第2受光部62dは、第2投光部62b直上の農作物2を透過した光(近赤外線)を撮影する。第3受光部62eは、第3投光部62c直上の農作物2を透過した光(近赤外線)を撮影する。なお、前述した各投光部61a,62b,62cおよび各受光部61b,62d,62eは、フレーム65に取り付けられている。
【0057】
内部撮影手段62は、搬送手段4の上の前記内部品質判定区間を搬送される農作物2の内部を撮影して、当該撮影画像を内部判定装置62Aに送信する。該内部判定装置62Aは、受信した撮影画像に対し所定の画像処理を行うことで、農作物2の内部品質が所定の規格を満たしているか否かを判定し、所定の規格を満たしていない農作物2を規格外農作物として認定する。この認定情報は判定手段63に送信される。なお、農作物2の内部品質が所定の規格外であるか否かを判定する方法については、公知の方法を採用することができるので、ここでの詳細な説明は割愛する。
【0058】
本実施形態の特徴は、この内部撮影手段62にある。以下、この内部撮影手段62の構成について具体的に説明する。図4は、内部撮影手段62における搬送手段4(以下、ローラコンベア4という場合もある)の平面図である。この図4に示すように、ローラコンベア4の各ローラ44,44,…は、前記搬送方向に所定間隔を存して並列配置されている。互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔Sは、農作物2において想定される最小外径寸法よりも僅かに小さく設定されている。このローラ44,44同士の間の間隔Sが本発明でいう通過領域(光の通過が可能な通過領域)に相当する。
【0059】
また、第2投光部62bおよび第3投光部62cは、それぞれ搬送幅方向(ローラコンベア4による搬送方向に直交する水平方向)に沿って一列に並べられた複数のLED素子(以下、LED光源と呼ぶ)LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15によって構成されている。つまり、搬送幅方向に沿って一列に並べられた複数のLED光源LA1,LA2,…,LA15によって構成されている第2投光部62bの下流側(搬送方向の下流側:図4における左側)に、搬送幅方向に沿って一列に並べられた複数のLED光源LB1,LB2,…,LB15によって構成されている第3投光部62cが配設された構成となっている。図4では、各LED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15それぞれが搬送幅方向に所定間隔を存して15個直列配置された構成を示しているが、各LED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15の配設ピッチや配設個数は任意に設定可能である。例えば10mmピッチで60個配設するようにしてもよい。なお、光源としてはLED光源に代えてレーザ光源としてもよい。
【0060】
また、第2投光部62bを構成しているLED光源LA1,LA2,…,LA15および第3投光部62cを構成しているLED光源LB1,LB2,…,LB15としては光の波長が互いに異なるものが採用されている。農作物2の厚さ(光の透過方向での厚さ)が農作物2毎に異なっている場合、それぞれの透過率が異なることになるが、このように光の波長が互いに異なる投光部62b,62cからの光を利用して農作物2の内部品質を異なるタイミングで計測(2回計測)するようにしたことにより、農作物2の厚さが農作物2毎に異なっていることの影響を殆ど受けない状態で内部品質を高い精度で計測することが可能になる。
【0061】
そして、図4は、ローラコンベア4の移動時において、互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔Sが第2投光部62b(LED光源LA1,LA2,…,LA15)の上側に位置した状態を示している。第2投光部62bと第3投光部62cとの距離(搬送方向におけるピッチ:図4における距離t1)は、各ローラ44,44,…の配設ピッチt2(各ローラ44,44の軸間距離に相当)に対して3.5倍に設定されている。このため、図4に示すように、互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔Sの位置が第2投光部62b(LED光源LA1,LA2,…,LA15)の上側に位置した状態(平面視において第2投光部62bが見える状態)では、第3投光部62c(LED光源LB1,LB2,…,LB15)の鉛直上方には他のローラ44が位置することになる(平面視において第3投光部62cが見えない状態となる)。これら第2投光部62bと第3投光部62cとの距離(搬送方向におけるピッチt1)と各ローラ44,44,…の配設ピッチt2との関係は3.5倍に限定されるものではなく、0.5倍、1.5倍、2.5倍等であってもよい。つまり、互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔Sの位置が第2投光部62bの上側に位置した状態で、第3投光部62cの鉛直上方に他のローラ44が位置する関係となっておればよい。この場合、図示しないが、互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔Sの位置が第3投光部62cの上側に位置した状態では、第2投光部62bの鉛直上方に他のローラ44が位置することになる。
【0062】
次に、内部撮影手段62および前記内部判定装置62A等で構成される農作物内部計測装置1Aの制御系について説明する。図5は、農作物内部計測装置1Aの制御系の概略を示すブロック図である。この図5に示すように、農作物内部計測装置1Aの制御系としては、前記内部判定装置62A、および、各投光部62b,62cを制御する計測制御装置(本発明でいう制御装置)62Bを備えている。これら装置62A,62Bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、制御プログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random-Access Memory)、および、入出力ポート等を備えている。
【0063】
内部判定装置62Aには、信号線によって各受光部62d,62e、計測制御装置62Bが接続されている。これにより、各受光部62d,62eからの映像情報、および、計測制御装置62Bからの農作物2の情報(大きさ、個数、位置の情報)が内部判定装置62Aに入力されるようになっている。また、内部判定装置62Aからの判定結果情報(農作物2の内部品質が所定の規格を満たしているか否かの情報;認定情報)が計測制御装置62Bに出力されるようになっている。また、前述したように、この情報(認定情報)は判定手段63にも送信される。
【0064】
計測制御装置62Bには、信号線によって各投光部62b,62c、追跡カメラ62a、ローラコンベア4の走行速度を検出するエンコーダ4a、内部判定装置62Aが接続されている。これにより、追跡カメラ62aからの情報(内部品質判定区間に搬送されてきた農作物2の大きさ、個数、位置の情報)、エンコーダ4aからの情報(ローラコンベア4の走行速度の情報)、内部判定装置62Aからの情報(前記判定結果情報)が計測制御装置62Bに入力されるようになっている。また、第2投光部62bおよび第3投光部62cそれぞれを構成する各LED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15に対し個別に点灯と消灯とを切り替えるための制御信号、内部判定装置62Aへの農作物2の情報が出力されるようになっている。
【0065】
計測制御装置62Bは、内部での演算処理によって第2投光部62bおよび第3投光部62cそれぞれのLED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15の点灯を制御する制御信号を出力する。具体的には、追跡カメラ62aからの情報(内部品質判定区間に搬送されてきた農作物2の大きさ、個数、位置の情報)、追跡カメラ62aからの情報の取得タイミング、エンコーダ4aからのローラコンベア4の走行速度の情報を受信し、予め記憶された追跡カメラ62aの撮影位置から各投光部62b,62cそれぞれまでの距離に応じて各投光部62b,62cそれぞれを構成する各LED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15の点灯タイミングと、点灯させるLED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15の情報が前記制御信号として各投光部62b,62cそれぞれに出力され、各投光部62b,62cでは、所定タイミング(農作物2が鉛直上方まで搬送されてきたタイミング)で所定のLED光源(農作物2が鉛直上方まで搬送されてきたLED光源)が点灯する制御が行われる。つまり、各LED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15は、鉛直上方を農作物2が通過する期間のみ点灯するように制御が行われる。
【0066】
図6は、第2投光部62bの点灯状態を説明するための図4相当図である。また、図7は、図6におけるVII-VII線に沿った図である。図6では、点灯しているLED光源LA3,LA4,LA8,LA10,LA13を破線で示し、点灯していないLED光源は示していない。また、図7では、点灯しているLED光源LA3,LA4,LA8,LA10,LA13を実線で示し(投光された光を破線の矢印で示している)、点灯していないLED光源LA1,LA2,LA5~LA7,LA9,LA11,LA12,LA14,LA15を破線で示している。
【0067】
これらの図にあっては、4個の農作物2が第2投光部62bの鉛直上方まで搬送されてきたタイミングで第2投光部62bの特定のLED光源(農作物2の鉛直下方に位置するLED光源LA3,LA4,LA8,LA10,LA13)が点灯した状態となっている。図6において最も上側に位置している(搬送方向下流側に向かって最も右側に位置している)農作物2は比較的大きいことから、対向する2個のLED光源LA3,LA4が点灯した状態となっている。また、第3投光部62cの鉛直上方には農作物2が位置していないことにより、この第3投光部62cの全てのLED光源LB1~LB15が消灯した状態である。
【0068】
このように農作物2の鉛直下方に位置するLED光源LA3,LA4,LA8,LA10,LA13のみが点灯することにより、農作物2に対向しない位置にあるLED光源LA1,LA2,LA5~LA7,LA9,LA11,LA12,LA14,LA15にあっては点灯することなく消灯状態となる。このため、農作物2を透過することなくローラ44,44同士の間の間隔Sを通過して第2受光部62dに達してしまう光は存在しなくなり、この光の存在による農作物2の内部品質の計測精度への悪影響を回避することができるようになっている。
【0069】
図8は、図6に示す状態からローラコンベア4による搬送が進んで第3投光部62cが点灯した状態を説明するための図4相当図である。この図8においても、点灯しているLED光源LB3,LB4,LB8,LB10,LB13を破線で示し、点灯していないLED光源は示していない。
【0070】
この図8にあっては、4個の農作物2が第3投光部62cの鉛直上方まで搬送されてきたタイミングで第3投光部62cの特定のLED光源(農作物2の鉛直下方に位置するLED光源LB3,LB4,LB8,LB10,LB13)が点灯した状態となっている。また、第2投光部62bの全てのLED光源LA1~LA15が消灯した状態である。
【0071】
この場合にあっても、農作物2の鉛直下方に位置するLED光源LB3,LB4,LB8,LB10,LB13のみが点灯することにより、農作物2に対向しない位置にあるLED光源にあっては点灯することなく消灯状態となる。このため、農作物2を透過することなくローラ44,44同士の間の間隔Sを通過して第3受光部62eに達してしまう光は存在しなくなり、この光の存在による農作物2の内部品質の計測精度への悪影響を回避することができるようになっている。
【0072】
判定手段63は、外観判定装置61Aおよび内部判定装置62Aからの出力を受け、外観および内部品質の少なくとも一方が規格外となっている農作物2を特定する。
【0073】
認識手段64は、搬送手段4の上の計測区間204において搬送方向の下流側(内部品質判定区間)に配置されていて、当該計測区間204の下流側全域を撮影することにより判定手段63で規格外と判定した農作物2の位置(X-Y座標での位置)を認識すると共に、当該農作物2の追跡を行う。
【0074】
この認識手段64は、図3に示すように、第4投光部64aと、第4受光部64bとで構成されている。第4投光部64aは、例えば可視光を放射する公知の白色LEDなどとすることができる。第4受光部64bは、第4投光部64aから放射されて搬送手段4側から反射される可視光を撮影するものであって、例えば公知のCCDカメラまたはCMOSカメラなどとすることができる。
【0075】
取出手段7は、搬送手段4の上の取出区間205において搬送方向の上流側(自動取出区間ともいう)に配置されていて、規格外の農作物2を搬送手段4上から自動的に取り出すものであって、例えばロボットで構成することができる。
【0076】
この取出手段7は、規格外の農作物2の位置(X-Y座標での位置)に関する情報を受信し、この受信した情報に基づいて搬送手段4で搬送されてくる規格外の農作物2を取り出すように構成されている。
【0077】
なお、前記取り出された規格外の農作物2は、例えば不図示の回収ボックスに収納することができる。また、前記ロボットとしては、例えばパラレルリンク型ロボット、スカラー型ロボットあるいは多関節型ロボットなどとすることができる。
【0078】
指示手段8は、搬送手段4の上の取出区間205において搬送方向の下流側(指示区間または手動取出区間ともいう)に配置されていて、規格外の農作物2を指示するものであって、例えばプロジェクターとすることができる。
【0079】
この指示手段8は、認識手段64から規格外の農作物2の位置(X-Y座標での位置)に関する情報を受信し、この受信した情報に基づいて、例えば図9に示すように、搬送手段4で搬送されてくる規格外の農作物2に可視光を照射すると共に、当該可視光の照射位置を農作物2の移動に合わせて順次ずらすことにより、農作物2を追跡することができる。
【0080】
ところで、選定手段6により選定した規格外の農作物2を、取出手段7で取り出す処理と指示手段8で指示する処理とのどちらに実行させるかについては任意に特定することができる。
【0081】
そして、指示手段8が設けられている取出区間205の下流側では、規格外の農作物2に可視光が照射されているから、規格外の農作物2を作業者が手作業で取り出すことができる。
【0082】
調節手段9は、選定手段6により選定した規格外の農作物2の数量や取出手段7の取り出し能力を考慮して搬送手段4による搬送速度を調節する。
【0083】
具体的に、調節手段9は、搬送手段4のモータ45の駆動力を制御することによりチェーン43の搬送速度を調節して農作物2の搬送速度を調節する。チェーン43の搬送速度は、駆動スプロケット41に設けられたエンコーダ4aによって認識される。
【0084】
なお、調節手段9は、規格外の農作物2の数量が多い場合に搬送手段4による搬送速度を遅くする。
【0085】
さらに、この実施形態では、図1および図10に示すように、整列区間202に第1正転用駆動手段11の前半部分と逆転用駆動手段12が設置されており、また、計測区間204の上流側(外観品質判定区間)に第1正転用駆動手段11の後半部分と第2正転用駆動手段13が設置されている。
【0086】
具体的に、図10および図11に示すように、搬送手段4としてのローラコンベアにおいて整列区間202から計測区間204の上流側(外観品質判定区間)に至る領域で搬送方向に向かって左側方には、第1正転用駆動手段11が設置されている。
【0087】
この第1正転用駆動手段11は、整列区間202から計測区間204の上流側(外観品質判定区間)に至る領域に入った搬送手段4としてのローラコンベアの全てのローラ44における一つおき(以下、例えば奇数番目という)のローラ44を正方向に自転(正転)させる。
【0088】
ここで、前記正方向とは、例えば図12に示すように、ローラ44を搬送方向に向かって左側から見た状態で時計回り方向のこととする。
【0089】
また、整列区間202において搬送方向に向かって搬送手段4としてのローラコンベアの右側方には、逆転用駆動手段12が設置されている。
【0090】
この逆転用駆動手段12は、整列区間202に入った搬送手段4としてのローラコンベアの全てのローラ44における残り一つおき(以下、例えば偶数番目という)のローラ44を逆方向に自転(逆転)させる。
【0091】
ここで、前記逆方向とは、例えば図12に示すように、ローラ44を搬送方向に向かって左側から見た状態で反時計回り方向のこととする。
【0092】
さらに、計測区間204の上流側(外観品質判定区間)において搬送手段4としてのローラコンベアの搬送方向に向かって右側方には、第2正転用駆動手段13が設置されている。
【0093】
この第2正転用駆動手段13は、計測区間204において前記奇数番目のローラ44を正方向に自転(正転)させるものである。
【0094】
このような第1、第2正転用駆動手段11,13ならびに逆転用駆動手段12は、例えば図13に示すように、側面視で楕円形にループされたチェーン111,121,131と、チェーン111,121,131が巻き掛けられる一対のスプロケット113,114,123,124,133,134と、一方のスプロケット113,123,133を回転駆動することによりチェーン111,121,131を回転させるモータ112,122,132と、で構成することができる。
【0095】
そして、前記奇数番目のローラ44の自転軸44aの左側には、それぞれ左側のスプロケット14が固定されている。一方、前記偶数番目のローラ44の自転軸44aの右側には、それぞれ右側のスプロケット15が固定されている。
【0096】
第1正転用駆動手段11のチェーン111には、左側のスプロケット14が係合されるようになっていて、当該チェーン111の回転に伴い左側のスプロケット14および前記奇数番目のローラ44が正転させられるようになっている。
【0097】
また、逆転用駆動手段12のチェーン121には、右側のスプロケット15が係合されるようになっていて、当該チェーン121の回転に伴い右側のスプロケット15および前記偶数番目のローラ44が逆転させられるようになっている。
【0098】
さらに、第2正転用駆動手段13のチェーン131には、右側のスプロケット15が係合されるようになっていて、当該チェーン131の回転に伴い右側のスプロケット15および前記偶数番目のローラ44が正転させられるようになっている。
【0099】
次に、上述した農作物選別装置1の動作を説明する。
【0100】
まず、供給区間201において、供給手段3としてのコンテナに収容された選別前の農作物2が整列区間202の上流側(第1拡散区間)に配置される整列手段5の拡散ローラコンベア51上にランダムな状態で供給される。
【0101】
この拡散ローラコンベア51上では、前記ランダムな状態で供給された農作物2が前後左右に散らされながら整列区間202の下流側(第2拡散区間)に送られる。
【0102】
この整列区間202の下流側に送られた農作物2が搬送手段4としてのローラコンベア上に供給される際、農作物2それぞれが整列手段5の仕切手段52により整列される。
【0103】
具体的に、整列区間202の下流側では、搬送手段4としてのローラコンベアにおいて隣り合う二つのローラ44を仮想ペアとしたときに、当該各仮想ペアのローラ44間に一つの農作物2または複数の農作物2がローラ44の中心軸線方向に一列に並べられた状態で配置されると共に、前記仮想ペアとなる二つのローラ44が仕切部材524により挟まれる。
【0104】
しかも、この整列区間202においては、図12に示すように、前記仮想ペアの二つのローラ44のうち搬送方向の下流側(前)のローラ44は第1正転用駆動手段11により正転(左側面視で時計回りに回転)させられる一方、搬送方向の上流側(後)のローラ44は逆転用駆動手段12により逆転(左側面視で反時計回りに回転)させられる。
【0105】
つまり、前記各仮想ペアのローラ44が第1正転用駆動手段11および逆転用駆動手段12により互い違いに回転させられるようになる。
【0106】
これにより、前記仮想ペアとなる二つのローラ44間に配置されている農作物2が整列区間202を通過する過程においては、互い違いの方向に自転させられる前後二つのローラ44の間に配置される農作物2が転がって位置ずれしないように不動に保持される。
【0107】
しかも、農作物2が楕円形のような長物の場合には、図14に示すように、前記二つのローラ44の間において農作物2の長手方向がローラ44の中心軸線方向に沿う姿勢(横向き姿勢という)に変更されることになる。
【0108】
これらのことから、複数の農作物2が搬送方向の前後に重なることを防止できるようになる。しかも、整列区間202で複数の農作物2を整列させるための構成(第1正転用駆動手段11、逆転用駆動手段12)を搬送方向の短い領域に設置しているだけであるから搬送方向の占有スペースが短くなる。
【0109】
この後、搬送手段4のチェーン43のローラ44それぞれが回転方向切替区間203を通過する過程においては、整列区間202において正転させられていたローラ44は第1正転用駆動手段11により正転する状態が継続される一方、整列区間202において逆転させられていたローラ44は逆転用駆動手段12を通り過ぎることになって回転自由な状態にされる。
【0110】
そして、計測区間204の上流側(外観品質判定区間)では、図15に示すように、回転方向切替区間203において正転させられていたローラ44は第1正転用駆動手段11により正転する状態が継続される一方、回転方向切替区間203において回転自由な状態のローラ44は第2正転用駆動手段13により正転させられることになる。
【0111】
このように前記各仮想ペアのローラ44が共に正転させられるようになるので、農作物2が、図15に示すように、前記各仮想ペアのローラ44の回転方向に対して逆方向(反時計回り方向)に回転(自転)させられることになる。
【0112】
そのため、計測区間204の上流側(外観品質判定区間)では、農作物2の自転に伴いその上面が順次自転方向に入れ替わることになるので、外観撮影手段61により農作物2の全周を連続的に撮影できるようになる。
【0113】
この外観撮影手段61により撮影された画像に基づいて外観判定装置61Aが農作物2の品質(色、大きさ、傷の有無、傷の大きさなど)が規格外であるか否かを判定すると共に、その情報が判定手段63に送信され、当該規格外の農作物2が計測区間204の上流側(外観品質判定区間)に存在する数をカウントし、さらに認識手段64が前記規格外と判定した農作物2の位置(X-Y座標での位置)を認識すると共に、当該農作物2の追跡を行う。
【0114】
続いて、計測区間204の下流側(内部品質判定区間)では、前記各仮想ペアのローラ44が共に回転自由な状態にされる。
【0115】
これにより、農作物2は、計測区間204の下流側(内部品質判定区間)を通過する間、回転自由な状態であるものの静止した状態になるので、当該非回転状態の農作物2の内部が内部撮影手段62により撮影される。そのため、内部撮影手段62により撮影された画像には、農作物2の内部の状態が明確に映るようになる。この内部品質判定区間での農作物2の内部の状態の計測では、前述したように、農作物2が第2投光部62bの鉛直上方まで搬送されてきたタイミングで第2投光部62bの特定のLED光源が点灯することで(図6および図7に示す状態を参照)、第2受光部62dで受光された光の解析によって農作物2の内部品質が計測される。また、農作物2が第3投光部62cの鉛直上方まで搬送されてきたタイミングで第3投光部62cの特定のLED光源が点灯することで(図8に示す状態を参照)、第3受光部62eで受光された光の解析によって農作物2の内部品質が計測される。
【0116】
このようにして内部撮影画像に基づいて内部判定装置62Aが農作物2の品質(腐敗状態)が規格外であるか否かを判定すると共に、認識手段64が前記規格外と判定した農作物2の位置(X-Y座標での位置)を認識すると共に、当該農作物2の追跡を行う。
【0117】
次に、取出区間205の上流側(自動取出区間)では、ローラ44それぞれが回転自由な状態であるものの静止した状態に保たれる。
【0118】
そのため、農作物2が取出区間205に入ると、取出手段7が、認識手段64から規格外の農作物2の位置(X-Y座標での位置)に関する情報を受信し、この受信した情報に基づいて規格外の農作物2を自動的に取り出して、不図示の回収ボックスに収納する。このとき、農作物2が回転停止状態(非回転状態、静止状態)になっているので、取出手段7が規格外の農作物2を正確に取り出しやすくなる。
【0119】
そして、取出区間205の下流側(手動取出区間)では、指示手段8が、認識手段64から規格外の農作物2の位置(X-Y座標での位置)に関する情報を受信し、この受信した情報に基づいて搬送手段4で搬送されてくる規格外の農作物2に可視光を照射すると共に、例えば図9に示すように、当該可視光の照射位置を農作物2の移動に合わせて順次ずらすことにより、農作物2を追跡する。
【0120】
これにより、指示手段8が設けられている取出区間205の下流側では、規格外の農作物2に可視光が照射されているから、規格外の農作物2を作業者が手作業で取り出しやすくなる。
【0121】
つまり、この取出区間205の下流側では、上流側で規格外の農作物2を取り出し損ねることが発生したような場合に、当該取り出し損ねた規格外の農作物2を作業者が手作業で取り出すことができるようになっているのである。
【0122】
以上説明したように本発明を適用した実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
【0123】
本実施形態では、農作物2の内部品質を計測するための光を該農作物2に向けて投光する第2投光部62bおよび第3投光部62cを、搬送手段4による搬送方向に直交する水平方向である搬送幅方向の全体に亘って設けている。このため、各投光部62b,62cのLED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15からの光の光量を大きく設定することなしに、搬送幅方向の端部に位置する農作物2に対しても所定光量の光を投光することが可能になる。その結果、光量が大きいことに起因するレンズフレアやゴーストといった現象の発生を抑制することができ、農作物2の内部品質の計測精度を良好に確保することができる。
【0124】
また、各LED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15のうち、ローラコンベア4によって搬送されてきた農作物2に対向する位置にあるLED光源のみを点灯させるようにしているので、搬送されてきた農作物2に対向しない位置にあるLED光源にあっては点灯することなく消灯状態となる。このため、農作物2を透過することなく、互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔Sを通過して受光部62d,62eに達してしまう光は存在しなくなり、この光の存在による農作物2の内部品質の計測精度への悪影響を回避することができる。また、全てのLED光源を点灯する場合に比べて消費電力の削減を図ることもできる。
【0125】
また、LED光源を点灯させるタイミングとして、搬送されてきた農作物2が当該LED光源に対向する位置に達した時点として設定している。このため、搬送されてきた農作物2がLED光源に対向する位置に達するまでは、当該LED光源は消灯状態にある。これによっても、農作物2を透過することなく互いに隣り合うローラ44,44同士の間の間隔S(農作物2が存在しない間隔S)を通過して受光部62d,62eに達してしまう光は存在しなくなる。また、LED光源の消灯期間を長く得ることが可能となり、消費電力の削減を図ることができる。
【0126】
また、本実施形態では、各光源としてLED光源LA1,LA2,…,LA15、LB1,LB2,…,LB15を採用している。LED光源は直進性が高いため、特に、光の投光方向や投光幅を調整するための機構を備えさせることなしに、対向する位置に搬送されてきた農作物2に向けて良好に光を投光することができる。つまり、農作物2を透過することなく(農作物2の外側をすり抜けて)受光部62d,62eに達してしまう光の存在を抑制することができ、農作物2の内部品質の計測精度を高めることができる。
【0127】
(変形例)
次に、変形例について説明する。本変形例は、第2、第3投光部62b,62cの構成および動作が前述した実施形態のものと異なっている。その他の構成および動作については前述した実施形態のものと同様であるので、ここでは前述した実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0128】
図16は、本変形例における図7相当図である。この図16では、第2投光部62bの構成を示しているが、第3投光部62cも同様の構成となっている。図16に示すように、第2投光部62bは、搬送幅方向に亘って配置された複数の光源(図16では符号を付していない)と、該各光源の投光側(図16における上側)にそれぞれ対応して配設されたシャッタS1,S2,…S15とを備えた構成となっている。
【0129】
本変形例にあっては、各光源としてはハロゲンランプを採用している。なお、前述した実施形態の場合と同様にLED光源であってもよい。また、本実施形態では、各光源は、点灯と消灯とが個別に切り替え可能となっているものではなく、農作物2の搬送中においては、全ての光源が点灯されるものとなっている。
【0130】
各シャッタS1,S2,…S15それぞれは、金属製の平板で成り、図16に示す状態における水平方向の一方寄りの位置に水平軸周りに回動可能とする回動軸を備えている。これら回動軸それぞれには図示しないアクチュエータまたはソレノイドで成る駆動源が連結されており、その駆動によって、水平姿勢と鉛直姿勢とが個別に切り替え可能となっている。この駆動源の駆動は前記計測制御装置62Bから出力される制御信号によって行われる。シャッタS1,S2,…S15が水平姿勢となっている場合には、点灯している光源の光の第2受光部62dに向けての投光を遮断する。以下、このシャッタの水平姿勢を閉鎖姿勢と呼ぶこととする。一方、シャッタS1,S2,…S15が鉛直姿勢となっている場合には、点灯している光源の光を第2受光部62dに向けて投光させる。以下、このシャッタの鉛直姿勢を開放姿勢と呼ぶこととする。
【0131】
本変形例における計測制御装置62Bは、内部での演算処理によって各シャッタS1,S2,…S15の姿勢を制御する制御信号を出力する。具体的には、前記追跡カメラ62aからの情報(内部品質判定区間に搬送されてきた農作物2の大きさ、個数、位置の情報)、追跡カメラ62aからの情報の取得タイミング、エンコーダ4aからのローラコンベア4の走行速度の情報を受信し、予め記憶された追跡カメラ62aの撮影位置から各投光部62b,62cそれぞれまでの距離に応じて各シャッタS1,S2,…S15の閉鎖姿勢と開放姿勢とを切り替える信号が出力され、各投光部62b,62cでは、所定タイミング(農作物2が鉛直上方まで搬送されてきたタイミング)で所定のシャッタが開放姿勢となる制御が行われる。つまり、鉛直上方を農作物2が通過する期間のみ特定のシャッタが開放姿勢となるように制御が行われる。
【0132】
図17(本変形例における光の投光状態を示す図7相当図)にあっては、4個の農作物2が第2投光部62bの鉛直上方まで搬送されてきたタイミングで第2投光部62bの特定のシャッタ(農作物2の鉛直下方に位置するシャッタS3,S4,S8,S10,S13)が開放姿勢となった状態である。
【0133】
このように農作物2の鉛直下方に位置するシャッタS3,S4,S8,S10,S13のみが開放姿勢となることにより、農作物2に対向しない位置にあるシャッタは閉鎖姿勢となり、光が遮断される。このため、農作物2を透過することなくローラ44,44同士の間の間隔Sを通過して第2受光部62dに達してしまう光は存在しなくなり、この光の存在による農作物2の内部品質の計測精度への悪影響を回避することができるようになっている。
【0134】
本変形例にあっても、前述した実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。
【0135】
なお、本発明は、前記実施形態および変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
【0136】
(1)前記実施形態および変形例で説明した農作物選別装置1の構成は、本発明の特徴に関する構成以外について特に限定されるものではなく、適宜に変更することができる。
【0137】
(2)前記実施形態および変形例の整列区間202においては、例えば図18に示すように、搬送手段4としてのローラコンベアの全てのローラ44における一つおき(例えば奇数番目)のローラ44を逆方向(反時計回り方向)に自転(逆転)させる一方、残り一つおき(例えば偶数番目)のローラ44を正方向(時計回り方向)に自転(正転)させるようにすることができる。
【0138】
(3)図19に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態は、取出区間205において搬送手段4としてのローラコンベアの搬送方向に向かって左側方と右側方とに強制停止手段16を設置している。
【0139】
この強制停止手段16は、例えば図20に示すように、第1、第2正転用駆動手段11,13ならびに逆転用駆動手段12の構成と同様に、側面視で楕円形にループされたチェーン161と、チェーン161が巻き掛けられる一対のスプロケット163,164と、一方のスプロケット163を回転駆動することによりチェーン161を回転させるモータ162と、で構成することができる。
【0140】
この強制停止手段16は、取出区間205において搬送方向に向かって左側方と右側方とに設置されている。
【0141】
そして、強制停止手段16のチェーン161の回転速度を、搬送手段4としてのローラコンベアのチェーン43の回転速度と同一に設定すると、搬送手段4としてのローラコンベアの全てのローラ44が強制的に回転停止状態(非回転状態、静止状態)にされることになる。
【0142】
その他の構成は前記実施形態と同様である。図19および図20に示す実施形態では、上述したように取出区間205において搬送手段4としてのローラコンベアの全てのローラ44を強制的に回転停止状態(非回転状態、静止状態)にさせているから、規格外の農作物2を取出手段7により自動的に取り出すとき、あるいは作業者が手作業で取り出すときに、取り出しやすくなる。
【0143】
(4)図21および図22に他の実施形態を示している。この実施形態は、強制停止手段16の他の実施形態である。
【0144】
この実施形態の強制停止手段16Aは、図21に示すように、搬送手段4としてのローラコンベアの搬送方向に向かって左側方と右側方とにそれぞれ配置されるガイドレールを含む構成になっている。
【0145】
この強制停止手段16Aとしての二つのガイドレールは、平面視において、図21に示すように、直線形状とされているが、側面視において、図22に示すように、搬送方向の下流側から途中までの領域が水平な直線形状とされていて、搬送方向の途中から上流端までの領域が上流側へ向けて徐々に斜め上向きに傾斜する傾斜形状とされている。
【0146】
また、搬送手段4としてのローラコンベアの全てのローラ44の自転軸44aの左端および右端は、端面視でD字形状に形成されている。つまり、自転軸44aの左端および右端の円周所定角度範囲が切り欠かれたようになっていて、平坦面44bが設けられている。
【0147】
このような構成により、取出区間205に搬送手段4としてのローラコンベアのローラ44が入ってくると、搬送方向の上流側から順次送られてくるローラ44の左端および右端の平坦面44bが強制停止手段16Aとしての二つのガイドレールの傾斜形状部分に迎え入れられることになるが、徐々に前記各ガイドレールの直線形状部分の下側に当接することになって、各ガイドレールに当接する全ての自転軸44aの平坦面44bそれぞれが搬送方向に沿わされるようになる。これにより、各ローラ44が強制的に回転停止状態(非回転状態、静止状態)にされる。
【0148】
また、前記実施形態および変形例では、搬送手段4としてローラコンベアを採用し、搬送体をチェーン43および各ローラ44,44,…によって構成していた。本発明はこれに限らず、搬送手段としてベルトコンベアを採用し、搬送体をベルトとするものであってもよい。この場合、光の通過が可能な通過領域は、ベルトにスリットや小径の開口を形成することによって構成されることになる。また、搬送体として、農作物2を収容しながらも光の通過を可能にした中割れ式バケットを採用するようにしてもよい。
【0149】
また、前記実施形態および変形例では、追跡カメラ62aと第2受光部62dとを個別の手段(撮影手段)としていた。本発明はこれに限らず、1台のカメラで兼用するようにしてもよい。この場合、ハイパースペクトルカメラを採用することが好ましい。
【0150】
また、前記実施形態および変形例では、内部撮影手段62として、農作物2の搬送方向に亘る2箇所に投光部(第2投光部62bおよび第3投光部62c)および受光部(第2受光部62dおよび第3受光部62e)を配設するようにしていた。本発明はこれに限らず、農作物2の搬送方向に亘る1箇所のみに投光部および受光部を配設するようにしてもよいし、3箇所以上の位置に投光部および受光部を配設するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、農作物内部計測装置に好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0152】
1A 農作物内部計測装置
2 農作物
4 搬送手段、ローラコンベア
43 チェーン(搬送体)
44 ローラ(搬送体)
62B 計測制御装置(制御装置)
62b 第2投光部
62c 第3投光部
62d 第2受光部
62e 第3受光部
LA1~LA15、LB1~LB15 LED光源(光源)
S1~S15 シャッタ
S 間隔(通過領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図22