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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159732
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】ブロワ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20231025BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20231025BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20231025BHJP
【FI】
F04D29/58 S
H02K9/06 D
H02K11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069627
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中 慎輔
(72)【発明者】
【氏名】座間 亮二
【テーマコード(参考)】
3H130
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC22
3H130BA33H
3H130BA97A
3H130BA98A
3H130CA06
3H130DD01Z
3H130DF02X
3H130EA07A
3H130EA07H
3H130EA08A
3H130EA08H
3H130EC12A
3H130EC17A
5H609BB03
5H609BB15
5H609BB18
5H609PP02
5H609PP16
5H609QQ02
5H609QQ12
5H609RR03
5H609RR17
5H609RR27
5H609RR33
5H609RR42
5H611BB07
5H611TT01
5H611TT02
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】本明細書では、送風経路と別個に冷却風経路を設ける必要がなく、ブロワの構造を簡易化するとともに、ブロワを小型化することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示するブロワは、吸気口と、排気口と、吸気口と排気口の間に設けられた送風管と、送風管の内部に配置されるファンと、送風管の内部に配置されており、ファンを回転駆動する電動モータと、送風管の内部に配置されており、電動モータを収容するモータハウジングと、電動モータを制御するための制御ユニットと、を備えている。制御ユニットは、電動モータの駆動を制御する制御基板と、制御基板を収容するケーシングと、を備えている。送風管には、送風管の内部と外部を径方向に連通する露出孔が設けられている。ケーシングは、ケーシングの少なくとも一部が径方向外側から露出孔の全体を塞ぐように、送風管に取り付けられている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と、
排気口と、
前記吸気口と前記排気口の間に設けられた送風管と、
前記送風管の内部に配置されるファンと、
前記送風管の内部に配置されており、前記ファンを回転駆動する電動モータと、
前記送風管の内部に配置されており、前記電動モータを収容するモータハウジングと、
前記電動モータを制御するための制御ユニットと、を備えており、
前記制御ユニットは、
前記電動モータの駆動を制御する制御基板と、
前記制御基板を収容するケーシングと、を備えており、
前記送風管には、前記送風管の前記内部と外部を径方向に連通する露出孔が設けられており、
前記ケーシングは、前記ケーシングの少なくとも一部が前記径方向外側から前記露出孔の全体を塞ぐように、前記送風管に取り付けられている、ブロワ。
【請求項2】
前記送風管および前記モータハウジングは、樹脂によって形成されており、
前記ケーシングの前記少なくとも一部は、金属によって形成されている、請求項1のブロワ。
【請求項3】
前記ケーシングの前記少なくとも一部は、前記露出孔が設けられている部分において前記送風管の内側面に沿って広がる仮想面よりも前記径方向外側に配置されている、請求項1または2のブロワ。
【請求項4】
前記径方向に関して、前記ケーシングの前記少なくとも一部と前記仮想面の間の距離は、2mm-12mmの範囲内である、請求項3のブロワ。
【請求項5】
前記露出孔を前記径方向外側から見た時に、前記電動モータと前記露出孔が少なくとも部分的に重なり合っている、請求項1から4の何れか一項のブロワ。
【請求項6】
前記ファンは、送風方向が前記ファンの回転軸方向に一致する軸流ファンであり、
前記ファンは、前記回転軸方向が前記送風管の延在方向に沿うように配置されており、
前記制御基板は、前記ファンの前記送風方向の上流側が前記吸気口側となり、前記送風方向の下流側が前記排気口側となるように、前記電動モータの駆動を制御するように構成されており、
前記露出孔は、前記ファンの下流側に設けられている、請求項1から5の何れか一項のブロワ。
【請求項7】
前記電動モータは、ブラシレスモータであり、
前記制御基板は、前記電動モータに供給される電流を切り替えるための複数のスイッチング素子を備えている、請求項1から6の何れか一項のブロワ。
【請求項8】
前記露出孔を前記径方向外側から見た時に、前記複数のスイッチング素子と前記露出孔が少なくとも部分的に重なり合っている、請求項7のブロワ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、ブロワに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸気口と、排気口と、前記吸気口と前記排気口の間に設けられた送風管と、前記送風管の内部に配置されるファンと、前記送風管の内部に配置されており、前記ファンを回転駆動する電動モータと、前記送風管の内部に配置されており、前記電動モータを収容するモータハウジングと、前記電動モータを制御するための制御ユニットと、を備えるブロワが開示されている。前記制御ユニットは、前記電動モータの駆動を制御する制御基板と、前記制御基板を収容するケーシングと、を備えている。前記送風管には、前記送風管の前記内部と外部を連通する冷却風経路が設けられている。前記制御ユニットは、前記冷却風経路の内部において、前記冷却風経路の全体を塞ぐことなく配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-076355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御ユニットを備えるブロワでは、制御基板の発熱による制御ユニットの温度上昇を抑制するために、制御ユニットを冷却する必要がある。特許文献1のブロワでは、送風経路とは別個に、制御ユニットを冷却するための冷却風経路が設けられている。この場合、冷却風経路を設けることにより、ブロワの構造が複雑化するとともに、ブロワが大型化する可能性がある。本明細書では、送風経路と別個に冷却風経路を設ける必要がなく、ブロワの構造を簡易化するとともに、ブロワを小型化することが可能な技術を提供する。なお、本明細書では、「送風経路」とは、送風管の内部において形成される、送風管の一端から送風管の他端に至る経路を意味する。「作業用空気」とは、送風経路に従って排出口から排出される空気を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示するブロワは、吸気口と、排気口と、前記吸気口と前記排気口の間に設けられた送風管と、前記送風管の内部に配置されるファンと、前記送風管の内部に配置されており、前記ファンを回転駆動する電動モータと、前記送風管の内部に配置されており、前記電動モータを収容するモータハウジングと、前記電動モータを制御するための制御ユニットと、を備えている。前記制御ユニットは、前記電動モータの駆動を制御する制御基板と、前記制御基板を収容するケーシングと、を備えている。前記送風管には、前記送風管の前記内部と外部を径方向に連通する露出孔が設けられている。前記ケーシングは、前記ケーシングの少なくとも一部が前記径方向外側から前記露出孔の全体を塞ぐように、前記送風管に取り付けられている。
【0006】
上記の構成によれば、ケーシングは、露出孔の全体を塞ぐように送風管に取り付けられている。このとき、ケーシングの少なくとも一部は、送風管に設けられた露出孔を介して、送風経路に露出している。このため、送風経路に従って流れる空気は、制御ユニットを冷却するとともに、その全量が作業用空気として排出される。上記の構成によれば、送風経路と別個に、制御ユニットを冷却するための冷却風経路を設ける必要がなく、ブロワの構造を簡易化するとともに、ブロワを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例に係るブロワ10を後方右方上方から見た全体斜視図である。
図2】実施例に係るブロワ10の、ブロワ本体13内の構造を後方右方上方から見た分解図である。
図3】実施例に係るブロワ10の、第1送風管210に設けられた送風ユニット50および制御ユニット80と、送風ユニット50の構成部品を示す分解図である。
図4】実施例に係るブロワ10において、第1送風管210、送風ユニット50、および制御ユニット80の内部構造を示す断面図である。
図5】実施例に係るブロワ10が備える制御ユニット80の構成部品を示す断面図である。
図6】実施例に係るブロワ10の第1送風管210を上下方向に沿って径方向外側から見た場合における、電動モータ54、複数のスイッチング素子84、放熱材86、載置部212、および露出孔216の位置関係を示す図である。
図7】実施例に係るブロワ10における、第1送風管210の内側面に沿って広がる仮想面Vと、コントローラケーシング88の下面との間の位置関係を示す断面図である。
図8】実施例に係るブロワ10において、第1送風管210の内部に形成される送風経路R1と、送風ユニット50に形成される循環経路R2を示す図である。
図9】実施例に係るブロワ10において、送風経路R1に従って空気が流れる場合に、循環経路R2から送風経路R1に空気を引き出すような負圧が生じる様子を模式的に示す図である。
図10】実施例に係るブロワ10における、ハブ62の排気口側端部620の第1の外径φ1と、モータハウジング56の吸気口側端部560の第2の外径φ2と、第1送風管210の第1の内径φ3を示す断面図である。
図11】実施例に係るブロワ10において、ファン52を一定の回転数で回転させた場合の、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2と、冷却風量および作業用空気の風量のそれぞれの変化率との関係を示すグラフである。
図12】実施例に係るブロワ10における、第1通気口58bの第2の内径φ4を示す断面図である。
図13】変形例に係るブロワ10において、第1送風管210、送風ユニット50、および制御ユニット80の内部構造を示す断面図である。
図14】変形例に係るブロワ10において、送風経路R1に従って空気が流れる場合に、循環経路R2から送風経路R1に空気を引き出すような負圧が生じる様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたブロワを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記送風管および前記モータハウジングは、樹脂によって形成されている。前記ケーシングの前記少なくとも一部は、金属によって形成されていてもよい。
【0012】
制御ユニットを効率的に冷却するため、制御基板を収容するケーシングのうち送風経路に露出する部分には、熱伝導性に優れた材料を用いることが望ましい。一方で、ブロワ全体の質量を低減するため、送風管やモータハウジングには質量の小さい材料を用いることが望ましい。上記の構成によれば、ケーシングのうち少なくとも送風経路に露出する部分は、熱伝導性に優れた金属によって形成される。送風管とモータハウジングは、質量の小さい樹脂によって形成される。このため、制御ユニットを効率的に冷却できるとともに、ブロワ全体としては軽量化を実現することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ケーシングの前記少なくとも一部は、前記露出孔が設けられている部分において前記送風管の内側面に沿って広がる仮想面よりも前記径方向外側に配置されていてもよい。ここで、送風管の内側面が円筒面である場合には、「仮想面」は、円筒面に沿って広がる面を意味する。
【0014】
ケーシングを仮想面よりも送風管の径方向内側に配置する場合、ケーシングが配置された部分において送風経路が狭まるため、送風経路において圧力損失が増大する可能性がある。上記の構成によれば、ケーシングが配置された部分において送風経路が狭まることはない。このため、送風経路における圧力損失の増大を抑制することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記径方向に関して、前記ケーシングの前記少なくとも一部と前記仮想面の間の距離は、2mm-12mmの範囲内であってもよい。
【0016】
通常、ケーシングと仮想面の距離が小さいほど、送風経路を流れる空気によって制御ユニットを効率的に冷却することができる。上記の構成によれば、制御ユニットを効率的に冷却することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記露出孔を前記径方向外側から見た時に、前記電動モータと前記露出孔は少なくとも部分的に重なり合っていてもよい。
【0018】
例えば、露出孔を径方向外側から見た時に電動モータと露出孔が重なり合わない場合、送風管が過剰に長くなる可能性がある。上記の構成によれば、露出孔を径方向外側から見た時に電動モータと露出孔が少なくとも部分的に重なり合うように配置されているので、送風管を短くすることができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ファンは、送風方向が前記ファンの回転軸方向に一致する軸流ファンであってもよい。前記ファンは、前記回転軸方向が前記送風管の延在方向に沿うように配置されていてもよい。前記制御基板は、前記ファンの前記送風方向の上流側が前記吸気口側となり、前記送風方向の下流側が前記排気口側となるように、前記電動モータの駆動を制御するように構成されていてもよい。前記露出孔は、前記ファンの下流側に設けられていてもよい。
【0020】
通常、送風経路を流れる空気の流速は、軸流ファンの上流側よりも下流側の方が大きい。上記の構成によれば、制御ユニットのケーシングは、軸流ファンの下流側において送風経路に露出する。このため、制御ユニットが送風経路に露出している部分では、比較的流速の大きい空気が流れる。上記の構成によれば、制御ユニットを効率的に冷却することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動モータは、ブラシレスモータであってもよい。前記制御基板は、前記電動モータに供給される電流を切り替えるための複数のスイッチング素子を備えていてもよい。
【0022】
一般的に、電動モータがブラシレスモータである場合、制御基板には、ブラシレスモータに供給される電流を制御するための複数のスイッチング素子が設けられる。この場合、複数のスイッチング素子における発熱によって、制御ユニットの発熱量は比較的大きくなる。上記の構成によれば、ブラシレスモータを備えるブロワにおいて、作業用空気の風量を低減することなく、制御ユニットを効率的に冷却することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記露出孔を前記径方向外側から見た時に、前記複数のスイッチング素子と前記露出孔は少なくとも部分的に重なり合っていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、制御ユニットの中でも発熱量が比較的多い部分である複数のスイッチング素子が、送風管の径方向において、露出孔と少なくとも部分的に重なり合う。このため、複数のスイッチング素子により発生した熱は、ケーシングのうち送風経路に露出する部分に伝達しやすくなる。したがって、制御ユニット全体としての温度上昇を効率的に抑制することができる。上記の構成によれば、複数のスイッチング素子を備える制御ユニットを効率的に冷却することができる。
【0025】
(実施例)
図1に示すように、ブロワ10は、バッテリ装置12と、ブロワ本体13と、一対の肩ベルト16を備えている。ユーザは、一対の肩ベルト16を肩にかけることで、ブロワ10を背負った状態で保持することができる。すなわち、本実施例のブロワ10は、背負式のブロワである。なお、以下の説明では、ユーザがブロワ10を背負った状態において、ユーザから見た上下方向、左右方向、前後方向を、それぞれブロワ10の上下方向、左右方向、前後方向という。
【0026】
(バッテリ装置12の構成)
バッテリ装置12は、複数の電池セル(図示省略)を収容している。バッテリ装置12は、充電コネクタ24と、放電ケーブル26を備えている。放電ケーブル26は、ブロワ本体13に接続されている。複数の電池セルは、充電コネクタ24に外部電源(図示省略)から延びる充電ケーブル(図示省略)を接続することで、外部電源から充電可能である。複数の電池セルは、放電ケーブル26を介して、ブロワ本体13に放電可能である。
【0027】
(ブロワ本体13の構成)
ブロワ本体13は、アウタハウジング14と、送風管20と、操作グリップ22を備えている。図2に示すように、アウタハウジング14は、左方において吸気口30を備えている。吸気口30は、アウタハウジング14の内部と外部を連通している。また、アウタハウジング14は、送風管20の一部を収容している。アウタハウジング14は、後述する第1送風管210の延在方向が左右方向に沿って設けられるように、送風管20を保持している。
【0028】
(送風管20の構成)
送風管20は、左右方向に沿って延びる略円筒形状の第1送風管210と、左方から右方に向かうにつれて後方から前方に屈曲した略円筒形状の第2送風管220と、前後方向に沿って延びる蛇腹形状の第3送風管230と、前後方向に沿って延びる略円筒形状の第4送風管240を備えている。なお、第3送風管230は伸縮自在に構成されている。第1送風管210と、第2送風管220と、第3送風管230と、第4送風管240は、直列に接続されている。また、第1送風管210の左端は、吸気口30に向けられており、吸気口30に連通している。第4送風管240の前端は、排気口32を備えている。以上のように、送風管20は、一端が吸気口30に連通し、他端が排気口32として機能するように構成されている。本明細書では、送風管20の延在方向に関して、吸気口30に向かう側を吸気口側とし、排気口32に向かう側を排気口側と呼ぶことがある。例えば、第1送風管210の左側を吸気口側と呼び、第1送風管210の右側を排気口側と呼ぶことがある。
【0029】
(操作グリップ22の構成)
図1に示すように、操作グリップ22は、第4送風管240において、ユーザが把持することで操作可能な位置に設けられている。ユーザは、操作グリップ22を把持した状態で第4送風管240の姿勢を調整することで、排気口32を向ける方向を調整することができる。また、操作グリップ22には、例えばトリガ28といった、ユーザによって操作される複数のスイッチが設けられている。
【0030】
(送風ユニット50の構成)
図3に示すように、ブロワ本体13は、送風管20の内部に配置されるとともに、吸気口30から送風管20を通じて排気口32に向けて送風するための送風ユニット50をさらに備えている。送風ユニット50は、ファン52と、ファン52を回転駆動する電動モータ54と、電動モータ54を収容するモータハウジング56と、モータハウジング56の右端に接続するディフューザコーン58を備えている。
【0031】
(電動モータ54の構成)
電動モータ54は、左右方向に沿った回転軸A1周りに回転可能な駆動シャフト60を備えている。本実施例における電動モータ54はブラシレスモータであり、ステータおよびロータ(図示省略)を備えている。駆動シャフト60は、ロータに固定されており、電動モータ54に電力が供給されると、駆動シャフト60は回転軸A1周りに回転する。
【0032】
(ファン52の構成)
図4に示すように、ファン52は、吸気口側から駆動シャフト60に固定されるハブ62と、ハブ62の第1外側面62aに設けられた複数のブレード64を備えている。ハブ62は、回転軸A1周りに回転可能に設けられている。第1外側面62aは、駆動シャフト60の回転軸A1を中心とした軸対称形状に形成されている。第1外側面62aの排気口側の端部である排気口側端部620は、第1の外径φ1を有する(図10参照)。また、本実施例では、ファン52は軸流ファンである。例えば、送風ユニット50を吸気口側から見た時にファン52が左回りに回転する場合、ファン52は回転軸A1に沿って吸気口側から排気口側へ(すなわち図4の左側から右側へ)向かう空気の流れを発生させる。
【0033】
(モータハウジング56の構成)
図3に示すように、モータハウジング56は、回転軸A1に沿って延びる円筒部66と、電動モータ54の排気口側に設けられた底部68と、電動モータ54の吸気口側に設けられた蓋部70を備えている。モータハウジング56は、円筒部66に形成された複数の支持部材72によって第1送風管210の内部に支持されている。なお、円筒部66と、底部68と、複数の支持部材72と、第1送風管210は、継ぎ目なく一体的に形成されている。蓋部70は、円筒部66に対してねじ(図示省略)によって固定されている。このため、電動モータ54のモータハウジング56への収容は、電動モータ54を円筒部66に挿入した後、蓋部70を円筒部66に固定することによって行われる。本実施例では、円筒部66と、底部68と、蓋部70と、複数の支持部材72と、第1送風管210には、ナイロン等の樹脂が用いられている。
【0034】
図4に示すように、円筒部66は、駆動シャフト60の回転軸A1を中心とした略円筒形状に形成された外側面66aを有している。蓋部70は、回転軸A1を中心とした軸対称形状に形成された外側面70aを有している。蓋部70が円筒部66に固定された状態では、外側面66aと外側面70aは、回転軸A1方向に沿って略滑らかに接続している。このため、本明細書では、外側面66aおよび外側面70aを総称して「第2外側面56a」と呼ぶことがある。また、第2外側面56aの吸気口側の端部である吸気口側端部560は、第2の外径φ2を有する(図10参照)。ここで、ハブ62の排気口側端部620と、モータハウジング56の吸気口側端部560の間には、第2通気口62bが設けられている。第2通気口62bは、排気口側端部620と吸気口側端部560の間において、回転軸A1の周方向に沿って設けられている。第2通気口62bは、回転軸A1の軸方向に幅を有している。以上より、第2通気口62bは、排気口側端部620および吸気口側端部560を周端部として形成されている。また、第2通気口62bは、ハブ62の内部と、後述する送風経路R1(図8参照)を連通している。
【0035】
底部68は、回転軸A1方向において電動モータ54とディフューザコーン58の間に配置された第1連通孔68bを備えている。第1連通孔68bは、モータハウジング56の内部と、ディフューザコーン58の内部を連通している。本実施例では、第1連通孔68bは、周方向に所定の角度間隔(例えば60°間隔)で複数設けられている。また、蓋部70は、回転軸A1方向においてハブ62と電動モータ54の間に配置された第2連通孔70bを備えている。第2連通孔70bは、ハブ62の内部と、モータハウジング56の内部を連通している。本実施例では、第2連通孔70bは、周方向に所定の角度間隔(例えば40°間隔)で複数設けられている。
【0036】
(ディフューザコーン58の構成)
ディフューザコーン58は、モータハウジング56の円筒部66の排気口側に接続しており、回転軸A1に沿って延在している。ディフューザコーン58の一部は第1送風管210の右端よりも排気口側に延びている。すなわち、ディフューザコーン58は、第1送風管210と第2送風管220に跨って延在している。また、ディフューザコーン58は、回転軸A1を中心とした軸対称形状に形成された第3外側面58aを有している。第3外側面58aは、第2外側面56aに対して、回転軸A1方向に沿って滑らかに接続している。第3外側面58aは、回転軸A1に沿って吸気口側から排気口側に向かうにつれて縮径している。ディフューザコーン58は、第3外側面58aの排気口側の端部を周縁部とする略円形状の第1通気口58bを備えている。第1通気口58bは、回転軸A1方向に沿って開口している。第1通気口58bは、第2の内径φ4を有する(図12参照)。第1通気口58bは、後述する送風経路R1(図8参照)と、ディフューザコーン58の内部を連通している。
【0037】
(制御ユニット80の構成)
図3に示すように、ブロワ本体13は、送風ユニット50の電動モータ54を制御するための制御ユニット80をさらに備えている。制御ユニット80は、第1送風管210の上部に設けられた載置部212に載置されている。制御ユニット80は、載置部212と、載置部212にねじ止めされるカバー部材214によって、第1送風管210に対して固定されている。制御ユニット80は、バッテリ装置12(図1参照)、トリガ28(図1参照)および電動モータ54のそれぞれに電気的に接続している。制御ユニット80は、ユーザによってトリガ28が操作されると、バッテリ装置12から供給される電力を調節して電動モータ54に供給することで、電動モータ54を駆動する。本実施例では、制御ユニット80は、ファン52が回転軸A1に沿って吸気口側から排気口側への空気の流れを発生させるように電動モータ54の駆動を制御するように構成されている。
【0038】
図5に示すように、制御ユニット80は、制御基板82と、制御基板82の上面に設けられた複数のスイッチング素子84と、制御基板82の下面に密接して設けられた放熱材86と、制御基板82、複数のスイッチング素子84、および放熱材86を収容するコントローラケーシング88と、制御基板82、複数のスイッチング素子84、および放熱材86を封止するポッティング樹脂90を備えている。放熱材86は、コントローラケーシング88の上面に対しても密接して設けられている。コントローラケーシング88は、下面の一部において、複数のフィン92を備えている。複数のスイッチング素子84は、コントローラケーシング88において、複数のフィン92が設けられている部分の上方に配置されている。本実施例では、放熱材86には、シート状のアルミニウム合金が用いられている。本実施例では、コントローラケーシング88には、アルミニウム等の金属が用いられている。また、本実施例では、複数のスイッチング素子84は、FET(電界効果トランジスタ)であり、インバータ回路を構成している。このため、制御ユニット80は、バッテリ装置12(図1参照)から供給される直流電力を三相交流電力に変換して、電動モータ54へ供給することができる。
【0039】
図4に示すように、第1送風管210の上部には、第1送風管210の内部と外部を第1送風管210の径方向に連通する露出孔216が設けられている。露出孔216は、ファン52よりも排気口側に設けられている。制御ユニット80は、コントローラケーシング88の一部が第1送風管210の径方向外側から露出孔216の全体を塞ぐように、第1送風管210に取り付けられる。制御ユニット80が第1送風管210に取り付けられた状態では、コントローラケーシング88の下面のうち、複数のフィン92が設けられている部分(図5参照)が、後述する送風経路R1(図8参照)に露出している。
【0040】
図6に示すように、本実施例では、上下方向に沿って第1送風管210の径方向外側から露出孔216を見た時、電動モータ54の一部と、複数のスイッチング素子84と、放熱材86は、露出孔216と重なり合うように配置されている。なお、図6では、説明の便宜上、電動モータ54、複数のスイッチング素子84、放熱材86、載置部212(第1送風管210)、および露出孔216を除く構成部品を省略していることに留意されたい。
【0041】
図7に示すように、コントローラケーシング88の下面は、前後左右方向に沿って広がる略平面形状を有している。コントローラケーシング88の下面は、露出孔216が設けられている部分において第1送風管210の内側面に沿って広がる仮想面Vよりも、第1送風管210の径方向外側に配置されている。なお、第1送風管210の径方向に関して、コントローラケーシング88の下面と仮想面Vの間の最短距離d1は2mmである。第1送風管210の径方向に関して、コントローラケーシング88の下面と仮想面Vの間の最長距離d2は12mmである。
【0042】
(送風経路R1)
図8に示すように、送風管20の内部には、第1送風管210の左端から、ハブ62の外部と、モータハウジング56の外部と、ディフューザコーン58の外部を順に経由して第2送風管220に至る送風経路R1が形成されている。なお、図示は省略するが、送風経路R1は、第2送風管220に至った後、第3送風管230(図2参照)と、第4送風管240(図2参照)をさらに経由して排気口32(図2参照)に至る。本実施例のブロワ10では、ファン52が吸気口側から排気口側への空気の流れを発生させる場合、送風経路R1では、吸気口30からの空気が、ハブ62の外部と、モータハウジング56の外部と、ディフューザコーン58の外部を経由して排気口32に向けて流れる。
【0043】
前述の通り、送風経路R1には、露出孔216を塞ぐコントローラケーシング88の複数のフィン92(図5参照)が露出している。このため、送風経路R1に従って流れる空気は、送風経路R1に露出した複数のフィン92から放出される熱を排気口32へと導く。すなわち、送風経路R1に従って流れる空気は、制御ユニット80の温度上昇を抑制する冷却風として用いられる。本実施例のブロワ10では、冷却風として用いられた空気に関して、その全量が排気口32から排出される。このため、本実施例のブロワ10では、作業用空気の風量を低減することなく、制御ユニット80を冷却することができる。
【0044】
(循環経路R2)
送風ユニット50には、送風経路R1から、第1通気口58bと、ディフューザコーン58の内部と、第1連通孔68bと、モータハウジング56の内部と、第2連通孔70bと、ハブ62の内部と、第2通気口62bを順に経由して、再度、送風経路R1に至る循環経路R2が形成されている。循環経路R2では、送風経路R1を流れる空気が、第1通気口58bからディフューザコーン58の内部に流入し、モータハウジング56の内部を経由して、第2通気口62bから送風経路R1に流出する
【0045】
図9に示すように、送風経路R1に従って空気が流れる場合、第1外側面62aに沿って流れる空気が排気口側端部620において第1外側面62aから剥離することで、第2通気口62bでは、循環経路R2から送風経路R1に空気を引き出すような負圧が生じる。この際、図8に示すように、第1通気口58bでは、送風経路R1から循環経路R2に空気を引き込むような負圧が生じる。このように、送風経路R1に従って空気が流れる場合、送風経路R1に従って流れる空気の一部は、循環経路R2に従って流れる。なお、循環経路R2に従って流れる空気は、モータハウジング56の内部に収容された電動モータ54において発生する熱を送風経路R1に導く。すなわち、循環経路R2に従って流れる空気は、電動モータ54の温度上昇を抑制する冷却風として用いられる。
【0046】
(第2通気口62b近傍における負圧増大機構)
図10に示すように、本実施例では、ハブ62の排気口側端部620の第1の外径φ1は、モータハウジング56の吸気口側端部560の第2の外径φ2よりも大きい。前述の通り、ハブ62とモータハウジング56は、それぞれ駆動シャフト60の回転軸A1を中心とした軸対称形状を有するため、吸気口側端部560は排気口側端部620よりも回転軸A1の径方向内側にオフセットしている。これにより、第1外側面62aに沿って流れる空気が第1外側面62aから剥離する点(すなわち、剥離点)から、剥離した空気が第2外側面56aにおいて再付着する点(すなわち、再付着点)までの距離は増大する。このため、循環経路R2に空気の流れを発生させるような負圧は増大する。したがって、本実施例のブロワ10では、電動モータ54を冷却するための冷却風の風量を増大することができる。
【0047】
(第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2)
図11に示すように、電動モータ54を冷却するための冷却風の風量(冷却風量)と作業用空気の風量は、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2に応じて変化する。冷却風量は、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2が100%から115%まで増加する場合には単調増加するが、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2が116%を超えて増加する場合には、単調減少する。作業用空気の風量は、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2の増加に伴って単調減少する。このため、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2が101%-116%の範囲内であれば、冷却風量を効果的に増大しつつ、作業用空気の風量の減少を抑制することができる。なお、図11では、φ1/φ2を変化させる場合の冷却風量および作業用空気の風量のそれぞれの変化率に関して、φ1/φ2が100%の場合における風量の変化率を100%として示している。
【0048】
特に、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2が100%から103%まで増加する場合、冷却風量の変化率(増加率)の勾配は比較的大きい。また、作業用空気の風量の変化率(減少率)の勾配は、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2にかかわらず略一定である。従って、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2が103%であれば、冷却風量をさらに効果的に増大しつつ、作業用空気の風量の減少をさらに抑制することができる。このため、本実施例のブロワ10では、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2は103%となっている。
【0049】
(第1の内径φ3の第2の外径φ2に対する比率φ3/φ2)
図10に示すように、第1送風管210は、排気口側端部620の径方向外側において、第1の内径φ3を有する。第1の内径φ3の第2の外径φ2に対する比率φ3/φ2が小さすぎる場合、第1の外径φ1を大きくすることに伴って送風経路R1が狭まり、送風経路R1において圧力損失の大幅な増大を招くおそれがある。一方で、第1の内径φ3の第2の外径φ2に対する比率φ3/φ2が大きすぎる場合、ファン52の駆動により送風経路R1に発生した空気の流れが乱れる可能性がある。本実施例では、第1の内径φ3の第2の外径φ2に対する比率φ3/φ2は187%である。このため、送風経路R1における圧力損失の増大を抑制するとともに、送風経路R1における空気の流れの乱れを抑制することができる。
【0050】
(第2の内径φ4の第2の外径φ2に対する比率φ4/φ2)
さらに、第1通気口58bの第2の内径φ4(図12参照)の、第2の外径φ2に対する比率φ4/φ2が小さすぎる場合、第1通気口58bにおける循環経路R2への空気の取り込み量が過少となる可能性がある。一方、第2の内径φ4の第2の外径φ2に対する比率φ4/φ2が大きすぎる場合、第1通気口58bにおける循環経路R2への空気の取り込み量が過多となる可能性がある。本実施例では、第2の内径φ4の第2の外径φ2に対する比率φ4/φ2は33%である。このため、第1通気口58bにおける循環経路R2への空気の取り込み量を適切な量とすることができる。
【0051】
(変形例)
上記の実施例では、ブロワ10が背負式のブロワである構成について説明した。別の実施例では、ブロワ10は、背負式のブロワ以外のブロワであってもよい。例えば、ブロワ10は、手持ち式のブロワ等であってもよい。
【0052】
上記の実施例では、ブロワ10が放電ケーブル26を介してブロワ本体13に接続されるバッテリ装置12を備えており、バッテリ装置12から電動モータ54に電力が供給される構成について説明した。別の実施例では、ブロワ10は、バッテリ装置12を備える代わりに、ブロワ本体13に設けられており、接続端子を備えるバッテリ取付部(図示省略)に着脱可能に取り付けられる少なくとも一つのバッテリパック(バッテリ装置の別の例)を備えていてもよい。少なくとも一つのバッテリパックがバッテリ取付部に取り付けられる場合、少なくとも一つのバッテリパックから電動モータ54に電力が供給されてもよい。さらに別の実施例では、ブロワ10は、バッテリ装置12の代わりに、ブロワ本体13を外部電源に接続するための電源コードを備えていてもよく、電源コードを介して外部電源から電動モータ54に電力が供給されるように構成されていてもよい。
【0053】
上記の実施例では、送風管20は、第1送風管210と、第2送風管220と、第3送風管230と、第4送風管240を備える構成について説明した。別の実施例では、送風管20は、第2送風管220と、第3送風管230と、第4送風管240のうち少なくとも一つを備えていなくてもよい。
【0054】
上記の実施例では、電動モータ54がブラシレスモータである構成について説明した。別の実施例では、電動モータ54はブラシレスモータ以外のモータであってもよい。例えば、電動モータ54はブラシ付きモータ等であってもよい。
【0055】
上記の実施例では、ファン52が軸流ファンである構成について説明した。別の実施例では、ファン52は、軸流ファン以外のファンであってもよい、例えば、ファン52は、シロッコファン等の遠心ファンであってもよい。
【0056】
上記の実施例では、ハブ62が駆動シャフト60に固定される構成について説明した。別の実施例では、ハブ62と駆動シャフト60の間には、減速機(図示省略)が設けられていてもよい。この場合、ハブ62は、駆動シャフト60とは異なる出力シャフトに固定されていてもよく、出力シャフトは、減速機を介して駆動シャフト60に連結していてもよい。すなわち、ハブ62は、駆動シャフト60の回転軸A1とは異なる回転軸周りに回転可能に設けられていてもよい。
【0057】
上記の実施例では、円筒部66と、底部68と、複数の支持部材72と、第1送風管210が、継ぎ目なく一体的に形成されている構成について説明した。別の実施例では、円筒部66と、底部68と、複数の支持部材72と、第1送風管210のうち少なくとも一つは、別体に形成されていてもよい。
【0058】
上記の実施例では、円筒部66と、底部68と、蓋部70と、複数の支持部材72と、第1送風管210には、ナイロン等の樹脂が用いられている構成について説明した。別の実施例では、円筒部66と、底部68と、蓋部70と、複数の支持部材72と、第1送風管210のうち少なくとも一つには、樹脂以外の材料が用いられていてもよい。例えば、円筒部66と、底部68と、蓋部70と、複数の支持部材72と、第1送風管210のうち少なくとも一つには、アルミニウム等が用いられていてもよい。
【0059】
上記の実施例では、放熱材86には、アルミニウム合金が用いられている構成について説明した。別の実施例では、放熱材86には、アルミニウム合金以外の材料が用いられていてもよい。例えば、放熱材86には、シリコンゴム等が用いられていてもよい。
【0060】
上記の実施例では、コントローラケーシング88には、アルミニウム等の金属が用いられている構成について説明した。別の実施例では、コントローラケーシング88には、金属以外の材料が用いられていてもよい。例えば、コントローラケーシング88には、ナイロン等が用いられていてもよい。
【0061】
上記の実施例では、露出孔216がファン52よりも下流側(排気口側)に設けられており、コントローラケーシング88がファン52よりも下流側において送風経路R1に露出している構成について説明した。別の実施例では、露出孔216はファン52よりも上流側(吸気口側)に設けられていてもよく、コントローラケーシング88はファン52よりも上流側において送風経路R1に露出していてもよい。
【0062】
上記の実施例では、第1送風管210の径方向外側から露出孔216を見た時、電動モータ54と露出孔216が部分的に重なり合っている構成について説明した。別の実施例では、第1送風管210の径方向外側から露出孔216を見た時、電動モータ54と露出孔216は重なり合っていなくてもよい。この場合、露出孔216は、電動モータ54よりも排気口側に位置していてもよいし、電動モータ54よりも吸気口側に位置していてもよい。
【0063】
上記の実施例では、コントローラケーシング88の下面が略平面形状を有している構成について説明した。別の実施例では、コントローラケーシング88の下面は略平面形状を有していなくてもよい。例えば、コントローラケーシング88の下面は仮想面Vに沿った形状を有していてもよい。
【0064】
上記の実施例では、コントローラケーシング88の下面が、露出孔216が設けられている部分において第1送風管210の内側面に沿って広がる仮想面Vよりも、第1送風管210の径方向外側に配置されている構成について説明した。別の実施例では、コントローラケーシング88の下面は、露出孔216が設けられている部分において第1送風管210の内側面に沿って広がる仮想面Vよりも、第1送風管210の径方向外側に配置されていなくてもよい。例えば、コントローラケーシング88の下面は、露出孔216が設けられている部分において第1送風管210の内側面に沿って広がる仮想面Vよりも、第1送風管210の径方向内側に配置されていてもよい。
【0065】
上記の実施例では、載置部212および露出孔216が第1送風管210の上部に設けられており、制御ユニット80が第1送風管210の上部に取り付けられている構成について説明した。別の実施例では、載置部212および露出孔216は第1送風管210の上部以外に設けられていてもよく、制御ユニット80は第1送風管210の上部以外に取り付けられていてもよい。例えば、載置部212および露出孔216は第1送風管210の下部等に設けられていてもよく、制御ユニット80は第1送風管210の下部等に取り付けられていてもよい。
【0066】
上記の実施例では、複数のスイッチング素子84は、FETである構成について説明した。別の実施例では、複数のスイッチング素子84は、FET以外のスイッチング素子であってもよい。例えば、複数のスイッチング素子84は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等であってもよい。
【0067】
上記の実施例では、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2が、103%である構成について説明した。別の実施例では、第1の外径φ1の第2の外径φ2に対する比率φ1/φ2は、101%-116%の範囲内で適宜変更されてもよい。
【0068】
上記の実施例では、第1の内径φ3の第2の外径φ2に対する比率φ3/φ2が、187%である構成について説明した。別の実施例では、第1の内径φ3の第2の外径φ2に対する比率φ3/φ2は、175%-195%の範囲内で適宜変更されてもよい。
【0069】
上記の実施例では、第2の内径φ4の第2の外径φ2に対する比率φ4/φ2が、33%である構成について説明した。別の実施例では、第2の内径φ4の第2の外径φ2に対する比率φ4/φ2は、15%-50%の範囲内で適宜変更されてもよい。
【0070】
図13に示すように、別の実施例では、ブロワ10は、第2送風管220を備える代わりに第2送風管320を備えていてもよく、ディフューザコーン58を備える代わりにディフューザコーン158を備えていてもよい。第2送風管320は、左方から右方に向かうにつれて、上方から下方に湾曲した形状を有している。ディフューザコーン158は、第2送風管320の湾曲形状に沿って、左方から右方に向かうにつれて、上方から下方に湾曲した形状を有している。この場合、第1通気口58bは、第2送風管320の延在方向に沿って開口している。
【0071】
図14に示すように、別の実施例では、ハブ62とモータハウジング56の間に円板形状の板部材100が配置されていてもよい。板部材100は、回転軸A1を中心とした軸対称形状の外側面100aを有していてもよい。板部材100は、ハブ62とは別個に、駆動シャフト60(図4参照)に固定されていてもよい。また、第2通気口62bは、ハブ62の排気口側端部620とモータハウジング56の吸気口側端部560を周端部として形成される代わりに、板部材100の外側面100aの排気口側の端部である排気口側端部102と吸気口側端部560を周端部として形成されていてもよい。図示しないが、排気口側端部102の外径は、吸気口側端部560の第2の外径φ2より大きくてもよい。この時、排気口側端部620の第1の外径φ1は、吸気口側端部560の第2の外径φ2以下であってもよい。この場合、板部材100によって、循環経路R2に空気の流れを発生させるような負圧が増大される。すなわち、板部材100によって、電動モータ54を冷却するための冷却風の風量が増大される。
【0072】
(対応関係)
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、ブロワ10は、吸気口30と、排気口32と、吸気口30と排気口32の間に設けられた送風管20(具体的には、第1送風管210)と、送風管20の内部に配置されるファン52と、送風管20の内部に配置されており、ファン52を回転駆動する電動モータ54と、送風管20の内部に配置されており、電動モータ54を収容するモータハウジング56と、電動モータ54を制御するための制御ユニット80と、を備えている。制御ユニット80は、電動モータ54の駆動を制御する制御基板82と、制御基板82を収容するコントローラケーシング88(ケーシングの例)と、を備えている。送風管20には、送風管20の内部と外部を径方向に連通する露出孔216が設けられている。コントローラケーシング88は、コントローラケーシング88の一部(ケーシングの少なくとも一部の例)が径方向外側から露出孔216の全体を塞ぐように、送風管20に取り付けられている。
【0073】
上記の構成によれば、コントローラケーシング88は、露出孔216の全体を塞ぐように送風管20に取り付けられている。このとき、コントローラケーシング88の一部は、送風管20に設けられた露出孔216を介して、送風経路R1に露出している。このため、送風経路R1に従って流れる空気は、制御ユニット80を冷却するとともに、その全量が作業用空気として排出される。上記の構成によれば、送風経路R1と別個に、制御ユニット80を冷却するための冷却風経路を設ける必要がなく、ブロワ10の構造を簡易化するとともに、ブロワ10を小型化することができる。
【0074】
1つまたはそれ以上の実施形態において、送風管20およびモータハウジング56は、樹脂によって形成されている。コントローラケーシング88の全部(ケーシングの少なくとも一部の例)は、金属によって形成されている。
【0075】
制御ユニット80を効率的に冷却するため、制御基板82を収容するコントローラケーシング88のうち送風経路R1に露出する部分には、熱伝導性に優れた材料を用いることが望ましい。一方で、ブロワ10全体の質量を低減するため、送風管20やモータハウジング56には質量の小さい材料を用いることが望ましい。上記の構成によれば、コントローラケーシング88のうち送風経路R1に露出する部分は、熱伝導性に優れた金属によって形成される。送風管20とモータハウジング56は、質量の小さい樹脂によって形成される。このため、制御ユニット80を効率的に冷却できるとともに、ブロワ10全体としては軽量化を実現することができる。
【0076】
1つまたはそれ以上の実施形態において、コントローラケーシング88のうち送風経路R1に露出する部分(ケーシングの少なくとも一部の例)は、露出孔216が設けられている部分において送風管20の内側面に沿って広がる仮想面Vよりも径方向外側に配置されている。
【0077】
コントローラケーシング88を仮想面Vよりも送風管20の径方向内側に配置する場合、コントローラケーシング88が配置された部分において送風経路R1が狭まるため、送風経路R1において圧力損失が増大する可能性がある。上記の構成によれば、コントローラケーシング88が配置された部分において送風経路R1が狭まることはない。このため、送風経路R1における圧力損失の増大を抑制することができる。
【0078】
1つまたはそれ以上の実施形態において、径方向に関して、コントローラケーシング88のうち送風経路R1に露出する部分と仮想面Vの間の最短距離d1は2mmであり、最長距離d2は12mmである(ケーシングの少なくとも一部と仮想面の間の距離は、2mm-12mmの範囲内であることの例)。
【0079】
通常、コントローラケーシング88と仮想面Vの距離が小さいほど、送風経路R1を流れる空気によって制御ユニット80を効率的に冷却することができる。上記の構成によれば、制御ユニット80を効率的に冷却することができる。
【0080】
1つまたはそれ以上の実施形態において、露出孔216を径方向外側から見た時に、電動モータ54と露出孔216は部分的(少なくとも部分的の例)に重なり合っている。
【0081】
例えば、露出孔216を径方向外側から見た時に電動モータ54と露出孔216が重なり合わない場合、送風管20が過剰に長くなる可能性がある。上記の構成によれば、露出孔216を径方向外側から見た時に電動モータ54と露出孔216が少なくとも部分的に重なり合うように配置されているので、送風管20を短くすることができる。
【0082】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ファン52は、送風方向がファン52の回転軸方向に一致する軸流ファンである。ファン52は、回転軸A1の方向が左右方向(送風管の延在方向の例)に沿うように配置されている。制御基板82は、ファン52の送風方向の上流側が吸気口側となり、送風方向の下流側が排気口側となるように、電動モータ54の駆動を制御するように構成されている。露出孔216は、ファン52の下流側に設けられている。
【0083】
通常、送風経路R1を流れる空気の流速は、ファン52の上流側よりも下流側の方が大きい。上記の構成によれば、制御ユニット80のコントローラケーシング88は、ファン52の下流側において送風経路R1に露出する。このため、制御ユニット80が送風経路R1に露出している部分では、比較的流速の大きい空気が流れる。上記の構成によれば、制御ユニット80を効率的に冷却することができる。
【0084】
1つまたはそれ以上の実施形態において、電動モータ54は、ブラシレスモータである。制御基板82は、電動モータ54に供給される電流を切り替えるための複数のスイッチング素子84を備えている。
【0085】
一般的に、電動モータ54がブラシレスモータである場合、制御基板82には、ブラシレスモータに供給される電流を制御するための複数のスイッチング素子84が設けられる。この場合、複数のスイッチング素子84における発熱によって、制御ユニット80の発熱量は比較的大きくなる。上記の構成によれば、ブラシレスモータを備えるブロワ10において、作業用空気の風量を低減することなく、制御ユニット80を効率的に冷却することができる。
【0086】
1つまたはそれ以上の実施形態において、露出孔216を径方向外側から見た時に、複数のスイッチング素子84の全部と露出孔216は重なり合っている(複数のスイッチング素子と露出孔が少なくとも部分的に重なり合っていることの例)。
【0087】
上記の構成によれば、制御ユニット80の中でも発熱量が比較的多い部分である複数のスイッチング素子84の全部が、送風管20の径方向において、露出孔216と重なり合う。このため、複数のスイッチング素子84により発生した熱は、コントローラケーシング88のうち送風経路R1に露出する部分に伝達しやすくなる。したがって、制御ユニット80全体としての温度上昇を効率的に抑制することができる。上記の構成によれば、複数のスイッチング素子84を備える制御ユニット80を効率的に冷却することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 :ブロワ
12 :バッテリ装置
13 :ブロワ本体
14 :アウタハウジング
16 :一対の肩ベルト
20 :送風管
22 :操作グリップ
24 :充電コネクタ
26 :放電ケーブル
28 :トリガ
30 :吸気口
32 :排気口
50 :送風ユニット
52 :ファン
54 :電動モータ
56 :モータハウジング
56a :第2外側面
58 :ディフューザコーン
58a :第3外側面
58b :第1通気口
60 :駆動シャフト
62 :ハブ
62a :第1外側面
62b :第2通気口
64 :ブレード
66 :円筒部
66a :円筒部の外側面
68 :底部
68b :第1連通孔
70 :蓋部
70a :蓋部の外側面
70b :第2連通孔
72 :支持部材
80 :制御ユニット
82 :制御基板
84 :スイッチング素子
86 :放熱材
88 :コントローラケーシング
90 :ポッティング樹脂
92 :フィン
100 :板部材
100a :板部材の外側面
102 :排気口側端部
158 :ディフューザコーン
210 :第1送風管
212 :載置部
214 :カバー部材
216 :露出孔
220、320 :第2送風管
230 :第3送風管
240 :第4送風管
560 :吸気口側端部
620 :排気口側端部
A1 :回転軸
R1 :送風経路
R2 :循環経路
V :仮想面
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