(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159734
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】パイプ
(51)【国際特許分類】
F16L 27/12 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
F16L27/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069629
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平松 高宗
(72)【発明者】
【氏名】座間 亮二
(72)【発明者】
【氏名】中 慎輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亮介
【テーマコード(参考)】
3H104
【Fターム(参考)】
3H104JA08
3H104JB02
3H104JC08
3H104KB03
3H104KB07
3H104LG03
3H104LG22
(57)【要約】
【課題】内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる技術を提供する。
【解決手段】パイプは、内部に流体が流れるパイプである。パイプは、外側パイプと、外側パイプの一端側から外側パイプに挿入されている内側パイプと、を備えている。外側パイプは、円筒形状を有する外側筒部と、外側筒部の内面よりも外側筒部の径方向内側に凹んでおり、内側パイプに接触するように構成されている外側接触部と、外側接触部に少なくとも部分的に配置されており、内側パイプに対向する内面が外側接触部よりも外側筒部の径方向外側に突出している外側突出部と、を備えている。外側パイプは、外側突出部が弾性変形することにより、径方向外側に弾性変形する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体が流れるパイプであって、
外側パイプと、
前記外側パイプの一端側から前記外側パイプに挿入されている内側パイプと、を備えており、
前記外側パイプは、
円筒形状を有する外側筒部と、
前記外側筒部の内面よりも前記外側筒部の径方向内側に凹んでおり、前記内側パイプに接触するように構成されている外側接触部と、
前記外側接触部に少なくとも部分的に配置されており、前記内側パイプに対向する内面が前記外側接触部よりも前記外側筒部の前記径方向外側に突出している外側突出部と、を備えており、
前記外側パイプは、前記外側突出部が弾性変形することにより、前記径方向外側に弾性変形する、パイプ。
【請求項2】
前記外側接触部は、前記外側筒部の周方向に沿って延びている、請求項1に記載のパイプ。
【請求項3】
前記外側筒部の前記周方向に沿う方向に関して、前記外側筒部の全周の角度範囲に対する前記外側突出部の角度範囲の割合は、10%から50%の範囲にある、請求項2に記載のパイプ。
【請求項4】
前記外側突出部は、前記外側筒部の前記内面よりも前記外側筒部の前記径方向外側に突出している、請求項1から3のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項5】
前記外側パイプは、前後方向に長手方向を有しており、
前記外側突出部は、前記前後方向に延びており、前記外側接触部を横切っている、請求項1から4のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項6】
前記外側パイプは、前記前後方向に並んで配置される複数の前記外側接触部を備えており、
前記外側突出部は、前記複数の外側接触部のそれぞれを横切っている、請求項5に記載のパイプ。
【請求項7】
前記外側突出部は、前記外側パイプの前記一端と他端の両方に接続していない、請求項1から6のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項8】
前記外側パイプは、
前記外側接触部よりも前記外側パイプの他端側に配置されている他端側外側接触部と、
前記外側突出部よりも前記外側パイプの前記他端側に配置されている他端側外側突出部と、をさらに備えており、
前記他端側外側接触部は、前記外側筒部の前記内面よりも前記外側筒部の径方向内側に凹んでおり、前記内側パイプに接触するように構成されており、
前記他端側外側突出部は、前記他端側外側接触部に少なくとも部分的に配置されており、前記内側パイプに対向する内面が前記他端側外側接触部よりも前記外側筒部の前記径方向外側に突出している、請求項1から7のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項9】
前記外側パイプは、複数の前記外側突出部を備えており、
前記複数の外側突出部は、前記外側筒部の周方向に沿う方向に関して、互いに離れて配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項10】
前記外側パイプは、前記外側接触部よりも前記外側パイプの前記一端側であって、前記外側パイプの前記一端の近傍に配置されている一端側外側接触部をさらに備えており、
前記一端側外側接触部は、前記外側筒部の前記内面よりも前記外側筒部の径方向内側に凹んでおり、前記内側パイプに接触するように構成されており、
前記外側突出部は、前記一端側外側接触部に配置されていない、請求項1から9のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項11】
前記外側パイプを前記内側パイプに対して前後方向にスライドさせることにより、前記パイプの長さを調整可能であり、
前記外側パイプは、前記前後方向に沿って延びるレール部をさらに備えており、
前記レール部の内面は、前記外側筒部の内面よりも前記外側筒部の前記径方向外側に突出しており、
前記内側パイプは、前記内側パイプの径方向外側に向かって突出している内側突出部を備えており、
前記内側突出部は、前記外側パイプを前記内側パイプに対して前記前後方向に沿ってスライドさせたときに、前記レール部の内部をスライドする、請求項1から10のいずれか一項に記載のパイプ。
【請求項12】
前記内側パイプは、
円筒形状を有する内側筒部と、
前記内側筒部の外面の周方向に沿って延びており、前記内側筒部の前記外面よりも前記内側筒部の径方向外側に突出している内側接触部と、を備えており、
前記外側接触部は、前記内側パイプが前記外側パイプに対して固定されたときに、前記内側接触部と接触するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のパイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パイプが開示されている。パイプは、内部に空気が流れるパイプである。パイプは、外側パイプと、外側パイプの一端側から外側パイプに挿入されている内側パイプと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなパイプでは、流体が内側パイプと外側パイプとの隙間から漏れ出ないように、外側パイプは、内側パイプに接触する凹部を備えていることがある。また、外側パイプの寸法は、製品ごとにばらつく。このため、外側パイプの寸法が外側パイプの規格基準値の寸法よりも小さいとき、内側パイプは、凹部に強く押し付けられる。ユーザは、内側パイプが凹部に強く押し付けられた状態で、内側パイプを外側パイプにさらに押し込むためには、大きな力を内側パイプ(または外側パイプ)に加える必要がある。このため、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができない。本明細書では、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示するパイプは、内部に流体が流れるパイプである。パイプは、外側パイプと、外側パイプの一端側から外側パイプに挿入されている内側パイプと、を備えている。外側パイプは、円筒形状を有する外側筒部と、外側筒部の内面よりも外側筒部の径方向内側に凹んでおり、内側パイプに接触するように構成されている外側接触部と、外側接触部に少なくとも部分的に配置されており、内側パイプに対向する内面が外側接触部よりも外側筒部の径方向外側に突出している外側突出部と、を備えている。外側パイプは、外側突出部が弾性変形することにより、径方向外側に弾性変形する。
【0006】
上記の構成によれば、外側突出部が弾性変形することにより、外側パイプが径方向外側に弾性変形する。このため、外側パイプの寸法が外側パイプの規格基準値の寸法よりも小さいときでも、ユーザは、内側パイプが外側接触部に接触した状態で、比較的に小さな力を内側パイプまたは外側パイプに加えるだけで、内側パイプを外側パイプに挿入することができる。これにより、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例の伸縮パイプ2を備えているブロワ10の斜視図である。
【
図2】実施例の伸縮パイプ2を備えているブロワ10の分解斜視図である。
【
図3】実施例の伸縮パイプ2を備えているブロワ10の送風ユニット40と制御ユニット42の分解斜視図である。
【
図4】実施例の伸縮パイプ2の内側パイプ60の側面図である。
【
図5】実施例の伸縮パイプ2の外側パイプ62を後方右側からみた斜視図である。
【
図6】実施例の伸縮パイプ2の外側パイプ62を後方左側からみた斜視図である。
【
図7】実施例の伸縮パイプ2の外側パイプ62の第2外側接触部84の断面図である。
【
図8】実施例の伸縮パイプ2において、内側突出部70が第1調整レール100内に配置されているときの断面斜視図である。
【
図9】実施例の伸縮パイプ2において、内側突出部70が第1嵌合部102aに嵌合しているときの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたパイプを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側接触部は、外側筒部の周方向に沿って延びていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、パイプの内部を流れる流体が内側パイプと外側パイプとの隙間から漏れ出ることをより抑制することができるとともに、外側パイプの弾性変形により、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側筒部の周方向に沿う方向に関して、外側筒部の全周の角度範囲に対する外側突出部の角度範囲の割合は、10%から50%の範囲にあってもよい。
【0014】
仮に、外側筒部の全周の角度範囲に対する外側突出部の角度範囲の割合が10%未満である構成とすると、パイプの内部を流れる流体が内側パイプと外側パイプとの隙間から漏れ出ることを十分に抑制できる一方で、外側突出部が弾性変形しても、外側パイプを径方向外側に十分に弾性変形させることができない。逆に、外側筒部の全周の角度範囲に対する外側突出部の角度範囲の割合が50%を超える構成とすると、外側突出部が弾性変形することにより外側パイプを径方向外側に十分に弾性変形させることができる一方で、パイプの内部を流れる流体が内側パイプと外側パイプとの隙間から漏れ出ることを十分に抑制できない。上記の構成によれば、パイプの内部を流れる流体が内側パイプと外側パイプとの隙間から漏れ出ることを十分に抑制することができるとともに、外側パイプを径方向外側に十分に弾性変形させることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側突出部は、外側筒部の内面よりも外側筒部の径方向外側に突出していてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、外側突出部が弾性変形することにより、内側パイプを外側パイプにより容易に挿入することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側パイプは、前後方向に長手方向を有していてもよい。外側突出部は、前後方向に延びており、外側接触部を横切っていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、外側突出部が弾性変形することにより、内側パイプを外側パイプにより容易に挿入することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側パイプは、前後方向に並んで配置される複数の外側接触部を備えていてもよい。外側突出部は、複数の外側接触部のそれぞれを横切っていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、外側パイプが複数の外側接触部を備えている構成でも、外側突出部が弾性変形することにより、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側突出部は、外側パイプの一端と他端の両方に接続していなくてもよい。
【0022】
仮に、外側突出部が外側パイプの一端と他端の少なくとも一方に接続している構成とすると、パイプの内部を流れる流体が、外側突出部を介してパイプの外部に漏れ出ることがある。上記の構成によれば、パイプの内部を流れる流体がパイプの外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側パイプは、外側接触部よりも外側パイプの他端側に配置されている他端側外側接触部と、外側突出部よりも外側パイプの他端側に配置されている他端側外側突出部と、をさらに備えていてもよい。他端側外側接触部は、外側筒部の内面よりも外側筒部の径方向内側に凹んでおり、内側パイプに接触するように構成されていてもよい。他端側外側突出部は、他端側外側接触部に少なくとも部分的に配置されており、内側パイプに対向する内面が他端側外側接触部よりも外側筒部の径方向外側に突出していてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、外側パイプが外側接触部と他端側外側接触部を備えている構成でも、外側突出部と他端側外側突出部が弾性変形することにより、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側パイプは、複数の外側突出部を備えていてもよい。複数の外側突出部は、外側筒部の周方向に沿う方向に関して、互いに離れて配置されていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、複数の外側突出部のそれぞれが弾性変形することにより、外側パイプを径方向外側に十分に弾性変形させることができる。これにより、内側パイプを外側パイプに容易に挿入することができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側パイプは、外側接触部よりも外側パイプの一端側であって、外側パイプの一端の近傍に配置されている一端側外側接触部をさらに備えていてもよい。一端側外側接触部は、外側筒部の内面よりも外側筒部の径方向内側に凹んでおり、内側パイプに接触するように構成されていてもよい。外側突出部は、一端側外側接触部に配置されていなくてもよい。
【0028】
仮に、外側突出部が一端側外側接触部に配置されている構成とすると、パイプの内部を流れる流体が、外側突出部を介してパイプの外部に漏れ出ることがある。上記の構成によれば、パイプの内部を流れる流体が、外側突出部を介してパイプの外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、外側パイプを内側パイプに対して前後方向にスライドさせることにより、パイプの長さを調整可能であってもよい。外側パイプは、前後方向に沿って延びるレール部をさらに備えていてもよい。レール部の内面は、外側筒部の内面よりも外側筒部の径方向外側に突出していてもよい。内側パイプは、内側パイプの径方向外側に向かって突出している内側突出部を備えていてもよい。内側突出部は、外側パイプを内側パイプに対して前後方向に沿ってスライドさせたときに、レール部の内部をスライドしてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、内側突出部がレール部の内部をスライドする簡素な構成により、パイプの長さを調整することができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、内側パイプは、円筒形状を有する内側筒部と、内側筒部の外面の周方向に沿って延びており、内側筒部の外面よりも内側筒部の径方向外側に突出している内側接触部と、を備えていてもよい。外側接触部は、内側パイプが外側パイプに対して固定されたときに、内側接触部と接触するように構成されていてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、外側接触部が内側接触部と接触することにより、パイプの内部を流れる流体がパイプの外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0033】
(実施例)
図1に示すように、伸縮パイプ2は、ブロワ10に使用される。ブロワ10は、例えば、地面上の落ち葉等を吹き飛ばすことができる。ブロワ10は、電源装置12と、ブロワ本体14と、一対の肩ベルト16と、を備えている。ユーザは、一対の肩ベルト16を肩にかけることにより、ブロワ10を背負った状態で保持することができる。即ち、ブロワ10は、背負式のブロワである。以下では、伸縮パイプ2の長手方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を上下方向と呼び、前後方向と上下方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0034】
電源装置12は、複数の電池セル(図示省略)を収容している。電源装置12は、放電ケーブル18を介してブロワ本体14に電力を供給可能である。また、電源装置12は、充電コネクタ20を介して、外部電源(図示省略)から充電可能である。
【0035】
ブロワ本体14は、アウタハウジング22と、送風パイプユニット24と、操作グリップ26と、を備えている。
図2に示すように、アウタハウジング22は、左側に吸気口22aを有している。吸気口22aは、アウタハウジング22の内部と外部を連通している。アウタハウジング22は、送風パイプユニット24の一部を収容している。
【0036】
送風パイプユニット24は、左右方向に沿って延びる収容パイプ28と、左側から右側に向かうにつれて後側から前側に屈曲する湾曲パイプ30と、前後方向に沿って延びる蛇腹パイプ32と、前後方向に沿って延びる伸縮パイプ2と、を備えている。収容パイプ28の左端開口は、吸気口22aと対向している。蛇腹パイプ32は、伸縮パイプ2の向きを調整できるように構成されている。伸縮パイプ2については、後で詳細に説明する。
【0037】
図1に示すように、操作グリップ26は、伸縮パイプ2に取り外し可能に取り付けられている。ユーザは、操作グリップ26を把持した状態で操作グリップ26を動かすことにより、伸縮パイプ2の向きを調整することができる。操作グリップ26には、トリガ34が取り付けられている。ユーザは、操作グリップ26を把持した手の指でトリガ34を押し込むことにより、ブロワ10を動作させることができる。
【0038】
図3に示すように、ブロワ本体14は、送風ユニット40と、制御ユニット42と、カバー部材52と、をさらに備えている。送風ユニット40は、収容パイプ28に収容されている。送風ユニット40は、ファン44と、ファン44を回転させる電動モータ46と、電動モータ46を収容するモータハウジング48と、モータハウジング48の右端に固定されるコーン50と、を備えている。
【0039】
制御ユニット42は、収容パイプ28の上部に取り付けられている。カバー部材52は、制御ユニット42の上側を覆うように、収容パイプ28に取り付けられている。ユーザがトリガ34(
図2参照)を押し込むと、制御ユニット42は、電動モータ46を動作させる。電動モータ46の動作により、ファン44が回転する。これにより、空気が、
図2に示す吸気口22aから送風パイプユニット24の内部に流入する。流入した空気は、
図3に示すファン44により送り出されてコーン50に沿って流れる。これにより、空気の直進性が高められる。その後、空気は、
図2に示す湾曲パイプ30と、蛇腹パイプ32と、伸縮パイプ2の内部を流れて、吹出口54から伸縮パイプ2の外部に吹き出る。
【0040】
図1に示す伸縮パイプ2は、長手方向(前後方向)の長さを調整可能なパイプである。伸縮パイプ2は、樹脂材料、例えば、ポリプロピレンからなる。伸縮パイプ2は、内側パイプ60と、外側パイプ62と、を備えている。内側パイプ60の後端は、蛇腹パイプ32の先端に取り外し可能に取り付けられている。また、内側パイプ60は、内側パイプ60の前端が外側パイプ62に挿入されることにより、外側パイプ62に嵌合している。
【0041】
図4に示すように、内側パイプ60は、内側筒部64と、複数(本実施例では2個)の内側接触部65と、複数(本実施例では2個)の内側突出部70と、を備えている。内側筒部64は、前後方向に長手方向を有する円筒形状を有する。内側接触部65と内側突出部70は、内側筒部64に配置されている。
【0042】
内側接触部65は、内側筒部64の外面よりも、内側筒部64の径方向外側に突出している。ここで、内側筒部64の外面は、内側パイプ60が外側パイプ62(
図5、6参照)に挿入されているときに、外側パイプ62と対向する。内側接触部65は、内側筒部64の外面の円周方向に沿って延びている。内側接触部65は、環状形状を有しており、内側筒部64の外面の周りを一周している。
【0043】
2個の内側接触部65は、第1内側接触部66と、第2内側接触部68と、を備えている。第1内側接触部66は、内側パイプ60の前端近傍に配置されている。ここで、内側パイプ60の前端近傍は、内側パイプ60の前端と所定の位置との間の領域のことをいい、所定の位置は、例えば内側パイプ60の前端から約5センチメートルの位置である。第2内側接触部68は、第1内側接触部66よりも内側パイプ60の後端側に配置されている。
【0044】
内側突出部70は、円筒形状を有する。内側突出部70の自由端は、丸みを帯びている。内側突出部70は、第1内側接触部66と第2内側接触部68との間に配置されている。内側突出部70は、内側筒部64の外面よりも、内側筒部64の径方向外側に突出している。内側筒部64の径方向に関して、内側突出部70の外面の高さは、内側接触部65の外面の高さよりも高い。内側筒部64の外面の円周方向に関して、一方の内側突出部70は、他方の内側突出部70と180度の間隔を有して離れて配置されている。
【0045】
図5および
図6に示すように、外側パイプ62は、外側筒部72と、複数(本実施例では4個)の外側接触部74と、複数の外側突出部76と、複数(本実施例では2個)の長さ調整部78と、を備えている。外側筒部72は、前後方向に長手方向を有する円筒形状を有する。外側筒部72の前端開口は、吹出口54に対応する。外側接触部74と、外側突出部76と、長さ調整部78は、外側筒部72に配置されている。
【0046】
外側接触部74の外面は、外側筒部72の外面よりも、外側筒部72の径方向内側に凹んでいる。また、外側接触部74の内面は、外側筒部72の内面よりも、外側筒部72の径方向内側に凹んでいる。ここで、外側筒部72の内面と外側接触部74の内面のそれぞれは、内側パイプ60(
図4参照)が外側パイプ62に挿入されているときに、内側パイプ60と対向する。外側接触部74は、外側筒部72の内面の円周方向に沿って延びている。外側接触部74は、環状形状を有しており、外側筒部72の内面の周りを一周している。外側接触部74の前後方向の長さは、例えば5から20ミリメートルであり、本実施例では、10ミリメートルである。
【0047】
4個の外側接触部74は、第1外側接触部82と、第2外側接触部84と、第3外側接触部86と、第4外側接触部88と、を備えている。第1外側接触部82は、外側パイプ62の後端近傍に配置されている。ここで、外側パイプ62の後端近傍は、外側パイプ62の後端と所定の位置との間の領域のことをいい、所定の位置は、例えば外側パイプ62の後端から約5センチメートルの位置である。第2外側接触部84は、第1外側接触部82よりも外側パイプ62の前端側に配置されている。第3外側接触部86は、第2外側接触部84よりも外側パイプ62の前端側に配置されている。第4外側接触部88は、第3外側接触部86よりも外側パイプ62の前端側に配置されている。4個の外側接触部74は、前後方向に等間隔に並んで配置されている。
【0048】
外側突出部76の外面は、外側筒部72の外面よりも、外側筒部72の径方向外側に突出している。
図7に示すように、外側突出部76の内面は、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向外側に突出しており、かつ、外側筒部72の外面よりも外側筒部72の径方向外側に突出している。なお、外側突出部76の内面は、内側パイプ60(
図4参照)が外側パイプ62に挿入されているときに、内側パイプ60と対向する。
【0049】
図5および
図6示すように、複数の外側突出部76は、複数(本実施例では2個)の長尺外側突出部92と、複数(本実施例では12個)の短尺外側突出部94と、を備えている。長尺外側突出部92は、前後方向に延びている。長尺外側突出部92の前後方向の長さは、例えば50から450ミリメートルであり、本実施例では、250ミリメートルである。長尺外側突出部92は、第2外側接触部84と、第3外側接触部86と、第4外側接触部88を横切っており、第1外側接触部82を横切っていない。長尺外側突出部92は、外側筒部72の一端と他端の両方に接続していない。
図7に示すように、外側筒部72の内面の円周方向に関して、一方の長尺外側突出部92は、他方の長尺外側突出部92と180度の間隔を有して離れて配置されている。
【0050】
図5および
図6に示すように、短尺外側突出部94は、前後方向に延びている。短尺外側突出部94の前後方向の長さは、例えば10から50ミリメートルであり、本実施例では、35ミリメートルである。4個の短尺外側突出部94は、第2外側接触部84を横切っており、第1外側接触部82と、第3外側接触部86と、第4外側接触部88を横切っていない。4個の短尺外側突出部94のぞれぞれは、外側筒部72の後端に接続していない。4個の短尺外側突出部94のそれぞれは、第2外側接触部84から前側に突出する長さが、第2外側接触部84から後側に突出する長さと等しくなるように、配置されている。
図7に示すように、外側パイプ62を後側から見た場合、4個の短尺外側突出部94のうちの1個の短尺外側突出部94を基準としたとき、外側筒部72の内面の円周方向に関して、4個の短尺外側突出部94は、0度の位置と、135度の位置と、180度の位置と、315度の位置に配置されている。4個の短尺外側突出部94のそれぞれは、互いに離れて配置されているとともに、2個の長尺外側突出部92のそれぞれと離れて配置されている。外側パイプ62を後側から見たとき、外側筒部72の内面の円周方向に関して、2個の短尺外側突出部94は、時計回りの方向D1における2個の長尺外側突出部92の間に配置されており、残りの2個の短尺外側突出部94は、反時計回りの方向D2における2個の長尺外側突出部92の間に配置されている。
【0051】
図5および
図6に示すように、2個の短尺外側突出部94は、第3外側接触部86を横切っており、第1外側接触部82と、第2外側接触部84と、第4外側接触部88を横切っていない。2個の短尺外側突出部94のそれぞれは、第3外側接触部86から前側に突出する長さが、第3外側接触部86から後側に突出する長さと等しくなるように、配置されている。外側筒部72の内面の円周方向に関して、一方の短尺外側突出部94は、他方の短尺外側突出部94と180度の間隔を有して離れて配置されている。
【0052】
6個の短尺外側突出部94は、第4外側接触部88を横切っており、第1外側接触部82と、第2外側接触部84と、第3外側接触部86を横切っていない。6個の短尺外側突出部94は、外側筒部72の前端に接続していない。6個の短尺外側突出部94のそれぞれは、第4外側接触部88から前側に突出する長さが、第4外側接触部88から後側に突出する長さと等しくなるように、配置されている。外側パイプ62を後側から見た場合、6個の短尺外側突出部94のうちの1個の短尺外側突出部94を基準としたとき、外側筒部72の内面の円周方向に関して、6個の短尺外側突出部94は、0度の位置と、90度の位置と、135度の位置と、180度の位置と、270度の位置と、315度の位置に配置されている。6個の短尺外側突出部94のそれぞれは、互いに離れて配置されているとともに、2個の長尺外側突出部92のそれぞれと離れて配置されている。外側パイプ62を後側から見たとき、3個の短尺外側突出部94は、時計回りの方向D1における2個の長尺外側突出部92の間に配置されており、残りの3個の短尺外側突出部94は、反時計回りの方向D2における2個の長尺外側突出部92の間に配置されている。
【0053】
長さ調整部78は、内側突出部70(
図4参照)が内部をスライド可能となるように構成されている。内側突出部70が長さ調整部78の内部をスライドすることにより、伸縮パイプ2の長さが調整される。本実施例では、後述する長さ調整部78の構成により、伸縮パイプ2は、第1長さと、第2長さと、第3長さのいずれかの長さに調整可能である。
【0054】
長さ調整部78は、前後方向に長手方向を有する。外側パイプ62を後側から見たとき、一方の長さ調整部78は、時計回りの方向D1における2個の長尺外側突出部92の間に配置されており、他方の長さ調整部78は、反時計回りの方向D2における2個の長尺外側突出部92の間に配置されている。長さ調整部78の外面は、外側筒部72の外面よりも、外側筒部72の径方向外側に突出している。
図7に示すように、長さ調整部78の内面は、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向外側に突出しており、かつ、外側筒部72の外面よりも外側筒部72の径方向外側に突出している。なお、長さ調整部78の内面は、内側パイプ60(
図4参照)が外側パイプ62に挿入されているときに、内側パイプ60と対向する。長さ調整部78の内面と外面の高さは、外側突出部76の内面と外面の高さと略同一である。
【0055】
図5および
図6に示すように、長さ調整部78は、第1調整レール100と、第1嵌合レール102と、第1移行レール104と、第2調整レール106と、第2嵌合レール108と、第2移行レール110と、第3調整レール112と、第3嵌合レール114と、を備えている。
【0056】
第1調整レール100は、前後方向に延びている。第1調整レール100は、外側筒部72の後端から第1外側接触部82を横切って、第1外側接触部82と第2外側接触部84との間の中間位置近傍まで延びている。外側パイプ62を後側から見たとき、第1嵌合レール102は、外側筒部72の内面の円周方向に沿って、第1調整レール100の前端から、時計回りの方向D1に延びている。第1嵌合レール102は、先端に第1嵌合部102aを備えている。第1嵌合部102aは、内側突出部70(
図4参照)と前後方向に嵌合可能である。第1嵌合部102aは、第1段部102bを備えている。第1段部102bは、第1嵌合部102aの第1調整レール100側の端に配置されている。第1段部102bの内面は、第1嵌合部102aの先端の内面よりも径方向内側に配置されている。第1段部102bが内側突出部70と当接することにより、第1嵌合部102aは、外側筒部72の内面の周方向に内側突出部70と嵌合可能である。第1移行レール104は、第1調整レール100の先端から、第1嵌合レール102と反対の方向に延びている。
【0057】
第2調整レール106は、前後方向に延びている。第2調整レール106は、第1移行レール104の先端から第2外側接触部84を横切って、第2外側接触部84と第3外側接触部86との間の中間位置近傍まで延びている。外側パイプ62を後側から見たとき、第2嵌合レール108は、外側筒部72の内面の円周方向に沿って、第2調整レール106の前端から、時計回りの方向D1に延びている。第2嵌合レール108は、先端に第2嵌合部108aを備えている。第2嵌合部108aは、内側突出部70(
図4参照)と前後方向に嵌合可能である。第2嵌合部108aは、第2段部108bを備えている。第2段部108bは、第2嵌合部108aの第2調整レール106側の端に配置されている。第2段部108bの内面は、第2嵌合部108aの先端の内面よりも径方向内側に配置されている。第2段部108bが内側突出部70と当接することにより、第2嵌合部108aは、外側筒部72の内面の周方向に内側突出部70と嵌合可能である。第2移行レール110は、第2調整レール106の先端から、第2嵌合レール108と反対の方向に延びている。
【0058】
第3調整レール112は、前後方向に延びている。第3調整レール112は、第2移行レール110の先端から第3外側接触部86を横切って、第3外側接触部86と第4外側接触部88との間に中間位置近傍まで延びている。外側パイプ62を後側から見たとき、第3嵌合レール114は、外側筒部72の内面の円周方向に沿って、第3調整レール112の前端から、時計回りの方向D1に延びている。第3嵌合レール114は、先端に第3嵌合部114aを備えている。第3嵌合部114aは、内側突出部70(
図4参照)と前後方向に嵌合可能である。第3嵌合部114aは、第3段部114bを備えている。第3段部114bは、第3嵌合部114aの第3調整レール112側の端に配置されている。第3段部114bの内面は、第3嵌合部114aの先端の内面よりも径方向内側に配置されている。第3段部114bが内側突出部70と当接することにより、第3嵌合部114aは、外側筒部72の内面の周方向に内側突出部70と嵌合可能である。
【0059】
次に、
図5から
図7を参照して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲(即ち360度)に対して外側突出部76と長さ調整部78が占める角度範囲の割合を説明する。
図7に示すように、第2外側接触部84には、6個の外側突出部76(即ち、2個の長尺外側突出部92と4個の短尺外側突出部94)と、2個の第2調整レール106が配置されている。外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲(360度)に対する6個の外側突出部76の角度範囲の割合は、例えば5から30%であり、本実施例では、23%である。また、外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲に対する2個の第1調整レール100の角度範囲の割合は、例えば5から20%であり、本実施例では、10%である。さらに、外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲に対する6個の外側突出部76と2個の第1調整レール100の合計の角度範囲の割合は、例えば10から50%であり、本実施例では、33%である。
【0060】
図5および
図6に示すように、第3外側接触部86には、4個の外側突出部76(即ち、2個の長尺外側突出部92と2個の短尺外側突出部94)と、2個の第2調整レール106が配置されている。外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲に対する4個の外側突出部76の角度範囲の割合は、5から20%であり、本実施例では、15%である。また、外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲に対する2個の第2調整レール106の角度範囲の割合は、5から20%であり、本実施例では、10%である。さらに、外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲に対する4個の外側突出部76と2個の第2調整レール106の合計の角度範囲の割合は、10から40%であり、本実施例では、25%である。
【0061】
第4外側接触部88には、8個の外側突出部76(即ち、2個の長尺外側突出部92と6個の短尺外側突出部94)が配置されている。外側筒部72の円周方向に関して、外側筒部72の内面の全周の角度範囲に対する8個の外側突出部76の角度範囲の割合は、10から50%であり、本実施例では、30%である。
【0062】
次に、
図7を参照して、外側パイプ62の製造方法を説明する。外側パイプ62は、第1金型と第2金型からなる金型を使用してブロー成型により製造される。
図7において、第1金型の内面は、外側パイプ62の右半分の外面に対応する形状を有しており、第2金型の内面は、外側パイプ62の左半分の外面に対応する形状を有している。外側パイプ62を製造するとき、まず、加熱した樹脂材料を金型の内部に入れ、樹脂材料の内側から圧縮空気を吹き込むことにより、樹脂材料が第1金型の内面と第2金型の内面に押し付けられる。次に、第1金型が第1型抜き方向(
図7中の右矢印の方向)に引き抜かれ、第2金型が第1型抜き方向と反対の第2型抜き方向(
図7中の左矢印の方向)に引き抜かれる。このため、一部の外側突出部76の外面と一部の長さ調整部78の外面は、第1型抜き方向に沿う形状を有しており、他の一部の外側突出部76の外面と他の一部の長さ調整部78の外面は、第2型抜き方向に沿う形状を有している。
【0063】
次に、内側パイプ60を外側パイプ62に挿入する方法を説明する。ユーザは、一方の手で内側パイプ60(
図4参照)を把持し、他方の手の指を外側突出部76の外面と長さ調整部78の外面の少なくとも一方に引っ掛けるように、他方の手で外側パイプ62を把持する。次に、
図8に示すように、ユーザは、内側パイプ60の前端を、前後方向に沿って、外側パイプ62の後端から外側パイプ62に挿入して、内側突出部70を第1調整レール100の内部でスライドさせる。
【0064】
内側突出部70が第1調整レール100の内部でスライドすると、第1内側接触部66は、第1外側接触部82と前後方向に接触した後に第1外側接触部82と外側筒部72の径方向に接触する。第1外側接触部82は外側パイプ62の後端近傍に配置されており、外側パイプ62の後端は自由端であるため、外側パイプ62は、外側パイプ62の後端開口が広がるように、径方向外側に弾性変形する。これにより、ユーザは、大きな力を内側パイプ60または外側パイプ62に加えることなく、第1内側接触部66が第1外側接触部82を乗り越えるように、外側パイプ62を内側パイプ60に対してスライドさせることができる。内側突出部70が第1調整レール100の先端近傍までスライドすると、
図9に示すように、第1内側接触部66は、第2外側接触部84と前後方向に接触した後に第2外側接触部84と外側筒部72の径方向に接触し、第2内側接触部68は、第1外側接触部82に前後方向に接触した後に第1外側接触部82と外側筒部72の径方向に接触する。外側突出部76と長さ調整部78が弾性変形し、外側パイプ62は、径方向外側に弾性変形する。これにより、ユーザは、大きな力を内側パイプ60または外側パイプ62に加えることなく、第2外側接触部84が第1内側接触部66を乗り越え、かつ、第1外側接触部82が第2内側接触部68を乗り越えるように、外側パイプ62を内側パイプ60に対してスライドさせることができる。
【0065】
伸縮パイプ2を第1長さで固定するときには、ユーザは、外側パイプ62を内側パイプ60に対して回転させて、内側突出部70を第1嵌合部102aに嵌合させる。伸縮パイプ2が第1長さに固定されているとき、第1内側接触部66が第2外側接触部84と外側筒部72の径方向に接触し、第2内側接触部68が第1外側接触部82と外側筒部72の径方向に接触している。このため、伸縮パイプ2を流れる空気は、内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ない。
【0066】
伸縮パイプ2を第2長さで固定するときには、
図5および
図6に示すように、ユーザは、外側パイプ62を内側パイプ60(
図4参照)に対して回転およびスライドさせて、内側突出部70(
図4参照)を第1移行レール104と、第2調整レール106と、第2嵌合レール108内をスライドさせた後に第2嵌合部108aに嵌合させる。伸縮パイプ2が第2長さに固定されているとき、第1内側接触部66(
図4参照)が第3外側接触部86と外側筒部72の径方向に接触し、第2内側接触部68(
図4参照)が第2外側接触部84と外側筒部72の径方向に接触している。このため、伸縮パイプ2を流れる空気は、内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ない。
【0067】
また、伸縮パイプ2を第3長さで固定するときには、ユーザは、外側パイプ62を内側パイプ60(
図4参照)に対して回転およびスライドさせて、内側突出部70(
図4参照)を第1移行レール104と、第2調整レール106と、第2移行レール110と、第3調整レール112と、第3嵌合レール114内をスライドさせた後に第3嵌合部114aに嵌合させる。伸縮パイプ2が第3長さに固定されているとき、第1内側接触部66(
図4参照)が第4外側接触部88と外側筒部72の径方向に接触し、第2内側接触部68が第3外側接触部86と外側筒部72の径方向に接触している。このため、伸縮パイプ2を流れる空気は、内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ない。
【0068】
(効果)
伸縮パイプ2(パイプの一例)は、内部に空気(流体の一例)が流れるパイプである。伸縮パイプ2は、外側パイプ62と、外側パイプ62の一端側から外側パイプ62に挿入されている内側パイプ60と、を備えている。外側パイプ62は、円筒形状を有する外側筒部72と、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向内側に凹んでおり、内側パイプ60に接触するように構成されている外側接触部74と、外側接触部74に少なくとも部分的に配置されており、内側パイプ60に対向する内面が外側接触部74よりも外側筒部72の径方向外側に突出している外側突出部76と、を備えている。外側パイプ62は、外側突出部76が弾性変形することにより、径方向外側に弾性変形する。
【0069】
上記の構成によれば、外側突出部76が弾性変形することにより、外側パイプ62が径方向外側に弾性変形する。このため、外側パイプ62の寸法が外側パイプ62の規格基準値の寸法よりも小さいときでも、ユーザは、内側パイプ60が外側接触部74に接触した状態で、比較的に小さな力を内側パイプ60または外側パイプ62に加えるだけで、内側パイプ60を外側パイプ62に挿入することができる。これにより、内側パイプ60を外側パイプ62に容易に挿入することができる。
【0070】
また、外側接触部74は、外側筒部72の周方向に沿って延びている。
【0071】
上記の構成によれば、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ることをより抑制することができるとともに、外側パイプ62の弾性変形により、内側パイプ60を外側パイプ62に容易に挿入することができる。
【0072】
また、外側筒部72の周方向に沿う方向に関して、外側筒部72の全周の角度範囲に対する外側突出部76の角度範囲の割合は、10%から50%の範囲にある。
【0073】
仮に、外側筒部72の全周の角度範囲に対する外側突出部76の角度範囲の割合が10%未満である構成とすると、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ることを十分に抑制できる一方で、外側突出部76が弾性変形しても、外側パイプ62を径方向外側に十分に弾性変形させることができない。逆に、外側筒部72の全周の角度範囲に対する外側突出部76の角度範囲の割合が50%を超える構成とすると、外側突出部76が弾性変形することにより外側パイプ62を径方向外側に十分に弾性変形させることができる一方で、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ることを十分に抑制できない。上記の構成によれば、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が内側パイプ60と外側パイプ62との隙間から漏れ出ることを十分に抑制することができるとともに、外側パイプ62を径方向外側に十分に弾性変形させることができる。
【0074】
また、外側突出部76は、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向外側に突出している。
【0075】
上記の構成によれば、外側突出部76が弾性変形することにより、内側パイプ60を外側パイプ62により容易に挿入することができる。
【0076】
また、外側パイプ62は、前後方向に長手方向を有している。外側突出部76は、前後方向に延びており、外側接触部74を横切っている。
【0077】
上記の構成によれば、外側突出部76が弾性変形することにより、内側パイプ60を外側パイプ62により容易に挿入することができる。
【0078】
また、外側パイプ62は、前後方向に並んで配置される複数の外側接触部74を備えている。外側突出部76は、複数の外側接触部74のそれぞれを横切っている。
【0079】
上記の構成によれば、外側パイプ62が複数の外側接触部74を備えている構成でも、外側突出部76が弾性変形することにより、内側パイプ60を外側パイプ62に容易に挿入することができる。
【0080】
また、外側突出部76は、外側パイプ62の一端と他端の両方に接続していない。
【0081】
仮に、外側突出部76が外側パイプ62の一端と他端の少なくとも一方に接続している構成とすると、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が、外側突出部76を介して、伸縮パイプ2の外部に漏れ出ることがある。上記の構成によれば、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が伸縮パイプ2の外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0082】
また、外側パイプ62は、第2外側接触部84よりも外側パイプ62の他端側に配置されている第3外側接触部86(他端側外側接触部の一例)と、短尺外側突出部94よりも外側パイプ62の他端側に配置されている他の短尺外側突出部94(他端側外側突出部の一例)と、をさらに備えている。第3外側接触部86は、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向内側に凹んでおり、内側パイプ60に接触するように構成されている。他の短尺外側突出部94は、第3外側接触部86に少なくとも部分的に配置されており、内側パイプ60に対向する内面が第3外側接触部86よりも外側筒部72の径方向外側に突出している。
【0083】
上記の構成によれば、外側パイプ62が第2外側接触部84と第3外側接触部86を備えている構成でも、短尺外側突出部94と他の短尺外側突出部94が弾性変形することにより、内側パイプ60を外側パイプ62に容易に挿入することができる。
【0084】
また、外側パイプ62は、複数の外側突出部76を備えている。複数の外側突出部76は、外側筒部72の周方向に沿う方向に関して、互いに離れて配置されている。
【0085】
上記の構成によれば、複数の外側突出部76のそれぞれが弾性変形することにより、外側パイプ62を径方向外側に十分に弾性変形させることができる。これにより、内側パイプ60を外側パイプ62に容易に挿入することができる。
【0086】
また、外側パイプ62は、第2外側接触部84よりも外側パイプ62の一端側であって、外側パイプ62の一端の近傍に配置されている第1外側接触部82(一端側外側接触部の一例)をさらに備えている。第1外側接触部82は、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向内側に凹んでおり、内側パイプ60に接触するように構成されている。外側突出部76は、第1外側接触部82に配置されていない。
【0087】
仮に、外側突出部76が第1外側接触部82に配置されている構成とすると、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が、外側突出部76を介して伸縮パイプ2の外部に漏れ出ることがある。上記の構成によれば、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が、外側突出部76を介して伸縮パイプ2の外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0088】
また、外側パイプ62を内側パイプ60に対して前後方向にスライドさせることにより、伸縮パイプ2の長さを調整可能である。外側パイプ62は、前後方向に沿って延びる調整レール100、106、112(レール部の一例)をさらに備えている。調整レール100、106、112の内面は、外側筒部72の内面よりも外側筒部72の径方向外側に突出している。内側パイプ60は、内側パイプ60の径方向外側に向かって突出している内側突出部70を備えている。内側突出部70は、外側パイプ62を内側パイプ60に対して前後方向に沿ってスライドさせたときに、調整レール100、106、112の内部をスライドする。
【0089】
上記の構成によれば、内側突出部70が調整レール100、106、112の内部をスライドする簡素な構成により、伸縮パイプ2の長さを調整することができる。
【0090】
また、内側パイプ60は、円筒形状を有する内側筒部64と、内側筒部64の外面の周方向に沿って延びており、内側筒部64の外面よりも内側筒部64の径方向外側に突出している内側接触部65と、を備えている。外側接触部74は、内側パイプ60が外側パイプ62に対して固定されたときに、内側接触部65と接触するように構成されている。
【0091】
上記の構成によれば、外側接触部74が内側接触部65と接触することにより、伸縮パイプ2の内部を流れる空気が伸縮パイプ2の外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0092】
一実施形態において、パイプ2は、長さを調整不可能なパイプであってもよい。
【0093】
一実施形態において、内側接触部65の個数と、内側突出部70の個数と、外側接触部74の個数と、外側突出部76の個数と、長さ調整部78の個数は、それぞれ1個であってもよい。
【0094】
一実施形態において、伸縮パイプ2の内部を流れる流体は、例えば、空気以外の気体、液体、または、固体であってもよく、気体と液体と固体の少なくとも2つを含む混合体であってもよい。
【0095】
一実施形態において、外側突出部76は、第1外側接触部82を横切っていてもよい。
【0096】
一実施形態において、外側突出部76の全体が、外側接触部74に配置されていてもよい。
【0097】
一実施形態において、内側パイプ60は、内側接触部65を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0098】
2 :伸縮パイプ
10 :ブロワ
12 :電源装置
24 :送風パイプユニット
40 :送風ユニット
42 :制御ユニット
54 :吹出口
60 :内側パイプ
62 :外側パイプ
64 :内側筒部
65 :内側接触部
66 :第1内側接触部
68 :第2内側接触部
70 :内側突出部
72 :外側筒部
74 :外側接触部
76 :外側突出部
78 :長さ調整部
82 :第1外側接触部
84 :第2外側接触部
86 :第3外側接触部
88 :第4外側接触部
92 :長尺外側突出部
94 :短尺外側突出部
100 :第1調整レール
106 :第2調整レール
112 :第3調整レール