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特開2023-159740情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159740
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231025BHJP
   G16H 50/80 20180101ALI20231025BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069645
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有地 瑠衣
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 安昭
(72)【発明者】
【氏名】西田 浩二
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC17
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】より効果的に感染症のリスクを判定すること。
【解決手段】情報提供装置10は、利用者情報を収集し、利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出し、利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定し、特定した複数の利用者の危険度に基づいて、各利用者の危険度を更新する。また、情報提供装置10は、履歴情報と所定の病気に関する危険度との関係性を学習した機械学習モデルを用いて、各利用者の危険度を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者情報を収集する収集部と、
前記利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出する算出部と、
前記利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定する特定部と、
特定された前記複数の利用者の前記危険度に基づいて、前記各利用者の前記危険度を更新する更新部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記更新部は、
特定された前記複数の利用者の前記危険度の高さに応じて、前記各利用者のうち前記複数の利用者の前記危険度を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記更新部は、
特定された前記複数の利用者の人数の多さに応じて、前記各利用者のうち前記複数の利用者の前記危険度を更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記更新部は、
特定された前記複数の利用者の所在した時間の長さに応じて、前記各利用者のうち前記複数の利用者の前記危険度を更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記危険度が所定の閾値を超過した利用者に対して、当該閾値を超過した旨を通知する通知部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記算出部は、
履歴情報と所定の病気に関する危険度との関係性を学習した機械学習モデルを用いて、前記各利用者の前記危険度を算出する、
ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、
利用者情報を収集する収集工程と、
前記利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出する算出工程と、
前記利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定する特定工程と、
特定された前記複数の利用者の前記危険度に基づいて、前記各利用者の前記危険度を更新する更新工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項8】
利用者情報を収集する収集手順と、
前記利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出する算出手順と、
前記利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定する特定手順と、
特定された前記複数の利用者の前記危険度に基づいて、前記各利用者の前記危険度を更新する更新手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターのかごに乗り降りする利用者に関する情報を取得し、エレベーターの運行情報と利用者の乗降実績とを用いて、感染症に罹患するリスクをフロア別に示す指標データを生成し、当該指標データを利用者等に通知する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-032808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術は、感染症等の病気に罹患するリスク(適宜、「感染症リスク」)を効果的に判定する上で改善の余地がある。例えば、上記の従来技術では、エレベーターがない施設において感染症リスクを判定することは難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より効果的に感染症のリスクを判定する情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、利用者情報を収集する収集部と、前記利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出する算出部と、前記利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定する特定部と、特定された前記複数の利用者の前記危険度に基づいて、前記各利用者の前記危険度を更新する更新部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報提供方法は、情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、利用者情報を収集する収集工程と、前記利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出する算出工程と、前記利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定する特定工程と、特定された前記複数の利用者の前記危険度に基づいて、前記各利用者の前記危険度を更新する更新工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報提供プログラムは、利用者情報を収集する収集手順と、前記利用者情報が示す各利用者の履歴情報に基づいて、当該各利用者の所定の病気に関する危険度を算出する算出手順と、前記利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者を特定する特定手順と、特定された前記複数の利用者の前記危険度に基づいて、前記各利用者の前記危険度を更新する更新手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、より効果的に感染症のリスクを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る利用者情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る危険度情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、実施形態)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る情報提供システム100の構成、情報提供装置10の構成、情報提供処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0013】
〔1.情報提供システム100の構成〕
図1を用いて、実施形態に係る情報提供システム100の処理を説明する。図1は、実施形態に係る情報提供システム100の構成例を示す図である。以下では、情報提供システム100の構成例、情報提供システム100の処理、情報提供システム100の効果の順に説明する。
【0014】
(1-1.情報提供システム100の構成例)
図1に示した情報提供システム100は、情報提供装置10と利用者端末20(20A、20B、20C)とを有する。ここで、情報提供装置10と利用者端末20とは、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、情報提供システム100には、複数台の情報提供装置10または4台以上の利用者端末20が含まれてもよい。
【0015】
(1-1-1.情報提供装置10)
情報提供装置10は、利用者端末20との間でデータの送受信を行う装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。図1の例では、情報提供装置10がサーバ装置により実現される場合を示す。
【0016】
(1-1-2.利用者端末20)
利用者端末20は、利用者U(UA、UB、UC)によって使用されるデバイス(コンピュータ)である。利用者端末20Aは、利用者UAによる操作を受け付ける。また、利用者端末20Bは、利用者UBによる操作を受け付ける。また、利用者端末20Cは、利用者UCによる操作を受け付ける。なお、利用者端末20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。図1の例では、利用者端末20がスマートフォンにより実現される場合を示す。
【0017】
以下では、利用者端末20を利用者Uと表記する場合がある。すなわち、利用者Uを利用者端末20と読み替えることもできる。また、利用者Uを複数の対象者を表わすものとして使用することがある。
【0018】
(1-2.情報提供システム100の処理)
以下に、情報提供システム100の処理として、ステップS1~S6の処理について説明する。なお、下記のステップS1~S6は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS1~S6のうち、省略される処理があってもよい。
【0019】
(1-2-1.ステップS1の処理)
情報提供システム100において、第1に、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB、UC)の利用者端末20(20A、20B、20C)から、利用者情報を収集する(ステップS1)。ここで、利用者情報とは、利用者属性、履歴情報、位置情報等を含む情報である。例えば、利用者属性は、利用者Uの性別、年齢、年代、職業、年収、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無、利用者Uの動画像、利用者Uが興味関心を有するカテゴリ等を含む情報である。また、履歴情報は、利用者Uのウェブサイト上での検索履歴・閲覧履歴、インターネットショッピングでの購買履歴、利用者Uの移動履歴等の行動履歴全般を含む情報である。また、位置情報は、利用者Uの利用者端末20から収集された利用者Uの現在位置、移動速度、移動手段等を示す情報である。さらに、利用者情報は、利用者端末20の画面情報、利用者Uの生体情報等を含む情報であってもよく、特に限定されない。
【0020】
(1-2-2.ステップS2の処理)
情報提供システム100において、第2に、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB、UC)の感染症等の所定の病気に関する初期の危険度を算出する(ステップS2)。ここで、所定の病気とは、病原体(例:細菌、ウイルス、真菌、寄生虫)が感染源となる感染症の他、化学物質等に起因するアレルギー、他者との接近等に起因する精神疾患であってもよく、特に限定されない。また、危険度とは、感染症等の所定の病気に罹患する危険の程度を示す数値であるが、複数の病気に罹患する総合的な危険の程度を示す数値であってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB、UC)の履歴情報(例:訪問場所、検索ワード、送受信した通知、感染症の陽性・陰性判定)をもとに初期の危険度を0~100%の数値で算出する。
【0021】
上記のステップS2において、情報提供装置10は、学習済みの機械学習モデルを用いて施設価値を算出することができる。例えば、情報提供装置10は、履歴情報と所定の病気の危険度との関係性を学習したDNN(Deep Neural Network)等の機械学習モデルを用いて、初期の危険度を算出する。なお、情報提供装置10は、ルールベースで初期の危険度を算出してもよい。
【0022】
(1-2-3.ステップS3の処理)
情報提供システム100において、第3に、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB、UC)の位置情報をもとに、同一区域(エリア)に所在した複数の利用者Uを特定する(ステップS3)。例えば、情報提供装置10は、利用者UAと利用者UBとの位置情報をもとに、所定の時間内において利用者UAと利用者UBとが同一区域(例:飲食店、コンサート会場、電車の車両)に所在したことを特定する。
【0023】
(1-2-4.ステップS4の処理)
情報提供システム100において、第4に、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB、UC)のうち、ステップS3の処理で特定した利用者UAおよび利用者UBの危険度を更新する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、特定した利用者UAおよび利用者UBの危険度の高さに応じて、利用者UAおよび利用者UBの危険度を更新する。具体的には、情報提供装置10は、利用者UAの危険度が利用者UBの危険度より高い場合には、利用者UBの危険度を引き上げる。このとき、情報提供装置10は、利用者UAの危険度と利用者UBの危険度との差が大きいほど、利用者UBの危険度を高く引き上げてもよい。
【0024】
また、情報提供装置10は、同一区域に所在した利用者Uの人数の多さに応じて利用者Uの危険度を更新してもよいし、同一区域に所在した利用者Uの所在時間の長さに応じて利用者Uの危険度を更新してもよい。すなわち、情報提供装置10は、同一区域に所在した利用者Uの人数が多いほど、また、同一区域に所在した利用者Uの所在時間が長いほど、利用者Uの危険度を高く引き上げる。また、同一区域に所在した利用者Uの危険度が所定値未満の場合には、利用者Uの危険度を更新しなくともよい。
【0025】
さらに、情報提供装置10は、時間の経過に応じた危険度の減算を行ってもよい。例えば、利用者Uが単独で行動している時間に応じて、利用者Uの危険度を徐々に引き下げてもよい。また、情報提供装置10は、病院等で感染症の陽性判定がなされた場合は利用者Uの危険度を100%、陰性判定がなされた場合は利用者Uの危険度を0%と更新してもよい。
【0026】
(1-2-5.ステップS5の処理)
情報提供システム100において、第5に、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB、UC)のうち、危険度が閾値以上の利用者Uに対して通知する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、利用者UBの危険度が70%以上になった場合には、利用者UBの利用者端末20Bに、「○○感染症の危険度が70%を超過しました。」等の閾値超過通知を送信する。
【0027】
(1-2-6.ステップS6の処理)
情報提供システム100において、第6に、情報提供装置10は、算出した危険度を学習する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、感染症の感染力が上昇した情報が機械学習モデルに入力された場合には、危険度がより高い数値として出力されるように、バックプロパゲーション等を用いて学習する。また、情報提供装置10は、感染症の感染力が下降した情報が機械学習モデルに入力された場合には、危険度がより低い数値として出力されるように、バックプロパゲーション等を用いて学習する。
【0028】
(1-3.情報提供システム100の効果)
以下では、情報提供システム100の処理の概要を説明した上で、情報提供システム100の効果について説明する。
【0029】
(1-3-1.概要)
情報提供システム100では、情報提供装置10は、利用者Uの利用者情報を収集し、利用者情報が示す各利用者Uの履歴情報に基づいて各利用者Uの所定の病気に関する危険度を算出し、利用者情報が示す位置情報に基づいて所定の区域に所在した利用者Uを特定し、特定した利用者Uの危険度に基づいて各利用者Uの危険度を更新する。このとき、情報提供装置10は、履歴情報と所定の病気に関する危険度との関係性を学習した機械学習モデルを用いて、各利用者Uの危険度を算出する。
【0030】
また、情報提供装置10は、利用者Uの危険度の高さ、利用者Uの人数の多さ、所在した時間の長さ等に応じて、各利用者Uの危険度を更新する。さらに、情報提供装置10は、危険度が所定の閾値を超過した利用者Uに対して、当該閾値を超過した旨を通知する。
【0031】
(1-3-2.効果)
上述してきたように、情報提供システム100では、利用者Uの検索データ(例:会食に関連しそうな検索ワード)や、位置情報データ(例:複数人で集合して一定期間を過ごしている、満員電車で移動している)を用いて、大人数での会食、移動量、満員電車利用等の判定を行い、利用者Uの感染症リスクを判定することができる。すなわち、情報提供システム100では、複数の利用者Uの位置情報を利用し、利用者Uの感染症リスクを判定することができる。このため、情報提供システム100では、新規感染者数だけではなく、未症状者も含めたリスク判定を可能とする。さらに、情報提供システム100では、公共交通機関等において感染症リスクが高い対象者の割合を分析することで、感染症リスクの増加に合わせたキャンペーンやイベント施策等を計画することに利用できる。
【0032】
〔2.情報提供装置10の構成〕
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、情報提供装置10は、情報提供装置10の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0033】
(2-1.通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定の通信網(ネットワーク)と有線または無線で接続され、各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0034】
(2-2.記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、図2に示すように、利用者情報記憶部12aおよび危険度情報記憶部12bを有する。そして、記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。
【0035】
(2-2-1.利用者情報記憶部12a)
利用者情報記憶部12aは、利用者Uに関する各種の情報(利用者情報)を記憶する。ここで、図3を用いて、利用者情報記憶部12aが記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る利用者情報記憶部12aの一例を示す図である。図3の例において、利用者情報記憶部12aは、「利用者ID」、「利用者属性」、「履歴情報」、「位置情報」といった項目を有する。
【0036】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。「利用者属性」は、事前に登録された利用者Uの分類に寄与する情報であって、利用者Uの性別、年齢、年代、職業、年収、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無、利用者Uの動画像、利用者Uが興味関心を有するカテゴリ等を含む情報である。「履歴情報」は、購買履歴、閲覧履歴、検索履歴、移動履歴、通信履歴等の情報である。「位置情報」は、利用者Uの利用者端末20から収集された利用者Uの現在位置、移動速度、移動手段等を示す情報である。
【0037】
図3では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者Uについて、利用者属性が「利用者属性#1」、履歴情報が「履歴情報#1」、位置情報が「位置情報#1」である例を示す。
【0038】
(2-2-2.危険度情報記憶部12b)
危険度情報記憶部12bは、後述する制御部13の算出部13bによって算出された危険度を含む危険度情報を記憶する。ここで、図4を用いて、危険度情報記憶部12bが記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る危険度情報記憶部12bの一例を示す図である。図4の例において、危険度情報記憶部12bは、「病気ID」、「利用者ID」、「危険度」といった項目を有する。
【0039】
「病気ID」は、評価対象である感染症等の病気を識別するための識別情報を示す。「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。「危険度」は、評価対象である病気ごとに算出された利用者Uの罹患の危険の程度を示す情報である。
【0040】
図4では、病気ID「DID#1」によって識別される病気について、利用者IDが「UID#1」の利用者Uの危険度が「危険度#1」、利用者IDが「UID#2」の利用者Uの危険度が「危険度#2」である例を示す。
【0041】
(2-3.制御部13)
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0042】
図2に示すように、制御部13は、収集部13a、算出部13b、特定部13c、更新部13d、通知部13eおよび学習部13fを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0043】
(2-3-1.収集部13a)
収集部13aは、利用者U(UA、UB、UC)の利用者情報を収集する。例えば、収集部13aは、利用者情報として、利用者Uにおける利用者属性(例:性別、年齢、年代、職業、年収、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無、利用者Uの動画像、利用者Uが興味関心を有するカテゴリ)、履歴情報(例:購買履歴、閲覧履歴、検索履歴、移動履歴、通信履歴)、位置情報(例:現在位置、移動速度、移動手段)等を利用者Uの利用者端末20から収集する。なお、収集部13aは、収集した利用者情報を利用者情報記憶部12aに格納する。
【0044】
(2-3-2.算出部13b)
算出部13bは、利用者情報が示す各利用者U(UA、UB、UC)の履歴情報に基づいて、各利用者U(UA、UB、UC)の所定の病気に関する危険度を算出する。例えば、算出部13bは、移動履歴、検索履歴、購買履歴等を用いて、利用者U(UA、UB、UC)の訪問場所、検索ワード、送受信した通知、感染症の陽性・陰性判定等を特定し、当該危険度を算出する。
【0045】
算出する手法について説明すると、算出部13bは、履歴情報と所定の病気に関する危険度との関係性を学習した機械学習モデルを用いて、各利用者U(UA、UB、UC)の危険度を算出する。また、算出部13bは、ルールベースで施設の価値を算出してもよい。
【0046】
算出する数値について説明すると、算出部13bは、病気ごとの危険度を0~100%の数値で算出する。また、算出部13bは、病気ごとの危険度を0~1の数値で算出してもよく、算出する数値の範囲や単位は特に限定されない。
【0047】
なお、算出部13bは、利用者情報記憶部12aから履歴情報を取得する。一方、算出部13bは、算出した病気ごとの危険度を危険度情報記憶部12bに格納する。
【0048】
(2-3-3.特定部13c)
特定部13cは、利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者Uを特定する。例えば、特定部13cは、利用者Uの現在位置、移動速度、移動手段等を用いて、所定の区域に所在した利用者UAおよび利用者UBを特定する。このとき、特定部13cは、利用者UAと利用者UBとの人数の他、所在時間を特定する。さらに、特定部13cは、所定の区域の換気状態等の感染防止の対策状況等を特定してもよい。
【0049】
なお、特定部13cは、利用者情報記憶部12aから位置情報または履歴情報を取得する。一方、特定部13cは、特定した利用者U、利用者Uの人数、所在時間等を記憶部12に格納してもよい。
【0050】
(2-3-4.更新部13d)
更新部13dは、特定された複数の利用者Uの危険度に基づいて、各利用者U(UA、UB、UC)の危険度を更新する。例えば、更新部13dは、特定された利用者UAおよび利用者UBの危険度の高さに応じて、各利用者U(UA、UB、UC)のうち利用者UAおよび利用者UBの危険度を更新する。具体的な例としては、更新部13dは、特定された利用者UAの危険度が80%であり、利用者UBの危険度が30%である場合には、利用者UBの危険度を50%に引き上げる。このとき、情報提供装置10は、利用者UAの危険度と利用者UBの危険度との差が大きいほど、利用者UBの危険度を高く引き上げてもよい。具体的な例としては、更新部13dは、特定された利用者UAの危険度が90%であり、利用者UBの危険度が30%である場合には、利用者UBの危険度を60%に引き上げる。
【0051】
また、更新部13dは、特定された複数の利用者Uの人数の多さに応じて、各利用者U(UA、UB、UC)のうち複数の利用者Uの危険度を更新する。具体的な例としては、更新部13dは、特定された利用者Uの人数1人につき危険度を1%引き上げる。また、更新部13dは、特定された複数の利用者Uの所在した時間の長さに応じて、各利用者U(UA、UB、UC)のうち複数の利用者Uの危険度を更新する。具体的な例としては、更新部13dは、特定された所在時間1時間につき危険度を1%引き上げる。さらに、更新部13dは、所定の区域に所在した利用者Uの危険度が所定値未満の場合には、利用者Uの危険度を更新しなくともよい。具体的な例としては、更新部13dは、特定された利用者UAの危険度が10%であり、利用者UBの危険度が5%である場合には、利用者UBの危険度を引き上げない。
【0052】
なお、更新部13dは、危険度情報記憶部12bから初期の危険度を取得する。一方、更新部13dは、更新した危険度を危険度情報記憶部12bに格納する。
【0053】
(2-3-5.通知部13e)
通知部3eは、所定の閾値を超過した利用者Uに対して、当該閾値を超過した旨を通知する。例えば、通知部13eは、利用者UBの危険度が70%以上になった場合には、利用者UBの利用者端末20Bに、「○○感染症の危険度が70%を超過しました。」等の閾値を超過した旨のプッシュ通知を送信する。
【0054】
(2-3-6.学習部13f)
学習部13fは、利用者U(UA、UB、UC)の利用者情報が入力された際に、所定の病気の危険度が出力されるように、機械学習モデルを学習する。このとき、学習部13fは、バックプロパゲーション等により機械学習モデルを学習してもよい。
【0055】
例えば、学習部13fは、感染症の感染力が上昇した情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該感染症の危険度が高い数値として出力されるように、機械学習モデルを学習する。
【0056】
例えば、学習部13fは、感染症の感染力が下降した情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該感染症の危険度が低い数値として出力されるように、機械学習モデルを学習する。
【0057】
〔3.情報提供処理の流れ〕
図5を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の情報提供処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S106は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S106のうち、省略される処理があってもよい。
【0058】
(3-1.利用者情報収集処理)
第1に、情報提供装置10の収集部13aは、利用者情報収集処理を実行する(ステップS101)。例えば、収集部13aは、利用者情報として、利用者U(UA、UB、UC)の利用者属性、履歴情報、位置情報等を収集する。
【0059】
(3-2.危険度算出処理)
第2に、情報提供装置10の算出部13bは、危険度算出処理を実行する(ステップS102)。例えば、算出部13bは、利用者U(UA、UB、UC)の感染症等の所定の病気に関する初期の危険度を算出する。
【0060】
(3-3.利用者特定処理)
第3に、情報提供装置10の特定部13cは、利用者特定処理を実行する(ステップS103)。例えば、特定部13cは、利用者U(UA、UB、UC)の位置情報をもとに、同一区域に所在した複数の利用者Uを特定する。
【0061】
(3-4.危険度更新処理)
第4に、情報提供装置10の更新部13dは、危険度更新処理を実行する(ステップS104)。例えば、更新部13dは、利用者U(UA、UB、UC)のうち、特定された同一区域に所在した利用者UAおよび利用者UBの危険度を更新する。
【0062】
(3-5.閾値超過通知処理)
第5に、情報提供装置10の通知部13eは、閾値超過通知処理を実行する(ステップS105)。例えば、通知部13eは、利用者U(UA、UB、UC)のうち、危険度が閾値以上の利用者UBに対して閾値が超過した旨を通知する。
【0063】
(3-6.危険度学習処理)
第6に、情報提供装置10の学習部13fは、危険度学習処理を実行する(ステップS106)。例えば、学習部13fは、利用者U(UA、UB、UC)の行動履歴等を用いて機械学習モデルの学習を行う。
【0064】
〔4.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~6について説明する。
【0065】
(4-1.効果1)
上述した実施形態に係る処理では、利用者情報を収集し、利用者情報が示す利用者U(UA、UB、UC)の履歴情報に基づいて、利用者U(UA、UB、UC)の所定の病気に関する危険度を算出し、利用者情報が示す位置情報に基づいて、所定の区域に所在した複数の利用者Uを特定し、特定された複数の利用者Uの危険度に基づいて、利用者U(UA、UB、UC)の危険度を更新する。このため、本処理では、より効果的に感染症のリスクを判定することができる。
【0066】
(4-2.効果2)
上述した実施形態に係る処理では、特定された複数の利用者Uの危険度の高さに応じて、利用者U(UA、UB、UC)のうち複数の利用者Uの危険度を更新する。このため、本処理では、複数の利用者Uの危険度の高さを用いることによって、より効果的に感染症のリスクを判定することができる。
【0067】
(4-3.効果3)
上述した実施形態に係る処理では、特定された複数の利用者Uの人数の多さに応じて、利用者U(UA、UB、UC)のうち複数の利用者Uの危険度を更新する。このため、本処理では、複数の利用者Uの人数の多さを用いることによって、より効果的に感染症のリスクを判定することができる。
【0068】
(4-4.効果4)
上述した実施形態に係る処理では、特定された複数の利用者Uの所在した時間の長さに応じて、利用者U(UA、UB、UC)のうち複数の利用者Uの危険度を更新する。このため、本処理では、複数の利用者Uの所在時間の長さを用いることによって、より効果的に感染症のリスクを判定することができる。
【0069】
(4-5.効果5)
上述した実施形態に係る処理では、危険度が所定の閾値を超過した利用者Uに対して、当該閾値を超過した旨を通知する。このため、本処理では、より効果的に感染症のリスクを判定することができるとともに、感染症の拡大を防止することができる。
【0070】
(4-6.効果6)
上述した実施形態に係る処理では、履歴情報と所定の病気に関する危険度との関係性を学習した機械学習モデルを用いて、利用者U(UA、UB、UC)の危険度を算出する。このため、本処理では、機械学習モデルを用いることによって、より効果的に感染症のリスクを判定することができる。
【0071】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図6は、情報提供装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0072】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0073】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0074】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0075】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0076】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0077】
〔その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0078】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0080】
例えば、上述した情報提供装置10は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0081】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0082】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0083】
10 情報提供装置
11 通信部
12 記憶部
12a 利用者情報記憶部
12b 危険度情報記憶部
13 制御部
13a 収集部
13b 算出部
13c 特定部
13d 更新部
13e 通知部
13f 学習部
20、20A、20B、20C 利用者端末
100 情報提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6