(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159761
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】動作補助装置及びベース
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20231025BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A61H3/00 Z
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069675
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 崇稔
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智彦
【テーマコード(参考)】
2E301
4C046
【Fターム(参考)】
2E301JJ06
2E301JJ10
2E301LL23
4C046AA22
4C046CC01
4C046DD33
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、ベースを隣接させた状態で人の動作を補助することができる動作補助装置及びベースを提供することである。
【解決手段】動作補助装置1は、ベース10と、少なくとも1つの支柱2と、手すり13と、を備える。支柱2は、ベース10から上方に突出している。手すり13は、支柱2の上部において支柱2に連結する。ベース10の一辺には、他のベース10と連結する連結部位104が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースから上方に突出した少なくとも1つの支柱と、
前記支柱の上部において前記支柱に連結する手すりと、を備え、
前記ベースの一辺には、他のベースと連結する連結部位が設けられている、
動作補助装置。
【請求項2】
前記支柱は、前記支柱を前記ベースに固定するための支持ブラケットを含み、
前記支持ブラケットは、前記連結部位に取り付けられる、
請求項1に記載の動作補助装置。
【請求項3】
前記支持ブラケットと前記他のベースに取り付けられた他の支持ブラケットとを連結する相互連結部材を、更に備える、
請求項2に記載の動作補助装置。
【請求項4】
前記連結部位は、持ち手部を有している、
請求項1に記載の動作補助装置。
【請求項5】
前記連結部位は、前記ベースの中央部に向けて窪んだ凹部を有しており、
前記連結部位は、前記凹部を形成する縁に、前記持ち手部として立ち上がり部を有している、
請求項4に記載の動作補助装置。
【請求項6】
前記立ち上がり部は、前記凹部を形成する前記縁のうち前記凹部の底部を形成する縁に設けられている、
請求項5に記載の動作補助装置。
【請求項7】
前記連結部位は、前記ベースにおいて所定の方向に沿った両端部にそれぞれ設けられている、
請求項1に記載の動作補助装置。
【請求項8】
前記手すりは、
前記支柱が延在する方向に沿って延在する第1手すりと、
前記第1手すりと交差する方向に沿って延在する第2手すりと、を有し、
前記第1手すりは、前記支柱に対して外方に位置しており、
前記ベースを平面視した場合に、前記支柱から前記第1手すりに向かう方向における前記第1手すりの両端部のうち前記支柱から遠い端部と前記ベースの縁とは重なる、
請求項1に記載の動作補助装置。
【請求項9】
前記第2手すりは、上部手すりと、前記上部手すりの下方に設けられた下部手すりと、を含む、
請求項8に記載の動作補助装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の動作補助装置が備える、
ベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に動作補助装置及びベースに関し、より詳細には手すりを備える動作補助装置、及び当該動作装置が備えるベースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の動作(例えば、歩行)を補助する装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、長辺方向の中央部に通路が設定された、第1ベースプレートと、第1ベースプレートから離れて配置され、長辺方向の中央部に通路が設定された第2ベースプレートと、第1ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて取り付けられた第1支持部材と、第2ベースプレートの長辺方向の中央部に対して片側に寄せて取り付けられた第2支持部材と、第1支柱部材の上部と第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材とを備える仮設手すりが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の仮設手すり(動作補助装置)では、第1支柱部材の上部と第2支柱部材の上部とを繋ぐように架け渡された手すり部材が設けられているので第1ベースプレート(ベース)と第2ベースプレート(他のベース)との間には隙間が生じる。ところで、近年、ベースを隣接させて人の動作を補助することが望まれている。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、ベースを隣接させた状態で人の動作を補助することができる動作補助装置及びベースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る動作補助装置は、ベースと、前記ベースから上方に突出した少なくとも1つの支柱と、前記支柱の上部において前記支柱に連結する手すりと、を備える。前記ベースの一辺には、他のベースと連結する連結部位が設けられている。
【0007】
本開示の一態様に係るベースは、前記動作補助装置が備えるベースである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、ベースを隣接させた状態で人の動作を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る動作補助装置の外観図である。
【
図2】
図2は、同上の動作補助装置の一部を分解した分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の動作補助装置の平面図である。
【
図4】
図4は、同上の動作補助装置を連結した場合の外観図である。
【
図5】
図5は、同上の動作補助装置を連結した場合の底面図である。
【
図6】
図6は、同上の動作補助装置を連結した場合でのカバーを除いた連結部分の拡大図である。
【
図7】
図7は、同上の連結部分において支柱を除いた拡大図である。
【
図8】
図8は、一実施形態の変形例2に係る動作補助装置を連結した場合の外観図である。
【
図9】
図9は、一実施形態の変形例2に係る動作補助装置のベースが有する持ち手部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る動作補助装置1について、
図1~
図7を用いて説明する。
【0012】
(1)概要
本実施形態において、動作補助装置1に対して、
図1に示すように、左右方向、上下方向を規定する。例えば、
図1において、動作補助装置1が備える後述する第1支柱11及び後述する第2支柱12が並ぶ方向を左右方向、第1支柱11及び第2支柱12が延びる方向を上下方向と規定する。左右方向及び前後方向の双方と交差(直交)する方向を前後方向と規定する。
図1~
図4、
図8には、これらの方向(上、下、左、右、前、後)を表す矢印を示すが、この矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態の動作補助装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
【0013】
本実施形態に係る動作補助装置1は、
図1に示すように、ベース10と、少なくとも1つの支柱2(図示例では、第1支柱11、第2支柱12)と、手すり13と、を備える。支柱2(第1支柱11、第2支柱12)は、ベース10から上方に突出している。手すり13は、支柱2の上部において支柱2に連結する。ベース10の一辺には、他のベース10と連結する連結部位104(
図2参照)が設けられている。
【0014】
この構成によると、ベース10の一辺は、他のベース10と連結することができるので、ベース10を他のベース10と隣接させた状態で人の動作を補助することができる。
【0015】
本実施形態に係る動作補助装置1は、
図1に示すように、ベース10と、少なくとも1つの支柱2(図示例では、第1支柱11、第2支柱12)と、手すり13と、を備える。支柱2(第1支柱11、第2支柱12)は、ベース10から上方に突出している。手すり13は、支柱2の上部において支柱2に連結する。ベース10には、支柱2を取り付ける取付部位が設けられている。取付部位は、持ち手部15を有している。
【0016】
この構成によると、持ち手部15を設けることで、設置者は設置されたベース10を容易に持ち上げることができる。
【0017】
また、本実施形態に係るベース10は、補助装置1に備えられるベースである。これにより、ベース10は、他のベース10と隣接させた状態で人の動作を補助することができる。さらに、設置者は設置されたベース10を容易に持ち上げることができる。
【0018】
(2)構成
本実施形態に係る動作補助装置1は、
図1に示すように、ベース10と、少なくとも1つ(図示例では2つ)の支柱2と手すり13と、を備える。本実施形態では、動作補助装置1は、2つの支柱2として、第1支柱11と第2支柱12とを備える。
【0019】
ベース10は、例えば500mm×750mmの大きさで矩形板状に形成されている。本実施形態では、ベース10の長手方向を左右方向とし、ベース10の短手方向を前後方向とする。なお、これらの数値は、一例であり、これらの数値に限定する趣旨ではない。ベース10の大きさは、大人が歩行する際に両足がベース10上に収まる大きさであればよい。例えば、ベース10は、500mm×500mmの大きさであってもよい。ベース10に両足がのるため、ユーザは、歩行時に安定感を得ることができる。
【0020】
ベース10は、板状の第1プレート101と、板状の第2プレート102と、第2プレート102の周縁部に設けられた縁部103と、を有する。
【0021】
第2プレート102は、矩形板状に形成されている。第2プレート102には、第2プレート102の周縁部に縁部103が設けられている。
【0022】
縁部103は、ゴム製である。縁部103は、第2プレート102の周縁部を挟み込むことで、第2プレート102の周縁部に設けられている。
【0023】
第1プレート101は、矩形板状に形成されている。第1プレート101は、第2プレート102と縁部103との段差を埋めるために縁部103に嵌め込まれる。
【0024】
ベース10が設置場所に設置されている状態では、縁部103の先端部は設置面(例えば、床面)に接触している。ベース10が設置された状態では、縁部103の上面の傾斜はなだらかになるよう形成されている。
【0025】
図2に示すように、ベース10の一辺には、他のベース10と連結する連結部位104が設けられている。本実施形態では、ベース10は、支柱2の数に応じた数の連結部位104を有する。すなわち、本実施形態では、ベース10は、2つの連結部位104を有する。2つの連結部位104を区別する必要がある場合には、第1連結部位104a、第2連結部位104bと記載する。
【0026】
連結部位104のそれぞれは、持ち手部15(
図2参照)を有している。連結部位104のそれぞれは、ベース10の中央部に向けて窪んだ凹部105を有している。凹部105は、第1プレート101及び第2プレート102を矩形状に切り欠くことで形成される。連結部位104のそれぞれは、凹部105を形成する縁に、持ち手部15として立ち上がり部106を有している。具体的には、第2プレート102において切り欠けられた縁に立ち上がり部106が設けられている。すなわち、ベース10は、2つの立ち上がり部106を有している。立ち上がり部106のそれぞれは、凹部105を形成する縁のうち凹部105の底部を形成する縁に設けられている。本実施形態では、凹部105の底部を形成する縁は、他のベース10と連結する際にベース10と他のベース10とが並ぶ方向と交差(直交)する方向に沿った辺である。つまり、立ち上がり部106は、第2プレート102において矩形状に切り欠けられた縁のうち、他のベース10と連結する際にベース10と他のベース10とが並ぶ方向と交差(直交)する方向に沿った縁に設けられている。
【0027】
立ち上がり部106は、動作補助装置1を前後方向から見た場合に、L字形状に形成されている。すなわち、立ち上がり部106は、上方に延在する第1部材107と、第1部材107の上端からベースの中心部から離れる方向に沿って延在する第2部材108と、を有している。
【0028】
ベース10を設置した場合、ベース10の縁部103の先端部は設置面に接触する。さらに、縁部103の上面の傾斜はなだらかになるよう形成されている。そのため、縁部103には、指などを引っ掛ける部位がないため、ベース10を持ち上げることは容易ではない。そこで、立ち上がり部106が第1部材107と第2部材108とを有することで、動作補助装置1を設置する設置者は、立ち上がり部106に指を引っ掛けることが可能となり、設置されたベース10を容易に持ち上げることができる、更には、設置者は、ベース10を容易に持ち運ぶこともできる。
【0029】
第1連結部位104a及び第2連結部位104bは、ベース10において所定の方向に沿った両端部にそれぞれ設けられている。本実施形態では、第1連結部位104a及び第2連結部位104bは、ベース10において左右方向(ベース10の長手方向)に沿った両端部にそれぞれ設けられている。
【0030】
また、ベース10は、支柱2(第1支柱11、第2支柱12)をベース10にネジ止めするために、第1連結部位104a及び第2連結部位104bのそれぞれにおいて、4つのネジ穴109、すなわち合計8つのネジ穴109を有している(
図7参照)。具体的には、各ネジ穴109は、第2プレート102のうち連結部位104が位置する箇所に設けられている。
【0031】
本実施形態では、第1支柱11及び第2支柱12の双方は、1つのベース10に取り付けられる。すなわち、第1支柱11及び第2支柱12の双方は、ベース10から上方に突出している。
【0032】
第1支柱11は、上下方向に延びる。第1支柱11は、
図2に示すように、第1支柱11の下端部に、第1支柱11をベース10に固定するための第1支持ブラケット113(支持ブラケット)を含む。第1支柱11は、
図1に示すように、第1上部支柱111と、第1下部支柱112と、を有している。第1上部支柱111及び第1下部支柱112は円筒形状である。第1上部支柱111は、第1下部支柱112の上部に挿入される。第1下部支柱112に対して第1上部支柱111が第1下部支柱112に挿入される量を調整することで、第1支柱11の上下方向における長さを調整することができる。第1下部支柱112には、第1下部支柱112の下端部に第1支持ブラケット113が設けられている。第1支持ブラケット113は、第1連結部位104aに取り付けられる。具体的には、第1支持ブラケット113は、第1連結部位104aの凹部105に嵌め込まれる。第1支持ブラケット113が第1連結部位104aの凹部105に嵌め込まれると、第1支持ブラケット113は、立ち上がり部106の第1部材107に接触する。すなわち、第1連結部位104aの立ち上がり部106が有する第1部材107は、第1支持ブラケット113の位置決めとしても機能する。
【0033】
第1支持ブラケット113は第1連結部位104aに取り付けられるので、第1連結部位104aは、第1支持ブラケット113の取付部位であるともいえる。
【0034】
第1支持ブラケット113は、
図2に示すように、矩形板状に形成されている。第1支持ブラケット113は、4隅に4つの第1ネジ穴114を有している。なお、
図6では、3つの第1ネジ穴114が記載されている。4つの第1ネジ穴114は、ベース10の第1連結部位104aが有する4つのネジ穴109と一対一に対応している。さらに、第1支持ブラケット113は、2つの第2ネジ穴115を有している。2つの第2ネジ穴115は、前後方向に沿って設けられている。なお、
図6では、1つの第2ネジ穴115が記載されている。第1支持ブラケット113をベース10に固定する場合、4つの第1ネジ穴114のそれぞれにネジが挿通され、対応するベース10ネジ穴109にてネジ止めされる。2つの第2ネジ穴115は、第1支持ブラケット113が第1連結部位104aに取り付けられた場合に、第1下部支柱112に対して第1連結部位104aの立ち上がり部106とは反対側に設けられている。
【0035】
第2支柱12は、上下方向に延びる。第2支柱12は、
図2に示すように、第2支柱12の下端部に、第2支柱12をベース10に固定するための第2支持ブラケット123(支持ブラケット)を含む。第2支柱12は、
図1に示すように、第2上部支柱121と、第2下部支柱122と、を有している。第2上部支柱121及び第2下部支柱122は円筒形状である。第2上部支柱121は、第2下部支柱122の上部に挿入される。第2下部支柱122に対して第2上部支柱121が第2下部支柱122に挿入される量を調整することで、第2支柱12の上下方向における長さを調整することができる。第2下部支柱122には、第2下部支柱122の下端部に第2支持ブラケット123が設けられている。第2支持ブラケット123は、第2連結部位104bに取り付けられる。具体的には、第2支持ブラケット123は、第2連結部位104bの凹部105に嵌め込まれる。第2支持ブラケット123が第2連結部位104bの凹部105に嵌め込まれると、第2支持ブラケット123は、立ち上がり部106の第1部材107に接触する。すなわち、第2連結部位104bの立ち上がり部106が有する第1部材107は、第2支持ブラケット123の位置決めとしても機能する。
【0036】
第2支持ブラケット123は第2連結部位104bに取り付けられるので、第2連結部位104bは、第2支持ブラケット123の取付部位であるともいえる。
【0037】
第2支持ブラケット123は、
図2に示すように、矩形板状に形成されている。第2支持ブラケット123は、4隅に4つの第1ネジ穴124を有している。なお、
図6では、3つの第1ネジ穴124が記載されている。4つの第1ネジ穴124は、ベース10の第2連結部位104bが有する4つのネジ穴109と一対一に対応している。さらに、第2支持ブラケット123は、
図6に示すように、2つの第2ネジ穴125を有している。2つの第2ネジ穴125は、前後方向に沿って設けられている。第2支持ブラケット123をベース10に固定する場合、4つの第1ネジ穴124のそれぞれにネジが挿通され、対応するベース10ネジ穴109にてネジ止めされる。2つの第2ネジ穴125は、第2支持ブラケット123が第2連結部位104bに取り付けられた場合に、第2下部支柱122に対して第2連結部位104bの立ち上がり部106とは反対側に設けられている。
【0038】
手すり13は、支柱2の上部において支柱2に連結する。すなわち、手すり13は、第1支柱11及び第2支柱12の上部において第1支柱11及び第2支柱12に連結する。より詳細には、手すり13は、第1上部支柱111及び第2上部支柱121の上端部において第1上部支柱111及び第2上部支柱121に連結する。手すり13は、第1手すり131と第2手すり132とを有する。
【0039】
手すり13は、支柱2(第1支柱11及び第2支柱12)が延在する方向(上下方向)に沿って延在する一対の第1手すり13を有する。本実施形態では、一対の第1手すり131は、左右方向に沿って配置されている。一対の第1手すり131をそれぞれ区別する必要がある場合には、第1手すり131a、第1手すり131bと記載する。
【0040】
第1手すり131は、支柱2に対して外方に位置している。すなわち、第1手すり131aは、第1支柱11に対して外方に位置している。第1手すり131bは、第2支柱12に対して外方に位置している。
【0041】
ベース10を平面視した場合に、支柱2から第1手すり131に向かう方向における第1手すり131の両端部のうち支柱2から遠い端部とベース10の縁とは重なる。すなわち、ベース10を平面視した場合に、第1支柱11から第1手すり131aに向かう方向(左右方向)における第1手すり131aの両端部のうち第1支柱11から遠い端部とベース10の縁とは重なる。ベース10を平面視した場合に、第2支柱12から第1手すり131bに向かう方向(左右方向)における第1手すり131bの両端部のうち第2支柱12から遠い端部とベース10の縁とは重なる。すなわち、動作補助装置1のベース10と他の動作補助装置1のベース10(他のベース10)とを連結した際に、動作補助装置1の第1手すり131と他の動作補助装置1の第1手すり131(他の第1手すり131)との間に、人(歩行者)が第1手すり131と他の第1手すり131との間に挟み込まれるような過度の隙間が生じることがない。言い換えると、ベース10と他のベース10とを連結した際には、第1手すり131と他の第1手すり131とが接触する。
【0042】
ここで、「ベース10を平面視した場合に、第1手すり131の端部とベース10の縁とが重なる」とは、実際に第1手すり131の端部とベース10の縁とが重なるだけでなく、ベース10の凹部105においてベース10の縁を結んだ仮想線L1の一部と重なること(
図3参照)も含む。
【0043】
第2手すり132は、第1手すり131と交差する方向に沿って延在する。具体的には、第2手すり132は、左右方向に沿って延在する。第2手すり132は、上部手すり133と、上部手すり133の下方に設けられた下部手すり134と、を含む。
【0044】
第1手すり131と上部手すり133との結合部位の外形は曲線形状に形成されている。結合部位の外形の曲線半径は、第1手すり131と他の第1手すり131とが接触した際に人が挟み込まれることがない程度の大きさである。例えば、結合部位の外形の曲線半径は、人の首の曲率半径よりも小さい。
【0045】
さらに、動作補助装置1は、少なくとも1つのカバー14を備える。本実施形態では、動作補助装置1は、支柱2の数に応じた数のカバー14を備える。すなわち、本実施形態では、動作補助装置1は、2つのカバー14を備える。2つのカバー14は、第1支柱11及び第2支柱12と一対一に対応している。カバー14は、支柱2(第1支柱11、第2支柱12)がベース10に取り付けられる前の状態において、支柱2に仮置きされている(
図2参照)。例えば、第1支柱11ではカバー14は第1下部支柱112において仮置きされ、第2支柱12ではカバー14は第2下部支柱122において仮置きされている。支柱2(第1支柱11、第2支柱12)がベース10に固定される(ネジ固定される)と、支柱2に仮止めされたカバー14をベース10に接するまで下方に移動させる。これにより、カバー14は、連結部位104の凹部105及び立ち上がり部106を覆うように設けられる。すなわち、カバー14は、対応する支柱2が取り付けられる連結部位104の凹部105及び立ち上がり部106を覆うように設けられる。これにより、動作補助装置1を利用する歩行者が、凹部105及び立ち上がり部106によるつまずきを防ぐことができる。なお、
図6では、カバー14は省略されている。
【0046】
動作補助装置1は、他の動作補助装置1と連結が可能に構成されている。すなわち、ベース10と他のベース10とが連結可能に構成されている。例えば、
図4に示すように、動作補助装置1aのベース10aと、動作補助装置1bのベース10bとが連結可能に構成されている。
【0047】
動作補助装置1は、
図5に示すように、相互連結部材16を更に備える。相互連結部材16は、動作補助装置1のベース10に取り付けられた第1支持ブラケット113(又は第2支持ブラケット123)と、他の動作補助装置1のベース10(他のベース10)に取り付けられた第2支持ブラケット123(又は第1支持ブラケット113)とを連結する。具体的には、相互連結部材16は、矩形板状に形成されており、4隅に4つのネジ穴161~164を有している(
図7参照)。ネジ穴161,162は、前後方向に並んで設けられている。ネジ穴163,164は、前後方向に並んで設けられている。
【0048】
ベース10と他のベース10とを連結する際には、例えば、4つのネジ穴161~164のうち前後方向に並ぶネジ穴161,162が、ベース10に取り付けられた第2支持ブラケット123の2つの第2ネジ穴125に対応する。ネジ穴161と2つの第2ネジ穴125の一方の第2ネジ穴125に対して、ネジ穴162と1つの他方の第2ネジ穴125に対して、それぞれネジが挿通され、ネジ止めされることで第2支持ブラケット123が相互連結部材16に固定される。さらに、4つのネジ穴161~164のうち前後方向に並ぶネジ穴163,164が、他のベース10に取り付けられた第1支持ブラケット113の2つの第2ネジ穴115に対応する。ネジ穴163と2つの第2ネジ穴115の一方の第2ネジ穴115に対して、ネジ穴164と1つの他方の第2ネジ穴115に対して、それぞれネジが挿通され、ネジ止めされることで第1支持ブラケット113が相互連結部材16に固定される。
【0049】
(3)効果
以上説明したように、本実施形態の動作補助装置1は、ベース10と、ベース10から上方に突出した少なくとも1つの支柱2(第1支柱11、第2支柱12)と、支柱2の上部において支柱2に連結する手すり13と、を備える。ベース10の一辺には、他のベース10と連結する連結部位104が設けられている。
【0050】
この構成によると、ベース10の一辺には、他のベース10と連結することができるので、ベース10を他のベース10と隣接させた状態で人の動作を補助することができる。
【0051】
また、本実施形態の動作補助装置1は、ベース10と、ベース10から上方に突出した少なくとも1つの支柱2(第1支柱11、第2支柱12)と、支柱2の上部において支柱2に連結する手すり13と、を備える。ベース10には、支柱2を取り付ける取付部位が設けられている。取付部位は、持ち手部15を有している。
【0052】
従来の動作補助装置(以下、比較例の動作補助装置という)が備えるベースは、比較例の動作補助装置を設置した場合に設置した場所から容易にずれないようにするためにかなりの重量がある。そのため、設置者が設置されたベースを移動させる際に持ち上げることが困難である。
【0053】
そこで、本実施形態では、設置者は持ち手部15を利用することで、設置されたベース10を容易に持ち上げることができる。
【0054】
(4)変形例
以下に、変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0055】
(4.1)変形例1
上述した手すり13の第2手すり132は、上部手すり133及び下部手すり134を有する構成としている。しかしながら、この構成に限定されない。第2手すり132は、上部手すりのみを有してもよい。
【0056】
すなわち、第2手すり132は、上下方向において、左右方向に延在する2つの手すりを設けることは必須ではなく、左右方向に延在する手すりは1つであってもよい。
【0057】
(4.2)変形例2
ベース10aとベース10bとを連結する際、相互連結部材16によって連結されるベース10aの連結部位104とベース10bの連結部位104のそれぞれにおいて、支柱2が取り付けられる構成としている(
図4参照)。しかしながら、この構成に限定されない。
【0058】
ベース10aとベース10bとを連結する際、連結される2つの連結部位104に対して1つの支柱2が取り付けられてもよい。例えば、ベース10aとベース10bとを取り付ける際に、連結されるベース10aの第2連結部位104bとベース10bの第1連結部位104aに対して1つの支柱11aが取り付けられる(
図8参照)。
【0059】
支柱11aは、上述した第1支柱11、第2支柱12と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
【0060】
支柱11aの下端部に設けられた支持ブラケットは、連結されるベース10aの第2連結部位104bとベース10bの第1連結部位104aに嵌め込まれる。このとき、支柱11aの支持ブラケットの左右方向における両端のうち一端がベース10aの第2連結部位104bが有する立ち上がり部106の第1部材107に接触する。また、支柱11aの支持ブラケットの左右方向における両端のうち他端がベース10bの第1連結部位104aが有する立ち上がり部106の第1部材107に接触する。
【0061】
変形例2では、2つの連結部位104、すなわちベース10aの第2連結部位104bとベース10bの第1連結部位104aを覆うようにカバー14aが設けられる。
【0062】
また、変形例2では、ベース10aとベース10bとが並ぶ方向(ここでは、左右方向)における両端に設けられた支柱2(ベース10aの第1支柱11とベース10bの第2支柱12)との上部において支柱2に連結する手すり13aが設けられる。
【0063】
手すり13aは、支柱2が延在する方向(上下方向)に沿って延在する一対の第1手すり135と、第1手すり135と交差する方向に沿って延在する第2手すり136とを有する。第2手すり136は、左右方向に延在する1つの手すりで構成されている。一対の第1手すり135のそれぞれを区別する場合には、第1手すり135a、第2手すり135bと記載する。
【0064】
第1手すり135は、ベース10aとベース10bとが並ぶ方向における両端に設けられた支柱2(ベース10aの第1支柱11とベース10bの第2支柱12)に対して外方に位置している。ベース10aを平面視した場合に、ベース10aの第1支柱11から第1手すり135aに向かう方向における第1手すり135aの両端部のうちベース10aの第1支柱11から遠い端部とベース10aの縁とは重なる。ベース10bを平面視した場合に、ベース10bの第2支柱12から第1手すり135bに向かう方向における第1手すり135bの両端部のうちベース10bの第2支柱12から遠い端部とベース10bの縁とは重なる。
【0065】
ベース10aの第2連結部位104bとベース10bの第1連結部位104aに取り付けられた支柱11aの上部は、手すり13aに設けられた連結部137と連結される。
【0066】
(4.3)変形例3
動作補助装置1のベース10は、持ち手部15として立ち上がり部106を有する構成としているが、この構成に限定されない。
【0067】
動作補助装置1のベース10は、
図9に示すように、持ち手部15として、立ち上がり部106の代わりに蝶番200を備えてもよい。
【0068】
(4.4)変形例4
2つのベース10の連結において相互連結部材16が用いられる構成としているが、この構成に限定されない。2つのベース10を連結するために、2つのベース10に対してほぞ加工を施してもよい。
【0069】
(4.5)変形例5
持ち手部15は、凹部105の底部を形成する縁に設けられる構成としている。しかしながら、この構成に限定されない。
【0070】
持ち手部15は、他のベース10と連結する際にベース10と他のベース10とが並ぶ方向に沿った縁に設けられてもよい。
【0071】
(4.6)変形例6
持ち手部15は、ベース10が有する2つの連結部位104の双方が有する構成としている。しかしながら、この構成に限定されない。ベース10が有する2つの連結部位104のうち一方の連結部位104に持ち手部15が設けられてもよい。
【0072】
持ち手部15が1つであってもベース10を容易に持ち上げるができる。なお、持ち手部15が2つある場合の方が、持ち手部15が1つである場合と比較して、両手で持つことができるのでベース10の持ち運びにも適している。
【0073】
(4.7)変形例7
第1連結部位104a及び第2連結部位104bは、ベース10の長手方向に沿った両端部にそれぞれ設けられる構成としている。しかしながら、この構成に限定されない。
【0074】
第1連結部位104a及び第2連結部位104bは、ベース10の短手方向)に沿った両端部にそれぞれ設けられてもよい。
【0075】
(4.8)変形例8
持ち手部15は、第1支持ブラケット113及び第2支持ブラケット123のそれぞれが第2ネジ穴(第2ネジ穴115、第2ネジ穴125)を有していることを前提とした動作補助装置1に適用される構成としている。すなわち、持ち手部15は、支柱2が並ぶ方向の両端において連結可能であることを前提としている動作補助装置1に設けられる構成としている。しかしながら、この構成に限定されない。
【0076】
持ち手部15は、第1支持ブラケット113及び第2支持ブラケット123のうち少なくとも1つの支持ブラケットに第2ネジ穴が設けられていない動作補助装置に適用してもよい。すなわち、持ち手部15は、支柱2が並ぶ方向の両端の一端のみにおいて連結可能である動作補助装置、又は連結そのものが不可である動作補助装置に適用してもよい。
【0077】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の動作補助装置(1)は、ベース(10)と、ベース(10)から上方に突出した少なくとも1つの支柱(2)と、支柱(2)の上部において支柱(2)に連結する手すり(13)と、を備える。ベース(10)の一辺には、他のベース(10)と連結する連結部位(104)が設けられている。
【0078】
この構成によると、ベース(10)の一辺には、他のベース(10)と連結することができるので、ベース(10)を他のベース(10)と隣接させた状態で人の動作を補助することができる。
【0079】
第2の態様の動作補助装置(1)では、第1の態様において、支柱(2)は、支柱(2)をベース(10)に固定するための支持ブラケット(例えば、第1支持ブラケット113、第2支持ブラケット123)を含む。支持ブラケットは、連結部位(104)に取り付けられる。
【0080】
この構成によると、ベース(10)を連結させた場合、支持ブラケットも隣接するためベース(10)に取り付けられた支柱(2)と他のベース(10)に取り付けられた支柱(2)とが隣接する。その結果、手すりを連続して設置するとこが可能となるので、利用者の動作補助を連続して行うことができる。
【0081】
第3の態様の動作補助装置(1)は、第2の態様において、相互連結部材(16)を、更に備える。相互連結部材(16)は、支持ブラケット(例えば、第1支持ブラケット113又は第2支持ブラケット123)と他のベース(10)に取り付けられた他の支持ブラケット(例えば、第2支持ブラケット123又は第1支持ブラケット113)とを連結する。
【0082】
この構成によると、相互連結部材(16)を用いることで、ベース(10)と他のベース(10)とをより確実に連結することができる。
【0083】
第4の態様の動作補助装置(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、連結部位(104)は、持ち手部(15)を有している。
【0084】
この構成によると、ベース(10)を容易に持ち上げることができる。
【0085】
第5の態様の動作補助装置(1)では、第4の態様において、連結部位(104)は、ベース(10)の中央部に向けて窪んだ凹部(105)を有している。連結部位(104)は、凹部(105)を形成する縁に、持ち手部(15)として立ち上がり部(106)を有している。
【0086】
この構成によると、ベース(10)を容易に持ち上げることができる。
【0087】
第6の態様の動作補助装置(1)では、第5の態様において、立ち上がり部(106)は、凹部(105)を形成する縁のうち凹部(105)の底部を形成する縁に設けられている。
【0088】
この構成によると、立ち上がり部(106)を持ち手部(15)としての機能に加えて、支柱(2)を取り付ける際の位置決めとして機能させることができる。
【0089】
第7の態様の動作補助装置(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、連結部位(104)は、ベース(10)において所定の方向(例えば、左右方向)に沿った両端部にそれぞれ設けられている。
【0090】
この構成によると、ベース(10)の所定の方向の両端に他のベース(10)を連結させることができる。
【0091】
第8の態様の動作補助装置(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、手すり(13)は、支柱(2)が延在する方向に沿って延在する第1手すり(131)と、第1手すり(131)と交差する方向に沿って延在する第2手すり(132)と、を有している。第1手すり(131)は、支柱(2)に対して外方に位置している。ベース(10)を平面視した場合に、支柱(2)から第1手すり(131)に向かう方向(例えば、左右方向)における第1手すり(131)の両端部のうち支柱(2)から遠い端部とベース(10)の縁とは重なる。
【0092】
この構成によると、ベース(10)と他のベース(10)とを連結させた場合、支柱(2)の隙間なく隣接させることができる。そのため、隣接する2つの支柱(2)の間に人が挟まれる可能性を低くすることができる。
【0093】
第9の態様の動作補助装置(1)では、第8の態様において、第2手すり(132)は、上部手すり(133)と、上部手すり(133)の下方に設けられた下部手すり(134)と、を含む。
【0094】
この構成によると、上部手すり(133)と下部手すり(134)とを設けることで、利用者の立ち上がりの動作を補助することができる。
【0095】
第10の態様のベース(10)は、第1~第9のいずれかの態様の動作補助装置(1)が備えるベースである。
【0096】
この構成によると、ベース(10)を他のベース(10)と隣接させた状態で人の動作を補助することができる。
【0097】
第11の態様の動作補助装置(1)は、ベース(10)と、ベース(10)から上方に突出した少なくとも1つの支柱(2)と、支柱(2)の上部において支柱(2)に連結する手すり(13)と、を備える。ベース(10)には、支柱(2)を取り付ける取付部位が設けられている。取付部位は、持ち手部(15)を有している。
【0098】
この構成によると、設置者は持ち手部(15)を利用することで、設置されたベース(10)を容易に持ち上げることができる。
【0099】
第12の態様の動作補助装置(1)では、第11の態様において、取付部位は、ベース(10)の中央部に向けて窪んだ凹部(105)を有している。取付部位は、凹部(105)を形成する縁に、持ち手部(15)として立ち上がり部(106)を有している。
【0100】
この構成によると、立ち上がり部(106)を持ち手部(15)として利用することで、設置されたベース(10)を容易に持ち上げることができる。
【0101】
第13の態様の動作補助装置(1)では、第12の態様において、立ち上がり部(106)は、凹部(105)を形成する縁のうち凹部(105)の底部を形成する縁に設けられている。
【0102】
この構成によると、立ち上がり部(106)を持ち手部(15)としての機能に加えて、支柱(2)を取り付ける際の位置決めとして機能させることができる。
【0103】
第14の態様の動作補助装置(1)では、第11~第12のいずれかの態様において、持ち手部(15)は、ベース(10)において所定の方向(例えば、左右方向)に沿った両端部にそれぞれ設けられている。
【0104】
この構成によると、持ち手部(15)が2つあることにより両手で持つことができるので、ベース(10)を持ち上げるだけでなく、ベース(10)の持ち運びにも適している。
【符号の説明】
【0105】
1,1a,1b 動作補助装置
2 支柱
10,10a,10b ベース
11 第1支柱
11a 支柱
12 第2支柱
15 持ち手部
16 相互連結部材
104 連結部位
104a 第1連結部位
104b 第2連結部位
105 凹部
106 立ち上がり部
113 第1支持ブラケット(支持ブラケット)
123 第2支持ブラケット(支持ブラケット)