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特開2023-159828選択装置、選択方法、及び選択プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159828
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】選択装置、選択方法、及び選択プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231025BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069765
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松廣 達也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者に対して取引対象の情報を提供する場合、利用者にとって有益な情報を選択する選択装置、選択方法及び選択プログラムを提供する。
【解決手段】選択システム1において、選択装置100は、第1選択部134と、第2選択部135とを備える。第1選択部134は、利用者に関する利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象の候補である取引対象候補を選択する。第2選択部135は、利用者が所定のコンテンツを表示する際に、第1選択部134によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象の候補である取引対象候補を選択する第1選択部と、
前記利用者が所定のコンテンツを表示する際に、前記第1選択部によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアに基づいて、前記所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する第2選択部と
を備えることを特徴とする選択装置。
【請求項2】
前記第2選択部は、
前記取引対象候補のうち、前記取引対象候補に対応するカテゴリに属する全ての取引対象の前記表示回数と、前記カテゴリに属する各取引対象の個別の前記表示回数との関係性に基づいて、前記第1の評価値を導出する
ことを特徴とする請求項1に記載の選択装置。
【請求項3】
前記第2選択部は、
前記所定のコンテンツの表示回数と、前記所定のコンテンツを通じた取引対象の表示回数との関係性に基づく第2の評価値を導出し、導出した前記第2の評価値をさらに反映した前記スコアに基づいて、前記所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の選択装置。
【請求項4】
前記第2選択部は、
前記第1の評価値および前記第2の評価値に対して重み付けを行い、重み付けを行った後の前記第1の評価値および前記第2の評価値を反映した前記スコアに基づいて、前記所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する
ことを特徴とする請求項3に記載の選択装置。
【請求項5】
前記第1選択部は、
前記取引対象候補について所定の基準に基づいて順位付けを行い、順位が上位である前記取引対象候補を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の選択装置。
【請求項6】
前記第2選択部によって選択された取引対象を所定数含むコンテンツを提供する提供部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の選択装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記所定数の取引対象が所定の表示枠に配置されたコンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項6に記載の選択装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者に関する利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象の候補である取引対象候補を選択する第1選択工程と、
前記利用者が所定のコンテンツを表示する際に、前記第1選択工程によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアに基づいて、前記所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する第2選択工程と
を含むことを特徴とする選択方法。
【請求項9】
コンピュータに、
利用者に関する利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象の候補である取引対象候補を選択する第1選択手順と、
前記利用者が所定のコンテンツを表示する際に、前記第1選択手順によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアに基づいて、前記所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する第2選択手順と
を実行させることを特徴とする選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、選択装置、選択方法、及び選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者に様々な情報を提供する技術が知られている。例えば、利用者に対して提供するコンテンツを、推奨システムを用いて、利用者のコンテンツ閲覧に基づいて選択する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-051357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者に対して取引対象の情報を提供する場合、利用者にとって有益な情報を選択できるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、利用者に対して提供するコンテンツを、推奨システムを用いて、利用者のコンテンツ閲覧に基づいて選択しているに過ぎず、コンテンツ以外の情報を適切に選択できるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対して取引対象の情報を提供する場合、利用者にとって有益な情報を選択できる選択装置、選択方法、及び選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る選択装置は、第1選択部と、第2選択部とを備える。第1選択部は、利用者に関する利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象の候補である取引対象候補を選択する。第2選択部は、利用者が所定のコンテンツを表示する際に、第1選択部によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、利用者に対して取引対象の情報を提供する場合、利用者にとって有益な情報を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る選択装置が実行する選択処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る取引対象の順位の具体例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るコンテンツの具体例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る取引対象の選択例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る取引対象候補の順位の具体例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る選択装置を含む選択システムの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る取引対象情報記憶部に記憶される取引対象情報の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るコンテンツ記憶部に記憶されるコンテンツ情報の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る選択装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る選択装置、選択方法、及び選択プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る選択装置、選択方法及び選択プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.実施形態に係る提供処理の概要]
まず、図1を用いて、選択装置100が実行する選択処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る選択装置100が実行する選択処理の一例を示す図である。図1では、オークションサイト又はフリーマーケットサイトにて取引される取引対象に対する選択処理を示す。ここで、取引対象とは、商品又はサービスの利用である。
【0011】
まず、利用者情報に基づくスコアが高い取引対象を含むコンテンツを提供する例を説明する。図1に示すように、選択装置100は、外部装置20から利用者に関する利用者情報を取得する(ステップS1)。
【0012】
図1の例では、利用者が所定のサービスに会員登録しているものとする。また、利用者は、会員登録時に、利用者の性別や、年齢や、電話番号や、住所等の属性に関する属性情報を登録するものとする。この場合、選択装置100は、利用者情報として、利用者の属性情報や、インターネットショッピング、電子商店街、オークションサイト又はフリーマーケットサイト等における購買履歴や、コンテンツの表示履歴等を外部装置20から取得する。例えば、選択装置100は、所定の期間(例えば、5時間、1日等)毎に、利用者情報を外部装置20から取得する。
【0013】
また、選択装置100は、外部装置20から取引対象に関する情報を取得する(ステップS2)。例えば、選択装置100は、オークションサイト又はフリーマーケットサイトにて取引される取引対象に関する情報を外部装置20から取得する。より具体的な例を挙げると、選択装置100は、オークションサイトにて入札中のスマートフォンに関する情報を外部装置20から取得する。例えば、選択装置100は、所定の期間毎に、取引対象に関する情報を外部装置20から取得する。
【0014】
なお、上記例では、選択装置100が、ステップS1と、ステップS2とに分けて取得処理を行う例を挙げて説明したが、選択装置100は、外部装置20から利用者情報と、取引対象に関する情報とを同時に取得してもよい。
【0015】
続いて、選択装置100は、コンテンツ提供の要求を端末装置10から受付ける(ステップS3)。例えば、選択装置100は、コンテンツの一例として、ポータルサイト提供の要求を端末装置10から受付ける。
【0016】
なお、上記例では、選択装置100が、ステップS1と、ステップS2とを実行した後に、ステップS3を実行する例を挙げて説明したが、選択装置100は、ステップS3を実行した後に、ステップS1と、ステップS2とを実行してもよい。
【0017】
そして、選択装置100は、選択された取引対象の第1スコアSC1を算出する(ステップS4)。例えば、選択装置100は、機械学習等の従来技術を用いて、取引対象と、利用者情報とを入力することで、取引対象を購入する可能性を示す第1スコアSC1を出力する学習モデルを生成して、生成したモデルを用いて第1スコアSC1を算出する。
【0018】
例えば、選択装置100は、取引対象と、利用者情報と、かかる取引対象が利用者によって過去に購入されたか否かに関する情報との関係性を学習した学習モデルを生成する。これにより、選択装置100は、取引対象と、利用者情報とを学習モデルに入力することで、第1スコアSC1を算出する。
【0019】
また、選択装置100は、学習データとして、各種利用者情報(属性等)を示す情報と、かかる利用者によって選択された取引対象の情報とを取得する。そして、選択装置100は、利用者情報と、かかる利用者によって選択された取引対象の情報とを入力した際に、利用者情報と、かかる利用者によって選択されなかった取引対象の情報とを入力した際よりも高い値のスコアを出力するように学習モデルの学習を行う。なお、当該スコアの算出に利用する技術として、他にも、取引対象に対する利用者の興味関心を示す度合いを数値化する各種の技術が採用可能である。
【0020】
例えば、選択装置100は、深層学習を用いて、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)等の手法により学習モデルの生成処理を行う。例えば、選択装置100は、学習処理により、ノード間で値が伝達する際に考慮される重みの値を調整する。このように、選択装置100は、学習モデルにおける出力と、入力に対応する正解との誤差が少なくなるように重みの値を補正するバックプロパゲーション等の処理により、学習モデルを生成する。例えば、選択装置100は、所定の損失関数を最小化するようにバックプロパゲーション等の処理を行うことにより、学習モデルを生成する。これにより、選択装置100は、学習モデルの生成処理を行うことができる。なお、上記例に限定されず、他の機械学習に基づいて、各種計算方法が採用可能である。
【0021】
ここで、図2を用いて、取引対象の第1スコアSC1に基づく順位の具体例を示す。図2は、実施形態に係る取引対象の順位の具体例を示す図である。図2の例では、取引対象の順位と、取引対象を識別する識別情報である取引対象ID(Identifier)と、第1スコアSC1とを対応付けた表TA1を示す。ここで、表TA1は、外部装置20から取得された50個の取引対象のうち、20個の取引対象に対する第1スコアSC1を示すものとする。なお、図2の例では、表TA1は、20個の取引対象に対する第1スコアSC1のうち、上位10個の取引対象に対する第1スコアSC1の一例を示している。
【0022】
表TA1によると、順位「1位」が、取引対象ID「M1」であり、第1スコアSC1が「1.0」である。順位「2位」が、取引対象ID「M2」であり、第1スコアSC1が「0.94」である。順位「3位」が、取引対象ID「M3」であり、第1スコアSC1が「0.89」である。順位「4位」が、取引対象ID「M4」であり、第1スコアSC1が「0.84」である。順位「5位」が、取引対象ID「M5」であり、第1スコアSC1が「0.79」である。
【0023】
また、順位「6位」が、取引対象ID「M6」であり、第1スコアSC1が「0.74」である。順位「7位」が、取引対象ID「M7」であり、第1スコアSC1が「0.68」である。順位「8位」が、取引対象ID「M8」であり、第1スコアSC1が「0.63」である。順位「9位」が、取引対象ID「M9」であり、第1スコアSC1が「0.58」である。順位「10位」が、取引対象ID「M10」であり、第1スコアSC1が「0.53」である。
【0024】
このように、選択装置100は、外部装置20から取得された取引対象に対して、第1スコアSC1を算出することで、取引対象の順位を決定する。例えば、選択装置100は、第1スコアSC1が大きい順に取引対象に対して順位付けを行う。また、上記算出処理は、所定の期間毎に実行されてもよいし、ステップS3毎に実行されてもよい。また、選択装置100は、第1スコアSC1が上位の方から所定数の取引対象を取引対象候補として選択できる。
【0025】
図1の説明に戻る。選択装置100は、第1スコアSC1に基づいて、取引対象候補を選択する(ステップS5)。例えば、選択装置100は、第1スコアSC1に基づく取引対象候補の順位付け結果に基づいて、順位が上位である取引対象候補を選択する。具体的には、選択装置100は、第1スコアSC1が高い上位10個の取引対象を取引対象候補として選択する。図2の例では、選択装置100は、取引対象IDがM1~M10である取引対象を取引対象候補として選択する。
【0026】
なお、上述のスコア算出方法は一例であり、選択装置100は、任意の方法を用いて商品スコアを算出してもよい。例えば、選択装置100は、算出した商品スコアにその商品を販売する販売元(ストア)の評価に基づく係数を用いて、商品スコアを補正してもよい。例えば、選択装置100は、算出した商品スコアにその商品を販売する販売元の評価に基づく係数を乗算して、商品スコアを補正できる。
【0027】
また、選択装置100は、例えば、第1スコアSC1に基づいて順位付けされた取引対象候補の上位6個を含むコンテンツを提供する(ステップS6)。ここで、図3を用いて、端末装置10に提供されるコンテンツについて説明する。図3は、実施形態に係るコンテンツの具体例を示す図である。例えば、コンテンツC1は、ポータルサイトに関するコンテンツである。
【0028】
また、コンテンツC1は、各種情報を含む。例えば、コンテンツC1は、検索窓や、ニュースに関する情報や、利用者によく表示されているコンテンツに関する情報や、広告コンテンツ等を含む。
【0029】
ここで、コンテンツC1は、所定の表示枠として、領域AR1を含む。図3の例では、オークションサービスであるAオンラインショップにて取引される取引対象が領域AR1に6個配置される。図3の例では、取引対象は、スマートフォンである。例えば、領域AR1には、左上段が順位「1位」の「M1」、真中上段が順位「2位」の「M2」、右上段が順位「3位」の「M3」、左下段が順位「4位」の「M4」、真中下段が順位「5位」の「M5」、右下段が順位「6位」の「M6」といった順序で取引対象が並んで配置される。
【0030】
ステップS1~S6では、第1スコアSC1が高い取引対象を含むコンテンツを提供する例を説明した。次に、選択装置100は、所定の数式(後述する数式(1))に基づいて第2スコアSC2を算出し、かかる第2スコアSC2が高い取引対象を含むコンテンツを提供する。ステップS7~S11では、この一例について説明する。
【0031】
図1に示すように、選択装置100は、コンテンツ提供の要求を端末装置10から受付ける(ステップS7)。例えば、選択装置100は、コンテンツの一例として、ポータルサイト提供の要求を端末装置10から受付ける。
【0032】
また、選択装置100は、取引対象に対する表示回数を端末装置10から取得する(ステップS8)。例えば、選択装置100は、コンテンツの表示回数と、各取引対象の表示回数とを端末装置10から取得する。ここで、表示回数とは、利用者に対してコンテンツ又は取引対象に関する情報等が表示された回数である。
【0033】
続いて、選択装置100は、表示回数に基づいて、取引対象候補に対応する第2スコアSC2を算出する(ステップS9)。例えば、選択装置100は、取引対象候補のうちから、各取引対象候補について利用者に対してコンテンツが表示された回数および取引対象に関する情報などが表示された回数のうちの少なくともいずれか一方を取得し、取得した回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアを算出する。例えば、選択装置100は、多腕バンディットアルゴリズムを用いて、取引対象候補に対応する第2スコアSC2を算出する。より具体的な例を挙げると、選択装置100は、以下に示す式(1)を用いて、UCB(Upper Confidence Bound)に基づく第2スコアSC2を算出する。なお、第2スコアSC2は、第1の評価値のみならず、第2の評価値をさらに考慮して算出してもよい。
【0034】
【数1】
【0035】
上述の式(1)において、SC2u,iは、利用者uの取引対象iについての第2スコアに該当し、SC1u,iは、利用者uの取引対象iについての第1スコアに該当する。また、上述の式(1)において、SC-Lu,iは、利用者uの取引対象iについてのローカルボーナス(「第2の評価値」の一例)に該当し、SC-Gは、利用者uの取引対象iについてのグローバルボーナス(「第1の評価値」の一例)に該当する。
【0036】
式(1)におけるSC-Lu,iは、以下に示す数式(2)で表され、式(1)におけるSC-Gは、以下に示す数式(3)で表される。
【0037】
【数2】
【数3】
【0038】
上述の数式(2)において、Tはコンテンツの表示回数を表し、NTU(i)はT回目における取引対象iの表示回数を表す。上述の数式(2)に示すように、ローカルボーナスSC-Lは、所定のコンテンツの表示回数と、所定のコンテンツを通じた取引対象の表示回数との関係性に基づいて導出される。上述の式(2)により導出されるローカルボーナスSC-Lにより、利用者にとっての取引対象の目新しさが評価される。例えば、表示回数が少ない取引対象ほどローカルボーナスSC-Lが大きくなり、ローカルボーナスSC-Lが大きいほど利用者にとって目新しい取引対象であると評価できる。
【0039】
上述の数式(3)において、TはカテゴリCに属する全ての取引対象の表示回数を表し、NTC(i)はカテゴリCに属する取引対象iの表示回数を表す。上述の数式(3)に示すように、グローバルボーナスSC-Gは、取引対象候補に対応するカテゴリに属する全ての取引対象の表示回数と、カテゴリに属する各取引対象の個別の表示回数との関係性に基づいて導出される。上述の式(3)により導出されるグローバルボーナスSC-Gにより、取引対象の市場(例えば、ポータルサイトなど)における目新しさが評価される。例えば、末端カテゴリCにおいて表示回数が少ない取引対象ほどグローバルボーナスSC-Gが大きくなり、グローバルボーナスSC-Gが大きいほど市場において目新しい取引対象であると評価できる。つまり、グローバルボーナスSC-Gは、各取引対象候補が所定のコンテンツを通じて取引対象として推薦された度合いを評価することが可能な情報である。なお、上述のカテゴリCの粒度は任意の粒度を採用できる。例えば、電化製品やファッションアイテムなどといった粒度や、ブランドといった粒度を採用してもよい。
【0040】
選択装置100は、上述の式(1)により算出される第2スコアSC2に基づいて、コンテンツに表示させる取引対象を選択することにより、利用者にとっての目新しさと、市場における目新しさとを考慮した取引対象の選択を実現できる。図4は、実施形態に係る取引対象の選択例を示す図である。
【0041】
図4は、利用者Xに対して、取引対象を推薦するコンテンツを提供する場合を例示する。図4では、上述の末端カテゴリCの一例として「カメラ」を示し、末端カテゴリに属する各取引対象候補がカメラA,B,C,・・・などを示している。
【0042】
図4に示す場合、選択装置100により、第1スコアSC1に基づいて、利用者Xに推薦する取引対象の候補である取引対象候補として、カメラA,B,C,・・・などが選択される。上述したように、取引対象候補として、例えば、第1スコアSC1による順位付け結果に基づいて、順位が上位である取引対象候補が選択される。
【0043】
次に、選択装置100により、第2スコアSC2に基づいて、利用者Xに対して推薦する取引対象が選択される。例えば、第2スコアSC2を構成するローカルボーナスSC-Lにより、利用者Xにとって目新しい取引対象の絞り込みが行われる。図4に示す場合、取引対象として選択された複数のカメラの中から、利用者Xに対する推薦回数(表示回数)が0回であるカメラAおよびカメラBが選択される。
【0044】
さらに、第2スコアSC2を構成するグローバルボーナスSC-Gにより、市場における目新しさを有する取引対象が選択される。図4に示す場合、利用者Xにとって目新しい取引対象として選択されたカメラAおよびカメラBのうち、他の利用者Yや他の利用者Zに対する推薦回数が0回であるカメラAが選択される。
【0045】
このように、選択装置100は、利用者に対して訴求効果が高い取引対象のうち、利用者にとって目新しく、かつ、市場における目新しさを有する取引対象を適切に選択できる。これにより、選択装置100は、利用者が取引対象を購入する機会損失を低減することができ、取引対象の入札のハードルを下げることができる。
【0046】
ここで、図5を用いて、取引対象候補の第2スコアSC2に基づく順位の具体例を示す。図5は、実施形態に係る取引対象候補の順位の具体例を示す図である。
【0047】
表TA2によると、順位「1位」が、取引対象ID「M1」であり、第1スコアSC1が「1.0」であり、第2スコアSC2が「2.39」であり、表示回数が「1.0」である。順位「2位」が、取引対象ID「M2」であり、第1スコアSC1が「0.94」であり、第2スコアSC2が「2.34」であり、表示回数が「1.0」である。順位「3位」が、取引対象ID「M3」であり、第1スコアSC1が「0.89」であり、第2スコアSC2が「2.30」であり、表示回数が「1.0」である。順位「4位」が、取引対象ID「M4」であり、第1スコアSC1が「0.84」であり、第2スコアSC2が「2.24」であり、表示回数が「1.0」である。順位「5位」が、取引対象ID「M5」であり、第1スコアSC1が「0.79」であり、第2スコアSC2が「2.18」であり、表示回数が「1.0」である。
【0048】
順位「6位」が、取引対象ID「M6」であり、第1スコアSC1が「0.74」であり、第2スコアSC2が「2.13」であり、表示回数が「1.0」である。順位「7位」が、取引対象ID「M7」であり、第1スコアSC1が「0.68」であり、第2スコアSC2が「2.66」であり、表示回数が「0」である。順位「8位」が、取引対象ID「M8」であり、第1スコアSC1が「0.63」であり、第2スコアSC2が「2.60」であり、表示回数が「0」である。順位「9位」が、取引対象ID「M9」であり、第1スコアSC1が「0.58」であり、第2スコアSC2が「2.55」であり、表示回数が「0」である。順位「10位」が、取引対象ID「M10」であり、第1スコアSC1が「0.53」であり、第2スコアSC2が「2.50」であり、表示回数が「0」である。
【0049】
このように、選択装置100は、取引対象候補に対して、数式(1)を用いて、第2スコアSC2を算出する。これにより、選択装置100は、第2スコアSC2に基づく取引対象候補の順位を決定する。例えば、選択装置100は、第2スコアSC2が大きい順に取引対象候補に対して順位付けを行う。また、上記算出処理は、所定の期間毎に実行されてもよいし、ステップS7毎に実行されてもよい。
【0050】
ここで、表TA2から順位を変動させた表TA3を示す。表TA3は、取引対象候補の順位と、取引対象IDと、第1スコアSC1と、第2スコアSC2と、表示回数とを対応付けた表である。
【0051】
表TA3によると、順位「1位」が、取引対象ID「M7」であり、第1スコアSC1が「0.68」であり、第2スコアSC2が「2.66」であり、表示回数が「1.0」である。順位「2位」が、取引対象ID「M8」であり、第1スコアSC1が「0.63」であり、第2スコアSC2が「2.60」であり、表示回数が「1.0」である。順位「3位」が、取引対象ID「M9」であり、第1スコアSC1が「0.58」であり、第2スコアSC2が「2.55」であり、表示回数が「1.0」である。順位「4位」が、取引対象ID「M10」であり、第1スコアSC1が「0.53」であり、第2スコアSC2が「2.50」であり、表示回数が「1.0」である。順位「5位」が、取引対象ID「M11」であり、第1スコアSC1が「0.48」であり、第2スコアSC2が「2.45」であり、表示回数が「1.0」である。
【0052】
また、順位「6位」が、取引対象ID「M1」であり、第1スコアSC1が「1.0」であり、第2スコアSC2が「2.39」であり、表示回数が「2.0」である。順位「7位」が、取引対象ID「M12」であり、第1スコアSC1が「0.43」であり、第2スコアSC2が「2.37」であり、表示回数が「0」である。順位「8位」が、取引対象ID「M13」であり、第1スコアSC1が「0.38」であり、第2スコアSC2が「2.36」であり、表示回数が「0」である。順位「9位」が、取引対象ID「M14」であり、第1スコアSC1が「0.33」であり、第2スコアSC2が「2.35」であり、表示回数が「0」である。順位「10位」が、取引対象ID「M2」であり、第1スコアSC1が「0.94」であり、第2スコアSC2が「2.34」であり、表示回数が「2.0」である。なお、表TA3に示す表示回数は、「1位」~「6位」が表示されたものとして、表TA2が示す表示回数に1加算している。
【0053】
図1の説明に戻る。選択装置100は、第2スコアSC2に基づいて、取引対象を選択する(ステップS10)。例えば、選択装置100は、第2スコアSC2に基づいて、第2スコアSC2が高い上位6個の取引対象を選択する。図5の例では、選択装置100は、取引対象IDが「M7」、「M8」、「M9」、「M10」、「M11」、「M1」である取引対象を選択する。
【0054】
続いて、選択装置100は、取引対象を含むコンテンツを提供する(ステップS11)。図5の例では、選択装置100は、第2スコアが高い順位から6個の取引対象である「M7」、「M8」、「M9」、「M10」、「M11」、「M1」の取引対象を所定の表示枠に配置されたコンテンツであって、ポータルサイトに関するコンテンツを端末装置10に提供する。
【0055】
そして、選択装置100は、ステップS11にて提供したコンテンツの表示回数に基づいて取引対象を選択する選択処理を実行する。すなわち、選択装置100は、ステップS11を実行後は、ステップS7~S11で示す処理を繰り返す。
【0056】
なお、上記例では、選択装置100がステップS1~S6では第1スコアSC1が高い取引対象を含むコンテンツを提供する例を説明したが、上記例に限定されなくともよい。例えば、選択装置100がステップS1~S6でも上述の式(1)に基づいて第2スコアSC2を算出し、かかる第2スコアSC2が高い取引対象を含むコンテンツを提供してもよい。
【0057】
また、選択装置100は、第2スコアSC2を算出する際、ローカルボーナスSC-LおよびグローバルボーナスSC-Gに対して、それぞれ重み付けを行ってもよい。この場合、選択部100は、グローバルボーナスSC-GよりもローカルボーナスSC-Lが優先されるように重み付けを行ってもよい。これにより、選択装置100は、利用者に対する推薦状況を優先した情報の選択を実行できる。
【0058】
従来、利用者に対して取引対象の情報を提供する場合、利用者にとって有益な情報を選択できるとは言い切れない場合があった。これに対し、実施形態に係る選択装置100は、利用者が所定のコンテンツを表示する際に、利用者情報に基づいて選択した取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出されるグローバルボーナスを反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択することで、利用者にとって有益な情報を選択でき、従来の課題を解決できる。
【0059】
例えば、選択装置100は、ローカルボーナスが反映されたスコアに基づいて取引対象を選択することにより、利用者が所望する可能性が高いが、利用者が知らない商品(取引対象)の情報を選択して提供することが可能となり、利用者の機会損失を防ぐことができる。これにより、例えば、オークションサイトで狙っている商品が他の利用者に落札されたとしても、同一又は類似する他の商品の情報を提供する等、代替案を提供することができる。また、選択装置100は、グローバルボーナスが反映されたスコアに基づいて取引対象を選択することにより、利用者が所望する可能性が高いが、利用者が知らない商品の情報が複数ある場合、市場においてより目新しい商品の情報を選択して提供することが可能となる。これにより、例えば、オークションサイトにおいて利用者が落札できる可能性が高い商品の情報を選択するなど、利用者にとって有益な情報を選択して提供できる。このように、選択装置100は、利用者にとって有益な情報を選択できる。
【0060】
なお、選択装置100は、グローバルボーナスのみを反映させた第2スコアSC2を算出してもよい。これにより、選択装置100は、市場における目新しさのみに着目して、取引対象を選択できる。
【0061】
[2.選択システムの構成]
図6を用いて、実施形態に係る選択システム1の構成例について説明する。図6は、実施形態に係る選択装置を含む選択システムの一例を示す図である。図6に示すように、選択システム1は、端末装置10と、外部装置20と、選択装置100とを含む。端末装置10、外部装置20及び選択装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図6に示す選択システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の外部装置20や、複数台の選択装置100が含まれてもよい。
【0062】
実施形態に係る端末装置10は、ブラウザに表示されるウェブページやアプリケーション用のコンテンツ等のコンテンツにアクセスする利用者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。なお、端末装置10は、上記例に限定されなくともよく、例えば、スマートウォッチや、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)であってもよい。
【0063】
実施形態に係る外部装置20は、各種情報を提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、外部装置20は、各種情報として、利用者情報を提供する。また、他の例として、外部装置20は、インターネットショッピングや、電子商店街や、フリーマーケットサイトや、オークションサイトや、旅行又は飲食店等予約サイトや、クレジットカード契約サイトや、金融商品提供サイト等における取引対象に関する情報を提供する。
【0064】
実施形態に係る選択装置100は、インターネット等の所定のネットワークNを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置又はクラウドシステム等により実現される。例えば、選択装置100は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0065】
[3.選択装置の構成]
図6を用いて、実施形態に係る選択装置100の構成例について説明する。図6に示すように、選択装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0066】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。選択装置100は、ネットワークNを介して、端末装置10や外部装置20などの他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0067】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスクや、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、取引対象情報記憶部122と、コンテンツ記憶部123とを有する。
【0068】
(利用者情報記憶部121)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する各種利用者情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る利用者情報記憶部121に記憶される利用者情報の一例を示す。図7に示した例では、利用者情報記憶部121に記憶される利用者情報は、「利用者ID」、「利用者情報」といった項目を有する。利用者情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。なお、図7では、利用者情報が有する各項目に記憶される情報を簡略化し、抽象的な概念として表現している。また、図7は、実施形態に係る利用者情報の一例を示しており、図7に示す以外の情報を含んでいてもよい。
【0069】
「「利用者ID」は、利用者を識別する識別子である。「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者の属性に関する属性情報である。例えば、属性情報は、利用者の年齢や、性別や、電話番号や、住所等を含む。
【0070】
「購買履歴」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者によって購買された購買履歴である。例えば、購買履歴は、利用者によって購買された取引対象に関する情報や、取引対象の種別や、取引対象が購買された購買回数や、取引対象が購買された日時に関する情報等である。
【0071】
「表示履歴」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者によってコンテンツが表示された履歴である。例えば、表示履歴は、利用者によって表示されたコンテンツに関する情報や、コンテンツの種別や、コンテンツが表示された表示回数や、コンテンツが表示された日時に関する情報等である。
【0072】
例えば、図7では、利用者IDによって識別された「U1」は、属性情報が「CH1」であり、購買履歴が「PH1」であり、表示履歴が「WA1」である。なお、図6に示した例では、属性情報等を、「CH1」等の抽象的な符号で表現したが、属性情報等は、具体的な数値や、具体的な文字列や、各種情報を含むファイル形式等であってもよい。
【0073】
(取引対象情報記憶部122について)
取引対象情報記憶部122は、取引対象に関する各種取引対象情報を記憶する。ここで、図8に、実施形態に係る取引対象情報記憶部122に記憶される取引対象情報の一例を示す。図8に示した例では、取引対象情報記憶部122に記憶される取引対象情報は、利用者ごとに管理され、「取引対象ID」、「取引対象」、「第1スコア」、「第2スコア」と、「表示回数」いった項目を含む。なお、図8では、取引対象情報が有する各項目に記憶される情報を簡略化し、抽象的な概念として表現している。また、図8は、実施形態に係る取引対象情報の一例を示しており、図8に示す以外の情報を含んでいてもよい。
【0074】
「取引対象ID」は、取引対象を識別する識別子である。「取引対象」は、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象に関する情報である。「第1スコア」は、「取引対象ID」に対応付けられた第1スコアである。
【0075】
「第2スコア」は、「取引対象ID」に対応付けられた第2スコアである。「表示回数」は、「取引対象ID」に対応付けられた取引対象に関する情報が利用者に対して表示された表示回数である。
【0076】
例えば、図8では、取引対象IDによって識別された「M1」は、取引対象が「MA1」であり、第1スコアが「1.0」であり、第2スコアが「2.4」であり、表示回数が「1.0」である。なお、図7に示した例では、取引対象を、「MA1」といった抽象的な符号で表現したが、取引対象は、取引対象に関する各種情報を含むファイル形式等であってもよい。
【0077】
(コンテンツ記憶部123について)
コンテンツ記憶部123は、コンテンツに関する情報を記憶する。ここで、図9に、実施形態に係るコンテンツ記憶部123に記憶されるコンテンツ情報の一例を示す。図9に示した例では、コンテンツ記憶部123に記憶されるコンテンツ情報は、「コンテンツID」、「コンテンツ」といった項目を有する。なお、図9では、コンテンツ情報が有する各項目に記憶される情報を簡略化し、抽象的な概念として表現している。また、図9は、実施形態に係るコンテンツ情報の一例を示しており、図9に示す以外の情報を含んでいてもよい。
【0078】
「コンテンツID」は、コンテンツを識別する識別子である。「コンテンツ」は、「コンテンツID」に対応付けられたコンテンツに関する情報である。具体的には、コンテンツは、コンテンツの内容に関する情報を示してもよい。
【0079】
例えば、コンテンツは、ポータルサイトに関するコンテンツである。また、他の例として、コンテンツは、ニュースサイトや、オークションサイトや、天気予報サイトや、ショッピングサイトや、ファイナンス(株価)サイト等に関するコンテンツであってもよい。
【0080】
また、コンテンツは、路線検索サイトや、地図提供サイトや、旅行サイトや、飲食店紹介サイトや、ウェブブログサイトや、SNS(Social Networking Service)サイト等に関するコンテンツであってもよい。
【0081】
例えば、図9では、コンテンツIDによって識別された「C1」は、コンテンツが「CO1」である。なお、図9に示した例では、コンテンツ等を、「CO1」等の抽象的な符号で表現したが、コンテンツ等は、具体的な数値や、具体的な文字列や、各種情報を含むファイル形式等であってもよい。
【0082】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、選択装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0083】
図6に示す制御部130は、取得部131と、受付部132と、算出部133と、第1選択部134と、第2選択部135と、提供部136とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する処理単位で複数の分割された内部構成を有していてもよい。図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0084】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。具体的には、取得部131は、外部装置20から利用者に関する利用者情報を取得する。図1の例では、取得部131は、利用者情報として、利用者の属性情報や、インターネットショッピング、電子商店街、オークションサイト又はフリーマーケットサイト等における購買履歴や、コンテンツの表示履歴等を外部装置20から取得する。そして、取得部131は、かかる利用者情報を利用者情報記憶部121に記憶する。例えば、取得部131は、所定の期間毎に、利用者情報を外部装置20から取得し、利用者情報記憶部121に記憶される利用者情報を更新する。
【0085】
また、取得部131は、外部装置20から取引対象に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、オークションサイト又はフリーマーケットサイトにて取引される取引対象に関する情報を外部装置20から取得する。より具体的な例を挙げると、取得部131は、オークションサイトにて入札中のスマートフォンに関する情報を外部装置20から取得する。そして、取得部131は、かかる取引対象に関する情報を取引対象情報記憶部122に記憶する。例えば、取得部131は、所定の期間毎に、取引対象に関する情報を外部装置20から取得し、取引対象情報記憶部122に記憶される取引対象に関する情報を更新する。
【0086】
また、取得部131は、取引対象に対する表示回数を端末装置10から取得する。例えば、取得部131は、コンテンツの表示回数と、各取引対象の表示回数とを端末装置10から取得する。また、取得部131は、コンテンツとともに、予め提供された表示回数を取得する制御情報によって取得される。そして、取得部131は、かかる表示回数を取引対象情報記憶部122に記憶する。
【0087】
(受付部132)
受付部132は、各種要求を受付ける。具体的には、受付部132は、コンテンツ提供の要求を端末装置10から受付ける。例えば、受付部132は、所定のコンテンツの一例として、ポータルサイト提供の要求を端末装置10から受付ける。
【0088】
(算出部133)
算出部133は、各種スコアを算出する。具体的には、算出部133は、取得部131によって取得された取引対象の第1スコアSC1を算出する。例えば、算出部133は、機械学習等の従来技術を用いて、取引対象と、利用者情報とを入力することで、取引対象を購入する可能性を示す第1スコアSC1を出力する学習モデルを生成する。
【0089】
例えば、算出部133は、取引対象と、利用者情報と、かかる取引対象が利用者によって過去に購入されたか否かに関する情報との関係性を学習した学習モデルを生成する。これにより、算出部133は、取引対象と、利用者情報とを学習モデルに入力することで、第1スコアSC1を算出する。そして、算出部133は、かかる第1スコアSC1を取引対象情報記憶部122に記憶する。
【0090】
また、算出部133は、学習データとして、各種利用者情報を示す情報と、かかる利用者によって選択された取引対象の情報とを取得する。そして、算出部133は、利用者情報と、かかる利用者によって選択された取引対象の情報とを入力した際に、利用者情報と、かかる利用者によって選択されなかった取引対象の情報とを入力した際よりも高い値のスコアを出力するように学習モデルの学習を行う。なお、他にも、取引対象に対する利用者の興味関心が示す度合いを数値化する各種の技術が採用可能である。
【0091】
例えば、算出部133は、深層学習を用いて、バックプロパゲーション等の手法により学習モデルの生成処理を行う。例えば、算出部133は、学習処理により、ノード間で値が伝達する際に考慮される重みの値を調整する。このように、算出部133は、学習モデルにおける出力と、入力に対応する正解との誤差が少なくなるように重みの値を補正するバックプロパゲーション等の処理により、学習モデルを生成する。例えば、算出部133は、所定の損失関数を最小化するようにバックプロパゲーション等の処理を行うことにより、学習モデルを生成する。これにより、算出部133は、学習モデルの生成処理を行うことができる。なお、上記例に限定されず、他の機械学習に基づいて、各種計算方法が採用可能である。
【0092】
このように、算出部133は、外部装置20から取得された取引対象に対して、第1スコアSC1を算出することで、取引対象の順位を決定する。例えば、算出部133は、第1スコアSC1が大きい順に取引対象に対して順位付けを行う。また、上記算出処理は、所定の期間毎に実行されてもよい。また、上記算出処理は、例えば、図1の例に示すステップS3毎に実行されてもよい。
【0093】
(第1選択部134)
第1選択部134は、利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、取引対象候補を選択する。例えば、第1選択部134は、取引対象候補について所定の基準に基づいて順位付けを行い、順位が上位である取引対象候補を選択してもよい。具体的には、第1選択部134は、第1スコアSC1に基づいて、第1スコアSC1が高い上位10個の取引対象を取引対象候補として選択する。例えば、上述した図2によれば、第1選択部134が、取引対象IDがM1~M10である取引対象を取引対象候補として選択する例が示されている。
【0094】
(第2選択部135)
第2選択部135は、利用者が所定のコンテンツを表示する際に、所定のコンテンツに表示される取引対象を、第1選択部134によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出されるグローバルボーナス(「第1の評価値」の一例)を反映した第2スコアSC2(例えば、上述の式(1)参照)に基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する。例えば、第2選択部135は、第1選択部134によって選択された取引対象候補のうち、取引対象候補に対応するカテゴリに属する全ての取引対象の表示回数と、カテゴリに属する各取引対象の個別の表示回数との関係性に基づいて、グローバルボーナスを導出できる。グローバルボーナスにより、取引対象の市場(例えば、ポータルサイトなど)における目新しさが評価される。具体的な算出方法は、上述した数式(3)に示す。
【0095】
また、第2選択部135は、所定のコンテンツの表示回数と、所定のコンテンツを通じた取引対象の表示回数との関係性に基づくローカルボーナスを導出し、導出したローカルボーナスをさらに反映した第2スコアSC2に基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択できる。ローカルボーナスにより、利用者にとっての取引対象の目新しさが評価される。具体的な算出方法は、上述した数式(2)に示す。
【0096】
例えば、第2選択部135は、第2スコアSC2に基づいて、第2スコアSC2が高い上位6個の取引対象を取引対象情報記憶部122から選択する。上述した図5によれば、第2選択部135が、取引対象IDが「M7」、「M8」、「M9」、「M10」、「M11」、「M1」である取引対象を選択する例が示されている。
【0097】
また、第2選択部135は、グローバルボーナスおよびローカルボーナスに対して重み付けを行い、重み付けを行った後の第2スコアSC2に基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択してもよい。この場合、第2選択部135は、第1の評価値よりも前記第2の評価値が優先されるように重み付けを行ってもよい。
【0098】
このように、第2選択部135は、表示回数が小さい取引対象が優先的に表示されるように、利用者がコンテンツにアクセスする毎に多腕バンディッドアルゴリズムを用いて取引対象候補のうちから、取引対象を選択し直す。これにより、算出部133は、利用者に対して訴求効果が高い取引対象を適切に選択することができる。また、算出部133は、利用者に対して訴求効果が高い取引対象のうち、利用者に対して表示されていない取引対象を適切に選択するため、利用者が取引対象を購入する機会損失を低減することができる。
【0099】
(提供部136について)
提供部136は、各種情報を提供する。例えば、提供部136は、コンテンツ記憶部123を参照して、第1スコアSC1に基づいて順位付された取引対象候補の上位6個を含むコンテンツを端末装置10に提供する。図2の例では、提供部136は、第1スコアSC1が高い順位から6個の取引対象である「M1」~「M6」の取引対象を所定の表示枠に配置されたコンテンツであって、ポータルサイトに関するコンテンツを端末装置10に提供する。
【0100】
また、提供部136は、コンテンツ記憶部123を参照して、第2スコアSC2に基づいて順位付された取引対象を含むコンテンツを提供する。図5の例では、提供部136は、第2スコアが高い順位から6個の取引対象である「M7」、「M8」、「M9」、「M10」、「M11」、「M1」の取引対象を所定の表示枠に配置されたコンテンツであって、ポータルサイトに関するコンテンツを端末装置10に提供する。
【0101】
[4.処理手順]
以下、実施形態に係る選択装置100が実行する選択処理の手順について説明する。図10は、実施形態に係る選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。図10に示す選択処理の手順は、選択装置100の制御部130により実行される。図10に示す選択処理の手順は、選択装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0102】
図10に示すように、取得部131は、利用者情報を外部装置20から取得する(ステップS101)。また、取得部131は、取引対象に関する情報を外部装置20から取得する(ステップS102)。
【0103】
続いて、第1選択部134は、受付部132がコンテンツの提供要求を受け付けた場合、取得部131によって取得された利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象候補を選択する(ステップS103)。
【0104】
また、第2選択部135は、利用者が所定のコンテンツを表示する際に、所定のコンテンツに表示される取引対象を、第1選択部134によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値を反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する(ステップS104)。
【0105】
続いて、決定部134は、修正後の検索結果に基づいて、利用者に提供する検索結果に含める提供商品を決定する(ステップS104)。
【0106】
また、提供部136は、第2選択部135によって選択された取引対象を所定数含むコンテンツを端末装置10に提供する。具体的には、提供部136は、所定数の取引対象を所定の表示枠に配置されたコンテンツを端末装置10に提供する(ステップS105)。
【0107】
[5.変形例]
上述した選択装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、選択装置100の他の実施形態について説明する。
【0108】
(5-1.表示回数の出所について)
上記実施形態において、選択装置100は、端末装置10からコンテンツの表示回数や、取引対象の表示回数を取得するが、これらの表示回数は、選択装置100が連携するオークションサイト又はフリーマーケットサイトにおける表示回数に限らない。例えば、選択装置100が取得する表示回数は、他のオークションサイト又はフリーマーケットサイトであってもよい。また、表示回数は、検索サイトにおける検索結果の表示回数であってもよい。
【0109】
(5-2.利用者について)
上記実施形態において、選択装置100によるコンテンツの提供先として、所定のサービスの会員に登録している利用者を例に挙げて説明したが、上記例に限定されなくともよい。例えば、利用者は、如何なる利用者であってもよく、例えば、所定のサービスの会員に登録していない利用者等であってもよい。
【0110】
(5-3.取引対象について)
上記実施形態において、選択装置100がコンテンツを通じて利用者に推薦する取引対象として、オークションサイト又はフリーマーケットサイトによって取引される取引対象を例に挙げて説明したが、上記例に限定されなくともよい。例えば、取引対象は、如何なる取引対象であってもよい。例えば、取引対象は、数量が限定された取引対象であってもよい。また、取引対象は、第1利用者によって購入された場合に、かかる第1利用者とは異なる他の利用者である第2利用者によって購入不可になる取引対象であってもよい。また、取引対象は、インターネットショッピングや、電子商店街等によって取引される取引対象であってもよい。
【0111】
(5-4.取引対象に関する情報の提供ついて)
上記実施形態では、選択装置100が取引対象を含むコンテンツを利用者に提供する例を説明したが、上記例に限定されなくともよい。例えば、選択装置100と連携する外部サーバがコンテンツを端末装置10に送信することにより利用者に提供してもよい。この場合、選択装置100は、取引対象に関する情報を外部サーバに提供してもよい。
【0112】
(5-5.取引対象情報ついて)
上記実施形態では、取引対象情報記憶部122が記憶する取引対象情報に表示回数が含まれる例を説明したが、上記例に限定されなくともよい。例えば、取引対象情報記憶部122に記憶される取引対象情報は、表示回数を含んでいなくてもよい。この場合、利用者情報記憶部121が利用者毎の表示回数を利用者情報の一部として記憶してもよい。なお、表示回数の管理は各種方法が採用可能である。例えば、利用者情報記憶部121が利用者情報の一部として記憶する表示回数を表示履歴として利用者毎に管理してもよい。
【0113】
[6.ハードウェア構成]
また、上述してきた本実施形態に係る選択装置100は、例えば、図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図11は、実施形態に係る選択装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0114】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0115】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0116】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USBなどにより実現される。
【0117】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0118】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0119】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0120】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る選択装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(例えば、選択プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(例えば、選択プログラム)との協働により、実施形態に係る選択装置100による処理を実現する。
【0121】
[7.その他]
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0122】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0123】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0124】
[8.効果]
実施形態に係る選択装置100は、第1選択部134と、第2選択部135とを備える。第1選択部134は、利用者に関する利用者情報に基づいて、取引対象のうちから、利用者に対して提供する取引対象の候補である取引対象候補を選択する。第2選択部135は、利用者が所定のコンテンツを表示する際に、第1選択部134によって選択された取引対象候補のうちから、各取引対象候補について市場における表示回数を用いて導出される第1の評価値(グローバルボーナス)を反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する。
【0125】
また、実施形態に係る選択装置100において、第2選択部135は、取引対象候補のうち、取引対象候補に対応するカテゴリに属する全ての取引対象の表示回数と、カテゴリに属する各取引対象の個別の表示回数との関係性に基づいて、第1の評価値(グローバルボーナス)を導出する。
【0126】
また、実施形態に係る選択装置100において、第2選択部135は、所定のコンテンツの表示回数と、所定のコンテンツを通じた取引対象の表示回数との関係性に基づく第2の評価値を導出し、導出した第2の評価値(ローカルボーナス)をさらに反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択する。
【0127】
このようなことから、実施形態に係る選択装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、利用者に対して取引対象の情報を提供する場合、利用者にとって有益な情報を選択できる。例えば、選択装置100は、ローカルボーナスが反映されたスコアに基づいて取引対象を選択することにより、利用者が所望する可能性が高いが、利用者が知らない商品(取引対象)の情報を選択して提供することが可能となり、利用者の機会損失を防ぐことができる。これにより、例えば、オークションサイトで狙っている商品が他の利用者に落札されたとしても、同一又は類似する他の商品の情報を提供する等、代替案を提供することができる。また、選択装置100は、グローバルボーナスが反映されたスコアに基づいて取引対象を選択することにより、利用者が所望する可能性が高いが、利用者が知らない商品の情報が複数ある場合、市場においてより目新しい商品の情報を選択して提供することが可能となる。これにより、例えば、オークションサイトにおいて利用者が落札できる可能性が高い商品の情報を選択するなど、利用者にとって有益な情報を選択して提供できる。このように、選択装置100は、利用者にとって有益な情報を選択できる。
【0128】
また、実施形態に係る選択装置100において、第2選択部135は、第1の評価値(グローバルボーナス)および第2の評価値(ローカルボーナス)に対して重み付けを行い、重み付けを行った後の、第1の評価値(グローバルボーナス)および第2の評価値(ローカルボーナス)を反映したスコアに基づいて、所定のコンテンツに表示させる取引対象を選択してもよい。
【0129】
また、実施形態に係る選択装置100において、第2選択部135は、第1の評価値よりも第2の評価値が優先されるように重み付けを行ってもよい。
【0130】
このようにして、実施形態に係る選択装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、利用者に対する推薦状況を優先した情報の選択を実行できる。
【0131】
また、実施形態に係る選択装置100において、第1選択部134は、取引対象候補について所定の基準に基づいて順位付けを行い、順位が上位である前記取引対象候補を選択してもよい。
【0132】
このようにして、実施形態に係る選択装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、市場において目新しいだけで利用者にとってあまり有益ではない情報が選択される可能性を低くできる。
【0133】
また、実施形態に係る選択装置100は、第2選択部135によって選択された取引対象を所定数含むコンテンツを提供する提供部136をさらに備える。
【0134】
また、実施形態に係る選択装置100において、提供部136は、所定数の取引対象を所定の表示枠に配置されたコンテンツを提供してもよい。
【0135】
このようにして、実施形態に係る選択装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、例えば、訴求効果の高い取引対象に関する情報が所定の表示枠にレイアウトされたコンテンツを利用者に提供できる。
【0136】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0137】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0138】
N ネットワーク
1 選択システム
10 端末装置
20 外部装置
100 選択装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 取引対象情報記憶部
123 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 算出部
134 第1選択部
135 第2選択部
136 提供部
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