(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159832
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】車両広告装置、車両広告方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20231025BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069774
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】521375966
【氏名又は名称】株式会社Essen
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】橘 健吾
(72)【発明者】
【氏名】天野 領太
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 孝則
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】車両を利用した広告である車両広告の効果を公平かつ正確に判定することを可能とする。
【解決手段】車両広告装置10は、車両2の位置情報を取得する情報取得手段30と、車両2から所定距離内に位置する人Pのモバイル端末60から、現在地情報を含む端末情報を取得する情報取得手段30と、位置情報及び端末情報に基づき、車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成する観衆情報生成手段31と、観衆情報に基づき、車両広告の効果を判定する判定手段17と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置であって、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得する端末情報取得手段と、
前記位置情報及び前記端末情報に基づき、前記車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成する観衆情報生成手段と、
前記観衆情報に基づき、前記車両広告の効果を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする車両広告装置。
【請求項2】
前記端末情報取得手段は、前記端末情報として、前記現在地情報と共に広告用の端末識別情報を取得し、
前記観衆情報生成手段は、前記端末識別情報に基づいて広告利用情報を取得し、当該広告利用情報に前記車両広告と関連する情報が含まれる場合、相対的に評価の高い前記観衆情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の車両広告装置。
【請求項3】
前記端末情報取得手段は、前記端末情報として、前記現在地情報と共に広告に係る閲覧履歴情報を取得し、
前記観衆情報生成手段は、前記閲覧履歴情報に前記車両広告と関連する情報が含まれる場合、相対的に評価の高い前記観衆情報を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両広告装置。
【請求項4】
車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置が実行する方法であって、
前記車両の位置情報を取得するステップと、
前記車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得するステップと、
前記位置情報及び前記端末情報に基づき、前記車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成するステップと、
前記観衆情報に基づき、前記車両広告の効果を判定するステップと、を含むことを特徴とする車両広告方法。
【請求項5】
車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置を、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得する端末情報取得手段、
前記位置情報及び前記端末情報に基づき、前記車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成する観衆情報生成手段、
前記観衆情報に基づき、前記車両広告の効果を判定する判定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置、車両広告方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両本体にディスプレイやシール等の広告媒体を取り付けた車両広告が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両周辺の歩行者の位置及び移動方向に関する情報を取得し、車両において、歩行者の移動方向に位置する店舗の広告を表示する広告表示装置が提案されている。また、特許文献2には、車両の周辺を撮像して得られたデータから歩行者を抽出し、抽出した人数に基づいて広告費を算出する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-56257号公報
【特許文献2】特開2021-163330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2の装置では、車両が走行することによって、車両広告がどれだけ人目に付いて興味をもたれたか、あるいは車両広告が来店や物品の購入にまで影響したかといった広告の効果を公平かつ正確に判定することはできないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することが可能な車両広告装置、車両広告方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置であって、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得する端末情報取得手段と、
前記位置情報及び前記端末情報に基づき、前記車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成する観衆情報生成手段と、
前記観衆情報に基づき、前記車両広告の効果を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする車両広告装置。
【0008】
(1)の発明では、車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置は、位置情報取得手段と、端末情報取得手段と、観衆情報生成手段と、判定手段と、を備える。
位置情報取得手段は、車両の位置情報を取得する。
端末情報取得手段は、車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得する。
観衆情報生成手段は、位置情報及び端末情報に基づき、車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成する。
判定手段は、観衆情報に基づき、車両広告の効果を判定する。
【0009】
(1)の発明によれば、道を通行中の車両の位置情報と、その車両の位置から所定距離内に位置する人の現在地情報とに基づき、当該所定距離内における人数を車両広告の認識可能な人数として推定することができ、当該人数を含む観衆情報に基づき、車両広告の効果を判定することができる。
例えば、通行中の車両が見える場所にいると推定された人数が多ければ多いほど、広告の効果が相対的に高いと判定することができる。一方、そのように推定された人数が比較的に少なければ、広告の効果が相対的に低いと判定することができる。よって、車両広告を認識したであろう人数に応じて、広告の効果が判定される。
したがって、本発明によれば、車両広告を認識した推定人数に応じて車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することができる。
【0010】
(2) 前記端末情報取得手段は、前記端末情報として、前記現在地情報と共に広告用の端末識別情報を取得し、
前記観衆情報生成手段は、前記端末識別情報に基づいて広告利用情報を取得し、当該広告利用情報に前記車両広告と関連する情報が含まれる場合、相対的に評価の高い前記観衆情報を生成することを特徴とする(1)に記載の車両広告装置。
【0011】
(2)の発明では、具体的に、端末情報には、例えば、人(端末)の現在地情報のほか、広告識別子といった広告用の端末識別情報が含まれる。この端末識別情報に基づき、端末を携行する人が来店した店の位置情報やインターネットを介して購入した物品の情報等といった広告利用情報が取得される。このような広告利用情報に車両広告と関連する情報が含まれる場合、相対的に評価の高い観衆情報が生成され、当該観衆情報に基づき、広告の効果も相対的に高く判定される。
【0012】
(2)の発明によれば、端末識別情報に基づき取得された広告利用情報に応じて広告の効果が判定され、当該広告利用情報に車両広告と関連する情報が含まれる場合は、広告の効果が相対的に高く判定されるので、車両広告を認識した人の広告利用動向に応じて、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することができる。
【0013】
(3) 前記端末情報取得手段は、前記端末情報として、前記現在地情報と共に広告に係る閲覧履歴情報を取得し、
前記観衆情報生成手段は、前記閲覧履歴情報に前記車両広告と関連する情報が含まれる場合、相対的に評価の高い前記観衆情報を生成することを特徴とする(1)又は(2)に記載の車両広告装置。
【0014】
(3)の発明では、具体的に、端末情報には、例えば、人(端末)の現在地情報のほか、広告表示のサイトを閲覧した等の広告に係る閲覧履歴情報が含まれる。この端末識別情報に基づき、端末を操作する人が閲覧した閲覧履歴情報が取得される。このような閲覧履歴情報に車両広告と関連する情報が含まれる場合、相対的に評価の高い観衆情報が生成され、当該観衆情報に基づき、広告の効果も相対的に高く判定される。
【0015】
(3)の発明によれば、端末情報から取得された広告に係る閲覧履歴情報に応じて広告の効果が判定され、当該閲覧履歴情報に車両広告と関連する情報が含まれる場合は、広告の効果が相対的に高く判定されるので、車両広告を認識した人の閲覧状況に応じて、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することができる。
【0016】
(4) 車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置が実行する方法であって、
前記車両の位置情報を取得するステップと、
前記車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得するステップと、
前記位置情報及び前記端末情報に基づき、前記車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成するステップと、
前記観衆情報に基づき、前記車両広告の効果を判定するステップと、を含むことを特徴とする車両広告方法。
【0017】
(5) 車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置を、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記車両から所定距離内に位置する人の端末から、現在地情報を含む端末情報を取得する端末情報取得手段、
前記位置情報及び前記端末情報に基づき、前記車両広告を認識可能な人数を推定し、当該人数の情報を含む観衆情報を生成する観衆情報生成手段、
前記観衆情報に基づき、前記車両広告の効果を判定する判定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
【0018】
(4)及び(5)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することが可能な車両広告装置、車両広告方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の基本的な実施形態に係る車両広告システムの概要を説明する図である。
【
図2】本発明の基本的な実施形態に係る車両広告システムの機能構成を示す図である。
【
図3】本発明の基本的な実施形態に係る車両用の期待値テーブルの一例を説明する図である。
【
図4】本発明の基本的な実施形態に係る車両広告装置の評価値決定手段による評価値の決定の概念を説明する図である。
【
図5】本発明の基本的な実施形態に係る車両広告装置により生成された付加地図情報に基づく表示画像の一例を示す図である。
【
図6】本発明の基本的な実施形態に係る車両広告装置が実行する車両広告処理フローを示す図である。
【
図7】本発明の代表的な実施形態に係る車両広告システムの概要を説明する図である。
【
図8】本発明の代表的な実施形態に係る車両広告システムの機能構成を示す図である。
【
図9】本発明の代表的な実施形態に係る車両用の期待値テーブルの一例を説明する図である。
【
図10】本発明の代表的な実施形態に係る車両広告装置の評価値決定手段による評価値の決定の概念を説明する図である。
【
図11】本発明の代表的な実施形態に係る車両広告装置により生成された付加地図情報に基づく表示画像の一例を示す図である。
【
図12】本発明の代表的な実施形態に係る車両広告装置が実行する車両広告処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ又は同類の要素には同じ番号または符号を付している。
【0022】
〈基本的な実施形態〉
[基本概念/基本構成]
図1は、本発明の基本的な実施形態に係る車両広告システムの概要を説明する図である。
車両広告システム100は、車両を利用した広告である車両広告の効果を判定する車両広告装置1と、車両広告装置1にネットワークを介して接続され、車両2の移動時に、当該車両2とともに移動する車両端末(例えば、当該車両2を運転するドライバーが操作するスマートフォンや、当該車両2に設けられているナビゲーション装置等)50と、を備える。
【0023】
本実施形態において、車両広告は、車両の外面に設置された視認可能な広告手段(例えば、シールやディスプレイ等)による広告や、音声を発する広告手段(例えば、アンプやスピーカ等)による広告が含まれる。また、本実施形態において、車両広告の「効果」とは、車両広告が、より多数の者に視認又は聞かれた可能性を示すものである。
【0024】
以下の説明では、車両2の外面に設置された視認可能な広告手段3を例に説明する。
車両広告装置1は、車両2が通行する道の地
図Mを示す地図情報を取得し、地
図Mに、複数の領域Rを設定する。
【0025】
車両広告装置1は、
図1に示す例では、地
図Mの所定範囲(車両2の走行予定範囲(例えば、車両2が荷物の配送車であれば配送範囲や、車両2の保管場所を中心とした、例えば、半径10kmの範囲や、公共交通機関の車両であれば運行経路を含む範囲等)を縦横の複数の仮想線からなるメッシュ形状で分割することで、縦横に配列され、四角形状に形成された複数の領域Rを設定する。なお、
図1に示す例では、複数の領域Rは、全て同じ大きさであるが、これに限らず、互いに大きさが異なってもよい。また、複数の領域Rは、四角形状に限らず、丸形状等の任意の形状とすることができる。
【0026】
車両広告装置1は、複数の領域Rに対して、それぞれ評価値を決定する。本実施形態において、車両広告装置1は、各領域Rに対し、広告手段3を搭載した車両2が通行した場合に、当該車両2の周囲に位置する他車両及び/又は人が入れ替わる可能性に応じて、評価値を決定する。車両広告装置1は、例えば、他車両及び/又は人が入れ替わる可能性が相対的に高い領域Rほど、より高い評価値に決定する。
【0027】
そして、車両広告装置1は、車両2の移動時に、車両端末50から、当該車両2の位置情報を、所定間隔で取得する。
【0028】
車両広告装置1は、車両2の位置情報を取得すると、当該位置情報に基づき、車両2が位置する領域Rにおける車両の状態を示す車両状態情報を、生成する。本実施形態において、車両状態情報には、複数の領域Rのうち、どの領域に位置するかを示す領域情報や、位置情報を取得した日時や、車両2の走行速度等が含まれる。車両広告装置1は、例えば、同じ領域Rを示す領域情報を、連続的に生成した回数が多いほど(同じ領域Rに滞在した時間が長いほど)、より高い値を示す車両状態情報を生成する。
【0029】
そして、車両広告装置1は、評価値と車両状態情報とに基づき、車両広告の効果を判定する。車両広告装置1は、例えば、評価値の値と車両状態情報の値とを乗算することで、車両広告の効果の判定値を算出する。この場合、車両広告装置1は、評価値の値が相対的に高く、車両状態情報の値が相対的に高いほど、より高い値の判定値を算出する。
【0030】
このように算出された判定値は、例えば、広告手段3における広告の広告主に請求する広告価格の決定や、車両2を運行させた運行者(例えば、車両2のドライバーや、車両2の管理者等)への報酬の決定に利用することができる。
【0031】
このような車両広告装置1によれば、例えば、より高い広告の効果が見込まれる領域Rに、より高い評価値を設定し、この評価値と、当該領域Rにおける車両2の状態を示す車両状態情報とに基づき、車両広告の効果を判定することで、より評価値が高い領域Rを車両2が通行した場合に、広告の効果が高いと判定することができる。一方、より評価値Rが低い領域を車両2が通行した場合に、広告の効果が低いと判定することができる。よって、車両2が通行した領域Rに応じて、適正に、広告の効果を判定できる。
したがって、車両を利用した広告である車両広告の効果を判定することが可能な車両広告装置を提供できる。
【0032】
[機能構成]
図2は、本発明の実施形態に係る車両広告システムの機能構成を示す図である。
車両広告システム100は、車両広告装置1と、車両広告装置1にネットワークを介して接続された、複数の車両端末50を備える。
【0033】
(車両広告装置)
車両広告装置1は、広告設定手段11と、地図情報取得手段12と、領域設定手段13と、評価値決定手段14と、位置情報取得手段15と、車両状態情報生成手段16と、判定手段17と、付加地図情報生成手段18と、送信手段19と、記憶手段20と、を備える。
【0034】
広告設定手段11は、複数の車両2(
図1参照)や、車両2の管理者(例えば、ドライバー等)に、当該車両2を利用した広告である車両広告を設定する。広告設定手段11は、予め記憶手段20に記憶された、広告主から依頼された広告に関する広告情報を、記憶手段20から読み出し、読み出した広告情報を、複数の車両2や、車両2の管理者(管理者を識別する管理者識別情報)に対応付ける。本実施形態において、広告情報には、広告を識別する広告識別情報や、広告を、車両2に設けられた広告手段3(デジタルサイネージ(電子看板)や、スピーカ等)で広告可能な画像情報や音声情報等が含まれる。
【0035】
また、広告設定手段11は、車両端末50(車両2)から後述する位置情報を取得する毎に、車両2が位置する領域R(
図1参照)に応じた広告情報を、管理者識別情報に対応付けてもよい。この場合、記憶手段20に、各領域Rに対して、各領域Rの属性(例えば、通行人の年齢層、通行車両の種別(自家用車、商用車等)等)に応じた、適切な広告情報が対応付けて記憶されているのが望ましい。
【0036】
なお、広告設定手段11は、記憶手段20に記憶されたものに限らず、例えば、広告主の端末等から提供された広告に関する広告情報を、車両2や車両2の管理者識別情報に対応付けてもよい。
【0037】
地図情報取得手段12は、車両2が通行する道の地
図M(
図1参照)を示す地図情報を取得する。地図情報取得手段12は、予め記憶手段20に記憶された地図情報を読み出す。なお、地図情報取得手段12は、記憶手段20に限らず、例えば、地図情報を提供する外部装置から地図情報を取得してもよい。
【0038】
領域設定手段13は、地
図Mに、複数の領域R(
図1参照)を設定する。具体的には、領域設定手段13は、地図情報取得手段12が取得した地
図M(
図1参照)に対して、所定間隔(例えば、100m~1km間隔等)で、縦横(例えば、東西方向、南北方向)の仮想線を複数配置し、この仮想線で囲われたそれぞれの範囲を複数の領域Rとして設定する。また、領域設定手段13は、設定した複数の領域Rに、それぞれ識別するための領域識別情報を設定し、記憶手段20に記憶する。
【0039】
評価値決定手段14は、領域R(
図1参照)の評価値を、領域R毎に決定する。詳細には、評価値決定手段14は、車両2(
図1参照)の周囲に位置する他車両及び/又は人が入れ替わる可能性を示す期待値に基づく評価値を決定する。具体的には、評価値決定手段14は、地図情報取得手段12が取得した地
図M(
図1参照)に基づき、記憶手段20に記憶された期待値テーブルを参照して、領域設定手段13に設定した領域R(
図1参照)それぞれに対して、評価値を決定する。
【0040】
図3は、本発明の実施形態に係る車両用の期待値テーブルの一例を説明する図である。
車両用の期待値テーブルは、主に、領域Rにおける道路態様に応じて、車両2(
図1参照)の周囲に位置する他車両が入れ替わる可能性の程度を規定している。
図3に示す例では、道路態様として、車線数、他の道との接続の有無に、期待値が対応付けられている。なお、
図3に示す例は、車両用の期待値テーブルの一例であり、期待値は、任意の基準に基づき、車両2の周囲に位置する他車両が入れ替わる可能性の程度を規定することができる。
【0041】
ここで、車線数が多いほど、車両2(
図1参照)の周囲に位置する他車両が入れ替わる可能性が高くなる。また、他の道との接続の有無について、ある道が一本道で、他の道との接続が無い場合より、他の道との接続が有る場合の方が、車両2の周囲に位置する他車両が入れ替わる可能性が高くなる。また、他の道との接続が交差点を形成する場合、更に、車両2の周囲に位置する他車両が入れ替わる可能性が高くなる。
【0042】
図4は、本発明の実施形態に係る車両広告装置の評価値決定手段による評価値の決定の概念を説明する図である。
図4に示すa1~3,b1~3,c1~3は、領域設定手段13が設定した領域識別情報である。なお、領域設定手段13は、全ての領域Rに対して、領域識別情報を設定しているが、
図4では、以下の説明で用いるa1~3,b1~3,c1~3のみを示している。
【0043】
図4に示す例において、領域識別情報a1の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)が延びる領域であり、接続する他の道はない。
領域識別情報a2の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)と、比較的道幅の狭い道(例えば、1車線の道路)とが、交差している領域である。
領域識別情報a3の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)に、比較的道幅の狭い道(例えば、1車線の道路)が、接続している領域である。
領域識別情報b1の領域Rは、比較的道幅の狭い道(例えば、1車線の道路)と、他の比較的道幅の狭い道とが複数箇所で接続している領域である。
領域識別情報b2の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)が延びる領域であり、接続する他の道はない。
領域識別情報b3の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)と、他の比較的道幅の広い道とが交差している領域である。
領域識別情報c1の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)が延びる領域であり、接続する他の道はない。
領域識別情報c2の領域Rは、比較的道幅の広い道(例えば、2車線の道路)に、比較的道幅の狭い道(例えば、1車線の道路)が、接続している領域である。
領域識別情報c3の領域Rは、比較的道幅の狭い道(例えば、1車線の道路)と、他の比較的道幅の狭い道とが接続している領域である。
【0044】
図3及び
図4に示す例において、領域識別情報a1の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が接続無しとして、期待値3(2+1)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報a2の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が交差点有りとして、期待値5(2+3)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報a3の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が接続有りとして、期待値4(2+2)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報b1の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が1、他の道との接続の有無が接続有り2ヶ所として、期待値5(1+2×2)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報b2の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が接続無しとして、期待値3(2+1)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報b3の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が交差点有りとして、期待値5(2+3)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報c1の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が接続無しとして、期待値3(2+1)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報c2の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が2、他の道との接続の有無が接続有りとして、期待値4(2+2)に基づく評価値を決定する。
領域識別情報c3の領域Rに対して、評価値決定手段14は、車線数が1、他の道との接続の有無が接続有りとして、期待値3(1+2)に基づく評価値を決定する。
【0045】
また、記憶手段20には、車両2(
図1参照)の周囲に位置する人が入れ替わる可能性の程度を規定した人用の期待値テーブルが記憶されている。この人用の期待値テーブルは、例えば、人の往来が期待される場所(例えば、電車の駅や、大型小売店等)を含む位置が、最も高い期待値が規定され、この位置から離れるほど、期待値が低下するように規定されている。
【0046】
また、記憶手段20には、期待値を補正する補正値テーブルが記憶されている。この補正値テーブルには、時間帯に応じた補正値が規定され、例えば、車両や人の通行量が多い時間帯により大きな値が規定され、車両や人の通行量が少ない時間帯には小さな値が規定されている。
【0047】
評価値決定手段14は、例えば、各領域Rに対して、車両用の期待値テーブルと、人用の期待値テーブルと、に基づき、補正値テーブルを参照して、時間帯毎の評価値を決定する。例えば、評価値決定手段14は、各領域Rに対して、車両用の期待値テーブルに基づき決定した期待値と、人用の期待値テーブルに基づき決定した期待値と、を合算した合算値を算出し、時間帯毎に、合算値に補正値を乗算して、評価値を決定する。
【0048】
図2に戻って、位置情報取得手段15は、車両端末50(車両2)から、当該車両端末50(車両2)の位置情報を、所定間隔(例えば、1秒間隔や、1分間隔等)で取得し、取得した位置情報を、取得した日時と位置情報を送信した車両2の管理者識別情報に対応づけて、記憶手段20に記憶する。
【0049】
また、位置情報取得手段15は、車両端末50から、位置情報とともに、車両端末50が広告手段3と近距離(例えば、近距離通信で通信可能な距離)にあることを示す保証情報を取得してもよい。この場合、位置情報取得手段15は、位置情報だけを取得し、保証情報を取得できない場合には、当該位置情報を削除してもよい。これにより、車両端末50が、広告手段3とは別に移動している場合(例えば、車両端末50の管理者が、広告手段3が設けられた車両2以外の車両で移動しているような場合)にもかかわらず、車両広告の効果を判定してしまうのを防止できる。
【0050】
車両状態情報生成手段16は、位置情報取得手段15が取得した位置情報に基づき、領域Rにおける車両の状態を示す車両状態情報を生成し、生成した車両状態情報を、位置情報取得手段15が位置情報を取得した日時と位置情報を送信した車両2の管理者識別情報に対応づけて、記憶手段20に記憶する。具体的には、車両状態情報生成手段16は、位置情報から、領域設定手段13が設定した複数の領域R(
図1参照)のいずれの領域Rを、車両2が通行中かを判断する。
【0051】
また、車両状態情報生成手段16は、所定間隔で連続的に取得された位置情報に基づき、車両2の推定される移動速度を算出し、記憶手段20に記憶された移動速度と移動速度補正値とが対応付けられた移動速度補正値テーブルを参照して、移動速度補正値を決定し、この移動速度補正値を含む車両状態情報を生成する。例えば、車両状態情報生成手段16は、ある領域Rにおいて、所定間隔で連続的に取得された位置情報の個数に基づき、車両2が、ある領域Rを通行した移動速度を推定してもよいし、所定間隔で連続的に取得された位置情報の移動距離から、車両2の移動速度を推定してもよい。また、車両状態情報には、移動速度補正値のみでなく、その他、車両広告の効果が変動する補正値を含んでもよい。
【0052】
例えば、車両状態情報生成手段16は、ある領域Rにおいて、取得された位置情報の個数が多いほど(車両2の移動速度が遅いほど)、より高い値の移動速度補正値を決定する。なお、車両状態情報生成手段16は、ある領域Rにおいて、算出した移動速度が遅いほど、より高い値の移動速度補正値を決定してもよい。
【0053】
図2に戻って、判定手段17は、評価値決定手段14が決定した評価値と、車両状態情報生成手段16が生成した車両状態情報とに基づき、車両広告の効果を判定する。詳細には、判定手段17は、ある領域Rに対して、評価値決定手段14が決定した評価値に、車両状態情報生成手段16が生成した車両状態情報の移動速度補正値を乗算することで、ある領域Rを1回通行した場合の車両広告の効果を相対的に示す効果値を算出し、位置情報を送信した車両2の管理者識別情報に対応づけて、記憶手段20に記憶する。また、評価値決定手段14は、ある車両2の管理者識別情報に対して、予め設定された合算期間(例えば、1日等)における効果値を合算することで、合算効果値を算出して、記憶手段20に記憶する。
【0054】
付加地図情報生成手段18は、地図情報に、領域毎に、評価値を示す評価値情報を付加した付加地図情報を、生成する。
図5は、本発明の実施形態に係る車両広告装置により生成された付加地図情報に基づく表示画像の一例を示す図である。
付加地図情報生成手段18は、地
図Mを表示する地図表示層に、各領域Rを、各領域Rの評価値の大きさに応じた表示態様で表示する評価値表示層を重ねた付加地図画像を表示するための付加地図情報を生成する。
図5に示す例では、付加地図情報生成手段18は、各領域Rの評価値が大きいほど、各領域Rにおける表示態様(
図5に示す例では塗りつぶし)の明度や透明度が低くなる評価値表示層を生成している。なお、付加地図情報生成手段18による評価値の大きさに応じた表示態様は、表示態様の明度や透明度の変化に限られず、評価値の大きさに応じた色としてもよい。また、付加地図情報生成手段18による評価値の大きさに応じた表示態様は、各領域Rを全体的に塗りつぶす態様に限らず、例えば、ヒートマップの態様としてもよい。
【0055】
また、付加地図情報生成手段18は、比較的、評価値が高い領域Rを通るルートROを表示する推奨ルート表示層を重ねた付加地図画像を表示するための付加地図情報を生成してもよい。
【0056】
図2に戻って、送信手段19は、付加地図情報生成手段18が生成した付加地図情報や、広告設定手段11が設定した広告情報を、車両端末50に送信する。
【0057】
(車両端末)
車両端末50は、例えば、スマートフォンやタブレットやナビゲーション装置等で構成され、広告手段3が設けられた車両2(
図1参照)とともに移動し、位置情報取得手段51と、端末制御手段52と、送受信手段53と、入出力手段54と、を備える。
【0058】
広告手段3は、例えば、車両2のボディーに付され、広告内容を表示するシール、塗装等や、車両端末50と接続され、車両端末50の制御により、広告情報を表示する表示手段(デジタルサイネージ(電子看板)や外部ディスプレイ等)や、車両端末50と接続され、車両端末50の制御により、広告情報の音声を発する音声発声手段(例えば、スピーカや、アンプ等)で構成される。
【0059】
また、広告手段3は、近距離通信可能な車両端末50で受信可能な信号を発信するビーコンを備え、信号を発信してもよい。
【0060】
位置情報取得手段51は、GPS(Global Positioning Systems)で構成され、所定間隔(例えば、1秒間隔や、1分間隔等)で、現在の位置情報を取得する。
【0061】
端末制御手段52は、位置情報取得手段51が取得した位置情報を、送受信手段53を介して、車両広告装置1に送信する。また、端末制御手段52は、広告手段3が発信する信号を受信した場合には、位置情報ともに、車両端末50が広告手段3と近距離(例えば、近距離通信で通信可能な距離)にあることを示す保証情報を送信する。
【0062】
また、端末制御手段52は、車両広告装置1から付加地図情報を受信した場合には、例えば、タッチパネルで構成された入出力手段54に、受信した付加地図情報に基づく付加地図画像(
図5参照)を表示する。
【0063】
また、端末制御手段52は、車両広告装置1から広告情報を受信した場合には、広告手段3に、受信した広告情報に基づく広告を表示させたり、音声を発声させたりする。
【0064】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信装置(例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス、第3世代、第4世代及び第5世代移動通信システム等の国際電気通信連合の規格に準拠した無線デバイス等))を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0065】
[処理フロー]
図6は、本発明の実施形態に係る車両広告装置が実行する車両広告処理フローを示す図である。
【0066】
ステップS1において、広告設定手段11は、複数の車両2や、車両2の管理者に、当該車両2を利用した広告である車両広告を設定する。
【0067】
ステップS2において、地図情報取得手段12は、ステップS1で車両広告を設定した車両2が通行する道の地
図M(
図1参照)を示す地図情報を取得する。
【0068】
ステップS3において、領域設定手段13は、ステップS2で、地図情報取得手段12が取得した地
図Mに、複数の領域R(
図1参照)を設定する。
【0069】
ステップS4において、評価値決定手段14は、ステップS3で、領域設定手段13が設定した領域R(
図1参照)の評価値を、領域R毎に決定する。
【0070】
ステップS5において、位置情報取得手段15は、車両端末50(車両2)から、当該車両端末50(車両2)の位置情報を、所定間隔(例えば、1秒間隔や、1分間隔等)で取得する。
【0071】
ステップS6において、車両状態情報生成手段16は、ステップS5で、位置情報取得手段15が取得した位置情報に基づき、領域Rにおける車両の状態を示す車両状態情報を生成する。
【0072】
ステップS7において、判定手段17は、ステップS4で、評価値決定手段14が決定した評価値と、ステップS6で、車両状態情報生成手段16が生成した車両状態情報とに基づき、車両広告の効果を判定する。
【0073】
このような車両広告装置1によれば、地
図Mに、複数の領域Rを設定し、この領域Rの評価値を、領域R毎に決定し、領域Rの評価値と、当該領域Rにおける車両2の状態を示す車両状態情報とに基づき、車両広告の効果を判定する。
これにより、例えば、より高い広告の効果が見込まれる領域Rに、より高い評価値を設定し、この評価値と、当該領域Rにおける車両2の状態を示す車両状態情報とに基づき、車両広告の効果を判定することで、より評価値が高い領域Rを車両2が通行した場合に、広告の効果が高いと判定することができる。一方、より評価値が低い領域Rを車両2が通行した場合に、広告の効果が低いと判定することができる。よって、車両2が通行した領域に応じて、適正に、広告の効果を判定できる。
したがって、車両を利用した広告である車両広告の効果を判定することが可能な車両広告装置を提供できる。
【0074】
また、車両広告装置1によれば、車両広告を行う車両2に近接する他の車両や、広告を目にする人が入れ替わる(車両広告を目にする者が入れ替わる)可能性を期待値に基づき、評価値を決定するので、より適正に、広告の効果を判定できる。
【0075】
また、車両広告装置1によれば、地図情報に、領域R毎の評価値を示す評価値情報を付加した付加地図情報を、車両2又は車両2に乗車しているドライバーの車両端末50に送信できる。
これにより、ドライバーが、付加地図情報の評価値がより高い領域Rを、車両2で通行することで、車両広告の効果を向上できる。
【0076】
〈代表的な実施形態〉
次に、添付図面を参照して、本発明の代表的な実施形態について詳細に説明する。以下においては、先述した基本的な実施形態と同類の要素には、同一の番号又は符号を付して説明を省略する。
【0077】
[基本概念/基本構成]
図7は、本発明の代表的な実施形態に係る車両広告システムの概要を説明する図である。
本実施形態の車両広告システム1000は、車両広告装置10及び車両端末50を備え、各所に在する多数の人Pが携帯するスマートフォン等のモバイル端末60に、ネットワークを介して接続可能である。
【0078】
本実施形態において、車両広告の「効果」とは、車両広告が、より多数の人に視認又は聞かれた可能性を示すほか、その視認等した人が広告内容に興味をもったか、さらには広告内容に応じて来店や物品購入に至ったか等の影響力を示すものである。
【0079】
車両広告装置10は、本実施形態においては、車両2から例えば
図7に破線で示す数十メートル以内といった所定距離内にいる人Pを、車両広告を認識したであろう人Pとしてその認識可能人数を推定し、当該認識可能人数に応じてそれぞれ評価値を決定する。また、車両広告装置10は、車両広告を認識したであろう人Pのモバイル端末60から、いわゆるCookieに基づいて広告に係る閲覧履歴情報を取得し、当該閲覧履歴情報に応じてそれぞれ評価値を決定する。さらに、車両広告装置10は、車両広告を認識したであろう人Pのモバイル端末60から、広告用の端末識別情報(いわゆる広告識別子)を取得し、当該端末識別情報に基づき、車両広告に対応する店舗の来店や物品の購入があったか否かを示す広告利用情報を収集し、当該広告利用情報に応じてそれぞれ評価値を決定する。例えば、認識可能人数が相対的に多いほど、より高い評価値が決定される。また、例えば、車両広告に対応する広告サイトを閲覧した人や、車両広告に応じた来店や物品購入をした人が多いほど、より高い評価値が決定される。
【0080】
車両広告装置10は、先述した基本的な実施形態と同様に、車両2の位置情報を取得するほか、例えば車両2の所定距離内に所在する多数の人Pのモバイル端末60から、現在地情報、広告用の端末識別情報、広告に係る閲覧履歴情報を取得する。なお、現在地情報は、基本的に車両2の通行時点におけるモバイル端末60の現在地を示すものとして取得されるほか、その後、車両広告の店舗に人Pが来店した際にも取得される。広告用の端末識別情報、広告に係る閲覧履歴情報は、車両2の通行時点にも取得されるが、その後においても適時取得され、そうして事後的に取得された情報が主に利用される。
【0081】
なお、具体的なモバイル端末60からの情報取得方法としては、次のような技術が適用される。
例えば、モバイル端末60に専用アプリがインストールされている場合、当該専用アプリが所定の時間間隔(例えば1分毎等)でモバイル端末60から車両広告装置10に対して現在地情報、端末識別情報等を送信する。これにより、車両広告装置10は、モバイル端末60から各種の情報を取得することができる。
【0082】
また、専用アプリがインストールされていないモバイル端末60の場合、車両2自体や通行予定の道路周辺等に通信情報取得装置が設けられ、この通信情報取得装置によってモバイル端末60が発する通信情報を取得し、取得した通信情報に基づき該当するモバイル端末60から現在地情報やMACアドレス等をさらに取得し、これらの情報が車両広告装置10にネットワークを介して送信される。通信情報取得装置は、いわゆるWiFiパケットセンサ又はブルートゥース(登録商標)といった通信手段により通信情報を取得する。例えば、WiFiパケットセンサによれば、モバイル端末60が発するWiFiのプローブリクエストを通信情報として取得可能であり、このプローブリクエストに基づいてモバイル端末60から現在地情報やMACアドレス等を取得することができる。これにより、車両広告装置10は、上記専用アプリがインストールされていない場合でも、不特定多数のモバイル端末60からも各種の情報を取得することができる。
【0083】
車両広告装置10は、取得した車両2の位置情報とモバイル端末60の現在地情報とに基づき、車両2から例えば数十メートルといった所定距離内に存在する人Pを特定し、これら人Pの人数を車両広告の認識可能人数として推定する。こうして推定された認識可能人数は、観衆情報の一要素として生成される。その後、車両広告装置10は、取得した広告の閲覧履歴情報に基づき、所定距離内にいた人Pが、車両広告の広告サイトを閲覧したか否かを示す広告関連性評価を生成する。広告関連性評価は、さらに観衆情報の一要素として生成される。また、その後、車両広告装置10は、取得した広告用の端末識別情報及び現在地情報に基づき、所定距離内にいた人Pが、車両広告の店舗への来店あるいは物品の購入を行った否かを示す広告利用情報を、その店舗位置あるいはその購入サイトの利用履歴等からネットワークを介して収集する。広告利用情報も、観衆情報の一要素として生成される。車両広告装置10は、例えば、認識可能人数、車両広告の閲覧人数、広告利用人数が多いほど、より高い値を示す観衆情報を生成する。
【0084】
そして、車両広告装置10は、車両状態情報のほか、観衆情報に基づき、車両広告の効果の判定値を算出する。この場合、車両広告装置10は、観衆情報の値が相対的に高いほど、より高い値の判定値を算出する。
【0085】
このような車両広告装置10によれば、例えば、車両広告を付した車両2の運行後、車両広告の認識可能人数、車両広告の閲覧人数、広告利用人数に基づき、運用実態に即した車両広告の効果を公正かつ正確に判定することができる。
したがって、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することが可能な車両広告装置を提供できる。
【0086】
[機能構成]
図8は、本発明の代表的な実施形態に係る車両広告システムの機能構成を示す図である。
車両広告システム1000は、車両広告装置10と、車両広告装置10にネットワークを介して接続された複数の車両端末50とを備える。
【0087】
(車両広告装置)
車両広告装置10は、先述した実施形態と同様に、広告設定手段11と、地図情報取得手段12と、領域設定手段13と、評価値決定手段14と、車両状態情報生成手段16と、判定手段17と、付加地図情報生成手段18と、送信手段19と、記憶手段20と、を備えるほか、情報取得手段30と、観衆情報生成手段31と、を備える。
【0088】
情報取得手段30は、車両端末50(車両2)から位置情報を取得するとともに、モバイル端末60(人P)から現在地情報、広告用の端末識別情報、広告に係る閲覧履歴情報を取得し、車両2の管理者識別情報に対応づけて、記憶手段20に記憶する。
【0089】
なお、モバイル端末60の現在地情報は、車両端末50の位置情報と同時に取得されるが、当該位置情報に基づき、例えば、車両2が通行中の後述する領域R内に所在するモバイル端末60に限って取得されてもよいし、当該領域R外のモバイル端末60からも取得されてもよい。広告用の端末識別情報は、現在地情報と同時に取得され、その後、当該端末識別情報と広告に係る閲覧履歴情報は、後述する観衆情報生成手段31により、通行中の車両2から所定距離内にあると推定されたモバイル端末60から例えば定期的に取得される。
【0090】
また、情報取得手段30は、取得した広告用の端末識別情報に基づき、例えば、この端末識別情報に対応するモバイル端末60から広告利用情報を取得する。なお、広告利用情報は、端末識別情報に基づき、広告サイトや商品購入サイト等を提供する外部サーバからも取得可能としてもよい。
【0091】
観衆情報生成手段31は、車両端末50の位置情報とモバイル端末60の現在地情報とに基づき、車両2から所定距離内にいる人Pの数を、車両広告を認識可能な人数として推定し、この認識可能人数を含む観衆情報を生成する。観衆情報は、対応する車両状態情報と対応付けて、記憶手段20に記憶される。
【0092】
その後、観衆情報生成手段31は、閲覧履歴情報及び広告利用情報に基づき、車両広告に対応する閲覧履歴の有無、店舗の訪問や物品購入といった広告利用の有無を示す広告関連性評価を作成し、当該広告関連性評価を対応する観衆情報に付加する。例えば、閲覧履歴が無く、広告利用も無い広告関連性評価は、最も低い値が設定され、閲覧履歴が有るが、広告利用が無い広告関連性評価は、より高い値が設定され、閲覧履歴が有り、広告利用も有る広告関連性評価は、最も高い値が設定される。
【0093】
図9は、本発明の代表的な実施形態に係る車両用の期待値テーブルの一例を説明する図である。
車両用の期待値テーブルは、基本的な実施形態で説明した道路態様に係る情報(
図3参照)のほか、認識可能人数及び広告関連性評価を含む観衆情報に応じた期待値が対応付けられている。
【0094】
期待値テーブルにおいては、認識可能人数が多いほど、値が高くなる。また、期待値テーブルにおいては、例えば、単に1人の認識可能人数よりも、閲覧履歴有りを示す1人の広告関連性評価の方が、値が高くなっている。さらに、期待値テーブルでは、例えば、閲覧履歴有りを示す1人の広告関連性評価よりも、広告利用有りを示す1人の広告関連性評価の方が、値が高くなっている。なお、期待値テーブルの値については、これに限らず、仕様に応じて適宜変更したり設定することができる。
【0095】
評価値決定手段14は、領域R毎に、道路態様に応じて評価値を決定し、さらにその後、観衆情報に基づき事後的に評価値を決定する。具体的に、評価値決定手段14は、地図情報取得手段12が取得した地
図M(
図10参照)に基づき、記憶手段20に記憶された期待値テーブルを参照して、領域Rそれぞれの評価値を決定し、その後、記憶手段20に記憶された観衆情報に基づき、各々の領域Rにおける認識可能人数及び広告関連性評価の値を決定する。なお、評価値決定手段14は、本実施形態においては領域R毎に観衆情報に基づく評価値を決定するが、これに限らず、任意態様で観衆情報に基づく評価値を決定してもよい。
【0096】
図10は、本発明の代表的な実施形態に係る車両広告装置の評価値決定手段による評価値の決定の概念を説明する図である。なお、評価値決定手段14は、全ての領域Rに対して、観衆情報を設定しているが、
図10では、以下の説明で用いるa1~3,b1~3,c1~3のみを示している。
【0097】
図10に示す例において、領域識別情報a1~a3,b1,b2の領域Rは、観衆情報に基づき、認識可能人数が0人に設定される。
領域識別情報b3の領域Rは、観衆情報に基づき、認識可能人数が7人として設定される。そのうち、広告関連性評価に基づき、閲覧履歴有り、あるいは、広告利用有りの人数が2人に設定される。図中において、認識可能人数は、現在地情報に対応付けて「〇」又は「●」で示される。そのうち、特に閲覧履歴有りや広告利用有りの人数は、それらに対応する現在地情報に対応付けて「●」で示される。以下、同様に、認識可能人数が「〇」又は「●」で示される。なお、本例では、一例として、閲覧履歴有りが1人で、広告利用有りが1人とする。
領域識別情報c1の領域Rは、観衆情報に基づき、認識可能人数が3人として設定される。
領域識別情報c2の領域Rは、観衆情報に基づき、認識可能人数が3人として設定され、そのうち、閲覧履歴有り又は広告利用有りの人数が1人に設定される。なお、本例では、一例として、閲覧履歴有りが1人とする。
領域識別情報c3の領域Rは、観衆情報に基づき、認識可能人数が1人として設定される。
【0098】
図9及び
図10に示す例において、領域識別情報b3の領域Rに対して、評価値決定手段14は、認識可能人数が7人で、閲覧履歴有り、広告利用有りの各人数が1人であることから、認識可能人数7人×期待値3+閲覧履歴有り人数1人×期待値5+広告利用有り人数1人×期待値10を計算し、その計算結果として評価値「36」を決定する。
同様に、領域識別情報c1の領域Rに対して、評価値決定手段14は、認識可能人数が3人であることから、認識可能人数3人×期待値3を計算し、その計算結果として評価値「9」を決定する。
同様に、領域識別情報c2の領域Rに対して、評価値決定手段14は、認識可能人数が3人で、閲覧履歴有りの人数が1人であることから、認識可能人数3人×期待値3+閲覧履歴有り人数1人×期待値5を計算し、その計算結果として評価値「14」を決定する。
同様に、領域識別情報c3の領域Rに対して、評価値決定手段14は、認識可能人数が1人であることから、認識可能人数1人×期待値3を計算し、その計算結果として評価値「3」を決定する。こうして決定された評価値は、領域R毎に対応するものとして記憶手段20に記憶される。
【0099】
このように、評価値決定手段14は、例えば、各領域Rに対して、期待値テーブルと、観衆情報と、に基づき、車両2の走行ルートに応じた評価値を決定する。判定手段17は、評価値決定手段14が決定した評価値を、車両広告の効果を相対的に示す効果値として判定し、車両2の管理者識別情報に対応づけて、領域R毎に記憶手段20に記憶する。
【0100】
付加地図情報生成手段18は、地図情報に、領域R毎に、車両広告の効果値を示す数値を付加した付加地図情報を、生成する。
図11は、本発明の代表的な実施形態に係る車両広告装置により生成された付加地図情報に基づく表示画像の一例を示す図である。
図11に示すように、付加地図情報生成手段18は、地
図M上の各領域Rに、車両広告の効果値を示す数値を表示する。なお、このような効果値の表示態様は、数値に限らず、数値の程度に応じた色やヒートマップで表示してもよい。また、効果値には、認識可能人数による効果と広告関連性評価に応じた効果が含まれるが、これらを各々区別して認識可能な態様(数値等)で表示するようにしてもよい。さらに、閲覧履歴有りによる効果値と広告利用有りによる効果値とを各々区別して認識可能な態様(数値等)で表示するようにしてもよい。
【0101】
(モバイル端末)
モバイル端末60は、例えば、スマートフォン等で構成され、現在地取得手段61と、端末制御手段62と、記憶手段63と、送受信手段64と、入出力手段65と、を備える。
【0102】
現在地取得手段61は、GPS(Global Positioning Systems)で構成され、所定間隔(例えば、1秒間隔や、1分間隔等)で、現在地情報を取得する。
【0103】
端末制御手段62は、モバイル端末60の、現在地情報、広告用の端末識別情報、広告の閲覧履歴情報を、送受信手段64を介して、車両広告装置10に送信する。例えば、端末制御手段62は、車両2の位置情報を受信した際に、現在地情報を車両広告装置10に送信する。端末制御手段62は、現在地情報に基づく店舗への来店、あるいは、入出力手段65を介して販売サイトからの物品の購入操作があった際に、その旨を示す広告利用情報と共に、広告用の端末識別情報を車両広告装置10に送信する。端末制御手段62は、入出力手段65を介して広告表示の選択操作に応じて広告サイトの閲覧があった際に、端末識別情報と共に、広告の閲覧履歴情報を車両広告装置10に送信する。
【0104】
記憶手段63には、随時、現在地情報が記憶されるほか、広告用の端末識別情報、広告の閲覧履歴情報が記憶される。なお、広告用の端末識別情報(広告識別子)は、例えば広告を伴うアプリをモバイル端末60にインストールすることで記憶されており、閲覧履歴情報は、モバイル端末60のOS(Operating System)により管理されるCookieとして記憶される。
【0105】
上記の本システムの機能構成(各機能処理部)は、先述した基本的な実施形態と同様に、CPUが実行可能なコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納された必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信装置)を制御することによって実現される。
【0106】
[処理フロー]
図12は、本発明の代表的な実施形態に係る車両広告装置が実行する車両広告処理フローを示す図である。
【0107】
ステップS1において、情報取得手段30は、車両端末50(車両2)から、当該車両端末50(車両2)の位置情報を、所定間隔(例えば、1秒間隔や、1分間隔等)で取得する。
【0108】
ステップS2において、情報取得手段30は、多数のモバイル端末60から、現在地情報、広告用の端末識別情報、広告の閲覧履歴情報等を取得する。具体的に、情報取得手段30は、ステップS1で取得した車両端末50の位置情報に基づき、走行中の車両2の所定距離内に所在するモバイル端末60から、現在地情報、端末識別情報を取得する。また、情報取得手段30は、先に取得した端末識別情報に基づき、当該端末識別情報に対応するモバイル端末60から、端末識別情報に基づく広告利用情報、広告の閲覧履歴情報を取得する。
【0109】
ステップS3において、観衆情報生成手段31は、主にステップS7で情報取得手段30が取得した各種の情報に基づき、観衆情報を生成する。具体的に、観衆情報生成手段31は、車両端末50の位置情報とモバイル端末60の現在地情報とに基づき、車両2から所定距離内にいる人Pを車両広告の認識可能な人Pと判断し、これらの人数を認識可能人数として観衆情報に書き込む。このとき、認識可能と判断された各人P(モバイル端末60)の端末識別情報も、対応する観衆情報に書き込まれる。
【0110】
その後、観衆情報生成手段31は、認識可能と判断された端末識別情報に対応するモバイル端末60から取得された広告利用情報、広告の閲覧履歴情報を参照し、広告利用の有無、閲覧履歴の有無について観衆情報を更新する。
【0111】
ステップS4において、評価値決定手段14は、ステップS8で、観衆情報生成手段31により生成された観衆情報に基づき、認識可能人数、車両広告に対応する広告利用の有無、車両広告の閲覧履歴の有無に応じた評価値を決定する。
【0112】
ステップS5において、判定手段17は、ステップS9で、評価値決定手段14が決定した評価値に基づき、車両広告の効果を判定する。
【0113】
このような車両広告装置10によれば、走行中の車両2の位置情報と、その車両2の位置から所定距離内に位置する人Pの現在地情報とに基づき、所定距離内における人Pを車両広告の認識可能な人数として推定することができ、この認識可能人数に応じた評価値により、車両広告の効果を判定することができる。
したがって、車両広告を認識した推定人数に応じて車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することができる。
【0114】
また、車両広告装置10によれば、広告用の端末識別情報に基づき取得された広告利用情報に応じて広告の効果が判定され、当該広告利用情報に車両広告と関連する情報が含まれる場合は、広告の効果が相対的に高い評価値として判定されるので、車両広告を認識した人の広告利用動向に応じて、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することができる。
【0115】
また、車両広告装置10によれば、モバイル端末60から取得された広告の閲覧履歴情報に応じて広告の効果が判定され、当該閲覧履歴情報に車両広告と関連する情報が含まれる場合は、広告の効果が相対的に高い評価値として判定されるので、車両広告を認識した人の広告閲覧状況に応じて、車両広告による広告効果を公平かつ正確に判定することができる。
【0116】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、車両広告装置について説明したが、本発明において車両広告装置が実行する方法や、車両広告装置を各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【0117】
例えば、上記実施形態では、車両広告装置1がモバイル端末60から各種の情報を一方的に取得するようになっているが、他の例として、先述した専用アプリやWiFiパケットセンサ等によって車両2の所定距離内に位置する人Pのモバイル端末60を特定することができれば、車両広告装置1から、車両2に付された広告に関する広告情報(例えば、広告している商品自体の情報や、当該商品を提供するメーカのホームページを示す情報等)を、当該モバイル端末60に送信するようにしてもよい。
【0118】
また、例えば、車両広告による広告効果を検証したい地域に対しては、その地域全体に複数のWiFiパケットセンサを予め配置しておき、当該パケットセンサを介して所定時間毎にその地域に所在するモバイル端末60を特定することで地域全体の大凡の人数を取得するとともに、車両広告が付された車両2の所定距離内に位置する人数(車両付近人数)も取得するようにしてもよい。そうした場合、地域全体の人数(地域全体人数)に対する車両付近人数の割合を算出したり、車両付近人数に基づき車両広告を見たと推定される人数(推定人数)に対して所定時間内における車両2の往復移動等によって車両広告を見せたと推定される回数(平均回数)を推計することができ、そのような割合や平均回数に基づいて車両広告による広告効果を全体的かつ統計的にも評価してもよい。
【符号の説明】
【0119】
1,10 車両広告装置
2 車両
3 広告手段
11 広告設定手段
12 地図情報取得手段
13 領域設定手段
14 評価値決定手段
15 位置情報取得手段
16 車両状態情報生成手段
17 判定手段
18 付加地図情報生成手段
19 送信手段
20 記憶手段
30 情報取得手段(位置情報取得手段、端末情報取得手段)
31 観衆情報生成手段
50 車両端末
51 位置情報取得手段
52 端末制御手段
53 送受信手段
54 入出力手段
60 モバイル端末(端末)
61 現在地取得手段
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