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特開2023-15984ノーパンクタイヤ用充填体とその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015984
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】ノーパンクタイヤ用充填体とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/10 20060101AFI20230125BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20230125BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20230125BHJP
   B60C 7/00 20060101ALI20230125BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C08G18/10
C08G18/48 054
C08G18/76 057
C08G18/76 078
B60C7/00 B
B60C1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071455
(22)【出願日】2022-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2021119361
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】594040877
【氏名又は名称】井上護謨工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(71)【出願人】
【識別番号】594040877
【氏名又は名称】井上護謨工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098752
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 吏規夫
(72)【発明者】
【氏名】牧原 伸征
(72)【発明者】
【氏名】常国 冬広
【テーマコード(参考)】
3D131
4J034
【Fターム(参考)】
3D131AA27
3D131BA01
3D131BA05
3D131BA07
3D131BA18
3D131BB16
3D131BB19
3D131BC02
3D131BC05
3D131BC42
3D131CC02
3D131LA28
4J034CA04
4J034CB03
4J034CC03
4J034CC12
4J034CC23
4J034CC26
4J034CC45
4J034CC52
4J034CC61
4J034CC65
4J034CC67
4J034CD05
4J034CD13
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB04
4J034DF01
4J034DF02
4J034DF12
4J034DG03
4J034DG04
4J034DG06
4J034HA01
4J034HA02
4J034HA06
4J034HA07
4J034HC12
4J034HC13
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034JA42
4J034QA02
4J034QA05
4J034QB01
4J034QB14
4J034RA12
(57)【要約】
【課題】反発弾性が高く、乗り心地が良好なノーパンクタイヤ用充填体の提供を目的とする。
【解決手段】タイヤ外皮20とリム25とで構成される環状の空間に収容されるノーパンクタイヤ用充填体10であって、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート(TODI)の少なくとも一方を備えるポリイソシアネートと、ポリオール100重量部中に90重量部を超えるポリテトラメチレングリコールを含むポリオールと、を含む組成物から作製されたプレポリマーを含む組成物を用いるプレポリマー法で形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ外皮とリムとで構成される環状の空間に収容されるノーパンクタイヤ用充填体であって、
1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート(TODI)の少なくとも一方を備えるポリイソシアネートと、
ポリオール100重量部中に90重量部を超えるポリテトラメチレングリコールを含むポリオールと、
を含む組成物から作製されたウレタンプレポリマーを含む組成物を用いるプレポリマー法で形成されたことを特徴とするノーパンクタイヤ用充填体。
【請求項2】
密度(JIS K6268準拠)が0.2~0.5g/cmであることを特徴とする請求項1に記載のノーパンクタイヤ用充填体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のノーパンクタイヤ用充填体の製造方法において、
前記ウレタンプレポリマーを含む組成物を金型内に投入し、プレポリマー法でウレタンエラストマーを形成することを特徴とするノーパンクタイヤ用充填体の製造方法。
【請求項4】
前記ポリテトラメチレングリコールは、重量平均分子量が1500~3500であることを特徴とする請求項3に記載のノーパンクタイヤ用充填体の製造方法。
【請求項5】
前記金型への前記ウレタンプレポリマーを含む組成物の投入量は、前記金型のキャビティ容積の20~60vol%であることを特徴とする請求項3に記載のノーパンクタイヤ用充填体の製造方法。
【請求項6】
前記金型への前記ウレタンプレポリマーを含む組成物の投入量は、前記金型のキャビティ容積の20~60vol%であることを特徴とする請求項4に記載のノーパンクタイヤ用充填体の製造方法。
【請求項7】
反発弾性率(JIS K6255準拠)が80%以上のウレタンエラストマーで構成されたノーパンクタイヤ用充填体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノーパンクタイヤ用充填体とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車等のタイヤに釘類が刺さってもパンクしないノーパンクタイヤとして、空気が圧入される空気チューブに代えて、ノーパンクタイヤ用充填体をタイヤ外皮とリムとで構成される環状の空間に収容するものがある(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
特許文献1には、ノーパンクタイヤ用充填体を、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを主成分として断面円形に成形された独立気泡の弾性発泡体と、前記弾性発泡体の外周面に一体成形されたブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを主成分とするソリッド被膜とで構成したものが提案されている。
特許文献2には、ノーパンクタイヤ用充填体を、発泡スチレンエラストマーで構成したものが提案されている。
しかし、従来のノーパンクタイヤには、さらに反発弾性が高く、乗り心地が良好なことが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-300426号公報
【特許文献2】特開2010-111378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、反発弾性が高く、乗り心地が良好になる新規なノーパンクタイヤ用充填体とその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、タイヤ外皮とリムとで構成される環状の空間に収容されるノーパンクタイヤ用充填体であって、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート(TODI)の少なくとも一方を備えるポリイソシアネートと、ポリオール100重量部中に90重量部を超えるポリテトラメチレングリコールを含むポリオールと、を含む組成物から作製されたウレタンプレポリマーを含む組成物を用いるプレポリマー法で形成されたことを特徴とする。
【0007】
第2態様は、密度(JIS 6268準拠)が0.2~0.5g/cmであることを特徴とする。
【0008】
第3態様は、第1態様または第2態様のノーパンクタイヤ用充填体の製造方法において、前記ウレタンプレポリマーを含む組成物を金型内に投入し、プレポリマー法でウレタンエラストマーを形成することを特徴とする。
【0009】
第4態様は、第3態様において、前記ポリテトラメチレングリコールは、重量平均分子量が1500~3500であることを特徴とする。
【0010】
第5態様は、第3態様において、前記金型への前記ウレタンプレポリマーを含む組成物の投入量は、前記金型のキャビティ容積の20~60vol%であることを特徴とする。
【0011】
第6態様は、第4態様において、前記金型への前記ウレタンプレポリマーを含む組成物の投入量は、前記金型のキャビティ容積の20~60vol%であることを特徴とする。
【0012】
第7態様は、反発弾性率(JIS K6255準拠)が80%以上のウレタンエラストマーで構成されたノーパンクタイヤ用充填体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、反発弾性が高く、乗り心地が良好なノーパンクタイヤ用充填体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態のノーパンクタイヤ用充填体の部分断面斜視図である。
図2】タイヤ外皮とリムとで構成される環状の空間及びノーパンクタイヤ用充填体を示す断面図である。
図3】実施例と比較例の構成と物性を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明における実施形態について説明する。図1に示すノーパンクタイヤ用充填体10は、図2に示すような自転車等のタイヤ外皮20とリム25で構成される環状の空間27に収容されるものである。タイヤ外皮20とリム25は、空気チューブを使用する通常の自転車等に用いられるものを使用することができる。
【0016】
本発明のノーパンクタイヤ用充填体10は、ポリイソシアネートとポリオールとを含む組成物から作製されたウレタンプレポリマーを含む組成物を用いるプレポリマー法で形成されたウレタンエラストマーで構成され、環状の空間27に収容可能な略円形な断面形状をしている。
【0017】
ノーパンクタイヤ用充填体10は、予め環状に成形されたものに限られず、所定長の直線状あるいは円弧状に成形された複数の分割体あるいは1本の成形体を環状の空間27に収容して環状にするものでもよい。ノーパンクタイヤ用充填体10を複数の分割体で構成する場合、環状の空間27内で互いに隣接する分割体同士は、接着等で接合してもよく、あるいは接着させないで単に端面が隣り合う状態としてもよい。
【0018】
ウレタンプレポリマーのためのポリイソシアネートは、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート(TODI)の少なくとも一方のイソシアネートが用いられる。より好ましくは、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)の単独使用である。
【0019】
また、ウレタンプレポリマーのためのポリオールは、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)を、ポリオール100重量部中に90重量部を超える量含むポリオールが用いられる。より好ましくは、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)の単独使用である。
ポリオール100重量部中に90重量部を超える量のポリテトラメチレングリコールを含むことにより、ノーパンクタイヤ用充填体10の反発弾性を高くし、乗り心地を良好にすることができ、また、高い耐加水分解性と物理的強度、歪特性等に優れた一般物性が期待できる。ノーパンクタイヤ用充填体10は、使用中にタイヤ外皮20とリム25間の隙間から環状の空間27に雨水等の水が侵入して、ノーパンクタイヤ用充填体10と水が接触することが避けられないため、耐加水分解性が高くないと耐久性の低下を生じることになる。
ポリテトラメチレングリコールの重量平均分子量は1500~3500が好ましい。重量平均分子量1500~3500のポリテトラメチレングリコールを使用することにより、反発弾性をより高いものにできる。
【0020】
ポリオール100重量部中に含まれるポリテトラメチレングリコールの量が100重量部未満の場合に、ポリテトラメチレングリコールと共に使用される残りのポリオールとしては、重量平均分子量1000~3000、官能基数2のポリオールが1種または2種以上用いられる。重量平均分子量1000~3000、官能基数2のポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
【0021】
プレポリマー法によるノーパンクタイヤ用充填体10の製造について説明する。
第1工程:前記ポリイソシアネートと前記ポリオールとを含む組成物からウレタンプレポリマーを作製する。
具体的には、前記ポリオールと化学量論的に過剰の前記ポリイソシアネートを反応させてイソシアネートの含有量が3~10重量%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー(B液)を作製する。その際、シリコーン系整泡剤等の界面活性剤を添加してもよい。
【0022】
第2工程:ウレタンプレポリマー(B液)を含む組成物を金型に投入してノーパンクタイヤ用充填体を作製する。
具体的には、2個の好ましくは1級のヒドロキシル基および56~210g/molの重量平均分子量を有する脂肪族ジオール、3官能ポリオール、水、これらの混合物、および芳香族ジアミンから選ばれる少なくとも1種の発泡液(A液)を、ウレタンプレポリマー(B液)のイソシアネート基のmol%と発泡液(A液)のヒドロキシル基のmol%の比率、すなわち[B液のイソシアネート基mol%/A液のヒドロキシル基のmol%]の値が1.0~1.3となるような量でウレタンプレポリマー(B液)と混合し、該混合物をノーパンクタイヤ用充填体のキャビティを有する金型に投入し、反応硬化後に成形品を脱型する。なお、発泡液(A液)には必要に応じて整泡剤あるいは界面活性剤、老化防止剤を添加してもよい。
金型への混合物の投入量は、発泡剤として機能する水分量、水の添加量と相関のある発泡倍率によって違ってくるが、ノーパンクタイヤ用充填体の軽さと強度(耐久性)のバランスの点から、前記金型のキャビティの容積の20~60vol%の量が好適である。
【0023】
第2工程で使用する脂肪族ジオールとしては、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、シクロヘキサンジオール等を挙げることができる。
芳香族ジアミンとしては、メチレンビス-o-クロロアニリン、3,5-ジアミノ-p-クロロイソブチルベンゾエート、トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート等を挙げることができる。
整泡剤は、ウレタンエラストマー用として公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤を挙げることができる。
界面活性剤及び老化防止剤は、ウレタンエラストマー用として公知のものを使用することができる。
【0024】
本発明のノーパンクタイヤ用充填体10は、軽量性の観点から、密度(JIS K6268準拠)が0.2~0.5g/cmが好ましい。
また、本発明のノーパンクタイヤ用充填体10は、前記ウレタンプレポリマーを含む組成物からプレポリマー法で製造されることにより、反発弾性率(JIS K6255に準拠)を80%以上にすることができ、このノーパンクタイヤ用充填体10が装着された自転車等の乗り心地を良好なものにできる。
【0025】
本発明のノーパンクタイヤ用充填体10は、表面硬度(アスカーC硬度、JIS K6253準拠)が50~60であるのが好ましい。表面硬度(アスカーC硬度)が低すぎると、走行時のタイヤの抵抗が大きくなり、高すぎると路面の凹凸による衝撃が大になる。
本発明のノーパンクタイヤ用充填体10は、引張強度(JIS K6251準拠)が2.0MPa以上であるのが好ましい。
【0026】
また、本発明のノーパンクタイヤ用充填体10は、温度域:-100~100℃、昇温速度:6℃/分、モード:パラレルプレートモード、歪み:0.5%、周波数1Hzの試験条件で、ARES-G2 TAインスツルメンツにより測定した粘弾性(tanδ/20℃)が0.025%以下であるのが好ましく、より好ましくは0.02%以下である。粘弾性(tanδ/20℃)は、値が小さくなると、反発弾性力が大きくなって乗り心地が良好になり、かつ転がり抵抗が小さくなるため、ノーパンクタイヤ用充填体10を装着した自転車等のペダルを漕ぐ力を小さくでき、快適に乗ることができる。
【実施例0027】
以下に本発明の実施例及び比較例について記載する。
<第1工程>
次のポリオールとポリイソシアネートとを、図3に示す配合で用いてウレタンプレポリマー(B液)を作製した。
[ポリオール]
・PTMG-1:ポリテトラメチレングリコール、重量平均分子量2000、品名;PTMG2000、三菱化学株式会社製
・PTMG-2:ポリテトラメチレングリコール、重量平均分子量3000、品名;PTMG3000、三菱化学株式会社製
・PPG:ポリプロピレングリコール、重量平均分子量2000、品名:プライムポール FH2202、三洋化成工業株式会社製
[ポリイソシアネート]
・1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、品名:Desmodur15、住化バイエルウレタン株式会社製
【0028】
[ウレタンプレポリマーの作製]
容量20Lの金属製反応釜に、規定量(図3に示すポリオールとポリイソシアネートの配合量に応じた量)のポリオールを投入し、130℃に温調する。
反応釜を130℃に保持した状態で、規定量(図3に示すポリオールとポリイソシアネートの配合量に応じた量)のポリイソシアネートを投入し、20分間撹拌する。
反応釜を室温で放置し、徐冷することにより、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを作製する。
【0029】
<第2工程>
作製したウレタンプレポリマー(B液)と発泡液(A液)を用いて、物性測定用の成形品(テストピース)を、次のようにして製造した。
[発泡液]
発泡液(A液)は、ひまし油と水を1:1で含む発泡剤と、アミン触媒(アミン触媒、品名;Addocat PP、ラインケミー製)とを、図3に示す配合で混合したものを使用した。
【0030】
[成形品の製造]
80℃に温調したウレタンプレポリマー(B液)と40℃に温調した発泡液(A液)を、図3に示すウレタンプレポリマー配合量と発泡液配合量の比率で配合し、低圧注入機で撹拌・混合し、混合物の330g(目標密度0.5g/cm)を予め80℃に温調した金型内(200×110×30mm)へ投入し、30分間キュア(一次キュア)を行う。
キュア(一次キュア)後に金型から取り出し、100℃で12時間、更にキュア(二次キュア)を行い、成形品を得る。
【0031】
<物性の測定>
成形品に対し、密度(JIS K6268準拠)、反発弾性率(JIS K6255準拠)、表面硬度(アスカーC硬度、JIS k6253準拠)、引張強度(JIS K6251準拠)、tanδ/20℃をそれぞれ測定した。tanδ/20℃の測定条件は、前記のとおりである。
反発弾性率と表面硬度については、成形品の異なる3箇所の部位について測定し、3箇所の部位の測定値の最大値と最小値の差異をばらつきとした。反発弾性率のばらつきについては3%未満を「〇」、3%以上を「×」と判定し、表面硬度のばらつきについては3未満を「〇」、3以上を「×」と判定した。
【0032】
・実施例1
実施例1は、ポリオールとして重量平均分子量2000のポリテトラメチレングリコールを用い、ポリイソシアネートとして1,5-ナフタレンジイソシアネートを用いて作製したウレタンポリマーを使用した例である。
実施例1の成形品の物性は、密度が0.30g/cm、反発弾性率が81~82%、反発弾性率のばらつき1%、反発弾性率のばらつき判定「〇」、表面硬度(アスカーC硬度)55~56、表面硬度のばらつき1、表面硬度のばらつき判定「〇」、引張強度2.7MPa、tanδ/20℃が0.0193%であった。
実施例1の成形品は、軽量で、良好な反発性を有し、かつ反発弾性率及び表面硬度のばらつきが小さいものである。また、tanδ/20℃の値が小さいため、転がり抵抗が小さいものである。実施例1の構成で作製したノーパンクタイヤ用充填体を装着した自転車等にあっては、良好な反発弾性によって乗り心地が良好になり、かつ小さい転がり抵抗によって、ペダルを漕ぐ力を小さくでき、快適に乗ることができる。
【0033】
・実施例2
実施例2は、ポリオールとして重量平均分子量3000のポリテトラメチレングリコールを用い、ポリイソシアネートとして1,5-ナフタレンジイソシアネートを用いて作製したウレタンポリマーを使用した例である。
実施例2の成形品の物性は、密度が0.30g/cm、反発弾性率が84~85%、反発弾性率のばらつき1%、反発弾性率のばらつき判定「〇」、表面硬度(アスカーC硬度)52~53、表面硬度のばらつき1、表面硬度のばらつき判定「〇」、引張強度2.5MPa、tanδ/20℃が0.0185%であった。
実施例2の成形品は、軽量で、良好な反発性を有し、かつ反発弾性率及び表面硬度のばらつきが小さいものである。また、tanδ/20℃の値が小さいため、転がり抵抗が小さいものである。実施例2の構成で作製したノーパンクタイヤ用充填体を装着した自転車等にあっては、良好な反発弾性によって乗り心地が良好になり、かつ小さい転がり抵抗によって、ペダルを漕ぐ力を小さくでき、快適に乗ることができる。
【0034】
・比較例
比較例は、ポリオールとして重量平均分子量2000のポリテトラメチレングリコールとポリプロピレングリコールを85:15の重量比で用い、ポリイソシアネートとして1,5-ナフタレンジイソシアネートを用いて作製したウレタンポリマーを使用した例である。
比較例の成形品の物性は、密度が0.38g/cm、反発弾性率が76~79%、反発弾性率のばらつき3%、反発弾性率のばらつき判定「×」、表面硬度(アスカーC硬度)59~62、表面硬度のばらつき3、表面硬度のばらつき判定「×」、引張強度2.4MPa、tanδ/20℃が0.0276%であった。
比較例の成形品は、実施例1、2と比べて密度が大で、反発性が低く、反発弾性率及び表面硬度のばらつきが大きいものである。また、実施例1、2と比べてtanδ/20℃の値が大きく、転がり抵抗が大きくなる。
【0035】
上記のように、本発明のノーパンクタイヤ用充填体は、反発弾性が高く、乗り心地が良好なものである。
なお、本発明は、実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 ノーパンクタイヤ用充填体
20 タイヤ外皮
25 リム
27 環状の空間
図1
図2
図3