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特開2023-159852タッチパッド、感圧タッチ装置及び電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159852
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】タッチパッド、感圧タッチ装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231025BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231025BHJP
   G01L 1/14 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/044 140
G06F3/044 128
G06F3/041 400
G06F3/041 512
G06F3/041 480
G01L1/14 J
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198307
(22)【出願日】2022-12-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202220915218.X
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518295185
【氏名又は名称】シェンチェン グディックス テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 武
(72)【発明者】
【氏名】張 栄
(72)【発明者】
【氏名】張 勝斌
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コストが低く、また、厚さが薄く、圧力検出の感度が高いタッチパッド、感圧タッチ装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】タッチパッド200は、タッチセンサ202、力センサ203、プリント回路基板204及びタッチコントローラ209を含む。タッチセンサは、第1タッチ電極層2021、第2タッチ電極層2023及び第1基材2022を含む。第1タッチ電極層は、第1基材を介して第2タッチ電極層の上方に設けられ、第2タッチ電極層と複数のタッチ検知静電容量を形成する。力センサは、タッチセンサの下方に設けられ、支持構造2032及び少なくとも1つの圧力電極層2031を含む。支持構造は、変形可能な構造であり、指がタッチパッドを押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変え、少なくとも1つの圧力電極層を介して対応する感圧信号を出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパッドであって、
タッチセンサと、力センサと、プリント回路基板と、タッチコントローラとを含み、
前記タッチセンサは、第1タッチ電極層と、第2タッチ電極層と、第1基材とを含み、前記第1タッチ電極層は前記第1基材を介して前記第2タッチ電極層の上方に設けられ、前記第2タッチ電極層と複数のタッチ検知静電容量を形成し、前記タッチ検知静電容量は、指が前記タッチパッドをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力し、
前記力センサは前記タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記タッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指が前記タッチパッドを押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変え、前記少なくとも1つの圧力電極層を介して対応する感圧信号を出力し、
前記プリント回路基板は前記力センサの下方に設けられ、前記力センサ及び前記タッチセンサを載置、支持し、
前記タッチコントローラは前記プリント回路基板に固定装着され、前記タッチセンサ及び前記力センサに電気的に接続され、前記タッチセンサ及び前記力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記指の前記タッチパッドでのタッチ位置及び前記指により印加される圧力の大きさを決定することを特徴とするタッチパッド。
【請求項2】
前記力センサは前記タッチセンサの第2タッチ電極層を共通電極層として共用し、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記支持構造の下方に位置する第2圧力電極層であり、前記第2圧力電極層は前記共通電極層と互いに重なって前記複数の感圧静電容量を形成することを特徴とする請求項1に記載のタッチパッド。
【請求項3】
前記第2圧力電極層は、前記プリント回路基板の上面に直接形成される下部電極副層を含み、又は、
前記第2圧力電極層は下部電極副層と下部基材副層を含み、前記下部電極副層は前記下部基材副層の上面に形成され、かつ前記下部基材副層は前記プリント回路基板の表面に設けられることを特徴とする請求項2に記載のタッチパッド。
【請求項4】
前記支持構造は前記第2タッチ電極層と前記第2圧力電極層との間に設けられ、前記第2タッチ電極層と前記第2圧力電極層との間で可変隙間を形成し、前記可変隙間の幅が前記指により印加される圧力の作用下で変化することにより、前記指押圧領域の感圧静電容量が変わることを特徴とする請求項2に記載のタッチパッド。
【請求項5】
前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ前記ソフトフィルム層の上面及び下面に配設され、前記第1支持体は前記共通電極層を支持し、前記第2支持体は前記第2圧力電極層に接続されることで、前記ソフトフィルム層を前記第2圧力電極層の上方に支持し、
前記第2支持体と前記第2圧力電極層は粘着剤で直接接続され、又は前記第2支持体は平坦層を介して前記第2圧力電極層に間接的に接続されることを特徴とする請求項4に記載のタッチパッド。
【請求項6】
前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面にアレイ状に均一に分布している第1硬質粒子であり、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面にアレイ状に均一に分布している第2硬質粒子であり、かつ、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられることを特徴とする請求項5に記載のタッチパッド。
【請求項7】
前記第1硬質粒子及び前記第2硬質粒子は両方ともに球状粒子であり、かつ直径が異なり、
前記第1支持体の直径は少なくとも前記第2支持体の直径の3倍であり、又は、前記第1支持体の直径は第2支持体の直径の2/1~3/1であることを特徴とする請求項6に記載のタッチパッド。
【請求項8】
前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層に一体成形されるか、又は粘着剤で前記ソフトフィルム層の上面及び下面に密着して固定され、任意の4つの隣接する第2支持体により画定された領域のそれぞれの中心に1つの第1支持体が設けられ、かつ前記第1支持体のサイズが、前記第2支持体のサイズよりも大きいことを特徴とする請求項6に記載のタッチパッド。
【請求項9】
前記共通電極層は前記タッチセンサ及び前記力センサの共通駆動電極層として機能し、複数の共通駆動電極を含み、
前記第1タッチ電極層は、前記共通電極層の上方に設けられる複数のタッチ感知電極を含み、前記第2圧力電極層は前記共通電極層の下方に設けられる複数の感圧電極であり、
前記共通駆動電極は前記タッチコントローラから駆動信号を受信し、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極はそれぞれ、前記駆動信号に応答して前記タッチ感知信号及び前記感圧信号を出力することを特徴とする請求項2に記載のタッチパッド。
【請求項10】
前記タッチ感知電極及び前記感圧電極は、前記タッチコントローラが同一時刻に送信する共通駆動信号に応答して、前記タッチ感知信号及び感圧信号をそれぞれ出力することを特徴とする請求項9に記載のタッチパッド。
【請求項11】
前記タッチコントローラが前記共通駆動電極に出力する駆動信号は第1時刻に出力するタッチ駆動信号と第2時刻に出力する圧力駆動信号を含み、かつ前記タッチ感知電極は前記タッチ駆動信号に応答して、タッチコントローラに前記タッチ感知信号を出力し、前記感圧電極は前記圧力駆動信号に応答して、前記タッチコントローラに前記感圧信号を出力することを特徴とする請求項9に記載のタッチパッド。
【請求項12】
前記プリント回路基板の下面に装着され、前記タッチコントローラに電気的に接続され、前記指により印加される圧力の大きさに応答して振動フィードバックを行い、それぞれ前記プリント回路基板の下面の4つの隅領域に設けられ、前記プリント回路基板に垂直な方向に振動する4つの圧電セラミックスアクチュエータを含むアクチュエータと、
前記プリント回路基板を支持し、タッチパッドを外部ケースに装着するブラケットであって、前記プリント回路基板の下面に覆われかつ複数の開口を有し、前記複数の開口がそれぞれ前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータを収容し、また、前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータの逃し空間を提供するブラケットとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパッド。
【請求項13】
タッチパッドであって、
互いに間隔を空けて設けられる複数のタッチ感知電極を含むタッチ感知電極層と、
前記タッチ感知電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の共通駆動電極を含む共通電極層であって、前記共通駆動電極と前記タッチ感知電極との間で複数のタッチ検知静電容量が形成され、前記複数のタッチ検知静電容量はタッチセンサとして機能し、指が前記タッチパッドをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力する共通電極層と、
前記共通電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の感圧電極を含む感圧電極層であって、前記感圧電極と前記共通駆動電極との間で複数の感圧静電容量が形成され、前記複数の感圧静電容量は力センサとして機能し、前記指が前記タッチパッドを押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する感圧電極層と、
その表面に形成される前記感圧電極層を載置するプリント回路基板とを含み、
前記共通電極層と前記感圧電極層との間に支持構造が設けられ、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指により印加される圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変えることを特徴とするタッチパッド。
【請求項14】
前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面に配設され、前記共通電極層を支持し、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面に配設され、前記ソフトフィルム層を前記感圧電極層の上方に支持することを特徴とする請求項13に記載のタッチパッド。
【請求項15】
前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面にアレイ状に均一に分布している第1硬質粒子であり、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面にアレイ状に均一に分布している第2硬質粒子であり、前記第1硬質粒子と前記第2硬質粒子のサイズが異なり、かつ、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられることを特徴とする請求項14に記載のタッチパッド。
【請求項16】
前記第1支持体の中心点から隣り合う第1支持体の中心点までの距離が、前記第2支持体の中心点から隣り合う第2支持体の中心点までの距離に等しいことを特徴とする請求項15に記載のタッチパッド。
【請求項17】
タッチコントローラをさらに含み、前記タッチコントローラは前記プリント回路基板の下面に装着され、前記共通駆動電極に駆動信号を出力し、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極がそれぞれ前記駆動信号に応答して出力するタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記タッチ感知信号は前記指のタッチ位置を検出し、前記感圧信号は前記指により印加される圧力の大きさを検出し、
前記駆動信号は前記タッチコントローラが同一時刻に出力する共通駆動信号であり、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極は前記共通駆動信号に応答して前記タッチ感知信号及び前記感圧信号をそれぞれ出力し、又は、
前記タッチコントローラが前記共通駆動電極に出力する駆動信号は第1時刻に出力するタッチ駆動信号と第2時刻に出力する圧力駆動信号を含み、かつ前記タッチ感知電極は前記タッチ駆動信号に応答して、タッチコントローラに前記タッチ感知信号を出力し、前記感圧電極は前記圧力駆動信号に応答して、前記タッチコントローラに前記感圧信号を出力することを特徴とする請求項16に記載のタッチパッド。
【請求項18】
前記プリント回路基板の下面に装着され、前記タッチコントローラに電気的に接続され、前記指により印加される圧力の大きさに応答して振動フィードバックを行うアクチュエータと、
前記プリント回路基板を支持し、タッチパッドを外部ケースに装着するブラケットであって、前記プリント回路基板の下面に覆われかつ複数の開口を有し、前記複数の開口がそれぞれ前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータを収容し、前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータの逃し空間を提供するブラケットとをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のタッチパッド。
【請求項19】
感圧タッチ装置であって、
指がタッチ又は押圧する入力インターフェースを提供するカバーと、
カバーの下方に設けられ、前記指が前記カバーをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力するタッチセンサと、
前記タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記タッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指が前記感圧タッチ装置を押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変える力センサと、
前記力センサの下方に設けられ、前記力センサ及び前記タッチセンサを載置、支持するプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に固定装着され、前記タッチセンサ及び前記力センサに電気的に接続され、前記タッチセンサ及び前記力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記指の前記感圧タッチ装置でのタッチ位置及び前記指により印加される圧力の大きさを決定するタッチコントローラとを含むことを特徴とする感圧タッチ装置。
【請求項20】
電子機器であって、
ディスプレイと、請求項1~18のいずれか1項に記載のタッチパッドとを含み、
前記タッチパッドは指がタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置及び印加される圧力の大きさを検出し、前記ディスプレイは前記指によるタッチ又は押圧に関連する操作を表示することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は電子の技術分野に関し、特にタッチパッド、感圧タッチ装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパッドは一般的にラップトップなどの電子機器に使用され、主にタッチセンサによって使用者の指の位置や移動を検知し、電子機器の表示インターフェースにおいてポインタの移動を制御するものである。従来のタッチパッドは物理ドームキーを介して使用者の押圧動作を検出し、確認やメニュー呼び出しなどの機能を発揮する。しかし、使用者の押圧動作が、タッチパッドの物理ドームキーが位置する局所的な領域にしか実行できず、タッチパッド全体にわたって任意の領域に押圧動作を実行することができない。
【0003】
圧力タッチパッドは物理ドームキー検出の代わりに圧力検出を利用して確認やメニュー呼び出しなどの操作を行うことにより、従来のタッチパッドでは局所的な押圧しかできないという問題を解決する。圧力タッチパッドは、使用者の使用癖に応じて、使用者の押圧動作に対する応答の程度や振動フィードバックの強度を調整することができ、より簡便で快適な操作エクスペリエンスを使用者に付与する。ここでは、使用者エクスペリエンスの優劣はタッチパッド構造の設計に大きく依存している。
文献1(中国特許出願公開第107168584号明細書)は、第1基材と、駆動電極層と、圧電フィルムと、第1支持体と、タッチセンシング電極層と、感圧電極層と、を含む感圧タッチスクリーンを開示している。第1基材は対向設置される第1面及び第2面を含む。駆動電極層は第1基材の第1面に設けられる。駆動電極層は、第1方向に延在しており、第2方向に間隔を空けて配列される複数の駆動電極を含む。圧電フィルムは駆動電極層の第1基材から離れた側に設けられる。第1支持体は、対向設置される第3面及び第4面を含み、第3面は圧電フィルムに向かっている。タッチセンシング電極層は第1支持体の第3面に設けられ、第2方向に延在しており、第1方向に間隔を空けて配置される複数のタッチセンシング電極を含む。感圧電極層は第1支持体の第3面に設けられ、第2方向に延在しており、第1方向に間隔を空けて配列される複数の感圧電極を含み、タッチセンシング電極と感圧電極は交互に設けられる。駆動電極層は時分割の方式によって、即ち、タッチ駆動電極層としてタッチセンシング電極層とともに、ユーザのタッチ位置の情報を取得し得るタッチ構造を構成し、駆動電極は、また、圧力駆動電極層として感圧電極層とともに圧力の大きさを感知し得る感圧構造を構成する。指が感圧タッチスクリーンのタッチ面を押すと、圧電フィルムは圧力の作用の下で変形し、圧電フィルムの上面と下面に分極電荷が生じ、駆動電極層及び感圧電極層はこの活性化された電荷を受け取って圧力信号や圧力の大きさを生成する。この文献1では、タッチ構造のタッチセンシング電極層と感圧構造の感圧電極層とは同一面に交互に設けられ、しかも、感圧構造は駆動電極層と感圧電極層との間の圧電フィルムが押圧力の作用の下で変形することにより生じた分極電荷を受け取ることで圧力信号を生成する。
文献2(特開2015-097068号公報)は、タッチパネルに印加する静的圧力負荷を高精で検出できるタッチ入力装置を開示する、このタッチ入力装置は、圧電素子を有するタッチパネルと、タッチパネルに印加する静的圧力負荷を検出する圧力検出部と、を含む。この圧力検出部は、圧電素子を押すときに発生する電気信号の積分値に基づいて、静的圧力負荷を検出する。
【0004】
このため、如何にタッチパッドの圧力検出性能を改善して、使用者のエクスペリエンスを向上させるかは、早急に解決しなければならない課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に鑑み、本開示は、コストが低く、また、厚さが薄く、圧力検出の感度が高いという性能を備えるタッチパッド、感圧タッチ装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、
タッチパッドであって、
タッチセンサと、力センサと、プリント回路基板と、タッチコントローラとを含み、
前記タッチセンサは、第1タッチ電極層と、第2タッチ電極層と、第1基材とを含み、前記第1タッチ電極層は前記第1基材を介して前記第2タッチ電極層の上方に設けられ、前記第2タッチ電極層と複数のタッチ検知静電容量を形成し、前記タッチ検知静電容量は、指が前記タッチパッドをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力し、
前記力センサは、前記タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記タッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指が前記タッチパッドを押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変え、前記少なくとも1つの圧力電極層を介して対応する感圧信号を出力し、
前記プリント回路基板は、前記力センサの下方に設けられ、前記力センサ及び前記タッチセンサを載置、支持し、
前記タッチコントローラは、前記プリント回路基板に固定装着され、前記タッチセンサ及び前記力センサに電気的に接続され、前記タッチセンサ及び前記力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記指の前記タッチパッドでのタッチ位置及び前記指により印加される圧力の大きさを決定するタッチパッドを提供する。
【0007】
本開示に係るタッチパッドでは、タッチセンサの下方に力センサが設けられ、かつ力センサは支持構造を利用して圧力電極層の間で感圧静電容量を形成し、これによって、圧力容量方式によって指がタッチパッドを押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する。圧電抵抗力センサを用いた従来のタッチパッドに比べて、本実施例に係るタッチパッドは、構造がシンプルであり、かつコストが低く、かつ、厚さが薄く、圧力検出感度が高い効果があり、さまざまな適用シーンの電子機器に適用できる。
【0008】
1つの可能な実施形態では、前記第1タッチ電極層及び前記第2タッチ電極層はそれぞれ前記第1基材の上面及び下面に形成され、又は、前記タッチセンサは第2基材をさらに含み、前記第1タッチ電極層は前記第1基材の上面に形成され、前記第2タッチ電極層は前記第2基材の上面に形成され、前記第1基材と前記第2基材は粘着剤で固定接着される。
【0009】
1つの可能な実施形態では、前記少なくとも1つの圧力電極層は第1圧力電極層と第2圧力電極層を含み、前記第1圧力電極層及び前記第2圧力電極層は前記支持構造の両側に設けられて前記複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は前記第1圧力電極層と前記第2圧力電極層との間で可変隙間を形成し、かつ前記可変隙間の幅が、前記指により印加される圧力の作用下で変化することにより、前記指押圧領域の感圧静電容量が変わる。
【0010】
1つの可能な実施形態では、前記第1圧力電極層は前記支持構造の上方に設けられ、上部電極副層と上部基材副層を含み、前記上部電極副層は前記上部基材副層の上面に載置され、間隔を空けて設けられる複数の圧力駆動電極を有し、前記第2圧力電極層は前記支持構造の下方に設けられ、下部電極副層と下部基材副層を含み、前記下部電極副層は前記下部基材副層の上面に載置され、間隔を空けて設けられる複数の感圧電極を含む。
【0011】
1つの可能な実施形態では、前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ前記ソフトフィルム層の上面及び下面に配設され、前記第1支持体は前記第1圧力電極層を支持し、前記第2支持体は前記第2圧力電極層に接続され、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられる。
【0012】
1つの可能な実施形態では、前記力センサは前記タッチセンサの第2タッチ電極層を共通電極層として共用し、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記支持構造の下方に位置する第2圧力電極層であり、前記第2圧力電極層は前記共通電極層と互いに重なって前記複数の感圧静電容量を形成する。
【0013】
1つの可能な実施形態では、前記第2圧力電極層は、前記プリント回路基板の上面に直接形成される下部電極副層を含み、又は、前記第2圧力電極層は下部電極副層と下部基材副層を含み、前記下部電極副層は前記下部基材副層の上面に形成され、かつ前記下部基材副層は前記プリント回路基板の表面に設けられる。
【0014】
1つの可能な実施形態では、前記支持構造は前記第2タッチ電極層と前記第2圧力電極層との間に設けられ、前記第2タッチ電極層と前記第2圧力電極層との間で可変隙間を形成し、前記可変隙間の幅が前記指により印加される圧力の作用下で変化することにより、前記指押圧領域の感圧静電容量が変わる。
【0015】
1つの可能な実施形態では、前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ前記ソフトフィルム層の上面及び下面に配設され、前記第1支持体は前記共通電極層を支持し、前記第2支持体は前記第2圧力電極層に接続されることで、前記ソフトフィルム層を前記第2圧力電極層の上方に支持し、前記第2支持体と前記第2圧力電極層は粘着剤で直接接続され、又は前記第2支持体は平坦層を介して前記第2圧力電極層に間接的に接続される。
【0016】
1つの可能な実施形態では、前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面にアレイ状に均一に分布している第1硬質粒子であり、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面にアレイ状に均一に分布している第2硬質粒子であり、かつ、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられる。
【0017】
1つの可能な実施形態では、前記第1硬質粒子及び前記第2硬質粒子は両方ともに球状粒子であり、かつ直径が異なり、前記第1支持体の直径は少なくとも前記第2支持体の直径の3倍であり、又は、前記第1支持体の直径は第2支持体の直径の2/1~3/1である。
【0018】
1つの可能な実施形態では、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層に一体成形されるか、又は粘着剤で前記ソフトフィルム層の上面及び下面に密着して固定され、任意4つの隣接する第2支持体により画定された領域のそれぞれの中心に1つの第1支持体が設けられ、かつ前記第1支持体のサイズが、前記第2支持体のサイズよりも大きい。
【0019】
1つの可能な実施形態では、前記共通電極層は前記タッチセンサ及び前記力センサの共通駆動電極層として機能し、複数の共通駆動電極を含み、前記第1タッチ電極層は、前記共通電極層の上方に設けられる複数のタッチ感知電極を含み、前記第2圧力電極層は前記共通電極層の下方に設けられる複数の感圧電極であり、前記共通駆動電極は前記タッチコントローラから駆動信号を受信し、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極はそれぞれ、前記駆動信号に応答して前記タッチ感知信号及び前記感圧信号を出力する。
【0020】
1つの可能な実施形態では、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極は、前記タッチコントローラが同一時刻に送信する共通駆動信号に応答して、前記タッチ感知信号及び感圧信号をそれぞれ出力する。
【0021】
1つの可能な実施形態では、前記タッチコントローラが前記共通駆動電極に出力する駆動信号は第1時刻に出力するタッチ駆動信号と第2時刻に出力する圧力駆動信号を含み、かつ前記タッチ感知電極は前記タッチ駆動信号に応答して、タッチコントローラに前記タッチ感知信号を出力し、前記感圧電極は前記圧力駆動信号に応答して、前記タッチコントローラに前記感圧信号を出力する。
【0022】
1つの可能な実施形態では、前記タッチパッドは、前記プリント回路基板の下面に装着され、前記タッチコントローラに電気的に接続され、前記指により印加される圧力の大きさに応答して振動フィードバックを行うアクチュエータと、前記プリント回路基板を支持し、タッチパッドを外部ケースに装着するブラケットであって、前記プリント回路基板の下面に覆われかつ複数の開口を有し、前記複数の開口がそれぞれ前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータを収容し、また、前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータの逃し空間を提供するブラケットとをさらに含む。
【0023】
1つの可能な実施形態では、前記アクチュエータは、それぞれ前記プリント回路基板の下面の4つの隅領域に設けられ、前記プリント回路基板に垂直な方向に振動する4つの圧電セラミックスアクチュエータを含み、前記ブラケットは前記4つの圧電セラミックスアクチュエータを収容するための4つの開口をその4つの隅領域に形成するとともに、前記タッチコントローラを収容するための中心開口を中央領域に形成し、又は、前記アクチュエータは前記プリント回路基板の下面の中央領域に設けられるリニアモータを含み、前記リニアモータは前記プリント回路基板に平行する方向に振動し、前記ブラケットは、前記リニアモータを収容するための中間開口を中央領域に形成するとともに、前記タッチコントローラ及び他の電子部品を収容するための第1開口及び第2開口をそれぞれ前記中間開口の両側に形成する。
【0024】
第2態様では、
タッチパッドであって、
互いに間隔を空けて設けられる複数のタッチ感知電極を含むタッチ感知電極層と、
前記タッチ感知電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の共通駆動電極を含む共通電極層であって、前記共通駆動電極と前記タッチ感知電極との間で複数のタッチ検知静電容量が形成され、前記複数のタッチ検知静電容量はタッチセンサとして機能し、前記指が前記タッチパッドをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力する共通電極層と、
前記共通電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の感圧電極を含む感圧電極層であって、前記感圧電極と前記共通駆動電極との間で複数の感圧静電容量が形成され、前記複数の感圧静電容量は力センサとして機能し、前記指が前記タッチパッドを押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する感圧電極層と、
その表面に形成される前記感圧電極層を載置するプリント回路基板とを含み、
前記共通電極層と前記感圧電極層との間に支持構造が設けられ、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指により印加される圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変えるタッチパッドを提供する。
【0025】
1つの可能な実施形態では、前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面に配設され、前記共通電極層を支持し、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面に配設され、前記ソフトフィルム層を前記感圧電極層の上方に支持する。
【0026】
1つの可能な実施形態では、前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面にアレイ状に均一に分布している第1硬質粒子であり、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面にアレイ状に均一に分布している第2硬質粒子であり、前記第1硬質粒子と前記第2硬質粒子のサイズが異なり、かつ、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられる。
【0027】
1つの可能な実施形態では、前記タッチパッドはタッチコントローラをさらに含み、前記タッチコントローラは前記プリント回路基板の下面に装着され、前記共通駆動電極に駆動信号を出力し、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極がそれぞれ前記駆動信号に応答して出力するタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記タッチ感知信号は前記指のタッチ位置を検出し、前記感圧信号は前記指により印加される圧力の大きさを検出する。
【0028】
1つの可能な実施形態では、前記駆動信号は前記タッチコントローラが同一時刻に出力する共通駆動信号であり、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極は前記共通駆動信号に応答して前記タッチ感知信号及び前記感圧信号をそれぞれ出力し、又は、前記タッチコントローラが前記共通駆動電極に出力する駆動信号は第1時刻に出力するタッチ駆動信号と第2時刻に出力する圧力駆動信号を含み、かつ前記タッチ感知電極は前記タッチ駆動信号に応答して、タッチコントローラに前記タッチ感知信号を出力し、前記感圧電極は前記圧力駆動信号に応答して、前記タッチコントローラに前記感圧信号を出力する。
【0029】
1つの可能な実施形態では、前記タッチパッドは、前記プリント回路基板の下面に装着され、前記タッチコントローラに電気的に接続され、前記指により印加される圧力の大きさに応答して振動フィードバックを行うアクチュエータと、前記プリント回路基板を支持し、タッチパッドを外部ケースに装着するブラケットであって、前記プリント回路基板の下面に覆われかつ複数の開口を有し、前記複数の開口がそれぞれ前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータを収容し、前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータの逃し空間を提供するブラケットとをさらに含む。
【0030】
第3態様では、
指がタッチ又は押圧する入力インターフェースを提供するカバーと、
カバーの下方に設けられ、前記指が前記カバーをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力するタッチセンサと、
前記タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記タッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指が前記感圧タッチ装置を押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変える力センサと、
前記力センサの下方に設けられ、前記力センサ及び前記タッチセンサを載置、支持するプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に固定装着され、前記タッチセンサ及び前記力センサに電気的に接続され、前記タッチセンサ及び前記力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記指の前記感圧タッチ装置でのタッチ位置及び前記指により印加される圧力の大きさを決定するタッチコントローラとを含む感圧タッチ装置を提供する。
【0031】
第4態様では、
ディスプレイと、第1態様、第1態様の可能な実施形態、第2態様又は第2態様の可能な実施形態に記載のタッチパッドとを含み、前記タッチパッドは指がタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置及び印加される圧力の大きさを検出し、前記ディスプレイは前記指によるタッチ又は押圧に関連する操作を表示する電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1はドームキー機能をサポートするタッチパッドの代表的な積層構造の概略図である。
図2図2は本開示の一実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図3a図3aは図2に示すタッチパッドのタッチセンサの電極パターンの概略図である。
図3b図3bは図2に示すタッチパッドのタッチセンサの電極パターンの概略図である。
図4図4図2に示されるタッチパッドの力センサの概略的な解体図である。
図5a図5aは図4に示される力センサの電極パターンの概略図である。
図5b図5bは図4に示される力センサの電極パターンの概略図である。
図6a図6aは図4に示される力センサの平面構造の概略図である。
図6b図6bは図4に示される力センサの平面構造の概略図である。
図6c図6cは図4に示される力センサの平面構造の概略図である。
図7a図7aは図2に示されるタッチパッドのブラケットの一実施形態の構造概略図である。
図7b図7bは図2に示されるタッチパッドのブラケットの別の実施形態の構造概略図である。
図8図8は本開示の第2実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図9図9は本開示の第3実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図10図10は本開示の第4実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図11図11図10に示されるタッチパッドの力センサユニットの構造概略図である。
図12図12は本開示の第5実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図13図13は本開示の第6実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図14図14は本開示の第7実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図15図15図14に示されるタッチパッドの支持構造の位置の概略図である。
図16図16は本開示の第8実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図17図17図16に示されるタッチパッドの力センサユニットの構造概略図である。
図18図18は本開示の第9実施例のタッチパッドの積層構造の概略図である。
図19図19図18に示されるタッチパッドの下部基材副層及び第2支持部材の一実施形態の構造概略図である。
図20図20は本開示の第4実施例~第9実施例における力センサユニットの位置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例の技術的解決手段について説明する。
タッチパッドは一般的な指のタッチによる入力装置として、ラップトップや他の電子機器に広く適用されており、従来のタッチパッドは、通常、指タッチ機能だけをサポートし、ノートパソコンのタッチパッドの代表的な積層構造は、図1に示すように、上から下へ順次設けられる、カバー101、タッチセンサ102、ブラケット103を含む。カバー101は保護の役割を果たし、タッチセンサ102は指のタッチ位置を検出し、ブラケット103はタッチパッドをノートパソコン全体に固定する。ここでは、カバー101、タッチセンサ102及びブラケット103は固定用接着剤で粘着される。タッチセンサ102の下方にドームキー(dome key)104が貼り付けられ、ドームキー104は、カバー101の上面への指による押し動作を検出する物理ドームキーであり、このドームキー104の機能はマウスの左キーや右キーと類似している。
【0034】
ノートパソコンタッチパッドの適用シーンを多くするために、別の代表的なノートパソコンタッチパッドは、圧力検出機能によって上記の物理ドームキーを押すことを検出し、振動フィードバックによって押圧を解除したときの触感を提供する。物理ドームキーに比べて、圧力検出及び触覚フィードバックは押圧ストロークが極めて小さく、フィードバックがより明確であり、また、適用シーンを増加させることができる。
【0035】
圧力検出は圧電抵抗力センサによって実現されてもよいが、圧電抵抗力センサは歪みシートとカンチレバービーム構造を採用してもよく、指がタッチパッドを押圧するときに印加する圧力が、カンチレバービームを介して歪みシートに伝達され、歪みシートが変形し、電気抵抗値が変わり、圧力の大きさが電気抵抗値の変化から算出され得る。ただし、圧電抵抗力センサの形態は、全体の厚さが大きく、しかも、プロセスが難しく、これらにより、適用シーンが制限されてしまう。
【0036】
本開示の実施例は、ラップトップに適用されて、圧力検出をサポートするタッチパッドを提供し、このタッチパッドは、主に電極間の静電容量の変化を通じて圧力の大きさを検出するものであり、コストが低く、また、厚さが薄く、圧力検出感度が高いという性能を有し、さらに、本開示の実施例によるタッチパッドは触覚フィードバック機能も有する。
【0037】
なお、本開示の実施例の技術的解決手段は、ラップトップに加えて、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ゲーム機器などの携帯用計算装置や他の電子機器にも適用できる。
【0038】
図2は本開示の実施例のタッチパッドの構造概略図である。このタッチパッド200は電子機器の感圧タッチ装置として機能してもよく、上から下へ順次設けられる、カバー201、タッチセンサ202、力センサ203、プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)204及びブラケット205を含む。
【0039】
これらのうち、カバー201はガラスカバーや他の保護カバーであってもよく、主に指がタッチ又は押圧するための入力面を提供しつつ、下方のタッチセンサ202や力センサ203を保護する。実際に操作する際には、使用者は指がカバー201による入力面上をタッチ又は移動することで、電子機器を制御してタッチ操作に関連する指令を実行させたり、電子機器の表示インターフェースのポインタを移動させたりし、また、指がカバー201上をタッチ又は移動しながら、カバー201を押圧してタッチパッド200へ下向きの圧力を印加することで、電子機器を制御して押圧操作に関連する指令を実行させてもよい。なお、本実施例では、ガラスカバー又は保護カバーが例示されているが、いくつかの特定の適用シーンでは、カバー201は、表示機能を有する部材など、電子機器の他の機能性部材としてもよい。
【0040】
タッチセンサ202は、主に、指のカバー201でのタッチ位置及びカバー201での移動を検出し、電子機器のメインコントローラに指のタッチ位置の座標情報又は指の移動によるベクトル情報を出力する。一実施例では、タッチセンサ202は、上から下へ第1タッチ電極層2021、第1基材2022、第2タッチ電極層2023及び第2基材2024をこの順で含み、これらのうち、第1タッチ電極層2021は第1基材2022の上面に設けられる横電極を含んでもよく、第2タッチ電極層2033は第2基材2024の上面に設けられる縦電極を含んでもよい。本実施例では、もしタッチパッドが矩形タッチパッドであるなら、横方向及び縦方向はそれぞれ矩形タッチパッド200の長手方向及び短手方向として定義されてもよく、即ち、第1タッチ電極層2021は全体として矩形タッチパッド200の長手方向に延在している電極層であり、一方、第2タッチ電極層2023は全体として矩形タッチパッド200の短手方向に延在している電極層である。
【0041】
第1タッチ電極層2021がカバー201と第1基材2022との間に位置するとともに、第2タッチ電極層2023が第1基材2022と第2基材2024との間に位置し、かつ、第1基材2022及び第2基材2024がそれぞれ第1タッチ電極層2021及び第2タッチ電極層2023に対して支持の役割を果たすように、カバー201、第1基材2022及び第2基材2024は粘着剤で固定接着される。特定の実施例では、第1基材2022及び第2基材2024は、フィルム、例えばPET基材、PC基材又は両方の基材を混合した基材などで形成されるフィルムであってもよい。タッチセンサ202の基材としてフィルムが使用されることによって、タッチパッドの薄型化に有利である。別の代替実施例では、第1基材2022及び第2基材2024は、フレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible Printed Circuit Board)、PCB基板や金属片などとしてもよい。
【0042】
図3a及び図3bはそれぞれ、タッチセンサ202の第1タッチ電極層2021及び第2タッチ電極層2023を示しており、例えば第1タッチ電極層2021は互いに間隔を空けて設けられる複数の感知電極を含んでもよく、第2タッチ電極層2023は互いに間隔を空けて設けられる複数の駆動電極を含んでもよく、或いは、第1タッチ電極層2021は複数の駆動電極を含んでもよく、第2タッチ電極層2023は複数の感知電極を含んでもよい。ここでは、複数の感知電極及び複数の駆動電極は全て帯状電極であり、複数の感知電極の延在方向が複数の駆動電極の延在方向にほぼ垂直であり、かつ、複数の感知電極は第1基材2022を介して複数の駆動電極の上方に設けられ、これによって、タッチセンサ202の第1タッチ電極層2021と第2タッチ電極層2023との間にアレイ状に分布している複数のタッチ検知静電容量が形成され、第1基材2022は第1タッチ電極層2021と第2タッチ電極層2023との間に位置し、上記複数のタッチ検知静電容量の誘電体層となる。指がカバー201上をタッチ又は移動するときに、指のタッチ位置にあるタッチ検知静電容量の静電容量値の大きさが変わり、対応するタッチ感知信号が出力され、第1タッチ電極層2021又は第2タッチ電極層2023に互容又は自容駆動信号が印加されることによって、指のタッチ又は移動によるタッチ検知静電容量の静電容量変化が検出され、これによって、指のタッチ位置の座標情報又は指の移動による動的ベクトル情報(以下、指位置情報と総称する)が得られる。
【0043】
力センサ203は、具体的には、静電容量式圧力センサであり、圧力容量センサとも呼ばれ、タッチセンサ202とPCB基板204との間に設けられる。一実施例では、図2及び図4に示すように、力センサ203は上から下へ第1圧力電極層2031、支持構造2032及び第2圧力電極層2033をこの順で含み、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033は支持構造2032によって互いに隔てられて、指がタッチパッド200を押圧するときに印加する圧力を検出するための感圧静電容量を形成する。
【0044】
第1圧力電極層2031は上部電極副層20311と上部基材副層20312を含み、上部電極副層20311は上部基材副層20312の上面に設けられ、上部基材副層20312は主に上部電極副層20311を載置し、また、第1圧力電極層2031とタッチパッド200の他の層との電気的分離や粘着固定にも利用される。第2圧力電極層2033は下部電極副層20331と下部基材副層20332を含み、下部電極副層20331は下部基材副層20332の上面に設けられ、同様に、下部基材副層20332は主に下部電極副層20331を載置し、また、第2圧力電極層2033とタッチパッド200の他の層との電気的分離や粘着固定にも利用される。
【0045】
図5a及び図5bはそれぞれ、第1圧力電極層2031の上部電極副層20311及び第2圧力電極層2033の下部電極副層20331を示しており、これらのうち、図5aに示される第1圧力電極層2031の上部電極副層20311と図3bに示されるタッチセンサ202の第2タッチ電極層2023は構造がほぼ同じであり、また、図5bに示される第2圧力電極層2033の下部電極副層20331と図3aに示されるタッチセンサ202の第1タッチ電極層2021は構造がほぼ同じである。さらに、図3a及び図3bに示される第1タッチ電極層2021及び第2タッチ電極層2023と同様に、上部電極副層20311及び下部電極副層20331もそれぞれ複数の圧力駆動電極及び複数の感圧電極を含んでもよく、ここでは、複数の圧力駆動電極及び複数の感圧電極は全て帯状電極であり、かつ、支持構造203を介して互いに重なり、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間にアレイ状に分布している複数の感圧静電容量が形成される。実際に実施する際には、第1圧力電極層2031に駆動信号が供給されることにより、指押圧位置にある感圧静電容量は対応する感圧信号を出力し、このため、第2圧力電極層2033によって収集される感圧信号によって、指がタッチパッド200を押圧するときに印加する圧力の大きさが検出される。
【0046】
さらに、図3a、図3b、図5a及び図5bに示される帯状電極以外、タッチセンサ202の第1タッチ電極層2021と第2電極層2023及び力センサ203の上部電極副層20311と下部電極副層20331は他の非帯状電極構造、例えば異形電極構造としてもよい。さらに、実際に実施する際には、タッチセンサ202の第2タッチ電極層2023と力センサ203の上部電極副層20311は同じ電極構造を採用してもよく(いくつかの特定の実施形態では、両方は同一層電極構造を共用してもよい)、この電極構造をタッチセンサ202及び力センサ203の共通駆動電極としてもよく、一方、タッチセンサ202の第1タッチ電極層2021と力センサ203の下部電極副層20331の電極構造も、同じでかつ第2タッチ電極層2023及び上部電極副層20311にほぼ垂直であり(例えば、両方はタッチセンサ203の第2タッチ電極層2023を90度回転させた電極構造としてもよい)、タッチセンサ202及び力センサ203の感知電極として機能するようにしてもよい。
【0047】
支持構造2032は第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間に位置するスペーサ層であり、第2圧力電極層2033の上方に固定されて第1圧力電極層2031を支持し、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間で可変隙間を形成し、例えば、支持構造2032は外力の作用下で弾性的に変形してもよく、即ち、支持構造2032は変形可能な構造であり、これにより、上記外力が作用する領域にある第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間隙の幅が変わる。より具体的には、指がカバー201の上面を押圧して下向きの圧力を印加するときに、圧力はカバー201及びタッチセンサ202を介して力センサ203に伝達され、さらに第1圧力電極層2031を介して支持構造2032に印加されてもよく、この支持構造2032は第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間の距離を可変なものとし、これにより、指押圧位置にある第1圧力電極層2021と第2圧力電極層2033との間での感圧静電容量が変わり、この感圧静電容量の変化から、指がカバー201を押圧するときにカバー201へ印加する圧力が検出される。
【0048】
図4に示すように、支持構造2032は第1支持体20321と、ソフトフィルム層20322と、第2支持体20323とを含む。第1支持体20321はソフトフィルム層20322の上面に設けられ、上部基材副層20312に接続されて第1圧力電極層2031を支持し、第2支持体20323はソフトフィルム20322の下面に設けられ、粘着剤で下部電極副層20331に接続されることで、ソフトフィルム層20322を第2圧力電極層2033の上方に支持する。
【0049】
第1支持体20321及び第2支持体20323はそれぞれ、ソフトフィルム層20322の上面及び下面に均一に分布している硬質粒子であり、かつ第1支持体20321と第2支持体20323は千鳥状に設けられ、即ち、第1支持体20321と第2支持体20323はソフトフィルム層20322の表面に垂直な方向に交互に分布している。特定の実施例では、第1支持体20321及び第2支持体20323は硬質材料であり、例えばはんだ、硬質接着剤や他の硬質材料であってもよい。力センサ203の支持構造2032は一体射出成形により第1支持体20321及び第2支持体20323をソフトフィルム層20322と一体にしてもよいし、第1支持体20321及び第2支持体20323は、それぞれ粘着剤でソフトフィルム層20322の上面及び下面に密着してもよい。
【0050】
上記構造に基づいて、第1支持体20321の高さは第1圧力電極層2031とソフトフィルム層20322との間の距離D1となり、第2支持体20323の高さは第2圧力電極層2033とソフトフィルム層20322との間の距離D2となる。指がカバー201を押圧し、タッチセンサ202を介して力センサ203に作用するときに、支持構造2032は指により印加される圧力の作用下で変形し、具体的には、指押圧位置の第1支持体20321の受力方向が下向きであるので、第1支持体20321の下方のソフトフィルム層20322が下へ移動し、このように、力センサ203の第2圧力電極層2033とソフトフィルム層20322との間の距離D2が小さくなる。また、ソフトフィルム層20322が第2支持体20323による支持作用を受け、即ち第2支持体20323がソフトフィルム層20322へ上向きの支持力を付与し、第2支持体20323の上方のソフトフィルム層20322を上へ移動させ、このように、力センサ203の第1電極層2031とソフトフィルム層2032との間の距離D1が小さくなる。D1とD2が両方ともに小さくなるので、力センサ203の第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2032との間の間隙の幅が小さくなり、指押圧位置での感圧静電容量が増大し、これによって、圧力の大きさはこの感圧静電容量の変化量を検出することによって算出され得る。
【0051】
圧力の検出精度を向上させるために、支持構造2032の下方に平坦層(図示せず)がさらに設けられてもよく、この平坦層は力センサ203の可変隙間の幅をより正確にし、圧力検出精度の向上に有利である。この平坦層はフィルムであってもよく、フィルムは、例えばPET基材、PC基材又は両方の基材の混合基材などであってもよい。
【0052】
本開示の実施例は、力センサ203の支持構造2032の好ましい設計形態をさらに提供し、第1支持体20321及び第2支持体20323のいずれも力センサ203へ可変隙間の幅を付与できるようにし、力センサ203の可変隙間の幅が十分であるので、圧力検出精度の向上にも有利である。
【0053】
図6a及び図6bはそれぞれ、ソフトフィルム層20322の上面の正面図及び下面の正面図を示しており、第1支持体20321はソフトフィルム層20322の上面にアレイ状に配列され、第2支持体20323はソフトフィルム層20322の下面にアレイ状に配列され、かつ、第1支持体20321のサイズが第2支持体20323のサイズよりも大きい。1つの特定の実施例としては、第1支持体20321及び第2支持体20323は全て球状硬質粒子であり、かつ第1支持体20321の直径が第2支持体20323の2倍以上であり、好ましくは、第1支持体20321の直径が少なくとも第2支持体20323の直径の3倍である。図6cは第1支持体20321及び第2支持体20323のソフトフィルム層20322における分布の概略図を示しており、第1支持体20321及び第2支持体20323はソフトフィルム層20322の水平投影において千鳥状に設けられ、具体的には、図6cに示すように、任意の4つの隣り合う第2支持体20323によって画定される領域のそれぞれの中心に1つの第1支持体20321が設けられ、また、さらに、第1支持体20321の中心点から隣り合う第1支持体20321の中心点までの距離D4が、第2支持体20323の中心点から隣り合う第2支持体20323の中心点までの距離D3に等しく、これにより、第1支持体20321及び第2支持体20323は均一に分布しており、かつ千鳥状に設けられる。第1支持体20321と第2支持体20323が上記のようにアレイ状に配置されるとともに、前記のような特定のサイズ関係が使用されることによって、ソフトフィルム層20322がカバー201の表面を指が押圧して印加する圧力を受けて変形したときに、第1支持体20321及び第2支持体20323はいずれもソフトフィルム層20322の上面及び下面を均一に支持することができ、このようにして、ソフトフィルム層20322が十分に変形して、感圧静電容量の変化を十分にすることを確保しながら、ソフトフィルム層20322が均一に変形し、ソフトフィルム層20322を保護することを確保し、このため、力センサ203は十分な感度を有し、また、タッチパッド200の表面の指による圧力の大きさを均一に検知することができる。
【0054】
代替実施形態では、第1支持体20321のサイズは第2支持体20323のサイズよりも小さくしてもよく、例えば、第1支持体20321及び第2支持体20323は同様に球状硬質粒子であるが、第1支持体20321の直径が第2支持体20323の2/1以下であり、例えば、第1支持体20321の直径が第2支持体20323の直径の2/1~3/1であってもよく、このようにすると、圧力検出感度を確保しつつ、ソフトフィルム層20322に対する変形制御を容易にし、使用者の指がタッチパッド200を押圧するときの手触りを改善し、圧力を検出しやすくする。
【0055】
また、図2に示すように、PCB基板204は力センサ203の下方に設けられ、タッチセンサ202及び力センサ203を載置、支持する上に、タッチパッド200の電子部品や回路を搭載してもよい。電子部品は、例えばタッチコントローラ209や複数のアクチュエータ206を含む。タッチコントローラ209はPCB基板204の下面に装着され、PCB基板204の接続配線を介してタッチセンサ202及び力センサ203に電気的に接続され、タッチセンサ202及び力センサ203に駆動信号を供給し、両方を駆動して静電容量式タッチ検出及び圧力検出をそれぞれ実行させる一方、指がタッチパッド200を押圧するときにタッチセンサ202及び力センサ203によって出力されるタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、上記タッチ感知信号及び感圧信号に基づいて指位置情報及び指により印加される圧力の大きさを決定する。さらに、タッチコントローラ209はまた、複数のアクチュエータ206に接続され、検出された圧力の大きさに応答してアクチュエータ206を駆動して振動フィードバックを実行させるようにしてもよい。特定の実施例では、タッチコントローラ209は圧力検出とタッチ位置検出を統合したタッチチップであってもよいし、個別に設けられた、圧力検出用の圧力検出チップとタッチ位置検出用のタッチチップであってもよい。アクチュエータ206はフォームでPCB基板204の下方に貼り付けられてもよく、このフォームはアクチュエータ206の振動に対して緩衝作用を果たし、ここでは、アクチュエータ206はリニアモータ又は圧電セラミックスであってもよい。
【0056】
ブラケット205は、ステンレス鋼材質の補強板であり、タッチパッド200の硬度を向上させ、押圧によるタッチパッド200のくぼみを防止するとともに、タッチパッド200を支持する役割を果たす。このブラケット205はPCB基板204の下面に覆われ、複数の開口を有し、前記開口はPCB基板204の下面に設けられるタッチセンサ209やアクチュエータ206などの電子部品の逃し空間を提供する。
【0057】
1つの好適な実施例では、アクチュエータ206は圧電セラミックスであり、より具体的には、タッチパッド200は、それぞれPCB基板204の下面の4つの隅領域に設けられ、PCB基板204に垂直な方向に振動可能な4つの圧電セラミックスアクチュエータを含む。このような場合、図7aに示すように、ブラケット205は、第1圧電セラミックス収容部2051、第2圧電セラミックス収容部2052、第3圧電セラミックス収容部2053及び第4圧電セラミックス収容部2054として4つの隅領域のそれぞれに開口を形成してある。これらのうち、圧電セラミックス収容部2051~2054はそれぞれブラケット205の左上隅領域、左下隅領域、右上隅領域及び右下隅領域に位置し、4つの圧電セラミックスアクチュエータを収容する。さらに、ブラケット205はタッチコントローラ収容部2055として中央領域にも1つの開口を形成し、タッチコントローラ収容部2055はPCB基板204の下面の中央領域に位置するタッチコントローラ209や他の電子部品を収容する。タッチパッド200の4つの隅に圧電セラミックスが設けられることによって、タッチパッドの振動の一致性が向上する。
【0058】
別の代替実施例としては、アクチュエータ206はリニアモータであってもよく、より具体的には、リニアモータはPCB基板204の下面の中央領域に設けられてもよく、また、PCB基板204に平行な方向に沿って横方向に振動してもよい。このような場合、図7bに示すように、ブラケット205は、リニアモータを収容するリニアモータ収容部2057として中央領域に開口を形成していてもよい。また、ブラケット205は、リニアモータ収容部2057の両側に第1開口2056及び第2開口2058が形成されてもよく、この両方はそれぞれブラケット205の両側縁部に接近して設けられ、PCB基板204のタッチコントローラ209や他の電子部品を収容する。タッチパッド200の中心位置にリニアモータが設けられることによって、タッチパッド200の振動効果が高まる。
【0059】
ブラケット上205には、アクチュエータのタイプに応じて、異なる開口が設けられることにより、振動効果に影響を与えることなく、タッチパッドの厚さを小さくする。
【0060】
図2においては、タッチパッド200は、タッチパッド200を電子機器のハウジングに固定するための固定部材207をさらに含み、具体的には、ブラケット205は固定部材207の箇所に固定部材207を収容する孔が設けられ、ブラケット205は固定部材207を介してタッチパッド200を電子ボードのハウジングに固定し、例えば、該電子機器のハウジングはノートパソコンのCシェルであり、固定部材207はスクリューであるようにしてもよい。
【0061】
本開示の実施例に係るタッチパッド200では、タッチセンサ202の下方に力センサ203が設けられ、力センサ203は支持構造2032を利用して両側の圧力電極層2031及び2033で感圧静電容量を形成し、これによって、指がタッチパッド200を押圧するときに印加する圧力の大きさは圧力容量方式によって検出され、また、触覚フィードバックも提供される。圧電抵抗力センサを用いた従来のタッチパッドに比べて、本実施例に係るタッチパッド200は、構造がシンプルであり、コストが低く、また、厚さが薄く、圧力検出感度が高いという効果があり、さまざまな適用シーンの電子機器に適用できる。
【0062】
図2に示されるタッチパッド構造に基づいて改良した形態として、図8に示すように、力センサ203の第1圧力電極層2031はタッチセンサ202の第2タッチ電極層2023及び第2基材2024を共用してもよく、これは、図2に示される第1圧力電極層2031の上部電極副層20311及び上部基材副層20312が省略されてもよいことに相当し、このように、タッチパッド200の厚さが効果的に減少する。より具体的には、タッチセンサ202の第2タッチ電極層2023及び第2基材2024は、それぞれ、第1圧力電極層2031の上部電極副層20311及び上部基材副層20312としても機能してもよく、つまり、タッチセンサ202の第2タッチ電極層2023はタッチセンサ202と力センサ203の共通電極層として機能してもよく、これらの上方の第1タッチ電極層2021とタッチ検知静電容量を形成するに加えて、支持構造2032の下方の第2圧力電極層2033と感圧静電容量を形成する。
【0063】
任意選択的に、タッチパッド200の厚さをさらに小さくするために、力センサ203の第2圧力電極層2033の下部基材副層20332はPCB基板204を直接共用してもよく、つまり、第2圧力電極層2033の下部電極副層20331はPCB基板204の表面に直接形成されてもよく、このような場合、図2に示される第2圧力電極層2033の下部基材副層20332が省略され、PCB基板204は第2圧力電極層2033の下部電極副層20331の基材としても利用されることに相当する。
【0064】
さらに、図8に示される実施例では、好ましくは、第2タッチ電極層2023は、具体的には、図3b又は5aに示すように、タッチセンサ202及び力センサ203の共通駆動電極層とし、複数の共通駆動電極を含み、一方、第1タッチ電極層2021は、具体的には、図3aに示すように、タッチセンサ202のタッチ感知電極層とし、複数のタッチ感知電極を含み、そして、力センサ203の第2圧力電極層2033は、具体的には、図5bに示すように、力センサ203の感圧電極層とし、複数の感圧電極を含んでもよい。上記共用構造に基づいて、作動過程では、第2タッチ電極層2023に駆動信号を1回送信すると、タッチセンサ202の第1タッチ電極層2021及び力センサ203の第2圧力電極層2033は、それぞれ、指によるタッチ/押圧により引き起こされるタッチ感知信号及び感圧信号を検出することができ、両方の信号は指のタッチ位置や圧力の大きさの計算に用いられ、これにより、タッチパッド200の応答速度が高まり、タッチパッド200の消費電力が効果的に低下する。
【0065】
別の実施形態では、タッチセンサ202及び力センサ203の駆動信号は第2タッチ電極層2023に時分割で供給されてもよく、例えば、第1時刻には、タッチコントローラ209は、まず、第2タッチ電極層2023にタッチ駆動信号を供給し、タッチセンサ202の第1タッチ電極層2021によって出力されたタッチ感知信号を受信し、指のタッチ位置情報を算出し、第2時刻には、タッチコントローラ209は、第2タッチ電極層2023に圧力駆動信号を供給し、力センサ203の第2圧力電極層2033によって出力された感圧信号を受信し、指が押圧するときに印加する圧力の大きさを算出するようにしてもよい。
【0066】
図2に示される実施例と比較して、図8に示されるタッチパッド200では、上記積層共用構造によって、力センサ203の第1圧力電極層2031及び下部基材副層20332はそれぞれタッチセンサ202の一部の構造及びPCB基板204を共用し、このように、圧力検出精度に影響を与えることなくタッチパッド200の厚さを小さくするとともに、タッチパッド200のコストを削減させる。また、1回の駆動によってタッチ検出と圧力検出が行われることにより、タッチパッド200の応答速度が高まり、消費電力が低下する。
【0067】
図9に示すように、別の代替実施形態では、図9に示されるタッチパッド200は図8に示される実施例とほぼ類似しており、ただし、図9に示されるタッチパッド200のタッチセンサ202は、第1タッチ電極層2021と第2タッチ電極層2023を同一層基材2022で載置する点が相違する。具体的には、タッチセンサ202は、上から下へ第1タッチ電極層2021、第1基材2022及び第2タッチ電極層2023をこの順で含み、第1タッチ電極層2021は第1基材2022の上面に設けられ、第2タッチ電極層2023は第1基材2022の下面に設けられる。第1基材2022は第1タッチ電極層2021と第2タッチ電極層2023を支持する役割を果たす。該第1タッチ電極層2021は感知電極であってもよく、第2タッチ電極層2023は駆動電極であってもよい。
【0068】
図8に示される実施例と比較して、図9に示されるタッチパッド200では、タッチセンサ202の基材の一層がさらに省略されており、このため、タッチパッド200全体の厚さがさらに小さくなり、これによって、タッチパッドの厚さに対してさらなる制限がある適用シーンに適用できる。
【0069】
図2に示されるタッチパッド構造に基づいて改良した形態として、図10及び図11に示すように、力センサ203は複数の力センサユニット2030を含み、力センサユニット2030はタッチセンサ202とPCB基板204との間に設けられる。一実施例として、力センサユニット2030は、上から下へ第1圧力電極層2031、支持構造2032及び第2圧力電極層2033をこの順で含み、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2032は支持構造2032によって互いに隔てられて、指がタッチパッド200を押圧するときに印加する圧力を検出するための感圧静電容量を形成する。
【0070】
第1圧力電極層2031は上部電極副層20311と上部基材副層20312を含み、上部電極副層20311は上部基材副層20312の下面に設けられ、上部基材副層20312は主に上部電極副層20311を載置し、また、第1圧力電極層2031とタッチパッド200の他の層との電気的分離や粘着固定にも利用される。第2圧力電極層2033は下部電極副層20331と下部基材副層20332を含み、下部電極副層20331は下部基材副層20332の上面に設けられ、同様に、下部基材副層20332は主に下部電極副層20331を載置し、また、第2圧力電極層2032とタッチパッド200の他の層との電気的分離や粘着固定にも利用される。
【0071】
支持構造2032は第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間に位置するスペーサ層であり、第2圧力電極層2033の上方に固定されて第1圧力電極層2031を支持し、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間で可変隙間を形成し、例えば、支持構造2032は外力の作用下で弾性的に変形してもよく、即ち、支持構造2032は変形可能な構造であり、これにより、上記外力が作用する領域にある第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間隙の幅が変わる。より具体的には、指がカバー201の上面を押圧して下向きの圧力を印加するときに、圧力はカバー201及びタッチセンサ202を介して力センサ203に伝達され、さらに第1圧力電極層203を介して支持構造203に印加されてもよく、この支持構造2032は第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間の距離を可変なものとし、これにより、指押圧位置にある第1圧力電極層2021と第2圧力電極層2033との間での感圧静電容量が変わり、この感圧静電容量の変化から指がカバー201を押圧するときにカバー201へ印加する圧力が検出される。
【0072】
該支持構造2032は変形構造であり、具体的には、例えばシリコーン、フォームや他の圧縮可能な弾性材料である弾性媒体であってもよい。
【0073】
本開示の実施例に係るタッチパッド200では、タッチセンサ202の下方に力センサ203が設けられ、力センサ203が複数の力センサユニット2030として構成されることにより、圧力による検出はタッチパッドの異なる位置で行われる必要があり、支持構造2032を弾性媒体とし、支持構造2032によって両側の圧力電極層2031及び2033で感圧静電容量が形成されることにより、力検出に影響を与えずにタッチパッド200のコストを低下させる。
【0074】
図12に示すように、別の代替実施形態では、力センサ203の第1圧力電極層2031の上部基材副層20312はタッチセンサ202の第2基材2024を共用してもよく、これは、図11に示される第1圧力電極層2031の上部基材副層20312が省略されてもよいことに相当し、これは、タッチパッド200の厚さを効果的に小さくする。
【0075】
任意選択的に、タッチパッド200の厚さをさらに小さくするために、力センサ203の第2圧力電極層2033の下部基材副層20332はPCB基板204を直接共用してもよく、つまり、第2圧力電極層2033の下部電極副層20331はPCB基板204の表面に直接形成されてもよく、このような場合、図10及び図11に示される第2圧力電極層2033の下部基材副層20332が省略され、PCB基板204は第2圧力電極層2033の下部電極副層20331の基材としても利用されることに相当する。
【0076】
図13に示すように、別の代替実施形態では、図13に示されるタッチパッド200は図12に示される実施例とほぼ類似しており、ただし、図13に示されるタッチパッド200では、力センサユニット203の支持構造2032がタッチセンサ202とPCB基板204との間に設けられ、該支持構造2032は変形構造、具体的には弾性媒体であってもよく、指がカバー201を押圧して、タッチセンサ202を介して力センサ203に作用するときに、支持構造2032は指により印加される圧力の作用下で変形し、これにより、力センサ203の2層の電極層間の間隙の幅が小さくなり、指押圧位置の感圧静電容量が増大し、このように、圧力の大きさは該感圧静電容量の変化量を検出することによって算出され得る点は相違する。支持構造2032がタッチセンサ202とPCB基板204との間に設けられることによって、力センサ203の圧力検出精度が確保される。
【0077】
図14に示すように、別の代替実施形態では、図14に示されるタッチパッド200は図13に示される実施例とほぼ類似しており、ただし、図14に示されるタッチパッド200では、力センサユニット203の支持構造2032はタッチセンサ202とPCB基板204との間の全体に亘って設けられ、指がタッチパッド200の任意の位置を押圧し、この指の下方にある支持構造2032がより明らかに変形し、これは、圧力検出精度の向上に有利である。
【0078】
図15に示すように、別の代替実施形態では、図15に示されるタッチパッド200は図13に示される実施例とほぼ類似しており、ただし、タッチセンサ202とPCB基板204との間の支持構造2032が全体に亘って設けられるのではなく、タッチパッド200の周辺にのみ設けられてもよい点が相違する。圧力検出精度に影響を与えずにタッチパッド200のコストを低下させる。
【0079】
図2に示されるタッチパッド構造に基づいて改良した形態として、図16及び図17に示すように、力センサ203は複数の力センサユニット2030を含み、力センサユニット2030はタッチセンサ202とPCB基板204との間に設けられる。一実施例として、力センサユニット2030は第1圧力電極層2031と、支持構造2032と、第2圧力電極層2033とを含み、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2032は支持構造2032によって互いに隔てられて、指がタッチパッド200を押圧するときに印加する圧力を検出するための感圧静電容量を形成する。
【0080】
第1圧力電極層2031は上部電極副層20311と上部基材副層20312を含み、上部電極副層20311は上部基材副層20312の下面に設けられ、上部基材副層20312は主に上部電極副層20311を載置し、また、第1圧力電極層2031とタッチパッド200の他の層との電気的分離や粘着固定にも利用される。第2圧力電極層2033は下部電極副層20331と下部基材副層20332を含み、下部電極副層20331は下部基材副層20332の上面に設けられ、同様に、下部基材副層20332は主に下部電極副層20331を載置し、また、第2圧力電極層2032とタッチパッド200の他の層との電気的分離や粘着固定にも利用される。
【0081】
支持構造2032は第1支持体20321と第2支持体20323を含み、第1支持体20321は第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間に位置し、第2圧力電極層2033の上方に固定されて第1圧力電極層2031を支持し、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間で可変隙間を形成し、第2支持体20323は第2圧力電極層2033とPCB基板204との間に位置し、PCB基板204の上方に固定されて第2圧力電極層2033を支持する。支持構造2032は外力の作用下で弾性的に変形してもよく、即ち、支持構造2032は変形可能な構造であり、これにより、上記外力が作用する領域にある第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間隙の幅が変わる。より具体的には、指がカバー201の上面を押圧して下向きの圧力を印加するときに、圧力はカバー201及びタッチセンサ202を介して力センサ203に伝達され、さらに第1圧力電極層2031を介して第1支持体20321に印加されてもよく、第1圧力電極層2031及び第1支持体20321の受力方向が下向きであり、また、第2支持体20323は第2圧力電極層2033へ上向きの支持力を付与し、第2支持体20323の上方の第2圧力電極層2033を上へ移動させ、このように、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間の間隙の幅が小さくなり、指押圧位置の感圧静電容量が増大し、これによって、圧力の大きさは該感圧静電容量の変化量を検出することによって算出され得る。
【0082】
特定の実施例では、第1支持体20321及び第2支持体20323は硬質材料であり、例えば、はんだ、硬質接着剤や他の硬質材料であってもよい。
【0083】
図2に示される実施例と比較して、図16に示されるタッチパッド200では、力センサ203が複数の力センサユニット2030としてタッチパッドの異なる位置に分布するように構成されることによって、力センサ203の圧力検出精度が確保される。
【0084】
図18に示すように、別の代替実施形態では、力センサ203の第1圧力電極層2031の上部基材副層20312はタッチセンサ202の第2基材2024を共用してもよく、これは、図17に示される第1圧力電極層2031の上部基材副層20312が省略されてもよいことに相当し、これは、タッチパッド200の厚さを効果的に小さくする。
【0085】
一実施形態では、下部基材副層20332及び第2支持部材20323は図19に示すようにしてもよく、下部基材副層20332は彫り込み形状であってもよく、具体的には非彫り込み矩形基材20333と彫り込み矩形基材20334を含み、非彫り込み矩形基材20333と彫り込み矩形基材20334は曲線基材20335を介して接続され、4つの彫り込み領域20336となり、指が押圧すると、非彫り込み矩形基材20333は力を受けて上へ移動し、曲線基材20335によってより大きな可変隙間の幅が発生し、第1圧力電極層2031と第2圧力電極層2033との間の距離がより小さくなり、圧力検出感度が向上する。
【0086】
任意選択的に、図20に示すように、力センサユニット2030はタッチパッド200の4つの隅位置に設けられてもよく、このような構成とすることにより、圧力検出精度に影響を与えずにタッチパッド200のコストを削減させる。
【0087】
本開示の実施例は、互いに間隔を空けて設けられる複数のタッチ感知電極を含むタッチ感知電極層と、タッチ感知電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の共通駆動電極を含む共通電極層であって、共通駆動電極とタッチ感知電極との間で複数のタッチ検知静電容量が形成され、複数のタッチ検知静電容量はタッチセンサとして機能し、指がタッチパッドをタッチ又は押圧するときに指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力する共通電極層と、共通電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の感圧電極を含む感圧電極層であって、感圧電極と共通駆動電極との間で複数の感圧静電容量が形成され、複数の感圧静電容量は力センサとして機能し、指がタッチパッドを押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する感圧電極層と、プリント回路基板の表面に形成される複数の感圧電極層を載置するプリント回路基板とを含み、共通電極層と感圧電極層との間に支持構造が設けられ、支持構造は変形可能な構造であり、指により印加される圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変えるタッチパッドをさらに提供する。
【0088】
本実施例に係るタッチパッドでは、共通電極層が設けられ、それぞれタッチ感知電極と指のタッチ位置を検出するための複数のタッチ検知静電容量を形成し、感圧電極との間で複数の感圧静電容量を形成し、支持構造を利用して両側の圧力電極層に感圧静電容量を形成することによって、圧力容量方式によって指がタッチパッドを押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する。圧電抵抗力センサを用いた従来のタッチパッドに比べて、本実施例に係るタッチパッドは、構造がシンプルであり、コストが低く、また、厚さが薄く、圧力検出感度が高いという効果があり、さまざまな適用シーンの電子機器に適用できる。本開示の実施例は、指がタッチ又は押圧する入力インターフェースを提供するカバーと、カバーの下方に設けられ、指がカバーをタッチ又は押圧するときに指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力するタッチセンサと、タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、少なくとも1つの圧力電極層はタッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、支持構造は変形可能な構造であり、指が感圧タッチ装置を押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変える力センサと、力センサの下方に設けられ、力センサ及びタッチセンサを載置、支持するプリント回路基板と、プリント回路基板に固定装着され、タッチセンサ及び力センサに電気的に接続され、タッチセンサ及び力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、指の感圧タッチ装置でのタッチ位置及び指により印加される圧力の大きさを決定するタッチコントローラとを含む、感圧タッチ装置をさらに提供する。
【0089】
本実施例に係る感圧タッチ装置では、タッチセンサの下方に力センサが設けられ、かつ力センサは支持構造を利用して両側の圧力電極層間で感圧静電容量を形成することによって、圧力容量方式によって指がカバーの表面を押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する。圧電抵抗力センサを用いた従来の感圧タッチ装置に比べて、本実施例に係る感圧タッチ装置は、構造がシンプルであり、コストが低く、また、厚さが薄く、圧力検出感度が高いという効果があり、さまざまな適用シーンの電子機器に適用できる。
【0090】
本開示の実施例は、ディスプレイと上記した各実施例におけるタッチパッドとを含み、タッチパッドは指がタッチ又は押圧するときに指のタッチ位置及び印加される圧力の大きさを検出し、ディスプレイは指によるタッチ又は押圧に関連する操作を表示する電子機器をさらに提供する。
【0091】
なお、矛盾しない限り、本開示に記載の各実施形態及び/又は各実施例の技術的特徴は任意に互いに組み合わせられてもよく、組み合わせによる技術的解決手段も本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【0092】
本開示の実施例で開示された構造又は機器は他の形態で実現されてもよい。上記した装置の実施例は例示的なものに過ぎず、ユニットの区分はロジック機能の区分に過ぎず、実際に実装するときには、別の区分形態を取ってもよく、複数のユニット又はユニットは、組み合わせられたり、別のシステムに総合されたりしてもよい。また、ユニット同士の結合又は各ユニット同士の結合は直接結合であってもよいし、間接的な結合であってもよく、上記の結合は電気的、機械的又は他の形態の接続を含む。
【0093】
なお、本開示の実施例における具体例は当業者が本開示の実施例をよりよく理解できるようにするために過ぎず、本開示の実施例の範囲を制限するものではなく、当業者であれば、上記実施例に基づいてさまざまな改良や変形を行うことができ、これらの改良や変形は全て本開示の請求範囲に含まれるものとする。
【0094】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の請求範囲はこれらに限定されるものではなく、当業者が本開示で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化や置換であれば、本開示の請求範囲に含まれる。このため、本開示の請求範囲は、特許請求の範囲による請求範囲に準じるべきである。
【0095】
(付記)
(付記1)
タッチパッドであって、
タッチセンサと、力センサと、プリント回路基板と、タッチコントローラとを含み、
前記タッチセンサは、第1タッチ電極層と、第2タッチ電極層と、第1基材とを含み、前記第1タッチ電極層は前記第1基材を介して前記第2タッチ電極層の上方に設けられ、前記第2タッチ電極層と複数のタッチ検知静電容量を形成し、前記タッチ検知静電容量は、指が前記タッチパッドをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力し、
前記力センサは前記タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記タッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指が前記タッチパッドを押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変え、前記少なくとも1つの圧力電極層を介して対応する感圧信号を出力し、
前記プリント回路基板は前記力センサの下方に設けられ、前記力センサ及び前記タッチセンサを載置、支持し、
前記タッチコントローラは前記プリント回路基板に固定装着され、前記タッチセンサ及び前記力センサに電気的に接続され、前記タッチセンサ及び前記力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記指の前記タッチパッドでのタッチ位置及び前記指により印加される圧力の大きさを決定することを特徴とするタッチパッド。
【0096】
(付記2)
前記力センサは前記タッチセンサの第2タッチ電極層を共通電極層として共用し、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記支持構造の下方に位置する第2圧力電極層であり、前記第2圧力電極層は前記共通電極層と互いに重なって前記複数の感圧静電容量を形成することを特徴とする付記1に記載のタッチパッド。
【0097】
(付記3)
前記第2圧力電極層は、前記プリント回路基板の上面に直接形成される下部電極副層を含み、又は、
前記第2圧力電極層は下部電極副層と下部基材副層を含み、前記下部電極副層は前記下部基材副層の上面に形成され、かつ前記下部基材副層は前記プリント回路基板の表面に設けられることを特徴とする付記2に記載のタッチパッド。
【0098】
(付記4)
前記支持構造は前記第2タッチ電極層と前記第2圧力電極層との間に設けられ、前記第2タッチ電極層と前記第2圧力電極層との間で可変隙間を形成し、前記可変隙間の幅が前記指により印加される圧力の作用下で変化することにより、前記指押圧領域の感圧静電容量が変わることを特徴とする付記2に記載のタッチパッド。
【0099】
(付記5)
前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ前記ソフトフィルム層の上面及び下面に配設され、前記第1支持体は前記共通電極層を支持し、前記第2支持体は前記第2圧力電極層に接続されることで、前記ソフトフィルム層を前記第2圧力電極層の上方に支持し、
前記第2支持体と前記第2圧力電極層は粘着剤で直接接続され、又は前記第2支持体は平坦層を介して前記第2圧力電極層に間接的に接続されることを特徴とする付記4に記載のタッチパッド。
【0100】
(付記6)
前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面にアレイ状に均一に分布している第1硬質粒子であり、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面にアレイ状に均一に分布している第2硬質粒子であり、かつ、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられることを特徴とする付記5に記載のタッチパッド。
【0101】
(付記7)
前記第1硬質粒子及び前記第2硬質粒子は両方ともに球状粒子であり、かつ直径が異なり、
前記第1支持体の直径は少なくとも前記第2支持体の直径の3倍であり、又は、前記第1支持体の直径は第2支持体の直径の2/1~3/1であることを特徴とする付記6に記載のタッチパッド。
【0102】
(付記8)
前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層に一体成形されるか、又は粘着剤で前記ソフトフィルム層の上面及び下面に密着して固定され、任意の4つの隣接する第2支持体により画定された領域のそれぞれの中心に1つの第1支持体が設けられ、かつ前記第1支持体のサイズが、前記第2支持体のサイズよりも大きいことを特徴とする付記6に記載のタッチパッド。
【0103】
(付記9)
前記共通電極層は前記タッチセンサ及び前記力センサの共通駆動電極層として機能し、複数の共通駆動電極を含み、
前記第1タッチ電極層は、前記共通電極層の上方に設けられる複数のタッチ感知電極を含み、前記第2圧力電極層は前記共通電極層の下方に設けられる複数の感圧電極であり、
前記共通駆動電極は前記タッチコントローラから駆動信号を受信し、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極はそれぞれ、前記駆動信号に応答して前記タッチ感知信号及び前記感圧信号を出力することを特徴とする付記2に記載のタッチパッド。
【0104】
(付記10)
前記タッチ感知電極及び前記感圧電極は、前記タッチコントローラが同一時刻に送信する共通駆動信号に応答して、前記タッチ感知信号及び感圧信号をそれぞれ出力することを特徴とする付記9に記載のタッチパッド。
【0105】
(付記11)
前記タッチコントローラが前記共通駆動電極に出力する駆動信号は第1時刻に出力するタッチ駆動信号と第2時刻に出力する圧力駆動信号を含み、かつ前記タッチ感知電極は前記タッチ駆動信号に応答して、タッチコントローラに前記タッチ感知信号を出力し、前記感圧電極は前記圧力駆動信号に応答して、前記タッチコントローラに前記感圧信号を出力することを特徴とする付記9に記載のタッチパッド。
【0106】
(付記12)
前記プリント回路基板の下面に装着され、前記タッチコントローラに電気的に接続され、前記指により印加される圧力の大きさに応答して振動フィードバックを行い、それぞれ前記プリント回路基板の下面の4つの隅領域に設けられ、前記プリント回路基板に垂直な方向に振動する4つの圧電セラミックスアクチュエータを含むアクチュエータと、
前記プリント回路基板を支持し、タッチパッドを外部ケースに装着するブラケットであって、前記プリント回路基板の下面に覆われかつ複数の開口を有し、前記複数の開口がそれぞれ前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータを収容し、また、前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータの逃し空間を提供するブラケットとをさらに含むことを特徴とする付記1に記載のタッチパッド。
【0107】
(付記13)
タッチパッドであって、
互いに間隔を空けて設けられる複数のタッチ感知電極を含むタッチ感知電極層と、
前記タッチ感知電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の共通駆動電極を含む共通電極層であって、前記共通駆動電極と前記タッチ感知電極との間で複数のタッチ検知静電容量が形成され、前記複数のタッチ検知静電容量はタッチセンサとして機能し、指が前記タッチパッドをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力する共通電極層と、
前記共通電極層の下方に設けられ、互いに間隔を空けて設けられる複数の感圧電極を含む感圧電極層であって、前記感圧電極と前記共通駆動電極との間で複数の感圧静電容量が形成され、前記複数の感圧静電容量は力センサとして機能し、前記指が前記タッチパッドを押圧するときに印加する圧力の大きさを検出する感圧電極層と、
その表面に形成される前記感圧電極層を載置するプリント回路基板とを含み、
前記共通電極層と前記感圧電極層との間に支持構造が設けられ、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指により印加される圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変えることを特徴とするタッチパッド。
【0108】
(付記14)
前記支持構造は第1支持体と、ソフトフィルム層と、第2支持体とを含み、前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面に配設され、前記共通電極層を支持し、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面に配設され、前記ソフトフィルム層を前記感圧電極層の上方に支持することを特徴とする付記13に記載のタッチパッド。
【0109】
(付記15)
前記第1支持体は前記ソフトフィルム層の上面にアレイ状に均一に分布している第1硬質粒子であり、前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の下面にアレイ状に均一に分布している第2硬質粒子であり、前記第1硬質粒子と前記第2硬質粒子のサイズが異なり、かつ、前記第1支持体及び前記第2支持体は前記ソフトフィルム層の水平投影において千鳥状に設けられることを特徴とする付記14に記載のタッチパッド。
【0110】
(付記16)
前記第1支持体の中心点から隣り合う第1支持体の中心点までの距離が、前記第2支持体の中心点から隣り合う第2支持体の中心点までの距離に等しいことを特徴とする付記15に記載のタッチパッド。
【0111】
(付記17)
タッチコントローラをさらに含み、前記タッチコントローラは前記プリント回路基板の下面に装着され、前記共通駆動電極に駆動信号を出力し、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極がそれぞれ前記駆動信号に応答して出力するタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記タッチ感知信号は前記指のタッチ位置を検出し、前記感圧信号は前記指により印加される圧力の大きさを検出し、
前記駆動信号は前記タッチコントローラが同一時刻に出力する共通駆動信号であり、前記タッチ感知電極及び前記感圧電極は前記共通駆動信号に応答して前記タッチ感知信号及び前記感圧信号をそれぞれ出力し、又は、
前記タッチコントローラが前記共通駆動電極に出力する駆動信号は第1時刻に出力するタッチ駆動信号と第2時刻に出力する圧力駆動信号を含み、かつ前記タッチ感知電極は前記タッチ駆動信号に応答して、タッチコントローラに前記タッチ感知信号を出力し、前記感圧電極は前記圧力駆動信号に応答して、前記タッチコントローラに前記感圧信号を出力することを特徴とする付記16に記載のタッチパッド。
【0112】
(付記18)
前記プリント回路基板の下面に装着され、前記タッチコントローラに電気的に接続され、前記指により印加される圧力の大きさに応答して振動フィードバックを行うアクチュエータと、
前記プリント回路基板を支持し、タッチパッドを外部ケースに装着するブラケットであって、前記プリント回路基板の下面に覆われかつ複数の開口を有し、前記複数の開口がそれぞれ前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータを収容し、前記タッチコントローラ及び前記アクチュエータの逃し空間を提供するブラケットとをさらに含むことを特徴とする付記17に記載のタッチパッド。
【0113】
(付記19)
感圧タッチ装置であって、
指がタッチ又は押圧する入力インターフェースを提供するカバーと、
カバーの下方に設けられ、前記指が前記カバーをタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置を検知し、対応するタッチ感知信号を出力するタッチセンサと、
前記タッチセンサの下方に設けられ、支持構造と少なくとも1つの圧力電極層を含み、前記少なくとも1つの圧力電極層は前記タッチセンサの下方に複数の感圧静電容量を形成し、前記支持構造は変形可能な構造であり、前記指が前記感圧タッチ装置を押圧するときに印加する圧力の作用下で変形することで、指押圧領域の感圧静電容量を変える力センサと、
前記力センサの下方に設けられ、前記力センサ及び前記タッチセンサを載置、支持するプリント回路基板と、
前記プリント回路基板に固定装着され、前記タッチセンサ及び前記力センサに電気的に接続され、前記タッチセンサ及び前記力センサからタッチ感知信号及び感圧信号を受信し、前記指の前記感圧タッチ装置でのタッチ位置及び前記指により印加される圧力の大きさを決定するタッチコントローラとを含むことを特徴とする感圧タッチ装置。
【0114】
(付記20)
電子機器であって、
ディスプレイと、付記1~18のいずれか1つに記載のタッチパッドとを含み、
前記タッチパッドは指がタッチ又は押圧するときに前記指のタッチ位置及び印加される圧力の大きさを検出し、前記ディスプレイは前記指によるタッチ又は押圧に関連する操作を表示することを特徴とする電子機器。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20