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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159863
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】作業床用ブラケット及び作業床
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/18 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
E04G3/18 B
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036806
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2022069212
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519187333
【氏名又は名称】一般社団法人日本住宅オプション協会
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100189946
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 誠
(72)【発明者】
【氏名】須藤 匡一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 大輔
(57)【要約】
【課題】窓枠により安定して設置できる作業床用ブラケットを提供すること。
【解決手段】作業床用ブラケット2は、窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第1本体アーム11、第1本体アーム11の室外側において外壁に沿うように設けられる第1外アーム12、第1本体アーム11の室内側において内壁に沿うように設けられる第1内アーム14及び第1本体アーム11の室内側に設けられ、窓枠及び又は窓枠の開口部周辺の内壁と当接する第1窓枠当接部50を備え、窓枠の幅方向の一方の側に設置される第1ブラケット10と、この第1ブラケット10と同一構成であって、窓枠の幅方向の他方の側に設置される第2ブラケット20と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の開口部の窓枠に設置される作業床用ブラケットであって、
前記窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第1本体アーム、前記第1本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第1外アーム、前記第1本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第1内アーム、及び、前記第1本体アームの室内側に設けられ、前記窓枠及び又は前記窓枠の開口部周辺の内壁と当接する第1窓枠当接部を備え、前記窓枠の幅方向の一方の側に設置される第1ブラケットと、
前記窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第2本体アーム、前記第2本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第2外アーム、前記第2本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第2内アーム、及び、前記第2本体アームの室内側に設けられ、前記窓枠及び又は前記窓枠の開口部周辺の内壁と当接する第2窓枠当接部を備え、前記窓枠の幅方向の他方の側に設置される第2ブラケットと、
を備える作業床用ブラケット。
【請求項2】
前記第1外アームは、窓枠から下側に離間した位置で外壁に当接する第1外壁当接部を備え、
前記第2外アームは、窓枠から下側で離間した位置で外壁に当接する第2外壁当接部を備える、
請求項1に記載の作業床用ブラケット。
【請求項3】
前記第1内アームは、窓枠から下側に離間した位置で内壁に当接する第1内壁当接部を備え、
前記第2内アームは、窓枠から下側に離間した位置で内壁に当接する第2内壁当接部を備える、
請求項1に記載の作業床用ブラケット。
【請求項4】
前記第1本体アームの窓枠近傍と、前記第2本体アームの窓枠近傍との間を連結する第1連結部材を備える、
請求項1に記載の作業床用ブラケット。
【請求項5】
前記第1本体アームの窓枠よりも室外側の端部と、前記第2本体アームの窓枠よりも室外側の端部との間を連結する第2連結部材を備える、
請求項1に記載の作業床用ブラケット。
【請求項6】
前記第1本体アームは、床板載置予定領域を囲むように設けられる第1外枠部を備え、
前記第2本体アームは、床板載置予定領域を囲むように設けられる第2外枠部を備える、
請求項1に記載の作業床用ブラケット。
【請求項7】
前記第1本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から上側に延在する第1支柱部材と、
前記第2本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から上側に延在する第2支柱部材と、
前記第1支柱部材の上側の端部と前記第2支柱部材の上側の端部との間を連結する第3連結部材と、を備える柵部を備える、
請求項1に記載の作業床用ブラケット。
【請求項8】
前記柵部は、
前記第1支柱部材を前記第1本体アームに対して回動自在に支持する第1可動部と、
前記第2支柱部材を前記第2本体アームに対して回動自在に支持する第2可動部と、
を備える、
請求項7に記載の作業床用ブラケット。
【請求項9】
前記柵部は、
前記第1支柱部材の上側の端部において前記第3連結部材の一方の側を移動自在に支持する第1上側連結支持部と、
前記第2支柱部材の上側の端部において前記第3連結部材の他方の側を移動自在に支持する第2上側連結支持部と、を備える、
請求項7に記載の作業床用ブラケット。
【請求項10】
前記柵部は、前記第3連結部材の下側に、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間を連結する第4連結部材を備える、
請求項7に記載の作業床用ブラケット。
【請求項11】
前記第1支柱部材は、前記第4連結部材の一方の側を移動自在に支持する第1下側連結支持部を備え、
前記第2支柱部材は、前記第4連結部材の他方の側を移動自在に支持する第2下側連結支持部を備える、
請求項10に記載の作業床用ブラケット。
【請求項12】
前記第1ブラケットは、
前記第1本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から下側に向けて延在する第1外縁アームと、
前記第1外縁アームの下側の端部と前記第1外アームとの間を連結するように設けられ、上面に床板載置予定領域を有する第1床板アームと、を備え、
前記第2ブラケットは、
前記第2本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から下側に向けて延在する第2外縁アームと、
前記第2外縁アームの下側の端部と前記第2外アームとの間を連結するように設けられ、上面に床板載置予定領域を有する第2床板アームと、を備える、
請求項1~3、7~10に記載の作業床用ブラケット。
【請求項13】
前記第1ブラケットは、前記第1本体アームと前記第1床板アームとの間において、前記第1外縁アームと前記第1外アームとの間を連結するように設けられる第1中間アームを備え、
前記第2ブラケットは、前記第2本体アームと前記第2床板アームとの間において、前記第2外縁アームと前記第2外アームとの間を連結するように設けられる第2中間アームを備える、
請求項12に記載の作業床用ブラケット。
【請求項14】
前記第1中間アームは、前記第1床板アームの床板載置予定領域に載置される床板を固定する第1床板固定部を備え、
前記第2中間アームは、前記第2床板アームの床板載置予定領域に載置される床板を固定する第2床板固定部を備える、
請求項13に記載の作業床用ブラケット。
【請求項15】
前記第1外壁当接部は、
外壁に当接する第1外壁押圧部材と、
前記第1外壁押圧部材の少なくとも一部を外壁に密着させる第1押圧部材支持部と、を備え、
前記第2外壁当接部は、
外壁に当接する第2外壁押圧部材と、
前記第2外壁押圧部材の少なくとも一部を外壁に密着させる第2押圧部材支持部と、を備える、
請求項2に記載の作業床用ブラケット。
【請求項16】
建造物において隣接する第1開口部の第1窓枠と第2開口部の第2窓枠とに設置される作業床用ブラケットであって、
前記第1窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第1本体アーム、前記第1本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第1外アーム、前記第1本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第1内アーム、及び、前記第1本体アームの室内側に設けられ、前記第1窓枠及び又は前記第1窓枠の前記第1開口部周辺の内壁と当接する第1窓枠当接部を備え、前記第1窓枠の幅方向の一方又は他方の側に設置される第1ブラケットと、
前記第2窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第2本体アーム、前記第2本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第2外アーム、前記第2本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第2内アーム、及び、前記第2本体アームの室内側に設けられ、前記第2窓枠及び又は前記第2窓枠の前記第2開口部周辺の内壁と当接する第2窓枠当接部を備え、前記第2窓枠の幅方向の一方又は他方の側に設置される第2ブラケットと、
を備える作業床用ブラケット。
【請求項17】
請求項1又は16に記載の作業床用ブラケットと、
前記作業床用ブラケットの前記第1本体アームの床板載置予定領域と前記第2本体アームの床板載置予定領域とに載置される床板と、
を備える作業床。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業床用ブラケット及び作業床に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、戸建ての住宅や集合住宅等の窓にシャッタを取り付けたり、窓枠周辺の外壁にエアコンのダクトを通す穴を開けたりする作業が行われている。その際、2階以上の高さで作業する場合には、作業用の足場を設置する必要がある。すでに完成している建造物では、足場が撤去されているため、後からシャッタを取り付ける作業等を行う場合には、脚立を使うか、新たに足場を組む必要がある。しかし、脚立による作業は、不安定になりやすく、新たに足場を組むには、費用と日数を要する。また、隣接する建造物との間隔が狭い場合には、脚立を設置できなかったり、足場を組めなかったりすることがある。そこで、窓枠に設置する形態の作業床が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6470556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献の作業床は、作業者の重さにより作業床が室外側に回転して脱落しないように、窓枠の室内側に突出した部分の下側に掛止具の一部を係止するように構成されている。そのため、窓枠の室内側に突出する部分が、荷重を受け止めるのに十分な長さでない場合、作業床が不安定になりやすい。また、窓枠が室内側に突出しない場合、作業床を設置することができない。
【0005】
本発明の目的は、窓枠により安定して設置できる作業床用ブラケット及び作業床を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、建造物の開口部の窓枠に設置される作業床用ブラケットであって、前記窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第1本体アーム、前記第1本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第1外アーム、前記第1本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第1内アーム、及び、前記第1本体アームの室内側に設けられ、前記窓枠及び又は前記窓枠の開口部周辺の内壁と当接する第1窓枠当接部を備え、前記窓枠の幅方向の一方の側に設置される第1ブラケットと、前記窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第2本体アーム、前記第2本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第2外アーム、前記第2本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第2内アーム、及び、前記第2本体アームの室内側に設けられ、前記窓枠及び又は前記窓枠の開口部周辺の内壁と当接する第2窓枠当接部を備え、前記窓枠の幅方向の他方の側に設置される第2ブラケットと、を備える作業床用ブラケットに関する。
【0007】
第2の発明に係る作業床用ブラケットは、第1の発明において、前記第1外アームは、窓枠から下側に離間した位置で外壁に当接する第1外壁当接部を備え、前記第2外アームは、窓枠から下側で離間した位置で外壁に当接する第2外壁当接部を備える。
【0008】
第3の発明に係る作業床用ブラケットは、第1又は第2の発明において、前記第1内アームは、窓枠から下側に離間した位置で内壁に当接する第1内壁当接部を備え、前記第2内アームは、窓枠から下側に離間した位置で内壁に当接する第2内壁当接部を備える。
【0009】
第4の発明に係る作業床用ブラケットは、第1から第3のいずれかの発明において、前記第1本体アームの窓枠近傍と、前記第2本体アームの窓枠近傍との間を連結する第1連結部材を備える。
【0010】
第5の発明に係る作業床用ブラケットは、第1から第4のいずれかの発明において、前記第1本体アームの窓枠よりも室外側の端部と、前記第2本体アームの窓枠よりも室外側の端部との間を連結する第2連結部材を備える。
【0011】
第6の発明に係る作業床用ブラケットは、第1から第5のいずれかの発明において、前記第1本体アームは、床板載置予定領域を囲むように設けられる第1外枠部を備え、前記第2本体アームは、床板載置予定領域を囲むように設けられる第2外枠部を備える。
【0012】
第7の発明に係る作業床用ブラケットは、第1~第6のいずれかの発明において、前記第1本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から上側に延在する第1支柱部材と、前記第2本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から上側に延在する第2支柱部材と、前記第1支柱部材の上側の端部と前記第2支柱部材の上側の端部との間を連結する第3連結部材と、を備える柵部を備える。
【0013】
第8の発明に係る作業床用ブラケットは、第7の発明において、前記柵部は、前記第1支柱部材を前記第1本体アームに対して回動自在に支持する第1可動部と、前記第2支柱部材を前記第2本体アームに対して回動自在に支持する第2可動部と、を備える。
【0014】
第9の発明に係る作業床用ブラケットは、第7又は第8の発明において、前記柵部は、前記第1支柱部材の上側の端部において前記第3連結部材の一方の側を移動自在に支持する第1上側連結支持部と、前記第2支柱部材の上側の端部において前記第3連結部材の他方の側を移動自在に支持する第2上側連結支持部と、を備える。
【0015】
第10の発明に係る作業床用ブラケットは、第7から第9のいずれかの発明において、前記柵部は、前記第3連結部材の下側に、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との間を連結する第4連結部材を備える。
【0016】
第11の発明に係る作業床用ブラケットは、第7から第10のいずれかの発明において、前記第1支柱部材は、前記第4連結部材の一方の側を移動自在に支持する第1下側連結支持部を備え、前記第2支柱部材は、前記第4連結部材の他方の側を移動自在に支持する第2下側連結支持部を備える。
【0017】
第12の発明に係る作業床用ブラケットは、第1から第11のいずれかの発明において、前記第1ブラケットは、前記第1本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から下側に向けて延在する第1外縁アームと、前記第1外縁アームの下側の端部と前記第1外アームとの間を連結するように設けられ、上面に床板載置予定領域を有する第1床板アームと、を備え、前記第2ブラケットは、前記第2本体アームの室外側の端部に設けられ、前記端部から下側に向けて延在する第2外縁アームと、前記第2外縁アームの下側の端部と前記第2外アームとの間を連結するように設けられ、上面に床板載置予定領域を有する第2床板アームと、を備える。
【0018】
第13の発明に係る作業床用ブラケットは、第12の発明において、前記第1ブラケットは、前記第1本体アームと前記第1床板アームとの間において、前記第1外縁アームと前記第1外アームとの間を連結するように設けられる第1中間アームを備え、前記第2ブラケットは、前記第2本体アームと前記第2床板アームとの間において、前記第2外縁アームと前記第2外アームとの間を連結するように設けられる第2中間アームを備える。
【0019】
第14の発明に係る作業床用ブラケットは、第13の発明において、前記第1中間アームは、前記第1床板アームの床板載置予定領域に載置される床板を固定する第1床板固定部を備え、前記第2中間アームは、前記第2床板アームの床板載置予定領域に載置される床板を固定する第2床板固定部を備える。
【0020】
第15の発明に係る作業床用ブラケットは、第2から第14のいずれかの発明において、前記第1外壁当接部は、外壁に当接する第1外壁押圧部材と、前記第1外壁押圧部材の少なくとも一部を外壁に密着させる第1押圧部材支持部と、を備え、前記第2外壁当接部は、外壁に当接する第2外壁押圧部材と、前記第2外壁押圧部材の少なくとも一部を外壁に密着させる第2押圧部材支持部と、を備える。
【0021】
第16の発明は、建造物において隣接する第1開口部の第1窓枠と第2開口部の第2窓枠とに設置される作業床用ブラケットであって、前記第1窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第1本体アーム、前記第1本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第1外アーム、前記第1本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第1内アーム、及び、前記第1本体アームの室内側に設けられ、前記第1窓枠及び又は前記第1窓枠の前記第1開口部周辺の内壁と当接する第1窓枠当接部を備え、前記第1窓枠の幅方向の一方又は他方の側に設置される第1ブラケットと、前記第2窓枠上において室内側から室外側に向けて延在する第2本体アーム、前記第2本体アームの室外側において前記建造物の外壁に沿うように設けられる第2外アーム、前記第2本体アームの室内側において前記建造物の内壁に沿うように設けられる第2内アーム、及び、前記第2本体アームの室内側に設けられ、前記第2窓枠及び又は前記第2窓枠の前記第2開口部周辺の内壁と当接する第2窓枠当接部を備え、前記第2窓枠の幅方向の一方又は他方の側に設置される第2ブラケットと、を備える作業床用ブラケットに関する。
【0022】
第17の発明は、第1から第16のいずれかの発明に記載の作業床用ブラケットと、前記作業床用ブラケットの前記第1本体アームの床板載置予定領域と前記第2本体アームの床板載置予定領域とに載置される床板と、を備える作業床に関する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、窓枠により安定して設置できる作業床用ブラケット及び作業床を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態の作業床1を室外側から視たときの構成図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3】第1実施形態の作業床1を室内側から視たときの構成図である。
図4】第2実施形態の作業床1Aを室外側から視たときの構成図である。
図5図4のB-B線に相当する断面図である。
図6図4のB-B線に相当する断面図である。
図7】第3実施形態の作業床1Bを室内側から視たときの構成図である。
図8】第4実施形態の作業床1Cを室外側から視たときの構成図である。
図9】第4実施形態の作業床1Cを室内側から視たときの構成図である。
図10】第5実施形態の作業床1Dを室外側から視たときの構成図である。
図11図10のC-C線に相当する断面図である。
図12図10のC-C線に相当する断面図である。
図13図11のD-D線断面図である。
図14】第1実施形態の作業床1を室内側から視たときの構成図である。
図15】第6実施形態の作業床1Eの断面図である。
図16】本体アーム11の上に設けた床板3aの固定方法を説明する概念図である。
図17図15のE-E線に相当する断面図である。
図18】第6実施形態の作業床1Eを室内側から視たときの構成図である。
図19】第7実施形態の作業床1Fの断面図である。
図20図19のF-F線に相当する断面図である。
図21】第7実施形態の作業床1Fを室内側から視たときの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る作業床用ブラケット及び作業床の実施形態について説明する。
本明細書に添付した図面は、いずれも模式図であり、理解しやすさ等を考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更又は誇張している。また、図面においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
【0026】
以下に示す各図には、説明と理解とを容易にするために、XYZの直交座標系を設けた。この座標系では、窓枠に設置した作業床を建造物の室外側の正面から視たときの幅方向をX(X1-X2)方向、高さ方向をY(Y1-Y2)方向、奥行方向をZ(Z1-Z2)方向とする。幅方向(左右方向)Xにおいては、図中の右方向をX1方向、左方向をX2方向とする。高さ方向(上下方向)Yにおいては、図中の上方向をY1方向、下方向をY2方向とする。奥行方向(前後方向)Zにおいては、図中の前方向をZ1方向、後方向をZ2方向とする。また、本明細書においては、「~方向」を適宜に「~側」ともいう。なお、奥行方向Zについては、前方向/後方向という呼称のほか、窓枠よりも前方向Z1を「室外側」、窓枠よりも後方向Z2を「室内側」ともいう。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の作業床1を室外側から視たときの構成図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、第1実施形態の作業床1を室内側から視たときの構成図である。各図においては、例えば、ねじ山等の細部の図示を省略する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態の作業床1は、作業床用ブラケット2と、床板3と、を備える。作業床用ブラケット2は、窓枠6の室外側Z1に床板3を設置するための構造体である。床板3は、作業者が作業のために載る部材である。作業床用ブラケット2は、戸建ての住宅や集合住宅等の建造物の壁4に設けられた窓(開口部)5の窓枠6に設置される。窓5は、いわゆる引き違い窓として構成されており、窓枠6には、外障子5aと内障子5bが嵌め込まれている。
【0028】
作業床用ブラケット2は、第1ブラケット10、第2ブラケット20、第1連結部材16、第2連結部材17等を備える。第1ブラケット10と第2ブラケット20の構成は、正面視において左右対称であり、実質的に同一であるため、第1実施形態では、第1ブラケット10についての説明を、第2ブラケット20の説明として兼用する。そのため、第2ブラケット20を構成する各部の符号は、第1ブラケット10を構成する各部の符号と同じとする。例えば、第1ブラケット10の「本体アーム11」は、第2ブラケット20においても「本体アーム11」と呼称する。
【0029】
図2に示すように、第1ブラケット10は、本体アーム(第1本体アーム/第2本体アーム)11、外アーム(第1外アーム/第2外アーム)12、内アーム(第1内アーム/第2内アーム)14、支持アーム13、外壁当接部(第1外壁当接部、第2外壁当接部)30、内壁当接部(第1内壁当接部/第2内壁当接部)40、窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)50、外枠部(第1外枠部/第2外枠部)60等を備える。このうち、本体アーム11、外アーム12、支持アーム13、内アーム14、外枠部60等は、例えば、金属製の角パイプにより構成される。各部は、溶接で接合してもよいし、プレートとボルト及びナット等で連結してもよい。また、各部を一体に構成してもよい。例えば、本体アーム11、外アーム12、支持アーム13及び内アーム14を一体に構成してもよい。
【0030】
本体アーム11は、窓枠上において室内側Z2から室外側Z1に向けて延在する部材である。窓枠上とは、窓枠6の下側Y2に配置された窓枠部材の上を意味する(図2参照)。図1及び図2に示すように、第1ブラケット10の本体アーム11の窓枠近傍と、第2ブラケット20の本体アーム11の窓枠近傍との間は、第1連結部材16により連結されている。第1連結部材16は、例えば、金属製の角パイプにより構成される。第1連結部材16と本体アーム11は、例えば、プレートとボルト及びナット等で付け外し可能に連結してもよい。なお、「窓枠近傍」とは、本体アーム11が窓枠6と当接する部分の室外側Z1の端から0mm以上500mm以下の範囲で室外側に位置する領域をいう。そのため、第1連結部材16は、第1連結部材16の室内側Z2の端と、本体アーム11が窓枠6と当接する部分の室外側Z1の端との距離が0mm以上500mm以下となるように設置される。
【0031】
窓枠6に設置される第1ブラケット10と第2ブラケット20との間を第1連結部材16で連結することにより、2つのブラケットの窓枠近傍の部分がそれぞれ幅方向Xの内側に移動したり、外側に移動したりする不具合を抑制できる。なお、第1連結部材16を設ける位置は、図2に示すように、本体アーム11の上側Y1に限らず、例えば、下側Y2であってもよいし、他の位置であってもよい。
【0032】
また、第1ブラケット10の本体アーム11の窓枠6よりも室外側Z1の端部と、第2ブラケット20の本体アーム11の窓枠6よりも室外側Z1の端部との間は、第2連結部材17により連結されている。第2連結部材17は、例えば、金属製の角パイプにより構成される。第2連結部材17と本体アーム11は、例えば、プレートとボルト及びナット等で付け外し可能に連結してもよい。なお、第2連結部材17は、各ブラケットにおいて本体アーム11の窓枠よりも室外側Z1の端部に限らず、端部近傍に設けられていてもよい。端部近傍とは、例えば、前記端部から床板領域S(後述)の室外側Z1の端までの領域である。
【0033】
窓枠6に設置される第1ブラケット10と第2ブラケット20との間を第2連結部材17で連結することにより、2つのブラケットの室外側Z1の端部が、それぞれ幅方向Xの内側に移動したり、外側に移動したりする不具合をより確実に抑制できる。なお、第2連結部材17を設ける位置は、図2に示す位置に限らず、例えば、本体アーム11の下側Y2で且つ支持アーム13の内側でもよいし、他の位置であってもよい。
【0034】
外アーム12は、本体アーム11の室外側Z1において外壁4aに沿うように設けられる部材であり、外アーム12の長手方向が本体アーム11の長手方向に対して略直交するように本体アーム11に接合されている。外アーム12は、本体アーム11の窓枠近傍から下側Y2に延在する。図2に示すように、本体アーム11において、室外側Z1の端部近傍と外アーム12との間の領域は、床板領域(床板載置予定領域)Sとなる。図1に示すように、第1ブラケット10において、本体アーム11の上側Y1の面には、床板3の右側X1の部分が載せられる。第2ブラケット20において、本体アーム11の上側Y1の面には、床板3の左側X2の部分が載せられる。床板3は、作業床1の左右方向Xにおいて、2つのブラケット間に掛け渡される。なお、作業床1に載置される床板3の数は、1枚に限らず、2枚以上でもよい。
【0035】
支持アーム13は、本体アーム11の室外側Z1の端部付近と外アーム12の下側Y2の端部付近とを連結する部材である。
内アーム14は、本体アーム11の室内側Z2において壁4の内壁に沿うように設けられる部材であり、内アーム14の長手方向が本体アーム11の長手方向に対して略直交するように本体アーム11に接合されている。内アームは、本体アーム11の室内側Z2の端部から下側Y2に延在する。図2に示すように、本体アーム11において、外アーム12と内アーム14との間は、窓枠6への設置予定領域となる。なお、本体アーム11において、窓枠6と接する部分に、窓枠6を保護するための緩衝材(例えば、ゴム板)を設けてもよいし、窓枠6との間の高さを調整するための部材(例えば、角材)を設けてもよい。内アーム14の下側Y2の端部には、内壁当接部40のシャフト42(後述)が貫通するシャフト穴14aが奥行方向Zに沿って設けられている。
【0036】
外壁当接部30は、外アーム12の下側Y2の端部に設けられ、外壁4aと当接する機構である。外壁当接部30は、窓枠6から下側Y2に離間した位置で外壁4aと当接する。外壁当接部30は、ねじ付きパイプ31と、押圧キャップ32と、を備える。ねじ付きパイプ31は、外周面に雄ねじ(不図示)が形成されたパイプ状の部品である。ねじ付きパイプ31の一端側は、外アーム12の下側Y2の端部に取り付けられている。押圧キャップ32は、長手方向に貫通する穴を有し、その穴の内周面にねじ付きパイプ31の雄ねじと螺合可能な雌ねじ(不図示)が形成された略円錐形状の部品である。作業者がねじ付きパイプ31に押圧キャップ32を螺合させて、時計回り又は反時計回りに回すことにより、外アーム12と外壁4aとの間の距離L1を調節することができる。なお、押圧キャップ32の外壁4a側の面にゴムや樹脂製の緩衝材を設けてもよい。また、外壁当接部30の構成は、第1実施形態の例に限らず、同等に機能し得るものであれば、どのような構成としてもよい。第5実施形態(後述)では、外壁当接部30の他の構成例を示している。
【0037】
内壁当接部40は、内アーム14の下側Y2の端部に設けられ、内壁4bと当接する機構である。内壁当接部40は、窓枠6から下側Y2に離間した位置で内壁4bに当接する。内壁当接部40は、押え部41、シャフト42、ナット43、ダイヤル44、押圧部材15を備える。押え部41は、図2に示すように、押圧部材15を保持する略凹形状の部品である。押圧部材15は、内壁当接部40(押え部41)により内壁4bに当接して、内壁4bを押圧する部材である。押圧部材15としては、内壁4bの表面に損傷等を与えにくい材料であることが好ましく、例えば、木材、樹脂材等を用いることができる。図3に示すように、押圧部材15は、作業床用ブラケット2の幅方向Xに沿って延在しているため、内壁4bを、より広い面積で押圧できる。なお、押圧部材15は、後述する第4実施形態のように、左右の内壁当接部40において、それぞれ単体で設けられていてもよい。
【0038】
シャフト42は、棒状の部品であり、一方の端部が押え部41に連結されている。また、シャフト42の他方の端部には、ダイヤル44(後述)が取り付けられている。シャフト42の外周面には、ナット43(後述)と螺合可能な雄ねじが形成されている。シャフト42は、内アーム14の下側Y2の端部に設けられたシャフト穴14aを貫通している。
【0039】
ナット43は、内周面にシャフト42と螺合可能な雌ねじが形成された部品である。ナット43は、内アーム14の下側Y2の端部において、後側Z2に設けられている。ナット43は、内アーム14に、例えば、溶接により接合してもよい。ナット43の中心は、シャフト穴14aの中心と一致している。ダイヤル44は、内壁4bと内アーム14との間の長さ(間隔)L2を調節するために、作業者が操作する部品である。ダイヤル44は、シャフト42の他方の端部に取り付けられている。ダイヤル44を時計回り又は反時計回りに回動させることにより、内壁4bと内アーム14との間の長さ(間隔)L2を調節することができる。なお、内壁当接部40の構成は、第1実施形態の例に限らず、同等に機能し得るものであれば、どのような構成としてもよい。例えば、奥行方向Zに所定の長さを有する角材であってもよい。
【0040】
窓枠当接部50は、第1ブラケット10を室内側Z2から支持する構造体であり、本体アーム11の室内側Z2に設けられている。窓枠当接部50は、支柱板51と、当接板52と、を備える。支柱板51は、図2及び図3に示すように、本体アーム11の室内側Z2の端部に設けられ、上側Y1に向けて延在する部材である。支柱板51の上側Y1の端部には、当接板52の一方の端部が固定されている。当接板52は、支柱板51の上側Y1の端部に設けられ、窓枠6と当接する部材である。
【0041】
図3に示すように、第1ブラケット10の窓枠当接部50において、当接板52は、一方の端部が支柱板51に固定されている。他方の端部は、支柱板51から右側(図3では左方向)X1に突出して窓枠6と当接する。第2ブラケット20の窓枠当接部50において、当接板52は、一方の端部が支柱板51に固定されている。他方の端部は、支柱板51から左側(図3では右方向)X2に突出して窓枠6と当接する。上記構成によれば、外障子5aと内障子5bとを取り外した窓5から、作業者が室外側から室内側へ移動したり、室内側から室外側へ移動したりすることを容易に行うことができる。なお、第1実施形態では、左右の当接板52が窓枠6と当接する例を示すが、当接板52は、窓枠6の開口部(窓)周辺の内壁4bと当接するように構成してもよし、窓枠6と窓枠6の開口部(窓)周辺の内壁4bとの両方と当接するように構成してもよい。
【0042】
外枠部60は、床板領域Sに載置された床板3の跳ね上がりを抑制するための部材である。図2に示すように、外枠部60は、本体アーム11の上側Y1において、床板領域Sに載置された床板3を囲むように設けられている。なお、床板3は、本体アーム11の床板領域Sにおいて、ボルト等により固定することが望ましいが、本体アーム11の上側Y1の面に載置するだけでも使用できる。その場合、作業者が床板3上を移動したり、バランスを崩したりしても、外枠部60により、床板3の跳ね上がりによる作業者の転落を可及的に回避できる。
【0043】
上記のように構成された第1実施形態の作業床1は、例えば、以下のようにして窓枠6に設置できる。
まず、図1に示すように、窓枠6に嵌め込まれた外障子5a(内障子5b)を移動して、窓枠6の左右方向Xの両側に空間を確保する。次に、第1ブラケット10及び第2ブラケット20を、室内側から窓枠6の右側X1と左側X2にそれぞれ設置する。具体的には、図2に示すように、本体アーム11の外アーム12と内アーム14との間(窓枠への設置予定領域)を窓枠6の上に掛け渡すように設置する。なお、各ブラケットを設置する際、外アーム12と外壁4aとの間の距離L1を、適切な寸法に調節しておくことが望ましい。
【0044】
次に、図2に示すように、2つのブラケットの間に第1連結部材16及び第2連結部材17を取り付ける。第1連結部材16及び第2連結部材17は、2つのブラケットの間に予め取り付けてもよい。
次に、図3に示すように、各ブラケットの内壁当接部40(押え部41)に押圧部材15を通し、窓枠当接部50の当接板52が窓枠6に当接するように、内壁4bと内アーム14との間の距離L2を調節する。内壁4bと内アーム14との間の距離L2は、ダイヤル44を時計回り又は反時計回りに回すことにより調節できる。窓枠当接部50の当接板52が窓枠6に当接するように内壁当接部40を調節した後、外壁当接部30の押圧キャップ32を時計回り又は反時計回りに回転させて、外壁当接部30(押圧キャップ32)により外壁4aが押圧されるように、外アーム12と外壁4aとの間の距離L1を調節する。なお、この際に、本体アーム11が水平でない場合には、本体アーム11が水平となるように調節する。
【0045】
上記作業により、各ブラケットの左右方向X及び奥行方向Zへの移動を規制することができる。この後、本体アーム11の床板領域Sに床板3を載置し、本体アーム11にボルト等により固定することにより、作業床1の設置が完了する。なお、窓枠6に作業床1を設置する手順は、上記の例に限らず、例えば、窓枠6の形状や作業者の人数等に応じて適宜に変更してよい。
【0046】
上述した第1実施形態の作業床1及び作業床用ブラケット2によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
作業床1及び作業床用ブラケット2は、床板3に載った作業者の荷重を、外壁当接部30と窓枠当接部50により受け止めることができる。このうち、窓枠当接部50は、窓枠6が内壁4bから突出した部分の下側Y2に係止されないため、窓枠6が内壁4bから突出する部分が、荷重を受け止めるのに十分な長さでない場合や、窓枠6が内壁4bから突出しない場合においても、作業者の荷重をより確実に受け止めることができる。したがって、第1実施形態の作業床1及び作業床用ブラケット2は、窓枠6に、より安定して設置できる。また、左右のブラケットにおいて、窓枠当接部50の当接板52は、左右方向Xにおいて繋がっていない。そのため、作業者は、窓枠当接部50と干渉することなしに、室内側Z2から作業床1に出たり、作業床1から室内側Z2に入ったりできる。
【0047】
作業床1及び作業床用ブラケット2は、内アーム14において、窓枠6から下側Y2に離間した位置で内壁4bに当接する内壁当接部40を備える。作業床1及び作業床用ブラケット2は、内壁当接部40と外壁当接部30とにより、壁4を奥行方向Zで挟み込むように押圧できるため、各ブラケットの奥行方向Zへの移動をより確実に規制できる。また、内壁当接部40を設けることにより、窓枠当接部50で受ける荷重の一部を分散させることができる。
【0048】
作業床1及び作業床用ブラケット2は、第1ブラケット10の本体アーム11の窓枠近傍と、第2ブラケット20の本体アーム11の窓枠近傍との間を連結する第1連結部材16を備える。そのため、作業床1及び作業床用ブラケット2において、2つのブラケットの窓枠近傍の部分がそれぞれ幅方向Xの内側に移動したり、外側に移動したりする不具合を抑制できる。
【0049】
作業床1及び作業床用ブラケット2は、第1ブラケット10の本体アーム11の窓枠6よりも室外側Z1の端部と、第2ブラケット20の本体アーム11の窓枠6よりも室外側Z1の端部との間を連結する第2連結部材17を備える。そのため、作業床1及び作業床用ブラケット2において、2つのブラケットの室外側Z1の端部が、それぞれ左右方向Xの内側に移動したり、外側に移動したりする不具合をより確実に抑制できる。
【0050】
作業床1及び作業床用ブラケット2は、本体アーム11の床板領域Sを囲むように設けられる外枠部60を備える。そのため、本体アーム11の床板領域Sに床板3を固定せずに載置した場合に、作業者が床板3上を移動したり、重さのバランスが崩れたりしても、外枠部60により、床板3の跳ね上がりによる作業者の転落を可及的に回避できる。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態の作業床1Aは、防護柵(柵部)70を備える点が第1実施形態と相違する。第2実施形態の作業床1Aにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同一の部材及び同等の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0052】
図4は、第2実施形態の作業床1Aを室外側から視たときの構成図である。図5及び図6は、図4のB-B線に相当する断面図である。図5は、防護柵70を直立させた使用状態を示している。図6は、防護柵70を折り畳んだ収納状態を示している。なお、図5及び図6では、窓5の上側Y1の構成及び本体アーム11よりも下側Y2の構成を一部省略している。
【0053】
図4及び図5に示すように、第2実施形態の作業床1Aは、第1ブラケット10と第2ブラケット20の上側(Y1)に防護柵70を備える。防護柵70は、床板3に載っている作業者の転落を抑制するための構造体である。防護柵70は、第1支柱部材71、第2支柱部材72、第3連結部材73、第1可動部74、第2可動部75等により構成される。図4に示すように、第1支柱部材71は、第1ブラケット10において、本体アーム11の室外側Z1の端部に設けられ、前記端部から上側Y1に延在する部材である。第2支柱部材72は、第2ブラケット20において、本体アーム11の室外側Z1の端部に設けられ、前記端部から上側Y1に延在する部材である。第3連結部材73は、第1支柱部材71の上側Y1の端部と、第2支柱部材72の上側Y1の端部との間を連結する部材である。第1支柱部材71、第2支柱部材72及び第3連結部材73は、例えば、金属製の角パイプにより構成される。図4に示すように、防護柵70は、第1支柱部材71、第2支柱部材72及び第3連結部材73により、逆凹形状に構成されている。
【0054】
第1支柱部材71は、第1可動部74を介して外枠部60に連結されている。第1可動部74は、第1支柱部材71を第1ブラケット10の本体アーム11に対して回動自在に支持する機構である。第2可動部75は、第2支柱部材72を第2ブラケット20の本体アーム11に対して回動自在に支持する機構である。第1可動部74及び第2可動部75の構成は実質的に同一であるため、第2実施形態では、第1可動部74についての説明を、第2可動部75の説明として兼用する。
【0055】
第1可動部74は、支持プレート76、回動軸部77及び固定軸部78を備える。支持プレート76は、第1支柱部材71の下側Y2を支持する部材である。支持プレート76は、上下方向Yから視たときに、第1支柱部材71の室外側Z1、右側X1及び左側X2の3方を囲むように略凹形状に構成されている。また、図5に示すように、支持プレート76は、左右方向Xから視たときに、略L字形に構成されている。第1支柱部材71の下側Y2の端部は、防護柵70を直立させた状態において、外枠部60の上側Y1と当接するように支持プレート76に支持されている。また、支持プレート76には、回動軸部77及び固定軸部78(後述)が貫通する貫通穴が設けられている。図4及び図5では、固定軸部78が貫通する貫通穴の図示を省略する。固定軸部78が貫通する貫通穴76aを図6に示す。
【0056】
回動軸部77は、支持プレート76を外枠部60に対して回動自在に支持する部品である。回動軸部77は、例えば、ボルトとナット(符号を省略)により構成される。第2実施形態の外枠部60には、回動軸部77(ボルト)を貫通させる貫通穴(不図示)が設けられている。外枠部60において、後述する固定軸部78(ボルト)が貫通する貫通穴60aを図6に示す。回動軸部77は、通常の使用状態においては、固定軸部78(後述)のように着脱されることはない。
【0057】
固定軸部78は、支持プレート76を外枠部60に固定したり、固定を解除したりするための機構である。固定軸部78は、例えば、ボルトとナット(符号を省略)により構成される。図5に示すように、防護柵70(第1支柱部材71、第2支柱部材72)を直立させた状態で、支持プレート76に固定軸部78を取り付けることにより、防護柵70を使用状態にできる。また、図5において、支持プレート76から固定軸部78を取り外し、防護柵70を矢印方向に倒すと、防護柵70は、回動軸部77を中心として時計回りに回動する。これにより、図6に示すように、防護柵70を外枠部60と重なり合うように折り畳むことができる。
【0058】
第2実施形態の作業床1A及び作業床用ブラケット2は、防護柵70を備えるため、作業者の室外側Z1への転落を可及的に回避できる。また、防護柵70は、第1可動部74及び第2可動部75において、折り畳みができるため、作業床1A及び作業床用ブラケット2の搬送が容易となる。また、作業床1A及び作業床用ブラケット2の保管スペースをより小さくできる。なお、第2実施形態の構成は、後述する第3実施形態や第4実施形態にも適用できる。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態の作業床1Bは、窓枠当接部150の構成が第1実施形態と相違する。第3実施形態の作業床1Bにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、第3実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同一の部材及び同等の部材には、第1実施形態と同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第3実施形態の作業床1Bにおいて、室外側Z1の構成は、第1実施形態と同じであるため、主に室内側Z2の構成について説明する。
【0060】
図7は、第3実施形態の作業床1Bを室内側から視たときの構成図である。図7に示すように、第3実施形態の窓枠当接部150は、支柱板151、当接板152及び外周当接板153を備える。支柱板151と当接板152は、第1実施形態の支柱板51と当接板52と同じである。外周当接板153は、窓枠6の開口部(窓)周辺の内壁4bと当接する部材である。第3実施形態の窓枠当接部150は、当接板152が窓枠6と当接し、外周当接板153が窓枠6の開口部周辺の内壁4bと当接する。外周当接板153は、1つの部材で構成されてもよいし、複数の部材を接合した構成としてもよい。なお、外周当接板153の一部は、窓枠6と当接してもよい。
【0061】
窓枠6の外周部分には、補強材(例えば、垂木等)が内装されている。第3実施形態の作業床1B及び作業床用ブラケット2は、外周当接板153を、この補強材の位置で支持できるため、作業床1B及び作業床用ブラケット2を、窓枠6により安定して設置できる。なお、第3実施形態の構成は、前述した第2実施形態や後述する第4実施形態(同じ部屋の場合)にも適用できる。
【0062】
(第4実施形態)
第4実施形態の作業床1Cは、窓枠当接部50の一部の構成が第1実施形態と相違する。第4実施形態の作業床1Cにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。すなわち、第4実施形態の作業床1Cは、窓枠当接部50の一部の構成を除いて、第1実施形態に示す作業床1と同じ構成を備えている。そのため、第4実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同一の部材及び同等の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0063】
図8は、第4実施形態の作業床1Cを室外側から視たときの構成図である。図9は、第4実施形態の作業床1Cを室内側から視たときの構成図である。図8に示すように、第4実施形態の作業床1Cは、隣接する窓(第1開口部)5Aと窓(第2開口部)5Bの間に設置される。室内側において、2つの窓5A、5Bの間は、つながっていてもよいし、壁により仕切られていてもよい。すなわち、窓5Aと5Bは、同じ部屋に設けられた窓であってもよいし、隣接する別の部屋の窓であってもよい。
【0064】
図8及び図9に示すように、第4実施形態の作業床1Cは、第1ブラケット10及び第2ブラケット20において、それぞれの窓枠当接部50の当接板52の向きが第1実施形態と相違する。図8及び図9に示すように、第1ブラケット10の窓枠当接部50において、当接板52は、支柱板51から左側(図9では右方向)X2に突出して窓枠(第1窓枠)6Aと当接する。第2ブラケット20の窓枠当接部50において、当接板52は、支柱板51から右側(図9では左方向)X1に突出して窓枠(第2窓枠)6Bと当接する。また、図9に示すように、第4実施形態の作業床1Cにおいて、押圧部材15は、それぞれのブラケットの位置に単体で設けられている。
【0065】
第4実施形態によれば、作業床1C及び作業床用ブラケット2を、隣接する2つの窓の間に設置できるため、窓にシャッタを取り付けたり、窓枠周辺の外壁にエアコンのダクトを通す穴を開けたりする作業だけでなく、例えば、隣接する2つの窓の間で外壁の工事等を行う場合においても、作業のための床板を安定して設置できる。
【0066】
なお、第4実施形態において、第1ブラケット10の当接板52の向きと、第2ブラケット20の当接板52の向きは、図8の例に限定されない。第1ブラケット10と第2ブラケット20を幅方向(X方向)に更に離間させた形態において、第1ブラケット10の当接板52を、支柱板51から右側(図9では左方向)X1に突出させ、窓枠6Aの右端(不図示)と当接させると共に、第2ブラケット20の当接板52を、支柱板51から左側(図9では右方向)X2に突出させ、窓枠6Bの左端(不図示)と当接させてもよい。また、図8に示す構成において、第1ブラケット10の当接板52のみを、支柱板51から右側(図9では左方向)X1突出させ、窓枠6Aの右端(不図示)と当接させてもよい。更に、図8に示す構成において、第2ブラケット20の当接板52のみを、支柱板51から左側(図9では右方向)X2に突出させ、窓枠6Bの左端(不図示)と当接させてもよい。
【0067】
また、第4実施形態の作業床1Cに、第1~第3実施形態に示した構成の一部を適用してもよい。例えば、第4実施形態の作業床1Cに、第2実施形態の防護柵70(図4図6参照)を設けた構成としてもよい。また、図8に示す2つの窓5A、5Bの間に壁や仕切りがなく、2つの窓5A、5Bの幅方向(X方向)の間隔が狭い等の要件が適合する場合、第4実施形態の作業床1Cに、第3実施形態の窓枠当接部150(図7参照)を設けた構成としてもよい。
【0068】
(第5実施形態)
第5実施形態の作業床1Dは、本体アーム11を中心とする室外側及び室内側の構成が第1実施形態と相違する。第5実施形態の説明及び図面において、第1及び第2実施形態と同一の部材及び同等の部材には、第1及び第2実施形態と同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜に省略する。
【0069】
図10は、第5実施形態の作業床1Dを室外側から視たときの構成図である。図11は、図10のC-C線に相当する断面図である。図12は、図10のC-C線に相当する断面図であり、防護柵170を折り畳んだ収納状態を示している。図13は、図11のD-D線に相当する断面図であり、外壁当接部130を説明する図である。図14は、第5実施形態の作業床1Dを室内側から視たときの構成図である。第5実施形態においても、第1ブラケット10と第2ブラケット20の構成は、正面視において左右対称であり、実質的に同一であるため、第1ブラケット10についての説明を、第2ブラケット20の説明として兼用する。そのため、第2ブラケット20を構成する各部の符号は、第1ブラケット10を構成する各部の符号と同じとする。
【0070】
図10及び図11に示すように、第5実施形態の作業床1Dにおいて、第1ブラケット10は、主な構成として、本体アーム(第1本体アーム/第2本体アーム)11、外アーム(第1外アーム/第2外アーム)12、支持アーム13、内アーム(第1内アーム/第2内アーム)14、外縁アーム(第1外縁アーム/第2外縁アーム)21、床板アーム(第1床板アーム/第2床板アーム)22、中間アーム(第1中間アーム/第2中間アーム)23、内壁当接部(第1内壁当接部/第2内壁当接部)40、窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)50、床板固定部(第1床板固定部/第2床板固定部)80、柵固定部90、外壁当接部(第1外壁当接部/第2外壁当接部)130、防護柵(柵部)170等を備える。
【0071】
図11に示すように、第1ブラケット10の本体アーム11は、室外側Z1の端部に第1可動部174を備え、奥行方向Zの略中央付近に柵固定部90を備える。第2ブラケット20の本体アーム11は、室外側Z1の端部に第2可動部175を備える。また、第2ブラケット20の本体アーム11は、室外側Z1の端部に第2可動部175を備える。また、本体アーム11は、室内側Z2の端部に窓枠当接部50を備える。柵固定部90は、折り畳まれた防護柵170(後述)を固定する機構である。本実施形態では、柵固定部90が第1支柱部材171(第1ブラケット10)に設けられる例について説明するが、柵固定部90は、第2支柱部材172(第2ブラケット20)に設けられていてもよいし、第1支柱部材171と第2支柱部材172の両方に設けられていてもよい。
【0072】
柵固定部90は、固定金具91、ナット92、ノブ付きボルト93(図12参照)を備える。固定金具91は、折り畳まれた防護柵170の第1支柱部材171を固定するための部品であり、側面視において逆凹形に形成されている。固定金具91は、上側Y1に突出した部分に、ノブ付きボルト93が貫通するボルト穴91aを有する。固定金具91が本体アーム11の上側Y1の面から突出する高さは、防護柵170を折り畳んだ際に、第1支柱部材171が本体アーム11に対して略平行となるように設定されている(図12参照)。ナット92は、内周面にノブ付きボルト93(後述)の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された部品である。ナット92は、固定金具91の下側Y2の面に接合されている。ナット92の中心は、固定金具91のボルト穴91aの中心と一致している。ノブ付きボルト93は、折り畳まれた防護柵170を固定金具91に固定するための部品である。ノブ付きボルト93のボルト部分(外周面)には、雄ねじが形成されている。
【0073】
外縁アーム21は、本体アーム11の室外側Z1の端部に設けられ、その端部から下側Y2に向けて延在する部材である。床板アーム22は、外縁アーム21の下側の端部と外アーム12との間を連結するように設けられ、床板3が設置される部材である。床板アーム22は、奥行方向Zにおいて、本体アーム11と略平行に設けられている。床板アーム22は、上側Y1の面(上面)に床板領域Sを有する。図10に示すように、第1ブラケット10において、床板アーム22の上側Y1の面には、床板3の右側X1の部分が載せられる。第2ブラケット20において、床板アーム22の上側Y1の面には、床板3の左側X2の部分が載せられる。図11に示すように、床板アーム22には、床板3が奥行方向Zに沿って2枚載置されている。なお、床板アーム22に載置される床板3の数は、1枚でもよいし、3枚以上でもよい。
【0074】
中間アーム23は、本体アーム11と床板アーム22との間において、外縁アーム21と外アーム12との間を連結するように設けられる部材である。中間アーム23は、奥行方向Zにおいて、本体アーム11及び床板アーム22と平行に延在している。中間アーム23の奥行方向Zの略中間には、床板固定部80(後述)が設けられており、その床板固定部80のシャフト82が貫通するシャフト穴23aが形成されている。支持アーム13は、床板アーム22の室外側Z1の中央付近と外アーム12の下側Y2の端部付近とを連結している。
【0075】
床板固定部80は、床板アーム22の床板領域Sに載置される床板3を固定する機構である。床板固定部80は、中間アーム23の奥行方向Zの略中間に設けられている。床板固定部80は、押え部81、シャフト82、ナット83、ダイヤル84を備える。押え部81は、床板3を押圧する略円錐形状の部品である。シャフト82は、棒状の部品であり、一方の端部が押え部81と連結されている。シャフト82の他方の端部には、ダイヤル84が取り付けられている。シャフト82の外周面には、ナット83(後述)と螺合可能な雄ねじが形成されている。シャフト82は、中間アーム23のシャフト穴23aを貫通している。
【0076】
ナット83は、内周面にシャフト82と螺合可能な雌ねじが形成された部品である。ナット83は、中間アーム23の奥行方向Zの中央付近において、上側Y1に接合されている。ナット83の中心は、中間アーム23のシャフト穴23aの中心と一致している。ダイヤル84は、床板アーム22に載置された床板3を押圧するために、作業者が操作する部品である。ダイヤル84は、シャフト82の他方の端部に取り付けられている。床板アーム22の床板領域Sに床板3が載置された状態で、作業者がダイヤル84を締め方向又は緩め方向に回動させることにより、床板3を床板アーム22に固定したり、固定を解除したりできる。なお、床板固定部80の構成は、本実施形態の例に限らず、同等に機能し得るものであれば、どのような構成としてもよい。
【0077】
外壁当接部130は、外壁押圧部材136(後述)の少なくとも一部を外壁4aに密着させる機構である。外壁当接部130は、押え部131、シャフト132、継手133、ナット134、ダイヤル135、外壁押圧部材(第1外壁押圧部材/第2外壁押圧部材)136を備える。このうち、押え部131、シャフト132、継手133、ナット134及びダイヤル135は、本実施形態において、押圧部材支持部(第1押圧部材支持部/第2押圧部材支持部)を構成する。
【0078】
押え部131は、外壁押圧部材136を支持する部品である。押え部131は、図11に示すように、外壁押圧部材136の3方を囲むように略凹形状に構成されている。外壁押圧部材136は、押え部131により外壁4aを押圧する部材である。外壁押圧部材136としては、外壁4aの表面に損傷等を与えにくい材料であることが好ましく、例えば、木材、樹脂材等を用いることができる。外壁押圧部材136の大きさは、例えば、図1のような形状の場合、長辺方向の長さ350mm以上450mm以下、短辺方向の長さ80mm以上110mm以下、厚さ38mm以上42mm以下である。なお、外壁押圧部材136の大きさは、上記例に限らず、作業床全体の大きさ、作業床に載る作業者や施工材料の重量等により適宜に設定される。
【0079】
シャフト132は、棒状の部品であり、一方の端部が継手133を介して押え部131と連結されている。シャフト132の他方の端部には、ダイヤル135が取り付けられている。シャフト132の外周面には、ナット134(後述)と螺合可能な雄ねじが形成されている。シャフト132は、外アーム12に設けられたシャフト穴12aを貫通している。継手133は、押え部131とシャフト132とを連結する部品である。継手133は、例えば、ボールジョイントにより構成される。外壁押圧部材136は、シャフト132と継手133により連結された押え部131に支持されるため、図13に実線で示すように、外壁押圧部材136を左右方向Xと平行にする配置に限らず、図13に想像線(二点鎖線)で示すように、上下方向Yと平行に配置することもできる。この他、外壁押圧部材136を、継手133を中心として、任意の角度で配置することができる。また、図示していないが、外壁押圧部材136を、XY軸と平行な面に対して二次元的又は三次元的に傾斜させることもできる。
【0080】
ナット134は、内周面にシャフト132と螺合可能な雌ねじが形成された部品である。ナット134は、外アーム12の下側Y2の端部において、前側Z1に接合されている。ナット134の中心は、シャフト穴12aの中心と一致している。ダイヤル135は、外壁4aと外アーム12との間の長さ(間隔)L1を調節するために、作業者が操作する部品である。ダイヤル135は、シャフト132の他方の端部に取り付けられている。ダイヤル135を時計回り又は反時計回りに回動させることにより、外アーム12と外壁4aとの間の距離L1を調節することができる。したがって、押え部131、シャフト132、継手133、ナット134及びダイヤル135を備える押圧部材支持部は、外壁押圧部材136の少なくとも一部を外壁4aに密着させることができる。なお、外壁当接部130の構成は、本実施形態の例に限らず、同等に機能し得るものであれば、どのような構成としてもよい。
【0081】
防護柵170は、床板3に載っている作業者の転落を抑制するための構造体である。本実施形態の防護柵170は、左右方向Xの長さが可変である点が第2実施形態の防護柵70と相違する。防護柵170は、図10及び図11に示すように、第1支柱部材171、第2支柱部材172、第3連結部材173、第4連結部材179、第1可動部174、第2可動部175を備える。また、防護柵170は、上側連結支持部(第1上側連結支持部/第2上側連結支持部)100、下側連結支持部(第1下側連結支持部/第2下側連結支持部)110を備える。
【0082】
図11に示すように、第1支柱部材171は、第1ブラケット10において、本体アーム11の室外側Z1の端部に設けられ、前記端部から上側Y1に延在する部材である。第1支柱部材171には、柵固定部90のノブ付きボルト93が貫通するボルト穴171aが設けられている。第2支柱部材172は、第2ブラケット20において、本体アーム11の室外側Z1の端部に設けられ、前記端部から上側Y1に延在する部材である。
【0083】
第3連結部材173は、第1支柱部材171の上側Y1の端部と、第2支柱部材172の上側Y1の端部との間を連結可能な部材である。図10に示すように、第3連結部材173には、長手方向(X方向)に沿って複数のボルト穴173aが形成されている。ボルト穴173aは、ノブ付きボルト103(後述)のボルト部分が挿入される貫通穴である。第4連結部材179は、第3連結部材173よりも下側Y2において、第1支柱部材171と第2支柱部材172との間を連結可能な部材である。図10に示すように、第4連結部材179には、長手方向(X方向)に沿って複数のボルト穴179aが形成されている。ボルト穴179aは、ノブ付きボルト113(後述)のボルト部分が挿入される貫通穴である。
【0084】
防護柵170において、第1支柱部材171、第2支柱部材172、第3連結部材173及び第4連結部材179は、例えば、金属製の角パイプにより構成される。防護柵170は、図10に示すように、前側Z1から視たときに、第1支柱部材171、第2支柱部材172及び第3連結部材173により、逆凹形状となるように構成されている。
【0085】
第1支柱部材171は、第1可動部174(後述)を介して本体アーム11に連結されている。第1可動部174は、第1支柱部材171を第1ブラケット10の本体アーム11に対して回動自在に支持する機構である。第2支柱部材172は、第2可動部175(後述)を介して本体アーム11に連結されている。第2可動部175は、第2支柱部材172を第2ブラケット20の本体アーム11に対して回動自在に支持する機構である。第1可動部174及び第2可動部175の構成は実質的に同一であるため、本実施形態では、第1可動部174についての説明を、第2可動部175の説明として兼用する。
【0086】
図11に示すように、第1可動部174は、支持プレート176、回動軸部177及び固定軸部178を備える。支持プレート176は、第1支柱部材171の下側Y2を支持する部材である。支持プレート176は、上下方向Yから視たときに、第1支柱部材71の室外側Z1、右側X1及び左側X2の3方を囲む略凹形状に構成されている。また、支持プレート176は、左右方向Xから視たときに、略L字形に構成されている。第1支柱部材171の下側Y2の端部は、防護柵70を直立させた状態において、本体アーム11の上側Y1と当接するように支持プレート176に支持されている。支持プレート176には、回動軸部177及び固定軸部178(後述)が貫通する貫通穴が設けられている。図10及び図11では、固定軸部178が貫通する貫通穴の図示を省略する。固定軸部178が貫通する貫通穴176aを図12に示す。
【0087】
回動軸部177は、支持プレート176を本体アーム11に対して回動自在に支持する部品である。回動軸部177は、例えば、ボルトとナット(符号を省略)により構成される。本体アーム11には、回動軸部177(ボルト)を貫通させる貫通穴(不図示)が設けられている。本体アーム11において、固定軸部178(ボルト)が貫通する貫通穴11aを図12に示す。回動軸部177は、外枠部通常の使用状態においては、固定軸部178(後述)のように着脱されることはない。
【0088】
固定軸部178は、支持プレート176を本体アーム11に固定したり、固定を解除したりするための部品である。固定軸部178は、例えば、ボルトとナット(符号を省略)により構成される。図11に示すように、防護柵170(第1支柱部材171、第2支柱部材172)を直立させ、支持プレート176に固定軸部178を取り付けることにより、防護柵170を使用状態にできる。また、図11において、支持プレート176から固定軸部178を取り外し、防護柵170を矢印方向(時計回り方向)に倒すと、防護柵170は、回動軸部177を中心として時計回りに回動する。これにより、図12に示すように、防護柵170を、本体アーム11と略平行に折り畳むことができる。
【0089】
防護柵170を折り畳むと、図12に示すように、第1支柱部材171のボルト穴171aと、柵固定部90のボルト穴91a(図11参照)とが上下方向Yで重なり合う。この状態で、ノブ付きボルト93を第1支柱部材171のボルト穴171aから差し込むことにより、ノブ付きボルト93のボルト部分を柵固定部90のナット92と螺合させることができる。そして、ノブ付きボルト93を締め方向に回動させることにより、ノブ付きボルト93とナット92とを締結させることができる。これにより、折り畳んだ防護柵170を柵固定部90に固定することができる。
【0090】
また、防護柵170を柵固定部90に固定した状態で、ノブ付きボルト93を緩め方向に回動させることにより、ノブ付きボルト93とナット92との締結を解除できる。ノブ付きボルト93とナット92との締結を解除した後、ノブ付きボルト93を第1支柱部材171から取り外し、防護柵170を右側X1から見て反時計回り方向に起こすと、図11に示すように、防護柵170は、本体アーム11と直立した状態になる。この状態で支持プレート176に固定軸部178を取り付けることにより、防護柵170を使用状態にできる。
【0091】
次に、防護柵170に設けられる上側連結支持部100、下側連結支持部110について説明する。
防護柵170において、上側連結支持部100は、第1支柱部材171(第2支柱部材172)の上側Y1の端部に設けられる。下側連結支持部110は、第1支柱部材171(第2支柱部材172)の第3連結部材173よりも下側Y2に設けられる。
【0092】
上側連結支持部100は、第1支柱部材171(第2支柱部材172)の上側Y1の端部において、第3連結部材173を移動自在に支持する機構である。上側連結支持部100は、一対の支持板101、ナット102、ノブ付きボルト103を備える。支持板101は、第1支柱部材171(第2支柱部材172)の上側Y1の端部において、第3連結部材173を支持する部品である。支持板101には、ノブ付きボルト103のボルト部分が貫通するボルト穴(不図示)が形成されている。支持板101は、図11に示すように、第1支柱部材171の上側Y1の端部において、前側Z1と後側Z2にそれぞれ1枚設けられている。一対の支持板101と第1支柱部材171の上側Y1の端部は、左右方向Xから視たときに、第3連結部材173の3方を囲むように略凹形状となる。
【0093】
ナット102は、内周面にノブ付きボルト103(後述)の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された部品である。ナット102は、前側Z1に位置する支持板101の前側に接合されている。ナット102の中心は、前側Z1に位置する支持板101の前記ボルト穴の中心と一致している。ノブ付きボルト103は、第3連結部材173を一対の支持板101の間に固定するための部品である。ノブ付きボルト103のボルト部分(外周面)には、雄ねじが形成されている。
【0094】
第3連結部材173と上側連結支持部100とは、作業床1を窓枠6に設置する際に組み付けることができる。まず、図10において、第1ブラケット10及び第2ブラケット20を窓枠6に仮設置して、第3連結部材173を左右の上側連結支持部100に収納する。次に、左右の上側連結支持部100において、支持板101のボルト穴(不図示)と第3連結部材173のボルト穴173aとが一致するように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向Xに移動する。このとき、第3連結部材173の左右の突き出しがほぼ同じ長さとなるように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向X移動させることが望ましい。
【0095】
次に、左右の上側連結支持部100において、ノブ付きボルト103を後側Z2の支持板101のボルト穴から差し込み、ボルト部分を前側Z1の支持板101に設けられたナット102と螺合させる。更に、ノブ付きボルト103を締め方向に回動させて、ノブ付きボルト103とナット102とを締結させる。これにより、第3連結部材173を、左右の上側連結支持部100に固定することができる。
【0096】
下側連結支持部110は、第1支柱部材171(第2支柱部材172)の第3連結部材173よりも下側Y2において、第4連結部材179を移動自在に支持する機構である。図10に示すように、下側連結支持部110は、高さ方向Yにおいて、第3連結部材173と、第1可動部174及び第2可動部175との間に設けられている。下側連結支持部110は、支持金具111、ナット112、ノブ付きボルト113を備える。支持金具111は、第4連結部材179を支持する部品である。支持金具111において、第4連結部材179が当接する部分は、左右方向Xから視たときに、略L字形となるように構成されている。支持金具111の略L字形の部分と第1支柱部材171の前側Z1の面は、第4連結部材179の3方を囲むように略凹形状となる。支持金具111には、ノブ付きボルト113のボルト部分が貫通するボルト穴(不図示)が形成されている。
【0097】
ナット112は、内周面に、ノブ付きボルト113(後述)の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された部品である。ナット112は、支持金具111の前側Z1に接合されている。ナット112の中心は、支持金具111の前記ボルト穴の中心と一致している。ノブ付きボルト113は、第4連結部材179を支持金具111に固定するための部品である。ノブ付きボルト113のボルト部分(外周面)には、雄ねじが形成されている。
【0098】
第4連結部材179と下側連結支持部110とは、作業床1を窓枠6に設置する際に組み付けることができる。まず、図10において、第1ブラケット10及び第2ブラケット20を窓枠6に仮設置して、第4連結部材179を左右の下側連結支持部110に収納する。次に、左右の下側連結支持部110において、支持金具111のボルト穴(不図示)と第4連結部材179のボルト穴179aとが一致するように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向Xに移動する。このとき、第4連結部材179の左右の突き出しがほぼ同じ長さとなるように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を移動させることが望ましい。
【0099】
次に、左右の下側連結支持部110において、ノブ付きボルト113を支持金具111のボルト穴から差し込み、ボルト部分を反対側のナット112と螺合させる。更に、ノブ付きボルト113を締め方向に回動させて、ノブ付きボルト113とナット112とを締結させる。これにより、第4連結部材179を、左右の下側連結支持部110に固定することができる。
【0100】
上述した第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2は、本体アーム11よりも下側に床板アーム22(床板領域S)を備える。本構成によれば、床板アーム22上の床板3に載った作業者の重心の位置をより低くできるため、作業者がより安定した状態で作業を行うことができる。
【0101】
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2は、本体アーム11と床板アーム22との間に中間アーム23を備える。そのため、作業者が床板3上を移動したり、バランスを崩したりしても、中間アーム23により、床板3の跳ね上がりによる作業者の転落を可及的に回避できる。
【0102】
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2は、中間アーム23に床板固定部80を備える。そのため、作業者が床板3上を移動したり、バランスを崩したりした場合において、床板3の左右方向Xへの位置ずれや、床板3の上方向Y1への跳ね上がりをより確実に抑制できる。また、中間アーム23に床板固定部80を設けることにより、本体アーム11の下側Y2において、2つのブラケットの室外側Z1の端部が、左右方向Xの内側にずれたり、外側にずれたりする不具合を抑制できる。中間アーム23に床板固定部80を設ける構成は、作業床に防護柵170を設けない形態において特に有効である。
【0103】
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2は、外壁押圧部材136の少なくとも一部を外壁4aに密着させる外壁当接部130を備える。これによれば、壁4に内装された補強材(例えば、間柱等)の位置に合わせて外壁押圧部材136を外壁4aに密着させることにより、外壁押圧部材136をより強く外壁4aに当接させることができる。そのため、作業床1D及び作業床用ブラケット2を、窓枠6により安定して設置できる。
【0104】
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2において、防護柵170は、第3連結部材173を移動自在に支持する上側連結支持部100を備える。そのため、窓枠6に設置した第1ブラケット10及び第2ブラケット20の間隔に合わせて、第3連結部材173の幅を適切に調節できる。これにより、作業床1D及び作業床用ブラケット2を、幅寸法の異なる窓枠にも対応させることができる。
【0105】
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2において、防護柵170は、第3連結部材173の下側に、第1支柱部材171と第2支柱部材172との間を連結する第4連結部材179を備える。そのため、第3連結部材173の下側において、床板3に載っている作業者の転落をより効果的に抑制できる。
【0106】
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2において、防護柵170は、第4連結部材179を移動自在に支持する下側連結支持部110を備える。そのため、窓枠6に設置した第1ブラケット10及び第2ブラケット20の間隔に合わせて、第4連結部材179の幅を適切に調節できる。これにより、作業床1D及び作業床用ブラケット2を、幅寸法の異なる窓枠にも対応させることができる。
第5実施形態の作業床1D及び作業床用ブラケット2を、第4実施形態のように、隣接する2つの窓の間に設置してもよい。
【0107】
(第6実施形態)
第6実施形態の作業床1Eは、窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)250の構成が第5実施形態と相違する。また、第6実施形態の作業床1Eにおいて、本体アーム11の上には床板3aが設置され、床板アーム22上に床板が設定されていない点で、第5実施形態と相違している。第6実施形態の説明及び図面において、第5実施形態と同一の部材及び同等の部材には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜に省略する。なお、第6実施形態の作業床1Eは、第5実施形態と同じく防護柵170(図15参照)を備えているが、防護柵170を備えない構成としてもよい(第7実施形態の作業床1Fについても同様)。
【0108】
図15は、第6実施形態の作業床1Eの断面図である。図15は、第5実施形態の図11に相当する断面図である。図16は、本体アーム11の上に設けた床板3aの固定方法を説明する概念図である。図16は、本体アーム11の上に設置された床板3aをY1側からY2側に視たときの平面図に相当する。図16では、防護柵170等の図示を省略している。図17は、図15のE-E線に相当する断面図である。図18は、第6実施形態の作業床1Eを室内側から視たときの構成図である。
【0109】
図15に示すように、第6実施形態の作業床1Eは、本体アーム11の上に床板3aが設置されている。図16に示すように、第1ブラケット10において、本体アーム11の上には、床板3aの右側X1の部分が載せられる。第2ブラケット20において、本体アーム11の上には、床板3aの左側X2の部分が載せられる。床板3aは、作業床1Eの左右方向Xにおいて、2つのブラケットの間に架け渡される。図15に示すように、防護柵170を備えた構成の本体アーム11において、第1可動部174と柵固定部90との間の領域は、床板領域(床板載置予定領域S)となる。防護柵170を備えていない構成の本体アーム11においては、窓枠6から室外側Z1に突出している部分のほぼ全域が床板領域Sとなる(第7実施形態の作業床1Fについても同様)。なお、作業床1Eの本体アーム11の上に設置される床板3aの数は、1枚に限らず、複数枚を並べて設置したり、重ねて設置したりしてもよい。
【0110】
図16に示すように、左右の本体アーム11の上に設置した床板3aは、例えば、締結ベルト300により固定できる。図16では、本体アーム11と床板3aに対して締結ベルト300をたすき掛けにして固定した例を示している。本体アーム11の上に設置した床板3aの固定方法は、図16の例に限らず、種々の方法を適用することができる。例えば、床板3aと本体アーム11にそれぞれ貫通穴(不図示)を形成し、床板3aと本体アーム11とを重ねた状態でボルトとナットで固定するようにしてもよい。本形態のように、本体アーム11の上に床板3aを設置することにより、窓枠6の上側(Y1側)での作業が更に容易となる。なお、床板3aは、床板アーム22の上に床板3を設置した形態で本体アーム11の上に設置してもよい(第7実施形態の作業床1Fについても同様)。
【0111】
次に、第6実施形態における窓枠当接部250の構成について説明する。窓枠当接部250は、本体アーム11の室内側Z2の端部に設けられ、本体アーム11の上側Y1において内壁4bと当接する機構である。第6実施形態の窓枠当接部250は、窓枠6の開口部周辺の内壁4bと当接する。窓枠当接部250は、支持金具251、第1ナット252、第2ナット253、連結・当接部材254、固定金具255、第3ナット256、ノブ付きボルト257を備える。
【0112】
支持金具251は、図15に示すように、連結・当接部材254を保持可能な略凹形状の部品である。支持金具251は、本体アーム11に固定されておらず、前後方向Zに移動自在に設置されている。支持金具251には、ノブ付きボルト257のボルト部分が貫通するボルト穴(不図示)が形成されている。第1ナット252及び第2ナット253は、内周面にノブ付きボルト257の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された部品である。第1ナット252は、支持金具251の前側Z1においてノブ付きボルト257に螺合する。第2ナット253は、支持金具251の後側Z2においてノブ付きボルト257に螺合する。支持金具251に連結・当接部材254が収納され、連結・当接部材254のボルト穴254a(後述)にノブ付きボルト257が挿入された状態で第1ナット252及び第2ナット253をそれぞれ支持金具251の側に締め込むことにより、連結・当接部材254を支持金具251に固定できる。ノブ付きボルト257の長手方向(Z方向)において、連結・当接部材254を支持金具251に固定する位置は、第1ナット252と第2ナット253を締め込む位置に応じて任意に設定することができる。なお、第1ナット252及び第2ナット253のいずれか一方は、支持金具251に接合されていてもよい。また、例えば、連結・当接部材254を金属により構成する場合、支持金具251を設けない構成としてもよい。
【0113】
連結・当接部材254は、第1ブラケット10の本体アーム11の室内側Z2の端部と、第2ブラケット20の本体アーム11の室内側Z2の端部との間を連結すると共に、窓枠6の開口部周辺の内壁4bに当接する部材である。本実施形態において、連結・当接部材254は、左右の窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)250において共通の部材として構成されている。図17及び図18に示すように、連結・当接部材254は、長手方向(X方向)に沿って複数のボルト穴254aを有する。ボルト穴254aは、ノブ付きボルト257のボルト部分が挿入される貫通穴である。連結・当接部材254は、長手方向に沿って複数のボルト穴254aを有するため、ノブ付きボルト257を挿入するボルト穴254aを適宜に選択することにより、連結・当接部材254を支持金具251に固定する位置を調節することができる。図17に示すように、連結・当接部材254は、左右方向Xの両端部であって、それぞれの前側Z1に当接片254bを有する。当接片254bは、内壁4bに当接する部材である。連結・当接部材254としては、例えば、木材、樹脂、金属等を用いることができる。
【0114】
固定金具255は、ノブ付きボルト257を支持する部品である。固定金具255は、本体アーム11の室内側Z2の端部に接合されている。図15に示すように、固定金具255は、左右方向Xから視たときに、略L字形となるように構成されている。固定金具255には、ノブ付きボルト257のボルト部分が貫通するボルト穴(不図示)が形成されている。第3ナット256は、内周面にノブ付きボルト257の雄ねじ(ボルト部分)と螺合可能な雌ねじが形成された部品である。第3ナット256は、固定金具255の後側Z2において、ノブ付きボルト257に螺合されている。ノブ付きボルト257は、連結・当接部材254(当接片254b)を内壁4bに当接させるための部品である。ノブ付きボルト257のボルト部分(外周面)には、雄ねじが形成されている。
【0115】
第6実施形態の窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)250は、作業床1Eを窓枠6に設置する際に組み付けることができる。まず、第1ブラケット10及び第2ブラケット20を窓枠6に仮設置して、連結・当接部材254を左右の支持金具251に収納する。次に、左右の窓枠当接部250において、支持金具251のボルト穴(不図示)と連結・当接部材254のボルト穴254aとが一致し且つ窓枠6の左右方向Xで略均等な配置となるように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向Xに移動する。このとき、例えば、図18に示すように、連結・当接部材254の左右の当接片254bがそれぞれ内壁4bと当接可能となるように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向Xに移動させる。
【0116】
第1ブラケット10及び第2ブラケット20を左右方向Xの適切な位置に移動させた後、左右の窓枠当接部250において、第1ナット252及び第2ナット253をそれぞれ支持金具251の側に締め込み、連結・当接部材254を支持金具251に固定する。次に、左右の窓枠当接部250において、第3ナット256を緩めて固定金具255との間に隙間を設けた状態とし、その状態でノブ付きボルト257を前方向Z1に押し込んで、連結・当接部材254を支持金具251と共に前方向Z1に移動させる。これにより、連結・当接部材254(当接片254b)を窓枠6の開口部周辺の内壁4bに当接させることができる。この状態で第3ナット256を締め込むことにより、内壁4bに当接させた連結・当接部材254の奥行方向Zの位置を固定することができる。
【0117】
なお、第1ブラケット10及び第2ブラケット20に防護柵170が設けられる場合、作業床1Eを窓枠6に設置する際に、防護柵170の組み付けを行った後に窓枠当接部250の組み付けを行うことができる。その場合、連結・当接部材254の各ボルト穴254aの位置(図18参照)、第3連結部材173の各ボルト穴173aの位置及び第4連結部材179の各ボルト穴174aの位置(図10参照)を、をそれぞれ長手方向(X方向)において一致させておくことが望ましい。後述する第7実施形態の作業床1Fについても同様である。
【0118】
(第7実施形態)
第7実施形態の作業床1Fは、窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)350の構成が第5実施形態と相違する。第7実施形態の説明及び図面において、第5及び第6実施形態と同一の部材及び同等の部材には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜に省略する。
【0119】
図19は、第7実施形態の作業床1Fの断面図である。図19は、第5実施形態の図11に相当する断面図である。図20は、図19のF-F線に相当する断面図である。図21は、第7実施形態の作業床1Fを室内側から視たときの構成図である。
【0120】
窓枠当接部350は、本体アーム11の室内側Z2の端部に設けられ、本体アーム11の上側Y1において内壁4bと当接する機構である。第7実施形態の窓枠当接部350は、窓枠6の開口部周辺の内壁と当接する。窓枠当接部350は、支持金具351、第1ナット352、ノブ付きボルト353、連結部材354を備える。また、窓枠当接部350は、当接片356、第2ナット357、ノブ付きボルト358を備える。
【0121】
支持金具351は、図19に示すように、連結部材354を保持可能な略凹形状の部品である。支持金具351は、本体アーム11の室内側Z2の端部に接合されている。支持金具351の前側Z1と後側Z2には、ノブ付きボルト353のボルト部分が貫通するボルト穴(不図示)が形成されている。第1ナット352は、内周面にノブ付きボルト358の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された部品である。第1ナット352は、支持金具351の前側Z1に接合されている。第1ナット352の中心は、支持金具351の前記ボルト穴の中心と一致している。ノブ付きボルト353は、連結部材354を支持金具351に固定するための部品である。ノブ付きボルト353のボルト部分(外周面)には、雄ねじが形成されている。
【0122】
連結部材354は、第1ブラケット10の本体アーム11の室内側Z2の端部と、第2ブラケット20の本体アーム11の室内側Z2の端部との間を連結する部材である。本実施形態において、連結部材354は、左右の窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)350において共通の部材として構成されている。図20及び図21に示すように、連結部材354は、長手方向(X方向)に沿って複数のボルト穴354aを有する。ボルト穴354aは、ノブ付きボルト353又は358(後述)のボルト部分が挿入される貫通穴である。連結部材354としては、例えば、木材、樹脂、金属等を用いることができる。図示していないが、連結部材354を木材や樹脂で構成する場合、第2ナット357(後述)が接する面に金属板等を設けることが望ましい。
【0123】
当接片356は、窓枠6の開口部周辺の内壁4bに当接する部材である。第2ナット357は、内周面にノブ付きボルト358の雄ねじ(ボルト部分)と螺合可能な雌ねじが形成された部品である。第2ナット357は、連結部材354の後側Z2において、ノブ付きボルト358に螺合されている。ノブ付きボルト358は、当接片356を内壁4bに当接させるための部品である。ノブ付きボルト358のボルト部分(外周面)には、雄ねじが形成されている。ノブ付きボルト358の前側Z1の端部は、当接片356に回動自在に連結されている。
【0124】
第7実施形態の窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)350は、作業床1Fを窓枠6に設置する際に組み付けることができる。まず、第1ブラケット10及び第2ブラケット20を窓枠6に仮設置して、連結部材354を左右の支持金具351の間に架け渡すように収納する。次に、左右の窓枠当接部350において、支持金具351のボルト穴(不図示)と連結部材354のボルト穴354aとが一致し且つ窓枠6の左右方向Xで略均等な長さとなるように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向Xに移動する。このとき、例えば、図21に示すように、連結部材354の左右の当接片356がそれぞれ内壁4bと当接可能となるように、第1ブラケット10及び又は第2ブラケット20を左右方向Xに移動させる。連結部材354の左右方向Xにおいて、当接片356を内壁4bに当接させる位置は、連結部材354の両端側に設けられたボルト穴354aの位置を変えることにより適宜に調節することができる。
【0125】
第1ブラケット10及び第2ブラケット20を左右方向Xの適切な位置に移動させた後、左右の窓枠当接部350において、ノブ付きボルト353を支持金具351の後側Z2のボルト穴(不図示)から挿入して、ボルト部分を支持金具351の前側Z1の第1ナット352と螺合させる。そして、ノブ付きボルト353を締め方向に回動させて、ノブ付きボルト353と第1ナット352とを締結させる。これにより、連結部材354を、左右の支持金具351に固定することができる。
【0126】
次に、左右の窓枠当接部350において、第2ナット357を緩めて連結部材354との間に隙間を設けた状態とし、その状態でノブ付きボルト358を前方向Z1に押し込んで、当接片356を前方向Z1に移動させる。このとき、連結部材354の両端側において、当接片356と内壁4bとの間の長さ(間隔)を略均等とすることが望ましい。これにより、当接片356を内壁4bに当接させることができる。この状態で第2ナット357を締め込むことにより、内壁4bに当接させた当接片356の奥行き方向Zの位置を固定することができる。
【0127】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。変形形態の説明においては、特定の実施形態の番号を付して記載する場合を除いて、第1~第7実施形態を適宜に「実施形態」ともいう。
【0128】
(変形形態)
第1~第4実施形態の第1ブラケット10及び第2ブラケット20において、第1連結部材16、第2連結部材17を連結する位置を可変としてもよい。このような構成とすることにより、第1ブラケット10及び第2ブラケット20を、窓の幅方向Xの長さに合わせて、より適切な位置に設置できる。第5~第7実施形態の第1ブラケット10及び第2ブラケット20において、第1連結部材16及び又は第2連結部材17を設ける形態としてもよい。
【0129】
実施形態において、第1ブラケット10及び第2ブラケット20に外壁当接部30(130)を設けない形態としてもよい。その場合、例えば、支持アーム13の下側Y2の端部を更に延長して、外壁4aと当接させてもよい。また、外アーム12の上側Y1の端部付近(本体アーム11と接合される部分の近傍)をクランク状に形成して、外アーム12が窓枠6と干渉しないように外壁4aと当接させてもよい。更に、窓枠6が室外側Z1に突出していない場合、外アーム12を外壁4aと当接する位置に設けてもよい。このような構成とした場合でも、床板3に載った作業者の荷重を、窓枠当接部50により受け止めることができるので、作業床1及び作業床用ブラケット2を、窓枠6に安定して設置できる。このように、実施形態の作業床用ブラケット2において、外壁当接部30(130)は必須の構成要件ではなく、外壁当接部30(130)を設けなくても、窓枠6により安定して設置できる。
【0130】
実施形態において、第1ブラケット10及び第2ブラケット20に内壁当接部40を設けない形態としてもよい。その場合、例えば、内アーム14の下側Y2をクランク状に形成し、その下側の部分が内壁4bに直接当接するように構成すればよい。
第2実施形態の防護柵70において、正面視(図4参照)で対角線状に略X字形の筋交いを設けてもよいし、第1支柱部材71、第2支柱部材72及び第3連結部材73により囲まれる領域に安全ネット等を設けてもよい。このような形態を、第5~第7実施形態の防護柵170にも適用してもよい。
【0131】
第5~第7実施形態の作業床用ブラケット2において、第4連結部材179及び下側連結支持部110と同じ機構を、外縁アーム21に追加してもよい。これにより、本体アーム11の下側Y2において、2つのブラケットの室外側Z1の端部が、左右方向Xの内側にずれたり、外側にずれたりする不具合を抑制できる。このような構成は、例えば、本体アーム11に第2連結部材17(第1実施形態/図2参照)を設けない形態において特に有効である。
【0132】
第5~第7実施形態の作業床用ブラケット2において、第3連結部材173のボルト穴173aの代わりに、第3連結部材173の長手方向に沿って延在するボルト用長穴を設けてもよいし、ボルト穴173aとボルト用長穴とを併設してもよい。同様に、第4連結部材179のボルト穴179aの代わりに、第4連結部材179の長手方向に沿って延在するボルト用長穴を設けてもよいし、ボルト穴179aとボルト用長穴とを併設してもよい。
【0133】
第5~第7実施形態の作業床用ブラケット2において、内壁当接部40のナット43を内アーム14に接合せずに、内アーム14の室内側Z2でシャフト42に螺合させただけの形態としてもよい。本形態において、内壁4bと内アーム14との間の長さの調節は、ダイヤル44を内壁4bの側に押圧した状態で、ナット43を締め方向に回動させて、ナット43が内壁4bと突き当たるようにすればよい。
【0134】
第5~第7実施形態の作業床用ブラケット2において、床板固定部80のナット83を中間アーム23に接合せずに、中間アーム23の上側でシャフト82に螺合させただけの形態としてもよい。本形態において、床板3の固定は、ダイヤル84を床板3の側に押圧した状態で、ナット83を締め方向に回動させて、ナット83が中間アーム23と突き当たるようにすればよい。
【0135】
第5~第7実施形態の作業床用ブラケット2において、外壁当接部130のナット134を外アーム12に接合せずに、外アーム12の室外側Z1でシャフト132に螺合させただけの形態としてもよい。本形態において、外壁4aと外アーム12との間の長さの調節は、ダイヤル135を外壁4aの側に押圧した状態で、ナット134を締め方向に回動させて、ナット134が外壁4aと突き当たるようにすればよい。
【0136】
第6実施形態における窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)250の構成を、第1及び第2実施形態の窓枠当接部に適用してもよい。また、第7実施形態における窓枠当接部(第1窓枠当接部/第2窓枠当接部)350の構成を、第1及び第2実施形態の窓枠当接部に適用してもよい。
【符号の説明】
【0137】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F:作業床、2:作業床用ブラケット、3,3a:床板、10:第1ブラケット、11:本体アーム、12:外アーム、14:内アーム、15:押圧部材、16:第1連結部材、17:第2連結部材、20:第2ブラケット、21:外縁アーム、22:床板アーム、23:中間アーム、30,130:外壁当接部、40:内壁当接部、50,150,250,350:窓枠当接部、70,170:防護柵(柵部)、71:第1支柱部材、72:第2支柱部材、73,173:第3連結部材、74:第1可動部、75:第2可動部、80:床板固定部、90:柵固定部、100:上側連結支持部、110:下側連結支持部、179:第4連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
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図21