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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159877
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】圧力調整装置を備えた打撃装置
(51)【国際特許分類】
   B25D 9/26 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
B25D9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023067056
(22)【出願日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】2203645
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】505394482
【氏名又は名称】モンタベール
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フジュルー エリック
【テーマコード(参考)】
2D058
【Fターム(参考)】
2D058CA03
2D058CB03
2D058CC28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】打撃装置の環境汚染のおそれがなく、プレストレスをユーザが容易に設定できる付勢要素を備えた圧力調整装置を有する打撃装置を提供する。
【解決手段】打撃装置は、調整シリンダ(17)と、調整シリンダ(17)に開口する接続通路(23)と、調整シリンダ(17)内で並進動作が可能に取り付けられるとともに圧力調整スライダ(18)であって圧力調整スライダ(18)の調整位置に応じて通路断面積が変化する連通路(24)を調整シリンダ(17)とともに画定する圧力調整スライダ(18)と、圧力調整スライダ(18)にプレストレスを作用させるように構成された付勢要素(26)と、付勢要素(26)によって圧力調整スライダ(18)に加えられるプレストレスを設定するように構成されたプレストレス設定装置(27)と、を備えた圧力調整装置(16)を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃装置(2)であって、
ピストンシリンダ(4)を画定する本体(3)と、
前記ピストンシリンダ(4)の内部で往復動作するように変位可能に取り付けられ、前記打撃装置(2)の各動作サイクル中に工具(6)を打撃するように構成された打撃ピストン(5)と、
前記打撃ピストン(5)と前記ピストンシリンダ(4)とにより画定される第1制御チャンバ(8)であって、高圧流体供給回路(12)に分離しないように接続される第1制御チャンバ(8)と、
前記打撃ピストン(5)と前記ピストンシリンダ(4)とにより画定され、前記第1制御チャンバ(8)と相対する第2制御チャンバ(9)と、
前記ピストンシリンダ(4)内での前記打撃ピストン(5)の打撃動作及び戻り動作に沿った往復動作を制御するように構成された制御分配器(11)であって、前記第2制御チャンバ(9)を前記高圧流体供給回路(12)と低圧戻り回路(13)とに交互に接続するように構成された制御分配器(11)と、
前記打撃装置(2)の作動圧力を所定値に調整するように構成された圧力調整装置(16)と、
を備え、
前記圧力調整装置(16)は、
調整シリンダ(17)と、
前記調整シリンダ(17)内に開口し、前記打撃ピストン(5)の戻り動作中に前記第2制御チャンバ(9)に接続されるように構成された接続通路(23)と、
前記調整シリンダ(17)内で並進方向(D)へ並進運動可能に取り付けられるとともに前記並進方向(D)へ互いにずれた複数の調整位置をとるように構成された圧力調整スライダ(18)であって、前記圧力調整スライダ(18)及び前記調整シリンダ(17)が、前記圧力調整スライダ(18)のとる調整位置に応じて通路断面積が変化する連通路(24)を画定するように構成され、前記連通路(24)が、前記接続通路(23)を前記低圧戻り回路(13)に流体的に接続するように構成された圧力調整スライダ(18)と、
前記圧力調整スライダ(18)にプレストレスを加え、前記連通路(24)の通路断面積が最小となる調整位置に前記圧力調整スライダ(18)を付勢するように構成された付勢要素(26)と、
を備え、
前記圧力調整装置(16)は、前記付勢要素(26)によって前記圧力調整スライダ(18)に加えられるプレストレスを設定するように構成されたプレストレス設定装置(27)を有し、プレストレス設定装置(27)は、
前記調整シリンダ(17)の開口端を閉塞するように構成された閉止プラグ(28)と、
前記調整シリンダ(17)内に配置されるとともに前記付勢要素(26)と協働するように構成された作動部材(29)であって、前記並進方向(D)に実質的に平行な変位方向へ変位可能な作動部材(29)と、
前記作動部材(29)に対して回転軸(A)の周りで回転移動可能に取り付けられた設定部材(35)であって、前記打撃装置(2)の外部からアクセス可能で且つユーザによって回転駆動されるように構成された設定部(36)と、前記調整シリンダ(17)内に配置されるとともに前記作動部材(29)に機械的に接続された駆動部(38)とを備え、前記閉止プラグ(28)が前記設定部(36)を前記打撃装置(2)の外部からアクセス可能にするように構成された通路開口(37)を有する設定部材(35)と、
を備え、
前記設定部材(35)及び前記作動部材(29)は、前記回転軸(A)の周りでの前記設定部材(35)の第1回転方向への回転により、前記圧力調整スライダ(18)へ向かう前記作動部材(29)の変位が生じて、前記付勢要素(26)によって前記圧力調整スライダ(18)に加えられるプレストレスが大きくなり、前記回転軸(A)の周りでの前記第1回転方向とは反対の第2回転方向への前記設定部材(35)の回転により、前記圧力調整スライダ(18)から離れる前記作動部材(29)の変位が生じて、前記付勢要素(26)によって前記圧力調整スライダ(18)に加えられるプレストレスが小さくなるように構成され、
前記圧力調整装置(16)は、前記設定部材(35)が前記作動部材(29)に対して安定する角度位置をとる複数の角度インデックス位置のそれぞれを前記設定部材(35)に対して定めるように構成されたインデックス機構(49)を有する
ことを特徴とする打撃装置(2)。
【請求項2】
請求項1に記載の打撃装置(2)において、
前記インデックス機構(49)は、前記閉止プラグ(28)及び前記設定部材(35)の一方に設けられるとともに前記回転軸(A)の周りで分散配置された複数のインデックス凹部(51)と、前記閉止プラグ(28)及び前記設定部材(35)の他方に設けられるとともに前記設定部材(35)がそれぞれの角度インデックス位置をとるときに前記インデックス凹部(51)の1つと協働するように構成された少なくとも一つのインデックス凸部(52)とを有する打撃装置(2)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の打撃装置(2)において、
前記設定部材(35)は、前記閉止プラグ(28)に対して前記変位方向と実質的に平行な方向へ並進動作で変位可能であり、前記付勢要素(26)は前記設定部材(35)を前記閉止プラグ(28)と接触した状態に保持するように構成されている打撃装置(2)。
【請求項4】
請求項3に記載の打撃装置(2)において、
前記設定部材(35)は、前記設定部(36)と前記駆動部(38)の軸方向の間に位置するとともに前記閉止プラグ(28)に当接するように構成された支持部(42)を有する打撃装置(2)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記閉止プラグ(28)が、前記調整シリンダ(17)内に固定される管状の締結部(28.1)を有し、前記作動部材(29)は前記締結部(28.1)内に変位可能に取り付けられる打撃装置(2)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記作動部材(29)は前記変位方向に延びる第1スプライン(31)を有し、前記閉止プラグ(28)は前記変位方向に延びるとともに前記作動部材(29)に設けられた前記第1スプライン(31)と協働するように構成された第2スプライン(32)を有し、前記第1スプライン(31)及び第2スプライン(32)は前記作動部材(29)を前記変位方向の並進動作を案内するように構成されている打撃装置(2)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記駆動部(38)は前記変位方向と実質的に平行に延びるねじ式駆動ロッド(39)を有し、前記作動部材(29)は前記ねじ式駆動ロッド(39)と協働するように構成された軸方向ねじ孔(41)を有する打撃装置(2)。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記圧力調整スライダ(18)、前記設定部材(35)及び前記作動部材(29)が実質的に同軸上に配置されている打撃装置(2)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記圧力調整スライダ(18)は、前記接続通路(23)に分離しないように流体的に接続される環状溝(25)を有し、前記環状溝(25)は前記連通路(24)の少なくとも一部を形成するように構成された環状縁部(25.1)を有する打撃装置(2)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記圧力調整装置(16)は、前記圧力調整スライダ(18)と前記調整シリンダ(17)とにより画定されるとともに前記高圧流体供給回路(12)に分離しないように流体的に接続される第1調整チャンバ(19)と、前記圧力調整スライダ(18)と前記調整シリンダ(17)とにより画定されるとともに前記低圧戻り回路(13)に分離しないように流体的に接続される第2調整チャンバ(22)とを備え、前記連通路(24)は前記接続通路(23)を前記第2調整チャンバ(22)に流体的に接続するよう構成されている打撃装置(2)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記圧力調整装置(16)は、前記設定部材(35)に固定されるとともに前記圧力調整スライダ(18)に向かう前記作動部材(29)の変位動作を制限するように構成された停止要素(44)を有する打撃装置(2)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記接続通路(23)は前記制御分配器(11)に接続され、前記制御分配器(11)は前記打撃ピストン(5)の戻り動作中に前記接続通路(23)を前記第2制御チャンバ(9)に接続するように構成されている打撃装置(2)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載の打撃装置(2)において、
前記閉止プラグ(28)は、前記設定部(36)の周りで延びる環状内溝(47)と、前記環状内溝(47)内に配置されるとともに前記設定部(36)と協働するように構成されたシール(48)とを有する打撃装置(2)。
【請求項14】
請求項13に記載の打撃装置(2)において、
前記シール(48)は前記設定部(36)と協働するように構成された環状シールリップを有する打撃装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃装置に関し、より詳細には圧力調整装置を備えた油圧打撃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
打撃装置は、公知の態様では、
ピストンシリンダを画定する本体と、
ピストンシリンダ内で往復動作可能に取り付けられ、打撃装置の各動作サイクル中に工具を打撃するように構成された打撃ピストンと、
打撃ピストンとピストンシリンダとにより画定され、高圧流体供給回路に分離しないように接続される第1制御チャンバと、
打撃ピストンとピストンシリンダにより画定され、第1制御チャンバと相対する第2制御チャンバと、
ピストンシリンダ内における打撃ピストンの打撃動作及び戻り動作に沿った往復運動を交互に制御するように構成された制御分配器であって、第2制御チャンバを高圧流体供給回路及び低圧戻り回路に交互に接続するように構成された制御分配器と、
入口圧力または供給圧力とも呼ばれる打撃装置の作動圧力を所定の値に調整するように構成された圧力調整装置と、
を有する。
【0003】
このような圧力調整装置により、打撃装置の各動作サイクルにおいて、打撃ピストンを工具に所定の衝突速度、すなわち所定の衝突エネルギで衝突させることを保証できる。
【0004】
このような圧力調整装置は、例えば、
本体により画定される調整シリンダと、
制御分配器に接続され、調整シリンダに開口する接続通路であって、制御分配器が打撃ピストンの戻り動作中に接続通路を第2制御チャンバに接続するように構成された接続通路と、
調整シリンダ内で並進方向に移動可能に取り付けられ、並進方向に互いにずれた複数の調整位置をとるように構成された圧力調整スライダであって、前記圧力調整スライダと調整シリンダが、圧力調整スライダのとる調整位置に応じて通路断面積が変化する連通路を画定するように構成され、この連通路が接続通路を低圧戻り回路に流体的に接続するように構成される圧力調整スライダと、
圧力調整スライダにプレストレス(予圧)を与え、圧力調整スライダを前記複数の調整位置のうちで連通路の通路断面積が最小となる1つの調整位置へ付勢するように構成された付勢要素と、
を備える。
【0005】
打撃装置の能力を調整可能にするために、付勢要素が圧力調整スライダに与えるプレストレスを調整シリンダに導入されるシムワッシャを用いて設定することが知られている。このようにシムワッシャを付加または除去することにより、作動圧力が調整される所定の値を変更でき、ひいては打撃ピストンの衝突速度を変更できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のプレストレスの設定を行うためにシムワッシャを付加または除去するには、調整シリンダにアクセスするために閉止プラグを取り外すことが必要であって、油圧回路を開くことが必要であるから、多量の油圧オイルが排出され、この操作が行われる環境によっては、この油圧オイルを封じないと汚染が生じることがある。
【0007】
本発明は、この欠点を改善することを目的とする。
【0008】
したがって、本発明の基本的な技術的課題は、打撃装置の環境汚染のおそれがなく、そのプレストレスをユーザが容易に設定できる付勢要素を備えた圧力調整装置を有する打撃装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明に係る打撃装置は、
ピストンシリンダを画定する本体と、
ピストンシリンダの内部で往復動作するように変位可能に取り付けられ、打撃装置の各動作サイクル中に工具を打撃するように構成された打撃ピストンと、
打撃ピストンとピストンシリンダとにより画定される第1制御チャンバであって、高圧流体供給回路に分離しないように接続される第1制御チャンバと、
打撃ピストンとピストンシリンダとにより画定され、第1制御チャンバと相対する(対をなす)第2制御チャンバと、
ピストンシリンダ内での打撃ピストンの打撃動作及び戻り動作に沿った往復動作を制御するように構成された制御分配器であって、第2制御チャンバを高圧流体供給回路と低圧戻り回路とに交互に接続するように構成された制御分配器と、
打撃装置の作動圧力を所定値に調整するように構成された圧力調整装置と、
を備え、
圧力調整装置は、
例えば本体により画定されるかまたは本体に固定される支持部に設けられる調整シリンダと、
調整シリンダ内に開口し、打撃ピストンの戻り動作中に第2制御チャンバに接続されるように構成された接続通路と、
調整シリンダ内で並進方向へ並進運動可能に取り付けられるとともに並進方向へ互いにずれた複数の調整位置をとるように構成された圧力調整スライダであって、圧力調整スライダ及び調整シリンダが、圧力調整スライダのとる調整位置に応じて通路断面積が変化する連通路を画定するように構成され、連通路が、接続通路を低圧戻り回路に流体的に接続するように構成された圧力調整スライダと、
圧力調整スライダにプレストレスを加え、連通路の通路断面積が複数の調整位置のうちで最小となる調整位置に圧力調整スライダを付勢するように構成された付勢要素と、
を備え、
圧力調整装置は、付勢要素によって圧力調整スライダに加えられるプレストレスを設定するように構成されたプレストレス設定装置を有し、プレストレス設定装置は、
調整シリンダの開口端を例えば取り外し可能な態様で閉塞するように構成された閉止プラグと、
調整シリンダ内に配置されるとともに付勢要素と協働するように構成された作動部材であって、並進方向に実質的に平行な変位方向へ変位可能な作動部材と、
作動部材に対して回転軸の周りで回転移動可能に取り付けられた設定部材であって、打撃装置の外部からアクセス可能で且つユーザによって回転駆動されるように構成された例えば全体的に円筒状の設定部と、調整シリンダ内に配置されるとともに作動部材に機械的に接続された駆動部とを備え、閉止プラグが設定部を打撃装置の外部からアクセス可能にするように構成された通路開口を有する設定部材と、
を備え、
設定部材及び作動部材は、前記回転軸周りでの設定部材の第1回転方向への回転により、圧力調整スライダへ向かう作動部材の変位が生じて、付勢要素によって圧力調整スライダに加えられるプレストレスが大きくなり、前記回転軸周りでの第1回転方向とは反対の第2回転方向への設定部材の回転により、圧力調整スライダから離れる作動部材の変位が生じて、付勢要素によって圧力調整スライダに加えられるプレストレスが小さくなるように構成され、
圧力調整装置は、設定部材が作動部材に対して安定する角度位置をとる複数の角度インデックス位置のそれぞれを設定部材に対して定めるように構成されたインデックス機構を有する
ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る打撃装置の圧力調整装置をこのように構成することにより、ユーザは、打撃装置の外から設定部材を回転させることで、すなわち、油圧回路を開かずに、したがって打撃装置の周囲を汚染するおそれを生じずに、付勢要素によって加えられるプレストレスを容易に設定できる。
【0011】
また、打撃装置は、単独で又は組み合わせて、以下の特徴のうちの1つ以上を有してもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、接続通路が制御分配器に接続され、制御分配器が、打撃ピストンの戻り動作中に接続通路を第2制御チャンバに接続するように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、付勢要素は、作動部材と協働するように、例えば作動部材と当接するように構成された第1端部と、圧力調整スライダと協働するように、例えば圧力調整スライダと当接するように構成された第2端部とを有する。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、作動部材は前記変位方向へ摺動可能に取り付けられる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、作動部材は、付勢要素の第1端部が当接する好ましくは環状の座を有する。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、付勢要素は圧縮バネであり、その第1端部が作動部材に当接し、その第2端部が圧力調整スライダに当接する。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、設定部材は、作動部材が当接するように構成された環状停止面を有し、環状停止面は、圧力調整スライダとは対照的に作動部材の変位動作を制限するように構成される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、角度インデックス位置の数は、2つ~8つ、有利には4つ~8つであり、例えば6つである。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、通路開口は、調整シリンダ内に開口する第1端部と、打撃装置外に開口する第2端部とを有する。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、設定部は少なくとも一部が通路開口内へ延びる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、通路開口の第2端が開口する外面を備えた閉止部を有する。有利には、設定部は、閉止部の外面と同一面であるか、または閉止部の外面より後退する。しかしながら、本発明の実施形態の1つの変形例によれば、設定部は前記外面から突出してもよい。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、通路開口は回転軸と同軸上で延びる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、例えばねじ止めによって本体に締結され、本体に対して動かないように構成される。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、インデックス機構は、閉止プラグ及び設定部材の一方に設けられるとともに前記回転軸の周りで分散配置された複数のインデックス凹部と、閉止プラグ及び設定部材の他方に設けられるとともに設定部材がそれぞれの角度インデックス位置をとるときにインデックス凹部の1つと協働するように構成された少なくとも一つのインデックス凸部とを有する。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、インデックス機構は回転軸の周りに分散配置される複数のインデックス凸部を有する。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのインデックス凸部は、閉止プラグまたは設定部材に設けられるとともに球面部分によって内部に画定される受け入れキャビティの内部に取り付けられるインデックスボールによって形成される。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、設定部材は閉止プラグに対して前記変位方向と実質的に平行な方向に並進動作で変位可能であり、付勢要素は設定部材を閉止プラグと接触した状態に保持するように構成される。したがって、付勢要素によって設定部材に加えられる力と、閉止プラグと設定部材との間のカムの効果により、打撃装置で生じる振動による調整不備が防止される。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグがカムを構成し、設定部材がカムフォロアを構成する。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、設定部材は、設定部と駆動部との軸方向の間に位置するとともに閉止プラグに当接するように構成された、支持フランジなどの支持部を有する。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、概ね円筒形で設定部材を回転動作の案内と並進動作の案内をするように構成された内部案内面を有する。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、支持部は環状停止面を有する。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、調整シリンダ内に固定される管状の締結部を有し、作動部材は締結部内に変位可能に、例えば摺動可能に取り付けられる。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、作動部材は前記変位方向に延びる第1スプラインを有し、閉止プラグは変位方向に延びるとともに作動部材に設けられた第1スプラインと協働するように構成された第2スプラインを有し、第1スプライン及び第2スプラインは作動部材を前記変位方向の並進動作を案内するように構成される。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、第2スプラインは締結部材の内面に設けられる。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、プラグ本体と、プラグ本体内に配置されてプラグ本体に対して固定される例えば環状の内部インサートとを有し、内部インサートはプラグ本体と設定部材との間に介在し、インデックス凹部または少なくとも1つのインデックス凸部は内部インサートに設けられる。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、内部インサートはプラグ本体と支持部との間に介在する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、駆動部は前記変位方向と実質的に平行に延びるねじ式駆動ロッドを有し、作動部材はねじ式駆動ロッドと協働するように構成された軸方向ねじ孔を有する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、圧力調整スライダ、設定部材、及び作動部材が実質的に同軸上に配置されている。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、圧力調整スライダは、接続通路に分離しないように流体的に接続される環状溝を有し、環状溝は、連通路の少なくとも一部を形成するように構成された環状縁部を有する。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、圧力調整装置は、圧力調整スライダと調整シリンダとにより画定されるとともに高圧流体供給回路に分離しないように流体的に接続される第1調整チャンバと、圧力調整スライダと調整シリンダとにより画定されるとともに低圧戻り回路に分離しないように流体的に接続される第2調整チャンバとを備え、連通路は接続通路を第2調整チャンバに流体的に接続するように構成される。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、付勢要素及び作動部材が第2調整チャンバ内に配置される。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、第2調整チャンバは第1調整チャンバと相対する(対をなす)。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、圧力調整スライダの第1面は第1調整チャンバに配置され、圧力調整スライダにおける第1面と反対側の第2面は第2調整チャンバに配置される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、プレストレス設定装置は、例えば本体または閉止プラグに設けられる固定の読取部に設けられる設定マークであって、それぞれが各角度インデックス位置(したがって、付勢要素によって圧力調整スライダに加えられる各プレストレスの値)に対応する設定マークと、設定マークに関連付けられ且つ設定部に設けられる読取マークとを有する。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、圧力調整装置は、設定部材、例えば駆動部に固定されるとともに圧力調整スライダに向かう作動部材の変位動作を制限するように構成された停止要素、例えば環状の停止要素を有する。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、設定部の周りで延びる環状内溝と、環状内溝内に配置されるとともに設定部と協働するように構成されたシールとを有する。このシールには、例えば設定部と協働するように構成された環状シールリップを設けることができる。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグ及び作動部材は付勢要素の第1端部を受け入れる環状ハウジングを形成する。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、閉止プラグは、締結部に設けられ且つ締結部の周りで延びる環状外溝と、環状外溝内に配置され且つ打撃装置の本体と協働するように構成された環状シールとを有する。環状シールは、例えばOリングにすることができる。
【0049】
いずれにせよ、本発明は、この打撃装置器具の複数の実施形態を非限定的な例として示す添付の概略図を用いた下記の説明により、十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る油圧打撃装置の概略縦断面図である。
図2図2は、図1の油圧打撃装置の圧力調整装置の拡大部分縦断面図であり、その圧力調整スライダが第1調整位置にある状態を示す。
図3図3は、図2の圧力調整装置の拡大部分縦断面図であり、その圧力調整スライダが第2調整位置にある状態を示す。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る油圧打撃装置の圧力調整装置の拡大部分縦断面図である。
図5図5は、図4の圧力調整装置の閉止プラグの斜視図である。
図6図6は、図4の圧力調整装置の作動部材と設定部材の斜視図である。
図7図7は、本発明の第3実施形態に係る油圧打撃装置の圧力調整装置の拡大部分縦断面図である。
図8図8は、本発明の第4実施形態に係る油圧打撃装置の圧力調整装置の拡大部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1から図3は、本発明の第1実施形態に係る打撃装置2を示す。
【0052】
打撃装置2は、ピストンシリンダ4を画定する本体3と、ピストンシリンダ4内に往復動作するように摺動可能に取り付けられた、段差を有する打撃ピストン5とを有する。打撃ピストン5は、打撃装置2の各動作サイクル中に、本体3内にピストンシリンダ4と同軸に設けられたボア7内に摺動可能に取り付けられる工具6の上端を打撃するように構成されている。
【0053】
打撃ピストン5とピストンシリンダ4は、環状の第1制御チャンバ8と、第1制御チャンバ8と相対するとともに第1制御チャンバ8よりも大きな断面を有する第2制御チャンバ9とを画定している。第2制御チャンバ9は、例えば打撃ピストン5の上方に配置することができる。
【0054】
打撃装置2は、さらに、ピストンシリンダ4内での打撃ピストン5の往復の動作を打撃動作及び戻り動作に沿って交互に制御するように配置された制御分配器11を有する。制御分配器11は、第2制御チャンバ9を、打撃ピストン5の打撃動作中には高圧流体供給回路12に、打撃ピストン5の戻り動作中には低圧戻り回路13に、流体的に交互に接続するように構成されている。
【0055】
第1制御チャンバ8は、制御分配器11の各位置で打撃ピストン5が打撃動作を行い、次いで打撃ピストン5が戻り動作を行うように、供給通路14を介して高圧流体供給回路12に分離しないように接続される。供給通路14は、有利には、油圧アキュムレータ15に接続できる。
【0056】
打撃装置2は、さらに、打撃装置2の作動圧力を所定値に調整するように構成された圧力調整装置16を備えている。
【0057】
図2に詳細に示すように、圧力調整装置16は、本体3により画定された調整シリンダ17と、調整シリンダ17内で並進方向Dへ並進運動可能に取り付けられた圧力調整スライダ18とを備える。圧力調整スライダ18は、並進方向Dへ互いにずれた複数の調整位置をとるように構成されている。
【0058】
圧力調整スライダ18と調整シリンダ17は、第1制御チャンバ8に流体的に連通する通路21を介して高圧流体供給回路12に分離しないように流体的に接続される第1調整チャンバ19と、第1調整チャンバ19と相対するとともに低圧戻り回路13に分離しないように流体的に接続される第2調整チャンバ22を画定している。有利には、圧力調整スライダ18の第1面が第1調整チャンバ19内に位置し、圧力調整スライダ18における第1面と反対側の第2面が第2調整チャンバ22内に位置する。
【0059】
また、圧力調整装置16は、制御分配器11に流体的に接続される第1端と、調整シリンダ17に開口する第2端とを有する接続通路23を備えている。制御分配器11は、より詳細には、打撃ピストン5の戻り動作中に接続通路23を第2制御チャンバ9に接続するように構成される。
【0060】
また、圧力調整スライダ18と調整シリンダ17は、圧力調整スライダ18がとる調整位置に応じて通路断面積が変化する連通路24を画定するように構成されている。連通路24は、接続通路23を第2調整チャンバ22に、したがって低圧戻り回路13に流体的に接続するように構成されている。圧力調整スライダ18は、有利には、その外面に接続通路23に対して離れないように流体的に接続されるとともに連通路24の少なくとも一部を形成するように構成された環状縁部25.1が設けられた環状溝25を有する。
【0061】
圧力調整装置16は、さらに、第2調整チャンバ22内に配置され且つ圧力調整スライダ18にプレストレスを与えるとともに連通路24の通路断面積が最小で例えばゼロまたは実質的にゼロになる調整位置に圧力調整スライダ18を付勢するように構成された圧縮ばねなどの付勢要素26を有する。したがって、打撃装置2に高圧流体が供給されていないとき、付勢要素26は、連通路24を閉じるための力を圧力調整スライダ18に作用させる。打撃装置2に高圧流体が供給されると、高圧流体が第1調整チャンバ19に通路21を介して供給されて、付勢要素26によって作用する力とは逆の力が圧力調整スライダ18に作用する。この力が付勢要素26によって作用するプレストレスの力を超えるとすぐに圧力調整スライダ18が付勢要素26へ向かって並進運動し、連通路24の通路断面積が大きくなる。
【0062】
圧力調整装置16は、さらに、付勢要素26により圧力調整スライダ18に作用するプレストレスを設定するように構成されたプレストレス設定装置27を備えている。
【0063】
図2にさらに詳細に示すように、プレストレス設定装置27は、調整シリンダ17の開放端を閉塞するように構成された閉止プラグ28を有する。閉止プラグ28は、本体3に締め付けられて、本体3に対して固定されるように構成されている。図1から図3に示された実施形態によれば、閉止プラグ28は、調整シリンダ17内に例えばねじ込んで締結される管状の締結部28.1と、調整シリンダ17の開放端を閉塞するように構成される閉止部28.2とを有する。
【0064】
閉止プラグ28は、例えば締結部28.1に設けられ且つ締結部28.1の周囲に延びる環状外溝と、環状外溝に配置され且つ打撃装置2の本体3と協働するように構成された環状シール290とを有するようにしてもよい。環状シール290は、例えばOリングにすることができる。
【0065】
プレストレス設定装置27は、さらに、付勢要素26と協働するように構成された作動部材29を有する。作動部材29は、第2調整チャンバ22内に配置され、並進方向Dと平行な変位方向へ移動可能である。作動部材29は、有利には、付勢要素26に押圧力を作用させるように構成されたプッシャを形成する。
【0066】
有利には、作動部材29は、ガイドウェイ接続(スライド接続)により閉止プラグ28に接続される。特に、作動部材29は、閉止プラグ28の締結部28.1内に前記変位方向へ摺動可能に取り付けられる。この目的のために、作動部材29は、その外面に前記変位方向へ延びる第1スプライン31を有し、締結部28.1は、その内面に前記変位方向に延びるとともに作動部材29に設けられた第1スプライン31と協働するように構成された第2スプライン32を有する。第1及び第2スプライン31,32は、作動部材29の前記変位方向への並進動作を案内するように構成されている。
【0067】
図2に示すように、付勢要素26は、作動部材29に設けられた第1環状座33に当接する第1端部と、圧力調整スライダ18に設けられた第2環状座34に当接する第2端部とを有する。付勢要素26は、より詳細には、作動部材29に一の軸方向力を加え、圧力調整スライダ18に反対の軸方向力を加える。有利には、閉止プラグ28及び作動部材29は、付勢要素26の第1端部を受け入れる環状ハウジングを形成する。
【0068】
図1から図3に示された実施形態によれば、作動部材29は、付勢要素26の第1端部を支持するように構成された環状の支持部29.1と、閉止プラグ28の側に位置する支持部29.1の一端から径方向へ延びる環状の作動部29.2とを有する。有利には、作動部29.2は、第1環状座33を有し、作動部材29が圧力調整スライダ18に向かって移動するときに付勢要素26を圧縮するように構成される。
【0069】
また、プレストレス設定装置27は、閉止プラグ28に摺動回転接続で接続された設定部材35を有する。したがって、設定部材35は、回転軸Aの周りで作動部材29に対して回転動作可能に取り付けられており、閉止プラグ28に対して前記変位方向と実質的に平行な方向へ並進運動での変位も可能である。有利には、圧力調整スライダ18、設定部材35及び作動部材29は同軸上に配置されている。
【0070】
設定部材35は、打撃装置2の外からアクセス可能で且つユーザによって回転駆動されるように構成された、全体的に例えば円筒形にすることができる設定部36を有する。この目的のために、閉止部28.2は、設定部36を打撃装置2の外側からアクセス可能にするように構成された通路開口37を有する。通路開口37は、有利には、回転軸Aと同軸上で延びるとともに調整シリンダ17へ開口する第1端部と、閉止部28.2の外面に開口する第2端部を含む。図1から図3に示された実施形態では、設定部36は、少なくとも一部が通路開口37内で延び、例えば閉止部28.2の外面と同一面であるか、または閉止部28.2の外面から後退していてもよい。しかしながら、本発明の実施形態の一変形例では設定部36を前記外面から突出させてもよい。
【0071】
設定部材35は、さらに、第2調整チャンバ22内に配置されるとともに作動部材29と機械的に接続される駆動部38を有する。駆動部38は、有利には、螺旋接続によって作動部材29に接続される。図1から図3に示された実施形態によれば、駆動部38は回転軸Aと同軸に延びるねじ式駆動ロッド39を有し、作動部材29は軸方向ねじ孔41を有し、この軸方向ねじ孔41は、例えば作動部材29の全長にわたって延び、ねじ式駆動ロッド39と協働するように構成するとよい。有利には、付勢要素26は、作動部材29と設定部材35との間での螺旋接続によって、設定部材35を閉止プラグ28との接触状態に保持するように構成される。
【0072】
設定部材35及び作動部材29は、より詳細には、回転軸Aの周りでの第1回転方向への設定部材35の回転により、圧力調整スライダ18へ向かう作動部材29の変位(したがって、付勢要素26の圧縮)が生じて、付勢要素26によって圧力調整スライダ18に加えられるプレストレスが大きくなり、回転軸Aの周りでの第1回転方向とは反対の第2回転方向への設定部材35の回転により、圧力調整スライダ18から離れる設定部材29の変位(したがって付勢要素26の弛緩)が生じて、付勢要素26によって圧力調整スライダ18に加えられるプレストレスが小さくなるように構成される。
【0073】
図1から図3に示された実施形態では、設定部材35は、設定部36と駆動部38との軸方向の間に位置して閉止プラグ28に当接するように構成された支持フランジなどの支持部42を有する。有利には、支持部42は、作動部材29が接するように構成された環状停止面43を含む。環状停止面43は、より詳細には、圧力調整スライダ18と反対への作動部材29の変位動作、つまり閉止プラグ28に向かう作動部材29の変位動作を制限するように構成される。
【0074】
圧力調整装置16は、(図4から図6に示された本発明の第2実施形態では)設定部材35の例えば駆動部38に固定されて圧力調整スライダ18へ向かう作動部材29の変位動作を制限するように構成される例えば環状の停止要素44を有してもよい。図1から図3に示された実施形態によれば、駆動部38は、圧力調整スライダ18の方を向く駆動部38の一端に開口する締結ねじ孔45を有し、停止要素44は、締結ねじ孔45と協働するプレスねじ46によって設定部材35に締結される。
【0075】
図1から図3に示された実施形態によれば、閉止プラグ28は、設定部36の周りに延びる環状内溝47と、環状内溝47に配置されて設定部36と協働するように構成されたシール48とを有する。シール48には、例えば設定部36と協働するように構成された環状シールリップを設けることができる。
【0076】
また、圧力調整装置16は、設定部材35が作動部材29に対して安定する角度位置をとる複数の角度インデックス位置のそれぞれを設定部材35に対して定めるように構成されたインデックス機構49を有する。角度インデックス位置の数は、2つと8つの間、有利には4つと8つの間にすることができ、例えば6つである。
【0077】
図1から図3に示された実施形態によれば、インデックス機構49は、閉止部28.2に設けられるとともに回転軸Aの周りに分散配置された複数のインデックス凹部51と、支持部42に設けられるとともに回転軸Aの周りに分散配置された複数のインデックス凸部52とを有する。各インデックス凸部52は、設定部材35がそれぞれの角度インデックス位置をとるときにインデックス凹部51と協働するように構成される。したがって、設定部材35は、閉止プラグ28がカムを構成し、設定部材35がカムフォロワーを構成するカム接続によって閉止プラグ28に接続される。各インデックス凸部52は、支持部42と一体であってもよいし、支持部42に取り付けてもよい。
【0078】
また、有利には、プレストレス設定装置27は、
固定された読取エリア、例えば閉止プラグ28上に設けられた設定マーク(図示せず)であって、それぞれの角度インデックス位置(したがって、付勢要素26によって圧力調整スライダ18に加えられるプレストレスのそれぞれの値)に対応する設定マークと、
設定マークと関連付けられ且つ設定部36に設けられる読取マーク(図示せず)と、
を有してもよい。
【0079】
付勢要素26によって圧力調整スライダ18に加えられるプレストレスを設定するために、ユーザは、設定部36に設けられる例えば六角形の刻印に挿入するのに適したキーを用いて、所望のプレストレス値に対応する設定マークに読取マークが向き合うように位置合わせするまで設定部材35を回転させる。作動部材29が螺旋接続によって設定部材35に接続されるとともにガイドウェイ接続によって閉止プラグ28に接続されているので、設定部材35がこのように回転することにより、閉止プラグ28に対する作動部材29の並進運動が(回転方向に応じて圧力調整スライダ18または閉止プラグ18の方へ)生じる。作動部材29のこのような並進運動により、付勢要素26により圧力調整スライダ18に加えられるプレストレスの設定が可能になる。
【0080】
有利には、各インデックス凹部51及び/または各インデックス凸部52は、閉止プラグ28と設定部材35との間のカム接続によって生じる抵抗を超えるのに必要なトルクを制限するように、斜面または曲面を有する。
【0081】
図7は、閉止プラグ28が、プラグ本体281と、プラグ本体281に対して固定されるとともにプラグ本体281と支持部42との間に介在する例えば環状の内部インサート282とを含み、インデックス凸部52が内部インサート282に設けられるという点において、図1から図3に示された実施形態とは基本的に異なる本発明の第3実施形態に係る打撃装置2を示す。有利には、内部インサート282は、第2スプライン32と協働することによって閉止プラグ28に対して回転のロックがなされている。
【0082】
図8は、各インデックス凸部52が、設定部材35に設けられるとともに球面部分により内部が画定される各受け入れキャビティに取り付けられたインデックスボールによって形成されている点で、図1から図3に示された実施形態とは基本的に異なる本発明の第4実施形態に係る打撃装置2を示す。インデックス機構49をこのように構成することにより、設定部材35と閉止プラグ28との間の摩擦が最小化され、ひいては設定部材35及び閉止プラグ28の摩耗が最小化される。
【0083】
当然ながら、本発明は、単なる例示として説明され且つ図示された実施形態には決して限定されない。特に、種々の要素の構成の観点から、または技術的な均等物との置換によって、本発明の保護範囲から逸脱することなく変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】