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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159896
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/18 20230101AFI20231026BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H04L1/18
H04L1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147866
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】菅井 廉
(72)【発明者】
【氏名】木村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】松田 大輝
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014BA01
5K014BA05
5K014BA06
5K014DA02
5K014FA03
(57)【要約】
【課題】再送の時間を短くすることを可能にする情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する処理部、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する処理部
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記第2符号の復号化により得られた第1符号の符号化シンボルに基づき、前記第1符号の復号化を行い、前記第1符号の符号化シンボルが不足する場合は、前記再送を要求する情報を送信し、前記再送を要求する情報は、前記第1符号の復号化に必要な前記第1符号の符号化シンボルの再送を要求する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第2符号の復号化に成功した前記第1符号の符号化シンボルの個数または前記第2符号の復号化に失敗した前記第1符号の符号化シンボルの個数に基づき、前記再送が必要か否かを判断する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記再送を要求する情報は、前記再送を要求する符号化シンボルのインデックス情報を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記再送を要求する情報は、前記再送を要求する符号化シンボルの個数を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記再送を要求する情報は、前記第2符号の復号化に成功した前記第1符号の符号化シンボルのインデックス情報を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記再送を要求する情報は、前記第2符号の復号化に失敗した前記第1符号の符号化シンボルの個数を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記再送を要求する情報は、前記第1符号の符号化の対象となったデータの全部または一部を前記第1符号で再符号化する要求を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記再送を要求する情報は、前記データの変調多値数を指定する情報を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記再送を要求する情報は、前記データを前記第1符号で符号化するシンボルサイズおよび個数を指定する情報を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記再送を要求する情報は、前記データを前記第1符号で符号化する符号化率を指定する情報を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記再送を要求する情報は、前記データを前記第2符号で符号化する符号化率を指定する情報を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記再送を要求する情報は、前記第1符号の符号化方式を指定する情報を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1符号の復号化に成功または失敗した少なくとも1つのデータの確認応答と、前記再送を要求する情報とを含む第1フレームを送信する通信部
を備えた請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記第1符号の符号化シンボルの再送に用いる無線リソースを使用する期間である第1期間を予約する情報と、前記再送を要求する情報とを含む第2フレームを送信する通信部を備え、
前記第2フレームの送信先装置以外の前記第2フレームを受信した装置は前記第1期間の間、前記無線リソースでの送信を控える
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記第1符号の符号化シンボルの再送に用いる無線リソースを指定する情報と、前記再送を要求する情報とを含む第3フレームを送信する通信部
を備えた請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記情報処理装置とは異なる装置に割り当てられた無線リソースの全部または一部を用いて前記第1符号の符号化シンボルの再送を行うことを示す通知情報を受信する通信部を備え、
前記処理部は、前記通知情報に示される前記無線リソースの全部または一部を介して前記第1符号の符号化シンボルを受信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記第1プロトコル層において前記第2符号の復号化を行う第1プロトコル層処理部を備え、
前記処理部は、前記第2プロトコル層において前記第1符号の復号化を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記第2プロトコル層は、3GPP規格で規定されたレイヤ2である
請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記第1プロトコル層は、IEEE802.11規格で規定されたMAC層である
請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項21】
第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する 情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution(LTE)」、「LTE-Advanced(LTE-A)」、「LTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)」、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(EUTRA)」、「New Radio(NR)」、「New Radio Access Technology(NRAT)」、または「Further EUTRA(FEUTRA)」とも称する。)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project: 3GPP)において検討されている。なお、以下の説明において、LTEは、LTE-A、LTE-A Pro、およびEUTRAを含み、NRは、NRAT、およびFEUTRAを含む。
【0003】
LTEでは基地局装置(基地局)はeNodeB(evolved NodeB)、NRでは基地局装置(基地局)はgNodeBとも称される。LTEおよびNRでは端末装置(移動局、移動局装置、端末)はUE(User Equipment)とも称される。
【0004】
LTEおよびNRは、基地局がカバーするエリアをセル状に複数配置するセルラー通信システムである。単一の基地局は複数のセルを管理してもよい。NRでは、従来のスマートフォンのデータ通信のeMBB(enhanced Mobile BroadBand)に加え、自動運転に用いられる緊急メッセージ伝送など高信頼・低遅延が要求されるURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)等、様々な通信ユースケースを1つの無線システムでサポートすることが想定されている。
【0005】
低遅延の要求が高いURLLCにおいて、再送によって発生する遅延が課題の一つとなっている。非特許文献1には、NRで検討された誤り訂正符号関連技術が開示されている。
【0006】
再送の発生を低減するとともに、再送が発生した場合にも再送の時間を短くすることが必要とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS 38.212 V15.7.0 (2019-09), “Multiplexing and channel coding(Release 15)”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、再送の時間を短くすることを可能にする情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の情報処理装置は、第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する処理部を備える。
【0010】
本開示の情報処理方法は、第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る通信ネットワークの構成例を示す図。
図2】第1FECの符号化を模式的に示す図。
図3】第2FECの符号化を模式的に示す図。
図4】本実施形態に係る送信装置の一例を概略的に示すブロック図。
図5】本実施形態に係る情報処理装置である受信装置の一例を概略的に示すブロック図。
図6】本実施形態に係る通信シーケンスの基本的な手順の一例を示す図。
図7】2段階のFEC符号化を用いて3GPP規格のデータフレームを生成する手順の一例を示す図。
図8図7の手順で生成されたデータフレームを復号化する手順の例を示す図。
図9】2段階のFEC符号化を用いてIEEE802.11規格のデータフレームを生成する手順の一例を示す図。
図10図9の手順で生成されたデータフレームを復号化する手順の例を示す図。
図11】受信装置における受信処理の一例のフローチャート。
図12】ステップS24で行う再送要求処理の一例のフローチャート。
図13】送信装置および受信装置間の動作のシーケンス例。
図14】再送要求情報と確認応答とを含むMACフレームのフォーマット例を示す図。
図15】3GPP規格の場合の再送要求付き確認応答フレームのフォーマット例を模式的に示す図。
図16】変形例1に係る送信装置および受信装置間の動作のシーケンス例を示す図。
図17】変形例2に係る送信装置および受信装置間の動作のシーケンス例を示す図。
図18】送信装置から再送信号を送信する具体例を示す図。
図19】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。
【0013】
[通信ネットワークの構成]
図1は、本実施形態に係る通信ネットワークの構成例を示す。図1において伝搬チャネル(回線)は破線によって示されている。回線は論理的な接続を意味しており、物理的に直接接続されているとは限らない。
【0014】
複数の基地局として、マクロセル11を提供するマクロセル基地局13と、マクロセルより小さいスモールセル12を提供するスモールセル基地局14とが配置されている。基地局と称する場合、マクロセル基地局13およびスモールセル基地局14のいずれでもよい。マクロセル11およびスモールセル12は、複数の基地局それぞれがサービスの提供を行う通信エリア(セル)であり、図1では楕円によって示されている。一つの基地局が複数のセルを提供してもよい。
【0015】
基地局同士は、バックホール(ここでは有線・無線は問わない)を介して互いに通信可能であり、主に制御情報のやり取りを行う。このバックホールでは、例えばX2インターフェースあるいはS1インターフェースのプロトコルを使って情報のやり取りを行ってもよい。基地局間のバックホールのトポロジは、メッシュ型、スター型、リング型など任意でよい。
【0016】
基地局は、コアネットワークとのバックホールも有する。基地局は、制御エンティティ15と接続をすることで、コアネットワーク16と接続してもよい(制御エンティティ15をコアネットワーク16の要素の一つと捉えてもよい)。制御エンティティ15は複数存在してもよい。
【0017】
また、基地局は、制御エンティティ15を介する以外にも、外部ネットワーク18を介してコアネットワーク16と接続してもよい。このような外部ネットワーク18の例としては、室内または家庭内に敷設可能なフェムトセル基地局またはHeNB(Home eNodeB)装置などが該当する。1つ以上のスモールセル基地局14がHeNBゲートウェイ装置19を介して外部ネットワーク18と接続されている。外部ネットワーク18は、ゲートウェイ装置20を介してコアネットワーク16と接続されている。
【0018】
スモールセル12は、基本的にはマクロセル11と重なるように配置される。ただし、スモールセル12は、マクロセル11と部分的に重なるように配置されてもよいし、マクロセル11から完全に外側に配置されてもよい。複数のスモールセル基地局14でグループ(クラスタ)を構成してもよい。クラスタにおいて、クラスタヘッドの役割を有する基地局を設けてもよい。
【0019】
マクロセル11とスモールセル12で使用する無線リソース(周波数リソース、時間リソース、空間リソースのうち少なくとも1つ)に特徴を持たせてもよい。例えば、マクロセル11とスモールセル12で同一の周波数リソースF1(あるいは時間リソースT1)を使ってもよい。このようにすることで、システム全体としての無線リソースの利用効率を向上させることが可能となる。
【0020】
マクロセル11が周波数リソースF1(あるいは時間リソースT1)を使用し、スモールセル12が周波数リソースF2(あるいは時間リソースT2)を使用ようにしてもよい。このようにすることで、マクロセル11とスモールセル12の間の干渉を回避することが可能になる。
【0021】
さらに周波数リソースF1とF2の両方(時間リソースT1とT2の両方)をマクロセル11およびスモールセル12のそれぞれが使うようにしてもよい。周波数リソースF1とF2の両方をマクロセル11およびスモールセル12のそれぞれが使用する方法は、CA(Carrier Aggregation)と同等の考え方となる。
【0022】
[送信装置および受信装置の構成]
本実施形態では、送信側では、送信の対象となる情報系列に対して、複数の誤り訂正符号(FEC)を用いて段階的な符号化を行う。具体的には、一例として、情報系列に対して1番目にデータリンク層(第2プロトコル層)で第1符号である消失訂正符号を用いて第1FECの符号化を行い、2番目にデータリンク層より下位の物理層(第1プロトコル層)で第2符号を用いて第2FECの符号化を行う。また受信側では、送信側から受信されるデータに対して、複数のFECにそれぞれ対応した復号方式により復号化を段階的に行うことにより、情報系列を取得する。具体的には、1番目に物理層(第1プロトコル層)で第2FECの復号化を行い、2番目にデータリンク層(第2プロトコル層)で第1FECの復号化を行う。
【0023】
図2は、第1FECの符号化を模式的に示す図である。第1FECの符号化では、入力される1つのビット系列から、出力となる1または複数のビット系列を生成する。生成された複数のビット系列は、受信側に送信しなければならないビット系列と、受信側に送信しなくても受信側で復号が可能なビット系列との2つに分けることができる。すなわち、受信側では複数のビット系列の全てを受信しなくても、入力となる元のビット系列を復元可能である。
【0024】
図2において入力されるビット系列は複数の矩形によって表され、各矩形は1つまたは複数のビットを含む。出力される複数のビット系列はそれぞれ1つの矩形によって示されており、各ビット系列は1つまたは複数のビットから成る符号化シンボルに対応する。各ビット系列(符号化シンボル)は、入力側の1つまたは複数の矩形に対応するビットに基づき生成される。各ビット系列と、各ビット系列が生成される元となる入力側のビットとの関係が、入力側の矩形と、出力側の矩形とを結ぶ直線によって表されている。
【0025】
第1FECの符号(第1符号)として、消失訂正符号(Erasure Codes)を用いることができる。消失訂正符号の例として、レートレス符号(Rateless Codes)、噴水符号(Fountain Codes)などのカテゴリに属するFEC方法、または複数のビット系列を線形合成またはXOR合成して符号化するFEC方法などがある。消失訂正符号の具体例として、レートレス符号(Rateless Codes)、噴水符号(Fountain Codes)、Tornado符号、LT(Luby Transform)符号、Raptor符号、RaptorQ符号、LDPC符号、BCH符号、RS符号、Zigzag decodable code、ZD噴水符号またはXOR符号などがある。
【0026】
図3は、第2FECの符号化を模式的に示す図である。第2FECの符号化は、入力される1つのビット系列から、出力となる1つのビット系列を生成する。図3の例では、出力となるビット列は、入力されるビット系列に対してパリティ系列を追加することで生成される。
【0027】
第2FECに用いる符号(第2符号)として、畳み込み符号(Convolutional Codes)、ターボ符号(Turbo Codes)、LDPC符号(Low Density Parity Check Codes)、ポーラ符号(Polar Codes)などがある。但し、第2FECに用いる符号として、消失訂正符号を用いることも排除されない。
【0028】
図4は、本実施形態に係る送信装置100の一例を概略的に示すブロック図である。送信装置100は、上位層処理部101、第1送信処理部102、第2送信処理部104、通信部106およびアンテナ108を備えている。本実施形態では送信装置100は無線通信を行うが、有線通信を行う構成も排除されない。この場合、アンテナ108を設けなくてもよい。
【0029】
上位層処理部101は、上位層に関する処理を行う。上位層は、一例としてアプリケーション層、セッション層、プレゼンテーション層、トランスポート層、ネットワーク層を含む。上位層処理部101は、例えばアプリケーションを実行し、受信装置に送信する対象となるデータを生成する。上位層処理部101は、生成したデータを第1送信処理部102に提供する。上位層処理部101はデータとともに、サービス品質(QoS)情報などの追加情報を第1送信処理部102に提供してもよい。サービス品質情報は、例えば許容伝送遅延、伝送帯域幅、データの優先度、またはアプリケーションの種類などの情報を含む。
【0030】
第1送信処理部102は、データリンク層に関する処理を行う。データリンク層は一例として第2プロトコル層に対応する。なお、データリンク層の一部の処理を上位層処理部101で行ってもよい。あるいは、上位層の一部の処理を第1送信処理部102で行ってもよい。第1送信処理部102は、上位層処理部101から提供されたデータを、図2で説明した入力ビット系列(送受信の対象となる情報系列)として取得する。第1送信処理部102は、第1FECの符号化を行う第1FEC符号化部103を備えている。
【0031】
第1FEC符号化部103は、上位層処理部101から入力されたデータを、第1符号である消失訂正符号により符号化することにより、符号化データ(第1FECの符号化データ)を生成する。符号化データを、第2プロトコル層より下位の第1プロトコル層(物理層)の処理を行う第2送信処理部104に提供する。
【0032】
第1FEC符号化部103は、一例として、入力されたデータを、符号化を行う単位となるシンボルサイズ(第1FECのシンボルサイズ)で分割して複数のシンボルとする。そして、複数のシンボルを消失訂正符号により符号化することにより、複数の符号化データ(符号化シンボル)を生成する。第1FEC符号化部103は、複数の符号化データにそれぞれ誤り検出用情報を付加してもよい。誤り検出用情報の例として、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC、以下CRC)、シンドロームまたはFCS(Frame check sequence)等がある。第1送信処理部102は、複数の符号化データを第2送信処理部104に提供する。あるいは、第1送信処理部102は、複数の符号化データに基づき、第2プロトコル層のフォーマットのデータを生成し、生成したデータを第2送信処理部104に提供する。
【0033】
一例として、3GPP規格の場合において、符号化データが第2FECの符号化を適用する長さに一致するときは、符号化データをそのままコードブロック(Code block)生成用のデータとして提供してもよい。符号化データが第2FECの符号化を適用する長さより長い場合、符号化データを2つ以上の断片に分割し、各断片をコードブロック生成用のデータとして提供してもよい。符号化データが第2FECの符号化を適用する長さより短い場合、異なる符号化データ同士間でそれぞれの全部または一部を連結し、連結により得られたデータをコードブロック生成用のデータとして提供してもよい。分割と連結を組み合わせて第2FECの符号化を適用する長さのデータ(コードブロック生成用のデータ)を取得してもよい。ここに記載した3GPP規格の場合の動作は一例である。
【0034】
他の例として、IEEE802.11規格の場合おいて、複数の符号化データに基づき、1つまたは複数のMAC(Medium Access Control)フレームを生成し、MACフレームを第2送信処理部104に提供してもよい。MACフレームはMPDU(MAC protocol data unit)でも、A-MPDU(Aggregated MPDU)でもよい。MACフレームは一例として、MACヘッダ、フレームボディフィールド、FCSを含む。フレームボディフィールドに本体データが格納される。本体データは、符号化データに基づき生成される。MACフレームに含める符号化データは1つまたは複数でもよい。符号化データを2つ以上の断片に分割し、断片を含むMACフレームを生成してもよい。符号化データを2つ以上連結したものをMACフレームの本体データとしてもよい。分割と連結を組み合わせてMACフレームの本体データを生成してもよい。MACフレームの末尾にパディングデータを付加し、先頭にサービスフィールドを付加してもよい。ここに記載したIEEE802.11規格の場合の動作は一例である。
【0035】
第1送信処理部102は、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方を、送信対象となるデータの優先度またはアプリケーションの情報に基づいて決定してもよい。データの優先度またはアプリケーションの情報が、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方と、予めテーブル等の対応情報によって対応づけられている。上位層処理部101から提供されるデータの優先度またはアプリケーションの情報に基づいてテーブルを参照し、シンボル数およびシンボル長の少なくとも一方を決定する。決定したシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方に基づいて第1FECのシンボルサイズを決定し、決定したシンボルサイズで、入力されたデータの分割を行う。
【0036】
第1送信処理部102は、送信装置100と受信装置200との間の通信路の品質情報に基づき、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方を決定してもよい。通信品質は、例えば、データまたは符号化データの再送回数、パケットのエラーレート、通信速度、SINR、RSSI、遅延要求、Reliability要求などでもよい。一例として、通信品質の情報が、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方と、予めテーブル等の対応情報によって対応づけられている。測定された通信品質の情報に基づいてテーブルを参照し、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方を決定する。決定したシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方に基づいて第1FECのシンボルサイズを決定し、決定したシンボルサイズで、送信対象となるデータの分割を行う。通信品質の測定は、第1送信処理部102、上位層処理部101、第2送信処理部104または通信部106が行ってもよい。
【0037】
第1送信処理部102は、通信部106で送信に用いる変調方式、第2符号の符号化率、または、第1符号の符号化率、またはこれらの組み合わせに基づいて、第1FECを適用するシンボル数またはシンボル長の少なくとも一方を決定してもよい。変調方式、第2符号の符号化率、または、第1符号の符号化率、またはこれらの組み合わせは、例えば、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方と予めテーブル等の対応情報によって対応づけられている。通信部106で用いる変調方式、第2符号の符号化率、または、第1符号の符号化率、またはこれらの組み合わせに基づいてテーブルを参照し、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方を決定する。決定したシンボル数およびシンボル長の少なくとも一方に基づいて第1FECのシンボルサイズを決定し、決定したシンボルサイズで、送信対象となるデータの分割を行う。変調方式、第2符号の符号化率、または、第1符号の符号化率、またはこれらの組み合わせは、第1送信処理部102および第2送信処理部104のいずれで決定されてもよい。
【0038】
第2送信処理部104は、物理層に関する処理を行う。物理層は一例として第1プロトコル層に対応する。なお、物理層の一部の処理を第1送信処理部102で行ってもよい。あるいは、データリンク層の一部の処理を第2送信処理部104で行ってもよい。第2送信処理部104は第2FEC符号化部105を備えている。第2FEC符号化部105は、第1送信処理部102から提供される符号化データを含むデータを、第2符号を用いて符号化する。第2送信処理部104は、第2符号で符号化されたデータに基づき、受信装置200に送信するデータを生成する。第2送信処理部104は、生成したデータをデータフレーム(送信フレーム)として通信部106に提供する。
【0039】
一例として、3GPP規格の場合において、第2FEC符号化部105は、第1送信処理部102から提供されるデータに基づき、第2符号による符号化を行うことによりコードブロックを生成する。第2送信処理部104は、複数のコードブロックを連結してトランスポートブロック(transport block)とし、誤り検出用情報であるCRCをトランスポートブロックの末尾に付加する。必要に応じて、CRCの後にパディングデータを付加する。パディングデータ付加後のデータをデータフレームとして通信部106に提供する。トランスポートブロックの先頭にヘッダを付加してもよい。ここに記載した3GPP規格の場合の動作は一例である。
【0040】
他の例として、IEEE802.11規格の場合、第2FEC符号化部105は、第1送信処理部102から提供されるMACフレーム(MPDUまたはA-MPDU)に基づき、第2符号による符号化を行う。MACフレームにサービスフィールドおよびパディングデータが付加されていてもよい。第2送信処理部104は、符号化されたMACフレームに、物理層のヘッダである物理ヘッダ(PHY Header)を付加して物理層のデータフレームとし、物理層のデータフレームを通信部106に提供する。ここに記載したIEEE802.11規格の場合の動作は一例である。
【0041】
通信部106は、第2送信処理部104から提供されたデータを、アンテナ108を介して受信装置に送信する。より詳細には、通信部106は、当該データを送信に使用する変調方式で変調し、変調されたデータをDA(Digital to Analog)変換する。変換後のアナログ信号の周波数をアップコンバートし、送信に用いる無線リソースの周波数に応じて帯域フィルタリングする。帯域フィルタリングされた信号を増幅して、アンテナ108から無線信号を送信する。
【0042】
ここで第1送信処理部102は、上位層処理部101から提供されるサービス品質要求に基づいて第1FECを行うか否かを決定してもよい。第1送信処理部102は、第1FECを行わないことを決定した場合は、第1FEC符号化部103による第1FECの符号化を行わずに、第2送信処理部104に提供するデータ(コードブロック生成用のデータ、MACフレーム等)を生成する。第1送信処理部102は、生成したデータを第2送信処理部104に提供する。
【0043】
また、第1送信処理部102または第2送信処理部104は、第1FECに関する情報を受信装置に通知してもよい。第1FECに関する情報は、一例として、第1FECの符号化が行われていることを示す情報、消失訂正符号の種類、第1FECを適用するシンボル数およびシンボル長、第1FECを適用するシンボルのインデックス、および、誤り検出情報の種類および長さ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0044】
また、第1送信処理部102は、符号化データの末尾または先頭に、符号化シンボルの境界を示す情報を含むデリミタ(シンボルデリミタ)を含めてもよい。シンボルデリミタには、境界を示す情報の他、隣接する符号化シンボル(直前の符号化シンボルまたは後続する符号化シンボル)が何番目のシンボルかを示す情報、またはデータフレームの送信先(宛先)のアドレスの情報などが含まれていてもよい。
【0045】
また、第1送信処理部102は、第1FECに関する情報を含むヘッダを、符号化データに付加してもよい。ヘッダに、上述のシンボルデリミタを含めてもよい。また第2送信処理部104は、第1FECに関する情報を含むヘッダを、物理層のデータに付加してもよい。
【0046】
また、送信装置100は、第1FECに関する情報を、受信装置との初期接続時に行う接続シーケンス時に送信してもよい。また、送信装置100は、受信装置に送信する制御情報または管理情報に、第1FECに関する情報を含めてもよい。制御情報は、受信装置との通信に使用する無線リソース(周波数リソース、時間リソース、空間リソースまたはこれらの組み合わせ)を通知する情報でもよい。また、送信装置100は、第1FECを行っていない状態から第1FECを行うことが決定された場合に、第1FECに関する情報を受信装置に送信してもよい。送信装置100は、第1FECに関する情報を受信装置に通知する通知部を備える。通知部は、上位層処理部101,第1送信処理部102、第2送信処理部104、または通信部106に含まれてもよい。
【0047】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置である受信装置200の一例を概略的に示すブロック図である。受信装置200は、上位層処理部201、第2受信処理部202(処理部)、第1受信処理部204(第1プロトコル層処理部)、通信部206およびアンテナ208を備えている。本実施形態では受信装置200は無線通信を行うが、有線通信を行う構成も排除されない。この場合、アンテナ208を設けなくてもよい。
【0048】
通信部206は、アンテナ208を介して送信装置100から無線信号を受信する。通信部206は、受信した無線信号を低雑音増幅し、周波数のダウンコンバート、帯域フィルタリング等を行い、帯域フィルタリング後のアナログ信号をAD(Analog to Digital)変換する。AD変換により得られたデジタル信号を、送信側で用いられた変調方式に対応する復調方式で復調し、復調されたデータを物理層のデータフレームとして第1受信処理部204に提供する。
【0049】
第1受信処理部204は、物理層(第1プロトコル層)に関する処理を行う。第1受信処理部204は、通信部206から物理層のデータを取得する。より具体的には、第1受信処理部204は、第1符号である消失訂正符号により符号化され、さらに第2符号により符号化されたデータであるデータフレームを通信部206から取得する。第1受信処理部204は、第2FEC復号化部205を備える。
【0050】
第2FEC復号化部205は、取得されたデータフレームを第2符号に対応する復号方式により復号化し、第2符号の復号化されたデータ(第2FECの復号化されたデータ)を取得する。第1受信処理部204は復号化されたデータを第2受信処理部202に提供する。取得したデータに誤り検出用情報(CRC等)が付加されている場合は、第1受信処理部204は、CRC判定を行い、CRC判定の結果を第2受信処理部202に提供してもよい。
【0051】
一例として3GPP規格の場合、第1受信処理部204は、データフレームに含まれるトランスポートブロックに対するCRC判定を行う。第2FEC復号化部205は、トランスポートブロックに含まれるコードブロックの連結体を複数のコードブロックに分割し、各コードブロックに対して第2FECの復号化を行う。第1受信処理部204は、各コードブロックの復号されたデータ(例えば第1符号化シンボル)を、トランスポートブロックのCRCの判定結果とともに、第2受信処理部202に提供する。ここに記載した3GPP規格の場合の動作は一例である。
【0052】
他の例として、IEEE802.11規格の場合、第1受信処理部204は、物理層のデータフレームのヘッダを処理する。第1受信処理部204はヘッダ処理後のデータに第2FECの復号化を行い、MACフレームを取得する。なお、MACフレームにはサービスフィールドが付加されていてもよい。第1受信処理部204は、取得したMACフレームを第2受信処理部202に提供する。ここに記載したIEEE802.11規格の場合の動作は一例である。
【0053】
第2受信処理部202は、第1受信処理部204からデータを取得する。第2受信処理部202は第1FEC復号化部203を備える。第1FEC復号化部203は、取得されたデータを、第1符号(消失訂正符号)に対応する復号方式により復号化する。第1FEC復号化部203は、一例として取得したデータに付加されている誤り検出用情報を判定し、判定結果がOKのデータを特定する。判定結果がNGのデータは消失したデータと見なし、判定結果がOKのデータに基づいて復号を行う。第2受信処理部202は、復号に成功した場合はデータを上位層処理部201に提供する。復号に失敗した場合(復号したデータに誤りがある場合)は、再送要求処理を行う。例えば、送信装置100に再送要求(ARQ(Automatic Repeat Request)またはHARQ(Hybrid ARQ)など)を送信する。第2受信処理部202は、第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層(例えば物理層)より上位である第2プロトコル層(例えばデータリンク層)で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する処理部に対応する。再送要求処理の詳細は後述する。
【0054】
一例として3GPP規格の場合、第2受信処理部202は、第1受信処理部204からトランスポートブロックのCRC判定の結果としてOKの情報を取得した場合は、トランスポートブロックに含まれる全てのコードブロックが正しく受信できていると判断する。第1FEC復号化部203は、第1受信処理部204から提供されたデータを復号し、復号されたデータ(正しく復号できている)を上位層処理部201に提供する。トランスポートブロックのCRC判定の結果がNGの場合は、第1受信処理部204から提供されるデータ(例えば第1符号化シンボル)のCRC判定を行う。第1FEC復号化部203は、CRC判定の結果がNGになった符号化シンボルを消失したシンボルと見なし、CRC判定の結果がOKの符号化シンボルを用いて復号を行う。第2受信処理部202は、第1FECの復号化に成功した場合は、第1FECの復号化されたデータを上位層処理部201に提供する。また、第2受信処理部202は、確認応答(ACK)を送信装置100に対して送信する。第2受信処理部202は、第1FECの復号化に失敗した場合(復号したデータに誤りがある場合、あるいは全ての誤りを訂正できなかった場合)は、再送要求処理を行う。例えば、確認応答(NACK)を用いて、送信装置100に再送要求(ARQまたはHARQなど)を送信する。再送要求処理の詳細は後述する。ここに記載した動作は3GPP規格の場合の動作の一例である。
【0055】
他の例としてIEEE802.11規格の場合、第2受信処理部202は、第1受信処理部204からMACフレームを取得し、サービスフィールドを処理した後、MPDUごとに、FCSを判定する。第2受信処理部202は、FCS判定の結果がNGのMPDUについて、MPDUに含まれる第1符号化シンボルの誤り検出用情報(FCS等)を判定する。判定結果がNGの符号化シンボルは消失したシンボルと見なす。FCS判定の結果がOKのMPDUに含まれる符号化シンボルはFCS判定を行うことなく、正しく受信されたとみなしてよい。第1FEC復号化部203はFCS判定の結果がOKの符号化シンボルおよび正しく受信されたとみなした符号化シンボルを用いて、復号化を行う。第2受信処理部202は、第1FECの復号化に成功した場合は、第1FECの復号化されたデータを上位層処理部201に提供する。また、第2受信処理部202は、確認応答(ACK)を送信装置100に対して送信する。第2受信処理部202は、第1FECの復号化に失敗した場合(復号したデータに誤りがある場合、あるいは全ての誤りを訂正できなかった場合)は、再送要求処理を行う。例えば、確認応答(NACK)を用いて、送信装置100に再送要求(ARQまたはHARQなど)を送信する。再送要求処理の詳細は後述する。ここに記載した動作はIEEE802.11規格の場合の動作の一例である。
【0056】
上位層処理部201は上位層の処理を行う。例えば上位層処理部201は第2受信処理部202から提供されたデータをアプリケーションに渡す。
【0057】
受信装置200および送信装置100間の通信品質の測定を受信装置200で行ってもよい。この場合、受信装置200は、測定した通信品質の情報を送信装置100に送信してもよい。
【0058】
図6は、本実施形態に係る通信シーケンスの基本的な手順の一例を示す。同図では、基地局から端末への下りリンクの通信の例を示す。ここでは基地局を送信装置100、端末を受信装置200としているが、このケースに限定されない。端末を送信装置、基地局を受信装置とすることも可能である。ここでは3GPP規格の場合を想定して説明するが、IEEE802.11規格の場合も同様の手順が可能である。
【0059】
まず、端末は、端末自身が接続しているセルの基地局に対して、端末の能力(Capability)に関する情報(端末能力情報)を通知する(S11)。端末能力情報の中には、一例として、第1FECの能力、第2FECの能力に関する情報が含まれている。端末能力情報は、初期接続(Initial Access)の手順の中で通知される、あるいは初期接続後に通知される。通知のための物理チャネルとしては、ランダムアクセスチャネル(PRACH: Physical Random Access Channel)、上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)、上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared Channel)の少なくともいずれかを利用することができる。
【0060】
基地局は、基地局が管理するセルに接続している端末に対して、第1FECおよび第2FECに関する情報を含む準静的な制御情報を通知する(S12)。この準静的な制御情報は、セル固有(Cell-specific)の制御情報であってもよい。この制御情報は、初期接続の手順の中で、あるいは初期接続後に通知される。また、準静的な制御情報は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリング、RRC設定(RRC Configuration)、RRC再設定(RRC Reconfiguration)など、RRCの手順の一部として通知されてもよい。また、準静的な制御情報は、定期的に基地局から端末へ通知されてもよい。この制御情報を通知するための物理チャネルとして、報知チャネル(PBCH: Physical Broadcast Channel)、下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、EPDCCH: Enhanced Physical Downlink Control Channel)、下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel)の少なくともいずれかを利用することができる。
【0061】
その後、具体的に基地局から端末へ下りリンクの通信が発生する場合、基地局は、基地局から端末へ下りリンク通信のために利用する無線リソースなどの制御情報(動的な制御情報)を通知する(S13)。基地局から端末へ下りリンクの通信が発生する例として、端末がデータダウンロード(プル)を要求した場合、端末へプッシュデータが発生した場合などがある。
【0062】
この動的な制御情報には、端末個別(UE-specific)または端末グループ個別(UE-group-specific)の制御情報が含まれてもよい。ここで端末グループとは、例えば、下りリンク通信がマルチキャストまたはブロードキャストである場合の送信先対象となる一以上の端末のグループのことである。
【0063】
動的な制御情報の例としては、対象の端末(または端末グループ)に対して下りリンク通信を割り当てる周波数リソース、時間リソース、空間リソースが含まれる。周波数リソースは、例えばリソースブロック(Resource Block)、サブキャリア(Subcarrier )、サブキャリアグループ(Subcarrier Group)、などである。時間リソースは、例えばサブフレーム(Subframe)、スロット(Slot)、ミニスロット(Mini-slot)、シンボル(Symbol)などである。空間リソースは、例えば、アンテナ(Antenna)、アンテナポート(Antenna Port)、空間レイヤ(Spatial Layer)、空間ストリーム(Spatial Stream)などである。
【0064】
また、動的な制御情報の他の例として、NOMA(Non-orthogonal Multiple Access、MUST (Multiuser Superposition Transmission)、IDMA (Interleave Division Multiple Access)、CDMA (Code Division Multiple Access))の非直交リソース(電力に関するリソース、インタリーブパターン、スクランブルパターン、拡散パターンなど)に関する情報がある。
【0065】
また、動的な制御情報の他の例として、変調次数(Modulation Order) に関する情報、変調方式に関する情報、第2FECの符号化方法および符号化率(Code Rate)に関する情報、第1FECの符号化方法・符号化率に関する情報、ARQ/HARQに関する設定(NDI (New Data Indicator)、RV (Redundancy Version)、など)、などがある。変調次数は、変調方式を用いて変調シンボルで送信可能なビット数を表す。第2FECの符号化率と変調方式との組み合わせは、例えばMCS (Modulation and Coding Set)に対応する。
【0066】
動的な制御情報を受信した端末は、受信した制御情報に従って、下りリンク通信の適切な受信に備えるための設定を行う。
【0067】
基地局は、端末に通知した制御情報に基づき、端末への下りリンク通信のデータを端末に送信する(S14)。より詳細には、基地局は、下りリンク通信のデータを第1FECで符号化し、第1FECで符号化されたデータを第2FECで符号化し、第2FECで符号化されたデータを変調する。変調したデータはアナログ信号に変換され、増幅された後、アンテナを介して無線信号として送信される。これにより無線信号が端末へ送信される。
【0068】
端末は、基地局からの無線信号を受信し、受信した無線信号をAD変換および復調し、さらに第2FECで復号化し、さらに第1FECで復号化する。これらの復調、第2FEC復号、第1FEC復号は、基地局から制御情報で指定された設定に従って行う。端末は、データ(オリジナルのデータ)の復号が成功したか失敗したかによって、端末から基地局へACKまたはNACK(以下、ACK/NACK)を送信する。復号が失敗した場合はNACKを送信(S15)、成功した場合はACKを送信する(S18)。
【0069】
データの復号が成功したか失敗したかによって、ARQまたはHARQの処理の設定を変えてもよい。例えば、復号に失敗した場合には、端末はHARQ用の信号を再送する。基地局では再送信号の合成を行うために、復号に失敗したデータの復号結果または復号途中のデータ(軟判定値、対数尤度比(LLR: Log Likelihood Ratio)、などの尤度情報)を、メモリに保存しておくことが望ましい。ARQまたはHARQでの再送は、誤りが検出された第1FECの符号化シンボルの再送でもよいし、データのうち復号に失敗したデータ部分の復号に必要な符号化シンボルの再送でもよい。あるいは、誤りが検出されたコードブロックの再送、第2FECの全ブロックの再送を行うことも排除されない。その他の方法で再送を行ってもよい。
【0070】
基地局は、端末から受信したACK/NACKに従って、次に実施すべき処理を実行する。例えば、NACKの通知を受けた場合には(S15)、ARQまたはHARQの再送に向けた準備を実施する。この再送の準備としては、RV (Redundancy Version)の選択、MCS (Modulation and Coding Set)の選択、無線リソースの選択などがある。基地局は、対象の端末(または端末グループ)に対して改めて動的な制御情報を通知し(S16)、制御情報の設定に従った下りリンク通信を実行する(S17)。
【0071】
基地局は端末からACKを受信した場合には(S18)、送信対象のデータは正しく受信されたと判断し、基地局は次の新しいデータの送信処理に移行する。基地局は、対象の端末(または端末グループ)に対して改めて動的な制御情報を通知し、制御情報の設定に従った下りリンク通信を実行する。
【0072】
本実施形態では、前述した物理層でのFEC(第2FEC)に加えてデータリンク層でのFEC(第1FEC)を行うことで、再送の発生を低減する。また、再送を第1符号シンボルの単位(データリンク層の符号化単位)で行うなど適切な再送形態を選択することにより、再送を行う必要が発生した場合にも、無駄な再送の発生を防ぎ、再送に必要な時間を短くする。これにより、低遅延の通信を実現する。
【0073】
以下では、まず、2段階のFECの具体例として、2段階のFEC符号化を用いて3GPP規格のデータフレームを生成する処理と、当該データフレームを復号化する処理の例を説明する。
【0074】
図7は、2段階のFEC符号化を用いて3GPP規格のデータフレームを生成する手順の一例を示す。
図8は、図7の手順で生成されたデータフレームを復号化する手順の例を示す。
【0075】
図7において、送信装置100は、送信対象となる入力データ(PDSCH(Physical Downlink Shared Channel) input data)を、第1FECのシンボルサイズに分割する。分割により得られた第1FECのシンボルに第1FECの符号化(消失訂正符号化)を行う。第1FECの符号化により得られたシンボル(符号化シンボル)に対して誤り検出用情報としてCRCを付加する。なお誤り検出用情報を付加しない構成も可能である。
【0076】
送信装置100は、CRCを付加した符号化シンボルに対して第2FECの符号化(物理層での符号化)を行うことにより、コードブロックを生成する。
【0077】
送信装置100は、複数のコードブロックを連結することにより、トランスポートブロックを生成する。トランスポートブロックに対して、誤り検出用情報としてCRC(トランスポートブロック単位のCRC)を付加する。
【0078】
送信装置100は、CRCが付加されたトランスポートブロックの末尾に、必要に応じて、変調のシンボル単位に合うように、パディングデータを付加する。これにより、送信フレームであるデータフレームが生成される。送信装置100は、データフレームを受信装置200に送信する。
【0079】
図8において、データフレームを受信した受信装置200は、まず、トランスポートブロックに対するCRC判定を行う。CRC判定の結果が成功(OK)の場合は、トランスポートブロックに含まれている全てのコードブロックが正しく受信できている。このため、受信装置200は、FECの復号化(第2FECの復号化と第1FECの復号化)を行い、確認応答(ACK)を送信装置100に対して送信する。
【0080】
トランスポートブロックのCRC判定の結果が失敗(NG)の場合、受信装置200はトランスポートブロックに含まれる各コードブロックに第2FECの復号化を行い、第1FECの符号化シンボルを得る。各符号化シンボルに付加されているCRCの判定を行う。図8の例では、左から2番目の符号化シンボルに対するCRC判定の結果がNGとなっている。
【0081】
受信装置200は、CRC判定の結果がNGになった符号化シンボルを消失したシンボルと見なす。受信装置は、CRC判定の結果が成功(OK)になった符号化シンボルを用いて、第1FECの復号化を行う。すなわち、第1FECの復号化において、CRC判定の結果がNGになった符号化シンボルは消失されたシンボルと見なされ、復号に用いられない。
【0082】
2段階のFECの他の具体例として、2段階のFEC符号化を用いてIEEE802.11規格のデータフレームを生成する処理と、当該データフレームを復号化する処理の例を説明する。
【0083】
図9は、2段階のFEC符号化を用いてIEEE802.11規格のデータフレームを生成する手順の一例を示す。
図10は、図9の手順で生成されたデータフレームを復号化する手順の例を示す。
【0084】
送信装置100において、送信対象となるデータは、再送単位であるMAC protocol data unit(MPDU)単位に分割され、MSDUまたはA-MSDUとされる。送信装置100は、MSDUまたはA-MSDUを入力データとして、入力データを、第1FECを適用するシンボル単位に分割する。
【0085】
送信装置100は、分割により得られたシンボルに第1FECの符号化を行う。第1FECで符号化されたシンボルに対して誤り検出用情報(FCS等)を付加することにより、第1符号化シンボルを生成する。なお誤り検出用情報を付加しない構成も可能である。
【0086】
送信装置100はMPDUの長さに基づき、第1符号化シンボルを分割および連結することにより、MACフレームの本体データを生成する。本体データにMPDUヘッダおよびFCS等を付加して、MPDUを生成する。
【0087】
送信装置100は、各MPDUの先頭部分に、MPDU間の境界に関する情報を含むMPDUデリミタを付加する。MPDUデリミタを介してMPDUを連結し、末尾にも末尾を示すMPDUデリミタ(EOF MPDU delimiter)を付加することにより、Aggregated MPDU(A-MPDU)が生成される。
【0088】
送信装置100は、A-MPDUに対してサービスフィールド、およびパディングデータを付加する。サービスフィールドおよびパディングデータが付加されたA-MPDUに第2FECの符号化を行う。
【0089】
第2FECの符号化後のA-MPDUに、物理ヘッダを付加することにより、データフレームが生成される。データフレームは送信装置100によって送信される。
【0090】
図10に基づき、受信装置200が送信装置100から送信されるデータフレームを受信し、復号を行う手続の例を説明する。
【0091】
受信装置200はまず、物理ヘッダに設定されている情報に基づいて、第2FECの復号化を行う。
【0092】
受信装置200は第2FECの復号化により得られたデータに含まれるサービスフィールドおよびパディングデータを処理してA-MPDUを取得する。受信装置200は、取得したA-MPDUを、MPDUデリミタに基づき、MPDU単位に分割する。
【0093】
受信装置200は、各MPDUのFCSを判定する。MPDUの本体データ(MPDUからMPDUヘッダとFCSを除去したもの)を取得し、本体データを連結して第1符号化シンボルを得る。
【0094】
連結元の複数(本例では2つ)のMPDUのFCSの判定の結果がいずれもOKの場合は、連結された第1符号化シンボルのFCSの判定もOKとなる。このため、FCSの判定を省略してもよい。一方、連結元の複数のMPDUのFCSの判定の少なくとも1つがNGの場合、連結された第1符号化シンボルのFCSを判定する。判定結果がNGの符号化シンボルを消失したシンボルと見なす。受信装置200は、判定の結果がOKの符号化シンボルを用いて、第1FECの復号化を試みる。復号が成功した場合、確認応答(ACK)を送信装置100に対して送信する。また復号により得られたデータを上位層処理部201に提供する。
【0095】
第1FECの復号化により得られたデータに誤りが存在する場合、確認応答(NACK)を用いて送信装置100に対して再送を要求する。再送要求処理の詳細は後述する。
【0096】
以上、2段階のFEC符号化を用いて送信装置100において3GPP規格またはIEEE802.11規格のデータフレームを生成し、受信装置200において当該データフレームを復号化する例を説明した。
【0097】
以下では、受信装置200における復号時の処理についてさらに詳細に説明する。
【0098】
図11は、受信装置200における受信処理の一例のフローチャートである。受信処理は、一例として、第2FECの復号化、第1FECの復号化、およびARQ/HARQに関する処理を含む。
【0099】
受信装置200がデータフレームを受信した場合、第1受信処理部204は、データフレームに対して第2FECの復号化を行う(S21)。第2受信処理部202は、第2FECの復号化データから第1符号化シンボルを取得し、第1符号化シンボルに基づき、第1FECの復号化を行う(S22)。第2受信処理部202は、送信装置100に再送の要求を行う必要があるかを判断する(S23)。すなわち第1FECの復号化のために第1符号化シンボルが不足しているか否かを判断する。
【0100】
再送の要求を行う必要がない場合(S23のNO)、第2受信処理部202は確認応答としてACKを送信する。再送の要求を行う必要がある場合(S23のYES)は、本実施形態に係る再送要求処理を行う(S24)。再送要求処理の詳細は後述する。
【0101】
再送の要求を行う必要があるかの判断は、様々な判断基準を用いることができる。一例として、第1FECの復号化に必要な第1FECの符号化シンボル(第1符号の符号化シンボル)を必要な個数(閾値)以上、正しく受信できなかったとき(第2符号の復号化に失敗したとき)は、再送の要求を行う必要があると判断する。逆に、第1FECの符号化シンボルを閾値以上正しく受信できたとき(第2符号の復号化に成功したとき)は、再送の要求を行う必要がないと判断する。あるいは、第1符号の復号化の結果、受信装置200の上位層処理部201が受信すべきデータ(送信装置100の上位層処理部101が送信用に生成したデータ)のすべてを正しく受信できたかを判断する。少なくとも一部のデータが正しく受信できていない場合、再送の要求を行う必要があると判断する。
【0102】
例えば、3GPPの場合に、第1FECの符号化シンボルにCRCが付加されている場合(例えばコードブロックにCRCが含まれる場合)は、第1FECの符号化シンボルのCRC判定の結果に基づき、再送の要求を行う必要があるかを判断してもよい。第1FECの符号化シンボルのCRC判定の結果がすべて成功を示す場合は、再送の要求は必要ないと判断する。第1FECの符号化シンボルのCRC判定の結果に基づき、受信に成功した(正しく受信できた)第1FECの符号化シンボル数を計数する。計数した値が閾値以上かを判断する。閾値以上の場合は、再送の要求は行う必要がないと判断する。閾値未満の場合は、再送の要求を行う必要があると判断する。
【0103】
別の方法として、第2FECの復号化の前に行うトランスポートブロックのCRC判定に基づき、判定の結果が成功を示す場合に、再送の要求は必要ないと判断してもよい。
【0104】
IEEE802.11規格の場合も、3GPP規格の同様にして、再送の要求を行う必要の有無を判断できる。
【0105】
図12は、ステップS24で行う再送要求処理の一例のフローチャートである。受信装置200の第1受信処理部204は、送信装置100との間の通信の品質(伝搬路の状況)が低いか否かを判断する(S31)。例えば、第1FECの復号化によりすべてのデータを正しく復号するために合計でX個の正しく受信された第1FECの符号化シンボルが少なくとも必要であるとする。この場合に、閾値(X未満の値)以上の個数の第1FECの符号化シンボル、または閾値割合以上の第1FECの符号化シンボルが正しく受信できている場合は、通信の品質は低くはないと判断する。一方、正しく受信できている第1FECの符号化シンボルの個数が、閾値未満、または閾値割合未満の場合は、通信の品質は低いと判断する。
【0106】
第1受信処理部204は、通信の品質が低くないと判断した場合(S31のNO)、例えば受信に失敗した第1FECの符号化シンボルの個数が少ないと判断した場合は、第1FECの符号化シンボルの再送の要求のみ行うことを決定する。再送を要求する対象となる符号化シンボルは、例えば、第1FECの復号化に不足している(つまり追加で受信する必要がある)第1FECの符号化シンボルである。第1受信処理部204は、第1FECの符号化シンボルの再送を要求するために必要な第1情報を生成する(S32)。第1情報は、再送を要求する第1FECの符号化シンボルを特定するための情報を含む。
【0107】
具体的には、第1情報は、以下の(1A)~(1D)の少なくとも1つを含む。ただし、以下は一例であり、他の情報を第1情報として用いることも可能である。
【0108】
(1A)再送を要求する符号化シンボルのインデックス情報。例えば、第1FECの復号化のために最低2個の符号化シンボルが追加で必要な場合は、当該2個もしくはマージンαを加えて2+α個の符号化シンボルのインデックス情報。なおインデックス情報は、符号化シンボルに割り当てられる識別子の他、先頭から何番目であるかとの位置情報である場合を含む。
【0109】
(1B)再送を要求する符号化シンボルの個数。符号化方式によっては最初の送信時とは異なる符号化シンボルを新たに送信側で生成することが可能である。この場合、個数を指定することで、第1FECの復号化に必要な個数の第1FECの符号化シンボルを新たに受信する。
【0110】
(1C)FECの復号化で正しく復号できなかった(すなわち正しく受信できなかった)第1符号化シンボルのインデックス情報。一例として、第1FECの符号化シンボルに付加されていたCRC判定の結果が失敗(誤り)であった第1符号化シンボルのインデックス情報がある。
【0111】
(1D)第2FECの復号化で正しく復号できなかった(すなわち正しく受信できなかった)第1符号化シンボルの個数。
【0112】
第1受信処理部204は、生成した第1情報を含む再送要求情報を送信装置100に送信する(同S32)。再送要求情報を確認応答(ACKまたはNACK)とともに送信してもよい。例えばA-MPDUに含まれる複数のMPDUのうち一部のMPDUは受信に成功し、残りのMPDUは受信に失敗したとする。この場合、受信に成功したMPDUのACKと、受信に失敗したMPDUのNACKと、再送要求情報とを含むフレームを送信装置100に送信する。あるいは、第1情報の送信が、NACKを黙示に包含しており、第1情報の送信がNACKを包含していることを送信装置100の第1送信処理部102が解釈可能であるならば、NACKの送信を省略してもよい。
【0113】
一方、第1受信処理部204は、通信の品質が低いと判断した場合(S31のYES)、例えば受信に失敗した第1FECの符号化シンボルの個数が多いと判断した場合は、上述の第1情報とともに、あるいは、第1情報の代わりに、第2情報を生成する。第2情報の種類に応じて、第1情報を生成するか、第1情報を生成しないかを切り替えてもよい。通信の品質が低いと判断した場合は、第1FECの符号化シンボルの再送を要求するのみでは、次の受信も第1FECの復号に成功しない可能性が高いと判断し、第2情報を生成および送信する。
【0114】
具体的には、第2情報は、以下の(2A)~(2G)の少なくとも1つを含む。ただし、以下は一例であり、他の情報を第2情報として用いることも可能である。
【0115】
(2A)第1FECの符号化の対象となったデータ(オリジナルのデータ)の全部または一部の再送の要求。この場合、データの再送は、第1FECの符号化(第1符号の符号化)、第2FECの符号化がすべてやり直される。データの一部とは、例えば第1FECの復号化で一部のデータは復号に成功したが、残りの部分の復号に成功していない場合に当該残りの部分が該当する。なお、データの全部または一部に第1FECの符号化を行わず、第2FECの符号化を行うことを要求してもよい。
【0116】
(2B)(2A)で再送を要求するデータまたは一部に対して第1FECの符号化に用いる符号(第1符号)の種類。
【0117】
(2C)(2A)で再送を要求するデータの変調多値数を指定する情報。もしくは、前述の第1情報で指定された第1FECの符号化シンボルの変調多値数を指定する情報。第1FECの符号化シンボルの誤りが多く発生する場合には変調多値数を例えば低い値に再設定する。
【0118】
(2D)(2A)で再送を要求するデータに対して第1FECの符号化を行うシンボルサイズおよび数を指定する情報。
【0119】
(2E)(2A)で再送を要求するデータに対して第1FECの符号化を行う符号化率を指定する情報。第1FECの符号化シンボルの誤りが多く発生する場合には第1FECの符号化率を例えば高い値に再設定する。
【0120】
(2F)(2A)で再送を要求するデータに対して第2FECの符号化を行う符号化率を指定する情報。第1FECの符号化シンボルの誤りが多く発生する場合には、第2FECの符号化率を例えば高い値に再設定する。
【0121】
第1受信処理部204は、第2情報および第1情報(第1情報を送信しない場合は第2情報のみ)を含む再送要求情報を送信装置100に送信する(S33)。再送要求情報を確認応答(ACKまたはNACK)とともに送信してもよい。例えばA-MPDUに含まれる複数のMPDUのうち一部のMPDUは受信に成功し、残りのMPDUは受信に失敗したとする。この場合、受信に成功したMPDUのACKと、受信に失敗したMPDUのNACKと、再送要求情報とを含むフレームを送信装置100に送信する。あるいは、第2情報および第1情報の送信が、NACKを黙示に包含し、当該送信がNACKを包含することを送信装置100の第1送信処理部102が解釈可能であるならば、NACKの送信を省略してもよい。
【0122】
送信装置100は、受信装置200から受信する第1情報、第2情報、または第1情報と第2情報の両方を用いて、再送用のデータフレームを生成する。送信装置100は、再送用のデータフレームを含む信号(再送信号)を送信する。
【0123】
図13は、送信装置100および受信装置200間の動作のシーケンス例である。送信装置100が第1FECの符号化および第2FECの符号化を段階的に行って生成したデータフレームを送信する(S41)。受信装置200は、図11に示した動作を行い、再送の要求を行う必要があると判断した場合は、図12に示した動作を行うことにより、第1情報および第2情報の少なくとも一方を含む再送要求情報を生成する。受信装置200は、再送要求情報とNACKおよびACKの少なくとも一方とを含む応答フレーム(再送要求付き確認応答フレーム)を、本実施形態に係る第1フレームとして送信する(S42)。送信装置100は、受信装置200から受信した応答フレームに含まれる再送要求情報と、NACKおよびACKの少なくとも一方とに基づき、再送用のデータフレームを生成する。受信装置200は、再送用のデータフレームを含む信号(再送信号)を送信装置100に送信する(S43)。
【0124】
図14は、再送要求付き確認応答フレームのフォーマット例を示す。図示のフィールドのうちの一部が存在しなくてもよいし、図示されていないフィールドが追加されてもよい。図14のフォーマット例は一例であり、他のフォーマットでもよい。
【0125】
第1情報および第2情報の少なくとも一方は、フレームボディフィールドに格納される。ACKおよびNACの少なくとも一方も、フレームボディフィールドに格納される。フレームボディフィールド内のどの位置に第1情報、第2情報、ACK、NACKが格納されているかの配置情報が、フレームボディフィールドの先頭領域に格納されていてもよい。あるいは、例えばHTコントロールフィールドの後に追加の新規のコントロールフィールドを追加し、追加したフィールドに当該配置情報が格納されていてもよい。ACKおよびNACKの対象となるMPDU群の先頭のシーケンス番号が、シーケンスフィールドに格納されてもよい。この場合、当該先頭のシーケンス番号以降の連続するシーケンス番号に対するACKまたはNACKを示すビットマップ情報がフレームボディフィールドに上記の配置情報で示される位置に格納されていてもよい。再送要求付き確認応答フレームのタイプは一例として制御フレームであるが、管理フレーム又はデータフレームであってもよい。本実施形態のフレームのサブタイプとして新たな値(再送要求付き確認応答を識別する値)を定義し、フレームコントロールフィールドのサブタイプフィールドに当該値を格納してもよい。
【0126】
再送要求情報をACKおよびNACKの少なくとも一方とともに3GPP規格のフレームで送信する場合も、同様にして、再送要求付き確認応答フレームを定義できる。
【0127】
図15は3GPP規格の場合の再送要求付き確認応答フレームのフォーマット例を模式的に示す。
“1st Info.”フィールドに第1情が格納され、“2nd Info.”フィールドに第2情報が格納され、“ACK_SN”フィールドにACKのシーケンス番号が格納され、“NACK_SN”にNACKのシーケンス番号が格納される。D/Cフィールドには、Data RLC data PDU(Protocol Data Unit)かControl RLC PDUかを区別する情報が格納される。CPT(Control PDU Type)は、Control PDUの種類を指定する情報が格納される。図示のフォーマット例は一例であり、他のフィールドが存在してもよい。
【0128】
以上、本実施形態によれば、基地局と端末とが通信する通信システムにおいて、物理層で行う第2FECの符号化に加えて、物理層より上のデータリンク層 (例えば3GPP規格のLayer2 IEEE802.11のMAC層)で第1FECの符号化を行う。この場合に、再送の単位を第1FECの符号化シンボル単位(データリンク層の符号化単位)とする。すなわち、従前においては、3GPP規格ではコードブロック(Code block)単位で、IEEE802.11ではMAC Protocol Data Unit MPDU単位で再送が行われている。これに対して、本実施形態では、データリンク層での第1FECの符号化を導入し、再送の単位を第1FECの符号化シンボルとする。これにより、再送の可能性を低減するとともに、再送が発生した場合にも再送に要する時間を短くすることができる。これにより、低遅延の通信を実現できる。
【0129】
(変形例1)
受信装置200の第2受信処理部202は、再送要求付き確認応答フレームに、再送信号の送信のために無線リソースを使用する期間を予約期間(第1期間)として確保する情報(予約情報)を設定してもよい。送信装置100に予約期間に再送信号を送信させることで、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Carrier Avoidance)によるアクセス権の取得を省略し、再送に係る遅延を抑制できる。
【0130】
図16は、変形例1に係る送信装置100および受信装置200間の動作のシーケンス例を示す。前述した図13のシーケンスの例において再送要求付き確認応答フレームに予約情報を設定する例が示されている。この例ではIEEE802.11規格の場合を想定する。送信装置100がシーケンスS41で送信するデータフレームのDurationフィールドには受信装置200から確認応答または再送要求付き確認応答を受信するまでの期間を予約する情報(予約情報)が設定されている。この情報に示される期間内で、受信装置200の通信部206は、CSMA/CAで無線媒体へのアクセス権を獲得することなく、データフレームの受信から一定時間後、再送要求付き確認応答フレームを送信できる。受信装置200は、本変形例に係る第2フレームとして、再送要求付き確認応答フレームに、再送信号を送信装置100に無線リソースを使用して送信させるための期間を予約期間(第1期間)として確保する情報(予約情報)を設定する(S44)。予約情報は、一例としてDurationフィールドに設定してもよいし、その他のフィールドに設定してもよい。予約情報は、送信装置100がデータフレームに設定した予約期間を、再送信号の送信期間まで、拡張することによって生成してもよい。再送要求付き確認応答フレームを受信した送信装置100は、当該フレームに設定されている予約情報で定められた期間内に、再送信号を送信する。送信装置100は、例えば再送要求付き確認応答フレームの受信から一定時間後に、再送信号を送信する。送信装置100はCSMA/CAにより無線媒体へのアクセス権を獲得する必要はない。再送要求付き確認応答フレームを受信した他の装置(フレームの送信先装置以外の装置)は、予約情報で定められた期間、送信を控える。これにより、送信装置100が送信する再送信号が他の信号と衝突する可能性は低減される。よって、再送信号を高速に送信でき、再送に係る遅延を抑制できる。
【0131】
図16の例では、シーケンスS41で送信したデータフレームと同一の無線リソース(例えば周波数チャネル)、または再送要求付き確認応答フレームと同一の無線リソース(例えば周波数チャネル)で再送信号を送信することを想定していた。別の方法として、本変形例に係る第3フレームとして、再送要求付き確認応答フレームに再送信号を送信する無線リソースを指定する情報(無線リソース指定情報)を設定してもよい。無線リソース指定情報は、例えばSIGフィールドに設定してもよいし、HTコントロールフィールドまたは新たに定義したコントロールフィールドに設定してもよいし、その他のフィールドに設定してもよい。送信装置100は、再送要求付き確認応答フレームで指定された無線リソースを用いて、再送信号を送信する。受信装置200の第2受信処理部202は、例えば複数の無線リソースのうち通信品質の高い無線リソースを指定してもよい。これにより高速に再送信号を送信させ、再送に係る遅延を抑制できる。無線リソース指定情報と、前述の予約情報との両方を設定してもよいし、いずれか一方のみを設定してもよい。
【0132】
(変形例2)
送信装置100は、受信装置200以外の装置である他のユーザ(端末または基地局)に割り当てられた無線リソースを用いて再送信号を送信してもよい。これにより再送信号の送信用に無線リソースの確保に時間を要する場合であっても、高速に再送信号を送信でき、再送に係る遅延を抑制できる。なお、本変形例2では再送信号はデータフレームの形式を有している必要は必ずしも必要なく、第1情報および第2情報の少なくとも一方で指定されたデータ(例えば第1情報で指定された第1FECの符号化シンボル等)を含んでいればよい。
【0133】
図17は、変形例2に係る送信装置100および受信装置200間の動作のシーケンス例を示す。前述した図13のシーケンスと同様、送信装置100からデータフレームが送信され(S41)、受信装置200から再送要求付き確認応答フレームが送信される(S42)。送信装置100の第1送信処理部102または第2送信処理部104は、受信装置200以外の他のユーザに割り当てられた無線リソースのうち、再送信号の送信に用いるリソース部分を決定する。第1送信処理部102または第2送信処理部104は、決定したリソース部分を用いて再送信号を送信することを示す通知情報を受信装置200に送信する(S45)。通知情報は、当該リソース部分の位置を指定する情報でもよい。あるいは、他のユーザに無線リソースで送信されるデータのパディングデータの一部を再送信号に置換してもよい。この場合、通知情報は、他のユーザ宛のデータおいて再送信号が含まれる位置(リソース部分の位置に対応する)、他のユーザ宛のデータを特定するための情報(シーケンス番号、および他のユーザのアドレス等)を含んでもよい。通知情報は、任意の方法で受信装置200に送信すればよい。例えば、3GPP規格の制御チャネルを用いて通知情報を送信してもよい。あるいは、再送要求付き確認応答フレームに対して確認応答(ACK)を送信する仕組みを導入する場合には、当該確認応答に通知情報を含めてもよい。送信装置100の通信部106は、上述のリソース部分を介して、再送信号を含むデータフレーム送信する(S46)。受信装置200は、受信したデータフレームにおいて当該リソース部分を介して再送信号を取得する(同S46)。
【0134】
図18(A)および図18(B)は、送信装置100から再送信号を送信する具体例を示す。図18(A)では、3GPP規格のpre emptionを用いる場合において、他のユーザに割り当てられた無線リソースの一部(リソースブロック)に受信装置200用の再送信号を割り当てている。図18(B)ではIEEE802.11規格の場合において、他のユーザ宛に送信されるMACフレームのパディングデータの一部を、受信装置200用の再送信号に置き換えている。受信装置200は他のユーザ宛のMACフレームを受信し、あらかじめ送信装置100から取得した通知情報に基づいて、パディングデータに含まれる再送信号を特定する。
【0135】
(ハードウェア構成)
図19は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す。情報処理装置は、コンピュータ装置300により構成される。情報処理装置は、送信装置100または受信装置200に対応する。コンピュータ装置300は、CPU301と、入力インターフェース302と、表示部303と、通信部304と、主記憶部305と、外部記憶部306とを備え、これらはバス307により相互に接続されている。図19に示す構成の一部が存在しなくてもよい。例えば表示部303または入力インターフェース302が存在しなくてもよい。また、図19に示す構成以外の要素が存在してもよい。例えば各要素に電力を供給するバッテリ、またはカメラやマイク等のセンサデバイスが存在してもよい。
【0136】
CPU(中央演算装置)301は、主記憶部305上で、コンピュータプログラムを実行する。コンピュータプログラムは、情報処理装置の上述の各機能構成を実現するプログラムのことである。コンピュータプログラムは、1つのプログラムではなく、複数のプログラムやスクリプトの組み合わせにより実現されていてもよい。CPU301が、コンピュータプログラムを実行することにより、各機能構成は実現される。
【0137】
入力インターフェース302は、キーボード、マウス、およびタッチパネルなどの入力装置からの操作信号を、情報処理装置に入力するための回路である。
【0138】
表示部303は、情報処理装置に記憶されているデータまたは情報処理装置で算出されたデータを表示する。表示部303は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、CRT(ブラウン管)、またはPDP(プラズマディスプレイ)であるが、これに限られない。
【0139】
通信部304は、情報処理装置が外部装置と無線または有線で通信するための回路である。情報処理装置で用いるデータを、通信部304を介して外部装置から入力することができる。通信部304はアンテナを含む。外部装置から入力したデータを、主記憶部305や外部記憶部306に格納することができる。
【0140】
主記憶部305は、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムの実行に必要なデータ、およびコンピュータプログラムの実行により生成されたデータなどを記憶する。コンピュータプログラムは、主記憶部305上で展開され、実行される。主記憶部305は、例えば、RAM、DRAM、SRAMであるが、これに限られない。
【0141】
外部記憶部306は、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムの実行に必要なデータ、およびコンピュータプログラムの実行により生成されたデータなどを記憶する。これらのコンピュータプログラムやデータは、コンピュータプログラムの実行の際に、主記憶部305に読み出される。外部記憶部306は、例えば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、および磁気テープであるが、これに限られない。
【0142】
なお、コンピュータプログラムは、コンピュータ装置300に予めインストールされていてもよいし、CD-ROMなどの記憶媒体に記憶されていてもよい。また、コンピュータプログラムは、インターネット上にアップロードされていてもよい。
【0143】
また、コンピュータ装置300は単一の装置により構成されてもよいし、相互に接続された複数のコンピュータ装置からなるシステムとして構成されてもよい。
【0144】
なお、上述の実施形態は本開示を具現化するための一例を示したものであり、その他の様々な形態で本開示を実施することが可能である。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形、置換、省略またはこれらの組み合わせが可能である。そのような変形、置換、省略等を行った形態も、本開示の範囲に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0145】
また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果があってもよい。
【0146】
なお、本開示は以下のような構成を取ることもできる。
[項目1]
第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する処理部
を備えた情報処理装置。
[項目2]
前記処理部は、前記第2符号の復号化により得られた第1符号の符号化シンボルに基づき、前記第1符号の復号化を行い、前記第1符号の符号化シンボルが不足する場合は、前記再送を要求する情報を送信し、前記再送を要求する情報は、前記第1符号の復号化に必要な前記第1符号の符号化シンボルの再送を要求する
項目1に記載の情報処理装置。
[項目3]
前記処理部は、前記第2符号の復号化に成功した前記第1符号の符号化シンボルの個数または前記第2符号の復号化に失敗した前記第1符号の符号化シンボルの個数に基づき、前記再送が必要か否かを判断する
項目2に記載の情報処理装置。
[項目4]
前記再送を要求する情報は、前記再送を要求する符号化シンボルのインデックス情報を含む
項目2または3に記載の情報処理装置。
[項目5]
前記再送を要求する情報は、前記再送を要求する符号化シンボルの個数を含む
項目2~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目6]
前記再送を要求する情報は、前記第2符号の復号化に成功した前記第1符号の符号化シンボルのインデックス情報を含む
項目2~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目7]
前記再送を要求する情報は、前記第2符号の復号化に失敗した前記第1符号の符号化シンボルの個数を含む
項目2~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目8]
前記再送を要求する情報は、前記第1符号の符号化の対象となったデータの全部または一部を前記第1符号で再符号化する要求を含む
項目2~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目9]
前記再送を要求する情報は、前記データの変調多値数を指定する情報を含む
項目8に記載の情報処理装置。
[項目10]
前記再送を要求する情報は、前記データを前記第1符号で符号化するシンボルサイズおよび個数を指定する情報を含む
項目8または9に記載の情報処理装置。
[項目11]
前記再送を要求する情報は、前記データを前記第1符号で符号化する符号化率を指定する情報を含む
項目8~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目12]
前記再送を要求する情報は、前記データを前記第2符号で符号化する符号化率を指定する情報を含む
項目8~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目13]
前記再送を要求する情報は、前記第1符号の符号化方式を指定する情報を含む
項目8~12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目14]
前記第1符号の復号化に成功または失敗した少なくとも1つのデータの確認応答と、前記再送を要求する情報とを含む第1フレームを送信する通信部
を備えた項目2~13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目15]
前記第1符号の符号化シンボルの再送に用いる無線リソースを使用する期間である第1期間を予約する情報と、前記再送を要求する情報とを含む第2フレームを送信する通信部を備え、
前記第2フレームの送信先装置以外の前記第2フレームを受信した装置は前記第1期間の間、前記無線リソースでの送信を控える
項目2~14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目16]
前記第1符号の符号化シンボルの再送に用いる無線リソースを指定する情報と、前記再送を要求する情報とを含む第3フレームを送信する通信部
を備えた項目2~15のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目17]
前記情報処理装置とは異なる装置に割り当てられた無線リソースの全部または一部を用いて前記第1符号の符号化シンボルの再送を行うことを示す通知情報を受信する通信部を備え、
前記処理部は、前記通知情報に示される前記無線リソースの全部または一部を介して前記第1符号の符号化シンボルを受信する
項目2~16のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目18]
前記第1プロトコル層において前記第2符号の復号化を行う第1プロトコル層処理部を備え、
前記処理部は、前記第2プロトコル層において前記第1符号の復号化を行う
項目1~17のいずれか一項に記載の情報処理装置。
[項目19]
前記第2プロトコル層は、3GPP規格で規定されたレイヤ2である
項目18に記載の情報処理装置。
[項目20]
前記第1プロトコル層は、IEEE802.11規格で規定されたMAC層である
項目18または19に記載の情報処理装置。
[項目21]
第2符号に関する処理を行う第1プロトコル層より上位の第2プロトコル層で処理する第1符号の符号化単位で再送を要求する情報を送信する、情報処理方法。
【符号の説明】
【0147】
11 マクロセル
12 スモールセル
13 マクロセル基地局
14 スモールセル基地局
15 制御エンティティ
16 コアネットワーク
18 外部ネットワーク
19 HeNBゲートウェイ装置
20 ゲートウェイ装置
100 送信装置
101 上位層処理部
102 第1送信処理部
103 第1FEC符号化部
104 第2送信処理部
105 第2FEC符号化部
106 通信部
108 アンテナ
200 受信装置
201 上位層処理部
202 第2受信処理部
203 第1FEC復号化部
204 第1受信処理部
205 第2FEC復号化部
206 通信部
208 アンテナ
300 コンピュータ装置
302 入力インターフェース
303 表示部
304 通信部
305 主記憶部
306 外部記憶部
307 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19