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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159904
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】天板、及び、天板付家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/08 20060101AFI20231026BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20231026BHJP
   A47B 13/02 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A47B13/08 A
A47B13/00 Z
A47B13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069799
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】山西 学
(72)【発明者】
【氏名】江頭 正和
(72)【発明者】
【氏名】新谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】黒尾 智也
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP00
3B053NP02
3B053NP08
3B053NQ00
3B053NQ10
3B053NR01
3B053PA00
3B053PB05
3B053PC02
3B053PC04
3B053PC05
3B053PC06
(57)【要約】
【課題】厚み寸法を抑制し得る設計の自由度に優れた天板を提供する。
【解決手段】天板を、上面を作業平面とした本体部11と本体部11の周端縁から下方に向かって延設された下延出部12とを有してなる上部材1と、本体部11の下面側に配設された下部材2と、下延出部12と下部材2の周縁部との間に配設された補強部材3とを備えたものとした。本体部11、及び、下延出部12は、金属板を用いて一体に形成されているものである。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を作業平面とした本体部とこの本体部の端縁から下方に向かって延設された下延出部とを有してなる上部材と、前記本体部の下面側に配設された下部材と、前記下延出部と前記下部材の縁部との間に配設された補強部材とを備えた天板。
【請求項2】
前記本体部及び前記下延出部が、金属板を用いて一体に形成されたものである請求項1記載の天板。
【請求項3】
前記補強部材が、前記本体部の縁部に沿うように配設された補強部材本体と、この補強部材本体の所定箇所に設けられ脚等の支持体が連結される被連結部とを備えている請求項1記載の天板。
【請求項4】
前記下延出部が、下方を向く第一の下向面を備えたものであり、
前記下部材が、下方を向く第二の下向面を備えたものであり、
前記補強部材が、下方を向く第三の下向面を備えたものであり、
前記第一、第二、第三の下向面が略面一をなすように前記本体部に対して前記下部材及び補強部材が取り付けられている請求項1記載の天板。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の天板と、この天板を支持する支持体とを備えてなる天板付家具。
【請求項6】
前記支持体が、上下方向に延びた脚本体を備えた脚体である請求項5記載の天板付家具。
【請求項7】
前記脚体が、前記天板に対してねじを用いて連結されるものであって、
前記天板に、前記ねじが螺着されるナット部が設けられたものであり、
前記脚体が、前記ねじが挿通されるねじ挿通孔を有し前記脚本体の上端部から略水平方向に延設された連結部を備えている請求項6記載の天板付家具。
【請求項8】
前記補強部材が、前記本体部の周縁部に沿うように配設された補強部材本体と、この補強部材本体の所定箇所に設けられ前記脚体の連結部が連結される被連結部とを備えたものであり、
前記連結部の下面が、前記補強部材本体の下面と略面一になるように設定されている請求項7記載の天板付家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板、及び、天板を有してなる天板付家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、天板本体への補強枠の組み付け作業や溶接作業を容易に行うことができ、且つ、厚み寸法が過大にならないように構成された天板が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、特許文献1の天板では、裏面カバーが天板における下面側の大部分を覆ってしまうことになり、脚体等の支持体を取り付けるための設計の自由度を損なうものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5226516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、厚み寸法を抑制し得る設計の自由度に優れた天板、及び、当該天板を備えてなる天板付家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0007】
請求項1に記載の発明は、上面を作業平面とした本体部とこの本体部の端縁から下方に向かって延設された下延出部とを有してなる上部材と、前記本体部の下面側に配設された下部材と、前記下延出部と前記下部材の縁部との間に配設された補強部材とを備えた天板である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記本体部及び前記下延出部が、金属板を用いて一体に形成されたものである請求項1記載の天板である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記補強部材が、前記本体部の縁部に沿うように配設された補強部材本体と、この補強部材本体の所定箇所に設けられ脚等の支持体が連結される被連結部とを備えている請求項1記載の天板である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記下延出部が、下方を向く第一の下向面を備えたものであり、前記下部材が、下方を向く第二の下向面を備えたものであり、前記補強部材が、下方を向く第三の下向面を備えたものであり、前記第一、第二、第三の下向面が略面一をなすように前記本体部に対して前記下部材及び補強部材が取り付けられている請求項1記載の天板である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4の何れかに記載の天板と、この天板を支持する支持体とを備えてなる天板付家具である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記支持体が、上下方向に延びた脚本体を備えた脚体である請求項5記載の天板付家具である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記脚体が、前記天板に対してねじを用いて連結されるものであって、前記天板に、前記ねじが螺着されるナット部が設けられたものであり、前記脚体が、前記ねじが挿通されるねじ挿通孔を有し前記脚本体の上端部から略水平方向に延設された連結部を備えている請求項6記載の天板付家具である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記補強部材が、前記本体部の周縁部に沿うように配設された補強部材本体と、この補強部材本体の所定箇所に設けられ前記脚体の連結部が連結される被連結部とを備えたものであり、前記連結部の下面が、前記補強部材本体の下面と略面一になるように設定されている請求項7記載の天板付家具である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、厚み寸法を抑制し得る設計の自由度に優れた天板、及び、当該天板を備えてなる天板付家具を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を示す上側からの斜視図。
図2】同実施形態における下側からの斜視図。
図3】同実施形態における正面図。
図4】同実施形態における平面図。
図5】同実施形態における底面図。
図6図3におけるX-X線断面図。
図7図4におけるY-Y線端面図。
図8】同実施形態における天板の上側からの分解斜視図。
図9】同実施形態における天板の下側からの分解斜視図。
図10】同実施形態における下側からの分解斜視図。
図11】他の実施形態(天板が長方形状のもの)を示す底面図。
図12】他の実施形態(天板が三角形状のもの)を示す底面図。
図13】他の実施形態(天板が台形状のもの)を示す底面図。
図14】他の実施形態(天板が円形状のもの)を示す底面図。
図15】他の実施形態を示す斜視図。
図16】他の実施形態を示す端面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図1~10を参照して説明する。
【0018】
この実施形態は、本発明を、オフィス等において好適に使用される天板付家具であるテーブルTに適用したものである。
【0019】
テーブルTは、天板Aと、天板Aを支持する支持体である脚体Bとを備えてなるものである。
【0020】
以下、本実施形態のテーブルTの各構成について詳述する。
【0021】
<<天板A>>
天板Aは、上向きの平面を有する上部材1と、上部材1の下面に取り付けられた下部材2と、上部材1の周縁部である下延出部12と下部材2の周縁部である周壁部22との間に配設された補強部材3と、上部材1における四つの角部に配されたキャップ体4を備えたものである。
【0022】
この実施形態では、天板Aが平面視において略正方形状をなしている。天板Aは、四つの角部が丸く形成されている。詳しくは後述するように、天板Aには、脚体Bを取り付けるためのねじv1が螺着されるナット部n1が設けられている。
【0023】
<上部材1>
上部材1は、上面を作業平面11mとした本体部11と、本体部11の端縁から下方に向かって延設された下延出部12とを有してなる。
【0024】
上部材1は、平面視及び側面視において、使用者に視認され得る天板Aの主要部分を構成するものである。上部材1は、本体部11及び下延出部12が、金属板を用いて一体に形成されている。
【0025】
[本体部11]
本体部11は、水平方向に延びた板状のものである。本体部11は、上面が作業平面11mをなしている。
【0026】
この実施形態では、本体部11は、平面視において矩形状(略正方形状)をなしている。本体部11の裏面すなわち下面11kには、後述する下部材2や補強部材3が、溶接や接着剤による接着等の適宜の方法により取り付けられるようになっている。
【0027】
[下延出部12]
下延出部12は、本体部11における四つの角部を除いた部分、すなわち、本体部11における直線状の端縁11eから下方に延設されている。
【0028】
下延出部12は、本体部11における四箇所に設けられた直線状の端縁11eから下方に向かって垂下した垂下部分121と、垂下部分121の下端縁から内側方に向かって略水平に延びてなる水平延出部分122と、水平延出部分122の延出端縁から上方に延びてなる起立部分123とを備えている。
【0029】
垂下部分121は、外側面s1が外部すなわち外側方に露出し、天板Aの側端面の主要部を構成するものとなっている。
【0030】
水平延出部分122は、下方を向く第一の下向面m1を備えたものである。なお、水平延出部分122の短手寸法は、垂下部分121の短手寸法(上下方向寸法)の約二分の一の長さに設定されている。
【0031】
起立部分123は、内側方(天板Aの中心部方向)を向く内側面s2を有している。起立部分123の内側面s2は、補強部材3の外側端面である外起立壁312と当接し得るようになっており、補強部材3を上部材1に対して位置決めし得るものとなっている。なお、起立部分123の短手寸法(上下方向寸法)は、水平延出部分122の短手寸法の約二分の一の長さに設定されている。
【0032】
この実施形態では、下延出部12が、本体部11における四つの角部に形成された湾曲縁11wからは延設されていない構成となっている。換言すれば、上部材1は、四つの角部に切欠部13が設けられている。切欠部13には、垂下部分121の外側面s1と略面一をなす外側面s4と水平延出部分122における下面(第一の下向面m1)と略面一をなす下面たる第四の下向面m4を有したキャップ体4が配設されるようになっている。
【0033】
<下部材2>
下部材2は、本体部11の下面側に配設されたものである。下部材2は、全体として矩形板状をなしている。下部材2は、厚み方向に撓み難い構造が採られたものである。下部材2は、上部材1に装着されることにより当該上部材1における本体部11の撓みを抑制し得るものとなっている。下部材2は、本体部11の下面11kに対して溶接や接着剤による接着等の適宜の方法により取り付けられている。
【0034】
この実施形態では、下部材2は、下方を向く面である第二の下向面m2を有した底壁部21と、底壁部21の端縁から立設された周壁部22と、周壁部22の上端縁間を繋ぐ天壁部23とを備えたものである。底壁部21、周壁部22、及び、天壁部23は、例えば金属板により作られている。周壁部22には、補強部材3における内起立壁313に当接し得る外向き端面s3を有している。
【0035】
なお、図示はしていないが、底壁部21、周壁部22、及び、天壁部23に囲われた内部空間には、下部材2全体の高重量化を抑制しつつ厚み方向の撓みを好適に抑制し得る補強構造物が配設されている。補強構造物は、リブとして機能し得るものであればどのような構成のものであってもよいが、例えば、ハニカム構造の構造物を挙げることができる。
【0036】
<補強部材3>
補強部材3は、上部材1の縁部を補強し得るとともに支持体である脚体Bが連結されるものである。この実施形態では、補強部材3は、上部材1の周縁部を補強し得る連続した矩形枠状をなしたものである。
【0037】
補強部材3は、本体部11における周縁部近傍の下面11kに対して溶接や接着剤による接着等の適宜の方法により取り付けられている。
【0038】
補強部材3は、上部材1における下延出部12及び下部材2における周壁部22に対して水平方向に当接または近接し得るものとなっている。
【0039】
補強部材3は、本体部11の縁部すなわち周縁部に沿うように配設された中空フレーム状をなす補強部材本体3と、補強部材本体3の所定箇所すなわち天板Aにおける四箇所の角部に対応する位置に設けられ脚体Bの連結部b2が連結される被連結部32とを備えている。
【0040】
[補強部材本体3]
補強部材本体3は、金属板を溶接することにより作られたものである。補強部材本体3は、平面視において、矩形閉ループ状すなわち「ロ」字状に作られている。
【0041】
補強部材本体3は、水平方向に延びてなる下水平壁311と、下水平壁311における外側の端縁に立設された外起立壁312と、下水平壁311における内側の端縁に立設された内起立壁313と、外起立壁312及び内起立壁313の各上端縁間を繋ぐ上水平壁314とを備えている。
【0042】
下水平壁311は、下方を向く面である第三の下向面m3を備えたものである。下水平壁311には、補強部材本体3の内部に配設された被連結部32が下方に露出し得るようにするための窓部Dが設けられている。なお、窓部Dの形状は、キャップ体4との協働により脚体Bの連結部b2と略合致する形状に設定されている。
【0043】
外起立壁312は、上部材1の下延出部12における起立部分123の内側面s2に当接又は近接するものとなっている。
【0044】
内起立壁313は、下部材2における周壁部22の外向き端面s3に当接又は近接するものとなっている。
【0045】
上水平壁314は、上部材1における本体部11の下面11kに接着される部位をなしている。
【0046】
[被連結部32]
被連結部32は、補強部材本体3の上下方向寸法よりも厚み寸法の短い金属板により構成されている。被連結部32は、脚体Bを取り付けるための複数のナット部n1を有し補強部材本体3における上水平壁314の内面(下面)に対して溶接や接着剤による接着等の適宜の方法により取り付けられたものである。
【0047】
この実施形態では、被連結部32は、底面視において略L字状をなしている。被連結部32は、天板Aにおける四つの角部に対応する位置に設けられている。
【0048】
なお、補強部材3における被連結部32の下面は、補強部材本体3における下水平壁311の下面(第三の下向面m3)よりも上に位置したものとなっている。そして、後述する脚体Bにおける連結部b2の厚み寸法は、上水平壁314に取り付けられた被連結部32の下面32mと下水平壁311の下面(第三の下向面m3)との離間寸法に略合致する値に設定されている。
【0049】
<キャップ体4>
キャップ体4は、上部材1の角部に設けられた切欠部13を閉塞するものである。
【0050】
キャップ体4は、合成樹脂により形成されたブロック状のものである。キャップ体4は、垂下部分121の外側面s1と略面一をなす外側面s4と、水平延出部分122における下面(第一の下向面m1)と略面一をなす下面である第四の下向面m4を有している。
【0051】
キャップ体4は、切欠部13に上部材1及び補強部材3に接着又は嵌合等の適宜の方法により取り付けられている。
【0052】
以上に述べた構成をなす天板Aは、上部材1における水平延出部分122の第一の下向面m1、下部材2における底壁部21の第二の下向面m2、補強部材3における下水平壁311の第三の下向面m3、及び、キャップ体4における第四の下向面m4が略面一をなすように、上部材1の本体部11に対して下部材2、補強部材3、及び、キャップ体4が取り付けられている。このため、本実施形態の天板Aは、下側から見た場合であっても、補強部材3における被連結部32以外の部分が全体として面一をなすような優れた外観を呈するものとなっている。
【0053】
<<脚体B>>
脚体Bは、天板Aに対してねじv1を用いて連結されたものである。この実施形態では、脚体Bは、矩形状をなす天板Aにおける四つの角部に対応させて四本設けられている。
【0054】
脚体Bは、上下方向に延びた脚本体b1と、ねじv1が挿通されるねじ挿通孔h1を有し脚本体b1の上端部から略水平方向に延設された連結部b2とを備えている。
【0055】
脚体Bを構成する脚本体b1と連結部b2とは金属又は合成樹脂により一体に構成されている。
【0056】
<脚本体b1>
脚本体b1は、上下方向に延びてなる柱状のものである。
【0057】
この実施形態では、床面に対するテーブルTの移動柔軟性を発揮し得るように、四本の脚本体b1の内、隣り合う二本の脚本体b1の下端にはキャスタb3が設けられている。一方で、四本の脚本体b1の内、残りの二本の脚本体b1の下端には床面に対して当接する接地部b4が設けられており、キャスタb3が設けられていないものとなっている。
【0058】
<連結部b2>
連結部b2は、水平方向に延びた板状をなしたものである。連結部b2は、上下方向に貫通した複数のねじ挿通孔h1を備えている。連結部b2は、補強部材3に設けられた被連結部32に対してねじv1により取り付けられるようになっている。
【0059】
この実施形態では、連結部b2は平面視又は底面視において略L字状をなしている。連結部b2は、補強部材本体3における下水平壁311及びキャップ体4により形成された窓部Dに嵌まるように構成されている。
【0060】
連結部b2の下面である第五の下向面m5は、補強部材本体3の下面すなわち、下水平壁311における第三の下向面m3と略面一になるように設定されている。
【0061】
つまり、この実施形態のテーブルTは、天板Aを構成する上部材1における下延出部12の第一の下向面m1、天板Aを構成する下部材2における底壁部21の第二の下向面m2、及び、天板Aを構成する補強部材3における下水平壁311の第三の下向面m3、及び、キャップ体4における第四の下向面m4が略面一をなすだけでなく、脚体Bの連結部b2における第五の下向面m5も、第一、第二、第三、第四の下向面m1、m2、m3、m4と略面一をなすように設定されている。
【0062】
このため、本実施形態のテーブルTは、下側から見た場合であっても、全体として、脚本体b1よりも上に位置する部材の下面が全体として略面一をなすような優れた外観を呈するものとなっている。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る天板Aは、上面を作業平面11mとした本体部11とこの本体部11の端縁11eから下方に向かって延設された下延出部12とを有してなる上部材1と、本体部11の下面11k側に配設された下部材2と、下延出部12と下部材2の縁部との間に配設された補強部材3とを備えたものである。
【0064】
このため、本実施形態であれば、厚み寸法を抑制し得る設計の自由度に優れた天板Aを提供することができるものとなる。
【0065】
つまり、天板Aは、本体部11の下に下部材2及び補強部材3を配しており、これら下部材2及び補強部材3が下延出部12の延出寸法の範囲内に略収まるように構成されているため、全体の厚み寸法が好適に抑制されたものとなっている。
【0066】
しかも、下延出部12と下部材2の縁部との間に補強部材3が配設されているため、補強部材3が下方に露出した構成を無理なく採り得るものとなっている。このため、下方に露出した補強部材3に対して脚体B等の支持体を取り付けるという設計も好適に行えるものとなっている。
【0067】
上部材1を構成する本体部11及び下延出部12が、金属板を用いて一体に形成されたものである。
【0068】
このため、上部材1は、外観に優れるとともに製造のし易さ及び全体的な剛性に優れたものとなる。
【0069】
補強部材3が、本体部11の縁部に沿うように配設された補強部材本体3と、補強部材本体3の所定箇所に設けられ脚体B等の支持体が連結される被連結部32とを備えている。
【0070】
このため、天板Aに設けた補強部材3を利用して脚体B等の支持体を好適に取り付けることができるものとなっている。
【0071】
下延出部12が、下方を向く第一の下向面m1を備えたものであり、下部材2が、下方を向く第二の下向面m2を備えたものであり、補強部材3が、下方を向く第三の下向面m3を備えたものである。
【0072】
そして、第一、第二、第三の下向面m1、m2、m3が略面一をなすように本体部11に対して下部材2及び補強部材3が取り付けられている。
【0073】
このため、天板Aは、上部材1の下向面(第一の下向面m1)と下部材2の下向面(第二の下向面m2)と補強部材3の下向面(第三の下向面m3)が略面一に揃ったものとなるため、底面視においても優れた外観が実現されたものとなっている。
【0074】
天板付家具であるテーブルTは、天板Aと、天板Aを支持する支持体である脚体Bとを備えてなるものである。
【0075】
このため、本実施形態であれば、厚み寸法を抑制し得る設計の自由度に優れた天板Aを有するテーブルTを提供することができるものとなる。
【0076】
脚体Bは、上下方向に延びた脚本体b1を備えたものである。そして、脚体Bが、天板Aに対してねじv1を用いて連結されるものとなっている。天板Aには、ねじv1が螺着されるナット部n1が設けられている。
【0077】
脚体Bは、ねじv1が挿通されるねじ挿通孔h1を有し脚本体b1の上端部から略水平方向に延設された連結部b2を備えている。
【0078】
このため、脚体Bは、天板Aに対してねじv1により好適に取り付けられるものとなっている。
【0079】
補強部材3が、本体部11の周縁部に沿うように配設された補強部材本体3と、補強部材本体3の所定箇所に設けられ脚体Bの連結部b2が連結される被連結部32とを備えたものである。そして、連結部b2の下面である第五の下向面m5が、補強部材本体3の下面である第三の下向面m3と略面一になるように設定されている。
【0080】
このため、本実施形態のテーブルTは、下側から見た場合であっても、全体として、脚本体b1よりも上に位置する部材の下面が全体として略面一をなすような優れた外観を呈するものとなっている。
【0081】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0082】
天板付家具は、天板を有してなる家具であればどのような構成のものであればよく、上述した実施形態のようなテーブルに限られるものではない。
【0083】
支持体は、天板を支持し得るものであればどのような構成のものであればよく、上述した実施形態のような脚体に限られるものではない。
【0084】
また、テーブルは、上述した実施形態に示されたような一般的な高さのものに限られるものではない。例えば、図15の例に示すように、天板Aの作業平面11mの床面からの高さ寸法Wが800mm~1050mmに設定されたもの(いわゆる「ハイテーブル」と称されるもの)であってもよい。
【0085】
天板は、適宜の形状を採り得るものであることは言うまでもない。天板は、略正方形状のものに限られるものではなく、例えば、図11~14に例示したようなものも挙げることができる。
【0086】
ここで、図11の例では、天板Aが、平面視又は底面視において略長方形状をなしている。図12の例では、天板Aが、平面視又は底面視において略三角形状をなしている。図13の例では、天板Aが、平面視又は底面視において略台形状をなしている。図14の例では、天板Aが、平面視又は底面視において略円形状をなしている。
【0087】
なお、天板は、図面において具体的に示されていない形状のものであってもよいのはもちろんのことである。
【0088】
天板は、キャップを備えていない構成のものであってもよい。
【0089】
下延出部は、本体部における略全周縁から延設されているものであってもよいし、本体部における縁部の一部分だけから延設されたものであってもよい。
【0090】
上部材、下部材、及び、補強部材は、天板の形状に応じて、種々の形態を採り得るものであることはもちろんのことである。
【0091】
テーブルは、複数の脚体における全てにキャスタを設けたものとしてもよいし、複数の脚体における全てにキャスタを設けていないものとしてもよい。
【0092】
図16に示すように、連結部b2の下面(第五の下向面m5)は、補強部材本体31の下面(第三の下向面m3)と完全に面一でないものであってもよい。
【0093】
すなわち、連結部の下面は、天板の下面側全体を見た場合において、補強部材本体の下面と略面一をなすように構成されたものであればよい。なお、連結部の下面と補強部材本体の下面との高低差が2mm以下のものであれば、「略面一」の概念に含まれる。
【0094】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0095】
T…テーブル(天板付家具)
A…天板
B…脚体(支持体)
1…上部材
2…下部材
3…補強部材
11…本体部
12…下延出部
11m…作業平面
図1
図2
図3
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図15
図16