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特開2023-159927液滴吐出装置およびマルチノズルヘッドの調整方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159927
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】液滴吐出装置およびマルチノズルヘッドの調整方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20231026BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231026BHJP
   B41J 2/06 20060101ALI20231026BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B41J2/01 307
B41J2/01 451
B41J2/01 403
B41J2/06
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069860
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】506159976
【氏名又は名称】株式会社SIJテクノロジ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】村田 和広
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EA22
2C056EB07
2C056EC07
2C056EC33
2C056EC35
2C056FA07
2C056HA07
2C056HA08
2C056HA11
2C057AG12
2C057AN07
2C057BD06
4F041AA01
4F041AA05
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA23
4F041BA34
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA08
4F042BA10
4F042BA12
4F042DH09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】交換するマルチノズルを用いて安定して液滴を吐出すること。
【解決手段】液滴吐出装置は、静電吐出方式で液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズル153を有し、交換可能なマルチノズルヘッド150と、前記マルチノズルヘッドを装着する装着部140と、前記装着部に装着された前記マルチノズルヘッドを検査する検査部160と、前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整する調整部190と、を含む。上記液滴吐出装置において、前記検査部は、前記マルチノズルヘッドのうち前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを検査し、前記調整部は、前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを調整してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを供給するインク供給部と、
前記インク供給部から離れて設けられ、静電吐出方式で前記インクを含む液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルを有し、交換可能なマルチノズルヘッドと、
前記マルチノズルヘッドを装着する装着部と、
前記装着部に装着された前記マルチノズルヘッドの傾きを検査する検査部と、
前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整する調整部と、を含む、
液滴吐出装置。
【請求項2】
前記検査部は、前記マルチノズルヘッドのうち隣接する前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを検査し、
前記調整部は、前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを調整する、
請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記マルチノズルヘッドを対象物に平行な第1方向に対応する第1回動軸に対して回動させる第1調整部、前記マルチノズルヘッドを前記対象物に平行であって、前記第1方向と交差する第2方向に対応する第2回動軸に対して回動させる第2調整部、および前記マルチノズルヘッドを前記対象物に対して垂直であって前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に対応する第3回動軸に対して回動させる、
請求項2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
複数の液滴吐出ノズルが配置される方向に液滴を吐出したときに形成されるパターンの線幅が所定の条件を満たすように、前記調整部は、前記第3回動軸に対して前記マルチノズルヘッドを回動させる、
請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
ユーザによって操作可能な操作部を含み、
前記調整部は、前記操作部から入力された情報に基づいて前記第1回動軸、前記第2回動軸、および前記第3回動軸の少なくとも一つに対して前記マルチノズルヘッドを回動させる、
請求項3または4に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
検査された前記マルチノズルヘッドの情報を表示する表示部を含み、
検査された前記マルチノズルヘッドの第1情報が予め登録された第2情報との間で所定の条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの傾きの調整が完了したこと知らせる情報を前記表示部に表示する、
請求項3または4に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記マルチノズルヘッドの前記液滴吐出ノズルが所定の交換条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの交換を要求する交換要求情報を前記表示部に表示する、
請求項6に記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
インクを供給するインク供給部と、
前記インク供給部から離れて設けられ、静電吐出方式で前記インクを含む液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルを有する交換可能なマルチノズルヘッド、を装着する装着部と、
前記装着部に装着された前記マルチノズルヘッドの傾きを検査する検査部と、
前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整する調整部と、を含む、
液滴吐出装置。
【請求項9】
液滴吐出装置が、
インクを供給するインク供給部から離れて設けられ、静電吐出方式で前記インクを供給する液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルを有し、交換可能なマルチノズルヘッドを用い、
前記マルチノズルヘッドが装着部に装着されたときに前記マルチノズルヘッドの傾きを検査し、
前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整することを含む、
マルチノズルヘッドの調整方法。
【請求項10】
前記液滴吐出装置が、
隣接する前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを検査し、
前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを調整することを含む、
請求項9に記載のマルチノズルヘッドの調整方法。
【請求項11】
前記液滴吐出装置が、
前記マルチノズルヘッドを対象物に平行な第1方向に対応する第1回動軸に対して回動させ、前記マルチノズルヘッドを前記対象物に平行であって、前記第1方向と交差する第2方向に対応する第2回動軸に対して回動させ、および前記マルチノズルヘッドを前記対象物に対して垂直であって前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に対応する第3回動軸に対して回動させる、
請求項10に記載のマルチノズルヘッドの調整方法。
【請求項12】
複数の液滴吐出ノズルが配置される方向に液滴を吐出したときに形成されるパターンの線幅が所定の条件を満たすように、前記第3回動軸に対して前記マルチノズルヘッドを回動させる、
請求項11に記載のマルチノズルヘッドの調整方法。
【請求項13】
前記液滴吐出装置が、
検査された前記マルチノズルヘッドの第1情報を表示部に表示し、
検査された前記マルチノズルヘッドの第1情報が予め登録された第2情報との間で所定の条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの傾きの調整が完了したこと知らせる情報を前記表示部に表示する、
請求項11または12に記載のマルチノズルヘッドの調整方法。
【請求項14】
前記マルチノズルヘッドの前記液滴吐出ノズルが所定の交換条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの交換を要求する交換要求情報を前記表示部に表示する、
請求項13に記載のマルチノズルヘッドの調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置およびマルチノズルヘッドの調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット印刷技術の工業用プロセスへの応用が行われている。例えば、液晶ディスプレー用のカラーフィルター製造工程などはその一例である。インクジェット印刷技術として、従来は機械的圧力や振動により液滴を吐出する、いわゆるピエゾ型ヘッドが多く使用されてきていたが、より微細な液滴を吐出できる静電吐出型インクジェットヘッドが注目されている。特許文献1には、静電吐出型インクジェット記録装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-34967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、静電吐出型インクジェットヘッド用として、生産性向上の観点から、複数のノズルを有するマルチノズルヘッドの開発が進められている。マルチノズルから液滴を吐出する場合、ノズルの配置を変えることで、様々なパターンを有するように液滴を吐出することができる。
【0005】
一方で、形成したいパターンに応じてユーザがマルチノズルヘッドを交換する必要がある。ヘッドのノズルの配列方向と、ステージの移動方向のなす角は、同一仕様の異なるヘッドを取り付けた場合でも常に一定となるように調整される必要がある。最適な位置にマルチノズルヘッドが設置されないと、所望の精度のパターンが形成できない。
【0006】
そこで、本発明は、交換されるマルチノズルヘッドを用いて安定して液滴を吐出することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、インクを供給するインク供給部と、前記インク供給部から離れて設けられ、静電吐出方式で前記インクを含む液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルを有し、交換可能なマルチノズルヘッドと、前記マルチノズルヘッドを装着する装着部と、前記装着部に装着された前記マルチノズルヘッドの傾きを検査する検査部と、前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整する調整部と、を含む、液滴吐出装置が提供される。
【0008】
上記液滴吐出装置において、前記検査部は、前記マルチノズルヘッドのうち隣接する前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを検査し、前記調整部は、前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを調整してもよい。
【0009】
上記液滴吐出装置において、前記調整部は、前記マルチノズルヘッドを対象物に平行な第1方向に対応する第1回動軸に対して回動させる第1調整部、前記マルチノズルヘッドを前記対象物に平行であって、前記第1方向と交差する第2方向に対応する第2回動軸に対して回動させる第2調整部、および前記マルチノズルヘッドを前記対象物に対して垂直であって前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に対応する第3回動軸に対して回動させてもよい。
【0010】
上記液滴吐出装置において、複数の液滴吐出ノズルが配置される方向に液滴を吐出したときに形成されるパターンの線幅が所定の条件を満たすように、前記調整部は、前記第3回動軸に対して前記マルチノズルヘッドを回動させてもよい。
【0011】
上記液滴吐出装置において、ユーザによって操作可能な操作部を含み、前記調整部は、前記操作部から入力された情報に基づいて前記第1回動軸、前記第2回動軸、および前記第3回動軸の少なくとも一つに対して前記マルチノズルヘッドを回動させてもよい。
【0012】
上記液滴吐出装置において、検査された前記マルチノズルヘッドの情報を表示する表示部を含み、検査された前記マルチノズルヘッドの第1情報が予め登録された第2情報との間で所定の条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの傾きの調整が完了したこと知らせる情報を前記表示部に表示してもよい。
【0013】
上記液滴吐出装置において、前記マルチノズルヘッドの前記液滴吐出ノズルが所定の交換条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの交換を要求する交換要求情報を前記表示部に表示してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、インクを供給するインク供給部と、前記インク供給部から離れて設けられ、静電吐出方式で前記インクを含む液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルを有する交換可能なマルチノズルヘッド、を装着する装着部と、前記装着部に装着された前記マルチノズルヘッドの傾きを検査する検査部と、前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整する調整部と、を含む、液滴吐出装置が提供される。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、液滴吐出装置が、インクを供給するインク供給部から離れて設けられ、静電吐出方式で前記インクを供給する液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルを有し、交換可能なマルチノズルヘッドを用い、前記マルチノズルヘッドが装着部に装着されたときに前記マルチノズルヘッドの傾きを検査し、前記マルチノズルヘッドの検査結果に基づいて前記マルチノズルヘッドの傾きを調整することを含む、マルチノズルヘッドの調整方法が提供される。
【0016】
上記マルチノズルヘッドの調整方法において、前記液滴吐出装置が、隣接する前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを検査し、前記複数の液滴吐出ノズルの先端部の傾きを調整することを含んでもよい。
【0017】
上記マルチノズルヘッドの調整方法において、前記液滴吐出装置が、前記マルチノズルヘッドを対象物に平行な第1方向に対応する第1回動軸に対して回動させ、前記マルチノズルヘッドを前記対象物に平行であって、前記第1方向と交差する第2方向に対応する第2回動軸に対して回動させ、および前記マルチノズルヘッドを前記対象物に対して垂直であって前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に対応する第3回動軸に対して回動させてもよい。
【0018】
上記マルチノズルヘッドの調整方法において、前記液滴吐出装置が、前記マルチノズルヘッドを対象物に平行な第1方向に対応する第1回動軸に対して回動させ、前記マルチノズルヘッドを前記対象物に平行であって、前記第1方向と交差する第2方向に対応する第2回動軸に対して回動させ、および前記マルチノズルヘッドを前記対象物に対して垂直であって前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に対応する第3回動軸に対して回動させてもよい。
【0019】
上記マルチノズルヘッドの調整方法において、複数の液滴吐出ノズルが配置される方向に液滴を吐出したときに形成されるパターンの線幅が所定の条件を満たすように、前記第3回動軸に対して前記マルチノズルヘッドを回動させてもよい。
【0020】
上記マルチノズルヘッドの調整方法において、前記液滴吐出装置が、検査された前記マルチノズルヘッドの第1情報を表示部に表示し、検査された前記マルチノズルヘッドの第1情報が予め登録された第2情報との間で所定の条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの傾きの調整が完了したこと知らせる情報を前記表示部に表示してもよい。
【0021】
上記マルチノズルヘッドの調整方法において、前記マルチノズルヘッドの前記液滴吐出ノズルが所定の交換条件を満たすときに、前記マルチノズルヘッドの交換を要求する交換要求情報を前記表示部に表示してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態を用いることにより、交換されるマルチノズルヘッドを用いて安定して液滴を吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の概略図である。
図2A】マルチノズルヘッドの平面図である。
図2B】液滴吐出ノズルを拡大した上面図である。
図2C】液滴吐出ノズルを拡大した断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の制御部の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置のマルチノズルヘッドの調整フロー図である。
図5A】調整前のマルチノズルヘッドの模式図である。
図5B】調整後のマルチノズルヘッドの模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の概略図である。
図7A】液滴を吐出する方向を説明する図である。
図7B】液滴を吐出する方向を説明する図である。
図8】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の概略図である。
図9】検査部とマルチノズルとの関係を示す模式図である。
図10】本実施例に用いられたマルチノズルヘッドの写真である。
図11A】本発明の一実施形態に係るマルチノズルヘッドにおける調整前の液滴吐出ノズルの撮像写真である。
図11B】本発明の一実施形態に係るマルチノズルヘッドにおける調整後の液滴吐出ノズルの撮像写真である。
図12A】本発明の一実施形態に係るマルチノズルヘッドにおける調整前の液滴吐出ノズルの撮像写真である。
図12B】本発明の一実施形態に係るマルチノズルヘッドにおける調整後の液滴吐出ノズルの撮像写真である。
図13A】本発明の一実施形態に係るマルチノズルヘッドにおける調整前の液滴吐出ノズルの撮像写真である。
図13B】本発明の一実施形態に係るマルチノズルヘッドにおける調整後の液滴吐出ノズルの撮像写真である。
図14A】調整前のマルチノズルヘッド150により形成されたパターンの画像である。
図14B】調整部を用いてマルチノズルヘッドの傾きを調整した後のマルチノズルヘッド150により形成されたパターンの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0026】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の傾き関係を規定する際、「上に」「下に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に傾きする場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0027】
<第1実施形態>
(1-1.液滴吐出装置100の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置100の概略図である。
【0028】
液滴吐出装置100は、制御部110、記憶部120、電源部125、駆動部130、装着部140、マルチノズルヘッド150、検査部160、表示部170、操作部180、調整部190、対象物保持部200、および筐体210を含む。制御部110、記憶部120、電源部125、駆動部130、装着部140、インク供給部145、マルチノズルヘッド150、検査部160、表示部170、操作部180、調整部190、および対象物保持部200は、配線バスにより電気的に接続されるとともに、筐体210の内側に設けられる。
【0029】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはその他の演算処理回路を含む。制御部110は、あらかじめ設定された液滴吐出用プログラムを用いて、マルチノズルヘッド150による液滴吐出処理を制御する。また、制御部110は、マルチノズルヘッド150の傾きを制御する。
【0030】
記憶部120は、液滴吐出用プログラム、および液滴吐出用プログラムで用いられる各種情報を記憶するデータベースとしての機能を有する。記憶部120には、メモリ、SSD、または記憶可能な素子が用いられる。また、記憶部120は、マルチノズルヘッド150の傾き情報(平行度ともいう)を記憶する。
【0031】
電源部125は、制御部110から入力される信号をもとに、マルチノズルヘッド150に電圧を印加する。この例では、電源部125は、マルチノズルヘッド150に対してパルス状の電圧(この例では、1000V)を印加する。なお、パルス電圧に限定されず、一定の電圧が常時印加されてもよい。
【0032】
駆動部130は、モータ、ベルト、ギアなどの駆動部材により構成される。駆動部130は、制御部110からの指示に基づき、対象物220に対してマルチノズルヘッド150を相対的に一つの方向(この例では、第2方向D2)に移動させる。
【0033】
装着部140は、マルチノズルヘッド150を装着する。この例では、装着部140は、ノズルヘッドのプレート部と接着することにより、ノズルヘッドを装着する。このとき、装着部140は、治具および接着剤などを用いてマルチノズルヘッド150を装着してもよい。
【0034】
インク供給部145(インクタンクまたはインクカートリッジともいう)は、装着部140から離れて設けられる。インク供給部145は、インクを貯蔵する。インク供給部145は、貯蔵されたインクをマルチノズルヘッド150にインクを供給する。
【0035】
マルチノズルヘッド150は、インク供給部145および装着部140から離れて設けられる。図2Aは、マルチノズルヘッド150の平面図である。図2Bは、液滴吐出ノズル153を拡大した上面図である。図2Cは、液滴吐出ノズル153を拡大した断面図である。図2Aに示すように、マルチノズルヘッド150は、プレート部151と、複数の液滴吐出ノズル153を含む。プレート部151は、平坦状に設けられる。液滴吐出ノズル153は、プレート部151に設けられる。液滴吐出ノズル153には、静電吐出型のインクジェットノズルが用いられる。図2Bおよび図2Cに示すように、液滴吐出ノズル153は、先端部153aに向かって先細る形状を有して形成される。マルチノズルヘッド150は、マルチノズルプレートともいう。本実施形態では、マルチノズルヘッド150に対して電源部125から印加された電圧によりインク供給部145に保持された液体がマルチノズルヘッド150のうち液滴吐出ノズル153の先端部153aから液滴として対象物220の方向(第3方向D3)に吐出される。
【0036】
図2Aに示すように、マルチノズルヘッド150において、複数の液滴吐出ノズル153は、一列に(具体的には第1方向D1に)並んで設けられる。なお、複数の液滴吐出ノズル153は、一列に並んで設けられる場合に限定されず、2次元(具体的には第1方向D1および第1方向D1に交差する第2方向D2)に並んで設けられてもよいし、点在して設けられてもよい。
【0037】
また、マルチノズルヘッド150は、装着部140から交換可能に設けられる。これにより、形成したいパターンに応じて適切なノズル配置を有するマルチノズルヘッド150を用いることができる。
【0038】
検査部160は、装着部140に装着されたマルチノズルヘッド150の傾きを検査する。この例では、検査部160は、マルチノズルヘッド150における隣接する液滴吐出ノズル153の先端部153aの傾きを検査する。このとき、検査部160は、基準面に対する一列に並んだ液滴吐出ノズル153の先端部153aの傾きを検査する。基準面は、対象物220であってもよいし、あらかじめ設定された面であってもよい。マルチノズルヘッド150の傾きは、平行度として定義してもよい。この例では、検査部160には、撮像装置が用いられる。具体的には、検査部160には、CCD(Charge Coupled Device)方式のカメラまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)方式のカメラが用いられる。検査部160で取得された情報は、制御部110および記憶部120に送られる。
【0039】
表示部170は、制御部110の制御に基づいて、制御情報(文字情報または画像情報)を表示する。このとき、表示部170は、GUI(Graphical User Interface)を介して制御情報を表示してもよい。また、表示部170は、マルチノズルヘッド150の傾き情報を表示する。
【0040】
操作部180は、操作可能な部材を含む。例えば、操作部180には、ボタン、レバーおよびテンキーなどが用いられる。操作部180を用いて上下左右への移動、押圧、または回転などの動作、または数値の入力がなされることにより、その動作に基づく情報が制御部110に取得される。なお、表示部170が操作部180の機能を有する場合には、表示部170はタッチパネルとして用いられてもよい。
【0041】
調整部190は、マルチノズルヘッド150の傾きを調整する。具体的には、調整部190は、マルチノズルヘッド150の液滴吐出ノズル153の先端部153aの傾きを調整する。
【0042】
調整部190は、第1調整部191、第2調整部193、および第3調整部195を含む。第1調整部191は、マルチノズルヘッド150を第1回動軸Ax1に対して回動させる。第2調整部193は、マルチノズルヘッド150を第2回動軸Ax2に対して回動させる。第3調整部195は、マルチノズルヘッド150を第3回動軸Ax3に対して回動させる。第1回動軸Ax1、第2回動軸Ax2、および第3回動軸Ax3は、それぞれ交差する。第1回動軸Ax1は、第1方向D1(液滴吐出装置100の奥行方向)と対応する。第2回動軸Ax2は、第2方向D2(液滴吐出装置100の横方向)と対応する。第3回動軸Ax3は、第3方向D3(地面に対して垂直方向)と対応する。第1調整部191および第2調整部193には、ゴニオステージが用いられる。第3調整部195には、θステージが用いられる。
【0043】
対象物保持部200は、対象物220を保持する機能を有する。対象物保持部200は、この例ではステージが用いられる。対象物保持部200が対象物220を保持する機構は特に制限されず、一般的な保持機構が用いられる。この例では、対象物220は、対象物保持部200に真空吸着している。なお、これに限定されず、対象物保持部200は固定具を用いて対象物220を保持してもよい。
【0044】
図3は、制御部110における機能ブロック図である。図3に示すように、制御部110は、機能部として取得部111、検査処理制御部113、調整処理制御部115、判定部117、および送信部119を含む。
【0045】
取得部111は、各装置から送信された情報を取得する機能を有する。
【0046】
検査処理制御部113は、検査部160による検査処理を制御する機能を有する。
【0047】
調整処理制御部115は、調整部190による調整処理を制御する機能を有する。
【0048】
判定部117は、調整部190によって調整されたマルチノズルヘッド150の傾きが正しい傾きであるかを判断する。具体的には、検査部160が、調整後のマルチノズルヘッド150の液滴吐出ノズル153の先端部153aを撮像する。判定部117は、撮像された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像が、登録された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像と比べて同一かどうかを判定する。
【0049】
送信部119は、各装置に対して各種制御情報(指示情報)を送信する。
【0050】
(1-2.マルチノズルヘッドの調整方法)
以下に、図面を用いて液滴吐出装置におけるマルチノズルヘッド150の調整方法を説明する。図4は、液滴吐出装置におけるマルチノズルヘッド150の調整方法のフロー図である。
【0051】
まず、ユーザがマルチノズルヘッド150を装着部140に装着する。このとき、ユーザは、マルチノズルヘッドが装着部140に装着したことを、操作部180を介して入力してもよい(例えば、装着完了ボタンを押下する)。マルチノズルヘッド150が装着部140に装着された情報は、制御部110の取得部111に送信され、取得部は、マルチノズルヘッドの装着情報を取得する(S110)。
【0052】
次に、制御部110の検査処理制御部113は、マルチノズルヘッド150が装着部140に装着された情報に基づいて、検査処理を実行する(S120)。この場合、検査処理制御部113は、検査部160にマルチノズルヘッド150を検査する指示情報を送信する。検査部160は、受信した指示情報に基づいてマルチノズルヘッドを検査する。具体的には、検査部160は、マルチノズルヘッド150のうち液滴吐出ノズル153の先端部153aを撮像することにより、隣接する液滴吐出ノズル153の先端部153aとの位置関係を検査する。撮像された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像は、制御部110に送信される。制御部110の送信部119は、液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像を表示部170に送信する。表示部170は、撮像された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像を表示する。このとき、基準となる方向(第1方向D1、第2方向D3、または第3方向D3)に対して隣接する液滴吐出ノズル153の傾きを数値で表示してもよい。
【0053】
表示部170に表示されたマルチノズルヘッド150の液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像をもとに、ユーザは操作部180を介してマルチノズルヘッド150を動かすための情報を入力してもよい。入力された情報は、制御部110の取得部111によって取得される(S130)。
【0054】
次に、制御部110の調整処理制御部115は、入力された情報に基づいて、マルチノズルヘッド150の調整処理を実行する(S140)。この場合、調整処理制御部115は、調整部190にマルチノズルヘッド150(液滴吐出ノズル153の先端部153a)を調整する指示情報を送信する。調整部190は、受信した指示情報に基づいてマルチノズルヘッド150の傾きを調整する。この場合の傾きは、マルチノズルヘッド150の第1方向D1、第2方向D2、および第3方向D3に対する傾きを含む。
【0055】
検査処理制御部113は、調整処理に併せて検査部160にマルチノズルヘッド150の検査指示情報を送信してもよい。この例では、検査部160は、マルチノズルヘッド150のうち液滴吐出ノズル153の先端部153aを撮像する。撮像された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像は、制御部110に送信される。このとき、制御部110の取得部111は、調整後のマルチノズルヘッド150の傾き情報を取得する。制御部110の送信部119は、マルチノズルヘッド150の傾き情報(液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像)を表示部170に送信する。表示部170は、マルチノズルヘッド150の傾き情報(撮像された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像)を表示する。
【0056】
次に、制御部110の判定部117は、判定処理を実行する(S150)。具体的には、判定部117は、取得された調整後のマルチノズルヘッド150の傾き情報(液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像、第1情報ともいう)と、予め登録されたマルチノズルヘッドの傾き情報(液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像、第2情報ともいう)とを比較する。その結果、調整後のマルチノズルヘッド150の傾きが設定傾きに対して不適合の場合(S160;No)、S140に戻って処理をループしてもよい。一方、調整後のマルチノズルヘッド150の傾きが設定された傾きに適合する場合(S160;Yes)、調整処理が完了する。このとき、制御部110は、表示部170にマルチノズルヘッド150の傾き調整が完了したことを表示するための指示情報を送信する。このとき、表示部170は、受信した情報に基づいて、マルチノズルヘッド150の傾き調整が完了したこと知らせる情報を表示する。
【0057】
図5Aは、調整前のマルチノズルヘッドの模式図である。図5Bは、調整後のマルチノズルヘッドの模式図である。図5Aおよび図5Bに示すように、マルチノズルヘッド150が装着部140に装着された時にマルチノズルヘッド150の傾きが所定の傾きからずれていたとしても、マルチノズルヘッド150の傾きを適正な傾きに調整することができる。
【0058】
本実施形態を用いることにより、従来の静電吐出型の液滴吐出装置では実施されなかったマルチノズルヘッドの交換作業を行った場合においても、安定して液滴を吐出することができる。
【0059】
また、本実施形態を用いることにより、装着部140に形状不良がある場合においても、その影響を軽減することができる。そのため、安定して液滴を吐出することができる。
【0060】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態とは異なる液滴吐出装置について説明する。具体的には、複数の検査部が設けられている例について説明する。なお、説明の関係上、適宜部材を省略して説明する。
【0061】
図6は、液滴吐出装置100Aの模式図である。図6に示すように、液滴吐出装置100Aは、制御部110、記憶部120、電源部125、駆動部130、装着部140、インク供給部145、マルチノズルヘッド150、検査部160A、表示部170、操作部180、調整部190、対象物保持部200、および筐体210を含む。
【0062】
図6に示すように、本実施形態では、検査部160Aは複数の検査部を含む。具体的にはマルチノズルヘッド150の第1方向D1に対応して検査部160A-1が設けられる。マルチノズルヘッド150の第2方向D2に対応して検査部160A-2が設けられる。マルチノズルヘッド150の第3方向D3に対応して検査部160A-3が設けられる。
【0063】
また、本実施形態の場合、液滴吐出ノズル153が配置される方向に液滴を吐出することにより形成されたパターンを用いて評価してもよい。図7Aおよび図7Bは、液滴を吐出する方向を説明する図である。液滴吐出ノズル153が傾いているとき、図7Bに示すように、形成されたパターンの線幅が大きくなる。そのため、図7Aに示すように、吐出される液滴により形成されたパターンの線幅が最小となるようにマルチノズルヘッド150の第3方向D3に対する傾きを調整することが望ましい。パターンの線幅は、検査部160A-3によって評価される。検査部160A-3には、光学顕微鏡や、電子顕微鏡など用いられてもよい。また、検査部160A-3に限定されず、パターンの線幅は、ほかの場所に設けられた検査部を用いて評価されてもよい。
【0064】
したがって、本実施形態を用いることにより、マルチノズルヘッド150の傾き(位置)をより高い精度で調整することができる。
【0065】
<第3実施形態>
本実施形態では、第2実施形態とは異なる液滴吐出装置について説明する。具体的には、検査部として撮像装置が設けられるだけではなく、レーザセンサが設けられる例について説明する。なお、説明の関係上、適宜部材を省略して説明する。
【0066】
図8は、液滴吐出装置100Bの模式図である。図8に示すように、液滴吐出装置100Bは、制御部110、記憶部120、電源部125、駆動部130、装着部140、インク供給部145、マルチノズルヘッド150、検査部160A、表示部170、操作部180、調整部190、対象物保持部200、および筐体210に加えて検査部161を含む。検査部161には、レーザセンサが用いられる。
【0067】
図9は、検査部161とマルチノズルヘッド150との関係を示す模式図である。検査部161のレーザ照射部は、マルチノズルヘッド150に対向するように上向きに配置される。検査部161は、マルチノズルヘッド150の四隅(プレート部151)と、検査部161との間の距離Dを測定してもよい。測定された値は、制御部110にフィードバックされる。調整処理制御部115は、四隅における距離Dが同じとなるようにマルチノズルヘッド150の傾きを調整する。本実施形態を用いることにより、マルチノズルヘッド150の第1方向D1および第2方向D2に対する傾きをより高い精度で調整することができる。
【実施例0068】
以下に、マルチノズルヘッドの傾き調整方法の実施例について説明する。
【0069】
図10は、本実施例に用いられたマルチノズルヘッドの写真である。本実施例において、マルチノズルヘッドには100個×4行=400個の液滴吐出ノズルが設けられる。
【0070】
図11Aは、検査部160によって撮像された調整前のマルチノズルヘッド150の画像である。図11Bは、第1調整部191を用いて調整した後のマルチノズルヘッド150の画像である。この例では、画面上側に液滴吐出ノズルの実像、画面下側に液滴吐出ノズルの虚像が確認される。第1調整部191は、第1回動軸Ax1に対してマルチノズルヘッド150を回動させる。これにより、図11Aにおいて、右側の液滴吐出ノズルが見えなくなっていたものが、図11Bに示すように左右両側の液滴吐出ノズルを確認することができる。
【0071】
図12Aは、検査部160によって撮像された調整前のマルチノズルヘッド150の画像である。図12Aにおいて、虚像側は根本まで確認できるのに対し、実像側は先端がわずかに確認される。図12Bは、第2調整部193を用いてマルチノズルヘッド150の傾きを調整した時の画像である。第2調整部193は、第2回動軸Ax2に対してマルチノズルヘッド150を回動させる。第2調整部193によりマルチノズルヘッド150の傾きを調整することにより図12Bに示すように、実像と虚像がほぼ同じように確認することができる。
【0072】
図13Aは、検査部160によって撮像された調整前のマルチノズルヘッド150の画像である。図13Bは、第3調整部195を用いてマルチノズルヘッド150の傾きを調整した時の画像である。第3調整部195は、第3回動軸Ax3に対してマルチノズルヘッド150を回動させる。これにより、図13Aにおいて画像のピントが合っていないものが、図13Bに示すように、液滴吐出ノズルの画像のピントを合わせることができる。
【0073】
図14Aは、調整前のマルチノズルヘッド150により形成されたパターンの画像である。図14Bは、第3調整部195を用いてマルチノズルヘッド150の傾きを調整した時の画像である。第3調整部195は、第3回動軸Ax3に対してマルチノズルヘッド150を回動させる。これにより、図14Aに示される、調整前に形成されたパターン線幅(81.9μm)に比べて図14Bに示すように調整後に形成されたパターン線幅が細くなることが確認された(67.8μm)。
【0074】
以上より、本発明の一実施形態を用いることにより、交換可能なマルチノズルヘッドを装着した場合において、マルチノズルヘッド(液滴吐出ノズル)を適正な位置および向きに調整することができる。これにより、交換されるマルチノズルヘッドを用いて安定して液滴を吐出することができる。
【0075】
(変形例)
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、各実施形態の組み合わせ若しくは設計変更を行ったもの、又は、処理の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0076】
本発明の第1実施形態では、検査処理と調整処理が異なるタイミングで行われる例を示したが、これに限定されない。検査処理と調整処理は、同時になされてもよい。また、検査処理および判定処理も同時に行われてもよい。
【0077】
本発明の第1実施形態では、検査部160として撮像装置が用いられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。検査部160は、変位センサ、傾きセンサであってもよいし、角度センサなどの傾き情報を検査可能な装置が適宜用いられてもよい。各センサには、レーザが用いられてもよい。
【0078】
本発明の第1実施形態では、装着部140に装着されたマルチノズルヘッド150の傾きを調整する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、マルチノズルヘッド150が使用されて、マルチノズルヘッドの液滴吐出ノズルが所定の条件を満たすときに、制御部110は表示部170にマルチノズルヘッドの交換を要求する交換要求情報を表示部170に送信してもよい。このときの所定の条件は、液滴吐出ノズルが閉塞することであってもよいし、吐出パターンの撮像結果であってもよい。これにより、マルチノズルヘッドの状態を検知することでき、液滴の吐出不良を防止することができる。
【0079】
本発明の第1実施形態では、判定部117は、撮像された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像が、登録された液滴吐出ノズル153の先端部153aの画像と比べて同一かどうかを判定する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、液滴吐出ノズル153の先端部153aの傾き情報を数値化してもよい。これにより、より正確にマルチノズルの傾きを調整することができる。
【0080】
本発明の第1実施形態では、ユーザが操作部180を操作したときに、調整部190がマルチノズルヘッド150を調整する例が示されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部110は、検査結果に応じてマルチノズルヘッド150が設定された傾きに配置されるように、調整部190に指示情報を送信してもよい。これにより、マルチノズルヘッド150の傾きを自動で調整することができる。
【符号の説明】
【0081】
100・・・液滴吐出装置,110・・・制御部,111・・・取得部,113・・・検査処理制御部,115・・・調整処理制御部,117・・・判定部,119・・・送信部,120・・・記憶部,125・・・電源部,130・・・駆動部,140・・・装着部,145・・・インク供給部,150・・・マルチノズルヘッド,151・・・プレート部,153・・・液滴吐出ノズル,153a・・・先端部,160・・・検査部,161・・・検査部,170・・・表示部,180・・・操作部,190・・・調整部,191・・・第1調整部,193・・・第2調整部,195・・・第3調整部,200・・・対象物保持部,210・・・筐体,220・・・対象物
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B