(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159934
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】歯科補綴装置
(51)【国際特許分類】
A61C 13/007 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
A61C13/007
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069868
(22)【出願日】2022-04-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔集会名〕 公益社団法人日本補綴歯科学会第131回学術大会の講演抄録のウェブサイト掲載 〔掲載年月日〕 令和4年4月20日
(71)【出願人】
【識別番号】593190951
【氏名又は名称】中野田 紳一
(74)【代理人】
【識別番号】100142941
【弁理士】
【氏名又は名称】京和 尚
(72)【発明者】
【氏名】中野田 紳一
(72)【発明者】
【氏名】窪木 拓男
(72)【発明者】
【氏名】小林 健一郎
(57)【要約】
【課題】 部分床義歯においては、模型を用いる従来法から脱却できていない。そこで、本発明では、構成要素同士の組み合わせ部分の形状を改善することで、模型を用いることなく、それらを組み合わせることのみで構成要素同士の位置及び方向が定まる歯科補綴装置を提供する。
【解決手段】 構成要素として少なくとも、人工歯部品21~26と、義歯床部品30~33と、各種部品40と、を備える歯科補綴装置20であって、前記構成要素のうち少なくとも2つの構成要素が組み合わされた際に、当該2つの構成要素同士が接触することで少なくとも3本の相互に平行な接触線が形成され、前記2つの構成要素は互いに前記接触線の方向の並進自由度のみを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素として少なくとも、人工歯部品と、義歯床部品と、各種部品と、を備える歯科補綴装置であって、
前記構成要素のうち少なくとも2つの構成要素が組み合わされた際に、当該2つの構成要素同士が接触することで少なくとも3本の相互に平行な接触線が形成され、前記2つの構成要素は互いに前記接触線の方向の並進自由度のみを有する歯科補綴装置。
【請求項2】
前記2つの構成要素同士が接触することで接触面が形成され、当該接触面内に前記接触線が含まれる、請求項1に記載された歯科補綴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石膏材料や積層造形されたレジン材料などによって製作された口腔内模型(以下、「模型」という。)を使うことなく構成要素同士を組み立て可能な歯科補綴装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科補綴装置のうち可撤性義歯は、全部床義歯と部分床義歯とに大別できる。従来は、歯科補綴装置の製作にあたって、義歯を構成する人工歯部品、義歯床部品等の構成要素をそれぞれ別々に製作したのち、患者の模型(作業用模型)上にこれらの構成要素を配置することで相互の位置及び方向を確定したうえで、接着のためのレジンを用いて構成要素同士を連結していた。
【0003】
ところで、近年、患者の口腔内を口腔内スキャナで3次元計測することで、口腔内デジタルデータ(デジタル模型)を構築したうえで、CAD/CAMの技術を用いてコンピュータ上で歯科補綴装置を設計するようになってきた。そして、NC工作機械による切削加工や3Dプリンタによる積層造形などの方法で歯科補綴装置の構成要素を製作するデジタル化が進んできた。(例えば、特許文献1及び非特許文献1)
【0004】
特に、全部床義歯では、構成要素である人工歯部品、義歯床部品のすべてがレジン部品である場合には、模型を使うことなく全部床義歯を完成させる、完全デジタル化した歯科補綴装置の製作方法が知られている。
【0005】
一方、部分的に欠損した歯を補う補綴装置として、古くから部分床義歯が活用されてきた。部分床義歯では、人工歯部品、義歯床部品、の他に金属部品やセラミック部品である各種部品がその維持格子によって他者と一体化される。各種部品には、レスト、大連結子、小連結子、クラスプ、隣接面板が相当する。部分床義歯でも、各種部品をデジタル法にて製作することができる。すなわち、CAD/CAMの技術で各種素材をNC加工法や積層造形法などによって機械加工することや、機械加工した鋳造原型を鋳造することなどで製作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-24992号公報(段落番号0066~0067、
図6及び
図7)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】日補綴会誌、14巻1号(2022)p.18~p.24「部分床義歯のデジタル化に関する文献レビュー」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、次の工程として、模型上に配置固定した各種部品を模型ごと埋没してレジン材料を填入することですべての構成要素同士を接着する作業が必須となっている。このように、部分床義歯では、各種部品とその他の構成要素とを未だに模型を使って組み立てる必要がある。
【0009】
以上のように、デジタル化が進んでいる歯科補綴装置であるが、部分床義歯においては、未だに模型を用いる従来法から脱却できていない。そこで、本発明では、構成要素同士の組み合わせ部分をデジタル技術に適応する形状とすることで、模型を用いることなく構成要素同士を組み立て可能な歯科補綴装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明に係る歯科補綴装置は、構成要素として少なくとも、人工歯部品と、義歯床部品と、各種部品と、を備える歯科補綴装置であって、前記構成要素のうち少なくとも2つの構成要素が組み合わされた際に、当該2つの構成要素同士が接触することで少なくとも3本の相互に平行な接触線が形成され、前記2つの構成要素は互いに前記接触線の方向の並進自由度のみを有することを特徴とする。
【0011】
第1の発明に係る歯科補綴装置は、前記構成要素のうち少なくとも2つの構成要素が組み合わされた際に、当該2つの構成要素同士が接触することで少なくとも3本の相互に平行な接触線が形成され、前記2つの構成要素は互いに前記接触線の方向の並進自由度のみを有するため、当該2つの構成要素同士を組み合わせた際の位置と方向が一義的に決定される。そのため、模型を使うことなく、当該2つの構成要素同士を組み立てることができる。言い換えると、レジン部品に金属部品を正確に装填、固定、連結することができる。
【0012】
第2の発明に係る歯科補綴装置は、前記2つの構成要素同士が接触することで接触面が形成され、当該接触面内に第1の発明に係る前記接触線が含まれることを特徴とする。
【0013】
第2の発明に係る歯科補綴装置は、前記2つの構成要素同士が接触することで接触面が形成され、当該接触面内に第1の発明に係る前記接触線が含まれることで、当該2つの構成要素同士を組み合わせた際の位置と方向が一義的に決定される。そのため、模型を使うことなく、当該2つの構成要素同士を組み立てることができる。さらに、当該2つの構成要素同士が面接触するので、当該2つの構成要素同士を少量のレジン材料で接着することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の歯科補綴装置では、金属部品である各種部品を構成要素とする部分床義歯においても、模型を用いることなく構成要素同士の組み合わせ位置と方向を確定できる。歯科補綴装置製作の完全デジタル化が実現できるため、製造工数低減が図れ、患者来院回数低減にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の発明に係る歯科補綴装置における、2つの構成要素の接触状態を説明する模式図である。
【
図2】第1の発明に係る歯科補綴装置における、2つの構成要素が接触線の方向に並進し互いに分離した状態を説明する模式図である。
【
図3】第2の発明に係る歯科補綴装置における、2つの構成要素が接触線の方向に並進し互いに分離した状態を説明する模式図である。
【
図4】実施例1に係る部分床義歯を説明する構成要素分解斜視図である。
【
図6】完成した部分床義歯の右半分の斜視図である。
【
図7】実施例2に係る部分床義歯の構成要素斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る歯科補綴装置7における、2つの構成要素の接触状態を説明するための模式図である。
図1に示すように第1の構成要素1を実線で表し、第2の構成要素2を2点鎖線で表している。
【0017】
第1の構成要素1と第2の構成要素2が組み合わされた際に、第1の構成要素1と第2の構成要素2とが接触することで接触線3、接触線4、接触線5が形成されている。接触線3、接触線4、接触線5は、相互に平行となっている。なお、矢印6は、3本の接触線(3~5)に平行な直線であって、2つの構成要素同士が有する並進自由度の方向を示している。
【0018】
図2は、第1の実施の形態に係る歯科補綴装置7における、第1の構成要素1と第2の構成要素2とが互いに分離した状態を説明するための模式図である。
図2に示すように、3本の相互に平行な接触線が形成されることにより、第1の実施の形態に係る歯科補綴装置7は、接触線の方向(矢印6の方向)の並進自由度のみを有している。
【0019】
このように、歯科補綴装置7を構成する、第1の構成要素1と第2の構成要素2について組み合わされた際に、当該2つの構成要素同士が接触することで少なくとも3本の相互に平行な接触線3、4、5が形成されるように、第1の構成要素1と第2の構成要素2の形状を決定すると、接触線の方向の並進自由度のみを有するようにできる。すなわち、第1の構成要素1と第2の構成要素2を組み合わせた際の位置と方向が一義的に決定される。そのため、模型を使うことなく、当該2つの構成要素同士を組み立てることができる。
【0020】
第1の実施の形態に係る歯科補綴装置7では、
図1と
図2で示したように、第1の構成要素1と第2の構成要素2とが接触することで形成された3本の接触線3、4、5がほぼ同じ長さとなる場合を説明した。しかし、3本の接触線の長さは、相違するものであっても支障ない。また、接触線の長さは短いものでも良く、構成要素同士が接触線の方向の並進自由度のみを有するようになれば良い。
【0021】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る歯科補綴装置14における、第3の構成要素10と第2の構成要素2とが互いに分離した状態を説明するための模式図である。
図3に示すように、2つの構成要素2、10同士が接触することで接触面11(12、13)が形成され、当該接触面11(12、13)内に接触線3(4、5)が含まれることで、第2の実施の形態に係る歯科補綴装置14は、接触線の方向(矢印6の方向)の並進自由度のみを有している。
【0022】
このように、歯科補綴装置14を構成する、第3の構成要素10と第2の構成要素2の形状を、組み合わされた際に、当該2つの構成要素同士が接触することで接触面11(12、13)が形成されるように、第3の構成要素10と第2の構成要素2の形状を決定すると、接触線の方向の並進自由度のみを有するようにできる。すなわち、第3の構成要素10と第2の構成要素2を組み合わせた際の位置と方向が一義的に決定される。そのため、模型を使うことなく、当該2つの構成要素同士を組み立てることができる。
【0023】
なお、
図3に示した第3の構成要素10と第2の構成要素2とは、機械工学における「いんろう継手」のうち、回転自由度を有しない「いんろう継手」を構成していると捉えることができる。
【0024】
第1の実施の形態と第2の実施の形態では、理解を容易にするため、本発明に係る歯科補綴装置の2つの構成要素のうち、一方の構成要素が他方の構成要素にすっぽりと嵌り込む例を説明した。しかし、これは一例であって、一方の構成要素の一部が凸部(オス部)、他方の構成要素の一部が凹部(メス部)となっていても良いことはもちろんである。この場合、凸部(オス部)と凹部(メス部)との組合せ部分が、第1の実施の形態、又は、第2の実施の形態であれば良い。
【実施例0025】
以下、より具体的な実施例1に係る部分床義歯20について、
図4、
図5、
図6を用いて説明する。
【0026】
実施例1に係る部分床義歯20は、一回法にてすべての部品を組み立てたのち、接着性レジンや接着のための常温重合レジンですべての接合面を接着すればよい。最後に咬合調整を行うなどして、通法に従って部分床義歯20を製作することができる。
【0027】
図4は、実施例1に係る部分床義歯20を説明する構成要素分解斜視図である。部分床義歯20は、下顎左側臼歯部3本の人工歯部品21、22、23、下顎右側臼歯部3本の人工歯部品24、25、26、左側義歯床研磨面部30、左側義歯床粘膜面部31、右側義歯床研磨面部32、右側義歯床粘膜面部33、各種部品40、がその構成要素となっている。
【0028】
部分床義歯20の上記構成要素は、口腔内スキャナを用いて光学的に印象採得を行ったのち、顎位を採得することで、通法にしたがってデジタル技術を用いて製作する。
【0029】
人工歯部品21~26は、CAD/CAMの技術を用いて、患者個々の要望を満たす形状に設計され、切削加工または積層造形してもよい。なお、人工歯部品21~26は、既成人工歯であってもよい。人工歯部品21~26の形状は、1つ1つの部位が独立した単独歯を用いてもよいし、2歯以上の部位が連結されていてもよい。
【0030】
義歯床研磨面部30、32、及び義歯床粘膜面部31、33についても、CAD/CAMの技術を用いて、切削加工または積層造形により製作できる。なお、義歯床研磨面部30、32は、人工歯部品21~26が配置される土台である。義歯床研磨面部30、32には、人工歯部品21~26を埋入するためのソケット34~39が形成されている。これら部材には公知の各種医用レジン材料を用いることができる。
【0031】
各種部品40は、例えば、医用金属材料を用いた公知のロストワックス鋳造法によって製作される。
【0032】
図5は、
図4のA部詳細図であって、左側義歯床粘膜面部31と各種部品40との組合せ部分を説明する図である。左側義歯床粘膜面部31には、複数の接触面41、42、43、44、・・・が形成されている。これらの接触面41、42、43、44、・・・には、相互に平行な接触線が含まれている。また、各種部品40には、左側義歯床粘膜面部31の接触面に対応する複数の接触面45、46、47、48、・・・が形成されている。これらの接触面45、46、47、48、・・・にも、相互に平行な接触線が含まれている。
【0033】
これにより、左側義歯床粘膜面部31と各種部品40とは、互いに接触線の方向50の並進自由度のみを有している。そのため、左側義歯床粘膜面部31と各種部品40とを組み合わせた際の位置と方向が一義的に決定される。すなわち、模型を使うことなく、左側義歯床粘膜面部31と各種部品40を組み立てることができる。
【0034】
左側義歯床粘膜面部31と各種部品40とを接着するため、組み立ての際に両者の接触面にレジン材料を填入する。
図5に示すように、左側義歯床粘膜面部31と各種部品40とが密着した状態で組み合わされるため、外部に露出する接着用のレジン材料を微少にすることができる。
【0035】
図6は、完成した部分床義歯20の左半分の斜視図である。左側義歯床粘膜面部31と左側義歯床研磨面部30で金属部品の各種部品40(維持格子)を挟み込む(サンドイッチ)するように固定することによって、人工歯部品21~23を含むすべての部品を同時に製作し、かつそれぞれに設置された平行な接触線に沿ってすべての部品を容易に組み立て連結することができる。
【0036】
すなわち、部分床義歯20の構成要素、下顎の左側奥歯となる3本の人工歯部品21、22、23、左側義歯床研磨面部30、左側義歯床粘膜面部31、各種部品40を、模型を用いることなく組み立て、接着し、完成することができる。
【0037】
(着脱方向誘導軸)
義歯床研磨面部と義歯床粘膜面部との組み立てに際して有用な着脱方向誘導軸と着脱方向誘導穴について、以下、実施例1における左側義歯床研磨面部30、左側義歯床粘膜面部31を例に説明する。
【0038】
図4に示すように、左側義歯床粘膜面部31には、着脱方向誘導軸51と着脱方向誘導軸52が左側義歯床研磨面部30の方向に向けて立設されている。また、左側義歯床研磨面部30には、着脱方向誘導穴53と着脱方向誘導穴54が、着脱方向誘導軸51と着脱方向誘導軸52に対応する位置に明けられている。着脱方向誘導軸51と着脱方向誘導穴53とが組み合わされ、かつ、着脱方向誘導軸52と着脱方向誘導穴54とが組み合わされた際には、第2の実施の形態における第3の構成要素10と第2の構成要素2と同様に、接触線の方向の並進自由度のみを有する。
【0039】
左側義歯床粘膜面部31と左側義歯床研磨面部30との組み立ての際には、着脱方向誘導穴53(54)の上部から着脱方向誘導軸51(52)の先端位置を確認することができる。そのため、着脱方向誘導軸51(52)を参考にすれば、正確に両者を位置づけることができるだけでなく、特に浮き上がりの度合いを良く観察することができる。なお、右側義歯床研磨面部32、右側義歯床粘膜面部33においても、全く同様に着脱方向誘導軸と着脱方向誘導穴が備えられている。
【0040】
通常行われる患者の口腔内へのトライインの後は、一度すべての構成要素を製作者が預かり、歯科技工所にてレジン材料を加熱重合して一体化し、製作された部分床義歯を研磨して完成する方法が一般的である。しかし、実施例1に係る部分床義歯20は、そのまま即日、患者の口腔内で機能し始めることになり、患者の来院回数の低減につなげることができる。
【0041】
以上のように、本発明の歯科補綴装置によれば、人工歯部品が接着された義歯床研磨面部と、金属部品が接着された義歯床粘膜面部のすべてを歯科技工所で同時に製作して一体化すれば、即日機能する部分床義歯を提供することができる。
そのため、義歯床粘膜面部61と各種部品62とを組み合わせた際の位置と方向が一義的に決定される。すなわち、模型を使うことなく、義歯床粘膜面部61と各種部品62を組み立てることができる。各部品の接合においては、接着のためのレジンのほとんどを内包させることができるため、常温重合レジンの外部への露出が最少となる。
従来、部分床義歯の製作工程には、模型を使った型ごと埋没法によるレジン重合法があり、デジタル化が進んでいる近年の義歯製作方法においても、デジタル化の連続性が欠けた工程として、これまで解決されることなく介在していた。ところが、実施例1及び実施例2に示したように、本発明によれば、従来法を排した部分床義歯の完全デジタル製作方法の提案が可能になる。
本発明の歯科補綴装置によれば、組み立て前に歯科補綴装置の完成後や術後の状態を確認し、最善の臨床結果までの過程を疑似体験することができる。この体験を通じて個々に対処しなければならない問題点や、解決しなければならない課題について前もって検討することは、的確な臨床診断と製作者に対する客観的な指示を行うことを助ける極めて重要なプロセスとなる。本発明によって、従来、優れた判断力と熟練した製造技術の試行錯誤をもってしたこのプロセスを、CAD/CAMの技術を使って誰でもが行うことが可能となる。
さらに、本発明の歯科補綴装置によれば、部分床義歯製作時におけるこれまでの過渡期的な無駄な労力を省くことで従来の歯科補綴装置の製作法を簡略化し、その経済性を高めることができる。
ここまで、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれら実施の形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能であり、また、全部床義歯においても、それは部分床義歯形状の欠損歯数が増加した結果とみなすことができることから、全部床義歯が金属やレジンの複合材料によって構成されるような、いわゆる金属床義歯の製作に対しても、本発明を適用可能であることは容易に想像することができる。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によって定められる。