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  • 特開-被洗浄物の洗浄方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159937
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】被洗浄物の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/04 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B08B3/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069875
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】390019884
【氏名又は名称】ジャパン・フィールド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000501
【氏名又は名称】翠弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】内野 正英
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB03
3B201AB33
3B201AB45
3B201BB02
3B201BB92
3B201CB01
(57)【要約】
【課題】
洗浄籠に複数の被洗浄物を収納して洗浄を行う場合であっても、当該複数の被洗浄物に傷がついたり被洗浄物が破損したりする事態を防止する。
【解決手段】
内部と外部とを連通可能とする連通穴15を備えたケース5に被洗浄物4を挿入配置した後、このケース5を洗浄籠1に収納し、当該洗浄籠1を洗浄槽13内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物4の洗浄作業を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部と外部とを連通可能とする連通穴を備えた複数のケースに被洗浄物を各々個別に挿入配置した後、上記各ケースを洗浄籠に収納し、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物を個別に隔離した状態で洗浄作業を行うことを特徴とする被洗浄物の洗浄方法。
【請求項2】
内部と外部とを連通可能とする連通穴を備えた筒状のケースに複数個の被洗浄物を並列に挿入するとともに、当該ケースを各被洗浄物ごとに仕切るための仕切り部材を、各被洗浄物の間に設けた後、このケースを洗浄籠に収納し、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物を個別に隔離した状態で洗浄作業を行うことを特徴とする被洗浄物の洗浄方法。
【請求項3】
内部と外部とを連通可能とする連通穴を備えた筒状のケースに複数個の被洗浄物を並列に挿入するとともに、この複数の被洗浄物の間隔には、軟弾性の緩衝材を配置し、このケースを洗浄籠に収納し、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物を個別に隔離した状態で洗浄作業を行うことを特徴とする被洗浄物の洗浄方法。
【請求項4】
ケース及び緩衝材は、被洗浄物の硬さよりも柔らかな材質であって、金属、布、樹脂、ゴム、紙、綿、木材、竹材、又はそれらの組み合わせから成ることを特徴とする請求項1、2,または3の被洗浄物の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の第一~第三発明は、機械部品、電子部品、医療機器等の被洗浄物に付着した汚れの除去を行うための、洗浄籠を用いた洗浄方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4086889号公報 従来より、特許文献1に示す如く、回転伝達機構を介して回転可能な洗浄籠に被洗浄物を収納した状態で、洗浄作業を行う方法が既に公知となっている。この洗浄方法では、洗浄籠に被洗浄物を複数収納するとともに、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置し、この洗浄槽内の洗浄液に浸漬させた状態で洗浄籠を回転させることにより、被洗浄物の洗浄を行うものである。
【0004】
しかしながら、上記の如く洗浄籠内に複数の被洗浄物を収納して当該洗浄籠を回転させた場合、この洗浄籠内の被洗浄物どうしが直接ぶつかり合うものとなるため、当該被洗浄物に傷がついたり破損したりするおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本願では上述の如き課題を解決するための被洗浄物の洗浄方法であって、洗浄籠に複数の被洗浄物を収納して洗浄を行う場合であっても、当該複数の被洗浄物に傷がついたり被洗浄物が破損したりする事態を防止可能にしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の如き課題を解決するため、本願の第一発明は、内部と外部とを連通可能とする連通穴を備えた複数のケースに被洗浄物を各々個別に挿入配置した後、上記各ケースを洗浄籠に収納し、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物を個別に隔離した状態で洗浄作業を行うものである。
【0007】
このように各ケースごとに被洗浄物を個別に挿入することにより、各被洗浄物どうしが洗浄籠内で直接ぶつかり合うことがないため、被洗浄物を効果的に保護することができる。
【0008】
本願の第二発明は、内部と外部とを連通可能とする連通穴を備えた筒状のケースに複数個の被洗浄物を並列に挿入するとともに、当該ケースを各被洗浄物ごとに仕切るための仕切り部材を、各被洗浄物の間に設けた後、このケースを洗浄籠に収納し、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物を個別に隔離した状態で洗浄作業を行うものである。このように筒状のケースに複数個の被洗浄物を挿入することにより、洗浄籠内に複数の被洗浄物を一度に挿入することができるため、作業の効率化を図ることができる。また上記の如く各被洗浄物の間に仕切り部材を設けることにより、被洗浄物どうしが直接ぶつかり合うことを効果的に防止することができる。
【0009】
また本願の第三発明は、内部と外部とを連通可能とする連通穴を備えた筒状のケースに複数個の被洗浄物を並列に挿入するとともに、この複数の被洗浄物の間隔には、軟弾性の緩衝材を配置し、このケースを洗浄籠に収納し、当該洗浄籠を洗浄槽内に配置するとともに回転させることにより、上記被洗浄物を個別に隔離した状態で洗浄作業を行うものである。このように被洗浄物の間隔に軟弾性の緩衝材を配置することにより、被洗浄物どうしが直接ぶつかり合うことを防ぐことが可能となる。
【0010】
またケース及び緩衝材は、被洗浄物の硬さよりも柔らかな材質であって、金属、布、樹脂、ゴム、紙、綿、木材、竹材、又はそれらの組み合わせから成るものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本願の第一~第三発明は上記の如く、被洗浄物をケースに収納した状態で洗浄籠に挿入配置するものである。そのため、洗浄籠を回転させて洗浄作業を行った場合でも、被洗浄物を個別に隔離した状態を保持することができるため、被洗浄物どうしが直接ぶつかり合う事態を防ぐことができることから、被洗浄物に傷をつけたり当該被洗浄物を破損したりするおそれがなく、当該被洗浄物を良好な状態に保ちながら洗浄作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願の第一発明を示す実施例1において被洗浄物を内部に配置した洗浄籠の斜視図。
図2】実施例1においてケース内に挿入配置された被洗浄物を示す概念図。
図3】実施例1~3に使用される洗浄装置全体を示す概念図。
図4】本願の第二発明を示す実施例2において、ケース内に挿入配置された複数の被洗浄物を示す概念図。
図5】実施例2において内部に被洗浄物を配置した洗浄籠の斜視図。
図6】本願の第三発明を示す実施例3において、複数の被洗浄物及び緩衝材を収納したケースの概念図。
【実施例0013】
本実施例について以下に説明すると、図1に示す如く、(1)は円筒状の洗浄籠である。この洗浄籠(1)は、筒状の周壁(2)と、この周壁(2)の両端に設けるとともにこの周壁(2)の直径よりも径大な円盤状の端壁(3)とから成るものであって、上記周壁(2)をメッシュ状に形成している。そしてこの洗浄籠(1)の内部には、複数の被洗浄物(4)を収納している。
【0014】
この被洗浄物(4)は、袋状に形成した布製のケース(5)内に、このケース(5)から離脱困難な状態で個別に挿入配置されている。このようにケース(5)を布にて形成しているため、当該ケース(5)には繊維の間に多数の連通穴(15)が形成された状態である。よって、この連通穴(15)を通じて洗浄液(6)がケース(5)の内外に流通可能な状態となっている。そしてこのケース(5)内に配置した被洗浄物(4)を洗浄籠(1)内に複数個挿入配置した状態で、図3に示す洗浄装置(7)の洗浄槽(13)内に配置し、被洗浄物(4)の洗浄を行う。
【0015】
この洗浄装置(7)について説明すると、この洗浄装置(7)の洗浄槽(13)に平板状の支持板(8)を挿入配置している。そして、この支持板(8)には以下に示す回転伝達機構(11)を備えるとともに、この回転伝達機構(11)から鉛直上方に延びる駆動軸(9)を、上記洗浄槽(13)の外方に配置した上下動機構(10)に接続したものである。そして上記支持板(8)の上方には、回転伝達ローラー(15)を介して洗浄籠(1)を水平方向に載置している。尚、本実施例及び以下の実施例2では布製のケース(5)を用いているが、他の異なる実施例ではこれに限らず、被洗浄物の硬さよりも柔らかな材質であれば、例えば金属、布、樹脂、ゴム、紙、綿、木材、竹材、又はそれらの組み合わせから成るものであっても良い。
【0016】
即ち上記支持板(8)上に、上記上下動機構(10)に連続する回転伝達機構(11)に接続した一対の回転伝達ローラー(12)を回転自在に配置している。そして、この一対の回転伝達ローラー(12)に、上記洗浄籠(1)の一対の端壁(3)をそれぞれ載置している。そして、上記回転伝達機構(11)を作動させて回転伝達ローラー(12)を回転させることにより、上記洗浄籠(1)を軸方向周りに回転可能としている。
【0017】
そして、上記洗浄槽(13)内に洗浄液(6)を貯留した状態で、上記の如く内部に被洗浄物(4)を収納した洗浄籠(1)を支持板(8)上に載置し、上記上下動機構(10)を作動させることにより、支持板(8)を上記洗浄槽(13)の底部(14)側に配置して上記洗浄液(6)に洗浄籠(1)を浸漬する。そして、上記回転伝達機構(11)を作動させることにより、回転伝達ローラー(12)が回転するものとなり、これに伴い洗浄籠(1)が回転する。これにより、洗浄籠(1)内に収納した被洗浄物(4)に物理的負荷を与えることができる。
【0018】
また、上記上下動機構(10)を作動させて支持板(8)を上下動させることにより、この上下動機構(10)に連続する支持板(8)が上下動するものとなる。そのため、洗浄籠(1)が上下動するものとなり、洗浄籠(1)内の被洗浄物(4)に洗浄籠(1)の上下動による物理的負荷を与えることができる。尚、このような回転による洗浄及び上下動による洗浄は、それぞれ別個に行うことも可能であり、また同時に行うことも可能である。
【実施例0019】
上記実施例1では、被洗浄物(4)をケース(5)に個別に挿入配置しているが、本実施例では一つのケース(21)に複数の被洗浄物(22)を挿入配置している。即ち、本実施例のケース(21)は図4に示す如く、細長い筒状で袋状に形成されたケース(21)内に、被洗浄物(22)を複数個並列に挿入している。このように複数個の被洗浄物(22)を一のケース(21)に収納することにより、図5に示す如く洗浄籠(23)内に複数の被洗浄物(22)を一度に挿入配置することができるため、作業の効率化を図ることができる。
【0020】
また、図4に示す如く、上記ケース(21)に並列に並べて挿入配置した複数の被洗浄物(22)の間には、当該被洗浄物(22)よりも直径が小さな環状の仕切り部材(24)を設けている。またこの仕切り部材(24)は、複数の被洗浄物(22)を挿入配置したケース(21)の外周に配置している。このように各被洗浄物(22)の間に仕切り部材(24)を設けることにより、洗浄時に当該仕切り部材(24)の存在によって隣り合う被洗浄物(22)どうしが直接ぶつかり合うことを防ぐことが可能となる。
【0021】
尚、洗浄籠(23)及び洗浄装置については上記実施例1と同じ図3に示す洗浄装置(7)を使用するものであって、洗浄方法についても上記実施例1と同様の方法にて行う。
【実施例0022】
また、上記実施例1、2ではケース(31)として袋状の布を用いているが、本実施例では筒状のケース(31)を用いている。本実施例について説明すると、本実施例のケース(31)は筒状であって樹脂材にて形成している。またこのケース(31)には複数の連通穴(33)が貫通形成されており、当該ケース(31)の内外において洗浄液(図示せず。)を流通可能なものとしている。そしてこの筒状のケース(31)には被洗浄物(34)を複数個並列に挿入するとともに、各被洗浄物(34)の間隔には、各々緩衝材(32)を配置している。
【0023】
この緩衝材(32)はゴムにて形成したものであって、上記の如くケース(31)内において隣接した被洗浄物(34)の間に配置されているため、これらの被洗浄物(34)どうしが直接ぶつかり合うことを防ぐことができる。そのため、被洗浄物(34)に傷をつけたり破損したりするおそれがなく、当該被洗浄物(34)を良好な状態に保ちながら洗浄作業を行うことが可能となる。尚、本実施例では上記の如く緩衝材(32)をゴムにて形成しているが、他の実施例ではこれに限らず、布、樹脂、紙、綿等で形成することも可能である。
【0024】
そして、上記ケース(31)を実施例1及び2と同様の洗浄籠(図示せず。)内に収納し、洗浄作業を行う。尚、洗浄籠及び洗浄装置については上記実施例1と同じ図3に示す洗浄装置(7)を使用するものであって、洗浄方法についても上記実施例1と同様の方法にて行う。
【符号の説明】
【0025】
1,23 洗浄籠
4,22,34 被洗浄物
5,21,31 ケース
13 洗浄槽
24 仕切り部材
32 緩衝材
15,33 連通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6