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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159946
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】クローラ走行装置および作業車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/30 20060101AFI20231026BHJP
   B62D 55/14 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B62D55/30
B62D55/14
B62D55/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069886
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】森 学
(72)【発明者】
【氏名】平田 基徳
(57)【要約】
【課題】テンションローラを移動させるときに、テンションローラがトラックローラと干渉することを防止できる、クローラ走行装置および作業車両を提供する。
【解決手段】クローラ62に張力を付与するテンションローラ56は、テンションフレーム54に支持されている。テンションフレーム54は、クローラ62が水平面に接地した状態でテンションローラ56から離れるにつれて上方に位置するように傾斜方向に延び、トラックフレーム11に傾斜方向に移動可能に支持されている。そのため、テンションフレーム54を傾斜方向のクローラ62の内面から離れる側、つまりクローラ62が水平面に接地した状態で斜め上方に移動させることにより、クローラ62に付与されている張力が緩まる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両に左右一対で設けられ、前記作業車両の機体を支持するクローラ走行装置であって、
トラックフレームと、
前記トラックフレームに前後方向に並べて設けられた複数のトラックローラと、
前記トラックフレームの前方または後方の一方に設けられたドライブローラと、
前記トラックフレームに支持されたテンションフレームと、
前記テンションフレームに支持され、前記トラックフレームの前方または後方の他方に設けられたテンションローラと、
前記トラックローラ、前記ドライブローラおよび前記テンションローラに巻き掛けられ、前記トラックローラにより接地した状態に保持され、前記ドライブローラから走行のための駆動力が伝達され、前記テンションローラにより張力が付与されるクローラと、を含み、
前記テンションフレームは、前記クローラが水平面に接地した状態で前記テンションローラから離れるにつれて上方に位置するように傾斜方向に延び、前記トラックフレームに前記傾斜方向に移動可能に支持されている、クローラ走行装置。
【請求項2】
前記トラックローラは、
円形の外周形状を有する内輪体と、
前記内輪体に対して左右方向の外側に間隔を空けて、前記内輪体と同心に設けられる外輪体と、
円筒状部分を有し、前記内輪体と前記外輪体とを連結するボスと、を備え、
前記テンションローラ側の最端の前記トラックローラは、前記クローラが水平面に接地した状態で、前記クローラに張力を付与している状態の前記テンションローラに対して前記ドライブローラ側の斜め下方に位置し、前記円筒状部分の中心が前記内輪体および前記外輪体に共通の中心線からずれている、請求項1に記載のクローラ走行装置。
【請求項3】
作業車両に左右一対で設けられ、前記作業車両の機体を支持するクローラ走行装置であって、
トラックフレームと、
前記トラックフレームに前後方向に並べて設けられた複数のトラックローラと、
前記トラックフレームの前方または後方の一方に設けられたドライブローラと、
前記トラックフレームに支持されたテンションフレームと、
前記テンションフレームに支持され、前記トラックフレームの前方または後方の他方に設けられたテンションローラと、
前記トラックローラ、前記ドライブローラおよび前記テンションローラに巻き掛けられ、前記トラックローラにより接地した状態に保持され、前記ドライブローラから走行のための駆動力が伝達され、前記テンションローラにより張力が付与されるクローラと、を含み、
前記トラックローラは、
円形の外周形状を有する内輪体と、
前記内輪体に対して左右方向の外側に間隔を空けて、前記内輪体と同心に設けられる外輪体と、
円筒状部分を有し、前記内輪体と前記外輪体とを連結するボスと、を備え、
前記テンションローラ側の最端の前記トラックローラは、前記クローラが水平面に接地した状態で、前記クローラに張力を付与している状態の前記テンションローラに対して前記ドライブローラ側の斜め下方に位置し、前記円筒状部分の中心が前記内輪体および前記外輪体に共通の中心線からずれている、クローラ走行装置。
【請求項4】
前記テンションローラ側の最端の前記トラックローラの前記円筒状部分は、周方向の半分の部分が前記中心線を中心とする半円形に形成され、残りの半分の部分が半楕円形に形成されている、請求項2または3に記載のクローラ走行装置。
【請求項5】
前記テンションローラ側の最端の前記トラックローラは、前記トラックフレームに対して位置が固定されている、請求項2または3に記載のクローラ走行装置。
【請求項6】
前記テンションローラ側の最端の前記トラックローラは、前記トラックローラの回転位置を表すマークを有している、請求項2または3に記載のクローラ走行装置。
【請求項7】
前記外輪体には、前記ボスの内部にグリスを注入するためのグリスニップルが設けられ、
前記テンションローラ側の最端の前記トラックローラの前記グリスニップルは、前記マークを兼ねている、請求項6に記載のクローラ走行装置。
【請求項8】
機体と、
左右一対で設けられ、前記機体を支持するクローラ走行装置と、を備え、
前記クローラ走行装置は、請求項1~3のいずれか一項に記載のクローラ走行装置である、作業車両。
【請求項9】
前記機体は、機体フレームを備え、
前記クローラ走行装置は、
前記トラックフレームに対して前記機体フレームの前部を昇降させる前部昇降機構と、
前記トラックフレームに対して前記機体フレームの後部を昇降させる後部昇降機構と、をさらに含む、請求項8に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローラ走行装置および作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、コンバインでは、不整地走破能力が必要とされるため、クローラ走行装置(無限軌道)が採用されている。
【0003】
クローラ走行装置は、トラックフレームと、トラックフレームに支持された複数のトラックローラ(転輪)と、トラックフレームの前方に設けられたドライブローラ(駆動スプロケット)と、トラックフレームの後方に設けられたテンションローラと、トラックローラ、ドライブローラおよびテンションローラに巻き掛けられたクローラ(クローラベルト)とを備えている。駆動源からの動力が動力伝達機構を介してドライブローラに伝達され、ドライブローラの回転によって、クローラが周回し、コンバインが前後方向に走行する。トラックローラは、クローラを接地した状態に保持する。テンションローラは、クローラの張力(テンション)を保持する。
【0004】
クローラが摩耗、損傷または劣化すると、クローラの緩みや外れ、切れの原因となり、コンバインの走行不良を生じるおそれがある。そのため、クローラの摩耗などの進み具合に応じた適切な時期に、クローラを交換する必要がある。
【0005】
テンションローラは、クローラが水平面に接地した状態で前後方向に水平に延びるテンションフレームの後端に支持されている。テンションフレームは、トラックフレームにテンションフレームが延びる方向に移動可能に保持されている。テンションローラがクローラの内面を押圧している状態(クローラが張っている状態)から、テンションフレームを前方に移動させて、テンションローラをクローラから離間させることにより、クローラの張力を解除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-67210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、テンションローラを前方に移動させるときに、テンションローラがテンションローラの前下方に配置されているトラックローラと干渉し、テンションローラを十分に移動できないか、または、テンションローラがそのトラックローラに衝突して、テンションフレームが歪むおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、テンションローラを移動させるときに、テンションローラがトラックローラと干渉することを防止できる、クローラ走行装置および作業車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るクローラ走行装置は、作業車両に左右一対で設けられ、作業車両の機体を支持するクローラ走行装置であって、トラックフレームと、トラックフレームに前後方向に並べて設けられた複数のトラックローラと、トラックフレームの前方または後方の一方に設けられたドライブローラと、トラックフレームに支持されたテンションフレームと、テンションフレームに支持され、トラックフレームの前方または後方の他方に設けられたテンションローラと、トラックローラ、ドライブローラおよびテンションローラに巻き掛けられ、トラックローラにより接地した状態に保持され、ドライブローラから走行のための駆動力が伝達され、テンションローラにより張力が付与されるクローラとを含み、テンションフレームは、クローラが水平面に接地した状態でテンションローラから離れるにつれて上方に位置するように傾斜方向に延び、トラックフレームに傾斜方向に移動可能に支持されている。
【0010】
この構成によれば、クローラに張力を付与するテンションローラは、テンションフレームに支持されている。テンションフレームは、クローラが水平面に接地した状態でテンションローラから離れるにつれて上方に位置するように傾斜方向に延び、トラックフレームに傾斜方向に移動可能に支持されている。そのため、テンションフレームを傾斜方向のクローラの内面から離れる側、つまりクローラが水平面に接地した状態で斜め上方に移動させることにより、クローラに付与されている張力を緩めることができる。このとき、テンションローラが斜め上方に移動するので、テンションローラの斜め下方にトラックローラが配置されていても、テンションローラがトラックローラと干渉することを防止できる。
【0011】
トラックローラは、円形の外周形状を有する内輪体と、内輪体に対して左右方向の外側に間隔を空けて、内輪体と同心に設けられる外輪体と、円筒状部分を有し、内輪体と外輪体とを連結するボスとを備え、テンションローラ側の最端のトラックローラは、クローラが水平面に接地した状態で、クローラに張力を付与している状態のテンションローラに対してドライブローラ側の斜め下方に位置し、円筒状部分の中心が内輪体および外輪体に共通の中心線からずれていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、テンションローラに最も近いトラックローラは、テンションローラに対してドライブローラ側の斜め下方に位置している。そのトラックローラは、同心に設けられる内輪体と外輪体とが円筒状部分を有するボスで連結された構成を有しており、ボスの円筒状部分は、その中心を内輪体および外輪体に共通の中心線からずらして設けられている。そのため、ボスの円筒状部分の中心が共通の中心線の下方に位置するように、トラックローラの回転位置(円筒状部分の回転位置)を調節することにより、円筒状部分の上方に生じるスペースを大きくすることができる。その結果、テンションローラを移動させるときに、テンションローラがトラックローラと干渉することを防止できる。
【0013】
本発明の他の局面に係るクローラ走行装置は、作業車両に左右一対で設けられ、作業車両の機体を支持するクローラ走行装置であって、トラックフレームと、トラックフレームに前後方向に並べて設けられた複数のトラックローラと、トラックフレームの前方または後方の一方に設けられたドライブローラと、トラックフレームに支持されたテンションフレームと、テンションフレームに支持され、トラックフレームの前方または後方の他方に設けられたテンションローラと、トラックローラ、ドライブローラおよびテンションローラに巻き掛けられ、トラックローラにより接地した状態に保持され、ドライブローラから走行のための駆動力が伝達され、テンションローラにより張力が付与されるクローラとを含み、トラックローラは、円形の外周形状を有する内輪体と、内輪体に対して左右方向の外側に間隔を空けて、内輪体と同心に設けられる外輪体と、円筒状部分を有し、内輪体と外輪体とを連結するボスとを備え、テンションローラ側の最端のトラックローラは、クローラが水平面に接地した状態で、クローラに張力を付与している状態のテンションローラに対してドライブローラ側の斜め下方に位置し、円筒状部分の中心が内輪体および外輪体に共通の中心線からずれている。
【0014】
この構成によれば、テンションローラに最も近いトラックローラは、テンションローラに対してドライブローラ側の斜め下方に位置している。そのトラックローラは、同心に設けられる内輪体と外輪体とが円筒状部分を有するボスで連結された構成を有しており、ボスの円筒状部分は、その中心を内輪体および外輪体に共通の中心線からずらして設けられている。そのため、ボスの円筒状部分の中心が共通の中心線の下方に位置するように、トラックローラの回転位置(円筒状部分の回転位置)を調節することにより、円筒状部分の上方に生じるスペースを大きくすることができる。その結果、テンションローラを移動させるときに、テンションローラがトラックローラと干渉することを防止できる。
【0015】
テンションローラ側の最端のトラックローラの円筒状部分は、周方向の半分の部分が中心線を中心とする半円形に形成され、残りの半分の部分が略半楕円形に形成されていてもよい。
【0016】
この構成によって、円筒状部分の中心を内輪体および外輪体の中心からずらすことができる。
【0017】
テンションローラ側の最端のトラックローラは、トラックフレームに対して位置が固定されていてもよい。
【0018】
テンションローラ側の最端のトラックローラは、トラックローラの回転位置を表すマークを有していていてもよい。
【0019】
この構成によって、マークを目印として、ボスの円筒状部分の中心が共通の中心の下方に位置するように、トラックローラの回転位置を容易に調節することができる。
【0020】
外輪体には、ボスの内部にグリスを注入するためのグリスニップルが設けられ、テンションローラ側の最端のトラックローラのグリスニップルは、マークを兼ねていてもよい。
【0021】
この構成によって、マークを追加して設ける必要をなくすことができ、クローラ走行装置の組立工数を削減することができる。
【0022】
本発明の第3の局面に係る作業車両は、機体と、左右一対で設けられ、機体を支持するクローラ走行装置とを備え、クローラ走行装置は、トラックフレームと、トラックフレームに前後方向に並べて設けられた複数のトラックローラと、トラックフレームの前方または後方の一方に設けられたドライブローラと、トラックフレームに支持されたテンションフレームと、テンションフレームに支持され、トラックフレームの前方または後方の他方に設けられたテンションローラと、トラックローラ、ドライブローラおよびテンションローラに巻き掛けられ、トラックローラにより接地した状態に保持され、ドライブローラから走行のための駆動力が伝達され、テンションローラにより張力が付与されるクローラとを含み、テンションフレームは、クローラが水平面に接地した状態でテンションローラから離れるにつれて上方に位置するように傾斜方向に延び、トラックフレームに傾斜方向に移動可能に支持されている。
【0023】
この作業車両では、本発明の一の局面に係るクローラ走行装置に関して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0024】
本発明の第4の局面に係る作業車両は、機体と、左右一対で設けられ、機体を支持するクローラ走行装置とを備え、クローラ走行装置は、トラックフレームと、トラックフレームに前後方向に並べて設けられた複数のトラックローラと、トラックフレームの前方または後方の一方に設けられたドライブローラと、トラックフレームに支持されたテンションフレームと、テンションフレームに支持され、トラックフレームの前方または後方の他方に設けられたテンションローラと、トラックローラ、ドライブローラおよびテンションローラに巻き掛けられ、トラックローラにより接地した状態に保持され、ドライブローラから走行のための駆動力が伝達され、テンションローラにより張力が付与されるクローラとを含み、トラックローラは、円形の外周形状を有する内輪体と、内輪体に対して左右方向の外側に間隔を空けて、内輪体と同心に設けられる外輪体と、円筒状部分を有し、内輪体と外輪体とを連結するボスとを備え、テンションローラ側の最端のトラックローラは、クローラが水平面に接地した状態で、クローラに張力を付与している状態のテンションローラに対してドライブローラ側の斜め下方に位置し、円筒状部分の中心が内輪体および外輪体に共通の中心線からずれている。
【0025】
この作業車両では、本発明の他の局面に係るクローラ走行装置に関して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0026】
機体は、機体フレームを備え、クローラ走行装置は、トラックフレームに対して機体フレームの前部を昇降させる前部昇降機構と、トラックフレームに対して機体フレームの後部を昇降させる後部昇降機構とをさらに含む構成であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、テンションローラを移動させるときに、テンションローラがトラックローラと干渉することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係るコンバインの右側面図である。
図2】クローラ走行装置および機体フレームの斜視図である。
図3】クローラ走行装置および機体フレームの右側面図である。
図4】トラックローラおよびイコライザの斜視図である。
図5】クローラ走行装置の後面図であり、クローラが外された状態を示す。
図6】下フレームに支持されるトラックローラの断面図である。
図7】最後端のトラックローラをボスの位置で中心線Cに直交する切断面で切断した断面図である。
図8】クローラ走行装置の後端部を示す右側面図である。
図9】前部昇降機構および後部昇降機構の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
<コンバイン>
図1は、本発明の一実施形態に係るコンバイン1の右側面図である。
【0031】
コンバイン1は、圃場を走行しながら穀稈の刈り取りおよび穀稈からの脱穀を行う収穫機の一例である。コンバイン1は、圃場などの不整地を走破する能力を有する走行装置として、左右一対のクローラ走行装置2を採用している。左右一対のクローラ走行装置2により、機体フレーム3が支持されている、機体フレーム3上には、キャビン4およびグレンタンク5が設けられている。
【0032】
キャビン4は、機体フレーム3の前端部上に配置されている。キャビン4は、その内部に運転者が搭乗する空間を提供し、その空間内には、たとえば、運転者が着座する運転席や操作レバーおよび操作ペダルなどの操作部材が配置されている。キャビン4の右側面には、開閉可能なドア6が設けられており、運転者は、ドア6を開いて、キャビン4内に乗り込むことができる。
【0033】
グレンタンク5は、機体フレーム3上でキャビン4の後方に配置されている。
【0034】
また、コンバイン1の機体フレーム3には、刈取装置7および脱穀装置(図示せず)が支持されている。刈取装置7は、クローラ走行装置2の前側に配置されており、コンバイン1の前進に伴って、圃場に植立されている穀稈を刈り取る。脱穀装置は、グレンタンク5の左側に配置されており、刈取装置7に刈り取られた穀稈の株元側を脱穀フィードチェーンによって後側に搬送し、穀稈の穂先側を扱室に供給して脱穀する。そして、穀稈から外れた穀粒が脱穀装置からグレンタンク5に搬送されて、グレンタンク5に穀粒が貯留される。グレンタンク5には、アンローダ8が接続されており、グレンタンク5に貯留された穀粒は、アンローダ8により搬出して機外に排出することができる。
【0035】
<クローラ走行装置>
図2は、クローラ走行装置2および機体フレーム3の斜視図である。
【0036】
左右一対のクローラ走行装置2は、コンバイン1の左右方向の中央を通って前後方向に延びる直線を対象軸とするほぼ線対称(左右対称)に構成されている。以下では、右側のクローラ走行装置2の構成を取り上げて説明し、左側のクローラ走行装置2の構成についての説明を省略する。
【0037】
図3は、クローラ走行装置2および機体フレーム3の右側面図である。
【0038】
クローラ走行装置2は、トラックフレーム11を備えている。トラックフレーム11は、前後方向に延びる下フレーム12と、下フレーム12の上側に積み重ねられて、前後方向に延びる上フレーム13と、上フレーム13に支持されて、前上がりに傾斜して前後方向に延びる傾斜フレーム14とを含む。
【0039】
<トラックローラ>
下フレーム12には、7個のトラックローラ(下部ローラ)15が支持されている。前側から6個のトラックローラ15は、2個ずつがそれぞれイコライザ16に保持されて、イコライザ16を介して下フレーム12に支持されている。最後端のトラックローラ15は、下フレーム12に直接支持されている。
【0040】
図4は、トラックローラ15およびイコライザ16の斜視図である。
【0041】
イコライザ16に保持されるトラックローラ15は、外周形状が円筒状の内輪体21と、内輪体21に対して左右方向の外側(右側)に間隔を空けて設けられ、外周形状が内輪体21と同径の円筒状の外輪体22と、内輪体21の中心と外輪体22の中心とを連結する連結軸23とを備えている。
【0042】
イコライザ16は、前後方向に間隔を空けて配置される円筒状のローラ保持部24と、その前後のローラ保持部24を連結する連結部25とを有し、連結部25の前後方向の中央を通って上下方向に延びる直線を対象軸とする線対称の形状をなしている。連結部25の前後方向の中央には、円筒状の軸挿通部26が貫通して設けられている。下フレーム12には、前後方向にほぼ等間隔を空けた3箇所に、それぞれ支持軸27が下フレーム12から右側に突出して設けられている。各イコライザ16は、支持軸27が軸挿通部26に挿入されることにより、支持軸27を支点に揺動可能(回動可能)に設けられている。
【0043】
各ローラ保持部24には、トラックローラ15の連結軸23が挿通されている。そして、連結軸23がベアリング(図示せず)を介してローラ保持部24に回転可能に支持されることにより、各ローラ保持部24にトラックローラ15が回転可能に保持されている。
【0044】
図5は、クローラ走行装置2の後面図であり、クローラ62が外された状態を示す。図6は、下フレーム12に支持されるトラックローラ15の断面図である。
【0045】
下フレーム12に支持されるトラックローラ15、つまり最後端のトラックローラ15は、外周形状が円筒状の内輪体31と、内輪体31に対して左右方向の外側に間隔を空けて設けられ、外周形状が内輪体31と同径の円筒状の外輪体32と、内輪体31と外輪体32とを連結するボス33とを備えている。
【0046】
内輪体31と外輪体32とは、同心に設けられており、共通の中心線Cを有している。最後端のトラックローラ15には、中心線Cに沿って延びるトラックローラ軸34が内輪体31側から外輪体32側に向けて挿入されており、トラックローラ15は、2個のベアリング35を介して、トラックローラ軸34に回転可能に支持されている。トラックローラ軸34における内輪体31から左右方向の内側に突出した部分は、円筒状のカラー36に挿通されており、カラー36を介して、下フレーム12に固定的(回転不能)に支持されている。
【0047】
図7は、最後端のトラックローラ15をボス33の位置で中心線Cに直交する切断面で切断した断面図である。
【0048】
ボス33は、円筒状部分37を有している。円筒状部分37では、周方向の半分の部分が中心線Cを中心とする半円形の断面を有する半円形部38として形成され、残りの半分の部分が半楕円形の断面を有する半楕円形部39として形成されている。半楕円形部39は、その断面形状である半楕円形の短径を中心線Cと半円形部38の断面形状である半円形の頂点Vとを通る直線L上に有している。これにより、円筒状部分37の中心は、中心線Cに対して半円形部38側にずれている。
【0049】
図8は、クローラ走行装置2の後端部を示す右側面図である。
【0050】
最後端のトラックローラ15の外輪体32には、図6に示されるように、中心線Cを中心とする円筒状の内周部41が形成されている。内周部41に取り囲まれる空間は、ボス33の内部と連通している。内周部41の左右方向の外が側の端部には、プラグ42が嵌められている。
【0051】
プラグ42には、図8に示されるように、トラックローラ15内にグリスを注入するためのグリスニップル43が設けられている。グリスニップル43は、図7に示される直線L上に位置している。したがって、グリスニップル43が中心線C(外輪体32の中心)の鉛直下方に位置するように、トラックローラ15の回転位置が調節された状態で、ボス33の円筒状部分37の半楕円形部39の断面形状の半楕円形の短径が鉛直方向に延びる。
【0052】
<ドライブローラ>
トラックフレーム11の前上方には、図1および図3に示されるように、スプロケットからなるドライブローラ44が設けられている。ドライブローラ44の中心には、図2に示されるように、車軸45が左右方向の内側(左側)から相対回転不能に接続されている。車軸45が機体フレーム3に回転可能に保持されることにより、ドライブローラ44は、車軸45を介して、機体フレーム3に回転可能に支持されている。車軸45には、エンジンの動力が動力伝達機構を介して伝達される。エンジンは、たとえば、排気タービン式過給機付きのディーゼルエンジンである。動力伝達機構は、たとえば、HST(Hydro Static Transmission:静油圧式無段変速機)を含む。
【0053】
<テンションローラ>
傾斜フレーム14は、図3に示されるように、トラックフレーム11の上フレーム13の後端部に支持されている。傾斜フレーム14は、図8に示されるように、下側に開放された断面コ字状に形成され、前上がりに傾斜して前後方向に延びるガイド部51と、ガイド部51の前端部を下側から閉鎖するように設けられた前支持部52と、ガイド部51の後端部を下側から閉鎖し、ガイド部51よりも後方に延びた後支持部53とを備えている。
【0054】
傾斜フレーム14には、テンションフレーム54が保持されている。テンションフレーム54は、傾斜フレーム14のガイド部51、前支持部52および後支持部53に囲まれる空間内に後側から挿入されて、ガイド部51に沿って、前上がりに傾斜して前後方向に延びている。テンションフレーム54の先端部には、左右方向に延びるテンションローラ軸55が保持されている。テンションローラ軸55には、略円板状のテンションローラ56が回転可能に支持されている。
【0055】
また、傾斜フレーム14の後端部の左右方向の外側の側面には、直方体形状のナットブラケット(サポートユニット)57が固定されている。ナットブラケット57には、ボールねじナット構造が組み込まれており、ナットブラケット57は、ボールねじナット構造に螺合するボールねじ軸58がテンションフレーム54と同じ傾斜で延びるように配置されている。ボールねじ軸58の後端部は、テンションフレーム54に固定されている。ボールねじ軸58には、ナットブラケット57の右側部分に、ロックナット59が螺合されている。
【0056】
ロックナット59が締め付けられることにより、ナットブラケット57とボールねじ軸58とがスラスト方向に拘束される。ロックナット59が緩められて、ボールねじ軸58が一方向に回転されることにより、ボールねじ軸58が後方に進出し、ボールねじ軸58が他方向に回転されることにより、ボールねじ軸58が前方に退避する。ボールねじ軸58の移動に伴って、テンションフレーム54およびテンションローラ56が移動する。
【0057】
<キャリアローラ>
図1および図3に示されるように、クローラ走行装置2の前後方向の中央部であって、トラックローラ15の上方の位置には、キャリアローラ61が設けられている。機体フレーム3には、左右方向に延びるキャリアローラ軸(図示せず)が固定されており、キャリアローラ61は、キャリアローラ軸にベアリングを介して回転可能に支持されている。
【0058】
<クローラ>
クローラ走行装置2は、無端ベルト状のクローラ(クローラベルト)62を備えている。クローラ62は、トラックローラ15、ドライブローラ44、テンションローラ56およびキャリアローラ61に巻き掛けられている。クローラ62は、トラックローラ15により、外周面が地面に接した状態に保持される。また、クローラ62には、テンションローラ56により張力が付与される。すなわち、ボールねじ軸58が一方向に回転されると、ボールねじ軸58が後方に進出して、テンションローラ56がテンションフレーム54とともに後方に移動し、テンションローラ56の周面がクローラ62の内周面を押圧する。これにより、テンションローラ56からクローラ62に張力が付与される。
【0059】
テンションローラ56からクローラ62に張力が付与された状態で、テンションローラ56は、図3に示されるように、最後端のトラックローラ15の後斜め上方に位置している。また、その状態で、テンションローラ56は、図5に示されるように、後側から見て、最後端のトラックローラ15の内輪体31と外輪体32との間に位置し、その下部がボス33の上部と重なっている(テンションローラ56の下部とボス33の上部とが上下方向にオーバラップしている)。
【0060】
<昇降機構>
クローラ走行装置2は、図2に示されるように、トラックフレーム11に対して機体フレーム3の前部を昇降させる前部昇降機構71と、トラックフレーム11に対して機体フレーム3の後部を昇降させる後部昇降機構72とを備えている。以下では、機体フレーム3が最下位置に下降した状態を前提として、前部昇降機構71および後部昇降機構72の構成について説明する。
【0061】
図9は、前部昇降機構71および後部昇降機構72の構成を示す斜視図である。
【0062】
前部昇降機構71は、前油圧シリンダ81、前連結金具82、前レバー83、前揺動アーム84、前支点シャフト85および前連結シャフト86を備えている。
【0063】
前油圧シリンダ81は、シリンダ本体91と、シリンダ本体91に対して進退可能なロッド92とを備えている。シリンダ本体91は、左右方向に延びるピン93を介して、機体フレーム3(図2参照)に揺動可能に支持されている。前油圧シリンダ81は、ロッド92がシリンダ本体91から前側に進出するように設けられている。ロッド92の前端部(先端部)は、前連結金具82に固定されている。
【0064】
前連結金具82は、ロッド92の進出方向に延びている。前連結金具82の先端部は、左右方向に延びるピン94を介して、前レバー83の上端部に相対回転可能に連結されている。
【0065】
前レバー83は、前連結金具82から下側に延びている。
【0066】
前揺動アーム84は、前レバー83に対して左右方向の外側(右側)の位置で、前後方向に延びている。前揺動アーム84の前端部は、前レバー83の下端部に左右方向に対向している。前揺動アーム84の後端部には、左右方向に延びる前支点シャフト85が挿通されており、前揺動アーム84は、前支点シャフト85を支点として揺動可能に設けられている。
【0067】
前支点シャフト85は、トラックフレーム11の上フレーム13に回転不能に支持されている。
【0068】
前連結シャフト86は、左右方向に延び、前レバー83の下端部に相対回転不能に挿通されるとともに、前揺動アーム84の前端部に相対回転可能に挿通されている。前連結シャフト86は、機体フレーム3に回転可能に支持されている。
【0069】
後部昇降機構72は、後油圧シリンダ101、後連結金具102、後レバー103、第1後揺動アーム104、第2後揺動アーム105、後支点シャフト106および後連結シャフト107を備えている。
【0070】
後油圧シリンダ101は、シリンダ本体111と、シリンダ本体111に対して進退可能なロッド112とを備えている。シリンダ本体111は、左右方向に延びるピン113を介して、機体フレーム3に揺動可能に支持されている。後油圧シリンダ101は、ロッド112がシリンダ本体111から後側に進出するように設けられている。ロッド112の後端部(先端部)は、後連結金具102に固定されている。
【0071】
後連結金具102は、ロッド112の進出方向に延びている。後連結金具102の先端部は、左右方向に延びるピン114を介して、後レバー103の上端部に相対回転可能に連結されている。
【0072】
後レバー103は、後連結金具102から下側に延びている。
【0073】
第1後揺動アーム104は、後レバー103に対して左右方向の外側(右側)の位置で、前後方向に延びている。第1後揺動アーム104の前端部は、後レバー103の下端部に左右方向に対向している。第1後揺動アーム104の後端部は、左右方向に延びるシャフト115により、第2後揺動アーム105の上端部に相対回転不能に接続されている。
【0074】
第2後揺動アーム105の下端部には、左右方向に延びる後支点シャフト106が相対回転不能に挿通されている。
【0075】
後支点シャフト106は、トラックフレーム11の上フレーム13に回転可能に支持されている。
【0076】
後連結シャフト107は、左右方向に延び、後レバー103の下端部に相対回転不能に挿通されるとともに、第1後揺動アーム104の前端部に相対回転可能に挿通されている。後連結シャフト197は、機体フレーム3に回転可能に支持されている。
【0077】
かかる構成により、右のクローラ走行装置2の前油圧シリンダ81のロッド92がシリンダ本体91側に直動(退避)されると、前レバー83および前連結シャフト86が右側から見て反時計回りに回動し、前揺動アーム84が前支点シャフト85を支点として右側から見て反時計回りに回動する。その結果、機体フレーム3の右前部がトラックフレーム11に対して上昇する。
【0078】
また、右のクローラ走行装置2の後油圧シリンダ101のロッド112がシリンダ本体111側と反対側に直動(進出)されると、後レバー103および後連結シャフト107が右側から見て反時計回りに回動し、第1後揺動アーム104および第2後揺動アーム105が後支点シャフト106を支点として右側から見て反時計回りに回動する。その結果、機体フレーム3の右後部がトラックフレーム11に対して上昇する。
【0079】
左のクローラ走行装置2の前油圧シリンダ81のロッド92がシリンダ本体91側に直動(退避)されると、前レバー83および前連結シャフト86が左側から見て時計回りに回動し、前揺動アーム84が前支点シャフト85を支点として左側から見て時計回りに回動する。その結果、機体フレーム3の左前部がトラックフレーム11に対して上昇する。
【0080】
また、左のクローラ走行装置2の後油圧シリンダ101のロッド112がシリンダ本体111側と反対側に直動(進出)されると、後レバー103および後連結シャフト107が左側から見て時計回りに回動し、第1後揺動アーム104および第2後揺動アーム105が後支点シャフト106を支点として左側から見て時計回りに回動する。その結果、機体フレーム3の左後部がトラックフレーム11に対して上昇する。
【0081】
<クローラの取り外し>
クローラ62の交換のために、クローラ62がクローラ走行装置2から取り外されるときには、たとえば、左右のクローラ走行装置2の前油圧シリンダ81のロッド92がシリンダ本体91側に直動されて、機体フレーム3の前部が上げられる。また、左右のクローラ走行装置2の後油圧シリンダ101のロッド112がシリンダ本体111側と反対側に直動されて、機体フレーム3の後部が上げられる。そして、機体フレーム3の下に4個のジャッキスタンドが差し入れられて、機体フレーム3が4個のジャッキスタンドによって支持される。その後、左右のクローラ走行装置2の前油圧シリンダ81のロッド92がシリンダ本体91側と反対側に直動され、左右のクローラ走行装置2の後油圧シリンダ101のロッド112がシリンダ本体111側に直動される。これにより、トラックフレーム11がの後部が上がり、クローラ62が地面から離間する(クローラ62が宙に浮いた状態となる)。
【0082】
その後、テンションローラ56からクローラ62に付与されている張力が緩められる。すなわち、ロックナット59が緩められて、ボールねじ軸58が他方向に回転される。これにより、ボールねじ軸58が前方に直動して、テンションローラ56がテンションフレーム54とともに後方に移動する。その結果、クローラ62の張力が緩み、トラックローラ15、ドライブローラ44、テンションローラ56およびキャリアローラ61からクローラ62を取り外すことができる。
【0083】
<作用効果>
以上のように、クローラ62に張力を付与するテンションローラ56は、テンションフレーム54に支持されている。テンションフレーム54は、クローラ62が水平面に接地した状態でテンションローラ56から離れるにつれて上方に位置するように傾斜方向に延び、トラックフレーム11に傾斜方向に移動可能に支持されている。そのため、テンションフレーム54を傾斜方向のクローラ62の内面から離れる側、つまりクローラ62が水平面に接地した状態で斜め上方に移動させることにより、クローラ62に付与されている張力を緩めることができる(クローラ62のテンションを解除することができる)。このとき、テンションローラ56が斜め上方に移動するので、テンションローラ56の斜め下方に最後端のトラックローラ15が配置されていても、テンションローラ56がトラックローラ15と干渉することを防止できる。
【0084】
最後端のトラックローラ15は、テンションローラ56に対して前斜め下方に位置している。そのトラックローラ15は、同心に設けられる内輪体31と外輪体32とが円筒状部分37を有するボス33で連結された構成を有しており、ボス33の円筒状部分37は、その中心を内輪体31および外輪体32に共通の中心線Cからずらして設けられている。そのため、ボス33の円筒状部分37の中心が中心線Cの下方に位置するように、トラックローラ15の回転位置(円筒状部分37の回転位置)を調節することにより、円筒状部分37の上方に生じるスペースを大きくすることができる。その結果、テンションローラ56を移動させるときに、テンションローラ56がトラックローラ15と干渉することを防止できる。
【0085】
最後端のトラックローラ15の円筒状部分37は、周方向の半分の部分が中心線Cを中心とする半円形の断面を有する半円形部38として形成され、残りの半分の部分が半楕円形の断面を有する半楕円形部39として形成されている。これにより、円筒状部分37の中心を内輪体31および外輪体32の中心からずらすことができる。
【0086】
また、最後端のトラックローラ15の外輪体32には、ボス33の内部にグリスを注入するためのグリスニップル43が設けられ、そのグリスニップル43は、トラックローラ15の回転位置を表すマークを兼ねている。これにより、マークを目印として、ボス33の円筒状部分37の中心が共通の中心の下方に位置するように、トラックローラ15の回転位置を容易に調節することができる。そして、グリスニップル43がマークを兼ねているので、マークを追加して設ける必要をなくすことができ、クローラ62走行装置の組立工数を削減することができる。
【0087】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することも可能である。
【0088】
たとえば、トラックローラ15の個数は、7個に限定されず、6個以下でもよいし、8個以上でもよい。
【0089】
作業車両の一例として、コンバイン1を取り上げたが、本発明は、人参や大根、枝豆、キャベツなどの野菜を収穫して搬送する収穫搬送装置を作業装置として備える収穫機、苗植付装置を作業装置として備える田植機、播種装置を作業装置として備える直播機、プラウを作業装置として備えるトラクタ、バケットを作業装置として備える建設作業車など、種々の作業車両に適用することができる。
【0090】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1:コンバイン(作業車両)
2:クローラ走行装置
3:機体フレーム
11:トラックフレーム
15:トラックローラ
31:内輪体
32:外輪体
33:ボス
37:円筒状部分
38:半円形部(周方向の半分の部分)
39:半楕円形部(残りの半分の部分)
43:グリスニップル
44:ドライブローラ
54:テンションフレーム
56:テンションローラ
62:クローラ
71:前部昇降機構
72:後部昇降機構
C:中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9