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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159956
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】清浄空気発生装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20231026BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20231026BHJP
   B66B 11/02 20060101ALI20231026BHJP
   B66B 1/06 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F7/06 H
B66B11/02 F
B66B1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069903
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000228028
【氏名又は名称】株式会社トルネックス
(74)【代理人】
【識別番号】100111785
【弁理士】
【氏名又は名称】石渡 英房
(72)【発明者】
【氏名】浮川 守
(72)【発明者】
【氏名】浦田 浩作
【テーマコード(参考)】
3F306
3F502
3L058
【Fターム(参考)】
3F306AA11
3F306CB53
3F306CB56
3F502JA57
3L058BE08
3L058BF06
3L058BG03
(57)【要約】
【課題】既存の換気装置を有する部屋に空気清浄機能を簡易に幅広く実現する。
【解決手段】筐体7と、この筐体の内部に取り入れた清浄化前の空気Ainを清浄化する空気清浄部20と、を備え、この筐体は、清浄化前の空気Ainを筐体内部に取り入れる空気取入口6と空気清浄部で清浄化した空気Aoutを溜めるチャンバ7b、7cを有し、このチャンバは、清浄化した空気を供給する部屋の室外空気を室内に送り込む外気取入口31を覆うための接続開口7dが設けられた清浄空気発生装置(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットとする部屋に清浄化した空気を供給するための清浄空気発生装置であって、
筐体(7)と、この筐体の内部に取り入れた清浄化前の空気(Ain)を清浄化する空気清浄部(20)と、を備え、
前記筐体は、清浄化前の空気(Ain)を筐体内部に取り入れる空気取入口(6)と前記空気清浄部で清浄化した空気(Aout)を溜めるチャンバ(7b、7c)を有し、
前記チャンバは、前記ターゲットとする部屋の室外空気を室内に送り込む外気取入口(31)を覆うための接続開口(7d)が設けられた、清浄空気発生装置(1)。
【請求項2】
前記空気清浄部(20)は、浄化前の空気(Ain)について空気の粗い粉塵を除去する第1空気清浄部(21)と、これに続くさらに細かい粉塵を除去する第2空気清浄部(22)とを含み、
前記チャンバ(7b、7c)は、前記接続開口(7d)が前記外気取入口(31)を覆う際にその気密性を保つために前記接続開口(7d)の周囲に着脱可能な接続部材(14)を複数備える、請求項1記載の清浄空気発生装置。
【請求項3】
前記チャンバ(7b、7c)は、チャンバ本体(7b)とこのチャンバ本体にスライド可能に組み合わされてチャンバを構成する伸縮カバー(7c)を含み、
前記接続開口(7d)の大きさを調節するために主チャンバ(7b)に対する伸縮カバー(7c)の取付位置を複数選択するように取付穴(9b)のセットを複数組備える、請求項1記載の清浄空気発生装置。
【請求項4】
循環チャンバ(7e)とこの循環チャンバに気密に接続する第1空気取入部(51)及び第2空気取入部(52)とをさらに備え、
前記循環チャンバ(7e)は、前記空気取入口(6)に気密に接続され、
前記第1空気取入部(51)は、
室外空気(Ain)を取り入れる第1ダクト(51a)と、前記第1ダクト内に設けられた第1切換弁(51b)とを有し、
前記第2空気取入部(52)は、
循環空気(Art)を取り入れる第2ダクト(52a)と、前記第2ダクト内に設けられた第2切換弁(52b)を有する、
請求項1記載の清浄空気発生装置。
【請求項5】
請求項1記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置(30)とを備えた部屋であって、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口(7d)から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ(7b、7c)内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給される部屋(40)。
【請求項6】
前記部屋はエレベータの乗車室である請求項5記載の部屋(40)。
【請求項7】
請求項4記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置(30)と室内の空気を前記清浄空気発生装置に戻すための循環口(140d)とを備えた部屋であって、
前記第1ダクト(51a)は、前記循環チャンバ(7e)に接続され、
前記第2ダクト(52a)は、前記循環チャンバ(7e)と前記循環口(140d)に接続され、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口(7d)から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ(7b、7c)内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給される部屋(140)。
【請求項8】
前記部屋はエレベータの乗車室である請求項7記載の部屋(140)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外空気を浄化して室内、特にエレベータの客室内等すでに外気取入を行っている部屋に清浄空気を供給する空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から人が活動する室内は換気等を目的として、外気の取入れのために送風ファンなどの換気装置を備える場合が多い。外気を取入れるだけではなく、空気中の浮遊物細菌や塵埃、臭いを発生する物質などを取り除くために、イオン発生装置を室内に設ける場合もあった。
【0003】
近年、花粉アレルギー対策が望まれるとともに、SARSや新型コロナウィルスCovid-19などの感染症を引き起こすマイクロ飛沫と呼ばれる空気中を漂う話者の唾液の飛沫核が室内で活動する他の人に届かないように、室内の空気清浄を行うニーズは高まっている。
【0004】
たとえば、エレベータの乗車室内では、既存の換気装置の出口近傍にプラスイオンとマイナスイオンの一方または両方を発生するイオン発生装置を設け、換気装置とイオン発生装置との運転を連動させることを特徴とするイオン発生装置付きエレベータを提供するものがある(特許文献1)。
【0005】
しかしながら、一般の室内外、特にエレベータの室内外は空間的な制約が多く、空気清浄装置を新設する場合のように当初からそのためのスペースが確保できる場合は別として、すでに既設の換気装置がある場合に、簡易で幅広く取り付けられるような汎用性のある構造をもった効果的な空気清浄機能を付加することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-89171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ターゲットとする部屋の既存の換気装置を利用しながら、室外に設置することができる清浄空気発生装置を提供することである。また、既存の換気装置を有する部屋に換気機能のみならず空気清浄機能を簡易に幅広く実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(解決手段1)
本発明は、
ターゲットとする部屋に清浄化した空気を供給するための清浄空気発生装置であって、 筐体と、この筐体の内部に取り入れた清浄化前の空気を清浄化する空気清浄部と、を備え、
前記筐体は、清浄化前の空気を筐体内部に取り入れる空気取入口と前記空気清浄部で清浄化した空気を溜めるチャンバを有し、
前記チャンバは、前記ターゲットとする部屋の室外空気を室内に送り込む外気取入口を覆うための接続開口が設けられている。
これにより、ターゲットとする部屋の既存の換気装置を利用しながら、室外で簡易に幅広く取り付けることができる。
【0009】
(解決手段2)
この場合、前記空気清浄部は、浄化前の空気について空気の粗い粉塵を除去する第1空気清浄部と、これに続くさらに細かい粉塵を除去する第2空気清浄部とを含み、
前記チャンバは、前記接続開口が前記外気取入口を覆う際にその気密性を保つために前記接続開口の周囲に着脱可能な接続部材を複数備える、ことが好ましい。
このようにすると、チャンバ内に既存の換気装置が作る大気圧と比べて負圧となる状態がよりよく維持でき、室内に効率よく生成した清浄空気を送り込むことができる。
【0010】
(解決手段3)
この場合、前記チャンバは、主チャンバとこの主チャンバにスライド可能に組み合わされてチャンバを構成する伸縮カバーを含み、
前記接続開口の大きさを調節するために主チャンバに対する伸縮カバーの取付位置を複数選択するように取付穴のセットを複数組備える、ことが望ましい。
このようにすると、伸縮カバーの伸縮の位置決めが複数でき、室外で簡易に幅広く取り付けることができる。
【0011】
(解決手段4)
この場合、循環チャンバとこの循環チャンバに気密に接続する第1空気取入部及び第2空気取入部とをさらに備え、
前記循環チャンバは、前記空気取入口に気密に接続され、
前記第1空気取入部は、
室外空気を取り入れる第1ダクトと、前記第1ダクト内に設けられた第1切換弁とを有し、
前記第2空気取入部は、
循環空気を取り入れる第2ダクトと、前記第2ダクト内に設けられた第2切換弁を有する、ことが好ましい。
これにより、 室内の空気を循環させて空気清浄機能を強化することができる。また、夜間などの室内が無人の場合には、長時間の運転ができるため殺菌作用も期待できる。
【0012】
(解決手段5)
本発明は、請求項1記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置とを備えた部屋であって、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給される部屋である。
これにより、ターゲットとする部屋の既存の換気装置を利用しながら空気清浄がされる部屋を提供できる。
【0013】
(解決手段6)
この場合、前記部屋はエレベータの乗車室であることが好ましい。
このようにすると、既存の換気装置を利用しながら清浄空気が提供されるエレベータの乗車室を提供できる。
【0014】
(解決手段7)
本発明は、請求項4記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置と室内の空気を前記清浄空気発生装置に戻すための循環口とを備えた部屋であって、
前記第1ダクトは、前記循環チャンバに接続され、
前記第2ダクトは、前記循環チャンバと前記循環口に接続され、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給される部屋である。
これにより、室内の空気を循環させて空気清浄機能を強化することができる。また、夜間などの室内が無人の場合には、長時間の運転ができるため殺菌作用も期待できる。
【0015】
(解決手段8)
この場合、前記部屋はエレベータの乗車室であることが望ましい。
これにより、エレベータの乗車室内の空気を循環させて空気清浄機能を強化することができる。また、夜間などの乗車室内が無人の場合には、長時間の運転ができるため殺菌作用も期待できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のような構成により、ターゲットとする部屋の既存の換気装置を利用しながら、室外で簡易に幅広く取り付けることができる清浄空気発生装置を提供できる。また、既存の換気装置を有するエレベータの客室に空気清浄機能を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の清浄空気発生装置の一例(実施例1)の概略斜視図である。
図2】本発明の清浄空気発生装置の四面の模式図である。
図3】本発明の清浄空気発生装置の内部構造と空気の流れを示す模式横断面図である。
図4】本発明の清浄空気発生装置の内部構造と空気の流れを示す模式縦断面図の一例である。
図5】本発明の清浄空気発生装置の内部構造と空気の流れを示す模式縦断面図の他の一例である。
図6】本発明の清浄空気発生装置の伸縮チャンバの伸縮例である。
図7】本発明の清浄空気発生装置と部屋との結合構造の結合部の例である。
図8】本発明の清浄空気発生装置の電気集塵ユニットの斜視図である。
図9】本発明の清浄空気発生装置の接続部材の説明図である。
図10】本発明の清浄空気発生装置の一例(実施例2)を示すとともに、これを用いた清浄空気供給システムのシステム構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(清浄空気発生装置の概要)
ここで述べる清浄空気発生装置は、ターゲットとする部屋に清浄化した空気を供給する装置である。主要な構成として、筐体と空気清浄部とを備えている。筐体は、空気清浄部を収容し、全体が気密である。空気取入口と清浄化した空気を溜めるチャンバを有しており、このチャンバは、接続開口が形成されており、接続開口はターゲットとする部屋に予め備えられた換気装置全体あるいは少なくとも換気装置の外気取入口を覆い、換気装置とともに運転することに伴ってチャンバ内に生じる負圧を利用して清浄化した空気を室内に供給する。
以下、実施例にもとづいて、本発明を説明する。
【実施例0019】
図1に本発明の一例(実施例1)である清浄空気発生装置1の概略斜視図を示す。なお、図1に示すように、説明の便宜上、上下左右前後を規定して説明する。
図2に同装置1の概略四面図を示す。図2の紙面において中央下部の図が正面、中央上部の図が平面、左側の図が左側面、右側の図が右側面として説明する。
図3に同装置1の内部構造を示す。
【0020】
図1、2、3に示すように、本例の清浄空気発生装置1は、筐体7と、この筐体7の内部に取り入れた清浄化前の空気Ainを清浄化する空気清浄部20とを備えている。
(筐体)
筐体7は、空気取入口6と通ずる空気取入のための開口を備えた筐体胴部7a、この筐体胴部7aの下に続くチャンバ本体7b、及びそのチャンバ本体7bに入れ子状にスライド可能に組み合わされて連結された伸縮カバー7cを備える。伸縮カバー7cとチャンバ本体7bを合わせて以下、チャンバという。なお、チャンバ(7b、7c)は、溶融亜鉛メッキ鋼板などの磁性体であることが好ましい。
プレフィルター21が筐体胴部7aの開口を覆うように留め具12で着脱可能に設けられている。空気取入口6から取り入れた空気Ainを逃がさないように筐体7は気密にできている。チャンバ7b、7cの下面側には、接続開口7dが形成されている(図3参照)。
【0021】
図3に、本例の清浄空気発生装置1の内部構造を示す。図3は、図2に示すA-A視断面の概略を示したものである。なお、留め具12は省略している。
図3に示すように、筐体胴部7aの上面には、開口が形成され、この開口を覆うようにプレフィルター21が設けられている。筐体胴部7aは、その内部に電気集塵ユニット22を収納しており、筐体胴部7aの下部とチャンバ本体7bの上部は取り込んだ空気が通り抜けられるように開口を形成して接続されている。さらに、チャンバ本体7bの下部は接続開口7dが形成されている。
本例の清浄空気供給装置1を使用する際は、チャンバ7b、7cは、発生させた清浄化した空気Aoutを供給するための送風ファン30を覆って、閉じた空間を形成する。
【0022】
(空気清浄部:プレフィルター(第1空気清浄部))
図1図2図3に示すように、筐体7の上部には空気取入口6となるプレフィルター21が設けられている。プレフィルター21は、空気清浄部の第1空気清浄部21を構成し、プレフィルター本体21bがチャンバ本体7bに設けられたセル枠21aに抑えられて筐体胴部7aに留め具12でセル枠11aに着脱可能に係止されている。セル枠11aはヒンジ13により開閉できる。このため、プレフィルター本体21bは、メンテナンスの際取り外すことができ、水洗い等で洗浄して繰り返し使用することが可能である。
プレフィルター本体21bは、線径0.25mmの金属線を24メッシュ程度の網目で編んだ四角形の面状のフィルターである。耐食性の観点からステンレス製であることが望ましい。
【0023】
プレフィルター21は、空気取入口6から筐体7に取り込まれる空気Ainが最初に通過する。メインフィルターである後述の第2空気清浄部の電気集塵ユニット22の前で異常放電の発生を抑止するよう大きめのチリ・ホコリを除去するフィルターである。主として、目視可能な程度の浮遊する粒子を集塵する。おおむね粒子径が10~20μm以上のものをターゲットとしている。
【0024】
(空気清浄部:電子式集塵機(第2空気清浄部))
図8は、本例の第2空気清浄部22である電気集塵ユニット22の外観を示す模式斜視図である。電気集塵ユニット22は、前述のように、プレフィルター21の後面でさらに細かい塵埃を捉えるメインフィルターである。主として、粒子径が0.3μm以上のものをターゲットとしている。たとえば、空気中の土埃、花粉、黄砂やPM2.5などの浮遊粒子や、人体などから発せられた浮遊する唾液の飛沫核である。
【0025】
図3図8に示すように、本例の電気集塵ユニット22は、全幅270×奥行170×高さ100mm程度の大きさで、上面の吸込口22aから清浄化前の空気Ainを吸込み、下面の吹出口22b(図3)から清浄化した空気Aoutを吹出す構成となっている。建物内のシャフトや屋根裏、天井、床下などに設置しやすいコンパクトな形状を有している。
本例の電気集塵ユニット22は、図3に示すように、筐体胴部7aの内部に収納されている。吸込口22aが空気取入口6に向いており、吹出口22bがチャンバ本体7に向いている。空気取入口6から取り込まれた室外空気Ainをプレフィルター21を経由して吸込口22aから電気集塵ユニット22の内部に取り込むように設けられている。取り込んだ空気は、塵埃を除去して清浄化され、清浄化された空気Aoutは、吹出口22bからチャンバ本体7bに供給される。
【0026】
電気集塵ユニット22は、周知の2段荷電型電気集塵機と呼ばれるものであり、イオン化部と、集塵部と、その電源を主として構成される。イオン化部のタングステン線でできたイオン化線に高電圧を印可して浮遊粒子を帯電させ、帯電した浮遊粒子を集塵部のステンレス製の電極でクーロン力によりひきつけて集塵を行う。
このような電気集塵ユニット22は、イオン化線とイオン化電極との間、及び集塵電極板と集塵対電極板との間の空間を空気が通過できるので、ろ紙フィルターに比較して圧力損失が少なく、空気中の浮遊粒子を効率よく除去できる。たとえば、定格風量120~180m3/hの際に定格圧力損失は4~8Paとなり、粒子0.3~0.5μmの定格集塵効率は、96%~82%となる。定格出力電圧は4200V~5400V程度が好ましい。
加えて、電源とイオン化部との間に定電流制御部を設けるとともに、電源と集塵部との間に測定部を備えた電圧段階制御部および電圧変更部を設けて、段階的制御を行うようにしてもよい。この制御は、たとえば、特許第5545559号に記載されている。
【0027】
この電気集塵ユニット22は、以上のような構成であるため、イオン化部におけるコロナ放電などを安定して継続でき、集塵部に湿気などの環境の変動や集塵の継続による集塵物などにより、火花放電などの異常放電が起きても、印加電圧を下げて速やかに正常な電界形成を再開して集塵作用を継続し、異常放電の原因が解消されると、印加電圧を上げて速やかに集塵作用を継続することが可能である。この場合は、湿気や結露などの自然回復可能な場合のみならず、集塵物の堆積などの自然回復の困難な場合も含めて、全体として、集塵作用を高効率で運用でき、その上メンテナンス頻度を減らすことができる。
【0028】
また、このような構成で電気集塵ユニット22は、常温常圧でオゾンを発生することもでき、後述のようにオゾン発生装置としても用いることが可能である。
【0029】
(筐体の内部構造と空気の流れ)
図3に、本例の清浄空気発生装置1の内部構造と空気の流れを示す模式断面図を示す。
本例の清浄空気発生装置1は、本装置1を構成しない送風ファン30が運転されることによってチャンバ7b、7c内に室外空気Ainを本装置1に取り入れる負圧が生じることを利用している。この発生する負圧によって空気の流れが生ずる。
同図に示すように、空気の流れは、まず、室外空気Ainを空気取入口6から筐体7内に取り込む。空気取入口6に設けられたプレフィルター21を通過し、第1段階の空気清浄が行われる。次いで、空気は電気集塵ユニット22の吸込口22aを通ってその内部で清浄化され、吹出口22bから清浄化した空気Aoutとしてチャンバ7b、7c内に排出される。清浄化した空気Aoutはチャンバ7b、7cに溜められ、前述の送風ファン30の外気取入口31からから清浄化した空気はターゲットとする部屋に供給される。
【0030】
このように、本例の清浄空気発生装置1は、発生した清浄化した空気を送風する送風ファンなどの送風装置は備えないことが特長のひとつである。清浄化した空気Aoutを利用する部屋の送風装置、たとえば、既設の外気取入送風ファン、の外気取入口を本例の清浄空気発生装置1の接続開口7dで覆い、その外気取入送風ファンを運転すると、その外気取入口31に負圧が発生してチャンバ7b、7c内に伝播し、清浄化前の空気Ainが空気清浄部20に流れ込む。たとえば、180m3/hの定格風量を有する送風ファンを用いると、定格集塵効率は82%を達成できる。なお、チャンバ7b、7cの内部の圧力を保持するために、後述の板状マグネットなどの接続部材14を設けることが好ましい。
【0031】
(使用例:本例の清浄空気発生装置1を備えた部屋)
図4は、本例の清浄空気発生装置1と既設の送風ファン30aを備えた部屋40の天井40c付近の断面模式図である。部屋40の天井40cの室外に外気を取り入れる送風ファン30aが設置されている。本例の部屋40は、天井40cと床(不図示)、そして壁(不図示)で囲まれており、人の出入りが可能であるが閉空間とすることができる。天井40cの外側には既存の送風ファン30aがあり、これを清浄空気発生装置1が覆うように設けられている。送風ファン30aの吹出口は、部屋の空気の吹出口となる天井40cに設けられた流入口(不図示)と接続されている。本例の清浄空気発生装置1は、チャンバ7b、7c内に送風ファン30aの全体を覆うように配置されている。このため、部屋40の天井40cとチャンバ7b、7cで作る閉空間に送風ファン30aを収容している。このような状態で配置された本例の清浄空気発生装置1と送風ファン30aと部屋40とで、一つの清浄空気供給システム1Aを構成している。このシステム1Aを運転するときは、清浄空気発生装置1と送風ファン30aを同時に動作させる。なお、室外に送風ファンが設置されておらず、室内に設けられている部屋であっても、その送風ファン30aの外気取入口31が室外から覆うようにすることができる。その外気取入口31は送風ファン30の運転により、負圧が生じているので、本例の清浄空気発生装置1は、同様にその外気取入口31から清浄空気を供給することができるからである。この点は、後述の伸縮例で説明する図5の送風ファン30bであっても同様である。
【0032】
本システム1Aは、図4に示すような既設の送風ファン30aが天井40cに設けられた部屋40で用いることができるが、たとえば、エレベータの利用者が乗車する乗車室で用いることが好適である。エレベータの乗車室は、天井に外気取入口があって天井上部の室外に室外空気を給気する送風ファンが設けられていることが多い。エレベータの乗車室は、不特定多数の人が利用するとともにその利用中は閉止された空間になるため、前述のような塵埃の除去や感染防止の観点からは給気する室外空気を清浄化する要請が高まっている。特に、病院や高齢者が入居する住居や介護施設のエレベータ乗車室では感染症対策として院内感染防止の観点から必要性が高い。また、アレルゲンとなる塵埃の除去ができるため、アレルギー疾患対策の要請にも応えることができる。この点は、後述の伸縮例で説明する図5の送風ファン30bであっても同様である。
【0033】
(伸縮カバー)
図5は、伸縮カバー7cを縮めた状態の本例の清浄空気発生装置1とその天井に既設の送風ファン30bを備えた部屋40の天井40c付近の断面模式図である。伸ばした状態(図4参照。)と同様に、部屋40の天井40cの室外に送風ファン30bが設置されている。本例の清浄空気発生装置1は、送風ファン30bの全体を覆うように配置し、チャンバ本体7bと伸縮カバー7cで作るチャンバ内に送風ファン30bを収容している。本例の清浄空気発生装置1と送風ファン30bと部屋40とで、一つの清浄空気供給システム1Aを構成している。
【0034】
このように本例の清浄空気発生装置1は、伸縮カバー7cの働きにより、チャンバ7b、7cの大きさを増減することができる。これは、本例の清浄空気供給装置1の特徴のひとつである簡易で幅広く、いろいろな大きさの既設の送風ファン30a、30bをチャンバ7b、7cで覆うことができるという汎用性を備えるために重要である。このような増減を可能としているのは、伸縮カバー7cの伸縮の位置決めが複数できるという構造によるものである。次にこの点を説明する。
【0035】
(伸縮の位置決め)
図6を用いて本例の清浄空気発生装置1の伸縮カバー7cの位置決めについて説明する。図6(a)は、チャンバ7b、7cを伸ばした場合の例で、先述の図4に対応するものであり、図6(b)は、チャンバ7b、7cを縮めた場合の例で、先述の図5に対応するものである。
図6に示すように、チャンバ本体7bは、その側面に上下3個一組の貫通孔9bを左右方向に2組設けられている。右側にある一組はチャンバ本体7bの端部にあり、左側の他の一組は右側の一組から一定距離離れている。一方、伸縮カバー7cは、チャンバ本体7bと組み合わさる側の端部にチャンバ本体7bの貫通孔9bと上下方向に同じ位置に貫通孔9aを設けている。チャンバ本体7bと伸縮カバー7cは、それぞれ下面及び相互に対向する壁面が存在せず、チャンバ本体7bに接するように伸縮カバー7cをスライドさせて組み合わせることができる大きさを有している。このため、組み合わさるとチャンバ7b、7cが形成されるとともにその下面側に接続開口dが形成される。
このような構成となっているために、チャンバ本体7bの2組の貫通孔9bのうち、どちらかの組を選んで伸縮カバー7cの貫通孔9aと一致するように組み合わせることによって、チャンバ本体7bと伸縮カバー7cの組み合わせからなるチャンバ7b、7cの大きさを変えることができる。すなわち、図6(a)の伸ばす場合は、チャンバ本体7bの端部の貫通孔9bと伸縮カバー7cの貫通孔9aとを同じ位置で合わせて、この位置でビスとナットからなる締結具で固定できる(不図示)。一方、図6(b)の縮める場合は、チャンバ本体7bのチャンバ胴部7aの端部の下方向の延長上の端部の貫通孔9bと伸縮カバー7cの貫通孔9aとを同じ位置で合わせて、この位置でビスとナットなどの連結手段9で固定できる(不図示)。
なお、より気密性を高めるという観点からは、伸ばした場合のチャンバ本体7bのチャンバ胴部7aの端部の下方向の延長上の端部の固定に使用しない貫通孔9bについては、他の部材で充填を施してもよい。
【0036】
(固定具)
図7に本例の清浄空気発生装置1の筐体7と部屋の天井40cとの結合構造を固定手段8で結合した例を示す。本例では、長孔を施したL字金具8bをねじ8aとナット(不図示)でチャンバ本体7bに結合するとともにターゲットとする部屋の天井40cに固定した例を示している。図7(a)は天井40cが平坦で、チャンバ7b、7cの接続開口7dが天井40cに密着して固定できる場合である。一方、図7(b)は天井40cにケーブルダクト等の突起41(図9(b)参照)があって、隙間Sが接続開口7dの周囲に生じている場合である。いずれの場合でも、本例のような長孔を有するL字金具を用いると、障害物がある場合でも簡単に固定が可能である。このような固定手段8を用いることで、本例の清浄空気発生装置1を簡易に幅広く清浄空気を供給するターゲットとする部屋40に固定できる。
【0037】
(接続部材)
図9に本例の清浄空気発生装置1を接続部材14により連結させる構造の説明図を示す。図9(a)は、図7(b)に示すように、ターゲットとする部屋40の上に突起41が紙面の前後方向にわたり存在して、接続開口7dと部屋40の天井40cの間に隙間Sが生じる場合である。このような場合は、隙間Sが大きいとチャンバ7b、7cの内部に生じた負圧が減殺され、発生した清浄化した空気Aoutが部屋40内に送り込むことが困難となるおそれが考えられる。
このため、本例では、図9(b)に示すように、突起41をかわしながらこの隙間Sを埋める板状のマグネット板14(ハッチングで示す。)を、接続開口7dの周囲に複数備えることができる。
このようにすると、チャンバ7b、7c内の圧力状態、すなわち、既存の送風ファン30a、30bが作る大気圧と比べて負圧となる状態がよりよく維持でき、室内に効率よく生成した清浄空気を送り込むことができる。加えて、前述した固定手段8とともに、または、固定手段8を用いずとも、部屋の天井40cが磁性体でできている場合は、本例の清浄空気発生装置1を簡易に幅広くターゲットとする部屋40に取り付けることができる。
また、特にターゲットとなる部屋40がエレベータの乗車室である場合は、その天井の上にある突起は、エレベータごとにその位置や大きさが異なる異なるのが通常である。このような場合でも、マグネット板14は任意の大きさにカットすることが容易なので、さまざまな大きさの隙間Sを埋めることができる。
【実施例0038】
図10に、清浄空気発生装置1を清浄空気供給システム1Bとした一例(実施例2)を示す。本例は、実施例1の装置1に加えて、循環チャンバ7eとこの循環チャンバに気密に接続する第1空気取入部51及び第2空気取入部52とをさらに備えている。そして、循環チャンバ7eは、空気取入口6に気密に接続され、第1空気取入部51は、室外空気Ainを取り入れる第1ダクト51aと、この第1ダクト内に設けられた第1切換弁51bとを有する。加えて、第2空気取入部52は、部屋140から戻ってくる循環空気Artを取り入れる第2ダクト52aと、第2ダクト内に設けられた第2切換弁52bを有する。全体として、本例の清浄空気発生装置1、送風ファン30、部屋140、循環チャンバ7e、第1空気取入部51及び第2空気取入部52とで、一つの清浄空気供給システム1Bを構成している。本例の部屋140は、天井140cと床140a、そして壁140bで囲まれており、人の出入りが可能であるが閉空間とすることができる。天井140cの外側には既存の送風ファン30があり、これを清浄空気発生装置1が覆うように設けられている。天井には空気の循環口140dと空気の流入口140eがある。
なお、第1ダクト51a及び第2ダクト52aは、空気が送られるため、気密であることが必要である。
【0039】
本例のシステム1Bは、循環モードと外気取入モードで動作することができる。このような動作の選択や切替は、周知の手段で制御を行う制御部を設けることにより実現できる。このシステム1Bを運転するときは、清浄空気発生装置1と送風ファン30を同時に動作させる。
(循環モード)
循環モードでは、このシステム1Bは、空気取入口6から室内空気Artを取り込み、清浄化した空気Aoutを流入口140eから送出する。この場合、第1切換弁51bを閉止し、第2切換弁52bを開放する。本例の清浄空気供給システム1Bを運転すると、部屋140の室内空気Artは第2ダクト52aを経由して循環チャンバ7eを通して清浄空気供給装置1に還流される。そして、還流した室内空気Artは、清浄空気供給装置1で清浄化され、清浄化した空気Aoutとして、室140内に流入して室内の空気に混ざり、再び、還流される。
この循環モードの場合、24時間換気も可能である。送風装置30の送風能力でその換気能力は決定されるが、室内循環の風量は最大で1時間あたり180m3に設定することができる。
【0040】
このようにすると、部屋140では、その室内空気の循環口140dから吸入した空気Artを清浄化しその部屋の流入口140eから供給することができる。したがって、空気環境を整えたいターゲットとする部屋140に清浄化した空気Aoutを循環させて継続的に空気環境を整えることができる。
【0041】
(外気取入モード)
一方、外気取入モードでは、このシステム1Bは、循環チャンバ7eに設けられた第1空気取入部51をを通って取込口60から室外空気Ainを取り込み、清浄化した空気Aoutを流入口140eから送出する。この場合、第1切換弁51bを開放し、第2切換弁52bを閉止する。清浄空気供給システム1Bを運転すると、部屋140の室外空気Ainは第1ダクト51aを経由して循環チャンバ7eを通して清浄空気供給装置1に供給される。そして、取り入れた室外空気Ainは、清浄空気供給装置1で清浄化され、清浄化した空気Aoutとして、部屋140内に流入して室内の空気が浄化される。
【0042】
このようにすると、部屋140では、室外空気Ainを取り込んで清浄化しその部屋の流入口140eから供給することができる。したがって、空気環境を整えたいターゲットとする部屋140に清浄化した空気Aoutを送り込んで屋外の花粉や黄砂、PM2.5、人の唾液の飛沫核などを除去してその空気環境を整えることができる。
【0043】
(ウィルス除菌の可能性)
また、夜間などの室内が無人の場合には、長時間の運転ができるため殺菌作用が期待できる。本例の電気式集塵機22では、浮遊する飛沫を捕集するばかりでなく、低濃度オゾンが発生する。このため、室内が無人である夜間などに循環モードで運転を続けると、室内のウィルスを不活性化することもできる。たとえば、タイマーを用いて循環モードでエレベータ乗車室内のオゾン濃度を0.1ppmで約10時間保つ(オゾン曝露量値CT60)。なお、紫外線を用いた除菌装置は紫外線の照射範囲は除菌が可能であるがそれ以外の場所は可能ではない。これと比べると本例のシステム1Bでは、オゾンは閉じられた空間の隅々まで行き渡らせることができる。
【0044】
(本システムを備えたエレベータ)
図10は居室を含めた一般的な部屋140を例としているが、この部屋はエレベータの乗車室140であってもよい。
この場合は、外気は、通常はエレベータシャフト内の空気となるので、これをエレベータ乗車室140内に取り込むことができる。また、エレベータの乗車室140内の空気を循環させて空気清浄機能を強化することができる。このため、常に清浄化された空気が乗車室内に給気される。
【0045】
(ウィルス除菌の可能性)
また、エレベータ乗車室140内においても、先述の通常の室内と同様に夜間などの乗車室内が無人の場合には、長時間の運転ができるため殺菌作用が期待できる。
【0046】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。その場合でも、本発明の範囲に含まれるものである。
【0047】
なお、本明細書の〔特許請求の範囲〕については、いわゆるマルチマルチクレームによらない表現で、以下のように表現が可能である。
〔請求項1〕
ターゲットとする部屋に清浄化した空気を供給するための清浄空気発生装置であって、
筐体(7)と、この筐体の内部に取り入れた清浄化前の空気(Ain)を清浄化する空気清浄部(20)と、を備え、
前記筐体は、清浄化前の空気(Ain)を筐体内部に取り入れる空気取入口(6)と前記空気清浄部で清浄化した空気(Aout)を溜めるチャンバ(7b、7c)を有し、
前記チャンバは、前記ターゲットとする部屋の室外空気を室内に送り込む外気取入口(31)を覆うための接続開口(7d)が設けられた、清浄空気発生装置(1)。
〔請求項2〕
前記空気清浄部(20)は、浄化前の空気(Ain)について空気の粗い粉塵を除去する第1空気清浄部(21)と、これに続くさらに細かい粉塵を除去する第2空気清浄部(22)とを含み、
前記チャンバ(7b、7c)は、前記接続開口(7d)が前記外気取入口(31)を覆う際にその気密性を保つために前記接続開口(7d)の周囲に着脱可能な接続部材(14)を複数備える、請求項1記載の清浄空気発生装置。
〔請求項3〕
前記チャンバ(7b、7c)は、チャンバ本体(7b)とこのチャンバ本体にスライド可能に組み合わされてチャンバを構成する伸縮カバー(7c)を含み、
前記接続開口(7d)の大きさを調節するために主チャンバ(7b)に対する伸縮カバー(7c)の取付位置を複数選択するように取付穴(9b)のセットを複数組備える、請求項1記載の清浄空気発生装置。
〔請求項4〕
ターゲットとする部屋に清浄化した空気を供給するための清浄空気発生装置であって、
筐体(7)と、この筐体の内部に取り入れた清浄化前の空気(Ain)を清浄化する空気清浄部(20)と、を備え、
前記筐体は、清浄化前の空気(Ain)を筐体内部に取り入れる空気取入口(6)と前記空気清浄部で清浄化した空気(Aout)を溜めるチャンバ(7b、7c)を有し、
前記チャンバは、前記ターゲットとする部屋の室外空気を室内に送り込む外気取入口(31)を覆うための接続開口(7d)が設けられ、
循環チャンバ(7e)とこの循環チャンバに気密に接続する第1空気取入部(51)及び第2空気取入部(52)とをさらに備え、
前記循環チャンバ(7e)は、前記空気取入口(6)に気密に接続され、
前記第1空気取入部(51)は、
室外空気(Ain)を取り入れる第1ダクト(51a)と、前記第1ダクト内に設けられた第1切換弁(51b)とを有し、
前記第2空気取入部(52)は、
循環空気(Art)を取り入れる第2ダクト(52a)と、前記第2ダクト内に設けられた第2切換弁(52b)を有する、清浄空気発生装置。
〔請求項5〕
請求項1記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置(30)とを備えた部屋であって、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口(7d)から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ(7b、7c)内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給される部屋(40)。
〔請求項6〕
請求項1記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置(30)とを備えた部屋であって、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口(7d)から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ(7b、7c)内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給され、
前記部屋はエレベータの乗車室である部屋(40)。
〔請求項7〕
請求項4記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置(30)と室内の空気を前記清浄空気発生装置に戻すための循環口(140d)とを備えた部屋であって、
前記第1ダクト(51a)は、前記循環チャンバ(7e)に接続され、
前記第2ダクト(52a)は、前記循環チャンバ(7e)と前記循環口(140d)に接続され、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口(7d)から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ(7b、7c)内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給される部屋(140)。
〔請求項8〕
請求項4記載の清浄空気発生装置と室外空気をその室内に送り込む換気装置(30)と室内の空気を前記清浄空気発生装置に戻すための循環口(140d)とを備えた部屋であって、
前記第1ダクト(51a)は、前記循環チャンバ(7e)に接続され、
前記第2ダクト(52a)は、前記循環チャンバ(7e)と前記循環口(140d)に接続され、
前記清浄空気発生装置は、前記接続開口(7d)から前記換気装置を覆うようにして前記チャンバ(7b、7c)内に収納されるように設けられており、
前記換気装置の換気空気の吸入口を外気取入口として清浄空気が室内に供給され、
前記部屋はエレベータの乗車室である部屋(140)。
【符号の説明】
【0048】
1:清浄空気発生装置、
1A、1B:清浄空気供給システム
6:空気取入口、
7:筐体、7a:筐体胴部、7b:チャンバ本体、7c:伸縮カバー、7d:開口(接続開口)、7e:循環チャンバ
8:固定手段、8a:ねじ、8b:L字金具、
9a、9b:貫通孔
12:係止部材(留め具)、
13:ヒンジ、
14:接続部材(マグネット板)
20:空気清浄部
21:プレフィルター(第1空気清浄部)、21a:セル枠、21b:プレフィルター本体
22:電気集塵ユニット(第2空気清浄部)、22a:吸込口、22b:吹出口、
30、30a、30b:送風ファン(換気装置)、31:外気取入口
40:部屋、エレベータの乗車室、40c:天井
41:突起
140:部屋、エレベータの乗車室
140a:床、140b:壁、140c:天井、140d:循環口、140e:流入口
51:第1空気取入部、52:第2空気取入部
51a:第1ダクト(給気ダクト)、51b:第1切換弁(給気遮断手段)
52a:第2ダクト(戻りダクト)、、52b:第2切換弁(循環空気遮断手段)
60:取込口
Ain:取り込まれる空気、清浄化前の空気、室外空気
Aout:清浄化した空気、清浄化された空気
Art:室内から循環される空気
S:隙間
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
図9
図10