(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159958
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】調整装置及びブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/388 20060101AFI20231026BHJP
E06B 9/302 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
E06B9/388
E06B9/302
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069908
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝明
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA02
2E043AA04
2E043BC03
2E043DA02
(57)【要約】
【課題】部品点数の少ない簡易な構造でありながらも、容易にコードの長さを調整可能な技術を提供する。
【解決手段】調整装置140は、ボトムレール170に取り付けられ、ボトムレールの長手方向に沿って設けられた複数の第1規制部151を有するホルダ150と、ホルダに取り付けられた状態でボトムレールの長手方向に移動可能となるように設けられ、第1規制部に係止可能な第1係止部161を有する調整部材160と、を備え、昇降コードは、調整部材の長手方向への移動に応じて、一部が長手方向に引っ張られるように調整部材に連結され、調整部材が長手方向に移動されることにより、昇降コードの垂下長を調整可能であり、第1係止部がいずれかの第1規制部に係止されて調整部材の長手方向への移動が規制されることにより、昇降コードの垂下長を保持可能であることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスに吊り下げられた遮蔽材に沿って垂下されたコードと、前記遮蔽材の下端に連結されたレール材と、を備えたブラインドにおける前記コードの垂下長を調整する調整装置であって、
前記レール材に取り付けられ、前記レール材の長手方向に沿って設けられた複数の第1規制部を有するホルダと、
前記ホルダに取り付けられた状態で前記レール材の長手方向に移動可能となるように設けられ、前記第1規制部に係止可能な第1係止部を有する調整部材と、
を備え、
前記コードは、前記調整部材の前記レール材の長手方向への移動に応じて、一部が前記レール材の長手方向に引っ張られるように前記調整部材に連結され、
前記調整部材が前記レール材の長手方向に移動されることにより、前記コードの垂下長を調整可能であり、前記第1係止部がいずれかの前記第1規制部に係止されて前記調整部材の前記レール材の長手方向への移動が規制されることにより、前記コードの垂下長を保持可能であることを特徴とする、調整装置。
【請求項2】
前記調整部材は、前記ホルダに取り付けられた状態で前記レール材の長手方向に移動可能、且つ前記レール材の短手方向を軸心として傾動可能に設けられ、
前記レール材の長手方向の一方である係止解除方向に傾動されて前記第1係止部の前記第1規制部への係止が解除されることにより前記レール材の長手方向へ移動可能となり、前記レール材の長手方向の他方である係止方向に傾動されて前記第1係止部が前記第1規制部に係止されることにより前記レール材の長手方向への移動が規制されることを特徴とする、請求項1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記第1規制部は、上方に開口した前記ホルダの上端部において、互いに前記レール材の短手方向に対向するように前記レール材の長手方向に沿って複数設けられ、
前記第1係止部は、前記レール材の短手方向における前記調整部材の両端部に一対形成され、
前記ホルダは、前記第1規制部よりも下方において、互いに前記レール材の短手方向に対向するように設けられた溝部を更に有し、前記溝部の一部が前記レール材の長手方向に延在し、
前記調整部材は、前記第1係止部とは異なる位置において、前記レール材の短手方向における両端部に一対の凸部を有し、前記一対の凸部が前記溝部を摺動可能となるように前記ホルダに取り付けられることで、前記レール材の長手方向に移動可能、且つ前記一対の凸部を軸心として傾動可能となることを特徴とする、請求項2に記載の調整装置。
【請求項4】
前記調整部材は、前記第1係止部が前記第1規制部に係止された状態となると、前記ホルダに対して前記レール材の長手方向への移動が規制されるとともに前記レール材の短手方向を軸心とした傾動が規制されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の調整装置。
【請求項5】
前記ホルダは、底部において前記レール材の長手方向に複数設けられた第2規制部を更に有し、
前記調整部材は、前記係止方向に傾動されることにより前記第2規制部と係止可能に突出した第2係止部を更に有し、前記第1係止部が前記第1規制部に係止された状態、且つ前記第2係止部が前記第2規制部に係止された状態で前記ホルダに固定されることを特徴とする、請求項4に記載の調整装置。
【請求項6】
前記ホルダは、前記レール材の長手方向に対して直交する第2壁部の上端部に形成された第1挿通孔と、前記第1挿通孔の下方に形成された第2挿通孔とを更に有し、
前記調整部材は、前記コードを転回させるコード転回部を更に有し、
前記コードは、前記第1挿通孔から前記ホルダ内に導入され、前記コード転回部で転回されて前記第2挿通孔から前記ホルダ外に導出されるように配回され、端部が前記第2挿通孔から抜出不能に係止されることを特徴とする、請求項1に記載の調整装置。
【請求項7】
前記第1規制部は、前記レール材の長手方向に沿って所定のピッチで前記ホルダに形成されていることを特徴とする、請求項1又は6に記載の調整装置。
【請求項8】
前記調整部材は、傾動を操作するためのベース部を有しており、前記ベース部の一部に傾動操作補助開口部を有することを特徴とする、請求項2に記載の調整装置。
【請求項9】
前記調整部材は、傾動を操作するためのベース部を有しており、前記第1係止部が前記第1規制部に係止された状態において前記ベース部の一部が前記ホルダの端部から長手方向に突出することを特徴とする、請求項2に記載の調整装置。
【請求項10】
請求項1に記載の調整装置を備えることを特徴とする、ブラインド。
【請求項11】
前記遮蔽材の下端を前記レール材に連結するための取付プレートを更に備え、
前記調整部材は、前記レール材に取り付けられた状態において、前記取付プレートの一部に形成された開口部を介して操作可能に露出していることを特徴とする、請求項10に記載のブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遮蔽材に沿って配されるコードの垂下長を調整する調整装置及びブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遮蔽材に沿って配されるコードの垂下長を調整する調整装置及びブラインドとしては、特開2017-172176号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献には、ヘッドレールから垂下された遮蔽体と、遮蔽体の下端に設けられたボトムレールと、ヘッドレールから垂下されたコードと、ボトムレール内に固定されるとともにコードの下端部が取り付けられ、コードの長さを調整可能なコード長さ調整機構とを備えている調整装置及びブラインドが開示されている。コード長さ調整機構は、コードの下端部を挿通可能な挿通部とコードの下端を係止可能な係止部とが形成されてボトムレール内に固定される固定部材と、固定部材の挿通部に挿通されたコードの下端部を巻き掛けて固定部材に固定した状態で、固定部材に対してボトムレールの長手方向に移動可能な移動部材と、移動部材を固定部材に対して移動不能にロックするロック部材とを有している。
【0003】
これによれば、コードが巻き掛けられた移動部材をボトムレールの長手方向に移動させるだけで、コードの長さを調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来の調整装置及びブラインドでは、コードの長さを調整した位置で固定するためには、移動部材を固定部材に対して移動不能にロックするロック部材を別に設ける必要がある。このため、部品点数が増加するとともに構造が複雑になるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品点数の少ない簡易な構造でありながらも、容易にコードの長さを調整可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、ヘッドボックスに吊り下げられた遮蔽材に沿って垂下されたコードと、前記遮蔽材の下端に連結されたレール材と、を備えたブラインドにおける前記コードの垂下長を調整する調整装置であって、前記レール材に取り付けられ、前記レール材の長手方向に沿って設けられた複数の第1規制部を有するホルダと、前記ホルダに取り付けられた状態で前記レール材の長手方向に移動可能となるように設けられ、前記第1規制部に係止可能な第1係止部を有する調整部材と、を備え、前記コードは、前記調整部材の前記レール材の長手方向への移動に応じて、一部が前記レール材の長手方向に引っ張られるように前記調整部材に連結され、前記調整部材が前記レール材の長手方向に移動されることにより、前記コードの垂下長を調整可能であり、前記第1係止部がいずれかの前記第1規制部に係止されて前記調整部材の前記レール材の長手方向への移動が規制されることにより、前記コードの垂下長を保持可能であることを特徴とする、調整装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、ホルダと調整部材だけで構成される部品点数の少ない簡易な構造でありながらも、容易にコードの長さを調整可能である。よって、コードの垂下長を容易に調整して保持することができるため、ブラインドの高さの調整作業やレール材の傾きの調整作業を容易に行うことができる。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記調整部材は、前記ホルダに取り付けられた状態で前記レール材の長手方向に移動可能、且つ前記レール材の短手方向を軸心として傾動可能に設けられ、前記レール材の長手方向の一方である係止解除方向に傾動されて前記第1係止部の前記第1規制部への係止が解除されることにより前記レール材の長手方向へ移動可能となり、前記レール材の長手方向の他方である係止方向に傾動されて前記第1係止部が前記第1規制部に係止されることにより前記レール材の長手方向への移動が規制されるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部材を傾動操作することにより、調整部材を移動可能としてコードの垂下長を調整可能な状態と、調整部材の移動を規制してコードの垂下長を調整した位置で保持する状態とを容易に切り替えることができる。
【0010】
また、前記第1規制部は、上方に開口した前記ホルダの上端部において、互いに前記レール材の短手方向に対向するように前記レール材の長手方向に沿って複数設けられ、前記第1係止部は、前記レール材の短手方向における前記調整部材の両端部に一対形成され、前記ホルダは、前記第1規制部よりも下方において、互いに前記レール材の短手方向に対向するように設けられた溝部を更に有し、前記溝部の一部が前記レール材の長手方向に延在し、前記調整部材は、前記第1係止部とは異なる位置において、前記レール材の短手方向における両端部に一対の凸部を有し、前記一対の凸部が前記溝部を摺動可能となるように前記ホルダに取り付けられることで、前記レール材の長手方向に移動可能、且つ前記一対の凸部を軸心として傾動可能となるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部材を傾動操作することにより、調整部材を移動可能としてコードの垂下長を調整可能な状態と、調整部材の移動を規制してコードの垂下長を調整した位置で保持する状態とを容易に切り替えることができる。また、一対の凸部が前記溝部を摺動するため、調整部材を円滑に移動させることができ、移動時に調整部材がホルダから離脱することを防止できる。
【0011】
また、前記調整部材は、前記第1係止部が前記第1規制部に係止された状態となると、前記ホルダに対して前記レール材の長手方向への移動が規制されるとともに前記レール材の短手方向を軸心とした傾動が規制されるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部材が移動及び傾動しないようにホルダに固定可能となるため、コードの垂下長を調整した後に調整位置がずれないように確実に保持することができる。
【0012】
また、前記ホルダは、底部において前記レール材の長手方向に複数設けられた第2規制部を更に有し、前記調整部材は、前記係止方向に傾動されることにより前記第2規制部と係止可能に突出した第2係止部を更に有し、前記第1係止部が前記第1規制部に係止された状態、且つ前記第2係止部が前記第2規制部に係止された状態で前記ホルダに固定されるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部材を第1係止部と第2係止部の2箇所でホルダに係止させることにより、コードに強い張力が生じても調整位置がずれないように確実に保持することができる。
【0013】
また、前記ホルダは、前記レール材の長手方向に対して直交する第2壁部の上端部に形成された第1挿通孔と、前記第1挿通孔の下方に形成された第2挿通孔とを更に有し、前記調整部材は、前記コードを転回させるコード転回部を更に有し、前記コードは、前記第1挿通孔から前記ホルダ内に導入され、前記コード転回部で転回されて前記第2挿通孔から前記ホルダ外に導出されるように配回され、端部が前記第2挿通孔から抜出不能に係止されるようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部材の長手方向の移動量に対して倍の調整量でコードの垂下長を調整することができるため、調整装置を大型化せずとも十分な調整量を確保することができる。
【0014】
また、前記第1規制部は、前記レール材の長手方向に沿って所定のピッチで前記ホルダに形成されているようにしてもよい。かかる構成によれば、調整量を認識しながらコードの垂下長を調整することができるため、垂下長の微調整を容易に行うことができる。
【0015】
また、前記調整部材は、傾動を操作するためのベース部を有しており、前記ベース部の一部に傾動操作補助開口部を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、指を傾動操作補助開口部に差し込んで調整部材を引き起こす操作をするのみならず、マイナスドライバー等の治具を傾動操作補助開口部に差し込んで調整部材を引き起こすことができるため、指での操作が困難な場合でもあっても容易に操作可能となる。
【0016】
また、前記調整部材は、傾動を操作するためのベース部を有しており、前記第1係止部が前記第1規制部に係止された状態において前記ベース部の一部が前記ホルダの端部から長手方向に突出するようにしてもよい。かかる構成によれば、ベース部の一部が前記ホルダの端部から長手方向に突出するため、調整部材の端部を指で掴みやすくなる。よって、調整部材が小さくても容易に指で操作することができる。
【0017】
また、本発明の第2の観点によれば、上記本発明の第1の観点の調整装置を備えることを特徴とする、ブラインドが提供される。
【0018】
かかる構成によれば、ホルダと調整部材だけで構成される部品点数の少ない簡易な構造でありながらも、容易にブラインドのコードの長さを調整可能とすることができる。
【0019】
また、前記遮蔽材の下端を前記レール材に連結するための取付プレートを更に備え、前記調整部材は、前記レール材に取り付けられた状態において、前記取付プレートの一部に形成された開口部を介して操作可能に露出しているようにしてもよい。かかる構成によれば、調整部材を容易に操作することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、部品点数の少ない簡易な構造でありながらも、容易にコードの長さを調整可能な技術を提供することが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態に係るプリーツスクリーン100の全体構成を示す正面図である。
【
図3】調整装置140を説明するための図であり、(a)は分解斜視図であり、(b)は斜視図である。
【
図4】調整装置140を説明するための図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【
図7】調整装置140の動作を説明するための斜視図であり、(a)は、調整部材160がホルダ150に固定された状態を示し、(b)は、調整部材160とホルダ150の係合を解除した状態を示し、(c)は、調整部材160をスライドさせている状態を示し、(d)は、調整部材160をホルダ150に係合する状態を示す。
【
図8】調整装置140の動作を説明するための断面図であり、(a)は、調整部材160がホルダ150に固定された状態を示し、(b)は、調整部材160とホルダ150の係合を解除した状態を示し、(c)は、調整部材160をスライドさせている状態を示し、(d)は、調整部材160をホルダ150に係合する状態を示す。
【
図9】調整装置140をボトムレール170に組付ける工程を説明するための図であり、組付ける前の状態を示す斜視図である。
【
図10】調整装置140をボトムレール170に組付ける工程を説明するための図であり、組付けた状態を示す斜視図である。
【
図11】昇降コード130の垂下長を調整した状態を示す図であり、(a)は垂下長が最も長い場合を示し、(b)は垂下長が最も短い場合を示す。
【
図12】調整装置140の変形例1を示す斜視図である。
【
図13】調整装置140の変形例2を示し、
図4(a)のB-B断面図に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、以下の説明においては、ブラインドとしてプリーツスクリーンを例にとって説明するが、本発明は、ハニカムスクリーン、横型ブラインドなどにも適用される。
【0023】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るプリーツスクリーン100(ブラインド)の全体構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るプリーツスクリーン100の全体構成を示す正面図である。
図2は、調整装置140付近の斜視図である。プリーツスクリーン100は、吊り下げられたスクリーン110(遮蔽材)を昇降するためにヘッドボックス120から垂下された昇降コード130(コード)の垂下長を調整する調整装置140を備える。以下、本実施形態の各構成について詳細に説明する。
【0024】
(スクリーン110)
スクリーン110(遮蔽材)は、開口部を閉塞したり開放したりする遮蔽材である。スクリーン110は、
図1に示したように、上端部がヘッドボックス120に連結されて吊下げられている。スクリーン110は、上下方向に複数のプリーツが畳み込み及び展開可能に形成されてなり、各プリーツには、昇降コード130をそれぞれ挿通する挿通孔112が形成されている。スクリーン110の下端はボトムレール170に連結されている。
【0025】
ヘッドボックス120は、
図1に示したように、長尺な箱型に構成されており、内部には、昇降コード130が巻き掛けられて、これの配回しの方向を転回する転回部材122が、長手方向2か所に設けられている。また、ヘッドボックス120の一端には、昇降コード130の移動を拘束するストッパ124が設けられている。ヘッドボックス120は、ブラケット126により図示していない窓枠や壁などに固定される。
【0026】
昇降コード130は、
図1に示したように、一端がボトムレール170に連結されており、他端がスクリーン110の挿通孔112をそれぞれ挿通して、ヘッドボックス120内に導入される。そして、ヘッドボックス120内に導入された昇降コード130は、転回部材122で転回される。このように転回された昇降コード130は、ヘッドボックス120の長手方向に沿って配回されて、ヘッドボックス120の一端部においてストッパ124を介して外部に導出され、つまみ132にそれぞれ連結される。つまみ132からは補助コード134が垂下している。補助コード134の下端は、ジョイント136を介してボトムレール170に連結されている。
【0027】
ボトムレール170は、
図2に示したように、上部に開口部172が形成された長尺な箱型の形状をしている。ボトムレール170内には、調整装置140が嵌め合わされる嵌合部174が前後下部の長手方向全長にわたって形成されている。スクリーン110の下端をボトムレール170に取り付けるための取付プレート176を備えている。取付プレート176には、これの下面にスクリーン110の下端が重ね合わされており、図示しないステップルによってスクリーン110が結合されている。
【0028】
取付プレート176は、スクリーン110の下端とともにボトムレール170内に挿入され、短手方向両縁部がボトムレール170の内部上面に当接するように配置される。これにより、ボトムレール170の上部と取付プレート176とが係合状態となり、スクリーン110の下端がボトムレール170に連結される。また、これにより、取付プレート176によって開口部172が閉塞される。取付プレート176には、ボトムレール内に取り付けられた調整装置140と対応する位置に調整装置140の上面を露出させる露出口176a(開口部)が形成されている。調整装置140は、露出口176aを介して操作可能である。
【0029】
(調整装置140)
本実施形態の特徴的な構成である調整装置140について、
図3~
図6を参照しながら説明する。
図3は、調整装置140を説明するための図であり、(a)は分解斜視図であり、(b)は斜視図である。
図4は、調整装置140を説明するための図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
図5は、
図4(a)のA-A断面図である。
図6は、
図4(a)のB-B断面図である。
【0030】
調整装置140は、昇降コード130の垂下長を調整するための装置である。調整装置140は、
図2に示したように、ボトムレール170に取り付けられ、ボトムレール170の長手方向に沿って設けられた複数の第1規制部151を有するホルダ150と、ホルダ150に取り付けられた状態でボトムレール170の長手方向に移動可能となるように設けられ、第1規制部151に係止可能な第1係止部161を有する調整部材160と、を備える。昇降コード130は、調整部材160のボトムレール170の長手方向への移動に応じて、一部がボトムレール170の長手方向に引っ張られるように調整部材160に連結され、調整部材160がボトムレール170の長手方向に移動されることにより、昇降コード130の垂下長を調整可能であり、第1係止部161がいずれかの第1規制部151に係止されて調整部材160の長手方向への移動が規制されることにより、垂下長を保持可能である。
【0031】
(ホルダ150)
ホルダ150は、
図3に示したように、上方に開口した略直方体の形状をしており、開口を挟んで対向して配置される一対の第1壁部152がボトムレール170の長手方向に沿うようにボトムレール170内に配置される。一対の第1壁部152には、
図3(a)に示したように、前後方向及び上方向に張り出した一対の張り出し部152aが形成されている。張り出し部152aは、後述する調整部材160のベース部165の高さと略同じ高さだけ第1壁部152から上方に張り出している。よって、
図3(b)に示したように、調整部材160がホルダ150に固定されてベース部165が第1壁部152に載置した際に、面一になるように構成されている。
【0032】
一対の張り出し部152aには、
図3に示したように、第1規制部151が、一対の張り出し部152aの上端部において対向するように長手方向に沿って複数設けられる。第1規制部151は、
図4(b)に示したように、調整部材160の第1係止部161を係止する凹部151aと、第1係止部161を凹部151aに誘導する誘導部151bとによって構成される。凹部151aは、中心角が180度より大きい扇形に形成されている。誘導部151bは、凹部151aから上端に向かって間隔が広がる斜面状に形成されている。
【0033】
一対の第1壁部152の第1規制部151より下方は、
図3(a)に示したように、調整部材160の移動を案内する一対の溝部153が対向するように形成されている。一対の溝部153は、略L字状の形状であり、一方の辺(一部)が第1規制部151の下方において長手方向に延在しており、他方の辺が第1壁部152の上端まで延在し、上方が開放した挿入部153aが形成されている。
【0034】
また、ホルダ150は、
図3(a)に示したように、底部154においてボトムレール170の長手方向に複数設けられた第2規制部155を更に有する。第2規制部155は、底部154の長手方向に複数形成される凹凸によって構成される。第2規制部155は、
図5に示したように、底部154の長手方向に傾斜する傾斜面155aと、傾斜面155aの頂点から底部154までの垂直面155bと、底部154とにより構成される。
【0035】
ホルダ150は、
図3(a)に示したように、第1壁部152(ボトムレール170の長手方向)に対して直交する第2壁部156に昇降コード130が挿通する第1挿通孔157と第2挿通孔158とを更に有する。第2壁部156は、張り出し部152aと同じ高さに形成されている。第1挿通孔157は、
図6に示したように、第2壁部156の上端部から下方に延びるとともにホルダ150の内部まで貫通する略L字状の孔である。よって、昇降コード130は、垂下方向で第1挿通孔157に挿入され、第1挿通孔157の屈曲した部分でホルダ150の内部方向に自然に方向転換されて、ホルダ150の内部まで挿入することができる。
【0036】
第2挿通孔158は、
図6に示したように、第1挿通孔157の下方において、ホルダ150の内部まで貫通する長孔である。第2挿通孔158は、昇降コード130の太さよりも大きいが、昇降コード130によって形成された結び目130aよりも小さい。
【0037】
ホルダ150は、
図3(a)に示したように、第1壁部152の第2壁部156とは反対側の端部に第3壁部159を有する。第3壁部159は、第1壁部152と同じ高さに形成されている。第3壁部159は、後述の調整部材160のベース部165を載置可能である。
【0038】
底部154には、
図3に示したように、前後方向に突出した一対の突出部154aが形成されており、これら突出部154aがボトムレール170の嵌合部174にそれぞれ嵌め合せられる。よって、ホルダ150は、ボトムレール170の長手方向には移動自在であるが、上下及び前後方向への移動は拘束される。
【0039】
(調整部材160)
調整部材160は、ホルダ150に固定され、昇降コード130の一部をボトムレール170の長手方向に引き込むことにより昇降コード130の垂下長を調整可能とするものである。ボトムレール170の長手方向の一方である係止解除方向に傾動されて第1係止部161の第1規制部151への係止が解除されることによりボトムレール170の長手方向へ移動可能となり、ボトムレール170の長手方向の他方である係止方向に傾動されて第1係止部161が第1規制部151に係止されることによりボトムレール170の長手方向への移動が規制される。
【0040】
調整部材160は、
図3(a)に示したように、複数の第1規制部151に沿ってホルダ150に対して移動可能であり第1規制部151に係止可能な一対の第1係止部161を有する。第1係止部161は、間隔を空けて配置される略逆L字状の一対の片160aから第1規制部151の方向にそれぞれ突出する一対の円筒形の凸部である。第1係止部161は、
図4(b)に示したように、第1規制部151の凹部151aに係脱可能に嵌め合わされる。
【0041】
また、調整部材160は、
図3(a)に示したように、一対の溝部153に沿って摺動可能な一対の突部162を備える。突部162は、一対の片160aの第1係止部161よりも下方において溝部153の方向にそれぞれ突出する一対の円筒形の凸部である。一対の突部162は、上方が開放された挿入部153aから一対の溝部153に挿入され、
図4(b)に示したように、一対の溝部153の長手方向に移動可能であり、調整部材160は、一対の突部162を軸心として傾動可能である。
【0042】
調整部材160は、
図3(a)に示したように、ホルダ150の第2規制部155と係止可能に突出した第2係止部163を有する。第2係止部163は、一対の片160aの下端部にそれぞれ設けられている。第2係止部163は、
図5に示したように、調整部材160がホルダ150に対して移動が規制された状態で、第2規制部155の垂直面155bと対面する垂直部163aと、底部154と対面する底面163bと、傾斜面155aと対面する傾斜部163cとを有する。第2係止部163は、調整部材160が突部162を軸心として係合が解除される方向に傾動した際に、第2規制部155と当接することなく相対移動するように構成されている。
【0043】
第2係止部163は、
図5に示したように、調整部材160が係合方向に傾動されることにより第2規制部155と係合する。第1係止部161が第1規制部151に係止された状態、且つ第2係止部163が第2規制部155に係止された状態で、調整部材160はホルダ150に固定される。
【0044】
調整部材160は、
図3(a)に示したように、昇降コード130を転回させるコード転回部164を更に有する。コード転回部164は、第1係止部161と第2係止部163の間の位置において一対の片160aを連結するように形成されている。コード転回部164は、
図6に示したように、ボトムレール170の長手方向と直交する面が曲面になっており、昇降コード130が転回しやすくなっている。昇降コード130は、第1挿通孔157からホルダ150内に導入され、コード転回部164で転回されて第2挿通孔158からホルダ150外に導出されるように配回される。そして、ホルダ150の外で端部に結び目130aが形成されることによって第2挿通孔158から抜出不能に係止される。結び目130は、昇降コード130に対する位置を変更することで、昇降コード130の長さを予め調整することができる。
【0045】
調整部材160は、
図3に示したように、傾動を操作するためのベース部165を有している。ベース部165は一対の片160aの上部先端を連結するように形成されている。ベース部165の一部にマイナスドライバーなどの治具やコインなどが挿入可能な傾動操作補助開口部166が形成されている。ベース部165は、傾動操作補助開口部166に指を差し込んで傾動操作したり、傾動操作補助開口部166にマイナスドライバーやコインなどを差し込んで傾動操作したりすることで係止解除方向に傾動して、調整部材160とホルダ150との係止が解除される。傾動操作補助開口部166にマイナスドライバーやコインなどを差し込んで傾動操作する場合、指で傾動操作するよりもより容易に操作することが可能になる。
【0046】
以上、調整装置140の構成について説明した。以下、調整装置140の動作について
図7及び
図8を参照しながら説明する。
図7は、調整装置140の動作を説明するための斜視図である。
図8は、調整装置140の動作を説明するための断面図である。
【0047】
調整部材160がホルダ150に固定されている状態では、
図7(a)及び
図8(a)に示したように、調整部材160の第1係止部161がホルダ150の第1規制部151に係止し、調整部材160の第2係止部163がホルダ150の第2規制部155に係止している。そして、ベース部165が第1壁部152に載置されて、張り出し部152aとベース部165とが面一になるように構成されている。このように、ベース部165がホルダ150から突出しないため、ベース部165に何かが引っかかることが防止され、調整部材160が不用意に傾動することがない。
【0048】
昇降コード130の垂下長を調整するために調整部材160の位置を変更する場合は、まず、ホルダ150と調整部材160の固定を解除する。調整部材160は、
図7(b)及び
図8(b)に示したように、傾動操作補助開口部166に指を差し込んで傾動操作したり、傾動操作補助開口部166にマイナスドライバーやコインなどを差し込んで傾動操作したりすることで、突部162を軸心として、図中矢印aに示したように、係止解除方向に傾動させる。よって、調整部材160の第1係止部161はホルダ150の第1規制部151との係止が解除されて張り出し部152aの上方まで移動する。また、調整部材160の第2係止部163は、ホルダ150の第2規制部155との係止が解除されて溝部153の高さまで移動する。
【0049】
次に、
図7(c)及び
図8(c)に示したように、ベース部165を指で掴んで調整部材160を矢印bの方向に移動させる。このとき、調整部材160の突部162はホルダの溝部153に沿って摺動するため、調整部材160を円滑に移動させることができる。
【0050】
調整部材160を所望の位置まで移動させた後、
図7(d)及び
図8(d)に示したように、ベース部165を指で傾動操作する。調整部材160は、突部162を軸心として、図中矢印cに示したように係止方向に傾動する。この際、調整部材160の第1係止部161は、ホルダ150の誘導部151bに案内されて凹部151aに嵌り込む。よって、第1係止部161が第1規制部151に係止する。また、調整部材160の第2係止部163は、垂直部163aがホルダ150の垂直面155bに当接して移動が規制される。よって、第2係止部163が第2規制部155に係止する。このように、調整部材160がホルダ150に固定される。
【0051】
調整部材160を昇降コード130を最も引き込む位置で固定させても、
図8(d)に示したように、ベース部165の先端が第3壁部159と面一になるように構成されている。よって、ベース部165に何かが引っかかることが防止され、不用意に傾動することがない。
【0052】
以上、調整装置140の動作について説明した。以下、調整装置140をボトムレール170に組付ける工程について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
図9は、調整装置140をボトムレール170に組付ける工程を説明するための図であり、組付ける前の状態を示す斜視図である。
図10は、調整装置140をボトムレール170に組付ける工程を説明するための図であり、組付けた状態を示す斜視図である。
【0053】
調整装置140は、
図9に示したように、調整部材160が上になり、ホルダ150の突出部154aがボトムレール170の嵌合部174に嵌合するように位置を合わせた状態で、(
図9の例では第3壁部159の側から)ボトムレール170内に挿入する。そして、ボトムレール170の開口部172を介して調整装置140を所望の位置まで移動させる。
【0054】
調整装置140を、
図10に示したように、所望の位置まで移動させた後、取付プレート176の露出口176aを介して垂下された昇降コード130を調整部材160に連結する。その後、露出口176aの位置を調整装置140の位置と対応させて取付プレート176をボトムレール170の開口部172に取り付ける。
【0055】
以上、調整装置140をボトムレール170に組付ける工程について説明した。以下、昇降コード130の垂下長を調整する方法について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、昇降コード130の垂下長を調整した状態を示す図であり、(a)は垂下長が最も長い場合を示し、(b)は垂下長が最も短い場合を示す。
【0056】
昇降コード130の垂下長は、
図11(a)に示したように、調整部材160のコード転回部164がホルダ150の第2壁部156に最も近い位置にあるときに最も長くなる。そして、昇降コード130は、コード転回部164がホルダ150の第3壁部159に近づくにしたがってボトムレール170内に引き込まれて行くため垂下長が短くなっていく。コード転回部164が、
図11(b)に示したように、第3壁部159に最も近づいたときに昇降コード130の垂下長は最も短くなる。
【0057】
例えば、ホルダ150の隣り合う第1規制部151のピッチを3mmとした場合、昇降コード130の垂下長の最大調整量Aは24mmになる。このように昇降コード130の垂下長を調整することによって、プリーツスクリーン100の高さを調整することができる。また、各昇降コード130はそれぞれ別々に調整装置140を備えているため、それぞれ別々に垂下長を調整できる。よって、ボトムレール170の傾きも調整することができる。また、昇降コード130の結び目130aの位置を変更することで、更に細かい調整が可能となる。
【0058】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、ホルダ150と調整部材160だけで構成される部品点数の少ない簡易な構造でありながらも、容易に昇降コード130の長さを調整可能である。よって、昇降コード130の垂下長を容易に調整して保持することができるため、プリーツスクリーン100の高さの調整作業やボトムレール170の傾きの調整作業を容易に行うことができる。
【0059】
また、調整部材160を傾動操作することにより、調整部材160を移動可能として昇降コード130の垂下長を調整可能な状態と、調整部材160の移動を規制して昇降コード130の垂下長を調整した位置で保持する状態とを容易に切り替えることができる。
【0060】
また、一対の突部162が溝部153を摺動するため、調整部材160を円滑に移動させることができる。また、移動時に調整部材160がホルダ150から離脱することを防止できる。
【0061】
また、第1係止部161が第1規制部151に係止することによって、調整部材160が移動及び傾動しないようにホルダ150に固定可能となるため、昇降コード130の垂下長を調整した後に調整位置がずれないように確実に保持することができる。
【0062】
また、調整部材160を第1係止部161と第2係止部163の2箇所でホルダ150に係止させることにより、昇降コード130に強い張力が生じても調整位置がずれないように確実に保持することができる。
【0063】
また、昇降コード130は、第1挿通孔157からホルダ150内に導入され、コード転回部164で転回されて第2挿通孔158からホルダ150外に導出されるように配回される。このため、調整部材160の長手方向の移動量に対して倍の調整量で昇降コード130の垂下長を調整することができる。よって、調整装置140を大型化せずとも十分な調整量を確保することができる。
【0064】
また、第1規制部151は、ボトムレール170の長手方向に沿って所定のピッチでホルダ150に形成されているため、調整量を認識しながら昇降コード130の垂下長を調整することができる。よって、垂下長の微調整を容易に行うことができる。
【0065】
また、調整部材160は、ベース部165の一部に傾動操作補助開口部166を有しているため、指を傾動操作補助開口部166に差し込んで調整部材を引き起こす操作をするのみならず、マイナスドライバー等の治具を傾動操作補助開口部166に差し込んで調整部材160を引き起こすことができる。よって、指での操作が困難な場合でもあっても容易に操作可能となる。
【0066】
また、調整部材160は、ボトムレール170に取り付けられた状態において、取付プレート176の一部に形成された露出口176aを介して操作可能に露出しているため、調整部材160を容易に操作することができる。
【0067】
(変形例1)
変形例1では、第1の実施形態の調整部材160のベース部165の形状を変えた構成としたものである。本変形例のベース部265の構成について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、調整装置140の変形例1を示す斜視図である。ベース部265は、
図12に示したように、調整部材160の第1係止部161が第2壁部156に最も近い第1規制部151に係止された状態においてベース部265の一部が第3壁部159から長手方向に突出するように構成されている。
【0068】
このように、ベース部265の一部がホルダ150の端部から長手方向に突出しているため、ベース部265の端部を指で掴みやすくなる。よって、調整部材160が小さくても容易に指で操作することができる。また、ベース部265に第1の実施形態のような傾動操作補助開口部166を設ける必要がないため、簡素な構造で目的を達成することができる。
【0069】
(変形例2)
変形例2は、調整装置140を昇降コード130を転回させない構成としたものである。本変形例の調整装置140について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、調整装置140の変形例2を示し、
図4(a)のB-B断面図に相当する図である。ホルダ150には、
図13に示したように、昇降コード130をホルダ150内に導入するための第1挿通孔157のみが設けられており、昇降コード130をホルダ150の外に導出する第2挿通孔158は設けられていない。
【0070】
また、調整部材160には、昇降コード130をホルダ150内で転回させるコード転回部164に代えて、昇降コード130をホルダ内で係止するコード係止部364が設けられている。コード係止部364は、ボトムレール170の長手方向に貫通する貫通孔364aを有しており、第1挿通孔157からホルダ150に導入された昇降コード130がコード係止部364の貫通孔364aを貫通して先端に結び目130aが形成されることによりコード係止部364に係止される。
【0071】
昇降コード130を転回させない構成としたことで、第1の実施形態の調整装置140と比べて昇降コード130の最大移動量が小さくなるが、ホルダ150の構成が簡素化でき、製造工程も削減できる。また、昇降コード130をホルダ150内で転回させないため、昇降コード130を調整装置140に連結させる作業も容易になる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0073】
例えば、上記第1の実施形態では、レール材をボトムレール170としたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、レール材は、上下2段にスクリーンを備えたブラインドの中間バーとしてもよい。
【0074】
また、上記第1の実施形態では、ホルダ150と調整部材160の係止及び係止解除を調整部材160を傾動させることで行ったが、本発明はこの例に限定されない。ホルダと調整部材の係止及び係止解除は任意に設計することができる。例えば、調整部材をホルダの上下方向に移動させることによって係止及び係止解除を行ってもよい。
【0075】
また、上記第1の実施形態では、調整部材160は、突部162がホルダ150の溝部153を摺動可能となるようにホルダ150に取り付けられることで、ボトムレール170の長手方向に移動可能、且つ突部162を軸心として傾動可能となるようにしたが、本発明はこの例に限定されない。調整部材の移動とホルダとの係止及び係止解除ができれば任意に設計することができる。例えば、調整部材は突部が、またホルダは溝部が設けられていなくてもよい。
【0076】
また、上記第1の実施形態では、調整部材160は、第1係止部161が第1規制部151に係止された状態になると、ホルダ150に対してボトムレール170の長手方向への移動が規制されるとともにボトムレール170の短手方向を軸心とした傾動が規制される構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第1係止部が第1規制部に係止されて調整部材の長手方向への移動が規制されれば、任意に設計することができる。
【0077】
また、上記第1の実施形態では、第1係止部161が第1規制部151に係止された状態、且つ第2係止部163が第2規制部155に係止された状態で調整部材160がホルダ150に固定される構成としたが、本発明はこの例に限定されない。第1係止部が第1規制部に係止されて調整部材の長手方向への移動が規制されれば、任意に設計することができる。例えば、調整部材は第2係止部が、またホルダは第2規制部が設けられていなくてもよい。
【0078】
また、上記第1の実施形態では、コードは一端がボトムレール170に連結された昇降コード130としたが、本発明はこの例に限定されない。テープ状の昇降テープや横型ブラインドのスラットを傾動(開閉)させるラダーコード又はラダーテープに適用しても良く、更にはプリーツスクリーンの各プリーツを一定幅となるように保持するためのピッチコードに適用しても良い。
【0079】
以上説明した実施形態・応用例・変形例等は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0080】
100 プリーツスクリーン
110 スクリーン(遮蔽材)
120 ヘッドボックス
130 昇降コード(コード)
140 調整装置
150 ホルダ
151 第1規制部
152 第1壁部
153 溝部
154 底部
155 第2規制部
156 第2壁部
157 第1挿通孔
158 第2挿通孔
160 調整部材
161 第1係止部
162 突部
163 第2係止部
164 コード転回部
165、265 ベース部
166 傾動操作補助開口部
170 ボトムレール(レール材)
172 開口部
176 取付プレート
176a 露出口(開口部)
364 コード係止部
364a 貫通孔