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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159961
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069912
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山口 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】宗野 義徳
(72)【発明者】
【氏名】住吉 宏介
(72)【発明者】
【氏名】門傳 陽平
(72)【発明者】
【氏名】土屋 豪
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA11
3B166AA15
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA42
3B166BA48
3B166BA49
3B166BA52
3B166BA72
3B166BA82
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CB12
3B166CB13
3B166DC14
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166FA06
3B166FA12
3B166FA14
3B166FB01
3B166FB05
3B166GA02
3B166GA04
3B166GA12
3B166GA22
3B166GA27
3B166HA11
3B166JM02
(57)【要約】
【課題】、引出し式の洗剤投入口に入れた洗剤や漂白剤が投入ケースや経路の途中でとどまることなく円滑に投入できる洗濯機を提供する。
【解決手段】本発明の洗濯機1は、洗濯水を貯留する外槽6と、外槽6内に設けられ、回転駆動される内槽7と、内槽7を回転駆動させる駆動装置9と、引き出されて洗剤や漂白剤が入れられた後に押し込まれ、洗剤や漂白剤が落下する洗剤落下口11d1を有する洗剤投入手動ケース11dと、洗剤投入手動ケース11dが押し戻される方向であって洗剤落下口11d1が位置する方向に設けられる洗剤投入孔17aとを備えている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯水を貯留する外槽と、
前記外槽内に設けられ、回転駆動される内槽と、
前記内槽を回転駆動させる駆動装置と、
引き出されて洗剤や漂白剤が入れられた後に押し込まれ、洗剤や漂白剤が落下する洗剤落下口を有する洗剤投入手動ケースと、
前記洗剤投入手動ケースが押し込まれる方向であって前記洗剤落下口が位置する方向に設けられる洗剤投入孔とを
備えていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
洗濯水を貯留する外槽と、
前記外槽内に設けられ、回転駆動される内槽と、
前記内槽を回転駆動させる駆動装置と、
洗剤や漂白剤が入れられ、洗剤や漂白剤が落下する洗剤落下口を有する洗剤投入手動ケースとを備え、
上面視で、前記洗剤落下口は、洗剤投入孔と少なくとも一部が重なっている
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の洗濯機において、
前記洗剤投入手動ケースの底板は、前記洗剤落下口が下方に位置するように傾斜が設けられている
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機には、洗濯水の水質、洗剤の種類、濃度等に応じて最適な洗濯を自動で行うものがある。該洗濯機においては、洗濯物の汚れが混入しないように洗剤等の検知を行うために外槽と外槽外のバスケットとの間に洗剤を投入する必要がある。
該洗濯機においては、洗剤を、フタを開けて外槽とバスケットとの間に投入する方式や、バスケット内部の投入口へ投入する方式がある。
一方、引出し式の洗剤投入口を採用する場合、バスケットへ上部から流し込む構成をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-119932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引出し式の洗剤投入口を採用する場合、従来の投入方式に比べて粉末洗剤が投入ケースや経路の途中で流れない懸念があった。
【0005】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、引出し式の洗剤投入口に入れた洗剤や漂白剤が投入ケースや経路の途中でとどまることなく円滑に投入できる洗濯機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の洗濯機は、洗濯水を貯留する外槽と、前記外槽内に設けられ、回転駆動される内槽と、前記内槽を回転駆動させる駆動装置と、引き出されて洗剤や漂白剤が入れられた後に押し込まれ、洗剤や漂白剤が落下する洗剤落下口を有する洗剤投入手動ケースと、前記洗剤投入手動ケースが押し込まれる方向であって前記洗剤落下口が位置する方向に設けられる洗剤投入孔とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、引出し式の洗剤投入口に入れた洗剤や漂白剤が投入ケースや経路の途中でとどまることなく円滑に投入できる洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態の洗濯機の前面図。
図2】実施形態の洗濯機の側面図の図1のI方向矢視図。
図3】実施形態の洗濯機の上面図の図1のII方向矢視図。
図4】実施形態の洗濯機の図1のIII-III断面図。
図5】外フタを外した状態の洗濯機を前上方から見た斜視図の図4のI方向矢視図。
図6】外フタを外した状態の洗濯機を右斜め前上方から見た斜視図。
図7】洗濯機から上面カバーと洗剤タンクと柔軟剤タンクとを取り外した状態の洗濯機の後部の上面図。
図8】洗濯機から上面カバーと洗剤タンクと柔軟剤タンクと給水ボックス蓋とを取り外した状態の上面図。
図9図8のII-II断面図。
図10図9のIII-III断面図。
図11図8のIV-IV断面図。
図12】洗濯機から上面カバーと洗剤タンクと柔軟剤タンクとを取り外した状態の洗濯機の後上部を斜め上後方から見た斜視図。
図13A】手動投入ケースを右斜め前上方から見た斜視図。
図13B】手動投入ケースを上方から見た上面図。
図14】変形例の図9のIII-III断面相当図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明に係る実施形態の洗濯機1の前面図を示す。
図2に、実施形態の洗濯機1の側面図の図1のI方向矢視図を示す。
【0010】
図3に、実施形態の洗濯機1の上面図の図1のII方向矢視図を示す。
図4に、実施形態の洗濯機1のIII-III断面図を示す。
実施形態の洗濯機1は、洗濯物の洗濯、すすぎ、脱水を行う機器である。なお、以下の説明では、洗濯物を「衣類」とする。
洗濯機1は、筐体1kと、上面カバー2と、外フタ3、前面パネル4とで外郭が形成されている。
【0011】
図4に示す外フタ3は、前蓋3aと後蓋3bとを有する折り畳み蓋(図4の二点鎖線参照)である。
外フタ3の後蓋3bは、後部が筐体1kの支軸3cに回動自在に設けられている。
前蓋3aと後蓋3bとは蓋支軸3dで互いに回転自在に構成されている。使用者は、前蓋3aの把持部3e(図3参照)を持って引き上げることで、外フタ3を折り畳んで洗濯機1の上部が開放される(図4の二点鎖線参照)。
【0012】
洗濯機1の手前上部には、使用者が洗濯機1の操作に際して操作する操作部5(図3図4参照)を備えている。
【0013】
図4に示すように、洗濯機1は、筐体1kの内部に、有底円筒形状の外槽6を備えている。外槽6は上部に開口6a1を有する有底円筒形状に形成されている。
外槽6の内部には、同軸上に内槽7が設けられている。内槽7は上部が開口される有底円筒形状を有している。内槽7の側周部7sには小孔の脱水孔7aが多数設けられている。
外槽6は、略鉛直方向の軸をもつ筒状の胴体部の胴板6dと底面を形成する底板6sとを有している。
外槽6の底板6sの上方には、洗濯、すすぎ時に回転する回転翼8が設けられている。
【0014】
外槽6は、上面部に外槽カバー6aと内蓋6bとを有している。
内蓋6bは、外槽カバー6aに設けられた開口部6a1を閉塞する。
外槽6の底部には、排水口6hが形成されている。
外槽6の胴板6dの上端には、流体バランサであるバランスリング6cが設置されている。バランスリング6cは、内部に流体が封止されている。バランスリング6cは、脱水回転時、衣類のアンバランスの反対側に流体が移動し、衣類のアンバランスに起因する振動を低減する。
【0015】
洗濯機1は、内槽7および回転翼8を回転駆動するための駆動装置9と、駆動装置9の動作を検出するための回転検出装置(図示せず)およびモータ電流検出装置(図示せず)とを備えている。
駆動装置9は、内槽7および回転翼8を回転させるモータ9aと、回転翼8および内槽7の回転モード(攪拌,脱水)を規定するクラッチ機構9bと、回転翼8に連結された回転軸9cとを有している。回転軸9cは、上面視において外槽6の中心に配置されている。
【0016】
図4に示すように、洗濯機1は、後方上部に外槽6に水を供給する給水ユニット10を備えている。
【0017】
<制御回路基板19>
図4に示す洗濯機1の後部には、洗濯機1を制御する制御回路基板19を備えている。
制御回路基板19は、マイクロコンピュータと、駆動回路と、センサ回路等を備えている。駆動回路は、モータ9a、クラッチ機構9b、および各種弁を制御する。センサ回路は、温度センサ(図示せず)、水質センサ(図示せず)等を制御する。温度センサは、洗濯水の温度を検出する。水質センサは、洗濯水の硬度、洗濯水の洗剤量を検出する。
【0018】
図5に、外フタ3を外した状態の洗濯機1を前上方から見た斜視図である図4のI方向矢視図を示す。
図6に、外フタ3を外した状態の洗濯機1を右斜め前上方から見た斜視図を示す。
洗濯機1の後方上部には、洗濯時に洗剤を外槽6に投入するとともにすすぎ時に柔軟剤等を外槽6に投入する洗濯処理液投入装置11が設けられている。
【0019】
<洗濯処理液投入装置11>
図6に示す洗濯処理液投入装置11は、上部に洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとを有し、下部に洗剤と柔軟剤の手動投入ケース11cを有している。
図3に示すように、洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとは、外フタ3の外側に配置されている。
手動投入ケース11cは、洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eとを有している。つまり、洗剤と柔軟剤の手動投入口を1箇所の手動投入ケース11cにまとめる構成である。
【0020】
洗濯処理液投入装置11は、タンク(11a、11b)の洗剤と柔軟剤との配置と、手動投入ケース11cの洗剤と柔軟剤との配置を合わせている。つまり、タンク(11a、11b)と手動投入ケース11cとにおいて、左側に洗剤のタンク(11a)とケース(11d)を配置し、右側に柔軟剤のタンク(11b)とケース(11e)を配置している。
【0021】
図6に示す洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bの各上端部は、上方に向かって開口しており、開閉自在に構成された洗剤タンク蓋11a2と柔軟剤タンク蓋11b2とが設けられている。
洗剤タンク11aは、予め使用者が液体洗剤を入れておき、洗濯開始時に外槽6内に液体洗剤が自動的に投入される。
柔軟剤タンク11bは、予め使用者が液体柔軟剤を入れておき、すすぎ時に外槽6内に液体柔軟剤が自動的に投入される。
【0022】
図3に示すように、洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとは、外フタ3を閉じた状態で外部に露出している。そのため、使用者は、外フタ3を閉じた状態で洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとを目視できる。
洗剤タンク11aは、上面に覗き窓11a1を有している。そのため、使用者は、覗き窓11a1を透過して洗剤量の多寡を確認できる。もし、洗剤タンク11aの洗剤の量が少ない場合には、洗剤タンク蓋11a2を開けて液体洗剤を補充できる。その後、洗剤タンク蓋11a2を閉状態にすると、洗剤タンク11aは封止される。
【0023】
柔軟剤タンク11bは、上面に覗き窓11b1を有している。そのため、覗き窓11b1を透過して洗剤量の多寡を確認できる。もし、柔軟剤タンク11bの柔軟剤の量が少ない場合には、柔軟剤タンク蓋11b2を開けて液体柔軟剤を補充できる。柔軟剤タンク蓋11b2を閉状態にすると、柔軟剤タンク11bは封止される。
洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとは、それぞれ複数回分の洗濯処理液の液体洗剤と液体柔軟剤とが収容される。洗濯処理液投入装置11は、制御回路基板19の制御により、洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bに収容された洗濯処理液を計量して、適量の洗濯処理液を外槽6に自動的に投入する。このため、洗濯処理液投入装置11は、洗濯処理液を計量して、洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bから外槽6に搬送する自動投入ユニット15(図12参照)を備えている。
【0024】
<手動投入ケース11cの洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11e>
図6に示す手動投入ケース11cは、左側の洗剤投入手動ケース11dと右側の柔軟剤投入手動ケース11eとを有している。
洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eとは、それぞれ使用者が手動で粉状洗剤および液体洗剤や漂白剤、柔軟剤(仕上剤)を外槽6(図4参照)に投入するための手動投入部として機能する。
【0025】
洗剤投入手動ケース11dは、使用者が粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を手動で入れるものである。柔軟剤投入手動ケース11eは、使用者が柔軟剤を手動で入れるものである。
使用者が粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を入れる場合には、図6に示すように、使用者が手動投入ケース11cを手前に引き出し、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を左側の洗剤投入手動ケース11d内に入れる。
使用者が柔軟剤(仕上剤)を入れる場合には、図6に示すように、使用者が手動投入ケース11cを手前に引き出し、柔軟剤を右側の柔軟剤投入手動ケース11e内に入れる。
【0026】
<左側の洗剤タンク11aと右側の柔軟剤タンク11b>
図6に示すように、洗濯機1に向かって見て、左側に洗剤タンク11aが配置され、右側に柔軟剤タンク11bが配置されている。
【0027】
図5図6に示すように、手動投入ケース11cを閉じた状態で、手動投入ケース11cは柔軟剤タンク11bの鉛直線上の下方に位置している。
柔軟剤タンク11bの下方の手動投入ケース11cは、洗濯機1に向かって見て、左側に洗剤投入手動ケース11dが配置され、右側に柔軟剤投入手動ケース11eが配置されている。
【0028】
つまり、左側に洗剤に係るもの(洗剤タンク11aと洗剤投入手動ケース11d)が配置され、右側に柔軟剤に係るもの(柔軟剤タンク11bと柔軟剤投入手動ケース11e)が配置される。そのため、使用者は洗剤と柔軟剤との各投入位置が左側と右側とに揃っているの、で分かり易く使い勝手がよい。
なお、組合せとしては、(1)洗剤タンク11aの下(鉛直下方)に、洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eが左右に並んで配置されている場合と、(2)柔軟剤タンク11bの下(鉛直下方)に、洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eが左右に並んで配置されている場合とがあり、本実施形態では、(2)の場合を例示している(洗剤投入手動ケース11dが左で柔軟剤投入手動ケース11eが右の例)。
【0029】
上面図の図3に示すように、洗濯機1の上面には、水栓接続口2aと風呂水栓接続口2bとが設けられている。
図7に、洗濯機1から上面カバー2と洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとを取り外した状態の洗濯機1の後部の上面図を示す。
水栓接続口2aと風呂水栓接続口2bとにそれぞれ接続される洗剤用給水弁12aと柔軟剤用給水弁12bとが、上面カバー2(図4参照)の下方に設けられている。
洗剤用給水弁12aと柔軟剤用給水弁12bの前方には、給水ボックス13が設けられている。
【0030】
<給水ボックス13>
図7に示す給水ボックス13は、洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eとにそれぞれ給水を行う。
給水ボックス13の上部は、給水ボックス蓋13aが配設されている。
【0031】
給水ボックス13の下方には、給水ボックス13から水を供給する洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eとが配置されている。
風呂水栓接続口2bの下方近傍には、風呂水ポンプ14が風呂水栓接続口2bに接続されて設けられている。風呂水ポンプ14は、風呂水栓接続口2bを介して、風呂水を汲み上げる。
【0032】
給水ボックス13の左側には、洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとに、それぞれ挿入される洗剤ノズル15aと柔軟剤ノズル15bとが設けられている。
洗剤ノズル15aと柔軟剤ノズル15bの左側には、自動投入ユニット15が設けられている。自動投入ユニット15は、洗剤タンク11aから液体洗剤を水質・温度・洗剤検出槽6k(図9参照)や外槽6に投入するとともに、柔軟剤タンク11bから液体柔軟剤を水質・温度・洗剤検出槽6k(図9参照)や外槽6に投入する役割をもつ。
【0033】
図8に、洗濯機1から上面カバー2と洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bと給水ボックス蓋13a(図7参照)とを取り外した状態の上面図を示す。
給水ボックス蓋13a(図7参照)の下方には、手動洗剤ケース流路16aと、手動柔軟剤ケース流路16bと、自動投入流路16cと、メイン給水流路16dとが設けられている。
手動洗剤ケース流路16aは、洗剤投入手動ケース11d(図6参照)の粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を流すために、洗剤用給水弁12aから供給される水を、洗剤投入手動ケース11dに供給するための流路である。
【0034】
手動柔軟剤ケース流路16bは、柔軟剤投入手動ケース11e(図6参照)の柔軟剤を流すために、柔軟剤用給水弁12bから供給される水を、柔軟剤投入手動ケース11eに供給するための流路である。
自動投入流路16cは、洗剤タンク11aの液体洗剤または柔軟剤タンク11bの液体柔軟剤を流すために、洗剤用給水弁12aから供給する水を、自動投入ユニット15のホース15h(図12参照)に流すための流路である。
メイン給水流路16dは、外槽6に給水する流路である。
【0035】
<手動洗剤ケース流路16a>
洗濯時に、洗剤用給水弁12aから供給される洗濯水(図8の矢印α11)は、図8の矢印α12に示すように、手動洗剤ケース流路16aを流れる。
【0036】
図8の矢印α12に示す水は、洗剤ケース投入口16a1から洗剤投入手動ケース11dに供給される(図9の矢印α14)。
図9に、図8のII-II断面図を示す。
【0037】
図10に、図9のIII-III断面図を示す。
図9図10の矢印α14に示すように、洗剤ケース投入口16a1から洗剤投入手動ケース11dに流れた水は、洗剤投入手動ケース11d内を粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を押し流して流れ(図9図10の矢印α15)、洗剤投入孔17aから水質・温度・洗剤検出槽6kに、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤が洗濯水とともに投入される(図9図10の矢印α16)。
【0038】
図8の矢印α13に示す水は、洗剤ケース投入口16a2から、図9に示す洗剤投入手動ケース11dの下方の洗濯処理液投入ケ-ス11fに流れる。そして、洗濯処理液投入ケ-ス11fに残る粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を押し流して流れ(図9の矢印α17)、洗剤投入孔17aから水質・温度・洗剤検出槽6kに、残留する粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤が洗濯水とともに投入される(図9の矢印α16)。
水質・温度・洗剤検出槽6k内には水質センサ(図示せず)、温度センサが設けられている。
【0039】
水質センサは、洗濯水の電導度から、洗濯水の硬度(硬水か軟水か)を検出するとともに、洗剤種類や量を検出する。
温度センサは、洗濯水、すすぎ水の温度を検出する。
検出後、水質・温度・洗剤検出槽6kの洗濯水と洗剤は外槽6に供給される。
水質センサの検出値、温度センサの検出値により、衣類の量、洗濯水の水質、洗剤の種類、量に適した(応じた)AI洗濯を行うことができる。
【0040】
<メイン給水流路16d>
図8に示す洗剤用給水弁12aから供給される水は、図8の矢印γ21に示すように、メイン給水流路16dを通って外槽6に供給される。
【0041】
<手動柔軟剤ケース流路16b>
すすぎ時に、図8に示す柔軟剤用給水弁12bから供給されるすすぎ水(図8の矢印β11)は、図8の矢印β12、β13に示すように、手動柔軟剤ケース流路16bを流れる。
図8の矢印β12に示す水は、柔軟剤ケース投入口16b1から、柔軟剤投入手動ケース11eに供給される(図10図11の矢印β14)。
図11に、図8のIV-IV断面図を示す。
【0042】
柔軟剤ケース投入口16b1から柔軟剤投入手動ケース11eに流れた水(図11図10の矢印β14)は、柔軟剤投入手動ケース11e内を柔軟剤を押し流して流れ(図11図10の矢印β15)、洗剤投入孔17aから水質・温度・洗剤検出槽6kに、柔軟剤とすすぎ水とが投入される(図11の矢印β16)。
【0043】
図8の矢印β13に示す水は、柔軟剤ケース投入口16b2から、図11に示す洗濯処理液投入ケ-ス11fに流れる。そして、洗濯処理液投入ケ-ス11fに残る柔軟剤を押し流して流れ(図11の矢印β17)、洗剤投入孔17aから水質・温度・洗剤検出槽6kに、柔軟剤がすすぎ水とともに投入される(図11の矢印β16)。
すすぎ水、柔軟剤の検出後、水質・温度・洗剤検出槽6kのすすぎ水と柔軟剤は外槽6に供給される。
【0044】
<自動投入流路16c>
図8に示す洗剤用給水弁12aから供給される水(図8の矢印γ11)は、図8の矢印γ12に示すように、自動投入流路16cを流れる。
【0045】
図8の矢印γ12に示す水は、タンク投入口16c1から自動投入ユニット15の自動投入ホース15h(図12参照)に供給される(図12の矢印γ13)。
【0046】
<自動投入ユニット15>
図12に、洗濯機1(図1図4参照)から上面カバー2と洗剤タンク11aと柔軟剤タンク11bとを取り外した状態の洗濯機1の後上部を斜め上後方から見た斜視図を示す。
洗剤ノズル15aは、洗剤タンク11a(図6参照)に接続されている。
柔軟剤ノズル15bは、柔軟剤タンク11b(図6参照)に接続されている。
【0047】
図6に示す洗剤タンク11aの液体洗剤の投入に際しては、図12に示す自動投入ユニット15に設けられるピストン(図示せず)を引いて押すことにより、洗剤タンク11aから液体洗剤が自動投入ホース15h(図12参照)に供給される。
自動投入ホース15hに供給される液体洗剤は、図8の矢印γ12に示される洗剤用給水弁12aからの自動投入流路16cを流れる水(図8の矢印γ12)が、タンク投入口16c1(図8参照)から自動投入ホース15h(図12参照)に供給される。そして、液体洗剤は、水とともに、自動投入ホース15hを通って(図12の矢印γ13)、図12の矢印γ14に示すように、洗剤投入孔17aに流される。
【0048】
図6に示す柔軟剤タンク11bの液体柔軟剤の投入に際しては、自動投入ユニット15に設けられるピストン(図示せず)を引いて押すことにより、柔軟剤タンク11bから液体柔軟剤が自動投入ホース15h(図12参照)に供給される。自動投入ホース15hに供給される液体柔軟剤は、図8の矢印γ12に示される洗剤用給水弁12aからの自動投入流路16cを流れる水(図8の矢印γ12)が、タンク投入口16c1(図8参照)から自動投入ホース15h(図12参照)に供給される。そして、液体柔軟剤は、水とともに、自動投入ホース15hを通って(図12の矢印γ13)、図12の矢印γ14に示すように、洗剤投入孔17aに流される。
【0049】
<手動投入ケース11cと洗剤投入孔17a(図10参照)>
図13Aに、手動投入ケース11cを右斜め前上方から見た斜視図を示す。図13Bに、手動投入ケース11cを上方から見た上面図を示す。
前記したように、手動投入ケース11cは、洗剤投入手動ケース11dと柔軟剤投入手動ケース11eとを有している。
洗剤投入手動ケース11dは、奥側が下方に位置するように傾斜した底板11d3をもつ前後方向の縦長の凹状ケース状に形成されている。洗剤投入手動ケース11dの奥側は、穴である切り欠き11d1を有する格子部11d2が形成されている。
これにより、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を洗剤投入手動ケース11d内に入れた場合に、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤が底板11d3上を格子部11d2の切り欠き11d1に向かって移動し、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を格子部11d2の切り欠き11d1から円滑に落下させることができる。
【0050】
柔軟剤投入手動ケース11eは、洗剤投入手動ケース11dと同様、奥側が下方に位置するように傾斜した底板11e3をもつ前後方向の縦長の凹状ケース状に形成されている。柔軟剤投入手動ケース11eの奥側は、柔軟剤をサイフォンで水質・温度・洗剤検出槽6kや外槽6に供給するサイフォン部11e1が構成されている。
粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤または柔軟剤を、手動投入ケース11cに入れるに際しては、図6に示すように、使用者は、手動投入ケース11cを手前に引き出す。そして、使用者は、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を左側の洗剤投入手動ケース11dに入れる。また、使用者は、柔軟剤を右側の柔軟剤投入手動ケース11eに入れる。その後、図5図10に示すように、手動投入ケース11cを押し込んで元に戻す。そのため、洗剤や柔軟剤を入れる場合、手動投入ケース11cを引き出して洗剤や柔軟剤を入れ、奥に押し込むことでしまうことができる。
【0051】
また、図10に示すように、前後方向に縦長の洗剤投入手動ケース11dの前後方向延長線上に、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を投入する洗剤投入孔17aが形成されている。そのため、図9の矢印α15、α16に示すように、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を円滑に洗剤投入孔17aに投入することができる。
洗剤投入孔17aを洗剤投入手動ケース11dの洗剤投入口の切り欠き11d1を有する格子部11d2と垂直に配置することで、手動投入ケース11cを押し込んだ反動で洗剤が穴の洗剤投入孔17aに落ち易くなる。
【0052】
洗剤投入手動ケース11dから外槽6へつながる経路の穴(洗剤投入孔17a)を、図10に示すように、洗剤投入手動ケース11dの切り欠き11d1を有する格子部11d2の延長線上にすることで、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤が洗剤投入手動ケース11dからそのまま経路の穴の洗剤投入孔17aへ落ちるようになる。
その結果、洗剤投入手動ケース11d(図10参照)に洗剤の溶け残りがしにくくなる。
【0053】
上記構成によれば、洗剤や柔軟剤を投入する際に、タンク(11a、11b)と手動投入口である手動投入ケース11cとで、左側は洗剤、右側は柔軟剤で統一しているため、使用者が迷いにくい。
使用者が洗剤や柔軟剤の投入箇所を迷わなくなることで、洗剤や柔軟剤の入れ間違いによる洗浄力低下を防げる。また、洗剤や柔軟剤の入れ間違いによる清掃の手間を減らせる。
【0054】
図10に示すように、引出し式の洗剤投入手動ケース11dの格子部11d2の切り欠き11d1と槽(水質・温度・洗剤検出槽6kや外槽6)へつながる経路の洗剤投入孔17aが鉛直方向となっている。
そのため、引出し式の洗剤投入手動ケース11dに粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤の溶け残りがしにくくなる。
粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤が残らず流れることで、AI洗濯(洗濯水の水質、温度、洗剤種類、衣類の汚れに応じた洗濯)がきちんと動作する。
また、洗剤投入手動ケース11dの粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤の溶け残りによる洗浄不足が無くなる。洗剤投入手動ケース11dの粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤の溶け残りによる清掃の手間が無くなる。
【0055】
<変形例>
前記実施形態では、図10に示すように、洗剤投入手動ケース11dの前後方向延長線上に、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤を投入する洗剤投入孔17aが形成された場合を説明した。
図14に、変形例の図9のIII-III断面相当図を示す。
これに対して、図14に示す変形例では、洗剤投入手動ケース11dの切り欠き11d1を有する格子部11d2と洗剤投入孔27aとが、上面視で少なくとも一部が重なるように構成している。
【0056】
変形例によれば、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤が流れ落ちる格子部11d2の下方に洗剤投入孔27aを設けることで、粉状洗剤および液体洗剤や、漂白剤がより槽(水質・温度・洗剤検出槽6kや外槽6)の中に落ち易くなる。
【0057】
<<その他の実施形態>>
1.前記実施形態では、手動投入ケース11cを閉じた状態で、手動投入ケース11cが柔軟剤タンク11bの鉛直線上の下方に位置する場合を説明したが、洗剤タンク11aの鉛直線上の下方に手動投入ケース11cが位置していてもよい。
【0058】
2.前記実施形態では、洗剤投入孔17aが水質・温度・洗剤検出槽6kに直結する場合を説明したが、AI洗濯を行わず洗剤投入孔17aが外槽6に直結する構成としもよい。
【0059】
3.前記実施形態では、洗剤タンク11a、柔軟剤タンク11b、手動投入ケース11cが、洗濯機1の後部に位置する場合を説明したが、洗濯機1の前部または右部または左部に洗剤タンク11a、柔軟剤タンク11b、手動投入ケース11cが位置していてもよい。
【0060】
4.前記実施形態では、洗剤タンク11aと洗剤投入手動ケース11dを左側(一方側)に配置し、柔軟剤タンク11bと柔軟剤投入手動ケース11eを右側(他方側)に配置する場合を説明したが、洗剤タンク11aと洗剤投入手動ケース11dを右側(他方側)に配置し、柔軟剤タンク11bと柔軟剤投入手動ケース11eを左側(一方側)に配置してもよい。
【0061】
5.本発明は、前記した実施形態、変形例の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 洗濯機
6 外槽
7 内槽
9 駆動装置
9a モータ(駆動装置)
9b クラッチ機構(駆動装置)
9c 回転軸(駆動装置)
11d 洗剤投入手動ケース
11d1 切り欠き(洗剤落下口)
11d3 底板
17a、27a 洗剤投入孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14