(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159963
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリスト作成方法及びそのプログラム。
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231026BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069917
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】521475576
【氏名又は名称】株式会社社会調査研究センター
(74)【代理人】
【識別番号】100180367
【弁理士】
【氏名又は名称】寺尾 康典
(72)【発明者】
【氏名】松本 正生
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固定電話とスマートホンを対象とした混合モードのアンケート調査であっても、スマートホンの所有者の住所を特定することが可能で、かつ、回答者の属性に関して標本の代表性を有するアンケート調査の方法を提供する。
【解決手段】携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリストを作成する目標サンプルリスト作成方法であって、過去の携帯SMS調査の調査区分と今回の携帯SMS調査の調査区分とをパラメータ(変数)とする統計モデルを用いて、過去の携帯SMS調査より集計された携帯調査地域別回収実績数から今回の携帯SMS調査の地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数統計的推計値を推計し、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数統計的推計手段を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリストを作成する目標サンプルリスト作成方法であって、
過去の携帯SMS調査の調査区分が今回の携帯SMS調査の調査区分と非同一の場合には、過去の携帯SMS調査の調査区分と今回の携帯SMS調査の調査区分とをパラメータ(変数)とする統計モデルを用いて、前記過去の携帯SMS調査より集計された携帯調査地域別回収実績数から今回の携帯SMS調査の地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数統計的推計値を推計し、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数統計的推計手段を備えることを特徴とし、
前記調査区分は、携帯SMS調査の調査目的と、調査日区分と、調査日数と、サンプルサイズと、地域の種別とを含む、目標サンプルリスト作成方法。
【請求項2】
前記今回の携帯SMS調査の調査区分が過去の携帯SMS調査の調査区分と共通又は前記今回の携帯SMS調査の調査区分が未定の場合には、当該今回の携帯SMS調査のサンプルサイズと当該過去の携帯SMS調査のサンプルサイズの比率を前記携帯調査地域別回収実績数に乗じて携帯調査地域別回収数推計値を推計し、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数比率推計手段を備えることを特徴とする、目標サンプルリスト作成方法。
【請求項3】
前記携帯調査地域別回収数統計的推計値又は前記携帯調査地域別回収数推計値が1つ存在する場合には、当該携帯調査地域別回収数統計的推計値又は当該携帯調査地域別回収数推計値を携帯調査地域別回収目標数とし、
前記携帯調査地域別回収数統計的推計値及び/又は前記携帯調査地域別回収数推計値が複数存在する場合には、当該携帯調査地域別回収数統計的推計値及び/又は当該携帯調査地域別回収数推計値の中から最小値を選択し、携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収目標数選択手段を更に備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の目標サンプルリスト作成方法。
【請求項4】
前記携帯調査地域別回収目標数を所定の数値範囲でカテゴリ化しカテゴリ化済地域別回収数推計値とする地域別回収数推計値カテゴリ化手段と、
前記カテゴリ化済地域別回収数推計値に対応させて地域別に固定電話によるアンケートの固定回収目標数を決定する固定回収数決定手段と、を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の目標サンプルリスト作成方法。
【請求項5】
地域別に前記カテゴリ化済地域別回収数推計値と前記固定回収目標数をリスト化し目標サンプルリストとするリスト化手段と、
前記目標サンプルリストを記憶するリスト記憶手段と、を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の目標サンプルリスト作成方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の目標サンプルリスト作成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリスト作成方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
電話を用いた世論調査として、予め登録されている電話番号に自動発信するシステムが広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1では、不特定多数の顧客に対して電話を掛ける場合に、同一顧客や同一世帯に対して複数回架電しないような顧客情報管理システムが開示されている。しかしながら、このようなシステムにおいては、並列して処理できる件数を増やすためにはオペレータ数を増加させなければならず、人件費が増加する問題点や、同じ説明を異なる顧客に何度も行わなければならないためにオペレータの精神的肉体的負担が大きいという問題点がある。このため、オペレータに接続せずともできるだけ自動音声等により処理することが好ましい。
【0004】
また、求められる自動音声による処理内容は、このようなシステムを利用したいシステム利用者別に異なっており、更に同じシステム利用者においても案件毎に異なっている。このため、自動音声により処理を行おうとすると、システム利用者毎かつ案件毎にプログラミングをするなど個別にシステムを組まなければならないという問題点があった。
【0005】
これに対し、特許文献2では、テンプレートデータに用いる複数のセクションデータの登録を受け付けてテンプレートを作成するアウトバウンドテンプレート管理機能部及びインバウンドテンプレート管理機能部と、前記セクションデータの飛び先の入力を受け付ける飛び先設定部、他の場合飛び先設定部、タイムアウト時飛び先設定部、及び飛び先設定部を備え、簡単な操作で高い自由度でのテンプレート作成を行える、音声通話システムが開示されている。
【0006】
しかしながら、この様なシステムであっても、人と人とのコミュニケーションスタイルが、対面や電話による会話からメールやソーシャルメディア(SNS等)による記述へと変容し、固定電話を所有しない若年層に対応できないという問題が有った。
【0007】
そこで、非特許文献1には、スマートホンを対象としたショートメール調査と固定電話を対象とした自動音声応答調査の混合モード調査が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-244678号公報
【特許文献2】特許第6276878号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】大隈慎吾著 「「ノン・スポークン(Non-spoken)調査」の方法と品質」 政策と調査 第19号 2020年11月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
スマートホンを対象としたショートメール調査と固定電話を対象とした自動音声応答調査の混合モード調査であれば、昨今の固定電話を保有しない若年層にも対応することは可能ではあるが、固定電話の様に市外局番からスマートホンの所有者の住所を特定することができない問題がある。また、スマートホンの所有者の住所を特定することができないため、所定の地域毎にアンケート結果を集計することや、所定の各地域から一定のサンプル頻度でアンケート結果を集計することができない問題がある。
【0011】
スマートホンを用いたアンケート調査であっても、スマートホンの所有者の住所を特定することが可能で、また、昨今の固定電話を保有しない若年層にも対応して所定の地域毎にアンケート結果を集計することや、また、固定電話とスマートホンを対象とした混合モードのアンケート調査であっても、所定の各地域から一定のサンプル頻度でアンケート結果を集計することができる目標サンプルリストを提供することと、その目標サンプルリストを用いて回答者の属性に関して標本の代表性を有するアンケート調査の方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法は、
携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリストを作成する目標サンプルリスト作成方法であって、
過去の携帯SMS調査の調査区分が今回の携帯SMS調査の調査区分と非同一の場合には、過去の携帯SMS調査の調査区分と今回の携帯SMS調査の調査区分とをパラメータ(変数)とする統計モデルを用いて、過去の携帯SMS調査より集計された携帯調査地域別回収実績数から今回の携帯SMS調査の地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数統計的推計値を推計し、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数統計的推計手段を備えることを特徴とし、
調査区分は、携帯SMS調査の調査目的と、調査日区分と、調査日数と、サンプルサイズと、地域の種別とを含む、目標サンプルリスト作成方法である。
【0013】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法であれば、昨今の固定電話を保有しない若年層にも対応して、スマートホンの所有者の住所を特定して、所定の地域毎にアンケート結果を集計することや、所定の各地域から一定のサンプル頻度でアンケート結果を集計することができる。
【0014】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法は、
今回の携帯SMS調査の調査区分が過去携帯SMS調査の調査区分と共通又は今回の携帯SMS調査の調査区分が未定の場合には、当該今回の携帯SMS調査のサンプルサイズと当該過去の携帯SMS調査のサンプルサイズの比率を携帯調査地域別回収実績数に乗じて携帯調査地域別回収数推計値を推計し、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収数比率推計手段を備えることを特徴とする、目標サンプルリスト作成方法である。
【0015】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法であれば、容易に携帯調査地域別回収目標数を推計することができる。
【0016】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法は、
携帯調査地域別回収数統計的推計値又は携帯調査地域別回収数推計値が1つ存在する場合には、当該携帯調査地域別回収数統計的推計値又は当該携帯調査地域別回収数推計値を携帯調査地域別回収目標数とし、
携帯調査地域別回収数統計的推計値及び/又は携帯調査地域別回収数推計値が複数存在する場合には、当該携帯調査地域別回収数統計的推計値及び/又は当該携帯調査地域別回収数推計値の中から最小値を選択し、携帯調査地域別回収目標数とする携帯調査地域別回収目標数選択手段を更に備えることを特徴とする、目標サンプルリスト作成方法である。
【0017】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法であれば、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収が推計した携帯調査地域別回収目標数を下回ることがない。
【0018】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法は、
携帯調査地域別回収目標数を所定の数値範囲でカテゴリ化しカテゴリ化済地域別回収数推計値とする地域別回収数推計値カテゴリ化手段と、
カテゴリ化済地域別回収数推計値に対応させて地域別に固定電話によるアンケートの固定回収目標数を決定する固定回収数決定手段と、を更に備えることを特徴とする目標サンプルリスト作成方法である。
【0019】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法であれば、地域別に固定電話によるアンケートの固定回収目標数を決定することができる。
【0020】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法は、
地域別に当該カテゴリ化済地域別回収数推計値と当該固定回収目標数をリスト化し目標サンプルリストとするリスト化手段と、
目標サンプルリストを記憶するリスト記憶手段と、を更に備えることを特徴とする目標サンプルリスト作成方法である。
【0021】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法であれば、固定電話とスマートホンを対象とした混合モードのアンケート調査であっても、回答者の属性に代表性を持たせたアンケート調査を行うことができる。
【0022】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法のプログラムは、
目標サンプルリスト作成方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0023】
本発明に係る目標サンプルリスト作成方法のプログラムであれば、固定電話とスマートホンを対象とした混合モードのアンケート調査であっても、昨今の固定電話を保有しない若年層にも対応して、スマートホンの所有者の住所を特定して、所定の地域毎にアンケート結果を集計することや、所定の各地域から一定のサンプル頻度でアンケート結果を集計することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリスト作成方法及びそのプログラムであれば、スマートホンの所有者の住所を特定することが可能であり、また、固定電話とスマートホンを対象とした混合モードのアンケート調査であっても、昨今の固定電話を保有しない若年層にも対応して所定の地域毎にアンケート結果を集計することや、所定の各地域から一定のサンプル頻度でアンケート結果を集計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、コンタクトセンタシステムのシステム構成の概略を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査の方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる目標サンプルリスト作成の方法を示すフローチャートである
【
図4】
図4は、固定電話を用いたアンケート調査の方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、携帯端末を用いたアンケート調査の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【0027】
先ず、本発明に係る携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリスト作成方法及びそのプログラムをコンピュータに実行させるコンタクトセンタシステム101について、説明する。
【0028】
図1は、コンタクトセンタシステム101のシステム構成の概略を示すブロック図である。
【0029】
コンタクトセンタシステム101は、WEBサーバ102、アウトバウンドサーバ103、インバウンドサーバ104、ゲートウエイ(GW)105、SMSサーバ109、及びWEBアンケートサーバ113を備えており、インターネット106及び電話網107に接続されている。
【0030】
また、インターネット106には、音声合成サーバ108、SMSサーバ109、設定用PC110、及びWEBアンケートサーバ113が接続され、電話網107には、アウトバウンドサーバ103及びインバウンドサーバ104と電話網107とを接続するゲートウエイ105、及びアンケート調査対象者の電話機である対象端末112が接続されている。
【0031】
WEBサーバ102、アウトバウンドサーバ103、インバウンドサーバ104、音声合成サーバ108、SMSサーバ109、及びWEBアンケートサーバ113は、いずれもサーバコンピュータで構成されており、共通のハードウェア要素として、CPU、ROM、及びRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部、ハードディスク、フラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部、及びLANボードやWiFiユニット等で構成されて有線又は無線での通信を実行する通信部を備えている。更に、アウトバウンドサーバ103、及びインバウンドサーバ104には、電話網107に接続して音声通話を実行する回線接続部が設けられている。
【0032】
WEBサーバ102の記憶部には、アウトバウンドやインバウンドの処理手順をテンプレートとして設定する設定プログラム、設定されたテンプレートを記憶する設定データベース、アウトバウンドの処理を実行するアウトバウンドプログラム、及びインバウンドの処理を実行するインバウンドプログラムが記憶されている。
【0033】
音声合成サーバ108には、音声データベース451の音データを用いて文字列を音声データにする音声合成プログラムと、音データを記憶している音声データベース451と、が記憶されている。
【0034】
アウトバウンドサーバ103には、発信リストの電話番号に順次架電しテンプレートに従った音声通話を実行する発信プログラムと、発信リスト等が登録された発信データベースと、が記憶されている。
【0035】
インバウンドサーバ104には、着信リストに登録されている電話番号から着信した場合にテンプレートに沿って音声通話を行う着信プログラムと、着信リスト等のデータが登録されている着信データベースと、が記憶されている。
【0036】
SMSサーバ109には、携帯電話番号にショートメールを配信する配信プログラムと、電話番号等のユーザのデータで構成されたユーザデータと、が記憶されている。
【0037】
WEBアンケートサーバ113は、対象端末112とインターネット回線を通じて双方向通信が確立後、テンプレートに従って携帯SMS調査401を送信するSMS調査送信プログラムと、対象端末112から回収された回収データが登録された回収データベース454と、が記憶されている。
【0038】
WEBサーバ102には、既に実施した携帯SMS調査401における地域毎の回収実績データから目標サンプルリストを作成する地域別回収数推計を実行する回収数推計プログラムと、目標サンプルリストが登録された目標サンプルリストデータベース257と、が登録された統計処理サーバ114が、更にサーバコンピュータで構成されても良い。WEBサーバ102は、ハードウェア要素として、CPU、ROM、及びRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部、ハードディスク、フラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部、及びLANボードやWiFiユニット等で構成されて有線又は無線での通信を実行する通信部を備えている。統計処理サーバ114からWEBサーバ102への目標サンプルリストの供給は、有線又は無線での通信を介して実行しても良いが、フラッシュメモリ等の記憶媒体を介して実行しても良い。
【0039】
対象端末112は、固定電話を用いたアンケートには、音声通話が可能な固定電話が、携帯端末を用いたアンケートには音声通話とインターネット経由での通信が可能なスマートホンが、用いられる。
【0040】
次に、本発明に係る携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査の方法(以下、「ノン・スポークン調査」ともいう。)001について説明する。
【0041】
本発明に係る携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査の方法(ノン・スポークン調査)001は、コンタクトセンタシステム101のCPU(不図示)により記憶部に記憶された専用プログラムを実行することにより、後述する各手段を発現する。
【0042】
図2は、本発明に係る携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査の方法(ノン・スポークン調査)001を示すフローチャートである。
【0043】
ノン・スポークン調査は、アンケート調査の目標サンプルリストを作成する目標サンプルリスト作成手段002と、固定電話を対象とするアンケート調査を実施する固定オートコール調査301と携帯端末を対象とするンケート調査を実施する携帯SMS調査401とからなる携帯・固定調査手段003と、を備える。
【0044】
目標サンプルリスト作成手段002は、過去に実施した携帯SMS調査401の地域別過去調査データベース252に記憶された地域別過去調査データに基づき、統計的推計処理手段201により、固定オートコール調査301に用いる固定回収目標値と携帯SMS調査401に用いる携帯調査地域別回収目標数とを推計し、目標サンプルリストとする。
【0045】
図3は、携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる目標サンプルリスト作成の方法を示すフローチャートである。
【0046】
先ず、調査データ比較手段211において、過去に実施した携帯SMS調査401の地域別過去調査データベース252に記憶された地域別過去調査データと、地域別今回調査データベース253に記憶された今回実施するアンケート調査の地域別今回調査データと、を比較する。ここで、地域別過去調査データには、過去に実施された携帯SMS調査401(以下、「過去携帯SMS調査」ともいう。)の調査区分及び当該過去携帯SMS調査より集計された携帯調査地域別回収実績数を、地域別今回調査データには、今回実施する携帯SMS調査401(以下、「今回携帯SMS調査」ともいう。)調査区分を含む。一方、調査区分には、調査目的と、調査日区分(平日/土日祝日)と、調査日数と、サンプルサイズと、地域の種別と、を含む。
【0047】
地域別過去調査データの調査区分と、地域別今回調査データの調査区分とが共通、又は、地域別今回調査データの調査区分が未定の場合には、携帯調査地域別回収数比率推計手段212において、携帯調査地域別回収実績数に今回携帯SMS調査のサンプルサイズと過去携帯SMS調査のサンプルサイズとの比率を乗じて携帯調査地域別回収数推計値254とする。
【0048】
一方、地域別過去調査データの調査区分と、地域別今回調査データの調査区分とが非同一の場合には、携帯調査地域別回収数統計的推計手段213において、過去携帯SMS調査の調査区分と今回携帯SMS調査の調査区分をパラメータ(変数)としてする統計モデルを用いて、過去の携帯SMS調査より集計された携帯調査地域別回収実績数から今回の携帯SMS調査の地域別回収目標数である携帯調査地域別回収数統計的推計値255を推計する。当該補正は、ウエイトバック集計を用いても良く、長期間に亘る過去携帯SMS調査のデータが存在する場合には、線形回帰、一般化線形回帰、ロジット、プロビット等の統計モデルを用いても良い。
【0049】
ここで、ウエイトバック集計を用いて補正を行う場合について、説明する。例えば、過去携帯SMS調査における調査区分の調査日数が3日で、今回携帯SMS調査における調査区分の調査日数が2日である場合、過去携帯SMS調査における携帯調査地域別回収実績数に2/3を乗じて、今回の携帯SMS調査の携帯調査地域別回収数統計的推計値に補正する。
【0050】
次に、長期間に亘る過去の携帯SMS調査のデータ(複数のデータ)が存在する場合について、線形回帰モデルを用いて補正を行う場合について、説明する。例えば、過去の携帯SMS調査における調査区分の調査日数を独立変数xとし、過去の携帯SMS調査における携帯調査地域別回収実績数を従属変数yとする。各過去の携帯SMS調査の調査日数と携帯調査地域別回収実績数の値(x1、y1),(x2、y2),・・・,(xn、yn)から、最小二乗法により回帰直線
y=a+bx
を求め、今回の携帯SMS調査の調査日数xiから携帯調査地域別回収数統計的推計値yiを算出すれば良い。なお、従属変数が正規分布以外の分布(二項分布、ポアソン分布等)である場合には、一般化線形回帰を用いて推計すると良い。
【0051】
一方、過去携帯SMS調査における調査区分の調査日区分xをパラメータとする場合には、パラメータが質的データであり量的データではないことから、一般線形回帰を用いることができない。よって、質的データであっても推計することが可能なロジットやプロピット等の統計モデルを用いることが好ましい。例えば、ロジットの統計モデルを用いる場合には、過去の携帯SMS調査を平日に実施した場合の調査日区分を0と、土日祝日に実施した場合の調査日区分を1とし、回帰係数bを最小二乗法に代えて最尤推定法を用いて推定し、今回の携帯SMS調査の調査日区分xiから携帯調査地域別回収数統計的推計値yiを算出すれば良い。
【0052】
次に、携帯調査地域別回収目標数判別手段214において、携帯調査地域別回収数推計値254及び/又は携帯調査地域別回収数統計的推計値255の数を判別する。携帯調査地域別回収数推計値254及び/又は携帯調査地域別回収数統計的推計値255が1つ存在する場合には、その携帯調査地域別回収数推計値254又は携帯調査地域別回収数統計的推計値255を携帯調査地域別回収目標数256(以下、単に「目標数」ともいう)とする。
【0053】
一方、携帯調査地域別回収数推計値254及び/又は携帯調査地域別回収数統計的推計値255が複数存在する場合には、携帯調査地域別回収数目標数選択手段215において、携帯調査地域別回収数推計値254及び/又は携帯調査地域別回収数統計的推計値255の中から最小値を選択して、携帯調査地域別回収目標数256とする。
【0054】
次に、地域別回収数推計値カテゴリ化手段216において、携帯調査地域別回収目標数256を任意の数値範囲でカテゴリ化し、カテゴリ化済地域別回収数推計値とする。例えば、目標数256が0~50未満の場合、50以上100未満の場合、100以上150未満の場合、150以上200未満の場合、200以上の場合、の各範囲にカテゴリ化する。
【0055】
そして、固定回収数決定手段217において、カテゴリ化された目標数256の各範囲に対応して、携帯・固定調査手段003における固定オートコール調査301の固定回収目標数と携帯SMS調査401と回収目標数と、を決定し、リスト化手段218において、各地域別の固定回収目標数と回収目標数とからなる目標サンプルリストとしてリスト化する。例えば、目標数256が0~50未満、50以上100未満、100以上150未満、150以上200未満、200以上のそれぞれの場合に、固定回収目標数をそれぞれ500、450、400、350、300と決定する。そして、リスト記憶手段において、リスト化した各地域別の固定回収目標数と回収目標数とからなる目標サンプルリストを目標サンプルリストデータベース257に目標サンプルデータとして記憶する。
【0056】
次に、アンケート調査を、固定端末を対象として実施する固定オートコール調査301と携帯端末を対象として実施する携帯SMS調査401とからなる携帯・固定調査手段003のそれぞれについて説明する。先ず、固定オートコール調査301について説明する。
【0057】
図4は、固定オートコール調査301を示すフローチャートである。
【0058】
固定オートコール調査301は、先ず、固定回線接続手段311において、固定オートコール調査301の対象端末112である固定電話との音声による双方向通話ができるように対象端末112でとの回線の接続を行う。次に、固定音声データ取得手段312において、対象端末112でとの通話に用いる音声データベース351に記憶された音声データを取得し、固定音声再生手段313において、固定音声データ取得手段312により取得した音声データを再生して電話回線を通じて対象端末112へ送信する。
【0059】
そして、固定プッシュ信号受信手段314において、対象端末112のプッシュボタンが押されたプッシュ信号を受信し、データ送信手段において、プッシュ信号が承諾を表明する承諾信号である場合に、対象端末112との双方向通信を確立し、アンケート記憶手段によりアンケートデータベース353に記憶されたアンケートを対象端末112に送信する。
【0060】
次に、固定回収データ受信手段318において、対象端末112からアンケートに対する回収データを受信し、固定住所特定手段319において、対象端末112の局番から対象端末112の所有者の住所が属する所在地域を特定する。そして、固定回収データ記憶手段320において、アンケートの調査目的、調査日区分、調査日数、サンプルサイズ、及び各地域の属性を含む調査区分と、固定回収データ受信手段318により受信した回収データと、所在地域と、を固定回収データベース354に記憶する。
【0061】
そして、固定地域別回収数集計手段321において、調査の目的に応じて利用可能なように、固定地域別回収数データとして集計し、固定地域別回収数集計結果記憶手段322において、固定地域別回収数データを固定地域別回収データベース355に記憶する。
【0062】
次に、携帯SMS調査401について説明する。
【0063】
図5は、携帯SMS調査401を示すフローチャートである。
【0064】
携帯SMS調査401は、先ず、回線接続手段411において、携帯SMS調査401の対象端末112であるスマートホンとの音声による双方向通話ができるように対象端末112でとの回線の接続を行う。次に、音声データ取得手段412において、対象端末112でとの通話に用いる音声データベース451に記憶された音声データを取得し、音声再生手段413において、音声データ取得手段412により取得した音声データを再生して電話回線を通じて対象端末112へ送信する。
【0065】
そして、プッシュ信号受信手段414において、対象端末112のプッシュボタンが押されたプッシュ信号を受信し、プッシュ信号が承諾を表明する承諾信号である場合に、SMS送信手段415において、URLデータベース452に記録されたSMSアンケートに誘導するURLが記載されたSMSを送信する。次に、双方向通信手段416において、SMSに記載されたURLに基づき、対象端末112との双方向通信を確立した上で、アンケート送信手段417において、アンケートデータベース353に記録された携帯端末の所有者の住所に係る郵便番号の問い合わせを含むアンケートデータを対象端末112に送信する。
【0066】
次に、回収データ受信手段418において、対象端末112からアンケートに対する回収データを受信し、住所特定手段419において、対象端末112から回収された郵便番号から対象端末112の所有者の住所が属する所在地域を特定する。そして、回収データ記憶手段420において、アンケートの調査目的、調査日区分、調査日数、サンプルサイズ、及び各地域の属性と、を含む調査区分と、回収データ受信手段418により受信した回収データと、所在地域と、を回収データベース454に記憶する。
【0067】
そして、地域別回収数集計手段421において、調査の目的に応じて利用可能なように、地域別回収数データとして集計し、地域別回収数集計結果記憶手段422において、地域別回収数データを地域別回収データベース455に記憶する。
【0068】
次に、固定オートコール調査301及び携帯SMS調査401のそれぞれから得られた各地域の固定地域別回収データと各地域の地域別回収データを、固定・携帯回収集計手段501において、各地域別に集計し地域固定・携帯回収データとして地域固定・携帯回収データベース551に記録する。
【0069】
以上、本発明について実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施例に記載の範囲に限定されない。上記実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた例も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求項の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る携帯端末又は/及び固定電話によるアンケート調査に用いる地域別回収目標数の目標サンプルリスト作成方法及びそのプログラムであれば、スマートホンの所有者の住所を特定することが可能であり、また、固定電話とスマートホンを対象とした混合モードのアンケート調査であっても、昨今の固定電話を保有しない若年層にも対応して所定の地域毎にアンケート結果を集計することや、所定の各地域から一定のサンプル頻度でアンケート結果を集計することができる。
【符号の説明】
【0071】
001 アンケート調査の方法(ノン・スポークン調査)
002 目標サンプルリスト作成手段
003 携帯・固定調査手段
101 コンタクトセンタシステム
102 WEBサーバ
103 アウトバウンドサーバ
104 インバウンドサーバ
105 ゲートウエイ
106 インターネット
107 電話網
108 音声合成サーバ
109 SMSサーバ
110 設定用PC
112 対象端末
113 WEBアンケートサーバ
114 統計処理サーバ
201 統計的推計処理手段
211 調査データ比較手段
212 携帯調査地域別回収数比率推計手段
213 携帯調査地域別回収数統計的推計手段
214 携帯調査地域別回収目標数判別手段
215 携帯調査地域別回収目標数選択手段
216 地域別回収数推計値カテゴリ化手段
217 固定回収数決定手段
218 リスト化手段
219 リスト記憶手段
251 地域別回収データベース
252 地域別過去調査データベース
253 地域別今回調査データベース
254 携帯調査地域別回収数推計値
255 携帯調査地域別回収数統計的推計値
256 携帯調査地域別回収目標数(目標数)
257 目標サンプルリストデータベース
301 固定オートコール調査
311 固定回線接続手段
312 固定音声データ取得手段
313 固定音声データ再生手段
314 固定プッシュ信号受信手段
316 固定双方向通信手段
317 固定アンケート送信手段
318 固定回収データ受信手段
319 固定住所特定手段
320 固定回収データ記憶手段
321 固定地域別回収数推計手段
322 固定地域別回収数集計結果記憶手段
351 音声データベース
353 アンケートデータベース
354 固定回収データベース
355 固定地域別回収データベース
401 携帯SMS調査
411 回線接続手段
412 音声データ取得手段
413 音声データ再生手段
414 プッシュ信号受信手段
415 SMS送信手段
416 双方向通信手段
417 アンケート送信手段
418 回収データ受信手段
419 住所特定手段
420 回収データ記憶手段
421 地域別回収数集計手段
422 地域別回収数集計結果記憶手段
452 URLデータベース
454 回収データベース
455 地域別回収データベース
501 固定・携帯回収集計手段
551 地域携帯・固定回収データベース