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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159968
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20231026BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20231026BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B25J13/00 A
B25J9/06 D
B65G47/90 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069928
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】田代 晃浩
(72)【発明者】
【氏名】土谷 恭平
(72)【発明者】
【氏名】趙 成弼
【テーマコード(参考)】
3C707
3F072
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS15
3C707BT05
3C707CT04
3C707CU05
3C707CV07
3C707CW07
3C707CX01
3C707CX03
3C707CY01
3C707CY22
3C707CY24
3C707DS01
3C707HS26
3C707HT04
3C707HT12
3C707HT20
3C707LV04
3C707MT02
3C707NS02
3F072AA06
3F072KA01
3F072KD01
(57)【要約】
【課題】ワークを高い効率で搬送するのに有効なロボットシステムを提供する。
【解決手段】ロボットシステム1は、ワークを搬送ライン11に沿って第1位置P1まで搬送する第1搬送装置10と、搬送ライン11に垂直な第1ライン14に沿って第1位置P1と隣り合う第2位置P2からワークを搬送する第2搬送装置20と、ロボット30とを備え、ロボット30は、第1搬送装置10によるワークWの搬送方向に向かって第1ライン14から離れた固定位置P4においてアームベース32を昇降させる基部31と、鉛直な第1軸線41まわりに回転する第1アーム33と、鉛直な第2軸線42まわりに回転する第2アーム34と、鉛直な第3軸線43まわりに回転するアーム先端部35と、アーム先端部35の下にてワークを上方から保持するワーク保持部36と、を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な搬送ラインに沿ってワークを第1位置まで搬送する第1搬送装置と、
前記搬送ラインに垂直な第1ラインに沿って前記第1位置と隣り合う第2位置から前記ワークを搬送する第2搬送装置と、
前記第1搬送装置によるワークの搬送方向に向かって前記第1ラインから離れた固定位置に固定され、前記第1位置から前記第2位置まで前記ワークを搬送するロボットと、
を備え、
前記ロボットは、
前記固定位置に固定され、アームベースを昇降させる基部と、
鉛直な第1軸線まわりに回転するように前記アームベースに接続され、前記第1軸線から遠ざかる方向に延びている第1アームと、
鉛直な第2軸線まわりに回転するように前記第1アームに接続され、前記第2軸線から遠ざかる方向に延びている第2アームと、
鉛直な第3軸線まわりに回転するように前記第2アームに接続されたアーム先端部と、
前記アーム先端部の下方に設けられ、前記ワークを上方から保持するワーク保持部と、
を有する、
ロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボットは、前記アーム先端部と前記ワーク保持部との間に設けられ、鉛直方向に交差する調節軸線まわりに前記ワーク保持部の姿勢を調節する姿勢調節部を更に有する、
請求項1記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記姿勢調節部は、鉛直方向と、前記調節軸線とに交差する第2調節軸線まわりに前記ワーク保持部の姿勢を更に調節する、
請求項2記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記姿勢調節部は、前記調節軸線と前記第2調節軸線とに交差する第3調節軸線まわりに前記ワーク保持部の姿勢を更に調節する、
請求項3記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記姿勢調節部による前記ワーク保持部の可動角は、±30°以内である、
請求項2~4のいずれか一項記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記アームベースは、前記固定位置から前記搬送装置の上方まで延びている、
請求項1~4のいずれか一項記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記第1アームは前記アームベースの上に取り付けられ、
前記第2アームは、少なくとも部分的に前記アームベースと同じ高さに位置するように前記第1アームの下に取り付けられ、
前記アーム先端部は、前記第2アームの下に取り付けられている、
請求項6記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記アームベースは前記固定位置から前記第1位置に向かって延びており、
前記ロボットは、前記第1アーム及び前記第2アームが前記固定位置に近付く方向に折りたたまれた状態で、前記第1位置から前記第2位置に前記ワークを搬送する、
請求項7記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記アーム先端部は、前記第3軸線から遠ざかる方向に延びており、
前記ワーク保持部は、前記第3軸線から離れた位置で前記アーム先端部の下方に設けられている、
請求項7記載のロボットシステム。
【請求項10】
上方から見て、前記基部の少なくとも一部が、前記第1ラインに沿った方向において前記第1位置と前記第2位置との間に位置している、
請求項1~4のいずれか一項記載のロボットシステム。
【請求項11】
上方から見て、前記第1搬送装置は前記搬送ラインに沿った第1側縁及び第2側縁を有し、前記基部の少なくとも一部が、前記第1側縁と前記第2側縁との間に位置している、
請求項10記載のロボットシステム。
【請求項12】
前記ロボットは、前記第3軸線まわりの前記アーム先端部の回転を、前記第1軸線まわりの前記第1アームの回転と、前記第2軸線まわりの前記第2アームの回転とに連動させるリンクを更に有する、
請求項1~3のいずれか一項記載のロボットシステム。
【請求項13】
前記ロボットは、前記リンクの長さを変更することで、前記第3軸線まわりの前記アーム先端部の姿勢を調節する姿勢調節部を更に有する、
請求項12記載のロボットシステム。
【請求項14】
前記リンクは、
前記第1軸線まわりの前記第1アームの回転を伝達する第1リンクと、
前記第1リンクから伝わった回転と、前記第2軸線まわりの前記第2アームの回転とを前記アーム先端部に伝達する第2リンクと、
を含み、
前記姿勢調節部は、前記第1リンクの長さを変更することで、前記第3軸線まわりの前記アーム先端部の姿勢を調節する、
請求項13記載のロボットシステム。
【請求項15】
前記アームベースは前記固定位置から前記第1位置に向かって延びており、
前記ロボットは、前記第1アーム及び前記第2アームが前記固定位置に近付く方向に折りたたまれた状態で、前記第1位置から前記第2位置に前記ワークを搬送する、
請求項12記載のロボットシステム。
【請求項16】
前記アーム先端部は、前記第3軸線から遠ざかる方向に延びており、
前記ワーク保持部は、前記第3軸線から離れた位置で前記アーム先端部の下方に設けられ、
前記リンクは、前記アーム先端部が前記第3軸線から延びる方向を、前記第2位置から前記第1位置向かう方向に沿わせる、
請求項15記載のロボットシステム。
【請求項17】
前記第1ラインに沿った方向において、前記第1軸線は前記第1位置と前記第2位置との間に位置している、請求項1~4のいずれか一項記載のロボットシステム。
【請求項18】
前記第1ラインに沿った方向において、前記第1軸線は前記固定位置と前記第2位置との間に位置している、請求項17記載のロボットシステム。
【請求項19】
前記アームベースは、前記搬送ラインに対し傾斜した第2ラインに沿って、前記固定位置から前記第1位置と前記第2位置との間に向かって延びている、請求項18記載のロボットシステム。
【請求項20】
前記ロボットの可搬重量が300kg以上である、
請求項1~4のいずれか一項記載のロボットシステム。
【請求項21】
前記ワークは電気自動車の走行用のバッテリーモジュールを含む、
請求項1~4のいずれか一項記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワークを搬送するワークコンベアと、ワークコンベアによって搬送されたワークを把持し、パレット上にパレタイズするロボットと、を備えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07-214485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ワークを高い効率で搬送するのに有効なロボットシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るロボットシステムは、水平な搬送ラインに沿ってワークを第1位置まで搬送する第1搬送装置と、搬送ラインに垂直な第1ラインに沿って第1位置と隣り合う第2位置からワークを搬送する第2搬送装置と、第1搬送装置によるワークの搬送方向に向かって第1ラインから離れた固定位置に固定され、第1位置から第2位置までワークを搬送するロボットと、を備え、ロボットは、固定位置に固定され、アームベースを昇降させる基部と、鉛直な第1軸線まわりに回転するようにアームベースに接続され、第1軸線から遠ざかる方向に延びている第1アームと、鉛直な第2軸線まわりに回転するように第1アームに接続され、第2軸線から遠ざかる方向に延びている第2アームと、鉛直な第3軸線まわりに回転するように第2アームに接続されたアーム先端部と、アーム先端部の下方に設けられ、ワークを上方から保持するワーク保持部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ワークを高い効率で搬送するのに有効なロボットシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ロボットシステムの構成を例示する平面図である。
図2図1のロボットシステムの側面図である。
図3】ロボットシステムの変形例を示す平面図である。
図4】姿勢調節部の構成を例示する模式図である。
図5】姿勢調節部の変形例を示す模式図である。
図6】ロボットシステムの他の変形例を示す平面図である。
図7】ロボットシステムの更に他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一の要素又は同一の機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
本実施形態に係るロボットシステムは、ワークWを搬送するシステムである。ワークWに特に制限はない。ワークWは、電気自動車の走行用のバッテリーモジュールを含んでいてもよい。例えばワークWは、単体のバッテリーモジュールであってもよく、一まとめにして搬送される複数のバッテリーモジュールであってもよい。また、ワークWは、複数のバッテリーモジュールを一体化したバッテリーユニットであってもよい。ワークWの重量は300kg以上であってもよい。
【0010】
図1は、ロボットシステムの構成を例示する平面図である。図2は、図1のロボットシステムの側面図である。図1及び図2に示すように、ロボットシステム1は、第1搬送装置10と、第2搬送装置20と、ロボット30とを備える。
【0011】
第1搬送装置10は、ワークWを支持し、支持したワークWを水平な搬送ライン11に沿って第1位置P1まで搬送する。第1搬送装置10は、自装置は移動せずにワークWを搬送する装置であってもよく、自装置がワークWと共に移動することでワークWを搬送する装置であってもよい。自装置は移動せずにワークWを搬送する装置の例としては、コンベヤ(ベルトコンベヤ又はローラコンベヤ等)が挙げられる。自装置がワークWと共に移動する装置の例としては、無人搬送車(AGV)等が挙げられる。
【0012】
第1位置P1までワークWを搬送するとは、上方から見て第1位置P1から離れて位置するワークWを、上方から見て第1位置P1にかかるまで搬送することを意味する。第1搬送装置10は、上方から見てワークWの中心が第1位置P1に一致するまでワークWを搬送してもよい。以下、第1搬送装置10が第1位置P1に向かってワークWを搬送する方向を、搬送ライン11における前方とする。
【0013】
第2搬送装置20は、搬送ライン11に垂直な第1ライン14に沿って第1位置P1と隣り合う第2位置P2においてワークWを支持し、支持したワークWを第2位置P2から搬送する。例えば第2位置P2は、上方から見て第1位置P1と隣り合う。第2搬送装置20は、自装置は移動せずにワークWを搬送する装置であってもよく、自装置がワークWと共に移動することでワークWを搬送する装置であってもよい。自装置は移動せずにワークWを搬送する装置の例としては、コンベヤ(ベルトコンベヤ又はローラコンベヤ等)が挙げられる。自装置がワークWと共に移動する装置の例としては、無人搬送車(AGV)等が挙げられる。
【0014】
第2位置P2においてワークWを支持するとは、上方から見てワークWの少なくとも一部が第2位置P2にかかった状態でワークWを支持することを意味する。第2位置P2からワークWを搬送するとは、上方から見てワークWの少なくとも一部が第2位置P2にかかった状態から、ワークWを第2位置P2から離れた位置まで搬送することを意味する。第2搬送装置20は、ワークWの中心が第2位置P2に一致した状態でワークWを支持してもよく、ワークWの中心が第2位置P2に一致した状態からワークWを搬送してもよい。
【0015】
ロボット30は、第1搬送装置10によるワークWの搬送方向に向かって第1ライン14から離れた固定位置P4に固定され、第1位置P1から第2位置P2までワークWを搬送する。固定位置P4は、搬送ライン11に沿って第1位置P1に隣り合っていてもよいが、第1ライン14に沿う方向において第1位置P1とは異なる位置にあってもよい。搬送ライン11に沿う方向において、固定位置P4は、第1搬送装置10の外に位置している。例えば固定位置P4は、上方から見て、第1搬送装置10よりも搬送ライン11における前方に位置している。
【0016】
ロボット30は、第1位置P1にかかるまで第1搬送装置10により搬送されたワークWを第1搬送装置10から受け取り、第2位置P2にかかるまで搬送して第2搬送装置20に渡す。例えばロボット30は、第1位置P1にかかった状態で第1搬送装置10に支持されたワークWを保持し、上昇させ、第2位置P2にかかるまで搬送し、下降させて第2搬送装置20に支持させる。ロボット30は、第2搬送装置20にワークWを支持させた後にワークWを解放する。上述のとおり、ワークWの重量は300kg以上であってもよいので、ロボット30の可搬重量は300kg以上であってもよい。
【0017】
ロボット30は、基部31と、第1アーム33と、第2アーム34と、アーム先端部35と、ワーク保持部36とを有する。基部31は、固定位置P4において床面又は壁面等に固定され、アームベース32を昇降させる。アームベース32は、搬送ライン11における後方に向かって基部31から突出している。第1アーム33は、鉛直(水平面に垂直)な第1軸線41まわりに回転するようにアームベース32に接続され、第1軸線41から遠ざかる方向に延びている。例えば第1アーム33は、水平なラインに沿って、第1軸線41から遠ざかる方向に延びている。
【0018】
第2アーム34は、鉛直な第2軸線42まわりに回転するように第1アーム33の端部に接続され、第2軸線42から遠ざかる方向に延びている。例えば第2アーム34は、水平なラインに沿って、第2軸線42から遠ざかる方向に延びている。
【0019】
アーム先端部35は、鉛直な第3軸線43まわりに回転するように第2アーム34に接続されている。ワーク保持部36は、アーム先端部35の下方に設けられ、ワークWを上方から保持する。ワーク保持部36は、真空吸着によりワークWを保持するように構成されていてもよく、メカニカルハンドによりワークWを把持するように構成されていてもよい。ワークWが、一まとめにして搬送される複数のバッテリーモジュールである場合、ワーク保持部36は、複数のバッテリーモジュールにそれぞれ対応する複数の吸着ノズルを有してもよい。また、ワーク保持部36は、複数のバッテリーモジュールをメカニカルハンドにより一まとめにして把持し得るように構成されていてもよい。
【0020】
このように、第1搬送装置10から第2搬送装置20へのワークWの移し替えを行うロボット30において、アームベース32からアーム先端部35までがスカラ(SCARA:Selective Compliance Assembly Robot Arm)型とされている。このため、重力によるモーメントを抑制し、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35を高い効率で駆動することができる。以下、アームベース32からアーム先端部35までを「スカラ部」という。アームベース32を昇降させる構成によれば、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35に昇降用のアクチュエータを配置する必要がないので、スカラ部の軽量化を図ることができる。更に、アームベース32を旋回させずに昇降させる構成によれば、スカラ部全体を旋回させる構成に比較して、スカラ部が旋回動作により占有する領域を小さくすることができる。これにより、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35をより高い効率で駆動することができる。なお、スカラ部をワークWと共に昇降させるために、昇降の負荷は大きくなるが、昇降の負荷については重力又はガス圧等を利用して適宜軽減することが可能である。第1搬送装置10によるワークWの搬送方向に向かって第1ライン14から離れた固定位置P4に固定されたロボット30によって、第1位置P1から第2位置P2にワークWを搬送する構成によれば、第1アーム33、第2アーム34の長さを短く抑えつつ、第1位置P1から第2位置P2までの搬送ストロークを確保することができる。このため、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35を更に高い効率で駆動することができる。従って、ロボットシステム1は、ワークWを高い効率で搬送するのに有効である。
【0021】
ロボット30は、第1位置P1に対し第2位置P2が配置される方向とは反対の方向で第1位置P1と隣り合う第3位置P3にもワークWを搬送し得るように構成されていてもよい。第2位置P2、第1位置P1、及び第3位置P3は第1ライン14に沿って順に並ぶ。この場合、ロボット30を、第1位置P1から第3位置P3への搬送にも有効活用することができる。
【0022】
上方から見て、第1搬送装置10は搬送ライン11に沿った第1側縁12及び第2側縁13を有し、基部31の少なくとも一部が、第1側縁12と第2側縁13との間に位置していてもよい。この場合、例えば第2搬送装置20が無人搬送車である場合に、ロボット30と干渉せずに第2搬送装置20が移動可能な範囲を広くすることができる。なお、図1においては、基部31の全体が第1側縁12と第2側縁13との間に位置しているが、基部31の一部が第1側縁12と第2側縁13との間の外に位置していてもよい。
【0023】
上方から見て、基部31の少なくとも一部が、第1ライン14に沿った方向において第1位置P1と第2位置P2との間に位置してもよい。第1アーム33及び第2アーム34の長さを更に短く抑えることができる。
【0024】
上方から見て、第2搬送装置20は搬送ライン11に沿った第1側縁21及び第2側縁22を有し、基部31の少なくとも一部が、第1側縁21と第2側縁22との間に位置していてもよい。この場合、例えば第1搬送装置10が無人搬送車である場合に、ロボット30と干渉せずに第1搬送装置10が移動可能な範囲を広くすることができる。
【0025】
第1搬送装置10の第1側縁12は、第2側縁13と第2搬送装置20との間に位置し、第2搬送装置20の第2側縁22は、第1側縁21と第1搬送装置10との間に位置する。上方から見て、基部31の少なくとも一部が第1側縁21と第2側縁13との間に位置していてもよく、基部31の少なくとも一部が第2側縁22と第2側縁13との間に位置してもよく、基部31の少なくとも一部が第2側縁22と第1側縁12との間に位置していてもよい。
【0026】
アームベース32の少なくとも一部が、第1側縁12と第2側縁13との間に位置していてもよい。この場合、ロボット30と干渉せずに第2搬送装置20が移動可能な範囲を更に広くすることができる。なお、図1においては、アームベース32の全体が第1側縁12と第2側縁13との間に位置しているが、アームベース32の一部が第1側縁12と第2側縁13との間の外に位置していてもよい。
【0027】
図2に示すように、ロボット30は、昇降アクチュエータ50と、第1アクチュエータ61と、第2アクチュエータ62と、第3アクチュエータ63と、ロボットコントローラ100とを更に備える。昇降アクチュエータ50は、基部31に設けられ、アームベース32を昇降させる。例えば昇降アクチュエータ50は、ボールねじ式、又はワイヤ式等のリニアアクチュエータ51を含む。リニアアクチュエータ51は、電力の供給に応じてアームベース32を昇降させる。昇降アクチュエータ50は、重力補償部52を更に含んでもよい。重力補償部52は、カウンターウェイト、油圧、又はガス圧等により、スカラ部の重力に抗する力をアームベース32に付与する。重力補償部52により、リニアアクチュエータ51における消費エネルギーを削減することができる。
【0028】
第1アクチュエータ61は、例えばアームベース32に設けられ、第1軸線41まわりに第1アーム33を回転させる。第1アクチュエータ61は、モータ61mと減速機61gとを有する。モータ61mは、電力の供給に応じて回転トルクを発生させる。減速機61gは、モータ61mが発生させた回転トルクを所定の減速比に応じて増幅し、第1アーム33に伝達する。なお、第1アクチュエータ61の配置位置はアームベース32に限られず、第1軸線41まわりに第1アーム33を回転させ得る限りロボット30のいかなる部位に設けられていてもよい。例えば第1アクチュエータ61は第1アーム33に設けられていてもよい。また、第1アクチュエータ61は、ギヤ、タイミングベルト等の伝達要素を介してモータ61mから減速機61gに動力を伝達するように構成されていてもよい。第1アクチュエータ61の少なくとも一部(例えばモータ61m)が、第1軸線41から離れた位置に設けられていてもよい。
【0029】
第2アクチュエータ62は、例えば第1アーム33に設けられ、第2軸線42まわりに第2アーム34を回転させる。第2アクチュエータ62は、モータ62mと減速機62gとを有する。モータ62mは、電力の供給に応じて回転トルクを発生させる。減速機62gは、モータ62mが発生させた回転トルクを所定の減速比に応じて増幅し、第2アーム34に伝達する。なお、第2アクチュエータ62の配置位置は第1アーム33に限られず、第2軸線42まわりに第2アーム34を回転させ得る限りロボット30のいかなる部位に設けられていてもよい。例えば第2アクチュエータ62は第2アーム34に設けられていてもよい。また、第2アクチュエータ62は、ギヤ、タイミングベルト等の伝達要素を介してモータ62mから減速機62gに動力を伝達するように構成されていてもよい。第2アクチュエータ62の少なくとも一部(例えばモータ62m)が、第2軸線42から離れた位置に設けられていてもよい。
【0030】
第3アクチュエータ63は、例えば第2アーム34に設けられ、第3軸線43まわりにアーム先端部35を旋回させる。第3アクチュエータ63は、モータ63mと減速機63gとを有する。モータ63mは、電力の供給に応じて回転トルクを発生させる。減速機63gは、モータ63mが発生させた回転トルクを所定の減速比に応じて増幅し、アーム先端部35に伝達する。なお、第3アクチュエータ63の配置位置は第2アーム34に限られず、第3軸線43まわりにアーム先端部35を回転させ得る限りロボット30のいかなる部位に設けられていてもよい。例えば第3アクチュエータ63はアーム先端部35に設けられていてもよい。また、第3アクチュエータ63は、ギヤ、タイミングベルト等の伝達要素を介してモータ63mから減速機63gに動力を伝達するように構成されていてもよい。また、第3アクチュエータ63の少なくとも一部(例えばモータ63m)が、第3軸線43から離れた位置(例えば33)に設けられていてもよい。
【0031】
ロボットコントローラ100は、昇降アクチュエータ50、第1アクチュエータ61、第2アクチュエータ62、及び第3アクチュエータ63を制御する。例えばロボットコントローラ100は、第1搬送装置10に支持されたワークWを保持し、上昇させ、第2位置P2にかかるまで搬送し、下降させて第2搬送装置20に支持させるために予め定められたワーク保持部36の動作軌跡と、ロボット30のモデル情報とに基づく逆運動学演算により、昇降アクチュエータ50、第1アクチュエータ61、第2アクチュエータ62、及び第3アクチュエータ63のそれぞれの動作目標値を算出し、昇降アクチュエータ50、第1アクチュエータ61、第2アクチュエータ62、及び第3アクチュエータ63のそれぞれの動作を動作目標値に追従させる。
【0032】
アームベース32は、搬送ライン11における後方に向かって、固定位置P4から第1搬送装置10の上方まで延びていてもよい。これにより、第1アーム33及び第2アーム34の更なる短縮化を図ることができる。アームベース32は、第1搬送装置10により第1位置P1に搬送されたワークWの上方にかかるように延びていてもよい。図2に示すように、搬送ライン11に沿う方向において、アームベース32の端は、固定位置P4と、第1位置P1との間に位置していてもよい。アームベース32は、第1位置P1の上方まで延びていてもよい。例えばアームベース32の端は、第1位置P1よりも搬送ライン11における後方に位置していてもよい。
【0033】
第1アーム33はアームベース32の上に取り付けられ、第2アーム34は、少なくとも部分的にアームベース32と同じ高さに位置するように第1アーム33の下に取り付けられ、アーム先端部35は、第2アーム34の下に取り付けられていてもよい。これにより、スカラ部の低背化を図ることができる。
【0034】
なお、アームベース32、第1アーム33、及び第2アーム34の上下関係は、必ずしも図2に例示した関係に限られない。例えばアームベース32が第1アーム33の下に取り付けられ、第2アーム34が第1アーム33の下に取り付けられていてもよい。この場合、アームベース32と第2アーム34との干渉が生じ難くなるので、第2アーム34の可動範囲を大きくすることができる。
【0035】
図3は、ロボットシステム1の変形例を示す平面図である。図3に示すように、ロボット30は、第3軸線43まわりのアーム先端部35の回転を、第1軸線41まわりの第1アーム33の回転と、第2軸線42まわりの第2アーム34の回転とに連動させるリンク70を更に備えてもよい。この場合、第3アクチュエータ63をなくし、スカラ部の更なる軽量化を図ることができる。
【0036】
例えばリンク70は、中継回転体72と、第1リンク71と、第2リンク73とを含む。中継回転体72は、第1アーム33及び第2アーム34の両方に対して、第2軸線42まわりに回転するように、第1アーム33と第2アーム34との接続部に設けられている。
【0037】
第1リンク71は、第2軸線42まわりの中継回転体72の回転を、第1軸線41まわりの第1アーム33の回転に連動させる。例えば第1リンク71は、第1アーム33に対し平行に延びている。第1リンク71の一端部は、鉛直な軸線まわりに回転するようにアームベース32に接続され、第1リンク71の他端部は、鉛直な軸線まわりに回転するように中継回転体72に接続されている。これにより、第1リンク71は、第1軸線41まわりの第1アーム33の回転を中継回転体72に伝達する。
【0038】
第2リンク73は、第3軸線43まわりのアーム先端部35の回転を、第2軸線42まわりの中継回転体72の回転と、第2軸線42まわりの第2アーム34の回転とに連動させる。例えば第2リンク73は、第2アーム34に対し平行に延びている。第2リンク73の一端部は、鉛直な軸線まわりに回転するように中継回転体72に接続され、第2リンク73の他端部は、鉛直な軸線まわりに回転するようにアーム先端部35に接続されている。これにより、第2リンク73は、第1リンク71から中継回転体72に伝わった回転と、第2軸線42まわりの第2アーム34の回転とをアーム先端部35に伝達する。
【0039】
図3において、第1アーム33及び第2アーム34は、固定位置P4に近付く方向に折りたたまれている。例えば、第1アーム33と第2アーム34との接続部は、アームベース32と第1アーム33との接続部、及び第2アーム34とアーム先端部35との接続部の両方に対して、搬送ライン11における前方に位置している。ロボット30は、上述のように第1アーム33及び第2アーム34が折りたたまれた状態で、第1位置P1から第2位置P2にワークWを搬送してもよい。例えばロボットコントローラ100は、上述のように第1アーム33及び第2アーム34が折りたたまれた状態で、第1位置P1から第2位置P2にワークWを搬送するように、第1アクチュエータ61及び第2アクチュエータ62を動作させてもよい。
【0040】
これにより、第1位置P1から第2位置P2までワークWを搬送するプロセスにおいて、スカラ部が占有する領域を小さくすることができる。また、スカラ部の重心を固定位置P4側に寄せることで、スカラ部を支持するための負荷を小さくすることができる。
【0041】
図3に示すように、アーム先端部35は、第3軸線43から遠ざかる方向に延びていてもよく、ワーク保持部36は、第3軸線43から離れた位置でアーム先端部35の下方に設けられていてもよい。第2アーム34とアームベース32とが同じ高さに位置することに起因する、第1アーム33及び第2アーム34の可動限界を、アーム先端部35により補うことができる。
【0042】
リンク70は、アーム先端部35が第3軸線43から延びる方向を、第2位置P2から第1位置P1に向かう方向に沿わせるように構成されていてもよい。例えば、上述のように第1アーム33及び第2アーム34が折りたたまれた状態では、アームベース32と第2アーム34との干渉により、第2アーム34とアーム先端部35との接合部を十分に第1位置P1に近付けられないことが考えられる。このような状態においても、アーム先端部35が第1位置P1に向かって延びるので、ワーク保持部36を容易に第1位置P1に配置することができる。
【0043】
ロボット30は、ワーク保持部36の姿勢を調節する姿勢調節部80を更に有してもよい。例えば姿勢調節部80は、第1姿勢調節部80Aを有する。第1姿勢調節部80Aは、リンク70の長さを変更することで、第3軸線43まわりのアーム先端部35の姿勢を調節する。第1姿勢調節部80Aによれば、第3軸線43まわりのアーム先端部35の姿勢を調節するために、小型で軽量なアクチュエータを採用することができる。第1姿勢調節部80Aは、第1リンク71の長さを変更することで、第3軸線43まわりのアーム先端部35の姿勢を調節するように構成されていてもよい。第1リンク71の長さを変更する構成によれば、第1姿勢調節部80Aの重量によって、第1軸線41に作用するモーメント負荷を小さくすることができる。
【0044】
姿勢調節部80は、図4に示す第2姿勢調節部80Bを更に有してもよい。第2姿勢調節部80Bは、アーム先端部35とワーク保持部36との間に設けられ、鉛直方向に交差する調節軸線91まわりにワーク保持部36の姿勢を調節する。第2姿勢調節部80Bによれば、スカラ部の撓み等に合わせてワーク保持部36の姿勢を適宜調節することができる。これにより、スカラ部の剛性に対する要求を低くし、スカラ部の更なる軽量化を図ることができる。
【0045】
第2姿勢調節部80Bは、鉛直方向と、調節軸線91とに交差する第2調節軸線92まわりにワーク保持部36の姿勢を更に調節するように構成されていてもよい。ワーク保持部36の姿勢をより適切に調節することができる。なお、交差は、所謂立体交差のように、互いにねじれの関係にある場合を含む。以下においても同様である。
【0046】
一例として、姿勢調節部80は、アーム先端部35とワーク保持部36との間に、上下に並ぶ調節アクチュエータ82と調節アクチュエータ83とを含む。調節アクチュエータ82は、電力の供給により、第3軸線43からアーム先端部35が延びる方向に沿った水平な調節軸線91まわりにワーク保持部36を回転させる。調節アクチュエータ83は、電力の供給により、調節軸線91に交差(例えば直交)する水平な第2調節軸線92まわりにワーク保持部36を回転させる。なお、調節アクチュエータ82と調節アクチュエータ83との配置関係に制限はない。調節アクチュエータ82と調節アクチュエータ83とは互いに同じ高さに設けられていてもよく、調節アクチュエータ83が調節アクチュエータ82よりも上に設けられていてもよい。
【0047】
図5に示すように、第2姿勢調節部80Bは、調節軸線91と第2調節軸線92とに交差する第3調節軸線93まわりにワーク保持部36の姿勢を更に調節するように構成されていてもよい。ワーク保持部36の姿勢をより適切に調節することができる。例えば第2姿勢調節部80Bは調節アクチュエータ84を更に含んでもよい。調節アクチュエータ84は、鉛直な第3調節軸線93まわりにワーク保持部36を回転させる。なお、調節アクチュエータ84は、調節アクチュエータ82及び調節アクチュエータ83と同じ高さに設けられていてもよく、調節アクチュエータ82及び調節アクチュエータ83よりも上に設けられていてもよく、調節アクチュエータ82と調節アクチュエータ83との間に設けられていてもよい。
【0048】
第2姿勢調節部80Bが第3調節軸線93まわりにワーク保持部36の姿勢を調節する場 合、姿勢調節部80が第1姿勢調節部80Aを有していなくても、第3調節軸線93まわりのワーク保持部36の姿勢を調節することが可能となる。
【0049】
姿勢調節部80によるワーク保持部36の可動角は、±30°以内であってもよく、±20°以内であってもよく、±10°以内であってもよい。例えば、伸縮アクチュエータ81によるアーム先端部35の可動角と、調節アクチュエータ82によるワーク保持部36の可動角と、調節アクチュエータ83によるワーク保持部36の可動角と、調節アクチュエータ84によるワーク保持部36の可動角とのそれぞれが、±30°以内であってもよく、±20°以内であってもよく、±10°以内であってもよい。ワーク保持部36がワークWを上方から把持した状態においては、ワークWの重量によるモーメント負荷が姿勢調節部80に作用し難い。このため、姿勢調節部80の可動角を小さく抑えることによって、姿勢調節部80の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0050】
〔まとめ〕
以上に説明したように、ロボットシステム1は、水平な搬送ライン11に沿ってワークを第1位置P1まで搬送する第1搬送装置10と、搬送ライン11に垂直な第1ライン14に沿って第1位置P1と隣り合う第2位置P2からワークを搬送する第2搬送装置20と、第1搬送装置10によるワークWの搬送方向に向かって第1ライン14から離れた固定位置P4に固定され、第1位置P1から第2位置P2までワークを搬送するロボット30と、を備え、ロボット30は、固定位置P4に固定され、アームベース32を昇降させる基部31と、鉛直な第1軸線41まわりに回転するようにアームベース32に接続され、第1軸線41から遠ざかる方向に延びている第1アーム33と、鉛直な第2軸線42まわりに回転するように第1アーム33に接続され、第2軸線42から遠ざかる方向に延びている第2アーム34と、鉛直な第3軸線43まわりに回転するように第2アーム34に接続されたアーム先端部35と、アーム先端部35の下方に設けられ、ワークを上方から保持するワーク保持部36と、を有する。
【0051】
搬送装置から第2搬送装置20へのワークの移し替えを行うロボット30において、アームベース32からアーム先端部35までがスカラ型とされている。このため、重力によるモーメントを抑制し、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35を高い効率で駆動することができる。以下、アームベース32からアーム先端部35までを「スカラ部」という。アームベース32を昇降させる構成によれば、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35に昇降用のアクチュエータを配置する必要がないので、スカラ部の軽量化を図ることができる。更に、アームベース32を旋回させずに昇降させる構成によれば、スカラ部全体を旋回させる構成に比較して、スカラ部が旋回動作により占有する領域を小さくすることができる。これにより、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35をより高い効率で駆動することができる。なお、スカラ部をワークと共に昇降させるために、昇降の負荷は大きくなるが、昇降の負荷については重力又はガス圧等を利用して適宜軽減することが可能である。第1搬送装置10によるワークWの搬送方向に向かって第1ライン14から離れた固定位置P4に固定されたロボット30によって、第1位置P1から第2位置P2にワークを搬送する構成によれば、第1アーム33及び第2アーム34の長さを短く抑えつつ、第1位置P1から第2位置P2までの搬送ストロークを確保することができる。このため、第1アーム33、第2アーム34、及びアーム先端部35を更に高い効率で駆動することができる。従って、ワークを高い効率で搬送するのに有効である。
【0052】
ロボット30は、アーム先端部35とワーク保持部36との間に設けられ、鉛直方向に交差する調節軸線91まわりにワーク保持部36の姿勢を調節する姿勢調節部80を更に有してもよい。スカラ部の撓み等に合わせてワーク保持部36の姿勢を適宜調節することができる。これにより、スカラ部の剛性に対する要求を低くし、スカラ部の更なる軽量化を図ることができる。
【0053】
姿勢調節部80は、鉛直方向と、調節軸線91とに交差する第2調節軸線92まわりにワーク保持部36の姿勢を更に調節してもよい。ワーク保持部36の姿勢をより適切に調節することができる。
【0054】
姿勢調節部80は、調節軸線91と第2調節軸線92とに交差する第3調節軸線93まわりにワーク保持部36の姿勢を更に調節してもよい。ワーク保持部36の姿勢をより適切に調節することができる。
【0055】
姿勢調節部80によるワーク保持部36の可動角は、±30°以内であってもよい。姿勢調節部80の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0056】
アームベース32は、固定位置P4から搬送装置の上方まで延びていてもよい。第1アーム33及び第2アーム34の更なる短縮化を図ることができる。
【0057】
第1アーム33はアームベース32の上に取り付けられ、第2アーム34は、少なくとも部分的にアームベース32と同じ高さに位置するように第1アーム33の下に取り付けられ、アーム先端部35は、第2アーム34の下に取り付けられていてもよい。スカラ部の低背化を図ることができる。
【0058】
アームベース32は固定位置P4から第1位置P1に向かって延びており、ロボット30は、第1アーム33及び第2アーム34が固定位置P4に近付く方向に折りたたまれた状態で、第1位置P1から第2位置P2にワークを搬送してもよい。第1位置P1から第2位置P2までワークを搬送するプロセスにおいて、スカラ部が占有する領域を小さくすることができる。また、スカラ部の重心を固定位置P4側に寄せることで、スカラ部を支持するための負荷を小さくすることができる。
【0059】
アーム先端部35は、第3軸線43から遠ざかる方向に延びており、ワーク保持部36は、第3軸線43から離れた位置でアーム先端部35の下方に設けられていてもよい。第2アーム34とアームベース32とが同じ高さに位置することに起因する、第1アーム33及び第2アーム34の可動限界を、アーム先端部35により補うことができる。
【0060】
上方から見て、基部31の少なくとも一部が、第1ライン14に沿った方向において第1位置P1と第2位置P2との間に位置していてもよい。第1アーム33及び第2アーム34の長さを更に短く抑えることができる。
【0061】
上方から見て、第1搬送装置10は搬送ライン11に沿った第1側縁12及び第2側縁13を有し、基部31の少なくとも一部が、第1側縁12と第2側縁13との間に位置していてもよい。第2搬送装置20の可動範囲を広くすることができる。
【0062】
ロボット30は、第3軸線43まわりのアーム先端部35の回転を、第1軸線41まわりの第1アーム33の回転と、第2軸線42まわりの第2アーム34の回転とに連動させるリンク70を更に有してもよい。スカラ部の更なる軽量化を図ることができる。
【0063】
ロボット30は、リンク70の長さを変更することで、第3軸線43まわりのアーム先端部35の姿勢を調節する姿勢調節部80を更に有してもよい。小型で軽量なアクチュエータによって、第3軸線43まわりのアーム先端部35の姿勢を調節することができる。
【0064】
リンク70は、第1軸線41まわりの第1アーム33の回転を伝達する第1リンク71と、第1リンク71から伝わった回転と、第2軸線42まわりの第2アーム34の回転とをアーム先端部35に伝達する第2リンク73と、を含み、姿勢調節部80は、第1リンク71の長さを変更することで、第3軸線43まわりのアーム先端部35の姿勢を調節してもよい。姿勢調節部80の重量によって、第1軸線41に作用するモーメント負荷を小さくすることができる。
【0065】
アームベース32は固定位置P4から第1位置P1に向かって延びており、ロボット30は、第1アーム33及び第2アーム34が固定位置P4に近付く方向に折りたたまれた状態で、第1位置P1から第2位置P2にワークを搬送してもよい。第1位置P1から第2位置P2までワークを搬送するプロセスにおいて、スカラ部が占有する領域を小さくすることができる。また、スカラ部の重心を固定位置P4側に寄せることで、スカラ部を支持するための負荷を小さくすることができる。
【0066】
アーム先端部35は、第3軸線43から遠ざかる方向に延びており、ワーク保持部36は、第3軸線43から離れた位置でアーム先端部35の下方に設けられ、リンク70は、アーム先端部35が第3軸線43から延びる方向を、第2位置P2から第1位置P1向かう方向に沿わせてもよい。第1アーム33及び第2アーム34が折りたたまれた状態のまま、ワーク保持部36を容易に第1位置P1に配置することができる。
【0067】
図6に示すように、第1ライン14に沿った方向において、第1軸線41は第1位置P1と第2位置P2との間に位置していてもよい。第1アーム33及び第2アーム34の長さを更に短く抑えることができる。
【0068】
第1ライン14に沿った方向において、第1軸線41は固定位置P4と第2位置P2との間に位置していてもよい。この場合、第1アーム33及び第2アーム34の長さを短く抑えることと、第2搬送装置20の可動範囲を広くすることとの両立を容易に図ることができる。
【0069】
図7に示すように、アームベース32は、搬送ライン11に対し傾斜したラインに沿って、固定位置P4から第1位置P1と第2位置P2との間に向かって延びていてもよい。第1アーム33及び第2アーム34の長さを短く抑えることと、第2搬送装置20の可動範囲を広くすることとの両立を更に容易に図ることができる。
【0070】
ロボット30の可搬重量がロボット300kg以上であってもよい。高効率な搬送がより有益である。
【0071】
ワークは電気自動車の走行用のバッテリーモジュールを含んでもよい。高効率な搬送がより有益である。
【0072】
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…ロボットシステム、10…第1搬送装置、11…搬送ライン、P1…第1位置、20…第2搬送装置、P2…第2位置、30…ロボット、P4…固定位置、31…基部、32…アームベース、41…第1軸線、33…第1アーム、42…第2軸線、34…第2アーム、43…第3軸線、35…アーム先端部、36…ワーク保持部、12…第1側縁、13…第2側縁、70…リンク、71…第1リンク、73…第2リンク、80…姿勢調節部、91…調節軸線、92…第2調節軸線、93…第3調節軸線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7