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  • 特開-衣類乾燥装置 図1
  • 特開-衣類乾燥装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159980
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/14 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
D06F58/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069949
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石山 景大
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AB24
3B168AB29
3B168AC16
3B168AC26
3B168AE02
3B168BA48
3B168BA55
(57)【要約】
【課題】容易に使用することができると共に衣類乾燥を促進することができる衣類乾燥装置を提供すること。
【解決手段】衣類を収容するための内部空間を有する衣類カバー(3)と、内部空間に温風を吹き出すための温風吹き出し口(4)を有する温風暖房機(2)とを備えた衣類乾燥装置(1)において、衣類カバー(3)には、温風を導入するための開口部(7a)を有する温風導入部(7)と、開口部(7a)よりも上方の衣類収容部(3a)とが設けられ、温風導入部(7)は、温風吹き出し口(4)と内部空間が開口部(7a)を介して連通するように、開口部(7a)の周囲に配置された磁石(10)によって温風暖房機(2)に着脱可能に固定するように構成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容するための内部空間を有する衣類カバーと、前記内部空間に温風を吹き出すための温風吹き出し口を有する温風暖房機とを備えた衣類乾燥装置において、
前記衣類カバーには、温風を導入するための開口部を有する温風導入部と、前記開口部よりも上方の衣類収容部とが設けられ、
前記温風導入部は、前記温風吹き出し口と前記内部空間が前記開口部を介して連通するように、前記開口部の周囲に配置された磁石によって前記温風暖房機に着脱可能に固定されることを特徴とする衣類乾燥装置。
【請求項2】
前記衣類カバーは、可撓性を有するシート材によって袋状に形成され、
前記衣類収容部の上部に前記温風導入部から導入された温風を外部に排出するための排気部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記温風導入部は、導入される温風の方向を前記衣類収容部に向けるための風向変更部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類カバー内に収容した衣類を温風暖房機の温風を利用して乾燥させる衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、衣類を収容した衣類カバー内に温風を導入して衣類を乾燥させる衣類乾燥装置が利用されている。例えば特許文献1のように、天井に設置された温風暖房機の下部に衣類カバーを吊り下げ、暖房運転時に下方に吹き出す温風を衣類カバー内に導入して衣類カバー内の衣類を乾燥させる衣類暖房装置が知られている。
【0003】
また、特許文献2のように、床置きされた温風装置から上方に送風する温風を、天井から吊り下げられた衣類カバー内に導入して、衣類カバー内の衣類を乾燥させる衣類乾燥装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57-198533号公報
【特許文献2】実開昭55-41132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
濡れている衣類の水分は、重力によって下方に集まるので、特許文献1のように上方から温風が導入される場合には衣類の下部が乾燥しにくい場合があった。また、天井に設置された温風暖房機は、高い位置にあるため衣類カバーを取り付けることが容易ではない場合が多い。
【0006】
一方、特許文献2のような温風装置は、屈曲するホースを介して衣類カバー内に温風を送風し、この温風を広げるための拡風装置を備えている。しかし、ホースの一端を温風装置に接続し、他端を拡風装置に接続して使用する必要があるので、温風装置と衣類カバーの接続に手間がかかる。そこで、本発明は、容易に使用することができると共に衣類乾燥を促進することができる衣類乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の衣類乾燥装置は、衣類を収容するための内部空間を有する衣類カバーと、前記内部空間に温風を吹き出すための温風吹き出し口を有する温風暖房機とを備えた衣類乾燥装置において、前記衣類カバーには、温風を導入するための開口部を有する温風導入部と、前記開口部よりも上方の衣類収容部とが設けられ、前記温風導入部は、前記温風吹き出し口と前記内部空間が前記開口部を介して連通するように、前記開口部の周囲に配置された磁石によって前記温風暖房機に着脱可能に固定されることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、衣類カバーには、温風を導入するための開口部を有する温風導入部と、開口部よりも上方の衣類収容部とが設けられている。温風導入部は、開口部を介して温風吹き出し口と内部空間が連通するように、開口部の周囲に配置された磁石によって温風暖房機に着脱可能に固定される。従って、温風暖房機に対して衣類カバーを容易に接続することができるので衣類乾燥装置として容易に使用することができる。また、温風暖房機から衣類カバーを容易に取り外して暖房を行うための温風暖房機として容易に使用することができる。
【0009】
請求項2の発明の衣類乾燥装置は、請求項1の発明において、前記衣類カバーは、可撓性を有するシート材によって袋状に形成され、前記衣類収容部の上部に前記温風導入部から導入された温風を外部に排出するための排気部を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、衣類カバーは可撓性を備えたシート材で袋状に形成され、非使用時に容易に畳むことができるので邪魔にならず、使用時に容易に広げて衣類を内部空間に収容することができる。そして衣類収容部の上部に温風の排気部を備えたので、衣類カバーの内部空間を下から上に温風が通り抜けることができ、湿気が温風とともに排気部から排出されるので、衣類の乾燥を促進させることができる。
【0010】
請求項3の発明の衣類乾燥装置は、請求項1又は2の発明において、前記温風導入部は、導入される温風の方向を前記衣類収容部に向けるための風向変更部を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、温風暖房機の温風吹き出し口から水平方向に吹き出す温風が、風向変更部によって上方の衣類に向かうように風向変更される。従って、温風が衣類に届きやすくなり、衣類の乾燥を促進させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の衣類乾燥装置によれば、容易に使用することができると共に衣類乾燥を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る衣類乾燥装置の全体構成を示す説明図である。
図2図1の衣装ケースの温風導入部の説明図である。
図3】温風接続部に設けられた風向変更部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0014】
図1図2に示すように、衣類乾燥装置1は、温風暖房機2と衣類カバー3を有する。温風暖房機2は、例えば矢印A1のように後面から吸い込んだ空気を燃料ガスの燃焼熱を利用して加熱し、温風として前面の温風吹き出し口4から矢印A2のように水平方向に吹き出す。暖房運転で足元を温めるために、温風吹き出し口4は床面に近い低い位置に設けられている。この温風吹き出し口4には、水平方向に温風が広がるようにルーバー4aが設けられている。尚、図中の矢印Uは上方を、矢印Fは温風暖房機2の前方を、矢印Lは温風暖房機2の左方を夫々示している。
【0015】
衣類カバー3は、可撓性を有する難燃性のシート材を、例えば縫製、接着又は融着して直方体形の袋状に形成され、容易に畳んだり広げたりすることが可能である。衣類カバー3の上部には、衣類カバー3を吊り下げるためのフック5aを備えた吊下げ部5を備え、例えばカーテンレール6、物干し竿等に吊り下げられる。
【0016】
衣類カバー3の側面下部には、温風暖房機2の温風吹き出し口4からの温風を、矢印A2のように衣類カバー3の内部空間に導入するための開口部7aを備えた温風導入部7が形成されている。衣類カバー3の上部には、衣類カバー3の内部空間から矢印A3のように温風を外部に排出するための排気部8が形成されている。尚、排気部8は衣類カバー3の温風導入部7と同じ側面の上部に形成されているが、これに限定されることはなく、衣類カバー3の他の側面又は上面に形成されていてもよい。
【0017】
衣類カバー3の内部空間の上部には衣類収容部3aが設けられ、ハンガーにかけられた衣類Cを衣類カバー3の内部空間に吊り下げるためのロープ9又はバーが装備されている。図示を省略するが、衣類カバー3の1つの側面は例えばファスナーによって開閉可能なように形成され、このファスナーを開けて衣類Cを出し入れし、ファスナーを閉じた状態で衣類を乾燥させる。
【0018】
図2に示すように、温風導入部7は、例えば矩形の開口部7aの周囲に、矩形の枠状の磁石10が衣類カバー3の内側に縫い付けられて又は接着されている。そして、温風暖房機2の前面の温風吹き出し口4と衣類カバー3の内部空間が開口部7aを介して連通するように、温風導入部7が温風暖房機2の前面パネル2aに磁石10によって取り付けられる。
【0019】
磁石10は、衣類カバー3のシート材を前面パネル2aとの間に挟んで固定するので、前面パネル2aが傷つき難い。また、衣類カバー3を引っ張って温風導入部7を前面パネル2aから取り外すことが可能である。このように、温風導入部7が温風暖房機2に磁石10で取り付けられるので、温風暖房機2への温風導入部7の着脱が容易である。また、温風導入部7の周りに温風が漏れ出ないように取り付けることができるので、温風を最大限利用して衣類Cの乾燥を促進させることができる。尚、温風暖房機2の前面パネル2aは、熱に強く、変形しにくい鋼板製である場合が多いので、磁石10で取り付けることができる。
【0020】
図3に示すように、温風導入部7には、温風暖房機2の温風吹き出し口4から水平方向に吹き出す温風を衣類収容部3aに向ける風向変更部11を備えていてもよい。風向変更部11は、例えば衣類カバー3と同じシート材によって折り畳み可能に形成され、矩形の開口部7aの下辺と左辺と右辺に沿って取り付けられている。
【0021】
この風向変更部11は、衣類カバー3を広げると、風向変更部11の自重によって衣類カバー3の内部空間の下方に向けて引き出される。そして、温風暖房機2への装着姿勢で略水平方向に向いた開口部7aに対して、風向変更部11の温風の出口が斜め上方、即ち衣類収容部3aの方を向く。従って、この風向変更部11によって、水平方向に導入される温風の向きが、開口部7aよりも上方にある衣類収容部3aに向かうように変更される。この風向変更部11によって、衣類カバー3内の衣類Cに温風がよく当たるようにして、衣類Cの乾燥を促進させることができる。
【0022】
上記の衣類乾燥装置1の作用、効果について説明する。
衣類カバー3には、その内部空間に温風を導入するための開口部7aを有する温風導入部7と、開口部7aよりも上方の衣類収容部3aとが設けられている。温風導入部7は、開口部7aを介して温風吹き出し口4と内部空間が連通するように、開口部7aの周囲に配置された磁石10によって温風暖房機2に着脱可能に固定される。従って、温風暖房機2に対して衣類カバー3を容易に接続することができるので衣類乾燥装置1として容易に使用することができる。また、温風暖房機2から衣類カバー3を容易に取り外して暖房を行うための温風暖房機2として容易に使用することができる。
【0023】
衣類カバー3は、可撓性を有するシート材によって袋状に形成され、内部空間に設けられた衣類収容部3aの上部に、温風導入部7から導入された温風を外部に排出するための排気部8を備えている。それ故、衣類カバー3は、非使用時に容易に畳むことができるので邪魔にならず、使用時に容易に広げて衣類を収容することができる。そして、衣類収容部3aの上部に温風の排気部8を備えたので、衣類カバー3の内部空間を下から上に温風が通り抜けることができ、湿気が温風と共に排気部8から排出されるので、衣類Cの乾燥を促進させることができる。
【0024】
温風導入部7が、導入される温風の方向を衣類収容部3aに向ける風向変更部11を備えている場合には、温風暖房機2の温風吹き出し口4から水平方向に吹き出す温風が、風向変更部11によって上方の衣類Cに向かうように風向変更される。従って、温風が衣類Cに届きやすくなり、衣類Cの乾燥を促進させることができる。
【0025】
温風暖房機2は、例えば電気ヒータの熱や温水の熱を利用して温めた空気を吹き出すものであってもよい。枠状の磁石10の代わりに、開口部7aの周囲に複数の磁石が間隔を空けて並べられた状態で衣類カバー3に夫々固定されていてもよい。温風導入部7は、衣類カバー3の下部側面から内部空間に連通する筒状に外側に延び、その先端の開口部7aの周囲に配置された磁石10によって温風暖房機2に取り付けられてもよく、この筒状の部分が風向変更部11の風向変更機能を備えていてもよい。
【0026】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はその種の変更形態をも包含するものである。
【符号の説明】
【0027】
1 :衣類乾燥装置
2 :温風暖房機
2a :前面パネル
3 :衣類カバー
3a :衣類収容部
4 :温風吹き出し口
5 :吊り下げ部
6 :カーテンレール
7 :温風導入部
7a :開口部
8 :排気部
9 :ロープ
10 :磁石
11 :風向変更部
図1
図2
図3