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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160003
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
H01L27/04 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069987
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 信仁
(72)【発明者】
【氏名】森本 康夫
(72)【発明者】
【氏名】船戸 是宏
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AR07
5F038AR08
5F038AR13
5F038AR21
5F038AR24
5F038EZ14
5F038EZ15
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】チップ面積の増大を抑制可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、層間絶縁膜と、層間絶縁膜上に配置されている複数の抵抗膜とを備えている。複数の抵抗膜の各々は、平面視において層間絶縁膜の上面に沿う第1方向に延びている。複数の抵抗膜は、平面視において層間絶縁膜の上面に沿い、かつ第1方向に直交している第2方向に間隔を空けて並んでいる。複数の抵抗膜は、第1群と、第2群と、第3群とに区分されている。第1群は、第2方向において、第2群と第3群との間に位置している。複第2群に属する複数の第2抵抗膜の各々の第2幅変動量及び第3群に属する複数の第3抵抗膜の各々の第3幅変動量は、第1群に属する複数の第1抵抗膜の各々の第1幅変動量よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に配置されている複数の抵抗膜とを備え、
前記複数の抵抗膜の各々は、平面視において前記層間絶縁膜の上面に沿う第1方向に延びており、
前記複数の抵抗膜は、平面視において前記層間絶縁膜の上面に沿い、かつ前記第1方向に直交している第2方向に間隔を空けて並んでおり、
前記複数の抵抗膜は、第1群と、第2群と、第3群とに区分されており、
前記第1群は、前記第2方向において前記第2群と前記第3群との間に位置しており、
前記第2群に属する複数の第2抵抗膜の各々の第2幅変動量及び前記第3群に属する複数の第3抵抗膜の各々の第3幅変動量は、前記第1群に属する複数の第1抵抗膜の各々の第1幅変動量よりも大きく、
前記第1幅変動量は、基準幅と前記複数の第1抵抗膜の各々の幅との差であり、
前記第2幅変動量は、前記基準幅と前記複数の第2抵抗膜の各々の幅との差であり、
前記第3幅変動量は、前記基準幅と前記複数の第3抵抗膜の各々の幅との差であり、
前記基準幅は、前記第2方向における中央にある前記複数の抵抗膜のうちの1つの幅であり、
前記複数の第1抵抗膜は、第1回路群に電気的に接続されており、
前記複数の第2抵抗膜の少なくとも一部及び/又は前記複数の第3抵抗膜の少なくとも一部は、前記第1回路群とは異なる第2回路群に電気的に接続されている、半導体装置。
【請求項2】
前記複数の第2抵抗膜及び前記複数の第3抵抗膜は、前記第2回路群に電気的に接続されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の第2抵抗膜の各々の前記幅及び前記複数の第3抵抗膜の各々の前記幅は、前記基準幅よりも小さい、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1方向において、前記複数の第2抵抗膜の各々の長さは、前記複数の第1抵抗膜の各々の長さよりも短い、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数の第2抵抗膜の各々の前記幅及び前記複数の第3抵抗膜の各々の前記幅は、前記基準幅よりも大きい、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の第2抵抗膜の各々の前記幅は、前記第2方向において前記第1群からの距離が大きいほど小さくなっており、
前記複数の第2抵抗膜のうちの隣り合う2つの前記幅の差は、前記第2方向において前記第1群からの距離が大きいほど大きくなっており、
前記複数の第3抵抗膜の各々の前記幅は、前記第2方向において前記第1群からの距離が大きいほど小さくなっており、
前記複数の第3抵抗膜のうちの隣り合う2つの前記幅の差は、前記第2方向において前記第1群からの距離が大きいほど大きくなっている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の第2抵抗膜の一部及び前記複数の第3抵抗膜の一部は、前記第2回路群に電気的に接続されており、
前記複数の第2抵抗膜の残部及び前記複数の第3抵抗膜の残部は、ダミー抵抗膜である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の第2抵抗膜の前記残部は、前記第2方向において前記複数の第2抵抗膜の前記一部よりも前記第1群から離れており、
前記複数の第3抵抗膜の前記残部は、前記第2方向において前記複数の第3抵抗膜の前記一部よりも前記第1群から離れており、
前記複数の第2抵抗膜の前記一部の各々の前記幅及び前記複数の第3抵抗膜の前記一部の各々の前記幅は、前記基準幅よりも小さく、
前記複数の第2抵抗膜の前記残部の各々の前記幅は、前記複数の第2抵抗膜の前記一部の各々の前記幅よりも大きく、
前記複数の第3抵抗膜の前記残部の各々の前記幅は、前記複数の第3抵抗膜の前記一部の各々の前記幅よりも大きい、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記複数の抵抗膜の各々は、シリコンクロム、炭素が導入されているシリコンクロム、ニッケルクロム、窒化チタン及び窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも1つを含む材料で形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1回路群は、アナログデジタルコンバータ回路、デジタルアナログコンバータ回路、バンドギャップリファレンス回路、高周波回路及び増幅回路の少なくともいずれかを含み、
前記第2回路群は、キャリブレーションが行われる回路及び電源電圧から電圧を生成する回路の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-155192号公報(特許文献1)に記載の半導体装置は、層間絶縁膜と、複数の抵抗膜とを有している。複数の抵抗膜は、層間絶縁膜上に配置されている。複数の抵抗膜の各々は、第1方向に沿って延びている。複数の抵抗膜は、第1方向に直交する第2方向に沿って間隔を空けて並んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-155192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の抵抗膜の各々の幅は、一定となるように設計される。しかしながら、複数の抵抗膜の各々の幅を一定にすることは困難であり、複数の抵抗膜のうちのいくつかの幅が所定の範囲内に収まらないものを回路に使用すると、当該回路の精度が低下する。そのため、複数の抵抗膜の数を増加させるとともに所定の範囲内に収まらない幅を有する抵抗膜を回路に使用しないダミー抵抗膜とする必要があり、チップ面積が増大してしまう。その他の課題及び新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の半導体装置は、層間絶縁膜と、層間絶縁膜上に配置されている複数の抵抗膜とを備える。複数の抵抗膜の各々は、平面視において層間絶縁膜の上面に沿う第1方向に延びている。複数の抵抗膜は、平面視において層間絶縁膜の上面に沿い、かつ第1方向に直交している第2方向に間隔を空けて並んでいる。複数の抵抗膜は、第1群と、第2群と、第3群とに区分されている。第1群は、第2方向において第2群と第3群との間に位置している。第2群に属する複数の第2抵抗膜の各々の第2幅変動量及び第3群に属する複数の第3抵抗膜の各々の第3幅変動量は、第1群に属する複数の第1抵抗膜の各々の第1幅変動量よりも大きい。第1幅変動量は、基準幅と複数の第1抵抗膜の各々の幅との差である。第2幅変動量は、基準幅と複数の第2抵抗膜の各々の幅との差である。第3幅変動量は、基準幅と複数の第3抵抗膜の各々の幅との差である。基準幅は、第2方向における中央にある複数の抵抗膜のうちの1つの幅である。複数の第1抵抗膜は、第1回路群に電気的に接続されている。複数の第2抵抗膜の少なくとも一部及び/又は複数の第3抵抗膜の少なくとも一部は、第1回路群とは異なる第2回路群に電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の半導体装置によると、チップ面積の増大を抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】半導体装置DEV1の断面図である。
図2】半導体装置DEV1における複数の抵抗膜RFの平面レイアウト図である。
図3】半導体装置DEV1の模式的なブロック図である。
図4】半導体装置DEV1の製造工程図である。
図5】第1配線形成工程S1を説明する断面図である。
図6】第1層間絶縁膜形成工程S2を説明する断面図である。
図7】第1ビアホール形成工程S3を説明する断面図である。
図8】第1ビアプラグ形成工程S4を説明する断面図である。
図9】抵抗膜形成工程S5を説明する断面図である。
図10】第2層間絶縁膜形成工程S6を説明する断面図である。
図11】第2ビアホール形成工程S7を説明する断面図である。
図12】第2ビアプラグ形成工程S8を説明する断面図である。
図13】第2配線形成工程S9を説明する断面図である。
図14】半導体装置DEV2における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。
図15】半導体装置DEV3における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。
図16】半導体装置DEV4における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。
図17】半導体装置DEV5における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。
図18】半導体装置DEV5の変形例における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0009】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る半導体装置を説明する。第1実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV1とする。
【0010】
<半導体装置DEV1の構成>
以下に、半導体装置DEV1の構成を説明する。
【0011】
図1は、半導体装置DEV1の断面図である。図2は、半導体装置DEV1における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。図1及び図2に示されるように、半導体装置DEV1は、半導体基板SUBと、複数の層間絶縁膜ILDとを有している。半導体基板SUBは、例えば、単結晶シリコン(Si)で形成されている。複数の層間絶縁膜ILDは、半導体基板SUB上に配置されている。複数の層間絶縁膜ILDの各々は、例えば酸化シリコン(SiO)で形成されている。複数の層間絶縁膜ILDのうちの1つを、層間絶縁膜ILD1とする。
【0012】
半導体装置DEV1は、配線WL1と、配線WL2とを有している。配線WL1及び配線WL2は、層間絶縁膜ILD1上に配置されている。配線WL1及び配線WL2は、例えばアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金で形成されている。配線WL1と層間絶縁膜ILD1との間及び配線WL2と層間絶縁膜ILD1との間には、バリアメタルBM1が配置されている。配線WL1上及び配線WL2上には、バリアメタルBM2が配置されている。バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2は、それぞれ、例えば窒化チタン(TiN)膜及びチタン(Ti)膜の積層膜からなる。
【0013】
複数の層間絶縁膜ILDのうちの他の1つを、層間絶縁膜ILD2とする。層間絶縁膜ILD2は、配線WL1及び配線WL2を覆うように、層間絶縁膜ILD1上に配置されている。層間絶縁膜ILD2には、ビアホールVH1及びビアホールVH2が形成されている。ビアホールVH1及びビアホールVH2は、層間絶縁膜ILD2を厚さ方向に貫通している。ビアホールVH1の底部及びビアホールVH2の底部において、配線WL1の一部及び配線WL2の一部がそれぞれ露出している。
【0014】
半導体装置DEV1は、ビアプラグVP1と、ビアプラグVP2とを有している。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、それぞれ、ビアホールVH1及びビアホールVH2に埋め込まれている。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、例えばタングステン(W)で形成されている。ビアプラグVP1の下端は、配線WL1に電気的に接続されている。ビアプラグVP2の下端は、配線WL2に電気的に接続されている。
【0015】
半導体装置DEV1は、複数の抵抗膜RFを有している。抵抗膜RFは、層間絶縁膜ILD2上に配置されている。抵抗膜RFは、導電材料で形成されている。抵抗膜RFは、シリコンクロム(SiCr)、炭素(C)が導入されているシリコンクロム、ニッケルクロム(NiCr)、窒化チタン及び窒化タンタル(TaN)からなる群から選択される少なくとも1つを含む材料で形成されていることが好ましい。但し、抵抗膜RFは、これ以外の導電材料(例えば、多結晶シリコン)で形成されていてもよい。
【0016】
抵抗膜RFは、ビアプラグVP1の上端及びビアプラグVP2の上端に電気的に接続されている。これにより、抵抗膜RFは、配線WL1及び配線WL2に電気的に接続されている。半導体装置DEV1は、複数の絶縁膜IFを有していてもよい。絶縁膜IFは、抵抗膜RF上に配置されている。後述するように、絶縁膜IFは、抵抗膜RFをパターンニングするためのマスク(ハードマスク)である。絶縁膜IFは、例えば、酸化シリコン、酸窒化シリコン(SiON)で形成されている。
【0017】
複数の層間絶縁膜ILDのうちの他の1つを、層間絶縁膜ILD3とする。層間絶縁膜ILD3は、複数の抵抗膜RF及び複数の絶縁膜IFを覆うように、層間絶縁膜ILD2上に配置されている。
【0018】
層間絶縁膜ILD2及び層間絶縁膜ILD3には、ビアホールVH3及びビアホールVH4が形成されている。ビアホールVH3及びビアホールVH4は、層間絶縁膜ILD2及び層間絶縁膜ILD3を厚さ方向に沿って貫通している。ビアホールVH3の底部及びビアホールVH4の底部において、配線WL1の一部及び配線WL2の一部がそれぞれ露出している。
【0019】
半導体装置DEV1は、ビアプラグVP3と、ビアプラグVP4とを有している。ビアプラグVP3及びビアプラグVP4は、それぞれビアホールVH3及びビアホールVH4に埋め込まれている。ビアプラグVP3及びビアプラグVP4は、例えばタングステンで形成されている。ビアプラグVP3の下端は配線WL1に電気的に接続されており、ビアプラグVP4の下端は配線WL2に電気的に接続されている。
【0020】
半導体装置DEV1は、配線WL3と配線WL4とを有している。配線WL3及び配線WL4は、層間絶縁膜ILD3上に配置されている。配線WL3及び配線WL4は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている。配線WL3と層間絶縁膜ILD3との間及び配線WL4と層間絶縁膜ILD3との間には、バリアメタルBM3が配置されている。配線WL3上及び配線WL4上には、バリアメタルBM4が配置されている。バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4は、例えば窒化チタン膜及びチタン膜の積層膜からなる。配線WL3及び配線WL4は、それぞれビアプラグVP3の上端及びビアプラグVP4の上端に電気的に接続されている。これにより、配線WL3は配線WL1に電気的に接続されており、配線WL4は配線WL2に電気的に接続されている。
【0021】
複数の層間絶縁膜ILDのうちの他の1つを、層間絶縁膜ILD4とする。層間絶縁膜ILD4は、配線WL3及び配線WL4を覆うように、層間絶縁膜ILD3上に配置されている。なお、図示されていないが、層間絶縁膜ILD4上には、他の配線及び他の層間絶縁膜が順次積層されていてもよい。
【0022】
複数の抵抗膜RFの各々は、平面視において、層間絶縁膜ILD2の上面に沿う第1方向D1に延びている。複数の抵抗膜RFは、層間絶縁膜ILD2の上面に沿う第2方向D2に間隔を空けて並んでいる。第2方向D2は、第1方向D1に直交する方向である。
【0023】
複数の抵抗膜RFは、第1群と、第2群と、第3群とに区分されている。第1群に属する複数の抵抗膜RFを複数の抵抗膜RF1とし、第2群に属する複数の抵抗膜RFを複数の抵抗膜RF2とし、第3群に属する複数の抵抗膜RFを複数の抵抗膜RF3とする。第2群は、第1群の第2方向D2における一方側(図2の例では左側)にある。すなわち、第1群は、第2方向D2において、第2群と第3群との間に位置している。第3群は、第1群の第2方向D2における他方側(図2の例では右側)にある。複数の抵抗膜RF1の数は、複数の抵抗膜RF2の数及び複数の抵抗膜RF3の数よりも多い。複数の抵抗膜RFの各々の長さは、例えば、互いに等しい。ここで、抵抗膜RFの長さとは、抵抗膜RFの第1方向D1における長さである。なお、製造バラつきにより複数の抵抗膜RFの各々の長さが互いに異なっていても、複数の抵抗膜RFの各々の長さが互いに等しい場合に含まれる。
【0024】
複数の抵抗膜RF2の各々の幅の変動量(第2幅変動量)及び複数の抵抗膜RF3の各々の幅の変動量(第3幅変動量)は、複数の抵抗膜RF1の各々の幅の変動量(第1幅変動量)よりも大きい。第1幅変動量は、複数の抵抗膜RF1の各々の幅と基準幅との差である。第2幅変動量は、複数の抵抗膜RF2の各々の幅と基準幅との差である。第3幅変動量は、複数の抵抗膜RF3の各々の幅と基準幅との差である。基準幅は、第2方向D2における中央にある抵抗膜RFの幅である。なお、複数の抵抗膜RFの数が偶数である場合には、基準幅が、第2方向D2における中央にある2つの抵抗膜RFのいずれかの幅とされる。複数の抵抗膜RF1の各々の第1幅変動量は、例えば、基準幅の0.5パーセント以内である。複数の抵抗膜RF2の各々の第2幅変動量及び複数の抵抗膜RF3の各々の第3幅変動量は、それぞれ、例えば、基準幅の0.5パーセント超である。図2の例では、複数の抵抗膜RF2の各々の幅及び複数の抵抗膜RF3の各々の幅が、複数の抵抗膜RF1の各々の幅よりも小さい。ここで、抵抗膜RFの幅とは、抵抗膜RFの第2方向D2における幅である。
【0025】
図3は、半導体装置DEV1の模式的なブロック図である。図3に示されるように、半導体装置DEV1は、複数の回路CIR1と、複数の回路CIR2とを有している。複数の回路CIR1は、第1回路群を構成している。複数の回路CIR2は、第2回路群を構成している。複数の抵抗膜RF1は、第1回路群に電気的に接続されている。複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3は、第2回路群に電気的に接続されている。第2回路群は、第1回路群とは異なっている。また、複数の抵抗膜RF2が第2回路群に電気的に接続され、複数の抵抗膜RF3が第1回路群及び第2回路群とは異なる第3回路群に電気的に接続されてもよい。
【0026】
複数の回路CIR1の各々は、アナログデジタルコンバータ回路、デジタルアナログコンバータ回路、バンドギャップリファレンス回路、高周波回路及び増幅回路の少なくともいずれかであることが好ましい。複数の回路CIR2の各々は、キャリブレーションが行われる回路及び電源電圧から電圧を生成する回路の少なくともいずれかであることが好ましい。すなわち、第2回路群は、第1回路群よりも要求される電気抵抗値の精度が低い回路群であることが好ましい。
【0027】
<半導体装置DEV1の製造方法>
以下に、半導体装置DEV1の製造方法を説明する。
【0028】
図4は、半導体装置DEV1の製造工程図である。図4に示されるように、半導体装置DEV1の製造方法は、第1配線形成工程S1と、第1層間絶縁膜形成工程S2と、第1ビアホール形成工程S3と、第1ビアプラグ形成工程S4と、抵抗膜形成工程S5と、第2層間絶縁膜形成工程S6と、第2ビアホール形成工程S7と、第2ビアプラグ形成工程S8と、第2配線形成工程S9と、第3層間絶縁膜形成工程S10とを有している。
【0029】
第1配線形成工程S1が行われる前に、層間絶縁膜ILD1及びそれよりも下層にある構造が形成されている。これらの構造は、従来公知の方法により形成されていればよいため、ここでは説明を省略する。
【0030】
図5は、第1配線形成工程S1を説明する断面図である。図5に示されるように、第1配線形成工程S1では、層間絶縁膜ILD1上に、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2が形成される。第1配線形成工程S1では、第1に、例えばスパッタリング法により、バリアメタルBM1、配線WL1(配線WL2)及びバリアメタルBM2の構成材料が順次成膜される。第2に、成膜されたバリアメタルBM2の構成材料上に、レジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。
【0031】
第3に、上記のレジストパターンをマスクとして、成膜されたバリアメタルBM1、配線WL1(配線WL2)及びバリアメタルBM2の構成材料がエッチングされる。以上により、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2が形成される。なお、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2の形成後には、上記のレジストパターンが除去される。
【0032】
図6は、第1層間絶縁膜形成工程S2を説明する断面図である。第1層間絶縁膜形成工程S2では、図6に示されるように、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2を覆うように層間絶縁膜ILD1上に層間絶縁膜ILD2が形成される。第1層間絶縁膜形成工程S2では、第1に、層間絶縁膜ILD2の構成材料が、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2を覆うように層間絶縁膜ILD1上に成膜される。第2に、成膜された層間絶縁膜ILD2の構成材料の上面が、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化される。以上により、層間絶縁膜ILD2が形成される。
【0033】
図7は、第1ビアホール形成工程S3を説明する断面図である。第1ビアホール形成工程S3では、図7に示されるように、層間絶縁膜ILD2にビアホールVH1及びビアホールVH2が形成される。第1ビアホール形成工程S3では、第1に、層間絶縁膜ILD2上に、レジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。第2に、上記のレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜ILD2がエッチングされる。以上により、ビアホールVH1及びビアホールVH2が形成される。なお、ビアホールVH1及びビアホールVH2の形成後には、上記のレジストパターンが除去される。
【0034】
図8は、第1ビアプラグ形成工程S4を説明する断面図である。第1ビアプラグ形成工程S4では、図8に示されるように、ビアホールVH1中及びビアホールVH2中にビアプラグVP1及びビアプラグVP2が形成される。第1ビアプラグ形成工程S4では、第1に、例えばCVD法により、ビアホールVH1及びビアホールVH2が、ビアプラグVP1(ビアプラグVP2)の構成材料で埋め込まれる。第2に、ビアホールVH1及びビアホールVH2からはみ出したビアプラグVP1(ビアプラグVP2)の構成材料が、例えばCMP法により除去される。以上により、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2が形成される。
【0035】
図9は、抵抗膜形成工程S5を説明する断面図である。図9に示されるように、抵抗膜形成工程S5では、層間絶縁膜ILD2上に抵抗膜RF及び絶縁膜IFが形成される。抵抗膜形成工程S5では、第1に、層間絶縁膜ILD2上に抵抗膜RFの構成材料が例えばスパッタリング法により成膜される。第2に、成膜された抵抗膜RFの構成材料上に絶縁膜IFの構成材料が成膜される。第3に、成膜された絶縁膜IFの構成材料上にレジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。
【0036】
第4に、上記のレジストパターンをマスクとして、成膜された絶縁膜IFの構成材料がエッチングされる。これにより、絶縁膜IFが形成される。絶縁膜IFの形成後、上記のレジストパターンは除去される。第5に、絶縁膜IFをマスク(ハードマスク)として、成膜された抵抗膜RFの構成材料がエッチングされる。以上により、抵抗膜RFが形成される。なお、抵抗膜RFの形成後に、絶縁膜IFは除去されない。
【0037】
図10は、第2層間絶縁膜形成工程S6を説明する断面図である。第2層間絶縁膜形成工程S6では、図10に示されるように、抵抗膜RFを覆うように、層間絶縁膜ILD2上に層間絶縁膜ILD3が形成される。第2層間絶縁膜形成工程S6では、第1に、層間絶縁膜ILD3の構成材料が、抵抗膜RFを覆うように層間絶縁膜ILD2上に例えばCVD法により成膜される。第2に、成膜された層間絶縁膜ILD3の構成材料の上面が、例えばCMP法により平坦化される。以上により、層間絶縁膜ILD3が形成される。
【0038】
図11は、第2ビアホール形成工程S7を説明する断面図である。第2ビアホール形成工程S7では、図11に示されるように、層間絶縁膜ILD2及び層間絶縁膜ILD3にビアホールVH3及びビアホールVH4が形成される。
【0039】
第2ビアホール形成工程S7では、第1に、層間絶縁膜ILD3上に、レジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。第2に、上記のレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜ILD2及び層間絶縁膜ILD3がエッチングされる。以上により、ビアホールVH3及びビアホールVH4が形成される。なお、ビアホールVH3及びビアホールVH4の形成後には、上記のレジストパターンが除去される。
【0040】
図12は、第2ビアプラグ形成工程S8を説明する断面図である。第2ビアプラグ形成工程S8では、図12に示されるように、ビアホールVH3中及びビアホールVH4中にビアプラグVP3及びビアプラグVP4が形成される。
【0041】
第2ビアプラグ形成工程S8では、第1に、例えばCVD法により、ビアホールVH3及びビアホールVH4が、ビアプラグVP3(ビアプラグVP4)の構成材料で埋め込まれる。第2に、ビアホールVH3及びビアホールVH4からはみ出したビアプラグVP3(ビアプラグVP4)の構成材料が、例えばCMP法により除去される。以上により、ビアプラグVP3及びビアプラグVP4が形成される。
【0042】
図13は、第2配線形成工程S9を説明する断面図である。図13に示されるように、第2配線形成工程S9では、層間絶縁膜ILD3上に配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4が形成される。第2配線形成工程S9では、第1に、例えばスパッタリング法により、バリアメタルBM3、配線WL3(配線WL4)及びバリアメタルBM4の構成材料が順次成膜される。第2に、成膜されたバリアメタルBM4の構成材料上にレジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。
【0043】
第3に、上記のレジストパターンをマスクとして、成膜されたバリアメタルBM3、配線WL3(配線WL4)及びバリアメタルBM4の構成材料がエッチングされる。以上により、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4が形成される。なお、上記のレジストパターンは、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4の形成後に除去される。
【0044】
第3層間絶縁膜形成工程S10では、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4を覆うように層間絶縁膜ILD3上に層間絶縁膜ILD4が形成される。第3層間絶縁膜形成工程S10では、第1に、層間絶縁膜ILD4の構成材料が、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4を覆うように層間絶縁膜ILD3上に例えばCVD法により成膜される。第2に、成膜された層間絶縁膜ILD4の構成材料の上面が、例えばCMP法により平坦化される。以上により、図1に示される構造の半導体装置DEV1が形成される。第3層間絶縁膜形成工程S10が行われた後、他の配線及び他の層間絶縁膜等が層間絶縁膜ILD4上に順次積層される。これらの構造は、従来公知の方法により形成されていればよいため、ここでは説明を省略する。
【0045】
<半導体装置DEV1の効果>
以下に、半導体装置DEV1の効果を説明する。
【0046】
半導体装置DEV1では、抵抗膜形成工程S5のエッチングが行われる際のマイクロローディング効果により、複数の抵抗膜RFの各々の幅が一定になるように設計しても、複数の抵抗膜RF2の各々の幅及び複数の抵抗膜RF3の各々の幅が設計された幅よりも小さくなってしまうことがある。
【0047】
複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3を抵抗値の精度が要求される第1回路群に電気的に接続すると、第1回路群に含まれている回路の精度が低下してしまう。他方で、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3を回路に電気的に接続されないダミー抵抗膜にして、第2回路群に電気的に接続される別の複数の抵抗膜を形成する場合がある。この場合、第1回路群に含まれている回路の精度低下を抑制できるものの、第2回路群に電気的に接続される別の抵抗膜が追加して形成されるため、チップ面積が増大してしまう。
【0048】
半導体装置DEV1では、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されているとともに、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されているため、第1回路群に含まれている回路の精度低下を抑制しつつ、チップ面積の増大を抑制することができる。本実施形態は、複数の抵抗膜RFが第1回路群及び第2回路群に電気的に接続される場合に限定されない。複数の抵抗膜RFが3以上の回路群に電気的に接続されても良い。例えば、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続され、複数の抵抗膜RF2が第2回路群に電気的に接続され、複数の抵抗膜RF3が第3回路群に電気的に接続されてもよい。この場合、チップサイズの増大を抑制しつつ、より多くの回路に複数の抵抗膜RFを使用することができる。
【0049】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置を説明する。第2実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV2とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0050】
半導体装置DEV2は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1、層間絶縁膜ILD2、層間絶縁膜ILD3及び層間絶縁膜ILD4と、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4と、複数の抵抗膜RF1、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3と、ビアプラグVP1、ビアプラグVP2、ビアプラグVP3及びビアプラグVP4とを有している。半導体装置DEV2では、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されており、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されている。これらの点に関して、半導体装置DEV2の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0051】
図14は、半導体装置DEV2における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。図14に示されるように、半導体装置DEV2では、複数の抵抗膜RF2の各々の幅及び複数の抵抗膜RF3の各々の幅が、複数の抵抗膜RF1の各々の幅よりも大きい。この点に関して、半導体装置DEV2の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0052】
半導体装置DEV2でも、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されているとともに複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されているため、半導体装置DEV1と同様に、第1回路群に含まれている回路の精度低下を抑制しつつ、チップ面積の増大を抑制することができる。
【0053】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置を説明する。第3実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV3とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0054】
半導体装置DEV3は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1、層間絶縁膜ILD2、層間絶縁膜ILD3及び層間絶縁膜ILD4と、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4と、複数の抵抗膜RF1、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3と、ビアプラグVP1、ビアプラグVP2、ビアプラグVP3及びビアプラグVP4とを有している。半導体装置DEV3では、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されており、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されている。これらの点に関して、半導体装置DEV3の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0055】
図15は、半導体装置DEV3における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。図15に示されるように、半導体装置DEV3では、複数の抵抗膜RF2の各々は、第2方向D2における一方側(図15の例では左側)にあるものほど幅が小さくなっている。すなわち、複数の抵抗膜RF2の各々の幅は、第2方向D2において、第1群(複数の抵抗膜RF1)からの距離が大きいほど小さくなっている。また、半導体装置DEV3では、複数の抵抗膜RF2のうちの隣り合う2つの間の幅の差が、第2方向D2における一方側に向かうにつれて大きくなっている。すなわち、抵抗膜RF2のうちの隣り合う2つの幅の差は、第2方向D2において、第1群からの距離が大きいほど大きくなっている。同様に、複数の抵抗膜RF3の各々は第2方向D2における他方側(図15の例では右側)にあるものほど幅が小さくなっており、複数の抵抗膜RF3のうちの隣り合う2つの間の幅の差は第2方向D2における他方側に向かうにつれて大きくなっている。すなわち、複数の抵抗膜RF3の各々の幅は第2方向D2において第1群からの距離が大きいほど小さくなっており、複数の抵抗膜RF3のうちの隣り合う2つの幅の差は第1群からの距離が大きいほど大きくなっている。このことを別の観点から言えば、複数の抵抗膜RF2の各々の幅は第2方向D2において第1群からの距離が大きくなるにつれて指数関数的に変化しており、複数の抵抗膜RF3の各々の幅は第2方向D2において第1群からの距離が大きくなるにつれて指数関数的に変化している。
【0056】
半導体装置DEV3では、第2回路群に画像処理回路が含まれており、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が当該画像処理回路に電気的に接続されている。画像処理回路では、上記のように幅が変動している複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3を好適に用いることが可能である。
【0057】
半導体装置DEV3でも、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されているとともに複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されているため、半導体装置DEV1と同様に、第1回路群に含まれている回路の精度低下を抑制しつつ、チップ面積の増大を抑制することができる。
【0058】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る半導体装置を説明する。第4実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV4とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0059】
半導体装置DEV4は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1、層間絶縁膜ILD2、層間絶縁膜ILD3及び層間絶縁膜ILD4と、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4と、複数の抵抗膜RF1、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3と、ビアプラグVP1、ビアプラグVP2、ビアプラグVP3及びビアプラグVP4とを有している。半導体装置DEV4では、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されている。これらの点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0060】
図16は、半導体装置DEV4における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。図16に示されるように、半導体装置DEV4では、複数の抵抗膜RF2の一部が第4群をなしており、複数の抵抗膜RF2の残部が第5群をなしている。第4群に属する複数の抵抗膜RF2を、複数の抵抗膜RF2aとする。第5群に属する抵抗膜RF2を、抵抗膜RF2bとする。抵抗膜RF2bは、複数の抵抗膜RF2aよりも第2方向D2における一方側(図16の例では左側)にある。すなわち、複数の抵抗膜RF2aは、第2方向D2において、複数の抵抗膜RF1と抵抗膜RF2bとの間に位置している。抵抗膜RF2bの幅は、複数の抵抗膜RF2aの各々の幅よりも大きい。
【0061】
また、半導体装置DEV4では、複数の抵抗膜RF3の一部が第6群をなしており、複数の抵抗膜RF3の残部が第7群をなしている。第6群に属する複数の抵抗膜RF3を、複数の抵抗膜RF3aとする。第7群に属する抵抗膜RF3を、抵抗膜RF3bとする。抵抗膜RF3bは、複数の抵抗膜RF3aよりも第2方向D2における他方側(図16の例では右側)にある。すなわち、複数の抵抗膜RF3aは、第2方向D2において、複数の抵抗膜RF1と抵抗膜RF3bとの間に位置している。抵抗膜RF3bの幅は、複数の抵抗膜RF3aの各々の幅よりも大きい。
【0062】
半導体装置DEV4では、複数の抵抗膜RF2a及び複数の抵抗膜RF3aが、第2回路群に電気的に接続されている。しかしながら、抵抗膜RF2b及び抵抗膜RF3bは、第2回路群及びその他の回路に電気的に接続されていない。すなわち、半導体装置DEV4では、複数の抵抗膜RF2の一部及び複数の抵抗膜RF3の一部が第2回路群に電気的に接続されているが、複数の抵抗膜RF2の残部及び複数の抵抗膜RF3の残部がダミー抵抗膜になっている。これらの点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0063】
なお、上記の例では、第5群に属する抵抗膜RF2の数及び第7群に属する抵抗膜RF3の数が1つであったが、第5群に属する抵抗膜RF2の数及び第7群に属する抵抗膜RF3の数は複数であってもよい。
【0064】
半導体装置DEV4でも、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されているとともに複数の抵抗膜RF2の一部及び複数の抵抗膜RF3の一部が第2回路群に電気的に接続されている。そのため、半導体装置DEV1と同様に、第1回路群に含まれている回路の精度低下を抑制しつつ、チップ面積の増大を抑制することができる。また、半導体装置DEV4では、幅が大きくなっている複数の抵抗膜RF2の残部及び複数の抵抗膜RF3の残部が第2回路群に電気的に接続されないため、第2回路群に含まれている回路の精度低下を抑制することが可能である。
【0065】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る半導体装置を説明する。第5実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV5とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0066】
半導体装置DEV5は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1、層間絶縁膜ILD2、層間絶縁膜ILD3及び層間絶縁膜ILD4と、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4と、複数の抵抗膜RF1、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3と、ビアプラグVP1、ビアプラグVP2、ビアプラグVP3及びビアプラグVP4とを有している。半導体装置DEV5では、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されており、複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されている。これらの点に関して、半導体装置DEV5の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0067】
図17は、半導体装置DEV5における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。図17に示されるように、半導体装置DEV5では、複数の抵抗膜RF2の各々の長さが複数の抵抗膜RF1の各々の長さよりも短くなっている。この点に関して、半導体装置DEV5の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0068】
半導体装置DEV5でも、複数の抵抗膜RF1が第1回路群に電気的に接続されているとともに複数の抵抗膜RF2及び複数の抵抗膜RF3が第2回路群に電気的に接続されているため、半導体装置DEV1と同様に、第1回路群に含まれている回路の精度低下を抑制しつつ、チップ面積の増大を抑制することができる。また、半導体装置DEV5では、複数の抵抗膜RF2の各々の長さを接続される回路の種類に応じて調整できるため、レイアウトの自由度が改善される。
【0069】
<変形例>
上記の例では、複数の抵抗膜RF2の各々の長さを調整することにより複数の抵抗膜RF2の各々の抵抗値が調整されている。図18は、半導体装置DEV5の変形例における抵抗膜RFの平面レイアウト図である。図18に示されるように、複数の抵抗膜RF2の各々の抵抗値は、ビアプラグVP1とビアプラグVP2との間の間隔を調整することにより調整されてもよい。より具体的には、抵抗膜RF2に電気的に接続されているビアプラグVP1及びビアプラグVP2の第1方向D1における間隔は、抵抗膜RF1に電気的に接続されているビアプラグVP1及びビアプラグVP2の第1方向D1における間隔よりも短くてもよい。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0071】
BM1,BM2,BM3,BM4 バリアメタル、CIR1,CIR2 回路、D1 第1方向、D2 第2方向、DEV1,DEV2,DEV3,DEV4,DEV5 半導体装置、IF 絶縁膜、ILD 層間絶縁膜、ILD1,ILD2,ILD3,ILD4 層間絶縁膜、RF,RF1,RF2,RF2a,RF2b,RF3,RF3a,RF3b 抵抗膜、S1 第1配線形成工程、S2 第1層間絶縁膜形成工程、S3 第1ビアホール形成工程、S4 第1ビアプラグ形成工程、S5 抵抗膜形成工程、S6 第2層間絶縁膜形成工程、S7 第2ビアホール形成工程、S8 第2ビアプラグ形成工程、S9 第2配線形成工程、S10 第3層間絶縁膜形成工程、VH1,VH2,VH3,VH4 ビアホール、VP1,VP2,VP3,VP4 ビアプラグ、WL1,WL2,WL3,WL4 配線、SUB 半導体基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18