(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160005
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
H01L27/04 P
H01L27/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069989
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 信仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴村 直仁
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AR07
5F038AR08
5F038CA02
5F038CA20
5F038EZ14
5F038EZ15
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】製造工程の信頼性を確保することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1層間絶縁膜と、第2層間絶縁膜と、第1配線と、第2配線と、抵抗膜とを備えている。第1配線は、第1層間絶縁膜上に配置されている。第2層間絶縁膜は、第1層と第2層とを有する。第1層は、第1配線を覆うように第1層間絶縁膜上に配置されている。抵抗膜は、第1層上に配置されている。抵抗膜は、シリコンクロム、炭素が導入されているシリコンクロム、ニッケルクロム、窒化チタン及び窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも1つを含んでいる。第2層は、抵抗膜を覆うように第1層上に配置されている。第2配線は、第2層上に配置されている。抵抗膜は、第2層間絶縁膜の厚さ方向において、第2配線よりも第1配線に近い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層間絶縁膜と、
第2層間絶縁膜と、
第1配線と、
第2配線と、
抵抗膜とを備え、
前記第1配線は、前記第1層間絶縁膜上に配置されており、
前記第2層間絶縁膜は、第1層と、第2層とを有し、
前記第1層は、前記第1配線を覆うように前記第1層間絶縁膜上に配置されており、
前記抵抗膜は、前記第1層上に配置されており、
前記抵抗膜は、シリコンクロム、炭素が導入されているシリコンクロム、ニッケルクロム、窒化チタン及び窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも1つを含み、
前記第2層は、前記抵抗膜を覆うように前記第1層上に配置されており、
前記第2配線は、前記第2層上に配置されており、
前記抵抗膜は、前記第2層間絶縁膜の厚さ方向において、前記第2配線よりも前記第1配線に近い、半導体装置。
【請求項2】
前記第2層上に配置されている第3配線をさらに備え、
前記第3配線は、前記第2配線と隣り合って並んでおり、
前記第2配線と前記第3配線との間には、隙間が設けられており、
前記隙間は、平面視において前記抵抗膜の少なくとも一部と重なっている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2層上に配置されている第3配線をさらに備え、
前記第3配線は、前記第2配線と隣り合って並んでおり、
前記第2配線と前記第3配線との間には、隙間が設けられており、
前記隙間から露出している前記第2層の上面には、溝が形成されており、
前記隙間は、平面視において前記抵抗膜の少なくとも一部と重なっており、
前記抵抗膜は、前記第2層間絶縁膜の厚さ方向において、前記溝の底よりも前記第1配線に近い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
絶縁体で形成されているエッチングストッパ膜をさらに備え、
前記エッチングストッパ膜は、前記抵抗膜上に配置されており、
前記第2層は、前記抵抗膜及び前記エッチングストッパ膜を覆うように前記第1層上に配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記絶縁体は、酸窒化シリコンで形成されている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記エッチングストッパ膜は、前記抵抗膜をパターンニングするためのマスクである、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1配線及び前記第2配線は、それぞれアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1層間絶縁膜の上面には、第1配線溝が形成されており、
前記第1配線は、前記第1配線溝に埋め込まれており、
前記第2層の上面には、第2配線溝が形成されており、
前記第2配線は、前記第2配線溝に埋め込まれており、
前記第1配線及び前記第2配線は、それぞれ銅又は銅合金で形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記抵抗膜は、前記第2層間絶縁膜の厚さ方向において、前記第2配線溝の底よりも前記第1配線に近い、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2配線の厚さは、前記第1配線の厚さよりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
ビアプラグをさらに備え、
前記第1層には、前記第1層を厚さ方向に沿って貫通し、前記第1配線の一部を露出させるビアホールが形成されており、
前記ビアプラグは、前記ビアホールに埋め込まれており、かつ前記抵抗膜と前記第1配線とを電気的に接続している、請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-155192号公報(特許文献1)に記載の半導体装置は、第1層間絶縁膜及び第2層間絶縁膜と、複数の配線層と、金属配線層とを有している。第1配線は、最上層の配線層に含まれている配線である。第1配線は、第1層間絶縁膜上に配置されている。第2層間絶縁膜は、第1配線を覆うように第1層間絶縁膜上に配置されている。金属配線層は、第2層間絶縁膜上に配置されており、かつ第1配線に電気的に接続されている。金属配線層は、抵抗素子を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の半導体装置において、最上層以外の配線層に含まれている配線を第2配線とし、第2配線を覆っている層間絶縁膜を第3層間絶縁膜とし、第3層間絶縁膜上に配置されている配線を第3配線とする。金属配線層を第3層間絶縁膜上に配置しようとする場合、第3配線を形成する際に第3層間絶縁膜がオーバーエッチングされ、第3層間絶縁膜から金属配線層が露出してしまうことがある。
【0005】
金属配線層がクロム等の高融点金属で形成されていると、金属配線層が第3層間絶縁膜から露出することによりクロム等が周囲に撒き散らされてしまい、製造工程の信頼性を低下させてしまう。その他の課題及び新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の半導体装置は、第1層間絶縁膜と、第2層間絶縁膜と、第1配線と、第2配線と、抵抗膜とを備える。第1配線は、第1層間絶縁膜上に配置されている。第2層間絶縁膜は、第1層と、第2層とを有する。第1層は、第1配線を覆うように第1層間絶縁膜上に配置されている。抵抗膜は、第1層上に配置されている。抵抗膜は、シリコンクロム、炭素が導入されているシリコンクロム、ニッケルクロム、窒化チタン及び窒化タンタルからなる群から選択される少なくとも1つを含む。第2層は、抵抗膜を覆うように第1層上に配置されている。第2配線は、第2層上に配置されている。抵抗膜は、第2層間絶縁膜の厚さ方向において、第2配線よりも第1配線に近い。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体装置によると、製造工程における信頼性を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】第1配線形成工程S1を説明する断面図である。
【
図4】第1層間絶縁膜形成工程S2を説明する断面図である。
【
図5】ビアホール形成工程S3を説明する断面図である。
【
図6】ビアプラグ形成工程S4を説明する断面図である。
【
図7】抵抗膜形成工程S5を説明する断面図である。
【
図8】第2層間絶縁膜形成工程S6を説明する断面図である。
【
図9】第2配線形成工程S7を説明する断面図である。
【
図13】抵抗膜形成工程S9を説明する断面図である。
【
図16】第1配線形成工程S10を説明する断面図である。
【
図17】第2配線形成工程S11を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る半導体装置を説明する。第1実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV1とする。
【0011】
<半導体装置DEV1の構成>
以下に、半導体装置DEV1の構成を説明する。
【0012】
図1は、半導体装置DEV1の断面図である。
図1に示されるように、半導体装置DEV1は、半導体基板SUBと、複数の層間絶縁膜ILDとを有している。複数の層間絶縁膜ILDは、半導体基板SUB上に配置されている。半導体基板SUBは、例えば単結晶シリコン(Si)により形成されている。層間絶縁膜ILDは、例えば、シリコン酸化物(SiO
2)で形成されている。複数の層間絶縁膜ILDのうちの1つを、層間絶縁膜ILD1とする。
【0013】
半導体装置DEV1は、配線WL1及び配線WL2を有している。配線WL1及び配線WL2は、層間絶縁膜ILD1上に配置されている。配線WL2は、配線WL1と間隔を空けて並んでいる。配線WL1と層間絶縁膜ILD1との間及び配線WL2と層間絶縁膜ILD1との間には、バリアメタルBM1が配置されている。配線WL1上及び配線WL2上には、バリアメタルBM2が配置されている。配線WL1及び配線WL2は、アルミニウム(Al)又はアルミニウム合金で形成されている。すなわち、配線WL1及び配線WL2は、アルミニウム配線である。バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2は、窒化チタン(TiN)膜及びチタン(Ti)膜の積層膜により構成されている。
【0014】
複数の層間絶縁膜ILDのうちの他の1つを、層間絶縁膜ILD2とする。層間絶縁膜ILD2は、第1層ILD2aと、第2層ILD2bとを有している。第1層ILD2aは、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2を覆うように層間絶縁膜ILD1上に配置されている。第1層ILD2aには、ビアホールVH1及びビアホールVH2が形成されている。ビアホールVH1及びビアホールVH2は、第1層ILD2aを厚さ方向に沿って貫通している。ビアホールVH1の底部及びビアホールVH2の底部において、それぞれ配線WL1の一部及び配線WL2の一部が露出している。「厚さ方向」は、層間絶縁膜ILD1の上面や層間絶縁膜ILD2の上面に垂直な方向と定義される。
【0015】
半導体装置DEV1は、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2を有している。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、それぞれビアホールVH1及びビアホールVH2に埋め込まれている。ビアプラグVP1の下端は、配線WL1に電気的に接続されている。ビアプラグVP2の下端は、配線WL2に電気的に接続されている。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、例えば、タングステン(W)で形成されている。
【0016】
半導体装置DEV1は、抵抗膜RFを有している。抵抗膜RFは、シリコンクロム(SiCr)、炭素(C)が導入されているシリコンクロム、ニッケルクロム(NiCr)、窒化チタン及び窒化タンタル(TaN)からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいる。抵抗膜RFは、第1層ILD2a上に配置されている。抵抗膜RFは、ビアプラグVP1の上端及びビアプラグVP2の上端に電気的に接続されている。これにより、抵抗膜RFは、配線WL1及び配線WL2に電気的に接続されている。
【0017】
第2層ILD2bは、抵抗膜RFを覆うように第1層ILD2a上に配置されている。半導体装置DEV1は、配線WL3及び配線WL4を有している。配線WL3及び配線WL4は、第2層ILD2b上に配置されている。配線WL3と層間絶縁膜ILD2との間及び配線WL4と層間絶縁膜ILD2との間に、バリアメタルBM3が配置されている。配線WL1上及び配線WL2上には、バリアメタルBM4が配置されている。
【0018】
配線WL3及び配線WL4は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている。すなわち、配線WL3及び配線WL4は、アルミニウム配線である。バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4は、窒化チタン膜及びチタン膜の積層膜により構成されている。
【0019】
配線WL4は、配線WL3と間隔を空けて並んでいる。すなわち、配線WL3と配線WL4との間からは、第2層ILD2bの上面が露出している。抵抗膜RFは、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において配線WL3(配線WL4)よりも配線WL1(配線WL2)に近い。つまり、抵抗膜RFは、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央(
図1中に点線で示されている)よりも、配線WL1(配線WL2)側にある。このことを別の観点から言えば、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における抵抗膜RFの下面とバリアメタルBM2の上面との間の距離は、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における抵抗膜RFの上面とバリアメタルBM3の下面との間の距離又は抵抗膜RFの上面と層間絶縁膜ILD2の最上面との間の距離よりも小さい。ここで、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央とは、層間絶縁膜ILD2の最上面と配線WL1(配線WL2)との間における層間絶縁膜ILD2の中央と定義される。すなわち、厚さ方向において、層間絶縁膜ILD2の中央と層間絶縁膜ILD2の最上面との間の距離は、層間絶縁膜ILD2の中央と配線WL1(配線WL2)の上面との間の間隔と等しい。
【0020】
配線WL3と配線WL4との間から露出している第2層ILD2bの上面には、溝TR1が形成されている。溝TR1は、平面視において、抵抗膜RFの一部と重なっている。抵抗膜RFは、好ましくは、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において、溝TR1の底よりも配線WL1(配線WL2)に近い。
【0021】
複数の層間絶縁膜ILDのうちの他の1つを、層間絶縁膜ILD3とする。層間絶縁膜ILD3は、配線WL3及び配線WL4を覆うように層間絶縁膜ILD2上に配置されている。図示されていないが、層間絶縁膜ILD3上には、配線がさらに配置されている。
【0022】
<半導体装置DEV1の製造方法>
以下に、半導体装置DEV1の製造方法を説明する。
【0023】
図2は、半導体装置DEV1の製造工程図である。
図2に示されるように、半導体装置DEV1の製造方法は、第1配線形成工程S1と、第1層間絶縁膜形成工程S2と、ビアホール形成工程S3と、ビアプラグ形成工程S4と、抵抗膜形成工程S5と、第2層間絶縁膜形成工程S6と、第2配線形成工程S7と、第3層間絶縁膜形成工程S8とを有している。
【0024】
第1配線形成工程S1が行われる前に、層間絶縁膜ILD1及びそれよりも下層にある構造が形成されている。これらの構造は、従来公知の方法により形成されていればよいため、ここでは説明を省略する。
【0025】
図3は、第1配線形成工程S1を説明する断面図である。
図3に示されるように、第1配線形成工程S1では、層間絶縁膜ILD1上に、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2が形成される。第1配線形成工程S1では、第1に、例えばスパッタリング法により、バリアメタルBM1、配線WL1(配線WL2)及びバリアメタルBM2の構成材料が順次成膜される。第2に、成膜されたバリアメタルBM2の構成材料上に、レジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。
【0026】
第3に、上記のレジストパターンをマスクとして、成膜されたバリアメタルBM1、配線WL1(配線WL2)及びバリアメタルBM2の構成材料がエッチングされる。以上により、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2が形成される。上記のエッチングの際、バリアメタルBM1、配線WL1(配線WL2)及びバリアメタルBM2の残渣が層間絶縁膜ILD1上に残されていると、この残渣を介して配線WL1と配線WL2とが短絡してしまう場合がある。配線WL1と配線WL2との間の確実な分離のため、層間絶縁膜ILD1がオーバーエッチングされる。その結果、配線WL1と配線WL2との間から露出している層間絶縁膜ILD1の上面には、溝が形成される。なお、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2の形成後には、上記のレジストパターンが除去される。
【0027】
図4は、第1層間絶縁膜形成工程S2を説明する断面図である。第1層間絶縁膜形成工程S2では、
図4に示されるように、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2を覆うように、層間絶縁膜ILD1上に第1層ILD2aが形成される。第1層間絶縁膜形成工程S2では、第1に、第1層ILD2aの構成材料が、配線WL1、配線WL2、バリアメタルBM1及びバリアメタルBM2を覆うように、層間絶縁膜ILD1上に例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜される。第2に、成膜された第1層ILD2aの構成材料の上面が、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化される。以上により、第1層ILD2aが形成される。
【0028】
図5は、ビアホール形成工程S3を説明する断面図である。
図5に示されるように、ビアホール形成工程S3では、第1層ILD2aにビアホールVH1及びビアホールVH2が形成される。ビアホール形成工程S3では、第1に、第1層ILD2a上に、レジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。第2に、上記のレジストパターンをマスクとして第1層ILD2aがエッチングされる。以上により、ビアホールVH1及びビアホールVH2が形成される。なお、ビアホールVH1及びビアホールVH2の形成後には、上記のレジストパターンが除去される。
【0029】
図6は、ビアプラグ形成工程S4を説明する断面図である。
図6に示されるように、ビアプラグ形成工程S4では、ビアホールVH1中及びビアホールVH2中にビアプラグVP1及びビアプラグVP2が形成される。ビアプラグ形成工程S4では、第1に、例えばCVD法により、ビアホールVH1及びビアホールVH2が、ビアプラグVP1(ビアプラグVP2)の構成材料により埋め込まれる。第2に、ビアホールVH1及びビアホールVH2からはみ出したビアプラグVP1(ビアプラグVP2)の構成材料が、例えばCMP法により除去される。以上により、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2が形成される。
【0030】
図7は、抵抗膜形成工程S5を説明する断面図である。
図7に示されるように、抵抗膜形成工程S5では、第1層ILD2a上に抵抗膜RFが形成される。抵抗膜形成工程S5では、第1に、第1層ILD2a上に抵抗膜RFの構成材料が、例えばスパッタリング法により成膜される。第2に、成膜された抵抗膜RFの構成材料上にレジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。第2に、上記のレジストパターンをマスクとして、成膜された抵抗膜RFの構成材料がエッチングされる。以上により、抵抗膜RFが形成される。なお、抵抗膜RFの形成後に、上記のレジストパターンは除去される。
【0031】
図8は、第2層間絶縁膜形成工程S6を説明する断面図である。第2層間絶縁膜形成工程S6では、
図8に示されるように、抵抗膜RFを覆うように、第1層ILD2a上に第2層ILD2bが形成される。第2層間絶縁膜形成工程S6では、第1に、第2層ILD2bの構成材料が、抵抗膜RFを覆うように第1層ILD2a上に例えばCVD法により成膜される。第2に、成膜された第2層ILD2bの構成材料の上面が、例えばCMP法により平坦化される。以上により、第2層ILD2bが形成される。
【0032】
図9は、第2配線形成工程S7を説明する断面図である。
図9に示されるように、第2配線形成工程S7では、第2層ILD2b上に、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4が形成される。第2配線形成工程S7では、第1に、例えばスパッタリング法により、バリアメタルBM3、配線WL3(配線WL4)及びバリアメタルBM4の構成材料が順次成膜される。第2に、成膜されたバリアメタルBM4の構成材料上にレジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトレジストを露光及び現像することにより形成される。
【0033】
第3に、上記のレジストパターンをマスクとして、成膜されたバリアメタルBM3、配線WL3(配線WL4)及びバリアメタルBM4の構成材料がエッチングされる。以上により、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4が形成される。上記のエッチングの際、バリアメタルBM3、配線WL3(配線WL4)及びバリアメタルBM4の構成材料の残渣が第2層ILD2b上に残されていると、この残渣を介して配線WL3と配線WL4とが短絡されてしまう場合がある。配線WL3と配線WL4との間の確実な分離のため、第2層ILD2bがオーバーエッチングされる。その結果、配線WL3と配線WL4との間から露出している第2層ILD2bの上面には、溝TR1が形成される。なお、上記のレジストパターンは、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4の形成後に除去される。
【0034】
第3層間絶縁膜形成工程S8では、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4を覆うように、第2層ILD2b上に層間絶縁膜ILD3が形成される。第3層間絶縁膜形成工程S8では、第1に、層間絶縁膜ILD3の構成材料が、配線WL3、配線WL4、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4を覆うように第2層ILD2b上に例えばCVD法により成膜される。第2に、成膜された層間絶縁膜ILD3の構成材料の上面が、例えばCMP法により平坦化される。以上により、
図1に示される構造の半導体装置DEV1が形成される。
【0035】
<半導体装置DEV1の効果>
半導体装置DEV1の効果を、比較例に係る半導体装置と対比しながら説明する。比較例に係る半導体装置を、半導体装置DEV2とする。
【0036】
図10は、半導体装置DEV2の断面図である。
図10に示されるように、半導体装置DEV2では、抵抗膜RFが層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央(
図10中に点線で示されている)の近傍にある。つまり、半導体装置DEV2では、抵抗膜RFと層間絶縁膜ILD2の最上面との間の距離が、抵抗膜RFと配線WL1の上面(配線WL2の上面)との間の距離に等しい。その他の点に関して、半導体装置DEV2の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0037】
半導体装置DEV2では、抵抗膜RFが層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央の近傍にあるため、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における溝TR1と抵抗膜RFとの間の距離が小さくなっている。そのため、半導体装置DEV2では、第2配線形成工程S7が行われる際のオーバーエッチングにより、溝TR1の底から抵抗膜RFが露出してしまうことがある。溝TR1の底から抵抗膜RFが露出されて抵抗膜RFがエッチングに用いられるプラズマに曝されると、抵抗膜RFの構成材料が周辺に撒き散らされる。その結果、半導体装置DEV2の製造工程では、製造工程の信頼性が低下するおそれがある。また、抵抗膜RFが溝TR1の底から露出されてプラズマに曝されると、抵抗膜RFの特性が大きく変動する、より具体的には抵抗膜RFの抵抗値が上昇してしまうおそれがある。
【0038】
半導体装置DEV2では、製造工程の信頼性低下や抵抗膜RFの特性変動の抑制するために配線WL1(配線WL2)を平面視において抵抗膜RFと重なるように配置する必要があるが、そうすると第2層ILD2b上の配線レイアウトの自由度が損なわれる。
【0039】
他方で、半導体装置DEV1では、抵抗膜RFが層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央よりも配線WL1(配線WL2)側にあるため、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における溝TR1と抵抗膜RFとの間の距離が大きくなっている。その結果、半導体装置DEV1では、半導体装置DEV2では、第2配線形成工程S7が行われる際のオーバーエッチングにより、溝TR1の底から抵抗膜RFが露出しがたい。そのため、半導体装置DEV1によると、第2層ILD2b上の配線レイアウトの自由度を損なうことなく、抵抗膜RFの構成材料が周辺に撒き散らされることを抑制可能であるととともに抵抗膜RFの特性変動を抑制可能である。
【0040】
半導体装置DEV1では、抵抗膜RFが層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央よりも配線WL1(配線WL2)側にある結果、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における抵抗膜RFと配線WL1(配線WL2)の間の距離が小さくなるため、抵抗膜RFにおいて発生した熱が配線WL1(配線WL2)を介して放熱されやすくなる。抵抗膜RFの放熱性は、抵抗膜RFがビアプラグVP1及びビアプラグVP2により配線WL1及び配線WL2に電気的に接続されている場合には、さらに改善される。
【0041】
また、抵抗膜RFが層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において溝TR1の底よりも配線WL1(配線WL2)に近い場合には、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における溝TR1と抵抗膜RFとの間の距離がさらに大きくなるため、抵抗膜RFの構成材料が周辺に撒き散らされることをさらに抑制可能であるととともに、抵抗膜RFの特性変動をさらに抑制可能である。この場合、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における抵抗膜RFと配線WL1(配線WL2)の間の距離がさらに小さくなるため、抵抗膜RFの放熱性もさらに改善可能である。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置を説明する。第2実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV3とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0043】
<半導体装置DEV3の構成>
以下に、半導体装置DEV3の構成を説明する。
【0044】
図11は、半導体装置DEV3の断面図である。
図11に示されるように、半導体装置DEV3は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1、層間絶縁膜ILD2及び層間絶縁膜ILD3と、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4と、バリアメタルBM1、バリアメタルBM2、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4と、抵抗膜RFと、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2とを有している。
【0045】
半導体装置DEV3では、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において、抵抗膜RFが、配線WL3(配線WL4)よりも配線WL1(配線WL2)に近い。半導体装置DEV3では、抵抗膜RFが、好ましくは、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において溝TR1の底よりも配線WL1(配線WL2)に近い。これらの点に関して、半導体装置DEV3の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0046】
半導体装置DEV3は、エッチングストッパ膜ESFをさらに有している。エッチングストッパ膜ESFは、絶縁性の材料で形成されている。エッチングストッパ膜ESFは、例えば酸窒化シリコン(SiON)により形成されている。エッチングストッパ膜ESFは、例えば、抵抗膜RFをパターンニングするためのマスク(ハードマスク)である。エッチングストッパ膜ESFの構成材料は、第2配線形成工程S7において行われるエッチングのエッチングレートが第2層ILD2bの構成材料よりも小さくなるように選択される。半導体装置DEV3では、第2層ILD2bが、抵抗膜RF及びエッチングストッパ膜ESFを覆うように層間絶縁膜ILD1上に配置されている。これらの点に関して、半導体装置DEV3の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0047】
<半導体装置DEV3の製造方法>
以下に、半導体装置DEV3の製造方法を説明する。
【0048】
図12は、半導体装置DEV3の製造工程図である。
図12に示されるように、半導体装置DEV3の製造方法は、第1配線形成工程S1と、第1層間絶縁膜形成工程S2と、ビアホール形成工程S3と、ビアプラグ形成工程S4と、抵抗膜形成工程S9と、第2層間絶縁膜形成工程S6と、第2配線形成工程S7と、第3層間絶縁膜形成工程S8とを有している。すなわち、半導体装置DEV3の製造方法は、抵抗膜形成工程S5に代えて抵抗膜形成工程S9を有している点に関して、半導体装置DEV1の製造方法と異なっている。
【0049】
図13は、抵抗膜形成工程S9を説明する断面図である。
図13に示されるように、抵抗膜形成工程S9では、第1層ILD2a上に抵抗膜RFが形成されるとともに、抵抗膜RF上にエッチングストッパ膜ESFが形成される。抵抗膜形成工程S9では、第1に、第1層ILD2a上に、抵抗膜RFの構成材料及びエッチングストッパ膜ESFの構成材料が順次成膜される。第2に、成膜されたエッチングストッパ膜ESF上に、レジストパターンが形成される。第3に、上記のレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパ膜ESFの構成材料がエッチングされる。これにより、エッチングストッパ膜ESFが形成される。なお、エッチングストッパ膜ESFの形成後に、上記のレジストパターンは除去される。
【0050】
第4に、エッチングストッパ膜ESFをマスクとして、成膜された抵抗膜RFの構成材料がエッチングされる。なお、抵抗膜RFの形成後に、エッチングストッパ膜ESFは除去されない。以上により、抵抗膜RF及びエッチングストッパ膜ESFが形成される。
【0051】
<半導体装置DEV3の効果>
以下に、半導体装置DEV3の効果を説明する。
【0052】
半導体装置DEV3では、第2配線形成工程S7において行われるオーバーエッチングにより溝TR1の底からエッチングストッパ膜ESFが露出しても、エッチングストッパ膜ESFの構成材料と層間絶縁膜ILD2の構成材料とが異なるため、当該オーバーエッチングがエッチングストッパ膜ESFにより停止される。そのため、半導体装置DEV3によると、第2配線形成工程S7が行われる際のオーバーエッチングにより溝TR1の底から抵抗膜RFが露出しがたく、抵抗膜RFの構成材料が周辺に撒き散らされること及び抵抗膜RFの特性変動をさらに抑制可能である。
【0053】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置を説明する。第3実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV4とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0054】
<半導体装置DEV4の構成>
以下に、半導体装置DEV4の構成を説明する。
【0055】
図14は、半導体装置DEV4の断面図である。
図14に示されるように、半導体装置DEV3は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1、層間絶縁膜ILD2及び層間絶縁膜ILD3と、配線WL1、配線WL2及び配線WL3と、抵抗膜RFと、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2とを有している。半導体装置DEV4では、抵抗膜RFが、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央(
図14中において点線で示されている)よりも配線WL1(配線WL2)側にある。これらの点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0056】
半導体装置DEV4では、層間絶縁膜ILD1の上面に、配線溝TR2及び配線溝TR3が形成されている。半導体装置DEV4では、第2層ILD2bの上面に、配線溝TR4が形成されている。半導体装置DEV4では、配線WL1、配線WL2及び配線WL3が、それぞれ配線溝TR2、配線溝TR3及び配線溝TR4に埋め込まれている。半導体装置DEV4では、配線WL1、配線WL2及び配線WL3が銅(Cu)配線である。すなわち、半導体装置DEV4では、配線WL1、配線WL2及び配線WL3が銅又は銅合金により形成されている。
【0057】
半導体装置DEV4では、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、それぞれビアホールVH1及びビアホールVH2に埋め込まれている。ビアプラグVP1及びビアプラグVP2は、例えば、タングステン又は銅で形成されている。
【0058】
半導体装置DEV4では、配線溝TR4が平面視において抵抗膜RFの少なくとも一部に重なっている。半導体装置DEV4では、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において、抵抗膜RFが、配線溝TR4の底よりも配線WL1(配線WL2)に近い。
【0059】
半導体装置DEV4では、配線溝TR2の底面上及び側面上並びに配線溝TR3の底面上及び側面上にバリアメタルBM5が配置されており、配線溝TR4の底面上及び側面上にバリアメタルBM6が配置されている。これらの点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0060】
<半導体装置DEV4の製造方法>
以下に、半導体装置DEV4の製造方法を説明する。
【0061】
図15は、半導体装置DEV4の製造工程図である。
図15に示されるように、半導体装置DEV4の製造方法は、第1配線形成工程S1に代えて第1配線形成工程S10を有しており、第2配線形成工程S7に代えて第2配線形成工程S11を有している。半導体装置DEV4の製造方法は、これらの点に関して、半導体装置DEV1の製造方法と異なっている。
【0062】
図16は、第1配線形成工程S10を説明する断面図である。第1配線形成工程S10では、
図16に示されるように、配線溝TR2、配線溝TR3、バリアメタルBM5、配線WL1及び配線WL2が形成される。第1配線形成工程S10では、第1に、層間絶縁膜ILD1の上面に、配線溝TR2及び配線溝TR3が形成される。配線溝TR2及び配線溝TR3は、層間絶縁膜ILD1上に配置されているレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜ILD1の上面をエッチングすることにより形成される。なお、このレジストパターンは、配線溝TR2及び配線溝TR3の形成後に除去される。
【0063】
第2に、層間絶縁膜ILD1上に、バリアメタルBM5の構成材料がスパッタリング法等により成膜される。第3に、バリアメタルBM5上に、スパッタリング法等によりシード層が形成される。第4に、上記のシード層に通電して電解めっきを行うことにより、配線溝TR2及び配線溝TR3が、配線WL1(配線WL2)の構成材料により埋め込まれる。第5に、配線溝TR2及び配線溝TR3からはみ出しているバリアメタルBM5の構成材料及び配線WL1(配線WL2)の構成材料が、例えばCMP法により除去される。以上により、バリアメタルBM5、配線WL1及び配線WL2が形成される。
【0064】
図17は、第2配線形成工程S11を説明する断面図である。第2配線形成工程S11では、
図17に示されるように、配線溝TR4、バリアメタルBM6及び配線WL3が形成される。第2配線形成工程S11では、第1に、第2層ILD2bの上面に、配線溝TR4が形成される。配線溝TR4は、第2層ILD2b上に配置されているレジストパターンをマスクとして第2層ILD2bの上面をエッチングすることにより形成される。なお、このレジストパターンは、配線溝TR4の形成後に除去される。
【0065】
第2に、第2層ILD2b上に、バリアメタルBM6の構成材料がスパッタリング法等により成膜される。第4に、バリアメタルBM6上に、スパッタリング法等によりシード層が形成される。第4に、上記のシード層に通電して電解めっきを行うことにより、配線溝TR4が配線WL3の構成材料により埋め込まれる。第5に、配線溝TR4からはみ出しているバリアメタルBM6の構成材料及び配線WL3の構成材料が、例えばCMP法により除去される。以上により、バリアメタルBM6及び配線WL3が形成される。
【0066】
<半導体装置DEV4の効果>
以下に、半導体装置DEV4の効果を説明する。
【0067】
半導体装置DEV4では、抵抗膜RFが層間絶縁膜ILD2の厚さ方向における中央よりも配線WL1(配線WL2)側にある。そのため、第2配線形成工程S11において配線溝TR4を形成するエッチングが行われる際に、配線溝TR4の底から抵抗膜RFが露出しがたい。そのため、半導体装置DEV4によると、抵抗膜RFの構成材料が周辺に撒き散らされること及び抵抗膜RFの特性変動を抑制可能である。
【0068】
半導体装置DEV4では、配線WL1、配線WL2及び配線WL3が、銅配線である。銅は、アルミニウムと比較して高い熱伝導率を有する。そのため、半導体装置DEV4では、配線WL1、配線WL2及び配線WL3がアルミニウム配線である場合と比較して、抵抗膜RFにおいて発生した熱が配線WL1(配線WL2)を介してより放熱されやすくなる。抵抗膜RFの放熱性は、抵抗膜RFがビアプラグVP1及びビアプラグVP2により配線WL1及び配線WL2に電気的に接続されている場合には、さらに改善される。
【0069】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る半導体装置を説明する。第4実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV5とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0070】
<半導体装置DEV5の構成>
以下に、半導体装置DEV5の構成を説明する。
【0071】
図18は、半導体装置DEV5の断面図である。
図18に示されるように、半導体装置DEV5は、半導体基板SUBと、層間絶縁膜ILD1及び層間絶縁膜ILD2と、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4と、バリアメタルBM1、バリアメタルBM2、バリアメタルBM3及びバリアメタルBM4と、抵抗膜RFと、ビアプラグVP1及びビアプラグVP2とを有している。
【0072】
半導体装置DEV5では、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において、抵抗膜RFが、配線WL3(配線WL4)よりも配線WL1(配線WL2)に近い。半導体装置DEV5では、抵抗膜RFが、好ましくは、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において溝TR1の底よりも配線WL1(配線WL2)に近い。これらの点に関して、半導体装置DEV5の構成は、半導体装置DEV1の構成と共通している。
【0073】
半導体装置DEV5では、配線WL3の厚さが配線WL1の厚さ及び配線WL2の厚さよりも大きく、配線WL4の厚さが配線WL1の厚さ及び配線WL2の厚さよりも大きくなっている。半導体装置DEV5では、配線WL1、配線WL2、配線WL3及び配線WL4が、例えばグローバル配線である。半導体装置DEV5では、配線WL3及び配線WL4が例えば最上層の配線である。そのため、半導体装置DEV5は、層間絶縁膜ILD3に代えて、パッシベーション膜PVを有している。パッシベーション膜PVは、配線WL3及び配線WL4を覆うように、第2層ILD2b上に配置されている。パッシベーション膜PVは、例えば窒化シリコン(SiN)により形成されている。半導体装置DEV5は、これらの点に関して、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0074】
<半導体装置DEV5の製造方法>
以下に、半導体装置DEV5の製造方法を説明する。
【0075】
図19は、半導体装置DEV5の製造工程図である。
図19に示されるように、半導体装置DEV5の製造方法は、第1配線形成工程S1と、第1層間絶縁膜形成工程S2と、ビアホール形成工程S3と、ビアプラグ形成工程S4と、抵抗膜形成工程S5と、第2層間絶縁膜形成工程S6と、第2配線形成工程S7と、パッシベーション膜形成工程S12とを有している。すなわち、半導体装置DEV5の製造方法は、第3層間絶縁膜形成工程S8に代えてパッシベーション膜形成工程S12を有している点に関して、半導体装置DEV1の製造方法と異なっている。なお、パッシベーション膜形成工程S12では、パッシベーション膜PVが、例えばCVD法により、配線WL3及び配線WL4を覆うように第2層ILD2b上に形成される。
【0076】
<半導体装置DEV5の効果>
以下に、半導体装置DEV5の効果を説明する。
【0077】
配線WL3及び配線WL4の厚さが大きくなると、第2配線形成工程S7におけるオーバーエッチング量が増加するため、溝TR1が深くなる。すなわち、配線WL3及び配線WL4の厚さが大きくなると、溝TR1の底から抵抗膜RFが露出しやすくなる。
【0078】
しかしながら、半導体装置DEV5では、層間絶縁膜ILD2の厚さ方向において抵抗膜RFが配線WL3(配線WL4)よりも配線WL1(配線WL2)に近いため、溝TR1が深くなっても、溝TR1の底から抵抗膜RFが露出しにくい。このように、半導体装置DEV5によると、配線WL3及び配線WL4が配線WL1(配線WL2)よりも厚くなる場合であっても、抵抗膜RFの構成材料が周辺に撒き散らされること及び抵抗膜RFの特性変動を抑制可能である。
【0079】
なお、半導体装置DEV5では、グローバル配線層に抵抗膜RFが配置されていることにより、抵抗膜RFを半導体装置DEV5に含まれている複数の回路間で共用することができるため、チップ面積を縮小することが可能となる。
【0080】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0081】
BM1,BM2,BM3,BM4,BM5,BM6 バリアメタル、DEV1,DEV2,DEV3,DEV4,DEV5 半導体装置、ESF エッチングストッパ膜、ILD 層間絶縁膜、ILD1,ILD2 層間絶縁膜、ILD2a 第1層、ILD2b 第2層、ILD3 層間絶縁膜、PV パッシベーション膜、RF 抵抗膜、S1 第1配線形成工程、S2 第1層間絶縁膜形成工程、S3 ビアホール形成工程、S4 ビアプラグ形成工程、S5 抵抗膜形成工程、S6 第2層間絶縁膜形成工程、S7 第2配線形成工程、S8 第3層間絶縁膜形成工程、S9 抵抗膜形成工程、S10 第1配線形成工程、S11 第2配線形成工程、S12 パッシベーション膜形成工程、SUB 半導体基板、TR1 溝、TR2,TR3,TR4 配線溝、VH1,VH2 ビアホール、VP1,VP2 ビアプラグ、WL1,WL2,WL3,WL4 配線。