(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160017
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】表示制御装置、及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/106 20200101AFI20231026BHJP
G09G 5/22 20060101ALI20231026BHJP
G09G 5/24 20060101ALI20231026BHJP
G06F 40/109 20200101ALI20231026BHJP
【FI】
G06F40/106
G09G5/22 660A
G09G5/22 660Z
G09G5/24 650M
G09G5/24 650Z
G09G5/24 670
G09G5/22 650Z
G06F40/109
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070020
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 高志
【テーマコード(参考)】
5B109
5C182
【Fターム(参考)】
5B109RA11
5C182AA03
5C182AB01
5C182AB15
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC35
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA75
5C182CC24
5C182DA52
5C182FA03
5C182FA07
5C182FA11
5C182FA14
5C182FA72
(57)【要約】 (修正有)
【課題】言語設定に応じて文字を適正に表示できる表示制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】表示制御装置(車載インフォテイメント装置100)は、特定文字コードの各々の異体字セレクタに対応するフォントを記憶する第1フォント記憶部121と、異体字セレクタを複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部123と、表示言語を設定する設定部111と、文字コードが特定文字コードである場合に、セレクタ記憶部123を参照して、表示言語に対応する異体字セレクタを、特定文字コードに付加する付加部112と、特定文字コード及び異体字セレクタに対応するフォントを第1フォント記憶部121から読み出す読出部113と、読出部113が読み出したフォントに基づいて、表示画像を表示する表示制御部114と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の言語による表示機能を有する表示制御装置であって、
前記複数の言語の各々に対応する文字コード群に含まれる特定文字コード群を構成する文字コードである特定文字コードの各々について定められた異体字セレクタに対応するフォントを記憶する第1フォント記憶部と、
前記特定文字コードの各々に付加する異体字セレクタを前記複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部と、
前記複数の言語の中から1つの言語を表示言語として設定する設定部と、
表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記セレクタ記憶部を参照して、前記表示言語に対応する異体字セレクタを、前記表示する文字に対応する前記特定文字コードに付加する付加部と、
前記表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記特定文字コード、及び前記特定文字コードに付加された異体字セレクタに対応するフォントを前記第1フォント記憶部から読み出す読出部と、
前記読出部が読み出したフォントに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像を生成し、前記表示画像を表示する表示制御部と、
を備える、表示制御装置。
【請求項2】
前記文字コード群に含まれ、前記特定文字コード群を除く一般文字コード群を構成する文字コードである一般文字コードの各々に対応するフォントを記憶する第2フォント記憶部、を備え、
前記表示する文字に対応する文字コードが前記一般文字コードである場合に、前記読出部は、前記一般文字コードに対応するフォントを前記第2フォント記憶部から読み出し、
前記表示制御部は、前記読出部が読み出したフォントに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像を生成し、前記表示画像を表示する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記複数の言語は漢字を使用する言語であり、前記異体字セレクタは、前記複数の言語の各々における同意の漢字の異体字を指定するデータである、
請求項1、又は請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記文字コード群は、Unicodeに基づく文字コード群である、
請求項1、又は請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
複数の言語による表示機能を有し、
前記複数の言語の各々に対応する文字コード群に含まれる特定文字コード群を構成する特定文字コードの各々について定められた異体字セレクタに対応するフォントを記憶する第1フォント記憶部と、
前記特定文字コードの各々に付加する異体字セレクタを前記複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部と、
を備える表示制御装置の表示制御方法であって、
前記表示制御装置は、
前記複数の言語の中から1つの言語を表示言語として設定する設定ステップと、
表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記セレクタ記憶部を参照して、前記表示言語に対応する異体字セレクタを、前記表示する文字に対応する前記特定文字コードに付加する付加ステップと、
前記表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記特定文字コード、及び前記特定文字コードに付加された異体字セレクタに対応するフォントを前記第1フォント記憶部から読み出す読出ステップと、
前記読出ステップで読み出したフォントに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像を生成し、前記表示画像を表示する表示制御ステップと、
を実行する、表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字列を表示装置に表示する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、コンピュータが、入力文字データ列に異体字情報が含まれるかを検出し、入力文字データ列より異体字情報を検出したときは、異体字情報を、異体字情報と対応づけられた基本文字および異体字情報を含み、かつ、特定のビット演算処理により当該基本文字に変換可能な、拡張表現データに変換する、処理を実行することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のコンピュータ等の従来の表示制御装置では、言語設定に応じて文字列が適切に表示されない可能性があった。
例えば、日本語、中国語(簡体字、繁体字)等の漢字には、同一の文字コードであるにも関わらず、言語の各々で字形が異なるもの(例えば、Unicodeの統合漢字として扱われる文字)が含まれる。このような漢字を表示する際には、言語設定に応じて適正に表示されない場合があった。
【0005】
そこで、本発明では、言語設定に応じて文字を適正に表示することが可能な表示制御装置、及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、例えば、本発明に係る表示制御装置は、複数の言語による表示機能を有する表示制御装置であって、前記複数の言語の各々に対応する文字コード群に含まれる特定文字コード群を構成する文字コードである特定文字コードの各々について定められた異体字セレクタに対応するフォントを記憶する第1フォント記憶部と、前記特定文字コードの各々に付加する異体字セレクタを前記複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部と、前記複数の言語の中から1つの言語を表示言語として設定する設定部と、表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記表示言語に対応する異体字セレクタを、前記表示する文字に対応する前記特定文字コードに付加する付加部と、前記表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記特定文字コード、及び前記特定文字コードに付加された異体字セレクタに対応するフォントを前記第1フォント記憶部から読み出す読出部と、前記読出部が読み出したフォントに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像を生成し、前記表示画像を表示する表示制御部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するため、例えば、本発明に係る表示制御方法は、複数の言語による表示機能を有し、前記複数の言語の各々に対応する文字コード群に含まれる特定文字コード群を構成する特定文字コードの各々について定められた異体字セレクタに対応するフォントを記憶する第1フォント記憶部と、前記特定文字コードの各々に付加する異体字セレクタを前記複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部と、を備える表示制御装置の表示制御方法であって、前記表示制御装置は、前記複数の言語の中から1つの言語を表示言語として設定する設定ステップと、表示する文字に対応する文字コードが前記特定文字コードである場合に、前記表示言語に対応する異体字セレクタを、前記セレクタ記憶部を参照して、前記表示する文字に対応する前記特定文字コードに付加する付加ステップと、前記特定文字コード、及び前記特定文字コードに付加された異体字セレクタに対応するフォントを前記第1フォント記憶部から読み出す読出ステップと、前記読出ステップで読み出したフォントに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像を生成し、前記表示画像を表示する表示制御ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る表示制御装置、及び表示制御方法によれば、言語設定に応じて文字を適正に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る車載インフォテイメント装置の構成の一例を示す構成図である。
【
図5】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
[1.車載インフォテイメント装置の構成]
まず、
図1を参照して、車載インフォテイメント装置100の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載インフォテイメント装置100の構成の一例を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る車載インフォテイメント装置100は、制御部1と、楽曲情報記憶部21と、入力部22と、ディスプレイ23と、を備える。
なお、車載インフォテイメント装置100は、車両に搭載され、種々の機能による種々の情報をディスプレイ23に表示する。上記種々の機能による種々の情報とは、例えば、ナビゲーション機能による地図情報やルート案内等、通信機能によって受信したメールの内容や渋滞情報やニュース等、オーディオ機能によって再生されている楽曲のタイトル等、及び、放送受信機能によって受信中のテレビ画面、ラジオを含む受信中の放送局名や番組説明等である。
本実施形態では、これらの機能のうちオーディオ機能に関連する部分を抽出して説明する。すなわち、本実施形態では、車載インフォテイメント装置100は、楽曲情報記憶部21に記憶された楽曲のうち、再生する楽曲のタイトルTLを、ディスプレイ23に表示する。
車載インフォテイメント装置100は、「表示制御装置」の一例に対応する。
【0012】
楽曲情報記憶部21は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を備え、複数の楽曲の楽曲情報を記憶する。楽曲情報記憶部21は、タイトル記憶部211を備える。タイトル記憶部211は、楽曲のタイトルTLを記憶する。タイトルTLは、「表示する文字」の一例に対応する。
【0013】
入力部22は、例えば、種々のキーを備え、ユーザによって押下されたキーに対応する信号を生成し、生成した信号を制御部1へ出力する。なお、入力部22が、タッチパネルで構成されてもよい。
【0014】
ディスプレイ23は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、制御部1からの指示に従って、種々の画像を表示する。本実施形態では、ディスプレイ23が、楽曲情報記憶部21に記憶された楽曲のうち、再生する楽曲のタイトルTLを表示する場合について説明する。
【0015】
制御部1は、本実施形態では、例えば、ECU(Electronic Control Unit)として構成される。制御部1は、ディスプレイ23に表示する画像を制御する。制御部1は、プロセッサー11と、メモリー12とを備える。
メモリー12は、プロセッサー11が実行する制御プログラムPGM、データ等を不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリー12は、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。また、メモリー12は、プロセッサー11のワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。メモリー12は、制御部1により処理されるデータや、プロセッサー11が実行する制御プログラムPGM等を記憶する。
プロセッサー11は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーがプロセッサー11として機能する構成であってもよい。
【0016】
また、制御部1は、例えば、集積回路により構成することができる。集積回路は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びPLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0017】
制御部1は、楽曲情報記憶部21、入力部22、及びディスプレイ23の各々と通信可能に接続される。制御部1は、例えば、Ethernet(登録商標)等の規格に従って、楽曲情報記憶部21、入力部22、及びディスプレイ23の各々と通信する。
【0018】
[2.制御部の構成]
次に、
図1を参照して制御部1の構成について説明する。
図1に示すように、制御部1は、設定部111と、付加部112と、読出部113と、表示制御部114と、第1フォント記憶部121と、第2フォント記憶部122と、セレクタ記憶部123と、を備える。
具体的には、制御部1のプロセッサー11がメモリー12に記憶された制御プログラムPGMを実行することによって、設定部111、付加部112、読出部113、及び表示制御部114、として機能する。また、制御部1のプロセッサー11がメモリー12に記憶された制御プログラムPGMを実行することによって、メモリー12を、第1フォント記憶部121、第2フォント記憶部122、及びセレクタ記憶部123として機能させる。
また、制御部1のプロセッサー11がメモリー12に記憶された制御プログラムPGMを実行することによって、楽曲情報記憶部21をタイトル記憶部211として機能させる。
【0019】
第1フォント記憶部121は、特定文字コードUAの各々について定められた異体字セレクタ(Variation Selector)Sに対応するフォントFを記憶する。特定文字コードUAは、特定文字コード群GAを構成する文字コードである。特定文字コードUAは、異体字セレクタSの各々に応じて、互いに相違するフォントFに対応する。例えば、異体字セレクタSは、第1セレクタS1、第2セレクタS2、及び第3セレクタS3で構成される。第1セレクタS1は、日本語L1の字体を示す。第2セレクタS2は、中国語(簡体字)L2の字体を示す。第3セレクタS3は、中国語(繁体字)L3の字体を示す。換言すれば、本実施形態では、異体字セレクタSは、漢字異体字セレクタ(Ideographic Variation Selector)の一例である。
第1フォント記憶部121は、例えば、第1テーブルTB1を記憶する。
第1テーブルTB1については、
図2を参照して更に説明する。
【0020】
セレクタ記憶部123は、特定文字コードUAの各々に付加する異体字セレクタSを複数の言語Lの各々に対応付けて記憶する。
複数の言語Lは、漢字を使用する言語であり、異体字セレクタSは、複数の言語Lの各々における同意の漢字の異体字を指定するデータである。「同意の漢字」とは、換言すれば、文字コードUが同一の漢字である。
日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(繁体字)L3は、「複数の言語」の一例に対応する。
セレクタ記憶部123は、例えば、第3テーブルTB3を記憶する。
第3テーブルTB3については、
図3を参照して更に説明する。
【0021】
第2フォント記憶部122は、一般文字コードUBの各々に対応するフォントFを記憶する。一般文字コードUBは、一般文字コード群GBを構成する文字コードである。一般文字コード群GBは、文字コード群Gのうち、特定文字コード群GAを除く文字コード群である。一般文字コードUBの各々は、表示言語LEが、日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(繁体字)L3のうちどの言語に設定されているかに関わらず、1つのフォントFに対応する。
文字コード群Gは、例えば、Unicodeに基づく文字コード群である。
第2フォント記憶部122は、第2テーブルTB2を記憶する。
第2テーブルTB2については、
図4を参照して更に説明する。
【0022】
設定部111は、複数の言語Lの中から1つの言語を表示言語LEとして設定する。例えば、設定部111は、入力部22からのユーザの操作入力に基づいて、日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(繁体字)L3の中から1つの言語を表示言語LEとして設定する。表示言語LEは、表示制御部114がディスプレイ23に表示する言語Lである。
【0023】
付加部112は、タイトルTLに対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、セレクタ記憶部123を参照して、表示言語LEに対応する異体字セレクタSを、タイトルTLに対応する特定文字コードUAに付加する。
例えば、表示言語LEが日本語L1である場合には、付加部112は、特定文字コードUAに第1セレクタS1を付加する。また、例えば、表示言語LEが中国語(簡体字)L2である場合には、付加部112は、特定文字コードUAに第2セレクタS2を付加する。また、例えば、表示言語LEが中国語(繁体字)L3である場合には、付加部112は、特定文字コードUAに第3セレクタS3を付加する。
タイトルTLが、複数個の文字で構成される文字列である場合には、制御部1は、タイトルTLを構成する複数個の文字の各々について、順次、文字コードUが特定文字コードUAであるか否かを判定する。
【0024】
読出部113は、タイトルTLに対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、特定文字コードUA、及び特定文字コードUAに付加された異体字セレクタSに対応するフォントFを第1フォント記憶部121から読み出す。
また、読出部113は、タイトルTLに対応する文字コードUが一般文字コードUBである場合に、一般文字コードUBに対応するフォントFを第2フォント記憶部122から読み出す。
【0025】
表示制御部114は、読出部113が読み出したフォントFに基づいて、タイトルTLに対応する表示画像PEを生成し、表示画像PEをディスプレイ23に表示する。
例えば、タイトルTLが互いに相違するN文字の文字列である場合には、表示制御部114は、読出部113が読み出したN個のフォントFに基づいて、タイトルTLに対応する表示画像PEを生成し、表示画像PEを表示する。文字数Nは、タイトルTLに対応する文字列の文字数である。
【0026】
[3.具体例]
次に、
図2~
図4を参照して、第1テーブルTB1、第2テーブルTB2、及び第3テーブルTB3の具体例について説明する。
図2は、第1テーブルTB1の一例を示す図表である。第1テーブルTB1は、特定文字コードUA及び異体字セレクタSと、フォントFとを対応付けるテーブルである。
図2に示すように、第1テーブルTB1の左端欄に特定文字コードUAを示し、第1テーブルTB1の上端欄に異体字セレクタSを示す。特定文字コードUAは、例えば、第1コードU1、第2コードU2、及び第3コードU3を含む。異体字セレクタSは、第1セレクタS1、第2セレクタS2、及び第3セレクタS3で構成される。
【0027】
特定文字コードUAが第1コードU1であり、異体字セレクタSが第1セレクタS1である場合には、フォントFは、フォントF11を示す。第1コードU1は、例えば、「U+9AA8」であり、第1セレクタS1は、例えば、「E0100」である。フォントF11は日本語L1の「骨」である。
特定文字コードUAが第1コードU1であり、異体字セレクタSが第2セレクタS2である場合には、フォントFは、フォントF12を示す。第2セレクタS2は、例えば、「E0101」である。フォントF12は日本語L1の「骨」に対応する中国語(簡体字)L2である。
特定文字コードUAが第1コードU1であり、異体字セレクタSが第3セレクタS3である場合には、フォントFは、フォントF13を示す。第3セレクタS3は、例えば、「E0102」である。フォントF12は日本語L1の「骨」に対応する中国語(繁体字)L3である。
【0028】
特定文字コードUAが第2コードU2であり、異体字セレクタSが第1セレクタS1である場合には、フォントFは、フォントF21を示す。第2コードU2は、例えば、「U+8AA4」である。フォントF21は日本語L1の「誤」である。特定文字コードUAが第2コードU2であり、異体字セレクタSが第2セレクタS2である場合には、フォントFは、フォントF22を示す。フォントF22は、日本語L1の「誤」の中国語(簡体字)L2である。特定文字コードUAが第2コードU2であり、異体字セレクタSが第3セレクタS3である場合には、フォントFは、フォントF23を示す。フォントF23は日本語L1の「誤」の中国語(繁体字)L3である。
【0029】
特定文字コードUAが第3コードU3であり、異体字セレクタSが第1セレクタS1である場合には、フォントFは、フォントF31を示す。第3コードU3は、例えば、「U+7D0D」である。フォントF31は日本語L1の「納」である。特定文字コードUAが第3コードU3であり、異体字セレクタSが第2セレクタS2である場合には、フォントFは、フォントF32を示す。フォントF32は、日本語L1の「納」に対応する中国語(簡体字)L2である。特定文字コードUAが第3コードU3であり、異体字セレクタSが第3セレクタS3である場合には、フォントFは、フォントF33を示す。フォントF33は日本語L1の「納」に対応する中国語(繁体字)L3である。
【0030】
図3は、第3テーブルTB3の一例を示す図表である。第3テーブルTB3は、特定文字コードUAの各々に付加する異体字セレクタSを、日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(繁体字)L3の各々について対応付けるテーブルである。
図3に示すように、第3テーブルTB3の左端欄に特定文字コードUAを示し、第3テーブルTB3の上端欄に表示言語LEを示す。特定文字コードUAは、例えば、第1コードU1、第2コードU2、及び第3コードU3を含む。第1コードU1は、「U+9AA8」であり、第2コードU2は、「U+8AA4」であり、第3コードU3は、「U+7D0D」である。
特定文字コードUAが、第1コードU1~第3コードU3のいずれかである場合には、異体字セレクタSは、以下のように設定される。日本語L1に対応する第1セレクタS1は、「E0100」であり、中国語(簡体字)L2に対応する第2セレクタS2は、「E0101」であり、中国語(繁体字)L3に対応する第3セレクタS3は、「E0102」である。
【0031】
表示言語LEが、日本語L1に設定されている場合には、付加部112は、第1コードU1~第3コードU3の各々に、異体字セレクタSとして、第1セレクタS1、すなわち「E0100」を付加する。表示言語LEが、中国語(簡体字)L2に設定されている場合には、付加部112は、第1コードU1~第3コードU3の各々に、異体字セレクタSとして、第2セレクタS2、すなわち「E0101」を付加する。表示言語LEが、中国語(繁体字)L3に設定されている場合には、付加部112は、第1コードU1~第3コードU3の各々に、異体字セレクタSとして、第3セレクタS3、すなわち「E0102」を付加する。読出部113は、第1コードU1~第3コードU3等の特定文字コードUA、及び特定文字コードUAに付加された第1セレクタS1~第3セレクタS3に対応するフォントFを第1テーブルTB1から読み出す。
【0032】
図2及び
図3を参照して説明したように、タイトルTLに対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、表示言語LEに対応する異体字セレクタSを特定文字コードUAに付加することによって、表示言語LEに対応するフォントFを適正に読み出すことができる。
【0033】
図4は、第2テーブルTB2の一例を示す図表である。第2テーブルTB2は、一般文字コードUBとフォントFとを対応付けるテーブルである。
図4に示すように、第2テーブルTB2の左端欄に一般文字コードUBを示し、第2テーブルTB2の上端欄に表示言語LEを示す。表示言語LEは、日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(繁体字)L3で構成される。一般文字コードUBは、例えば、第4コードU4、第5コードU5、及び第6コードU6を含む。
第4コードU4は、フォントF4に対応し、第5コードU5は、フォントF5に対応し、第6コードU6は、フォントF6に対応する。第4コードU4は、例えば、「U+4E9C」であり、フォントF4は、例えば、「亜」である。第5コードU5は、例えば、「U+9662」であり、フォントF5は、例えば、「院」である。第6コードU6は、例えば、「U+62BC」であり、フォントF6は、例えば、「押」である。
【0034】
図4を参照して説明したように、タイトルTLに対応する文字コードUが一般文字コードUBである場合に、第2テーブルTB2を参照することによって、一般文字コードUBに対応するフォントFを適正に読み出すことができる。
【0035】
[4.制御部の処理]
次に、
図5を参照して、制御部1の処理について説明する。
図5は、制御部1の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、設定部111は、複数の言語L、例えば、日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(繁体字)L3、の中から1つの言語を表示言語LEとして設定する。
次に、ステップS103において、制御部1は、「表示する文字列」として、楽曲情報記憶部21からタイトルTLを読み出す。
次に、ステップS105において、制御部1は、タイトルTLに対応する文字コードUを受け付ける。
次に、ステップS107において、付加部112は、文字コードUが特定文字コードUAであるか否かを判定する。
文字コードUが特定文字コードUAではない、すなわち、文字コードUが一般文字コードUBであると付加部112が判定した場合(ステップS107;NO)には、処理がステップS109へ進む。
そして、ステップS109において、読出部113は、一般文字コードUBに対応するフォントFを第2フォント記憶部122から読み出す。その後、処理がステップS115へ進む。
【0036】
文字コードUが特定文字コードUAであると付加部112が判定した場合(ステップS107;YES)には、処理がステップS111へ進む。
そして、ステップS111において、付加部112は、ステップS101で設定された表示言語LEに対応する異体字セレクタSを、特定文字コードUAに付加する。
次に、ステップS113において、読出部113は、特定文字コードUA、及び特定文字コードUAに付加された異体字セレクタSに対応するフォントFを第1フォント記憶部121から読み出す。
次に、ステップS115において、制御部1は、タイトルTLに対応する全てのフォントFを読み出したか否かを判定する。
タイトルTLに対応する全てのフォントFを読み出してはいないと制御部1が判定した場合(ステップS115;NO)には、処理がステップS105に戻る。タイトルTLに対応する全てのフォントFを読み出したと制御部1が判定した場合(ステップS115;YES)には、処理がステップS117へ進む。
【0037】
そして、ステップS117において、表示制御部114は、読出部113が読み出したフォントFに基づいて、「表示する文字列」であるタイトルTLに対応する表示画像PEを生成する。
次に、ステップS119において、表示制御部114は、ステップS117で生成した表示画像PEをディスプレイ23に表示する。
次に、ステップS121において、制御部1は、「表示する文字列」としてのタイトルTLを更新するか否かを判定する。制御部1は、例えば、入力部22からのユーザの操作入力に基づいて、「表示する文字列」としてのタイトルTLを更新するか否かを判定する。
タイトルTLを更新しないと制御部1が判定した場合(ステップS121;NO)には、処理がステップS119に戻る。タイトルTLを更新すると制御部1が判定した場合(ステップS121;YES)には、処理がステップS103に戻る。
【0038】
ステップS101は、「設定ステップ」の一例に対応する。ステップS111は、「付加ステップ」の一例に対応する。ステップS113は、「読出ステップ」の一例に対応する。ステップS117及びステップS119は、「表示制御ステップ」の一例に対応する。
【0039】
[5.構成及び効果]
本実施形態に係る車載インフォテイメント装置100は、複数の言語による表示機能を有する車載インフォテイメント装置100であって、前記複数の言語の各々に対応する文字コード群Gに含まれる特定文字コード群GAを構成する文字コードUである特定文字コードUAの各々について定められた異体字セレクタSに対応するフォントFを記憶する第1フォント記憶部121と、特定文字コードUAの各々に付加する異体字セレクタSを前記複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部123と、前記複数の言語の中から1つの言語を表示言語LEとして設定する設定部111と、表示する文字に対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、セレクタ記憶部123を参照して、表示言語LEに対応する異体字セレクタSを、前記表示する文字に対応する特定文字コードUAに付加する付加部112と、前記表示する文字に対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、特定文字コードUA、及び特定文字コードUAに付加された異体字セレクタSに対応するフォントFを第1フォント記憶部121から読み出す読出部113と、読出部113が読み出したフォントFに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像PEを生成し、表示画像PEを表示する表示制御部114と、を備える。
【0040】
この構成によれば、表示する文字に対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、表示言語LEに対応する異体字セレクタSを、前記表示する文字に対応する特定文字コードUAに付加する。そして、特定文字コードUA、及び、表示言語LEに対応する異体字セレクタS、に対応するフォントFを第1フォント記憶部121から読み出す。更に、読み出したフォントFに基づいて、表示画像PEを生成し、生成した表示画像PEを表示する。
したがって、表示する文字に対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、表示言語LEに応じて、文字を適正に表示することができる。
【0041】
また、車載インフォテイメント装置100において、文字コード群Gに含まれ、特定文字コード群GAを除く一般文字コード群GBを構成する文字コードUである一般文字コードUBの各々に対応するフォントFを記憶する第2フォント記憶部122、を備え、前記表示する文字に対応する文字コードUが一般文字コードUBである場合に、読出部113は、一般文字コードUBに対応するフォントFを第2フォント記憶部122から読み出し、表示制御部114は、読出部113が読み出したフォントFに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像PEを生成し、表示画像PEを表示する。
【0042】
この構成によれば、表示する文字に対応する文字コードUが一般文字コードUBである場合に、一般文字コードUBに対応するフォントFを第2フォント記憶部122から読み出す。そして、読み出したフォントFに基づいて、表示画像PEを生成し、生成した表示画像PEを表示する。
したがって、表示する文字に対応する文字コードUが一般文字コードUBである場合に、文字を適正に表示することができる。
【0043】
また、車載インフォテイメント装置100において、前記複数の言語は漢字を使用する言語であり、異体字セレクタSは、前記複数の言語の各々における同意の漢字の異体字を指定するデータである。
【0044】
この構成によれば、前記複数の言語は漢字を使用する言語であり、異体字セレクタSは、前記複数の言語の各々における同意の漢字の異体字を指定するデータである。
したがって、前記複数の言語が漢字を使用する言語である場合に、表示言語LEに応じて、文字を適正に表示できる。前記複数の言語は、例えば、日本語L1、中国語(簡体字)L2、及び中国語(簡体字)L3である。「同意の漢字」とは、換言すれば、文字コードUが同一の漢字である。
【0045】
また、車載インフォテイメント装置100において、前記文字コード群は、Unicodeに基づく文字コード群Gである。
【0046】
この構成によれば、前記文字コード群は、Unicodeに基づく文字コード群Gである。
したがって、Unicodeに基づく文字コード群Gを用いて、表示言語LEに応じて、文字を適正に表示できる。
【0047】
本実施形態に係る車載インフォテイメント装置100の表示制御方法は、複数の言語による表示機能を有し、前記複数の言語の各々に対応する文字コード群Gに含まれる特定文字コード群GAを構成する文字コードUである特定文字コードUAの各々について定められた異体字セレクタSに対応するフォントFを記憶する第1フォント記憶部121と、特定文字コードUAの各々に付加する異体字セレクタSを前記複数の言語の各々に対応付けて記憶するセレクタ記憶部123と、を備える車載インフォテイメント装置100の表示制御方法であって、車載インフォテイメント装置100は、前記複数の言語の中から1つの言語を表示言語LEとして設定する設定ステップと、表示する文字に対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、セレクタ記憶部123を参照して、表示言語LEに対応する異体字セレクタSを、前記表示する文字に対応する特定文字コードUAに付加する付加ステップと、前記表示する文字に対応する文字コードUが特定文字コードUAである場合に、特定文字コードUA、及び特定文字コードUAに付加された異体字セレクタSに対応するフォントFを第1フォント記憶部121から読み出す読出ステップと、前記読出ステップで読み出したフォントFに基づいて、前記表示する文字に対応する表示画像PEを生成し、表示画像PEを表示する表示制御ステップと、を実行する。
この構成によれば、本実施形態に係る車載インフォテイメント装置100と同様の作用効果を奏する。
【0048】
[6.他の実施形態]
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、本実施形態では、車載インフォテイメント装置100が有する機能のうちオーディオ機能に関する文字情報の表示について説明したが、これに限定されない。ディスプレイ23に表示されるその他の文字情報、すなわち、通信機能によって受信したメールの内容、渋滞情報やニュース、放送受信機能によって受信中の放送局名や番組説明といった各種の文字情報の表示にも本発明は適用が可能である。
本実施形態では、「表示制御装置」が車載インフォテイメント装置100である場合について説明するが、これに限定されない。「表示制御装置」が複数の言語による表示機能を有すればよい。「表示制御装置」が、例えば、パーソナルコンピュータでも良い。また、「表示制御装置」が、例えば、スマートフォンでもよい。
【0049】
本実施形態では、制御部1がECUとして構成される場合について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。制御部1がプロセッサー11とメモリー12とを備えればよい。例えば、制御部1が、FPGA、SoC等で構成されてもよい。
【0050】
本実施形態では、制御部1が楽曲のタイトルTLをディスプレイ23に表示する場合について説明するが、これに限定されない。制御部1が文字をディスプレイ23に表示すれば良い。表示する文字が、例えば、メッセージであってもよい。また、表示する文字が、ドキュメントであってもよい。
【0051】
また、
図1は、本願発明を理解容易にするために、車載インフォテイメント装置100の制御部1の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、車載インフォテイメント装置100の制御部1の構成は、処理内容に応じて、更に多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素が更に多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0052】
また、
図5に記載のフローチャートの処理単位は、制御部1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。制御部1の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、フローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0053】
また、車載インフォテイメント装置100の表示制御方法は、制御部1が備えるプロセッサー11に、表示制御方法に対応した制御プログラムPGMを実行させることで実現できる。また、制御プログラムPGMは、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。
記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、制御部1が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
制御プログラムPGMをサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御部1に、制御プログラムPGMをダウンロードすることで、車載インフォテイメント装置100の表示制御方法を実現することもできる。
【符号の説明】
【0054】
100 車載インフォテイメント装置(表示制御装置)
1 制御部
11 プロセッサー
111 設定部
112 付加部
113 読出部
114 表示制御部
12 メモリー
121 第1フォント記憶部
122 第2フォント記憶部
123 セレクタ記憶部