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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160076
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】捕虫箱、捕虫器
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/04 20060101AFI20231026BHJP
   A01M 1/14 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A01M1/04
A01M1/14 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070143
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】594063670
【氏名又は名称】株式会社SHIMADA
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】西堀 美智雄
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121BA03
2B121BA09
2B121DA15
2B121DA33
2B121EA01
(57)【要約】
【課題】運搬性がよく、保管時に必要なスペースが少なく、廃棄性に優れることにより取り扱い易さが良好な捕虫箱、捕虫器を提供する。
【解決手段】捕虫箱100は、捕虫スペース100aが形成された箱状の使用状態と折りたたみ状態との間で変形可能な捕虫箱であって、外部と捕虫スペース100aとを連通する少なくとも1つの開口部101a、109aと、開口部101a、109aのうちの少なくとも1つは、虫を誘引する誘引光を捕虫スペース100a内に照射する誘引光照射部503を有する誘引装置500が取り付け可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕虫スペースが形成された箱状の使用状態と折りたたみ状態との間で変形可能な捕虫箱であって、
外部と前記捕虫スペースとを連通する少なくとも1つの開口部を備え、
前記開口部のうちの少なくとも1つは、虫を誘引する誘引光を前記捕虫スペース内に照射する誘引光照射部を有する誘引装置が取り付け可能である、捕虫箱。
【請求項2】
請求項1に記載の捕虫箱において、
1枚のシート材の一部を接合して折りたたみ可能な箱形状に構成されており、
少なくとも1つの面が開閉可能な蓋部として構成されており、
前記蓋部を開いた状態で粘着シートを外部から前記捕虫スペース内に挿入可能である、捕虫箱。
【請求項3】
請求項1又は請求項2までのいずれかに記載の捕虫箱と、
前記捕虫スペース内に設置される粘着シートと、
を備える、捕虫器。
【請求項4】
請求項3に記載の捕虫器において、
前記捕虫スペースは、略直方体形状の空間であり、
前記粘着シートは、前記捕虫スペースの略直方体形状の空間の辺に前記粘着シートの両端部の少なくとも一端が係合して全体が湾曲した状態で設置される、捕虫器。
【請求項5】
請求項4に記載の捕虫器において、
前記捕虫箱は、前記捕虫スペースの略直方体形状の空間の辺に係合している前記粘着シートの一端とは反対側の他端が係合する粘着シート係合部を有する、捕虫器。
【請求項6】
請求項3に記載の捕虫器において、
前記開口部に誘引装置が取り付けられた、捕虫器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、捕虫箱、捕虫器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飛来する虫等の捕獲対象を粘着部によって捕獲する捕虫装置が知られている。例えば、特許文献1には、アクリル板からなる額縁状の本体ケース内に虫を誘引するLEDユニット及び導光板が設けられ、導光板上に配置された透光性の粘着シートに、誘引した虫を付着させて捕獲する捕虫装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5064588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の捕虫装置は、本体ケースが嵩張ることにより持ち運び性が悪く、また、多数を保管する場合に場所をとるという問題があった。また、特許文献1の捕虫装置は、虫を捕獲した粘着シートを捨てにくいという問題があった。
【0005】
本開示の課題は、運搬性がよく、保管時に必要なスペースが少なく、廃棄性に優れることにより取り扱い易さが良好な捕虫箱、捕虫器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
第1の開示は、捕虫スペース(100a)が形成された箱状の使用状態と折りたたみ状態との間で変形可能な捕虫箱であって、外部と前記捕虫スペース(100a)とを連通する少なくとも1つの開口部(101a、109a)と、前記開口部(101a、109a)のうちの少なくとも1つは、虫を誘引する誘引光を前記捕虫スペース(100a)内に照射する誘引光照射部(503)を有する誘引装置(500)が取り付け可能である、捕虫箱(100)である。
【0008】
第2の開示は、第1の開示に記載の捕虫箱(100)において、1枚のシート材の一部を接合して折りたたみ可能な箱形状に構成されており、少なくとも1つの面が開閉可能な蓋部(109)として構成されており、前記蓋部(109)を開いた状態で粘着シート(400)を外部から前記捕虫スペース(100a)内に挿入可能である、捕虫箱(100)である。
【0009】
第3の開示は、第1の開示から第2の開示までのいずれかに記載の捕虫箱(100)と、前記捕虫スペース(100a)内に設置される粘着シート(400)と、を備える、捕虫器である。
【0010】
第4の開示は、第3の開示に記載の捕虫器において、前記捕虫スペース(100a)は、略直方体形状の空間であり、前記粘着シート(400)は、前記捕虫スペース(100a)の略直方体形状の空間の辺に前記粘着シートの両端部の少なくとも一端が係合して全体が湾曲した状態で設置される、捕虫器である。
【0011】
第5の開示は、第4の開示に記載の捕虫器において、前記捕虫箱(100)は、前記捕虫スペース(100a)の略直方体形状の空間の辺に係合している前記粘着シートの一端とは反対側の他端が係合する粘着シート係合部(104a)を有する、捕虫器である。
【0012】
第6の開示は、第3の開示から第5の開示までのいずれかに記載の捕虫器において、前記開口部(101a)に誘引装置(500)が取り付けられた、捕虫器である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、運搬性がよく、保管時に必要なスペースが少なく、廃棄性に優れることにより取り扱い易さが良好な捕虫箱、捕虫器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の捕虫箱の使用状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態の捕虫箱の折りたたみ状態を示す斜視図である。
図3】第1実施形態の捕虫箱の展開図である。
図4】上面109を開いて粘着シート400を捕虫スペース内に装着した状態を示す図である。
図5】誘引装置500の斜視図である。
図6】誘引装置500を捕虫箱100に装着した状態を示す斜視図である。
図7】誘引装置500を装着した状態の捕虫箱100を切断して示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の捕虫箱の使用状態を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態の捕虫箱の折りたたみ状態を示す斜視図である。
図3は、第1実施形態の捕虫箱の展開図である。
なお、図1から図3を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。したがって、捕虫箱を構成するシート材は、部分的に、又は、全部をフィルム材、板材に置き換えることができる。
【0017】
第1実施形態の捕虫箱100は、図3に示す形状に形成された1枚のシート材の一部を接合して折りたたみ可能な箱形状に構成されており、箱状の使用状態と折りたたみ状態との間で変形可能である。捕虫箱100に用いるシート材としては、例えば、紙製のシート材を例示することができるが、樹脂製のシート材であってもよい。
また、捕虫箱100に用いるシート材の内面は、光反射性を有する光反射面であることが好ましい。光反射面は、例えば銀色等の光沢性シートを貼ったり、光反射性の塗料を塗布したりする等の手法で設けることができる。また、シート材自体が光反射性を有する面に加工されていてもよい。
捕虫箱100は、正面101と、側面102、103と、背面104と、底面105、106と、底面フラップ107、108と、上面109と、重複部110と、上面フラップ111、112と、接合部113とを備えている。
【0018】
正面101は、誘引装置取付開口部101aと、係合孔101bとを有している。
誘引装置取付開口部101aは、後述する誘引装置500を取り付けるときに容易に開口可能なように部分的に接続された状態に構成されている。誘引装置取付開口部101aは、部分的に接続された部位を切断して、さらに、図3中において一点鎖線で示した部分を折り曲げることにより開口され、誘引装置500を取り付けることができる。
係合孔101bは、重複部110の係合突起110aが差し込まれて係合する。
【0019】
側面102、103は、それぞれ、任意開口部102a、103aを有している。任意開口部102a、103aは、誘引装置取付開口部101aと同様に容易に開口可能なように部分的に接続された状態に構成されており、使用環境に応じて虫の侵入口として利用者が任意に開口することができる。
【0020】
背面104は、粘着シート係合部104aを有している。
粘着シート係合部104aには、後述の粘着シート400が係合する。
【0021】
底面105、106は、それぞれ、接合片105a、106aと、係合部105b、106bとを備えている。
接合片105a、106aは、底面フラップ107、108の図3中でハッチングを付して示した部分に接着剤を用いて接合される。
係合部105bと係合部106bとは、使用状態において互いに係合して、底面105、106の位置を保持する。
【0022】
底面フラップ107、108は、それぞれ、図3中でハッチングを付して示した部分に接合片105a、106aが接合される。
底面105、106と底面フラップ107、108とがそれぞれ接合されていることにより、捕虫箱100は、折りたたみ状態(図2)から使用状態(図1)へと変形させる過程において半自動的に底部が所定の位置に配置される。
【0023】
上面109は、開口部109aを2カ所有している。上面109は、開閉可能な蓋部として機能する。
開口部109aは、外部と捕虫スペース100aとを連通するように開口しており、虫の侵入口として設けられている。
【0024】
重複部110は、係合突起110aを2カ所有している。
重複部110は、上面109を閉じたときに正面101に重なって配置される。
【0025】
上面フラップ111は、上面109と側面102とに接続されている。
上面フラップ112は、上面109と側面103とに接続されている。
上面フラップ111、112は、上面109を閉じるときに折りたたまれて上面109に覆われる。
これら上面フラップ111、112と、重複部110を設けることにより、上面109を閉じた状態では、上面109の周囲から誘引光が漏れることを防止でき、これにより、虫を開口部109a等の方へ誘引しやすくしている。
【0026】
接合部113は、側面103に接着剤によって接合される。接合部113が側面103に接合された状態で、捕虫箱100は、図3中の一点鎖線で示した位置で折り曲げられて図2の折りたたみ状態にして利用者に頒布される。利用者は、捕虫箱100を図2の折りたたみ状態から側面102、103を引き起こして略直方体形状の図1の使用状態に組み立てる。
【0027】
図4は、上面109を開いて粘着シート400を捕虫スペース内に装着した状態を示す図である。
使用状態の捕虫箱100は、直方体形状の内部空間が捕虫スペース100aとなっている。捕虫スペース100a内には、上面109を開いた開口部から粘着シート400を挿入して装着する。
粘着シート400は、略直方体形状の捕虫スペース100a内において両端部の一端が正面101と底面105、106との角となる辺に係合し、反対側の他端が粘着シート係合部104aに係合して、全体が湾曲した状態で設置されている(図7参照)。なお、粘着シート400は、粘着面が正面101側となるように設置される。
【0028】
図5は、誘引装置500の斜視図である。
図6は、誘引装置500を捕虫箱100に装着した状態を示す斜視図である。
図7は、誘引装置500を装着した状態の捕虫箱100を切断して示した縦断面図である。なお、図7では、誘引装置500については断面とはしていない。
図5に示すように、誘引装置500は、略直方体形状の筐体501を主体としている。誘引装置500には、リング部505が設けられており、筐体501を吊るすことも可能である。
【0029】
筐体501は、捕虫箱100が設置される側の設置面501aを有する。その設置面501aには、捕虫箱100の正面101を把持する把持部としての板ばね502が配置されている。板ばね502は、上端部が設置面501aの上側の部分に支持され、下方に延在しており、下端部が設置面501aに弾性的に当接する。板ばね502と設置面501aとの間に正面101が挿抜可能に挿入され、挿入状態で正面101が弾性的に挟まれる。板ばね502の下部には、設置面501aから離れるように屈曲するガイド部502aが形成されている。ガイド部502aにより、板ばね502と設置面501aとの間に正面101を挿入しやすくなっている。
【0030】
設置面501aの上端部には、傾斜面501bが設けられている。傾斜面501bは、上側に向かうにつれて正面側すなわち捕虫箱100側にせり出すように傾斜している。この傾斜面501bの傾斜角度は、設置面501aに対して、例えば10°程度であるが、これに限定されない。傾斜面501bには、誘引光照射部503が内蔵されている。誘引光照射部503は、虫を誘引する誘引光を捕虫スペース100a内に照射する。誘引光照射部503が傾斜面501bに配置されていることにより、誘引光照射部503から照射される誘引光は斜め下向きに照射される。よって、誘引光は、粘着シート400の粘着面に対して垂直に近い角度で照射されることができ、誘引光を捕虫スペース100a内のより広い範囲に粘着シート400によって拡散反射させることができる(図7参照)。
【0031】
筐体501には、誘引光照射部503の電源として所定数の電池(乾電池)が交換可能に収容されるか、又は内蔵リチウムイオン充電池等の充電式電池が収容される。筐体501には、当該電池の電力を誘引光照射部503に供給する回路及び誘引光照射部503の電源をON・OFFするスイッチが設けられる。なお、誘引光照射部503の電源は、上述した電池に代えて、家庭用交流電源やUSB電源等の外部電源を直接導入するようにしてもよい。
誘引光照射部503の光源としては、虫を効果的に誘引する光を発光照射するものであれば特に限定されないが、例えば、LED素子等が採用される。
【0032】
図6及び図7に示す粘着シート400及び誘引装置500を装着した捕虫箱100は、虫を捕獲する捕虫器として機能する。すなわち、誘引装置500が発光する誘引光に誘われて虫が開口部109a等から捕虫スペース100a内に侵入し、粘着シート400によって捕獲される。
なお、本実施形態では、誘引装置500を装着して誘引を行ったが、虫が好む臭気を発する誘引剤を捕虫スペース100a内に配置してもよい。この場合、誘引装置500を省略してもよい。
【0033】
一定期間捕虫を行った後は、上面109を開けて虫を捕獲した粘着シート400を廃棄して、新しい粘着シート400を装着して捕虫箱100を再利用することができる。また、捕獲した虫を見たくない場合には、捕虫箱100内に粘着シート400を装着したまま、捕虫箱100を廃棄してもよい。
【0034】
以上説明したように、第1実施形態によれば、捕虫箱100は、折りたたみ状態とすることができるので、運搬性がよく、保管時に必要なスペースを少なくすることができる。また、粘着シート400の交換も容易であり、捕虫箱100自体も構造が簡素で安価に提供できるので、そのまま廃棄することもできることから、廃棄性に優れており、取り扱い易さを良好にできる。
【0035】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の範囲内である。
【0036】
(1)実施形態において、誘引装置500を捕虫箱の外側に装着する形態を例に挙げて説明した。これに限らず、例えば、捕虫装置の全体又は一部を捕虫箱の内側に配置可能としてもよい。
【0037】
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0038】
100 捕虫箱
100a 捕虫スペース
101 正面
101a 誘引装置取付開口部
101b 係合孔
102 側面
102a 任意開口部
103 側面
103a 任意開口部
104 背面
104a 粘着シート係合部
105 底面
105a 接合片
105b 係合部
106 底面
106a 接合片
106b 係合部
107 底面フラップ
108 底面フラップ
109 上面
109a 開口部
110 重複部
110a 係合突起
111 上面フラップ
112 上面フラップ
113 接合部
400 粘着シート
500 誘引装置
501 筐体
501a 設置面
501b 傾斜面
502 板ばね
502a ガイド部
503 誘引光照射部
505 リング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7