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特開2023-16009ゲームシステム、ゲームシステムの動作制御方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016009
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムの動作制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230125BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20230125BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20230125BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20230125BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F9/00 512B
A63F13/795
A63F13/80 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109051
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2021119893の分割
【原出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】安倍 悠斗
(72)【発明者】
【氏名】小林 千裕
(72)【発明者】
【氏名】松尾 康平
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信也
(57)【要約】
【課題】抽選結果を用いるゲームにおいて、ユーザの関心を他のユーザに向けさせる。
【解決手段】グループを構成する複数のステーション(13)を含み、複数のステーション(13)で共通の抽選装置(11)の抽選結果を用いたゲームシステム(1)は、抽選結果とグループに属する第1ステーション(13)に対応して設定された第1条件と、に応じて生成される第1情報と、抽選結果と当該グループに属する第2ステーション(13)に対応して設定された第2条件と、に応じて生成される第2情報と、を取得する取得部314と、少なくとも第1情報および第2情報に応じて、第1ステーション(13)への配当を算出する算出部(315)と、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループを構成する複数のステーションを含み、前記複数のステーションで共通の抽選装置または抽選部の抽選結果を用いたゲームシステムであって、
前記抽選結果と前記グループに属する第1ステーションに対応して設定された第1条件と、に応じて生成される第1情報と、
前記抽選結果と前記グループに属する第2ステーションに対応して設定された第2条件と、に応じて生成される第2情報と、
を取得する取得部と、
少なくとも前記第1情報および前記第2情報に応じて、前記第1ステーションへの配当を算出する算出部と、
を含むゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲームシステムの動作制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
1つの抽選部と複数のステーションとで構成されるゲームシステムにおいて、例えばビンゴゲームを実行する場合、当該ビンゴゲームは、自己のステーションに対応して設定されたビンゴシートの配列と、抽選装置による抽選結果とに応じて進行する。このため、複数のステーションを有しながら、自己のステーションでプレイするユーザは、他のステーションでプレイする他のユーザに関心を向けない状況にある。
このため、ユーザへの配当を当該ユーザによるゲームの貢献度に応じて支払うことにより、他のユーザを意識させるゲーム機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6022644号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたゲーム機は抽選装置を有さず、ゲームについても、ユーザによるトラックボールやボタンの操作によって進行する。したがって、特許文献1では、抽選装置による抽選結果を用いるゲームにおいて、他のユーザに関心を向けさせるという点についてなんら開示がない、という事情がある。
以上の事情を考慮して、本発明は、抽選部による抽選結果を用いるゲームにおいて、ユーザの関心を他のユーザに向けさせるゲームシステム等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係るゲームシステムは、グループを構成する複数のステーションと、前記複数のステーションで共通の抽選部とを含み、前記抽選部による抽選結果を用いたゲームシステムであって、前記抽選結果と前記グループに属する第1ステーションに対応して設定された第1条件と、に応じて生成される第1情報と、前記抽選結果と前記グループに属する第2ステーションに対応して設定された第2条件と、に応じて生成される第2情報と、を取得する取得部と、少なくとも前記第1情報および前記第2情報に応じて、前記第1ステーションへの配当を算出する算出部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係るゲームシステムの具体的な構成を例示する平面図である。
図2】ゲームシステムにおける抽選装置の具体的な構成を例示する平面図である。
図3図2おけるa-a線の断面図である。
図4】抽選装置における抽選孔に対する色の割り当てを例示する図である。
図5】ゲームシステムにおける構成を示すブロック図である。
図6】ゲームシステムにおける管理装置の構成を示すブロック図である。
図7】管理装置における制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図8】ゲームシステムにおけるステーションの構成を示すブロック図である。
図9】ステーションにおける制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図10】ゲームシステムにおけるグループの一例を示す説明図である。
図11】ゲームシステムで提供される本ゲームの説明図である。
図12】本ゲームの説明図である。
図13】本ゲームの説明図である。
図14】本ゲームの説明図である。
図15】ステーションの表示装置における画面の一部を示す図である。
図16】本ゲームの説明図である。
図17】本ゲームの説明図である。
図18】本ゲームにおける配当の算出例を示す図である。
図19】本ゲームの動作例を示すフローチャートである。
図20】抽選処理を示すフローチャートである。
図21】第1変形例に係るゲームシステムで提供されるゲームの説明図である。
図22】第2変形例に係るゲームシステムのグループの説明図である。
図23】第3変形例に係るゲームシステムのグループの説明図である。
図24】第4変形例に係るゲームシステムの構成を示す図である。
図25】第5変形例に係るゲームシステムで提供されるゲームの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0008】
<ゲームシステム>
図1は、実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示する平面図である。ゲームシステム1は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲームシステム1は、遊技施設内のユーザ(すなわちプレイヤ)に、抽選ゲームを提供する。
【0009】
ユーザは、遊技媒体を使用することで抽選ゲームをプレイする。遊技媒体は、抽選ゲームにおいて使用される有体または無体の価値媒体である。有体の遊技媒体は、例えばトークンコイン(メダル)、コイン(貨幣)またはチケットである。無体の遊技媒体は、例えば電子メダル、クレジットまたはポイントである。無体の遊技媒体の数量は、例えばICカード等の記録媒体に電子データとして記憶される。ユーザは、遊技媒体の使用により抽選ゲームをプレイし、当該抽選ゲームの進行に応じた数量の遊技媒体を報酬として獲得する。抽選ゲームのプレイのために使用される遊技媒体とユーザに報酬として付与される遊技媒体とは、同種および異種の何れでもよい。遊技媒体の使用は、遊技媒体の投入または消費(あるいはベット)とも換言され、遊技媒体の付与は、遊技媒体の払出とも換言される。
【0010】
なお、ユーザは、抽選ゲームにて使用される遊技媒体を、当該遊技媒体とは別種の価値媒体と引換に取得してもよい。例えばトークンコイン、コイン(貨幣)または電子マネー等の各種の価値媒体の所定量と引換に、ユーザは、抽選ゲームにて使用されるクレジット等の遊技媒体を取得する。以上の説明から理解される通り、抽選ゲームにて使用される遊技媒体と、当該遊技媒体の取得(例えば購入)のために消費される価値媒体と、ユーザに報酬として付与される遊技媒体とは、同種および異種の何れでもよい。
【0011】
図1に例示される通り、実施形態に係るゲームシステム1は、抽選装置11と供給装置12と複数(例えば6台)のステーション13とを含む。
抽選装置11は、抽選体BLを利用した物理抽選を実行する。抽選装置11による抽選結果は、6台のステーション13に供給されてゲームの進行に用いられる。換言すれば、6台のステーション13では、共通の抽選装置11による抽選結果を用いた抽選ゲームが実行される。
抽選装置11は、抽選体BLを利用した物理抽選を実行する。抽選装置11は、鉛直方向からの平面視で概略的には円形状に構成された構造体である。抽選体BLは、例えば球体または多面体等の転動可能な立体物である。以下の説明では、鉛直方向における抽選装置11の中心線を中心とした円の周に沿う方向を「周方向」と表記し、当該円の半径の方向を「径方向」と表記する。
【0012】
図2は、抽選装置11の構成を例示する平面図であり、図3は、図2におけるa-a線の断面図である。図1乃至図3に例示される通り、抽選装置11は、抽選ユニット20と抽選フィールド30とを含む。抽選ユニット20は、水平面内で回転可能に支持された円盤状の構造体である。抽選ユニット20は、例えばモータ等の駆動機構(図示略)により駆動されることで、例えば反時計回りに回転する。抽選フィールド30は、平面視で抽選ユニット20を包囲する円環状の板状部材であり、ゲームシステム1の筐体(図示略)に固定される。抽選フィールド30の表面は、外周縁から内周縁にかけて下降する傾斜面である。
【0013】
抽選ユニット20は、第1抽選盤21と第2抽選盤22と複数の隔壁部23とを含む。第1抽選盤21は、円形状の板状部材であり、第2抽選盤22は、第1抽選盤21を包囲する円環状の板状部材である。複数の隔壁部23は、第2抽選盤22の外周縁に沿って円弧状に延在する構造体である。複数の隔壁部23は、相互に間隔をあけて設置される。各隔壁部23は第2抽選盤22の表面から突出する。第2抽選盤22の表面に対する隔壁部23の高さは、抽選体BLの直径の半分を上回る。したがって、抽選体BLは、基本的には隔壁部23を乗越えられない。
【0014】
複数の隔壁部23の各々は、周方向に沿って複数個、具体的には例えば18個の第1単位部分U1に区分される。すなわち、各隔壁部23にわたり合計18個の第1単位部分U1が周方向に配列する。各第1単位部分U1からみて抽選フィールド30側には第1抽選孔H1が形成される。第1抽選孔H1は、抽選体BLが通過可能な貫通孔である。第1単位部分U1毎に第1抽選孔H1が形成される。以上の説明から理解される通り、相互に間隔をあけて18個の第1抽選孔H1が形成される。18個の第1抽選孔H1は、抽選フィールド30の内周縁に沿って周方向に配列する。
なお、第1単位部分U1の個数および第1抽選孔H1の個数は「18」に限られず、2以上の整数であればよい。また、特に図示しないが、各第1抽選孔H1には、抽選体BLの進入を検出するセンサーが設けられ、当該検出結果が後述する処理制御部に通知される。
【0015】
第1抽選盤21は、周方向に沿って例えば6個の第2単位部分U2に区分される。各第2単位部分U2は平面視で扇形の部分である。6個の第2単位部分U2の各々には第2抽選孔H2が形成される。第2抽選孔H2は、抽選体BLが通過可能な貫通孔である。以上の説明から理解される通り、第1抽選盤21には、相互に間隔をあけて6個の第2抽選孔H2が周方向に配列する。第1抽選盤21の表面には、抽選体BLの方向を不規則に変化させる凹凸(図示略)が形成される。また、第2抽選盤22の表面は、各隔壁部23が設置された外周縁から第1抽選盤21に隣り合う内周縁にかけて下降する傾斜面である。
なお、第2単位部分U2の個数および第2抽選孔H2の個数は「6」に限られず、2以上の整数であればよい。また、特に図示しないが、各第2抽選孔H2には、抽選体BLの進入を検出するセンサーが設けられ、当該検出結果が処理制御部に通知される。
【0016】
図4は、第1単位部分U1(第1抽選孔H1)と第2単位部分U2(第2抽選孔H2)との各々に割り当てられる色を例示する図である。
図に示されるように、18個の第1単位部分U1の各々には、第1色から第6色までの6色のうち、いずれかの1つの色が割り当てられる。第1色から第6色までの色は、例えば次の通りである。すなわち、第1色は赤色(R)であり、第2色は黄色(Y)であり、第3色は緑色(G)であり、第4色は桃色(P)であり、第5色は青色(B)であり、第6色は灰色(Glay)である。
【0017】
図に示されるように、18個の第1単位部分U1には、第1色のRから第6色のGrayまで順序で、反時計回りで1色ずつ繰り返し割り当てられる。換言すれば、各色には3個の第1単位部分U1が割り当てられる。
なお、第1単位部分U1に対する色の割り当ては可変に制御される。詳細については省略するが、第1単位部分U1は、入射光の一部を透過および散乱させる半透明の表面部材と当該表示部材の背面側(例えば鉛直方向の下方)から照明する照明部とを含んで構成される。照明部は、例えば 発光色を変更可能なLED等の光源であり、発光色が第1単位部分U1毎に個別に制御される。このような構成により第1単位部分U1の照明部からの出射光は、当該第1単位部分U1の表示部を透過してユーザに到達する。したがって、ユーザは、照明部からの出射光により、第1単位部分U1に割り当てられた色を知覚する。
第1単位部分U1における照明部の発光色は例えば処理制御部によって割り当てられる。したがって、処理制御部は、第1抽選孔H1のいずれかに抽選体BLが落下すると、落下した第1抽選孔H1に割り当てた色を知ることができる。
【0018】
6個の第2単位部分U2のうち、5個の第2単位部分U2には、第1色から第5色までの5色のうち、いずれか任意の2つの色の組み合わせが割り当てられる。具体的には、当該5個の各第2単位部分U2は、図において内側部分と外側部分とに破線で示されるように区分され、内側部分と外側部分とでは異なる色が割り当てられる。
6個の第2単位部分U2のうち、残りの1個の第2単位部分U2には、特別色が割り当てられる。特別色とは例えば虹(Rbw)であり、他の5個の第2単位部分U2とは明確に区別される。
【0019】
図に示されるように、5個の第2単位部分U2に割り当てられる色を、内側部分/外側部分で区別して表記した場合、特別色の虹色(Rbw)が第2単位部分U2を始点として、反時計回りで、B/P、P/Y、G/R、Y/G、R/Bという順で2色が割り当てられる。換言すれば、第6色を除いた第1色から第5色までの各色には、第2単位部分U2の内側部分で1個が割り当てられ、外側部分で1個割り当てられる。
【0020】
なお、第2単位部分U2の詳細にはついては省略するが、第2単位部分U2は、各部分への入射光の一部を透過および散乱させる半透明の表面部材と当該表示部材の背面側から照明する照明部とを、内側部分と外側部分とに対応して2組有する。内側部分の照明部と外側部分の照明部とは発光色を個別に変更可能なLED等の光源であり、発光色が個別に制御される。2色が割り当てられる第2単位部分U2では、内側部分の照明部による発光色と外側部分の照明部による発光色とが独立して設定される。特別色が割り当てられる第2単位部分U2では、例えば内側部分の照明部による発光色と外側部分の照明部による発光色とが時分割で異なる色で所定の順で繰り返して設定される。
このような構成により、5個の第2単位部分U2の照明部からの出射光は、当該第1単位部分Uの表示部を透過してユーザに到達する。したがって、ユーザは、内側部分の照明部からの出射光と、外側部分の照明部からの出射光とで、第2単位部分U2に割り当てられた2色または特別色を知覚する。
第2単位部分U2における照明部の発光色は例えば処理制御部によって割り当てられる。したがって、処理制御部は、第2抽選孔H2のいずれかに抽選体BLが落下すると、落下した第2抽選孔H2に割り当てた色を知ることができる。
【0021】
図3に例示される通り、第1抽選盤21の表面と第2抽選盤22の表面と抽選フィールド30の表面とにより抽選面Qが構成される。抽選面Qは、抽選体BLが転動する盤面である。抽選面Qは、外周縁(具体的には抽選フィールド30の外周縁)から中心(具体的には第2抽選盤22の中心)にかけて緩やかに下降する傾斜面である。図2および図3に例示される通り、抽選面Qは、第1領域Q1と第2領域Q2とを含む。第1領域Q1は、抽選フィールド30の表面により構成される領域である。前述の通り、抽選フィールド30の内周縁に沿って18個の第1抽選孔H1が配列する。すなわち、第1領域Q1には18個の第1抽選孔H1が形成される。他方、第2領域Q2は、第1抽選盤21の表面と第2抽選盤22の表面とにより構成される領域である。第2領域Q2には6個の第2抽選孔H2が形成される。18個の第1抽選孔H1と6個の第2抽選孔H2とは、抽選ユニット20の回転により周方向に移動する。
なお、図2におけるa-a線は、第2抽選孔H2の中心を通過していないが、図3は、構造を判りやすく説明するため、第2抽選孔H2の中心を通過する断面図としている。
【0022】
以上の説明から理解される通り、第1領域Q1は、第2領域Q2を包囲する環状の領域である。18個の第1抽選孔H1は第1領域Q1の周方向に配列し、6個の第2抽選孔H2は第1領域Q1の周方向に配列する。第1抽選孔H1の個数「18」は第2抽選孔H2の個数「6」を上回る。
【0023】
各隔壁部23は第1領域Q1と第2領域Q2との間に位置する。すなわち、第1領域Q1と第2領域Q2との間における抽選体BLの移動は隔壁部23により阻害される。他方、第1領域Q1と第2領域Q2とは、複数(具体的には3箇所)の連結路24により相互に連結される。各連結路24は、周方向に相互に隣り合う2個の隔壁部23の間に形成される通路である。連結路24の通路幅(すなわち各隔壁部23の間隔)は、抽選体BLの直径を上回る。したがって、抽選体BLは、第1領域Q1から連結路24を通過して第2領域Q2に移動可能である。すなわち、抽選体BLは、図1でいえば経路K2で示されるように、第1領域Q1から第2領域Q2に移動可能である。
【0024】
このように抽選装置11は、抽選面Qと隔壁部23と連結路24とを含む。抽選面Qは、16個の第1抽選孔H1が形成された第1領域Q1と、6個の第2抽選孔H2が形成された第2領域Q2とを含む。
【0025】
図1の供給装置12は、抽選装置11に抽選体BLを、抽選ユニット20の回転方向と逆方向である時計回りの方向に射出して供給する。供給された抽選体BLは、時計回りで転動しながら徐々に抽選フィールド30の内周縁に接近し、16個の第1抽選孔H1の何れかに、経路K1で示されるように侵入する、または、連結路24に、経路K2で示されるように第2領域Q2に進入する。
第2領域Q2に進入した抽選体BLは、第1抽選盤21および第2抽選盤22の表面で転動し、最終的には6個の第2抽選孔H2の何れかに、経路K3で示されるように、進入する。
前述の通り、連結路24の総数「3」は第1抽選孔H1の個数「18」を下回る。したがって、第1領域Q1に供給された抽選体BLが連結路24を通過する確率は、当該抽選体BLが第1抽選孔H1に進入する確率を下回る。すなわち、第1領域Q1に供給された抽選体BLが第2抽選孔H2に進入する確率は、当該抽選体BLが第1抽選孔H1に進入する確率を下回る。
【0026】
このように抽選装置11においては、供給装置12が第1領域Q1に供給した抽選体BLが第1領域Q1において円弧状に移動しながら第1抽選孔H1に進入する様子と、抽選体BLが連結路24を介して第1領域Q1から第2領域Q2に移動する様子と、第2領域Q2に到達した抽選体BLが円弧状に移動しながら第2抽選孔H2に進入する様子とを、ユーザが視認できる。
【0027】
供給装置12によって供給された抽選体BLが、18個の第1抽選孔H1または6個の第2抽選孔H2のいずれかに進入する動作は、進入した抽選孔に対応する単位部分に割り当てられた色を抽選により選択する動作である。
このうち、抽選体BLが、18個の第1抽選孔H1のいずれかに進入した場合には、18個の第1抽選孔H1のいずれかに進入する動作は、当該第1抽選孔H1に対応する第1単位部分U1に割り当てられた単色を抽選により選択する動作である。なお、抽選された単色が第6色の灰色である場合、ゲームシステム1におけるゲームでは「Out」という扱いになる。
【0028】
6個の第2抽選孔H2のいずれかに進入する動作は、当該第2抽選孔H2に対応する第2単位部分U2に割り当てられた2色または特別色を抽選により選択する動作である。なお、2色が抽選された場合、例えば先に内側部分の色に対応した処理が実行され、後に外側部分の色に対応した処理が実行される。特別色が抽選された場合には、SP入賞という扱いになる。
ゲームシステム1では、このような抽選装置11による抽選結果を用いて抽選ゲームが進行する。
【0029】
図1に示された複数のステーション13の各々は、ユーザがゲームをプレイするために使用するユニットであって、当該ゲームの進行を個別に制御するユニットである。複数のステーション13は、抽選装置11を包囲するように周方向に設置される。複数のステーション13において抽選ゲームが並列に進行する。図1に例示される通り、各ステーション13は、受付装置135と表示装置136と操作装置137とを具備する。
【0030】
受付装置135は、例えばトークンコイン等の有体の遊技媒体が投入される投入口と、有体の遊技媒体を報酬として排出する払出口とを具備する(図示略)。ただし、例えば電子メダルまたはクレジット等の無体の遊技媒体をICカード等の記録媒体から読出す読出回路と、無体の遊技媒体を記録媒体に書込む書込回路と、を受付装置135として利用してもよい。
【0031】
表示装置136は、各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の平板型の表示パネルが表示装置136として利用される。例えばゲームの進行や、順位、配当値を表す画像が表示装置136に表示される。
操作装置137は、ユーザによる操作を受付ける。操作装置137は、表示装置136の表示面と一体に構成されてユーザによる接触を検知するタッチパネルである。ただし、ユーザが操作する操作子を操作装置137として利用してもよい。
【0032】
図5は、ゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。図5に示されるように、実施形態に係るゲームシステム1は、管理装置10と、6台のステーション13(図5では一部が省略されている)とを含む。
【0033】
図6は、管理装置10の構成を例示するブロック図である。図6に示されるように管理装置10は、上述した抽選装置11と供給装置12とに加えて、制御装置31と記憶装置32とを具備するコンピュータシステムである。
【0034】
制御装置31は、例えば管理装置10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
【0035】
制御装置31(処理制御部)は、供給装置12を制御することで第1領域Q1に抽選体BLを繰り返し射出して供給させることが可能である。制御装置31は、18個の第1単位部分U1に6色のいずれかを割り当てる動作と、6個の第2単位部分U2のうち、いずれかの5個の各第2単位部分U2に2色を割り当て、残りの1個の第2単位部分U2に特別色を割り当てる動作とが可能である。
【0036】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。
【0037】
図7は、制御装置31の機能的な構成を例示するブロック図である。図7に示されるように、制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで、抽選ゲームを進行させるための複数の要素(処理制御部311、通信部318)として機能する。
【0038】
図8は、ステーション13の構成を例示するブロック図である。6台のステーション13については同一構成なので、任意の1台のステーションについて説明する。図8に示されるように、ステーション13は、上述した受付装置135と表示装置136と操作装置137とに加えて、制御装置131と記憶装置132とを具備するコンピュータシステムである。
【0039】
制御装置131は、例えばステーション13の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、制御装置31と同様に、例えばCPU、GPU、DSP、FPGAまたはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置131が構成される。制御装置131は、ゲームの進行に伴って配当値を算出したり、ゲーム画面の生成をしたりする。
記憶装置132は、制御装置131が実行するプログラムと制御装置131が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。
【0040】
図9は、制御装置131の機能的な構成を例示するブロック図である。図8に示されるように、制御装置131は、記憶装置132に記憶されたプログラムを実行することで、抽選ゲームを進行させるための複数の要素(進行制御部1311、取得部1315、算出部1316および通信部1318)として機能する。なお、制御装置131の一部の機能を管理装置10に搭載してもよい。
【0041】
次に、ゲームシステム1において提供される、抽選装置11による抽選結果を用いた抽選ゲーム(以下「本ゲーム」と表記する)の概要について説明する。
【0042】
図10は、本ゲームにおけるグループの構成例を示す図である。本ゲームは、共通の抽選装置11による抽選結果を用いて、6台の各ステーション13で進行する。本実施形態では、最大6名のユーザによって本ゲームをプレイすることが可能であるが、必ずしも全6台のステーション13においてユーザが参加する必要はない。ユーザが参加していないステーション13では、ユーザに代わって制御装置31における処理制御部311によってゲームの進行条件の一例である移動ルールが設定される。
【0043】
6台のステーション13を区別するために、第1から第6までの序数を「ステーション」の前に付与し、区別しない場合には、単に「ステーション」と表記する。
第1ステーション13から第6ステーション13までには、各ステーションに対応する色として、例えば順に、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、桃(P)、青(B)、紫(V)が割り当てられる。なお、ステーション13に割り当てられる(R)、(Y)、(G)、(P)、(B)は、第1抽選孔H1に割り当てられる色とは無関係である。
【0044】
図11は、本ゲームにおけるゲームフィールドGfの一例を示す図であり、図12は、当該ゲームフィールドGfにおいて6体のキャラクタが配置された例を示す図である。なお、ゲームフィールドGfは、各ステーション13の表示装置136において画面の一部として表示される。ゲームフィールドGfにおける6体のキャラクタは、6台のステーション13と一対一に対応している。
【0045】
図12に示されるように、6体のキャラクタについては、区別のために、第1ステーション13に対応したキャラクタが(R)と表記されている。同様に、第2ステーション13から第6ステーション13までに対応したキャラクタが、順に(Y)、(G)、(P)、(B)、(V)と表記されている。
【0046】
なお、図12は、第1ステーション13の表示装置136で表示されるゲームフィールドGfの一例であり、自台(第1ステーション13)に対応するキャラクタ(R)が一見して判るように、他台(第2ステーション13から第6ステーション13まで)に対応するキャラクタ(Y)、(G)、(P)、(B)、(V)と比較して大きく表示される。特に図示しないが、第2ステーション13の表示装置136で表示されるゲームフィールドGfでは、自台に対応するキャラクタ(Y)が、他機に対応するキャラクタ(R)、(G)、(P)、(B)、(V)と大きく表示されることになる。
【0047】
あるステーションの表示装置136において表示される自台に対応するキャラクタについては、他台に対応するキャラクタと区別できればよいので、大きく表示する態様のほか、自台に対応するキャラクタのみが明滅する態様や、自台に対応するキャラクタにのみ矢印などを付する態様などでもよい。
【0048】
図11に示されるように、ゲームフィールドGfでは、複数のマスが、図において上下の垂直方向および左右の水平方向に沿ってマトリクス状に配列する。ゲームフィールドGfにおける複数のマスは、通常マスMnと特殊マスの一例であるダッシュマスMd1~Md5とを含む。
図11および図12では、複数のマスを特定するために、便宜的に上から下に向かう垂直方向に沿って順に「1」~「12」の数字を付与し、左から右に向かう水平方向に沿って順に「1」~「10」の数字を付与している。
なお、垂直方向で配列する「1」~「12」の数字、および、水平方向で配列する「1」~「10」の数字は、マスを特定するために便宜的に付与したものであり、ゲームフィールドGfを示す画面(後述する図15参照)では表示されない。
【0049】
水平方向を行(カラム)とし、垂直方向を列(ロウ)として、あるマスの位置をi行j列と表記する。iは1以上12以下の整数であり、jは1以上10以下の整数である。例えばゲームフィールドGfにおいて、上端左端のマスは1行1列に位置し、下端右端のマスは12行10列に位置する。
【0050】
上述したようにゲームフィールドGfには、各ステーション13に対応したキャラクタが配置される。各キャラクタは、抽選装置11による抽選結果(色)に応じてゲームフィールドGfを移動する。
第1抽選孔H1または第2抽選孔H2に対応したR、Y、G、PおよびBは、キャラクタの移動に寄与する有効色である。
具体的には、抽選装置11において供給装置12によって供給された抽選体BLがR、Y、G、PまたはBの第1抽選孔H1に進入した場合、進入した第1抽選孔H1に対応した1色に応じてキャラクタを移動させる処理が実行される。
【0051】
第1抽選孔H1に対応したGrayは、キャラクタの移動に寄与しない無効色(Out)である。具体的には、抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入した場合、キャラクタを移動させる処理は実行されない。本実施形態では、本ゲームが開始してから、例えば抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入した回数が「3」になったときに、本ゲームが終了になる。このため、抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入した場合、アウトの回数がアップカウントされる処理が実行される。
【0052】
抽選体BLが、2色が割り当てられた5個の第2抽選孔H2のいずれかに進入した場合、当該2色のうち、時間的に先に、内側部分の1色に応じてキャラクタを移動させ、時間的に後に、外側部分の1色に応じてキャラクタを移動させる処理が実行される。
抽選体BLが、特別色であるRbwの第2抽選孔H2に進入した場合、本ゲームではSP入賞となる。具体的には、抽選結果のRbwは、当該Rbwが抽選された後の、抽選結果に応じたキャラクタの移動量を例えば3回分だけ、Rbwが抽選されない場合と比較して有利となるように変更される。
【0053】
あるステーションに対応したキャラクタが抽選結果に応じてゲームフィールドGfで移動したとき、その移動によって通過したマスが当該キャラクタによって獲得されたことになる。そして当該キャラクタによって獲得されたマスの合計値が、当該キャラクタ(ステーション13)のスコアになる。
ただし、あるキャラクタによって獲得されたマスを、別のキャラクタが通過したとき、当該マスは、当該別のキャラクタによって獲得される。すなわち、複数のキャラクタが同一のマスを、異なった時間で通過したとき、当該マスは、時間的に最も後に通過したキャラクタによって獲得される。このため、一のキャラクタによって獲得されたマスを、他のキャラクタが通過した場合、当該マスは当該別のキャラクタに奪われたことになり、当該一のキャラクタのスコアが減少することになる。
【0054】
なお、抽選結果に応じた移動の結果、複数のキャラクタが同一のマスに到達(または通過)した場合には、例えば当該マスから時間的に後で離れたキャラクタによって当該マスが獲得されたものとする。同一のマスから、複数のキャラクタが同じ抽選結果にしたがって離れた場合には、例えば抽選装置11以外の抽選によって決定してもよいし、所定のルール(例えばスコアが低い方のキャラクタが獲得するルール)によって決定してもよい。
【0055】
図16は、ゲームフィールドGfにおいて、キャラクタが抽選結果(色)に応じて移動するルールを説明するための図である。
本実施形態において、キャラクタの移動ルールは、ユーザによって選択される方向パターンまたはユーザが参加しない場合には処理制御部311によって選択される方向パターンと、方向パターンの各方向に処理制御部311によって割り当てられる色と、によって定められる。
本実施形態において、方向パターンは、図に示されるようにType_1、Type_2およびType_3の3種類がある。
【0056】
このうち、方向パターンType_1は、上下左右の4方向と上下左右のいずれか1方向とが組み合わせられて、各方向に1マスの移動を指定する。なお、図の例では、1方向として下方向を組み合わせた例である。これらの計5方向には、処理制御部311によって有効色の5色が重ならないように割り当てられる。4方向に組み合わせられる1方向についても、処理制御部311によって4方向のなかから任意に選択される。このようにして各方向に色が割り当てものが、キャラクタの移動ルールである。
図16では、方向パターンType_1において、Yが上方向に、RおよびPが下方向に、Bが左方向に、Gが右方向に、それぞれ割り当てられた例である。このような移動ルールに設定されたキャラクタは、ゲームフィールドGfにおいて、抽選結果の色がYであれば上方向に1マス移動し、RまたはPであれば下方向に1マス移動し、Bであれば左方向に1マス移動し、Gであれば右方向に移動する。
【0057】
方向パターンType_2は、上下左右の4方向のうち、3方向に1マスの移動を指定し、残りの1方向に2マスの移動を指定する。なお、図の例では、2マスの移動を指定する方向を下方向とした例である。これらの4方向には、処理制御部311によって有効色の5色のうち任意の4色が重ならないように割り当てられる。2マスの移動を指定する1方向についても、処理制御部311によって4方向のなかから任意に選択される。
図16では、方向パターンType_2において、Yが上方向に1マス、Rが下方向に2マス、Bが左方向に1マス、Gが右方向に1マス、それぞれ割り当てられた移動ルールの例である。このような移動ルールに設定されたキャラクタは、有効色の5色のうち、Pが抽選されると、ゲームフィールドGfを移動しないことになる。
【0058】
方向パターンType_3は、上下左右の4方向のうち、上または下と、左または右との2方向に2マスの移動を指定する。例えば図の(a)は、上および左方向に2マス移動を指定する例であり、(b)は、下および右方向に2マス移動を指定する例である。なお、図示が省略されているが、上および右方向に2マス移動を指定する例や、下および左方向に2マス移動を指定する例もある。したがって、方向パターンType_3には計4態様が存在する。
方向パターンType_3における2方向には、処理制御部311によって有効色の5色のうち任意の2色が重ならないように割り当てられる。4態様のいずれかについては処理制御部311が選択するようにしてもよいし、ユーザが選択するようにしてもよい。
方向パターンType_1、Type_2およびType_3の各方向に割り当てられる色についても、処理制御部311ではなく、ユーザが選択するようにしてもよい。
【0059】
このようにキャラクタに移動ルールが設定されると、当該キャラクタは、原則的には抽選結果の色および移動ルールに基づいて移動する。ただし、当該移動において、キャラクタがダッシュマスMd1~Md5のいずれかに到達または通過したとき、当該キャラクタは、当該ダッシュマスによって所定方向に所定マス数だけスキップする。ダッシュマスMd1~Md5によるスキップ方向は、「>」の関節が向く方向であり、スキップ数は「>」の数で示される。
【0060】
図17は、ダッシュマスMd1~Md5のスキップ方向およびスキップ数を説明するための図である。
キャラクタが抽選結果に応じてダッシュマスMd1に移動または通過したとき、当該ダッシュマスMd1は、当該キャラクタを、スキップ方向である右方向にスキップ数の「1」だけプラスしてスキップさせる。同様に、ダッシュマスMd2~Md5は、キャラクタを、スキップ方向である右方向に順にスキップ数の「2」~「5」だけプラスしてスキップさせる。
図17では、便宜的にダッシュマスMd1~Md5のスキップ方向を右方向に揃えているが、実際には、図11または図12に示されるように、ダッシュマスMd1~Md5は、位置、スキップ数およびスキップ方向について不規則に配置される。
【0061】
ダッシュマスMd1~Md5によってキャラクタがスキップすると、それだけ獲得マス数が増加するので、ダッシュマスMd1~Md5が存在しない場合と比較してスコアが有利になる。
本ゲームにおいて抽選装置11による1回の抽選結果に応じてすべてのキャラクタが移動した後、ダッシュマスMd1~Md5は、時計回りまたは反時計回りに90度回転する構成となっている。
【0062】
なお、キャラクタがダッシュマスMd1~Md5のいずれかによってスキップしたマスが別のダッシュマスである場合がある。この場合、別のダッシュマスに応じてスキップする構成としてもよいが、本実施形態では、ダッシュマスによる無限連鎖を回避するために、ダッシュマスによるスキップは、最初の1回だけ限りとする。なお、無限連鎖が生じないようにダッシュマスMd1~Md5が配置されるのであれば、2回目以降のダッシュマスによって連続してスキップさせる構成としてもよい。
また、ダッシュマスMd1~Md5以外の、他の特殊マスの例については後述する。
【0063】
図11においてゲームフィールドGfには、マトリクスで配列するマスの外枠四辺には複数のトンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rが設けられる。詳細には、10個のトンネルTn_Uが上記外枠上辺の各列に対応して設けられ、10個のトンネルTn_Dが上記外枠下辺の各列に対応して設けられ、12個のトンネルTn_Lが上記外枠左辺の各行に対応して設けられ、12個のトンネルTn_Rが上記外枠右辺の各行に対応して設けられる。
【0064】
図13は、トンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rの機能を説明するための図である。なお、図13では説明を簡易化するためにダッシュマスMd1~Md5が省略されている。
【0065】
同列に位置するトンネルTn_UおよびTn_D同士は繋がっており、キャラクタの通り抜けが可能となっている。図に示されるように、例えば1行2列に位置するキャラクタ(Y)が抽選結果に応じて上方向に1マスだけ移動するとき、当該キャラクタ(Y)の移動先は、12行2列のマスになる。また例えば12行9列に位置するキャラクタ(G)が抽選結果に応じて下方向に1マスだけ移動するとき、当該キャラクタ(G)の移動先は、1行9列のマスになる。
【0066】
同行に位置するトンネルTn_LおよびTn_R同士は繋がっており、キャラクタの通り抜けが可能となっている。例えば3行1列に位置するキャラクタ(P)が抽選結果に応じて左方向に1マスだけ移動するとき、当該キャラクタ(P)の移動先は、3行10列のマスになる。また例えば9行10列に位置するキャラクタ(B)が抽選結果に応じて右方向に1マスだけ移動するとき、当該キャラクタ(B)の移動先は、9行1列のマスになる。
トンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rが存在しない場合、キャラクタの移動が制限されてしまうが、トンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rの存在によって、キャラクタの移動自由度が高められる。
【0067】
図14は、本ゲームの途中段階でのゲームフィールドGfの一例を示す図であり、各キャラクタによって獲得されたマスを示す図である。なお、本ゲームの途中段階とは、抽選フィールド30に投入された抽選体BLが第1抽選孔H1または第2抽選孔H2に進入したことが複数回繰り返された状態であって、かつ、本ゲームが開始してから、抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入した回数が「3」未満である状態にあることをいう。
【0068】
図14では、例えば1行2列のマスが、第4ステーション13に対応したキャラクタ(P)で獲得されたことが示される。なお、当該キャラクタ(P)は、5行5列のマスに位置している。
また、同図では、3行5列のマスが、先に第6ステーション13に対応したキャラクタ(V)に獲得されたが、後に第3ステーション13に対応したキャラクタ(G)の移動によって奪われたことが示される。なお、キャラクタ(V)は3行3列のマスに位置し、キャラクタ(G)は8行6列のマスに位置している。
【0069】
図15は、図14におけるゲームフィールドGfを含み、各種の情報が表示された画面であって、第1ステーション13の表示装置136により表示される画面の一例を示す図である。同図に示されるように、ゲームフィールドGfの左側には領域L1が配置し、ゲームフィールドGfの下側には、左から順に、領域L2、L3、L4が配置する。
【0070】
領域L1では、第1ステーション13から第6ステーション13までに対応した各キャラクタで獲得されたマス数(スコア)が、順位付けされて上から順に表示される。
この表示例では、第1位が自台の第1ステーション13であり、当該第1ステーション13に対応したキャラクタ(R)で獲得されたマス数が「20」であることが示される。第2位は第4ステーション13であり、当該第4ステーション13に対応したキャラクタ(P)で獲得されたマス数が「17」であることが示される。第3位は第2ステーション13であり、当該第2ステーション13に対応したキャラクタ(Y)で獲得されたマス数が「16」であることが示される。第4位は第5ステーション13であり、当該第5ステーション13に対応したキャラクタ(B)で獲得されたマス数が「11」であることが示される。第5位は第3ステーション13であり、当該第3ステーション13に対応したキャラクタ(G)で獲得されたマス数が「10」であることが示される。第6位は第6ステーション13であり、当該第6ステーション13に対応したキャラクタ(V)で獲得されたマス数が「7」であることが示される。
【0071】
なお、領域L1では、マス数を獲得したキャラクタの移動方向および移動数が色に対応付けられて表示されている。例えば、第1位のキャラクタ(R)の方向ルールはType_1であって、移動ルールがRで上方向に、Gで下方向に、Yで左方向に、PまたはBで右方向に、1マスの移動を指定する例である。また、第3位のキャラクタ(Y)の方向ルールはType_3の(a)であって、Pで上方向に、Rで左方向に、2マスの移動を指定する例である。この表示によって、ユーザは、抽選結果(色)によって、すべてのキャラクタがどのように移動するかについて領域L1で知ることができる。
【0072】
領域L2では、第1ステーション13から第6ステーション13までに対応した各キャラクタで獲得されたマス数(スコア)の合計値が表示される。この合計値は、各ステーション13における配当値の基準となる値の1つである。
【0073】
領域L3では、自台である第1ステーション13の配当値の一覧が表示される。本実施形態において、配当値は本ゲームの終了によって確定するが、領域L3では、表示時点の配当値以外の値も表示される。
【0074】
図18は、本ゲームにおける配当の算出方法を説明するための図である。
まず、スコア合計値の範囲に応じた配当基本値(P)が定められる。図の例において配当基本値(P)は、スコア合計値が79未満であれば「125」であり、スコア合計値が80以上89未満であれば「250」であり、スコア合計値が90以上99未満であれば「500」であり、スコア合計値が100以上であれば「1250」である。
なお、この配当基本値(P)は、抽選開始前に入力された遊技媒体使用数(ベット数)に比例する。したがって、例えば遊技媒体使用数(ベット数)が2倍であれば、配当基本値(P)も2倍になる。
【0075】
第1ステーション13に対する配当値は、配当基本値(P)に、順位に応じた倍率(Q)を乗じた値である。図の例において倍率(Q)は、第1位であれば「5」であり、第2位であれば「2」であり、第3位以下であれば「1」である。
なお、図15は、第1ステーション13における表示装置136の表示例であり、第1ステーション13に対応するキャラクタ(R)のスコアは「20」であって、現時点で第1位である。このため、現時点における第1ステーション13への配当値は、スコア合計値の「81」に対応する配当基本値(P)の「250」に、第1位に対応する倍率(Q)の「5」を乗じた「1250」になる。
【0076】
図15に示されるように領域L3では、第1ステーション13において、スコア合計値の5通りと、現時点における順位の3通りと、の組み合わせで定まる15通りの配当値が当該第1ステーション13における算出部1316によって算出されて表示される。
詳細には、スコア合計値の5通りとは、現時点のスコア合計値、その前後値、次段階に含まれるスコア合計値の最低値、および、最高段階に含まれるスコア合計値の最低値である。現時点のスコア合計値が「81」であるから、その前後値は「80」および「82」であり、次段階に含まれるスコア合計値の最低値は「90」になる。最高段階に含まれるスコア合計値の最低値は「100」である。
また、順位の3通りとは、第1位、第2位、第3位以下の3つである。
【0077】
領域L3における枠L31は、現時点の順位に対応する配当値の5通りを囲む。現時点では、第1ステーション13の順位は第1位であるから、枠L31は、第1位に対応したスコア合計値の5つの配当値を囲む。仮に、第1ステーション13の順位が第1位から第2位に転落した場合、枠L31は、下に1行シフトする。
枠L32は、現時点のスコア合計値に対応する配当値の3通りを囲む。現時点では、スコア合計値が「81」であるから、枠L32は、「81」に対応した順位の3つの配当値を囲む。仮に、次の抽選によってスコア合計値が「82」に増加した場合、枠L32は、右に1列シフトする。
現時点においてスコア合計値は「81」であり、第1ステーション13の順位は第1位であるから、当該第1ステーション13への配当値の「1250」は、枠L31と枠L32との交差部分で示される。
【0078】
このような配当値の表示によれば、第1ステーション13のユーザは、現時点におけるスコア合計値および順位に応じた配当値のみならず、スコア合計値または/および順位が変動した場合の配当値、さらには、スコア合計値が次段階に到達した場合の配当値、スコア合計値が最高段階に到達した場合の配当値を知ることができる。このため、ユーザは、現時点以降における抽選装置11の抽選結果で、どのように配当値が変動するのかの目安を得ることができる。
【0079】
なお、他のステーション13においても、スコア合計値と、自己の順位と、当該ステーション13における遊技媒体使用数とに基づいて、当該他のステーション13における算出部1316が配当値およびその一覧を算出する。これにより、他のステーション13の表示装置136における領域L3においても、当該他のステーション13における配当値とその一覧が表示される。
例えば第2ステーション13では、キャラクタ(Y)によるスコアが「16」であり、第3位であるから、例えば第2ステーション13における遊技媒体使用数が第1ステーション13における遊技媒体使用数の2倍であれば、図15の領域L3で表示された各配当値の2倍になり、枠L32の位置はスコア合計値「81」で変わらず、枠L31が2行下にシフトすることになる。
【0080】
次に、本ゲームの処理の手順について図19および図20を参照して説明する。図19は、本ゲームについて処理制御部311、進行制御部1311、取得部1315、算出部1316が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
まず、本ゲームでは、抽選の開始前に、管理装置10における処理制御部311が一定時間(例えば1分間)の期間にユーザの参加を受け付ける(ステップS10)。具体的には、処理制御部311は、各ステーション13に参加の受付許可を、通信部318を介して送信する。各ステーション13において、通信部1318を介して受付許可を受信した進行制御部1311は、ユーザに参加を促す画面を、表示装置136に表示させる。
【0081】
ステーション13において、ユーザが遊技媒体を消費し、操作装置137を操作して本ゲームに参加する旨を入力すると、進行制御部1311は、キャラクタの方向パターンの選択を促す画面を、表示装置136に表示させる。ユーザが操作装置137を操作して、方向パターンType_1、Type_2、Type_3のいずれかを選択した場合には、選択した方向パターンを示す情報が進行条件の一例として、通信部1318を介し管理装置10に送信される。
なお、進行条件の一例として方向パターンを示す情報のほか、ユーザが参加する旨の情報、遊技媒体の消費数の情報、および、ユーザが参加受付の操作をしたステーション13の識別子が、管理装置10には送信される。
【0082】
管理装置10において処理制御部311は、参加の受付開始から一定時間経過したか否かを判定する(ステップS20)。一定時間経過していないと判定すれば(ステップS20の判定結果が「No」であれば)、処理制御部311は、処理手順をステップS10に戻して、ステップS10を循環する。
【0083】
一定時間経過したと判定すれば(ステップS20の判定結果が「Yes」になれば)、管理装置10における処理制御部311は、設定処理等を実行する(ステップS30)。詳細には、処理制御部311は、ユーザが参加したステーション13に対応するキャラクタの方向パターンの各方向に、色を割り当てて、当該キャラクタの移動ルールを設定する。また、方向パターンとしてType_1またはType_2が選択されている場合、処理制御部311は、プラス1方向と、当該プラス1方向に割り当てる色についても抽選による選択で割り当てて、当該キャラクタの移動ルールを設定する。
なお、6台のステーション13のうち、ユーザが参加しないステーション13が発生した場合、処理制御部311は、ユーザの代わりに、ユーザが参加していないステーション13に対応したキャラクタの移動ルールを設定する。詳細には、処理制御部311は、当該ステーション13に対応したキャラクタの方向パターンを抽選し、当該方向パターンで定められる各方向に抽選結果の色を抽選して、キャラクタの移動ルールを設定する。
【0084】
このようにして、処理制御部311は、第1ステーション13から第6ステーション13までの全6体のキャラクタについて移動ルールを設定すると、当該移動ルールを各ステーション13の進行条件の一例として、キャラクタ(ステーション13)の識別子と紐付けて各ステーション13に向けて配信する。
各ステーション13において進行制御部1311は、全6体のキャラクタについて設定された移動ルールを、通信部1318を介して受信する。これにより、各ステーション13では、自台のみならず、他台の進行条件として、具体的には各ステーション13に対応するキャラクタの移動ルールを、知ることができる。
【0085】
本ゲームでは、少なくとも1人のユーザが1台にステーション13で参加していれば、他のステーションでユーザが参加していなくても、6体のキャラクタの移動ルールが設定される。
このようにステップS30では、各ステーション13における進行条件を設定する処理や、設定した進行条件を各ステーションに配信する処理が実行される。また、ステップS30では各種の情報をゼロにリセットする処理も実行される。
【0086】
なお、以下においては、少なくとも1人のユーザが第1ステーション13にて本ゲームに参加しているものとして説明する。他の第2ステーション13から第6ステーションまでについては、ユーザが参加している、あるいは、処理制御部311がユーザに代わって移動ルールを設定した、かは問われない。
また、6台のステーション13のすべてにおいて一定期間内にユーザが参加しない場合、処理制御部311は、デモモードに移行して、いずれかのステーション13にユーザが参加するまで、本ゲームの概要を説明するデモストレーションを実行する。
【0087】
管理装置10において、処理制御部311が、全6体のキャラクタについて移動ルールを各ステーション13に送信すると、抽選処理が実行される(ステップS40)。抽選処理の詳細については図20を参照して後述するが、管理装置10において抽選装置11による抽選が実行されて、当該抽選結果を示す情報が各ステーション13に送信され、各ステーション13では、抽選結果に応じて6体のキャラクタを移動させる等の処理が、終了条件を充足するまで繰り返される処理である。この抽選処理には、キャラクタの移動に伴うスコアや、各ステーション13における配当値の表示などの表示処理などが含まれる。
【0088】
ステップS40における抽選処理が終了した場合、処理制御部311は、本ゲームに参加したユーザのステーション13に対し、本ゲームの結果に応じた配当値を確定する確定処理を実行させる(ステップS50)。なお、この確定処理には、確定した配当値に相当する遊技媒体を、ユーザの操作に応じて払出す、または、クレジットに加算する処理が含まれる。
【0089】
なお、抽選処理が終了した場合、処理制御部311は、ゲームの結果に応じて、音によるファンファーレや、光によるイルミネーションなどの演出をしてもよいし、抽選装置11を用いて別のゲームに移行してもよいし、ステップS10に戻して再び本ゲームの受付を開始しても良い。
【0090】
図20は、図19における抽選処理の一例を示すフローチャートである。処理の手順が図19におけるステップS40に至ると、管理装置10における処理制御部311と、各ステーション13における取得部1315、算出部1316とは、図20で示される抽選処理を実行する。
まず、処理制御部311は、供給装置12に1つの抽選体BLを抽選フィールド30に供給する旨を指示する(ステップS401)。
【0091】
上述したように抽選フィールド30に供給された抽選体BLは、外側における24個の第1抽選孔H1、または、内側におかる6個の第2抽選孔H2のいずれかに進入する。
抽選体BLが、24個の第1抽選孔H1のうち、3個のGrayの第1抽選孔H1のいずれかに進入した場合が「Out」であり、残りの18個の第1抽選孔H1のいずれかに進入した場合が、キャラクタを移動ルールにしたがって移動する。抽選体BLが、6個の第2抽選孔H2のうち、5個の2色の第2抽選孔H2のいずれかに進入した場合、当該2色について、キャラクタを移動ルールにしたがって順に移動し、1個の、特別色であるRbwの第2抽選孔H2に進入した場合、SP入賞となる。このような、抽選体BLの進入に応じた処理を処理制御部311が、以下のステップS402~S416およびS418で実行する。
【0092】
処理制御部311は、まず、抽選体BLが外側の第1抽選孔H1のいずれかに進入したか否かを判定する(ステップS402)。
抽選体BLが第1抽選孔H1のいずれかに進入したと判定した場合(ステップS402の判定結果が「Yes」である場合)、さらに、処理制御部311は、当該進入した第1抽選孔H1がGrayの第1抽選孔H1であるか否かを判定する(ステップS403)。
抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入したと判定した場合(ステップS403の判定結果が「Yes」である場合)、処理制御部311は、Out数をアップカウントする(ステップS404)。
なお、Out数は、抽選開始前の例えばステップS30における設定処理でゼロにリセットされる。このため、現時点におけるOut数は、抽選処理の開始から抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入した累計回数を示すことになる。また、ステップS404において、処理制御部311が、抽選体BLの進入により「Out」になったことを示す演出の実行を指示してもよい。
【0093】
次に、処理制御部311は、回数Bspが「0」であるか否かを判定する(ステップS405)。回数Bspは、抽選開始前の例えばステップS30における設定処理でゼロにリセットされ、特別色であるRbwの第2抽選孔H2に進入すると(SP入賞すると)、後述するステップS416において「3」だけ加算され、以降、抽選体BLが供給される毎に「1」だけ減じられる。
したがって、回数Bspは、SP入賞後に抽選体BLの投入された回数を示すので、回数Bspが「0」であれば、非SP入賞状態であり、回数Bspが「0」以外の値(自然数)であれば、SP入賞状態であることを示す。
【0094】
なお、ステップS405は、抽選体BLがGrayの第1抽選孔H1に進入して「Out」になったことを前提としている。このため、回数Bspが「0」以外の値であれば(ステップS402の判定結果が「No」であれば)、処理制御部311は、SP入賞状態であるものの回数Bspを「1」だけ減じるのみであり(ステップS406)、各ステーション13においてキャラクタを移動させるための処理(後述するステップS417)をスキップさせて、処理手順を、終了条件を判定するステップS418に移行させる。
なお、回数Bspが「0」であれば(ステップS402の判定結果が「Yes」であれば)、すなわち、非SP入賞状態であれば、処理制御部311は、ステップS417の処理をスキップさせて、処理手順をステップS418に移行させる。
【0095】
ステップS403の判定結果が「No」である場合とは、当該抽選体BLが、Gray以外の有効色の第1抽選孔H1のいずれかに進入した場合である。この場合、処理制御部311は、回数Bspが「0」であるか否かを判定して(ステップS407)、非SP入賞状態であるか否かを判定する。回数Bspが「0」であれば(ステップS407の判定結果が「Yes」であれば)、非SP入賞状態である。このため、処理制御部311は、各ステーション13に、現時点が非SP入賞状態であることを示す情報、および、進入した第1抽選孔H1の色の情報を、送信する(ステップS408)。
この後、処理手順はステップS417に移行するが、このステップS417は、各ステーション13で実行される処理なので、管理装置10における処理制御部311の処理手順としては、ステップS418に移行することになる。
【0096】
回数Bspが「0」でなければ(ステップS407の判定結果が「No」であれば)、SP入賞状態であるので、処理制御部311は、各ステーション13に、現時点がSP入賞状態であることを示す情報、および、進入した第1抽選孔H1の色の情報を、送信する(ステップS409)。
この後、処理制御部311は、回数Bspを「1」だけ減じて(ステップS410)、処理手順がステップS417に移行するが、処理制御部311の処理手順としては、ステップS418に移行することになる。
【0097】
なお、ステップS408またはS409において、抽選体BLが進入した第1抽選孔H1の色を音声合成で読み上げる演出をしてもよい。例えば抽選体BLがYの第1抽選孔H1に進入したならば、処理制御部311が「イエロー」と音声で出力するような演出を指示してもよい。
【0098】
ステップS402の判定結果が「No」である場合とは、抽選体BLが、連結路24を介して第2抽選孔H2のいずれかに進入した場合である。この場合、処理制御部311は、抽選体BLが、6個の第2抽選孔H2のうち、特別色のRbwが割り当てられた1個の第2抽選孔H2に進入したか否かを判定する(ステップS411)。
抽選体BLが、特別色のRbwが割り当てられた1個の第2抽選孔H2に進入していなければ(ステップS411の判定結果が「No」であれば)、処理制御部311は、回数Bspが「0」であるか否かを、すなわち非SP入賞状態であるか否かを判定する(ステップS412)。回数Bspが「0」であれば(ステップS412の判定結果が「Yes」であれば)、非SP入賞状態で、2色の第2抽選孔H2のいずれかに進入した場合である。
このため、処理制御部311は、各ステーション13に、現時点が非SP入賞状態であることを示す情報、および、進入した第2抽選孔H2の2色の情報を、内側部分と外側部分とで区別して送信する(ステップS413)。この後、処理手順がステップS417に移行するが、処理制御部311の処理手順としては、ステップS418に移行することになる。
【0099】
抽選体BLが、特別色のRbwが割り当てられた1個の第2抽選孔H2に進入していない場合であって、回数Bspが「0」でない場合(ステップS412の判定結果が「No」である場合)、SP入賞状態で、2色の第2抽選孔H2のいずれかに進入した場合である。このため、処理制御部311は、各ステーション13に、現時点がSP入賞状態であることを示す情報、および、進入した第2抽選孔H2の2色の情報を、内側部分と外側部分とで区別して送信する(ステップS414)。この後、処理制御部311は、回数Bspを「1」だけ減じて(ステップS415)、処理手順がステップS417に移行するが、処理制御部311の処理手順としては、ステップS418に移行することになる。
【0100】
なお、ステップS413またはS414において、抽選体BLが進入した第2抽選孔H2の色を音声合成で順次読み上げる演出をしてもよい。例えば抽選体BLがY/Gの第2抽選孔H2に進入したならば、処理制御部311が「イエロー」「グリーン」と音声で出力するような演出を指示してもよい。
【0101】
抽選体BLが、連結路24を介して、特別色のRbwが割り当てられた1個の第2抽選孔H2に進入した場合(ステップS411の判定結果が「Yes」である場合)、処理制御部311は、回数Bspを「3」だけ加算する(ステップS416)。非SP入賞状態であれば、この加算によってSP入賞状態に移行し、既にSP入賞状態であったならば、この加算によってSP入賞状態の継続数が増加する。
また、特別色のRbwが割り当てられた第2抽選孔H2への進入を示す演出をして、当該演出を、回数Bspが「0」になるまで継続してもよい。
【0102】
ステップS408、S409、S413またはS414において、現時点の入賞状態を示す情報、および、進入した第1抽選孔H1または第2抽選孔H2の2色の情報が送信されると、これの情報を受信した各ステーション13では、進行制御部1311、取得部1315および算出部1316が次のような処理を実行する(ステップS417)。
具体的には、各ステーション13では、進行制御部1311が、抽選結果である色に応じて、全6体のキャラクタに設定された移動ルールを適用し、入賞状態を考慮しつつ、ゲームフィールドGfでの移動情報をキャラクタ毎に生成する。
進行制御部1311は、キャラクタを、移動ルールで定められた方向に、非SP入賞状態であれば当該移動ルールで定められたマス数だけを移動させる。また、進行制御部1311は、キャラクタを、移動ルールで定められた方向に、SP入賞状態であれば当該移動ルールで定められたマス数の2倍だけを移動させる。したがって、SP入賞状態であれば、形式的にみて、移動ルールにおける移動マス数が2倍に変更されたとみなしてもよい。進行制御部1311は、キャラクタを移動させるに際し、ダッシュマスDm1~Dm5とトンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rとを考慮する。
【0103】
なお、進行制御部1311が生成するキャラクタ毎の移動情報とは、キャラクタが、移動に伴って、どのマスを獲得したのか(どのマスが他のキャラクタが奪われたのか)、獲得したマス数(スコア)、キャラクタの順位などを示す情報であって、図15に示されるような画面を表示させるために必要となる情報である。
キャラクタ毎に生成される移動情報のうち、抽選結果である色に応じて、第1ステーション13に対応するキャラクタ(R)の移動ルールを適用し、当該キャラクタ(R)が移動したことによるスコア情報が第1情報の一例であり、抽選結果である色に応じて、第2ステーション13に対応するキャラクタ(Y)の移動ルールを適用し、当該キャラクタ(Y)が移動したことによるスコア情報が第2情報の一例である。
本ゲームにおいて、第1ステーション13の配当値は、詳細にはスコア合計値、順位および遊技媒体使用数に応じて算出部1316によって算出される。このうち、スコア合計値は、第1ステーション13のスコアから第6ステーション13のスコアまでの和であるから、少なくとも第1ステーション13のスコアおよび第2ステーション13のスコアを含むことになる。
【0104】
各ステーション13では、算出部1316が、転送された情報に基づいて、自台のステーション13の配当値を、スコア合計値、当該ステーション13の順位および遊技媒体使用数に基づいて、図18を参照して説明したように算出する。算出部1316は、スコア合計値または/および順位が変動した場合の配当値についても算出する。
各ステーション13では、表示装置136が、進行制御部1311によって生成されたキャラクタ毎の移動情報に基づいて、図15に示されるようなゲームフィールドGfの画面を表示する。また、表示装置136では、領域L1において各キャラクタのスコアが、順位付けされて上から順に表示され、領域L2においてスコア合計値が表示される。領域L3において算出部1316によって算出された配当値の一覧、詳細には、当該ステーション13において現時点での配当値と、スコア合計値または/および順位が変動した場合の配当値との一覧が表示される。
【0105】
ステップS405、S406またはS417の後、管理装置10において処理制御部311は、終了条件を充足しているか否かを判定する(ステップS418)。本実施形態において終了条件は、抽選開始から「Out」の第1抽選孔H1に進入した累計回数が「3」となることである。当該累計回数はOut数で示されるので、処理制御部311は、具体的にはOut数が「3」であるか否かを判定する。
Out数が「3」未満であれば(ステップS418の判定結果が「No」であれば)、処理制御部311は、処理手順をステップS401に戻し、抽選体BLを抽選フィールド30に供給させて、抽選を繰り返す。
Out数が「3」であれば(ステップS418の判定結果が「Yes」であれば)、処理制御部311は、本ゲームによる抽選が終了することになり、配当値を確定させ、払い戻し等をするために、処理手順をステップS50(図19)に移行させる。
【0106】
本実施形態に係るゲームシステム1において、ユーザが第1ステーション13で参加しているのであれば、当該第1ステーション13に対応したキャラクタ(R)が、抽選装置11による抽選結果の色と当該第1ステーションに設定された移動ルールとに応じてマスが配列するゲームフィールドGfを移動する。第2ステーション13に対応したキャラクタ(Y)についても、抽選装置11による抽選結果の色と当該第2ステーションに設定された移動ルールとに応じてゲームフィールドGfを移動する。他のステーション13に対応したキャラクタ(G)、(P)、(B)、(V)についても同様にゲームフィールドGfを移動する。各ステーションのスコアは、対応するキャラクタの移動に伴って獲得されたマス数であるが、第1ステーションへの配当値は、全キャラクタによるスコア合計値を基礎として算出される。このため、ゲームシステム1によれば、第1ステーションでプレイするユーザの関心を、他のステーションでプレイするユーザに向けさせることができる。
【0107】
ゲームシステム1において、第1ステーションへの配当値は、全キャラクタによるスコア合計値と当該第1ステーションのスコア順位とに応じて算出される。このため、ゲームシステム1によれば、第1ステーションでプレイするユーザに、他のステーションでプレイするユーザとの競争を意識させることができる。
【0108】
また、ゲームシステム1では、抽選体BLがRbwの第2抽選孔H2に進入すると、以後における3回の抽選において、全キャラクタの移動マス数が、「Out」の第1抽選孔H1に進入した場合を除き、2倍になる。このため、スコア合計値は、抽選体BLがRbwの第2抽選孔H2に進入しない場合と比較して増加するので、ユーザの期待感を膨らませることができる。
【0109】
また、管理装置10は、抽選開始後では、抽選装置11による抽選結果を各ステーション13に送信した後、終了条件を充足するか否かを判定するだけであり、抽選結果に応じたキャラクタの移動、配当値算出、および、それらの表示処理は、各ステーション13で個別に実行される。したがって、ゲームシステム1では、管理装置10が各ステーション13における移動、算出、表示処理を統括して実行する構成と比較して、管理装置10の処理負荷を低く抑えることできる。
【0110】
<変形例>
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0111】
<第1変形例>
実施形態では、ゲームフィールドGfには、ゲームフィールドGfには、マスの配列領域における外枠四辺には複数のトンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rが設けられたが、図21に示されるようにトンネルを廃止して、通り抜けができない構成としてもよい。
なお、トンネルTn_U、Tn_D、Tn_L、Tn_Rが設けられない場合、例えばType_3の方向パターンで上方向および左方向のみが設定されたキャラクタが1行1列に位置してしまった場合、以降において抽選結果に応じた移動が不可能になってしまう、という事態が想定される。このため、抽選開始前の受付期間において、ユーザに、トンネルを設ける構成またはトンネルを設けない構成のいずれかを選択させる、あるいは、上記の方向パターンの選択においてユーザに戦略を考慮させることができる。
【0112】
<第2変形例>
実施形態では、1つのグループを構成するステーションの台数が、ゲームシステム1を構成するステーション13の台数と一致している場合を例にとって説明したが、一致しなくてもよい。例えば、ゲームシステム1を構成するステーション13の台数が、1つのグループを構成するステーションの台数よりも多い場合には、グループを複数に分けてもよい。
具体的には、ステーション13の台数が「12」であれば、第1ステーション13から第6ステーション13までを第1グループとし、第7ステーション13から第12ステーション13までを第2グループとして、各グループにおいて、本ゲームを、共通の抽選装置11の抽選結果を用いて独立して実行してもよい。
すなわち、第1グループでは、第1ステーション13から第6ステーション13までのスコア合計値が算出され、第2グループでは、第7ステーション13から第12ステーション13までのスコア合計値が算出され、各グループでは、各グループのスコア合計値に基づいて配当値が算出される。
【0113】
また、ステーション13の台数が「8」であれば、例えば図22に示されるように、第1ステーション13から第6ステーション13までを第1グループとし、第3ステーション13から第8ステーション13までを第2グループとして、各グループにおいて、本ゲームを、共通の抽選装置11の抽選結果を用いて独立して実行してもよい。
なお、この構成では、第3ステーション13から第6ステーションまでは第1グループおよび第2グループの双方に属することになる。第1グループでは、第1ステーション13から第6ステーション13までのスコア合計値が算出され、第2グループでは、第3ステーション13から第8ステーション13までのスコア合計値が算出されて、各グループでは、各グループのスコア合計値に基づいて配当値が算出される。双方のグループに属するステーションにおいてユーザが参加する場合、抽選開始前の受付期間において、ユーザに、第1グループまたは第2グループのいずれに属するのかを選択させる選択する構成としてもよい。
【0114】
<第3変形例>
実施形態では、同一の遊技施設に設けられた6台のステーション13でグループを構成したが、別の遊技施設における別のステーション13をグループに加えてもよい。
例えば図23に示されるように、遊技施設Aにおける第1ステーション13から第5ステーション13までの5台と、遊技施設Bにおける別ステーション13とで1つのグループを構成してもよい。
【0115】
この構成において、遊技施設Aにおける第1ステーション13から第5ステーションまでにおけるゲームの進行については、当該遊技施設Aにおける抽選装置11が用いられる。具体的には、第1ステーション13から第5ステーションまでの各ステーション13では、当該第1ステーション13のキャラクタに設定された移動ルールから当該第5ステーション13のキャラクタに設定された移動ルールまで、および、遊技施設Bにおける別ステーション13のキャラクタに設定された移動ルールを、当該遊技施設Aにおける抽選開始までに受信しておく。
そして、第1ステーション13から第5ステーションまでの各ステーション13では、当該遊技施設Aにおける抽選結果の色に応じて、第1ステーション13のキャラクタから、第5ステーション13のキャラクタまで、および、別ステーション13のキャラクタについて、各移動ルールを適用してゲームフィールドGfを移動させる。
【0116】
一方、遊技施設Bにおける別ステーション13におけるゲームの進行については、当該遊技施設Bにおける抽選装置11が用いられる。具体的には、別ステーション13では、当該第1ステーション13のキャラクタに設定された移動ルールから当該第5ステーション13のキャラクタに設定された移動ルールまで、および、自己の別ステーション13のキャラクタに設定された移動ルールを、当該遊技施設Bにおける抽選開始までに受信しておく。そして、別ステーション13では、当該遊技施設Bにおける抽選結果の色に応じて、第1ステーション13のキャラクタから第5ステーション13のキャラクタまで、および、自己の別ステーション13のキャラクタについて、各移動ルールを適用してゲームフィールドGfを移動させる。
具体的には、遊技施設Bにおける別ステーション13では、進行制御部1311(図23において省略)は、第1ステーション13から第5ステーション13までのキャラクタの移動に伴う情報、および、自己の別ステーション13のキャラクタの移動に伴う情報を生成する。なお、別ステーション13に対応するキャラクタの移動に伴って生成される各種の情報が別情報の一例である。
【0117】
このような構成によれば、遊技施設Aにおける第1ステーション13から第5ステーションまでにおいては、各キャラクタの移動ルールについて、遊技施設Aにおける抽選開始までに受信すれば、遊技施設Bにおける抽選とは無関係にゲームを進行させることができる。
同様に、遊技施設Bにおける別ステーション13においては、各キャラクタの移動ルールについて、遊技施設Bにおける抽選開始までに受信すれば、遊技施設Aにおける抽選とは無関係にゲームを進行させることができる。
【0118】
なお、各キャラクタに設定された移動ルールについては、例えばクラウド上のおけるサーバに記憶して、サーバから各キャラクタに設定された移動ルールを取得するようにしてもよい。
【0119】
例えばユーザが参加するステーション13だけでグループを構成して本ゲームを実行しようとする場合、6台のステーション13のすべてにユーザが参加するのが困難なケースが多い。これに対して、図23に示される構成では、遊技施設が異なる別ステーション13での参加を可能になるので、同じ遊技施設のステーション13だけでグループを構成する場合と比較して、本ゲームの実現が容易になる。
【0120】
このように本ゲームでは、1または2以上のグループを様々な態様で構成することが可能である。
【0121】
<第4変形例>
図24は、第4変形例に係るゲームシステムの構成を示す図である。抽選装置11および供給装置12については、同一の遊技施設に設けられる必要はなく、同図で示されるように、ネットワークNを介して接続され、かつ、遊技施設とは別の地点のセンター17に設けられる構成としてもよい。
この構成では、複数の遊技施設において、センター17の抽選装置11および供給装置12で共用する構成としてもよい。
なお、このような構成において、センター17に設けられる抽選装置11の抽選映像が例えば各ステーション13において表示される態様が好ましい。
【0122】
抽選装置11は、物理的な機構によるものではなく、例えば抽選装置を模したコンピュータグラフィックを用いた仮想的な抽選部であってもよい。また、抽選装置11または抽選部は、図4に示されるものに限られず、第1抽選孔H1または第2抽選孔H2が同様な確率で抽選されるものであればよい。例えば第1抽選孔H1および連結路24の面を有する第1サイコロで抽選し、第1サイコロにおいて連結路24が抽選されたならば、第2抽選孔H2を模した第2サイコロで抽選するという構成でもよい。
【0123】
<第5変形例>
図25は、第5変形例におけるゲームフィールドGfの一例を示す図である。この図に示される第5変形例では、ダッシュマスMd1~Md5以外の特殊マスとして、禁止マスMiが設けられた例である。
図において、禁止マスMiは、4行2列の位置に設けられ、キャラクタの移動(通過)を禁止するマスである。例えば、キャラクタが3行2列に位置した場合、下方向への移動が禁止され、上、左または右方向への移動のみ可能になる。また例えばキャラクタが4行3列に位置した場合、左方向への移動が禁止され、上、下または右方向への移動のみ可能になる。また、禁止マスの別態様としては、特定の一方向のみの移動を禁止とする一方通行マスなどが考えられる。
なお、ゲームフィールドGfにおいて、禁止マスは、1個に限られず、複数個設けてもよい。
【0124】
<第6変形例>
実施形態では、抽選開始前に、管理装置10が各キャラクタに設定された移動ルールを各ステーション13に配信し、抽選開始後では、管理装置10が抽選結果を示す情報を各ステーション13に送信する一方、各ステーション13が、当該抽選結果に応じたキャラクタの移動や、スコアの算出、配当値の算出などを個別に実行する構成としたが、このような構成に限られない。
例えば、ステーション13の機能の一部を管理装置10に搭載してもよい。具体的には、管理装置10が、抽選結果に応じたキャラクタの移動や、スコアの算出、配当値の算出などをステーション13毎に実行して、各ステーション13に配信する構成としてもよい。
また例えば、管理装置10の一部をステーション13に搭載してもよい。具体的には、複数台のステーション13同士が通信して、各キャラクタに設定された移動ルールを取得し、いずれかの1つのステーション13が抽選装置11および供給装置12を制御して抽選結果を示す情報を取得して、当該情報を他のステーション13に配信する構成としてもよい。
【0125】
<第7変形例>
実施形態では、抽選開始前の受付期間において遊技媒体の消費数設定や、キャラクタの方向パターンの選択のみ可能であったが、抽選開始後において、キャラクタの方向パターンや、方向に対応する色などを変更可能としてもよい。抽選開始後において方向パターンや、方向に対応する色などを変更した場合に、その変更内容を示す情報がステーション13から管理装置10に送信され、管理装置10は、当該変更されたキャラクタの移動ルールを各ステーション13に送信する。このため、各ステーション13では、以後において進行制御部1311が、変更後の内容で当該キャラクタの移動に関する情報を生成する。
また、配当値については、本ゲーム終了後ではなく、本ゲームの途中段階における配当値、具体的には枠L31およびL32の交差で示される配当値を、ユーザに払出す、または、クレジットに加算する構成としてもよい。
なお、あるユーザが本ゲームの途中段階で配当値をユーザに払い出す等しても、当該ユーザに対応するキャラクタの移動を、抽選結果の色に応じて継続させる構成とすれば、他のユーザにとってみれば、スコア合計値、および、順位に影響を及ぼすことはない。
【0126】
<第8変形例>
実施形態では、本ゲームの終了条件を、抽選開始から「Out」の第1抽選孔H1に進入した累計回数が「3」となることとしたが、他の内容であってもよい。例えば、抽選体BLの供給回数が所定回数(20回)になったことや、抽選体BLが「Out」の第1抽選孔H1に連続して所定回数(例えば3回)に進入したこと、などであってもよい。
【0127】
<第9変形例>
方向パターンのType_1、Type_2、Type_3に、例えば順にウサギ、ネコ、トリなどの動物を関連付け、いずれかの動物をユーザの選択に応じて設定してもよい。すなわち、方向パターンを、ウサギなどの動物を介して間接的に、ユーザの選択に応じて設定する構成としてもよい。この構成において、ゲームフィールドGfに表示されるキャラクタとして、方向パターンに関連付けられる動物を表示させてもよい。なお、このように選択された動物は、方向パターンに関連付けられるので、ゲームの進行条件の一例になる。
【0128】
<第10変形例>
また、例えばユーザに対応してユーザ名やニックネームを関連付けておき、表示装置136における画面のうち、領域L1で順位付けされて表示されるキャラクタに近接して、当該キャラクタのステーション13で参加するユーザのユーザ名やニックネームを表示する構成としてもよい。実施形態のように、自分以外の他のユーザに関心が向く場合に、ユーザ名等が表示されていれば、当該ユーザ名等についても意識することになり、配当とは別の意味で他のユーザに関心を持つことになる。
なお、ユーザのユーザ名等を表示させる場合、当該ユーザ名等を示す情報が当該ユーザのステーション13におけるキャラクタの移動ルール等とともに、通信部1318を介して管理装置10に送信され(ステップS10)、この後、管理装置10から、各ステーション13のキャラクタの移動ルールとともに各ユーザ名等を示す情報が、各ステーション13に配信される(ステップS30)構成とすればよい。
【0129】
<第11変形例>
供述した実施形態に係るゲームシステム1の機能は、制御装置31を構成する1以上のプロセッサと記憶装置32に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0130】
<付記>
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0131】
<付記1>
本発明のひとつの態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、グループを構成する複数のステーション(13)を含み、前記複数のステーション(13)で共通の抽選装置(11)または抽選部の抽選結果を用いたゲームシステム(1)であって、前記抽選結果と前記グループに属する第1ステーション(13)に対応して設定された第1条件と、に応じて生成される第1情報と、前記抽選結果と前記グループに属する第2ステーション(13)に対応して設定された第2条件と、に応じて生成される第2情報と、を取得する取得部(314)と、少なくとも前記第1情報および前記第2情報に応じて、前記第1ステーションへの配当を算出する算出部(315)と、を含む。
【0132】
態様1では、第1ステーション(13)への配当が、抽選結果と当該第1ステーション(13)に対応して設定された第1条件とに応じて生成される第1情報のみならず、抽選結果と他の第2ステーションに設定された第2条件とに応じて生成される第2情報も、考慮されて算出される。このため、態様1によれば、第1ステーション(13)でプレイするユーザの関心を、他の第2ステーション(13)でプレイするユーザに向けさせることができる。
【0133】
「抽選装置(11)」は、複数の要素のなかから1つの要素を無作為に選択する物理的機構であり、典型的には、複数の孔を有する抽選盤に転動可能な抽選体(BL)が供給され、抽選体(BL)が1つの孔に進入したときに、その孔の識別子(色、番号など)で抽選結果が定まるルーレットが挙げられる。「抽選装置(11)」は、ルーレットに限られず、識別子等が付与された抽選体を格納した回転可能な箱体であって、箱体の回転によって1つの抽選体が飛び出したときに、当該抽選体に付与された識別子で抽選結果が定まる回転式抽選装置であってもよい。なお、回転式抽選装置は、箱体から飛び出した抽選体を再び箱体に戻して、当該抽選体が抽選される確率が変化しないような措置が必要になる。
また「抽選部」は、上記物理的機構の抽選装置を、コンピュータのハードウァエおよびソフトウェアの協働によって実現される仮想的な機能をいう。典型的に抽選装置と同等の機能を有するアプリケーションをコンピュータによって実行することで実現される。
抽選装置または抽選部は、複数のステーションから見える地点に設けられて、遠隔の地に設けられてもよい。「共通の抽選装置または抽選部」とは、グループを構成する複数ステーション(13)において抽選結果が共通に用いられるこという。「抽選結果を用いた」とは、抽選結果を適用して、という意味である。
【0134】
「第1(第2)条件」とは、ゲームの進行に影響を与え得る条件またはルールであり、具体的には、抽選結果に対して、どのようにゲームを進めるかをステーション毎に定められた進行条件をいう。実施形態のように、抽選結果に応じてキャラクタを移動させるゲームであれば、抽選結果の色に応じてキャラクタをどのように移動させるのかを定める移動ルールが進行条件の一例として挙げられる。移動ルールは、キャラクタの移動方向を定める方向パターンに抽選結果の色を割り当てたものであるので、方向パターンについても進行条件の一例である。また、第9変形例におけるウサギ、ネコなどの動物は、キャラクタの移動方向を定めるので、進行条件の一例である。
なお、態様1では、キャラクタの移動を伴わないで進行するゲームについても想定されるので、進行条件が移動ルールに限られることはない。
【0135】
「第1(第2)情報」とは、抽選結果と第1(第2)条件とに応じて生成される情報であって、ゲームで生じた事象を示す情報である。具体的には、ある抽選結果に対して、どのようなルールでゲームを進めるかが定められた場合に、どのような結果を生じたのかを示す情報である。典型的には、第1(第2)情報は、第1(第2)ステーションでのゲーム状況を示す情報であり、さらに具体的にいえば、第1(第2)ステーションのスコアであるが、スコアに限られず、スコアを根拠づける数値や、スコアに起因する事象であってもよい。例えば盤面にばらまかれたアイテムの種類、当選数、その確率(=当選数÷抽選数)などでもよい。
「少なくとも第1情報および第2情報に応じて」とは、第1情報および第2情報以外の他の情報を含んでもよい、という意味である。
【0136】
<付記2>
付記1の具体例(付記2)において、前記第1条件と前記第2条件とは異なるユーザの選択に応じて設定される。態様1において第2条件は、ユーザだけでなく、ユーザ以外の例えば進行制御部(1311)によって設定される場合も含み得るが、態様2では、第1条件と第2条件とは異なるユーザの選択に応じて設定されるので、第1ステーション(13)のユーザは、第2ステーション(13)の異なるユーザに関心を向けることになる。
なお、「(ユーザの選択)に応じて」とは、ユーザが第1(第2)ステーション13を入力、操作等することによって」という意味である。
【0137】
<付記3>
付記1または付記2の具体例(付記3)において、前記第1情報は、前記抽選結果および前記第1条件に応じた第1スコアを示し、前記第2情報は、前記抽選結果および前記第2条件に応じた第2スコアを示し、前記算出部(1316)は、前記第1スコアと前記第2スコアとの和を少なくとも含む合計値に基づいて前記配当を算出する。
【0138】
態様3によれば、第1ステーション(13)への配当が、当該第1ステーション(13)のスコアと第2ステーション(13)のスコアとの和を含む合計値に基づいて算出されるので、第1ステーション(13)でプレイするユーザに、第2ステーション(13)でプレイするユーザとの協力を意識させることができる。
「和を少なくとも含む合計値」とは、第1スコアおよび第2スコア以外のスコアを含んでもよい、という意味である。また、「合計値に基づいて」は、合計値それ自体でもよいし、複数に区切られた数値範囲のうち、当該合計値を含む数値範囲であってもよい。
【0139】
<付記4>
付記3の具体例(付記4)において、前記取得部(1315)は、前記抽選結果と、前記複数のステーション(13)のうち、前記第1ステーション(13)および前記第2ステーション(13)以外の他ステーション(13)に対応して設定された条件と、に応じたスコアを当該他のステーション(13)毎に取得し、前記算出部(1316)は、前記第1スコアと前記第2スコアと前記他ステーションにおけるスコアとの和である合計値に基づいて前記配当を算出する。態様4によれば、第1ステーション(13)への配当が、当該第1ステーション(13)のスコアと第1ステーション以外の他のステーション(13)のスコアとの和である合計値に基づいて算出されるので、第1ステーション(13)でプレイするユーザの関心を、他のステーション(13)のすべてプレイするユーザに向けさせることができる。
【0140】
<付記5>
付記3または付記4の具体例(付記5)において、前記算出部(1316)は、前記合計値と指標とに応じた配当を定め、前記指標は、前記合計値に対して前記第1スコアが占める割合に基づくランクである。
態様5によれば、第1ステーション(13)への配当が、当該第1ステーション(13)における第1スコアのみならず、ランクに基づいて算出されるので、第1ステーション(13)でプレイするユーザに、第2ステーション(13)でプレイするユーザとの競争を意識させることができる。なお、「ランク」とは、貢献度や、スコアに基づく順位などをいう。
【0141】
<付記6>
付記5の具体例(付記6)において、前記算出部(1316)は、前記合計値と前記ランクとに応じた配当を第1配当として定め、前記第1配当と、前記合計値が変動した場合、または/および、前記ランクが変動した場合の第2配当と、を算出する。
態様6によれば、合計値または/およびランクが変動したときに得られるであろう配当が算出される。なお、変動には、合計値またはランクが好転した場合、悪化した場合、どちらでもよい。
【0142】
<付記7>
付記1の具体例(付記7)において、前記グループは、第1グループと第2グループとを含み、前記グループを構成する複数のステーションのうち、前記第1グループを構成する複数のステーションの一部が、前記第2グループを構成する複数のステーションの一部と重複する。態様7によれば、複数のグループで共通の抽選部による抽選結果を用いることができる。
【0143】
<付記8>
付記1の具体例(付記8)において、前記グループは、前記複数のステーションとは異なる別ステーションを含み、前記取得部(1315)は、前記共通の抽選装置(11)とは異なる抽選装置の抽選結果と、前記別ステーションに対応して設定された別条件と、に応じて生成される別情報を取得し、前記算出部は、少なくとも前記第1情報、前記第2情報および前記別情報に応じて、前記第1ステーションへの配当を算出する。態様8によれば、例えば複数のステーションと、当該複数のステーションとは異なる遠隔の地に配置された別ステーションで、同一グループを構成することができる。
【0144】
<付記9>
付記3、付記4または付記5の具体例(付記9)において、複数のマスが配列する盤面(Gf)を、前記第1ステーション(13)に対応した第1キャラクタ(R)が前記抽選結果に対して前記第1条件に基づく移動ルールにしたがって移動し、前記第2ステーション(13)に対応した第2キャラクタ(Y)が前記抽選結果に対して前記第2条件に基づく移動ルールにしたがって移動する。
態様9によれば、抽選結果に対し、第1キャラクタ(R)が第1ステーション(13)に対応して設定された第1条件に基づく移動ルールにしたがって移動し、第2キャラクタ(Y)が第2ステーション(13)に対応して設定された第2条件に基づく移動ルールにしたがって移動する。第1条件と第2条件とが異なれば、共通の抽選結果であっても、第1キャラクタ(R)の移動ルールと第2キャラクタ(Y)の移動ルールとは異なるので、同じである場合と比較して、移動の多様性を図ることできる。
なお、「第1(2)条件に基づく移動ルール」とは、移動ルールが、第1条件に含まれていてもよいし、第1条件で指定されてもよい、という意味である。また、「移動ルール」とは、例えば抽選結果で定められる方向に、どれだけのマス数だけ移動させるのかを定める。
【0145】
<付記10>
付記9の具体例(付記10)において、前記第1スコアは、前記第1キャラクタ(R)が移動したマス数の累計値に基づく値であり、前記第2スコアは、前記第2キャラクタ(Y)が移動したマス数の累計値に基づく値である。態様10によれば、第1ステーション(13)でプレイするユーザに、当該第1ステーション(13)における自己の第1スコアのみならず、他の第2ステーション(13)における他のユーザの第2スコアに関心を向けさせることができる。
なお、「マス数の累計値に基づく値」とは、同一マスが2以上のキャラクタで重複して踏まれた場合に、後優先(上書き)される点や、同じキャラクタが同一マスを2回以上踏んだ場合に、重複してカウントしない点を考慮して表現したものである。
【0146】
<付記11>
付記9または付記10の具体例(付記11)において、前記抽選結果が所定の入賞条件を充足する場合、前記第1条件としての移動ルールが、前記入賞条件を充足しない場合の移動ルールと比較して変更される。
態様10によれば、入賞条件を充足した場合、第1条件に基づく移動ルールが変更されるので、入賞条件を充足しない場合と比較して、第1配当を大きく変化させることができる。
【0147】
<その他>
付記1に係るゲームシステム(1)は、ゲームシステム(1)の動作制御方法としても表現することが可能であり、また、コンピュータのプログラムとしても表現可能である。
【符号の説明】
【0148】
1…ゲームシステム、10…管理装置、11…抽選装置、12…供給装置、13…ステーション、20…抽選ユニット、21…第1抽選盤、22…第2抽選盤、23…隔壁部、24…連結路、30…抽選フィールド、31…制御装置、32…記憶装置、H1…第1抽選孔、H2…第2抽選孔、311…処理制御部、1311…進行制御部、1315…取得部、1316…算出部。
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