(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160151
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 13/02 20060101AFI20231026BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20231026BHJP
G09F 13/00 20060101ALI20231026BHJP
G09F 13/04 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H01H13/02 A
H01H9/16 C
G09F13/00 R
G09F13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070295
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】増田 勝義
【テーマコード(参考)】
5C096
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
5C096AA27
5C096BA01
5C096CB04
5C096CC06
5C096CD04
5C096CD22
5C096CD53
5C096CD56
5C096FA01
5C096FA11
5C096FA17
5G052AA11
5G052AA19
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA09
5G052JB05
5G052JC04
5G206AS02J
5G206AS02N
5G206AS02Z
5G206AS45H
5G206AS45Q
5G206AS46H
5G206AS46Q
5G206DS11H
5G206DS11J
5G206DS11Q
5G206GS24
5G206HS16
5G206HW14
5G206HW36
5G206JU65
5G206KS03
5G206NS02
5G206PS02
5G206QS02
5G206RS04
5G206RS24
5G206RS32
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で実現できる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置100は、光源141と、光源141の光によって意匠101を表示する表示部111を有し、ユーザから押圧による操作を受け付ける操作部と、操作部の後面のうち、表示部と前後方向で対向する領域から後方向に沿って延び、透光性を有する柱状部122と、操作部及び柱状部122を、押圧方向に移動可能に支持する支持部材130と、柱状部122が押圧方向に移動したときに柱状部122の後端123によって押される位置に配置される押しボタンスイッチ142と、を備え、光源141は、柱状部122と異なる位置に配置され、柱状部122の側面は、光が入射する入射面150と、入射された光が出射する出射面160とを有し、入射面150は、光の入射角がブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面151を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源が照射した光を意匠の形状で前方に透過することで前面に前記意匠を表示する表示部を有し、ユーザから前記表示部への押圧による操作を受け付ける操作部と、
前記操作部の後面のうち、前記表示部と前後方向で対向する領域から後方向に沿って延び、透光性を有する柱状部と、
前記操作部及び前記柱状部を、押圧方向に移動可能に支持する支持部材と、
前記柱状部が前記押圧方向に移動したときに前記柱状部の後端によって押される位置に配置される押しボタンスイッチと、を備え、
前記光源は、前記柱状部が延びる方向から見た場合、前記柱状部と異なる位置に配置され、
前記柱状部の側面は、前記光が入射する入射面と、入射された光が出射する出射面とを有し、
前記入射面は、前記光の入射角が前記柱状部の屈折率と前記柱状部の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面を有する
入力装置。
【請求項2】
前記第1入射面は、前記光の入射角が略直角となるように形成されている
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1入射面は、前記光源からの距離が等しい、凹の球面形状を有する
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記入射面は、前記延びる方向に並ぶ複数の前記第1入射面と、前記複数の第1入射面の間に形成される1以上の第2入射面とを有する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
前記複数の第1入射面のそれぞれは、前記光源からの距離が等しい、凹の球面形状を有し、
前記1以上の第2入射面のそれぞれは、前記光の前記柱状部への入射方向と平行な面を有する
請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記出射面は、前記柱状部を通過した光の出射角が前記柱状部の屈折率と前記柱状部の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1出射面を有する
請求項1から5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1出射面は、前記柱状部を通過した光の出射角が略直角となるように形成されている
請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記第1出射面は、前記光源からの距離が等しい、凸の球面形状を有する
請求項7に記載の入力装置。
【請求項9】
前記出射面は、前記延びる方向に並ぶ複数の前記第1出射面と、前記複数の第1出射面の間に形成される1以上の第2出射面とを有する
請求項6に記載の入力装置。
【請求項10】
前記複数の第1出射面のそれぞれは、前記光源からの距離が等しい、凸の球面形状を有し、
前記1以上の第2出射面のそれぞれは、前記柱状部を通過した光の出射方向と平行な面を有する
請求項9に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ノブ操作面を押されたときにスイッチの部の押圧バーが押しボタンスイッチを押圧して、押しボタンスイッチの接点を切り替える操作スイッチが開示されている。この操作スイッチでは、導光体として機能する押圧バーを、押しボタンスイッチ内に配置された発光ダイオードの光によってノブ操作面の表示部を照明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の操作スイッチのような入力装置では、内部に発光ダイオードが配置された、複雑な構造の押しボタンスイッチが必要となるという課題がある。また、製造コストが大きくなるという課題もある。
【0005】
そこで、本開示は、簡易な構成で実現できる入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る入力装置は、光源と、前記光源が照射した光を意匠の形状で前方に透過することで前面に前記意匠を表示する表示部を有し、ユーザから前記表示部への押圧による操作を受け付ける操作部と、前記操作部の後面のうち、前記表示部と前後方向で対向する領域から後方向に沿って延び、透光性を有する柱状部と、前記操作部及び前記柱状部を、押圧方向に移動可能に支持する支持部材と、前記柱状部が前記押圧方向に移動したときに前記柱状部の後端によって押される位置に配置される押しボタンスイッチと、を備え、前記光源は、前記柱状部が延びる方向から見た場合、前記柱状部と異なる位置に配置され、前記柱状部の側面は、前記光が入射する入射面と、入射された光が出射する出射面とを有し、前記入射面は、前記光の入射角が前記柱状部の屈折率と前記柱状部の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の入力装置では、簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係るステアリング入力装置が配置された車両の車室の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態に係るステアリング入力装置の使用例を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る入力装置の前面を平面視した場合の平面図である。
【
図4】実施の形態に係る入力装置の一部におけるIV-IV断面図である。
【
図5】実施の形態に係る入力装置の一部におけるV-V断面図である。
【
図6】実施の形態に係るユーザが前面を押したときの操作部材及び押圧部材の動きを説明するための図である。
【
図7】実施の形態に係る柱状部の詳細な形状を説明するための斜視図である。
【
図8】実施の形態に係る柱状部の詳細な形状を説明するための押圧部材の断面図である。
【
図9】屈折率が1.5である導光体における光の透過率及び入射角の関係を示すグラフである。
【
図10】屈折率が1.5である導光体における入射面に対する光の入射角と透過率との関係を示すグラフである。
【
図11】輝度分布、照度分布、及び、True Colorの分布を比較例、実施例及び参考例で比較したシミュレーション結果である。
【
図12】変形例1に係る柱状部の詳細な形状を説明するための押圧部材の断面図である。
【
図13】変形例2に係る柱状部の詳細な形状を説明するための押圧部材の断面図である。
【
図14】変形例3に係る柱状部の詳細な形状を説明するための押圧部材の断面図である。
【
図15】変形例4に係る柱状部の詳細な形状を説明するための押圧部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1に記載の操作スイッチの押しボタンスイッチを簡易な構成にする場合、押しボタンスイッチと光源とを別体で構成することが考えられる。このように押しボタンスイッチと光源とを別体で構成する場合、光源は、押しボタンスイッチとは異なる位置に配置されることになり、光源からの光は導光体として機能する押圧バーの側面から入射することになる。このため、光源からの光には、押圧バーの側面に対して斜め方向から入射して、反対側の側面から斜め方向に出射する光の量が多く含まれることになる。よって、入射面または出射面において、屈折または反射する光の量が多くなり、意匠が表示される表示部には、光源からの光が十分に届く領域と、十分に届かない領域とが発生する。つまり、表示部に輝度ムラが生じ得る。
【0010】
そこで、本開示は、簡易な構成で実現でき、かつ、意匠の輝度ムラを効果的に低減することができる入力装置を提供する。
【0011】
本開示の一態様に係る入力装置は、光源と、前記光源が照射した光を意匠の形状で前方に透過することで前面に前記意匠を表示する表示部を有し、ユーザから前記表示部への押圧による操作を受け付ける操作部と、前記操作部の後面のうち、前記表示部と前後方向で対向する領域から後方向に沿って延び、透光性を有する柱状部と、前記操作部及び前記柱状部を、押圧方向に移動可能に支持する支持部材と、前記柱状部が前記押圧方向に移動したときに前記柱状部の後端によって押される位置に配置される押しボタンスイッチと、を備え、前記光源は、前記柱状部が延びる方向から見た場合、前記柱状部と異なる位置に配置され、前記柱状部の側面は、前記光が入射する入射面と、入射された光が出射する出射面とを有し、前記入射面は、前記光の入射角が前記柱状部の屈折率と前記柱状部の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面を有する。
【0012】
これによれば、柱状部の側面のうちの入射面がブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面を有するため、光源からの光が第1入射面で反射されることを低減することができ、第1入射面から当該光を効率よく柱状部へ入射させることができる。よって、押しボタンスイッチと光源とが別体で構成される場合であっても、意匠が表示される表示部において、光源からの光が十分に届かない領域が発生することを低減でき、表示部に輝度ムラが生じることを低減することができる。
【0013】
また、前記第1入射面は、前記光の入射角が略直角となるように形成されていてもよい。
【0014】
このため、光源からの光が第1入射面で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部へ入射させることができる。
【0015】
また、前記第1入射面は、前記光源からの距離が等しい、凹の球面形状を有してもよい。
【0016】
このため、光源からの光が第1入射面で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部へ入射させることができる。
【0017】
また、前記入射面は、前記延びる方向に並ぶ複数の前記第1入射面と、前記複数の第1入射面の間に形成される1以上の第2入射面とを有してもよい。
【0018】
このため、入射面を柱状部が延びる方向に沿って形成することができる。よって、柱状部のサイズを小さくすることができる。
【0019】
また、前記複数の第1入射面のそれぞれは、前記光源からの距離が等しい、凹の球面形状を有し、前記1以上の第2入射面のそれぞれは、前記光の前記柱状部への入射方向と平行な面を有してもよい。
【0020】
このため、光源からの光が入射面で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部へ入射させることができる。
【0021】
また、前記出射面は、前記柱状部を通過した光の出射角が前記柱状部の屈折率と前記柱状部の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1出射面を有してもよい。
【0022】
これによれば、柱状部の側面のうちの出射面がブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1出射面を有するため、光源からの光が出射面で反射されることを低減することができ、当該光を効率よく柱状部から出射させることができる。よって、押しボタンスイッチと光源とが別体で構成される場合であっても、意匠が表示される表示部において、光源からの光が十分に届かない領域が発生することをさらに低減でき、表示部に輝度ムラが生じることをさらに効果的に低減することができる。
【0023】
また、前記第1出射面は、前記柱状部を通過した光の出射角が略直角となるように形成されていてもよい。
【0024】
このため、柱状部を通過した光が出射面で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部から出射させることができる。
【0025】
また、前記第1出射面は、前記光源からの距離が等しい、凸の球面形状を有してもよい。
【0026】
このため、柱状部を通過した光が出射面で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部から出射させることができる。
【0027】
また、前記出射面は、前記延びる方向に並ぶ複数の前記第1出射面と、前記複数の第1出射面の間に形成される1以上の第2出射面とを有してもよい。
【0028】
このため、出射面を柱状部が延びる方向に沿って形成することができる。よって、柱状部のサイズを小さくすることができる。
【0029】
また、前記複数の第1出射面のそれぞれは、前記光源からの距離が等しい、凸の球面形状を有し、前記1以上の第2出射面のそれぞれは、前記柱状部を通過した光の出射方向と平行な面を有してもよい。
【0030】
このため、柱状部を通過した光が出射面で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部から出射させることができる。
【0031】
(実施の形態)
[1.構成]
[1-1.ステアリング入力装置の構成]
図1及び
図2を参照しながら、実施の形態に係るステアリング入力装置2の構成について説明する。
図1は、実施の形態に係るステアリング入力装置2が配置された車両の車室の一例を示す図である。
図2は、実施の形態に係るステアリング入力装置2の使用例を示す図である。
【0032】
図1に示す自動車4(車両の一例)の車室には、ステアリング入力装置2及び車載機器6が搭載されている。実施の形態に係るステアリング入力装置2は、ステアリングホイール8及び入力装置100を備えている。
【0033】
ステアリングホイール8は、自動車4を操舵するためのものである。ステアリングホイール8は、リング形状を有するリム12と、リム12の内周面に一体的に形成された略T字状のスポーク14と、スポーク14の中央部に配置されたホーンスイッチ(図示せず)を覆うホーンスイッチカバー16とを有している。
【0034】
入力装置100は、車載機器6を操作するためのものであり、例えばステアリングホイール8のスポーク14に配置されている。
図2に示すように、ユーザである運転者は、リム12を握っている右手の指18(操作物体の一例)で入力装置100に対して操作を行うことにより、入力装置100は、操作による入力を受け付ける。これにより、車載機器6は、入力装置100により受け付けられた入力に応じた動作を行う。このようにして、運転車は、入力装置100を操作して車載機器6の動作を制御することができる。入力装置100の構成については後で詳述する。
【0035】
車載機器6は、例えばコンパクトディスク等の光ディスクを再生するためのオーディオ機器である。車載機器6は、例えばダッシュボード20内に配置されている。
【0036】
[1-2.入力装置の構成]
次に、
図3~
図5を参照しながら、実施の形態に係る入力装置100の構成について説明する。
図3は、実施の形態に係る入力装置の前面を平面視した場合の平面図である。
図4は、実施の形態に係る入力装置の一部におけるIV-IV断面図である。
図5は、実施の形態に係る入力装置の一部におけるV-V断面図である。これらの図では、前後方向をZ軸方向とし、上下方向をY軸方向とし、左右方向をX軸方向として説明する。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する方向である。また、前方向をZ軸プラス方向、後方向をZ軸マイナス方向、上方向をY軸プラス方向、下方向をY軸マイナス方向、右方向をX軸プラス方向、左方向をX軸マイナス方向と称する場合がある。また、各方向におけるプラス方向は、図面における各方向を示す矢印の先端側の方向であり、マイナス方向は、その反対側の方向である。なお、前後方向は、入力装置100の前後方向であって、自動車4の走行方向とは関係しない方向である。
【0037】
図3の入力装置100には、ユーザによる入力を受け付ける操作部材110と、操作部材110の後方に配置される光源141とが示されている。操作部材110の前面111aには、光源141の光が照射されることで意匠101が表示される。
【0038】
入力装置100は、
図4及び
図5に示すように、操作部材110と、押圧部材120と、支持部材130と、基板140と、光源141と、押しボタンスイッチ142とを備える。
図4は、光源141を通るX-Z平面で入力装置100を切断したときの断面図である。
図5は、操作部材110及び支持部材130が重なるX-Y平面で入力装置100を切断したときの断面図である。
【0039】
操作部材110は、前面111aを形成する板状の表示部111と、表示部111の周縁からZ軸マイナス方向に立設する筒形の側壁部112とを有する。表示部111は、遮光性を有する遮光層を有し、遮光層は、意匠101の形状の透過部を有する。これにより、表示部111は、光源141が照射した光を意匠101の形状で前方に透過することで前面111aに意匠101を表示することができる。
【0040】
なお、各透過部は、例えば、遮光層が設けられていない部分、つまり、開口で構成されてもよい。また、各透過部は、各意匠の形状を構成するように配置された複数の開口で構成されていてもよい。また、各透過部の開口には、透光性を有する部材が充填されていてもよい。遮光層は、例えば、塗膜で構成されていてもよいし、遮光性を有するフィルムで構成されていてもよい。
【0041】
また、表示部111は透光性かつ拡散性を有する材料で構成される。このため、表示部111は、後方向(Z軸マイナス方向)から光を照射されると、照射されて表示部111に入射した光を表示部111の全体に拡散させながら意匠101の形状の領域から前方に出射する。よって、表示部111は、後方向から光を照射されることで、意匠101の形状の領域を均一化された輝度で発光させることができ、輝度ムラが少ない意匠101を表示することができる。側壁部112は、表示部111の周縁から表示部111を囲うように立設する部位である。
【0042】
押圧部材120は、表示部111の後面に密着して配置され、当該後面に接続される板状の前面部121と、前面部121から後方向(Z軸マイナス方向)に沿って延びる柱状部122とを有する。柱状部122は、前面部121の後面のうち、表示部111の意匠101が表示される領域と前後方向(Z軸方向)で対向する領域に配置される。押圧部材120は、透光性を有する。つまり、押圧部材120は、光を透過する材料で構成される。押圧部材120は、透明な材料で構成されていてもよい。
【0043】
なお、操作部材110の表示部111と押圧部材120の前面部121とが組み合わせた構成は、ユーザから表示部111への押圧による操作を受け付ける操作部の一例である。また、操作部材110と押圧部材120とは、例えば、2色押し出し成形(2色成形)等により、一体的に構成されてもよい。
【0044】
支持部材130は、操作部材110及び押圧部材120を、押圧方向に移動可能に支持する部材である。支持部材130は、操作部材110の側壁部112の内側に配置される筒形の形状を有する。支持部材130は、側壁部112の内周面から内側に向けて突出し、かつ、Z軸方向に沿って形成される突条部113、114と嵌合する形状の溝部131、132を有する。溝部131、132は、突条部113、114が延びるZ軸方向に沿って形成されているため、支持部材130は、操作部材110がZ軸方向に移動することをガイドする機能を有する。また、溝部131は、突条部113をX軸方向で挟んでおり、かつ、溝部132は、突条部114をY軸方向で挟んでいるため、支持部材130は、操作部材110が支持部材130に対してX軸方向及びY軸方向に移動することを規制する機能を有する。
【0045】
基板140は、操作部材110及び押圧部材120の後方に配置され、X-Y平面に平行な板状部材である。基板140には、光源141、及び、押しボタンスイッチ142などの電気部品が実装されている。
【0046】
光源141は、上述したように、それぞれ、操作部材110及び押圧部材120の後方に配置され、表示部111の後方から光を照射する。光源141は、柱状部122が延びる方向(Z軸方向)から見た場合、柱状部122と異なる位置(つまり、柱状部122と重ならない位置)に配置される。光源141は、例えば、LED(Light Emitting Diode)により構成されている。
【0047】
押しボタンスイッチ142は、押圧部材120の後方に配置され、ユーザによる操作部材110への押し込みにより、押圧されてONとなる押込式のスイッチである。押しボタンスイッチ142は、柱状部122が押圧方向(Z軸マイナス方向)に移動したときに、柱状部122の後端123によって押される位置に配置される。つまり、押しボタンスイッチ142は、Z軸方向から見た場合、柱状部122と同じ位置(つまり、柱状部122と重なる位置)に配置される。押しボタンスイッチ142がONとなると、図示しない制御回路が、ONとなったことを検知して、ONとなったスイッチに予め対応付けられている機能を実行する。例えば、押しボタンスイッチ142がONとなった場合に、制御回路は、図示しない空調機器のON/OFFを切り替えてもよい。制御回路が実現する機能は、空調機器のON/OFFの切り替えだけでなく、オーディオの音量の上げ下げ、音楽プレイヤーの曲送り、曲戻し、再生、停止などであってもよいし。
【0048】
ここで、操作部材110がユーザによる操作を受け付けたときの動きについて、
図6を用いて説明する。
【0049】
図6は、実施の形態に係るユーザが操作部材110の前面111aを押したときの操作部材110及び押圧部材120の動きを説明するための図である。なお、
図6は、
図4の断面図において操作部材110及び押圧部材120の動きを説明するための図である。
【0050】
図6に示すように、ユーザが前面111aを押すと、操作部材110及び押圧部材120は、Z軸マイナス方向に移動する。これにより、押圧部材120の柱状部122は、押しボタンスイッチ142の先端を押込み、押しボタンスイッチ142がONとなる。なお、ユーザが前面111aへの押圧を止めると、押しボタンスイッチ142の先端がバネの力によって元の位置に戻ろうとするため、これにより、押圧部材120が押し上げられて、操作部材110及び押圧部材120は、
図4で示す元の位置に戻る。なお、押しボタンスイッチ142は、先端の位置が元に戻るとOFFとなる。
【0051】
次に、柱状部122の側面の詳細な形状について説明する。
【0052】
図7は、実施の形態に係る柱状部の詳細な形状を説明するための斜視図である。
図8は、実施の形態に係る柱状部の詳細な形状を説明するための押圧部材の断面図である。
【0053】
図7及び
図8に示すように、柱状部122は、光源141に近い側面である入射面150と、光源141から遠い側面である出射面160とを有する。入射面150は、光源141が照射した光が柱状部122へ入射する面である。出射面160は、柱状部122へ入射して柱状部122を通過した光が柱状部122の外部へ出射する面である。
【0054】
まず、入射面150の詳細な形状について説明する。入射面150は、光源141が照射する光の入射角が柱状部122の屈折率と柱状部122の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面151を有する。つまり、第1入射面151では、光源141からの光は、上記ブリュースター角の2分の1以下となる角度で入射する。具体的には、第1入射面151は、光源141が照射する光の入射角が略直角となるとなるように形成されていてもよい。例えば、第1入射面151は、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有していてもよい。つまり、第1入射面151は、全ての位置において光源141からの距離が一定の球面であってもよい。例えば、
図7におけるドットハッチングの面155は、光源141からの距離が一定の球面であり、第1入射面151は、ドットハッチングの面155の一部と同じ形状を有する。なお、第1入射面151は、光源141からの距離が厳密に一定でなくてもよく、入射角がブリュースター角の2分の1以下を満たしている範囲で光源141からの距離にばらつきがあってもよい。
【0055】
また、入射面150は、柱状部122が延びる方向(つまり、Z軸方向)に並ぶ複数の第1入射面151と、複数の第1入射面151の間に形成される複数の第2入射面152とを有する。ここで、複数の第1入射面151のそれぞれは、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有する。例えば、
図8において、破線で示される複数の曲線のそれぞれは、光源141からの距離が等しい位置を示す。複数の第1入射面151は、それぞれ、複数の曲線上に形成されている。なお、Z軸方向に並ぶ複数の第1入射面151は、互いに曲率半径が異なる曲面であり、Z軸プラス方向に位置するほど曲率半径が大きい。つまり、一の第1入射面151の曲率半径は、当該一の第1入射面151のZ軸マイナス方向に配置される他の第1入射面151の曲率半径よりも大きい。
【0056】
また、複数の第2入射面152のそれぞれは、光源141からの光の柱状部122への入射方向と平行な面を有する。例えば、
図8において、一点鎖線で示される複数の直線のそれぞれは、光源141を通過する直線であり、光源141からの光が進む方向を示す。複数の第2入射面152は、それぞれ、複数の直線上に形成されている。
【0057】
次に、出射面160の詳細な形状について説明する。出射面160は、柱状部122から外部への光の出射角が柱状部122の屈折率と柱状部122の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1出射面161を有する。つまり、第1出射面161では、柱状部122を通過した光は、上記ブリュースター角の2分の1以下となる角度で出射する。具体的には、第1出射面161は、柱状部122を通過した光の出射角が略直角となるとなるように形成されていてもよい。例えば、第1出射面161は、光源141からの距離が等しい、凸の球面形状を有していてもよい。つまり、第1出射面161は、全ての位置において光源141からの距離が一定の球面であってもよい。なお、第1出射面161は、光源141からの距離が厳密に一定でなくてもよく、出射角がブリュースター角の2分の1以下を満たしている範囲で光源141からの距離にばらつきがあってもよい。
【0058】
また、出射面160は、柱状部122が延びる方向(つまり、Z軸方向)に並ぶ複数の第1出射面161と、複数の第1出射面161の間に形成される複数の第2出射面162とを有する。ここで、複数の第1出射面161のそれぞれは、光源141からの距離が等しい、凸の球面形状を有する。例えば、
図8に示すように、複数の第1出射面161は、それぞれ、破線で示される複数の曲線上に形成されている。なお、Z軸方向に並ぶ複数の第1出射面161は、互いに曲率半径が異なる曲面であり、Z軸プラス方向に位置するほど曲率半径が大きい。つまり、一の第1出射面161の曲率半径は、当該一の第1出射面161のZ軸マイナス方向に配置される他の第1出射面161の曲率半径よりも大きい。
【0059】
また、複数の第2出射面162のそれぞれは、柱状部122を通過した出射方向と平行な面を有する。なお、本実施の形態では、複数の第1入射面151のそれぞれは、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有するため、光源141からの光はほぼ屈折せずに直進して入射する。よって、複数の第2出射面162のそれぞれは、光源141からの光の入射方向と平行な面を有するとも言える。例えば、
図8に示すように、複数の第2出射面162は、それぞれ、複数の直線上に形成されている。
【0060】
[2.効果など]
本実施の形態に係る入力装置100は、光源141と、操作部と、柱状部122と、支持部材130と、押しボタンスイッチ142とを備える。操作部を構成する操作部材110は、光源141が照射した光を意匠101の形状で前方に透過することで前面に意匠101を表示する表示部111を有する。操作部材は、ユーザから表示部111への押圧による操作を受け付ける。柱状部122は、操作部の後面のうち、表示部111と前後方向で対向する領域から後方向に沿って延び、透光性を有する。支持部材130は、操作部材110及び押圧部材120で構成される操作部及び柱状部122を、押圧方向に移動可能に支持する。押しボタンスイッチ142は、柱状部122が押圧方向に移動したときに柱状部122の後端123によって押される位置に配置される。光源141は、柱状部122が延びる方向から見た場合、柱状部122と異なる位置に配置される。柱状部122の側面は、光源141からの光が入射する入射面150と、入射された光が出射する出射面160とを有する。入射面150は、光源141からの光の入射角が柱状部122の屈折率と柱状部122の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面151を有する。
【0061】
これによれば、柱状部122の側面のうちの入射面150がブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1入射面151を有するため、光源141からの光が第1入射面151で反射されることを低減することができ、第1入射面151から当該光を効率よく柱状部122へ入射させることができる。よって、押しボタンスイッチ142と光源141とが別体で構成される場合であっても、意匠101が表示される表示部111において、光源141からの光が十分に届かない領域が発生することを低減でき、表示部111に輝度ムラが生じることを低減することができる。
【0062】
ここで、
図9は、屈折率が1.5である導光体における光の透過率及び入射角の関係を示すグラフである。
図9では、実線がp偏光を示し、破線がs偏光を示す。
【0063】
図9に示されるように、ブリュースター角は、p偏光の透過率が1.0、言い換えるとp偏光の反射率が0となるときの光の入射角である。例えば、屈折率が1.5である材料の場合には、ブリュースター角は、約61°となる。
【0064】
図10は、屈折率が1.5である導光体における入射面に対する光の入射角と透過率との関係を示すグラフである。
【0065】
図10に示されるように、入射角が約-30°から約30°の範囲の場合に、透過率が0.95を超えていることが分かる。つまり、ブリュースター角の1/2以下の角度範囲となるように入射角を設定することで、良好な透過率となることが分かる。なお、透過率が0.95を超えていることは、入射面で反射する光の量を0.05未満に低減することができていることを示している。
【0066】
図11は、輝度分布、照度分布、及び、True Colorの分布を比較例、実施例及び参考例で比較したシミュレーション結果である。
図11のシミュレーション結果では、光源141から光を照射した場合の、表示面における輝度分布、照度分布、及び、True Colorの分布が示されている。
【0067】
比較例は、実施の形態で説明した柱状部122の入射面及び出射面のそれぞれが1つの平面である構成のシミュレーション結果である。実施例は実施の形態で説明した柱状部122の構成におけるシミュレーション結果である。参考例は柱状部122を除いた場合の構成におけるシミュレーション結果である。なお、それぞれの結果における実線の四角の枠は、柱状部の外形を示し、それぞれのシミュレーション結果の画像の左上の破線の四角の枠は、光源の位置を示す。また、シミュレーション結果では、黒に近いほど輝度及び照度が低く、白に近いほど輝度及び照度が高いことを示す。
【0068】
比較例では、柱状部の光源とは反対側の領域が輝度及び照度共に黒くなっており、光源からの光が十分に届いていない領域があることが分かる。一方で、実施例では、比較例において黒い領域と同じ領域において輝度及び照度共に白に近づいており、参考例の結果に近い結果が得られており、当該領域の輝度及び照度が改善されていることが分かる。True Colorのシミュレーション結果についても、輝度分布及び照度分布の傾向と同様の傾向が見られる。
【0069】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、第1入射面151は、光源141からの光の入射角が略直角となるように形成されている。このため、光源141からの光が第1入射面151で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122へ入射させることができる。
【0070】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、第1入射面151は、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有する。このため、光源141からの光が第1入射面151で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122へ入射させることができる。
【0071】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、入射面150は、柱状部122が延びる方向に並ぶ複数の第1入射面151と、複数の第1入射面151の間に形成される複数の第2入射面152とを有する。このため、入射面150を柱状部122が延びる方向に沿って形成することができる。よって、柱状部122のサイズを小さくすることができる。
【0072】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、複数の第1入射面151のそれぞれは、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有する。複数の第2入射面のそれぞれは、光源141からの光の柱状部122への入射方向と平行な面を有する。このため、光源141からの光が入射面150で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122へ入射させることができる。
【0073】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、出射面160は、柱状部122を通過した光の出射角が柱状部122の屈折率と柱状部122の周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1出射面161を有する。
【0074】
これによれば、柱状部122の側面のうちの出射面160がブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている第1出射面161を有するため、光源141からの光が第1出射面161で反射されることを低減することができ、当該光を効率よく柱状部122から出射させることができる。よって、押しボタンスイッチ142と光源141とが別体で構成される場合であっても、意匠101が表示される表示部111において、光源141からの光が十分に届かない領域が発生することをさらに低減でき、表示部111に輝度ムラが生じることをさらに効果的に低減することができる。
【0075】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、第1出射面161は、柱状部122を通過した光の出射角が略直角となるように形成されている。このため、柱状部122を通過した光が第1出射面161で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122から出射させることができる。
【0076】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、第1出射面161は、光源141からの距離が等しい、凸の球面形状を有する。このため、柱状部122を通過した光が第1出射面161で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122から出射させることができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、出射面160は、柱状部122が延びる方向に並ぶ複数の第1出射面161と、複数の第1出射面161の間に形成される複数の第2出射面162とを有する。このため、出射面160を柱状部122が延びる方向に沿って形成することができる。よって、柱状部122のサイズを小さくすることができる。
【0078】
また、本実施の形態に係る入力装置100において、複数の第1出射面161のそれぞれは、光源141からの距離が等しい、凸の球面形状を有する。複数の第2出射面162のそれぞれは、柱状部122を通過した光の出射方向と平行な面を有する。このため、柱状部122を通過した光が出射面160で反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122から出射させることができる。
【0079】
[3.変形例]
[3-1.変形例1]
上記実施の形態では、柱状部122の入射面150は、複数の第1入射面151及び複数の第2入射面152を有する構成としたが、これに限らない。例えば、
図12に示すように、柱状部122Aの入射面150Aは、1つの第1入射面151Aを有する構成としてもよい。第1入射面151Aは、例えば、表示部111の全体に亘る照射範囲のうちの、光源141から照射される光が柱状部122Aを通過する範囲に亘る領域に形成されている。変形例1の柱状部122Aであっても、第1入射面151Aは、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有するため、光源141からの光が第1入射面151Aで反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122へ入射させることができる。
【0080】
[3-2.変形例2]
変形例1では、柱状部122Aの入射面150Aは、光源141からの距離が等しい、凹の球面形状を有するとしたが、これに限らない。例えば、
図13に示すように、柱状部122Bの入射面150Bは、光源141からの光の入射角が柱状部122Bの屈折率と柱状部122Bの周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている平面である第1入射面151Bを有していてもよい。変形例2の構成であっても、第1入射面151Bを有するため、光源141からの光が第1入射面151Bで反射されることを低減することができ、第1入射面151Bから当該光を効率よく柱状部122Bへ入射させることができる。
【0081】
[3-3.変形例3]
上記実施の形態では、柱状部122の出射面160は、複数の第1出射面161及び複数の第2出射面162を有する構成としたが、これに限らない。例えば、
図14に示すように、柱状部122Cの出射面160Cは、1つの第1出射面161Cを有する構成としてもよい。第1出射面161Cは、例えば、表示部111の全体に亘る照射範囲のうちの、光源141から照射される光が柱状部122Cを通過する範囲に亘る領域に形成されている。変形例3の柱状部122Cであっても、第1出射面161Cは、光源141からの距離が等しい、凸の球面形状を有するため、柱状部122Cを通過した光が第1出射面161Cで反射されることをより効果的に低減することができ、当該光をより効率よく柱状部122Cから出射させることができる。
【0082】
[3-4.変形例4]
変形例3では、柱状部122Cの出射面160Cは、光源141からの距離が等しい、凸の球面形状を有するとしたが、これに限らない。例えば、
図15に示すように、柱状部122Dの出射面160Dは、柱状部122Dを通過した光の出射角が柱状部122Dの屈折率と柱状部122Dの周囲の媒質の屈折率とで規定されるブリュースター角の2分の1以下となるように形成されている平面である第1出射面161Dを有していてもよい。変形例4の構成であっても、第1出射面161Dを有するため、柱状部122Dを通過した光が第1出射面161Dで反射されることを低減することができ、当該光を効率よく柱状部122Dから出射させることができる。
【0083】
[3-5.変形例5]
上記実施の形態及び変形例1-4に限らずに、柱状部は、入射面150、150A、150Bのいずれかの入射面と、出射面160、160C、160Dのいずれかの出射面とを有していればよい。つまり、柱状部は、入射面150A及び出射面160Cを有する構成であってもよいし、入射面150A及び出射面160Dを有する構成であってもよいし、入射面150B及び出射面160Cを有する構成であってもよいし、入射面150B及び出射面160Dを有する構成であってもよい。
【0084】
[3-6.変形例6]
上記実施の形態では、複数の第1入射面151の間には複数の第2入射面152が形成されるとしたが、複数の第1入射面151の数が2つの場合には、第2入射面152は1つであってもよい。同様に、複数の第1出射面161の間には複数の第2出射面162が形成されるとしたが、複数の第1出射面161の数が2つの場合には、第2出射面162は1つであってもよい。
【0085】
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る入力装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本開示は、意匠の輝度ムラを効果的に低減することができる入力装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0087】
2 ステアリング入力装置
4 自動車
6 車載機器
8 ステアリングホイール
12 リム
14 スポーク
16 ホーンスイッチカバー
18 指
20 ダッシュボード
100 入力装置
101 意匠
110 操作部材
111 表示部
111a 前面
112 側壁部
113、114 突条部
120 押圧部材
121 前面部
122、122A~122D 柱状部
123 後端
130 支持部材
131、132 溝部
140 基板
141 光源
142 押しボタンスイッチ
150、150A、150B 入射面
151、151A、151B 第1入射面
152 第2入射面
160、160C、160D 出射面
161、161C、161D 第1出射面
162 第2出射面