(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160184
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】給湯器におけるパッキンの固定方法及び給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20231026BHJP
F16J 15/06 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
F24H9/02 301Z
F16J15/06 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070344
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】中島 英展
【テーマコード(参考)】
3J040
3L037
【Fターム(参考)】
3J040BA07
3J040EA22
3J040EA50
3J040HA02
3J040HA11
3J040HA21
3L037AA02
3L037AB01
3L037AB04
(57)【要約】
【課題】箱本体とフロントカバーとの一方側の折り曲げ部を内側へ平面視L字状に形成して他方側の折り曲げ部との間に同形状のパッキンを介在させるシール構造であっても、パッキンのはみ出しを防止して意匠性を維持する。
【解決手段】第1突き合わせ部23と第2突き合わせ部24とを有する平面視L字状の前側折り曲げ部22に、第1突き合わせ部23の後面に位置する第1パッキン部26と、第2突き合わせ部24の外面に位置する第2パッキン部27とからなる平面視L字状のパッキン25を固定する方法であって、第1パッキン部26の左右幅を、第1突き合わせ部23の左右幅より小さく形成すると共に、第2パッキン部27を第2突き合わせ部24の外面に貼り付けてパッキン25を前側折り曲げ部22に固定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置を収容する筐体を有し、
前記筐体が、前面を開口した正面視矩形状の箱本体と、前記箱本体の前面に組み付けられ、正面視が前記箱本体と同形状で前記箱本体より浅底のフロントカバーとからなり、
前記箱本体の左右の側板の前端に、内側へ折曲される本体側折り曲げ部がそれぞれ形成される一方、
前記フロントカバーの左右の側板の後端に、内側へ折曲されるカバー側折り曲げ部がそれぞれ形成されて、
前記本体側折り曲げ部と前記カバー側折り曲げ部との何れか一方側の折り曲げ部が、前記筐体の側面から内側に折曲され、前記筐体の組み付け状態で他方側の折り曲げ部に対向する第1突き合わせ部と、前記第1突き合わせ部の内側端部から前方又は後方へ折曲される第2突き合わせ部とからなる平面視L字状に形成されて、
前記一方側の折り曲げ部に、前記第1突き合わせ部の前面又は後面に位置する第1パッキン部と、前記第2突き合わせ部の外面に位置する第2パッキン部とからなる平面視L字状のパッキンが固定されてなる給湯器において、前記一方側の折り曲げ部に前記パッキンを固定する方法であって、
前記第1パッキン部の左右幅を、前記第1突き合わせ部の左右幅より小さく形成すると共に、
前記第2パッキン部を前記第2突き合わせ部の外面に貼り付けて前記パッキンを前記一方側の折り曲げ部に固定することを特徴とする給湯器におけるパッキンの固定方法。
【請求項2】
前記第2パッキン部を、両面テープを用いて前記第2突き合わせ部の外面に貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の給湯器におけるパッキンの固定方法。
【請求項3】
燃焼装置を収容する筐体を有し、
前記筐体が、前面を開口した正面視矩形状の箱本体と、前記箱本体の前面に組み付けられ、正面視が前記箱本体と同形状で前記箱本体より浅底のフロントカバーとからなり、
前記箱本体の左右の側板の前端に、内側へ折曲される本体側折り曲げ部がそれぞれ形成される一方、
前記フロントカバーの左右の側板の後端に、内側へ折曲されるカバー側折り曲げ部がそれぞれ形成されて、
前記本体側折り曲げ部と前記カバー側折り曲げ部との何れか一方側の折り曲げ部が、前記筐体の側面から内側に折曲され、前記筐体の組み付け状態で他方側の折り曲げ部に対向する第1突き合わせ部と、前記第1突き合わせ部の内側端部から前方又は後方へ折曲される第2突き合わせ部とからなる平面視L字状に形成されて、
前記一方側の折り曲げ部に、前記第1突き合わせ部の前面又は後面に位置する第1パッキン部と、前記第2突き合わせ部の外面に位置する第2パッキン部とからなる平面視L字状のパッキンが固定されてなる給湯器であって、
前記第1パッキン部は、左右幅が前記第1突き合わせ部の左右幅より小さく形成されていると共に、
前記パッキンは、前記第2パッキン部が前記第2突き合わせ部の外面に貼り付けられることで前記一方側の折り曲げ部に固定されていることを特徴とする給湯器。
【請求項4】
前記第2パッキン部は、両面テープを用いて前記第2突き合わせ部の外面に貼り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器を通過する水をバーナの燃焼排気で加熱する給湯器において、筐体をシールするパッキンの固定方法と、当該固定方法を用いてパッキンを固定した給湯器とに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は、バーナや熱交換器等の燃焼装置を筐体に収容してなり、筐体は、前面を除く5面を閉塞した箱本体の前面に、フロントカバーを前方からネジ止めして組み付けられる。このフロントカバーの組み付けは、例えば特許文献1に開示されるように、箱本体の開口の4辺に折り曲げ部(フランジ)を外側へ形成する一方、フロントカバーの周囲4辺にも同様の折り曲げ部を外側へ形成して、折り曲げ部同士を正面からネジ止めすることで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、筐体の外周に折り曲げ部が突出するため、見栄えが悪くなる。そこで、箱本体とフロントカバーとの左右の折り曲げ部をそれぞれ内側へ形成してパッキンを介して突き合わせれば、見栄えが良くなってスリム化する。しかし、シール性を高めるためにフロントカバーの折り曲げ部が平面視L字状に形成され、その折り曲げ部に貼り付けられるパッキンも同じく平面視L字状とされることがあり、この構造では折り曲げ部にパッキンを貼り付ける作業の自動化が難しく、人手で行う必要がある。この作業を人手で行う場合、パッキンを貼る位置にばらつきが生じ、パッキンのずれが大きくなると前後の折り曲げ部の間からパッキンがはみ出して意匠性を損なうおそれがあった。
【0005】
そこで、本開示は、箱本体とフロントカバーとの一方側の折り曲げ部を内側へ平面視L字状に形成して他方側の折り曲げ部との間に同形状のパッキンを介在させるシール構造であっても、パッキンのはみ出しを防止して意匠性を維持することができる給湯器におけるパッキンの固定方法及び給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の構成は、燃焼装置を収容する筐体を有し、
筐体が、前面を開口した正面視矩形状の箱本体と、箱本体の前面に組み付けられ、正面視が箱本体と同形状で箱本体より浅底のフロントカバーとからなり、
箱本体の左右の側板の前端に、内側へ折曲される本体側折り曲げ部がそれぞれ形成される一方、
フロントカバーの左右の側板の後端に、内側へ折曲されるカバー側折り曲げ部がそれぞれ形成されて、
本体側折り曲げ部とカバー側折り曲げ部との何れか一方側の折り曲げ部が、筐体の側面から内側に折曲され、筐体の組み付け状態で他方側の折り曲げ部に対向する第1突き合わせ部と、第1突き合わせ部の内側端部から前方又は後方へ折曲される第2突き合わせ部とからなる平面視L字状に形成されて、
一方側の折り曲げ部に、第1突き合わせ部の前面又は後面に位置する第1パッキン部と、第2突き合わせ部の外面に位置する第2パッキン部とからなる平面視L字状のパッキンが固定されてなる給湯器において、一方側の折り曲げ部にパッキンを固定する方法であって、
第1パッキン部の左右幅を、第1突き合わせ部の左右幅より小さく形成すると共に、
第2パッキン部を第2突き合わせ部の外面に貼り付けてパッキンを一方側の折り曲げ部に固定することを特徴とする。
第1の構成の別の態様は、上記構成において、第2パッキン部を、両面テープを用いて第2突き合わせ部の外面に貼り付けることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本開示の第2の構成は、燃焼装置を収容する筐体を有し、
筐体が、前面を開口した正面視矩形状の箱本体と、箱本体の前面に組み付けられ、正面視が箱本体と同形状で箱本体より浅底のフロントカバーとからなり、
箱本体の左右の側板の前端に、内側へ折曲される本体側折り曲げ部がそれぞれ形成される一方、
フロントカバーの左右の側板の後端に、内側へ折曲されるカバー側折り曲げ部がそれぞれ形成されて、
本体側折り曲げ部とカバー側折り曲げ部との何れか一方側の折り曲げ部が、筐体の側面から内側に折曲され、筐体の組み付け状態で他方側の折り曲げ部に対向する第1突き合わせ部と、第1突き合わせ部の内側端部から前方又は後方へ折曲される第2突き合わせ部とからなる平面視L字状に形成されて、
一方側の折り曲げ部に、第1突き合わせ部の前面又は後面に位置する第1パッキン部と、第2突き合わせ部の外面に位置する第2パッキン部とからなる平面視L字状のパッキンが固定されてなる給湯器であって、
第1パッキン部は、左右幅が第1突き合わせ部の左右幅より小さく形成されていると共に、
パッキンは、第2パッキン部が第2突き合わせ部の外面に貼り付けられることで一方側の折り曲げ部に固定されていることを特徴とする。
第2の構成の別の態様は、上記構成において、第2パッキン部は、両面テープを用いて第2突き合わせ部の外面に貼り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、一方側の折り曲げ部を内側へ平面視L字状に形成して他方側の折り曲げ部との間に同形状のパッキンを介在させるシール構造であっても、パッキンのはみ出しを防止して意匠性を維持することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、第2パッキン部は、両面テープを用いて第2突き合わせ部の外面に貼り付けられるので、第2パッキン部の貼り付けが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】箱本体とフロントカバーとパッキンとを分解して前方から示す斜視図である。
【
図4】箱本体とフロントカバーとパッキンとを分解して後方から示す斜視図である。
【
図6】フロントカバー及びパッキンの上部の拡大斜視図である。
【
図7】(A)(B)はパッキンを貼り付ける手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す斜視図、
図2は正面図である。
この給湯器1は、正面視矩形状の筐体2を有し、筐体2内には、バーナユニット、熱交換器、排気フードを備えた燃焼装置(図示略)が設置される。筐体2の正面上部には、左右横長の排気筒3が設けられて前方へ突出している。筐体2の背面上下には、屋内の壁等に設置するための取付金具4,4が設けられている。
筐体2は、
図3及び
図4にも示すように、燃焼装置を収容して前面を開口し、前後に深底となる箱本体10と、箱本体10の前面を閉塞し、箱本体10より浅底となるフロントカバー20とからなる。
【0010】
箱本体10は、背板11、左右の側板12,12、天板13、底板14を備えている。
側板12,12の前端には、
図5にも示すように、内側へ直角に折り曲げられて上下方向に延びる帯状の後側折り曲げ部15,15が形成されている。この後側折り曲げ部15,15の内側端部には、後側へ半円状に巻回するカール部16,16が形成されている。後側折り曲げ部15は、本開示の本体側折り曲げ部及び他方側の折り曲げ部の一例である。
天板13の前端には、上方へ直角に折り曲げられて左右方向へ延びる帯状の上フランジ部17が形成されている。同様に底板14の前端には、下方へ直角に折り曲げられて左右方向へ延びる帯状の下フランジ部18が形成されている。上フランジ部17及び下フランジ部18には、左右に一対のネジ孔19,19がそれぞれ形成されている。
【0011】
フロントカバー20は、箱本体10と略同じ正面視形状で、左右の側部は、外側へ向かうに従って後方へカーブする曲面部21,21となっている。曲面部21,21の後端には、平面視L字状の前側折り曲げ部22,22が形成されている。この前側折り曲げ部22は、第1突き合わせ部23と第2突き合わせ部24とを備えている。第1突き合わせ部23は、
図5及び
図6に示すように、曲面部21の後端から内側へ直角に折り曲げられて上下方向へ帯状に延び、箱本体10の後側折り曲げ部15に前方から対向する。第2突き合わせ部24は、第1突き合わせ部23の内側端部から後方へ直角に折り曲げられて上下方向へ帯状に延び、後側折り曲げ部15のカール部16に側方から対向する。前側折り曲げ部22は、本開示のカバー側折り曲げ部及び一方側の折り曲げ部の一例である。
【0012】
各前側折り曲げ部22の後側には、パッキン25がそれぞれ固定されている。パッキン25は、前側折り曲げ部22の形状に合わせた平面視L字状のゴム製で、第1突き合わせ部23の後面に位置する第1パッキン部26と、第2突き合わせ部24の外面に位置する第2パッキン部27とを備えている。パッキン25は、第2パッキン部27が第2突き合わせ部24の外面に貼り付けられることで前側折り曲げ部22に固定されている。
この状態で第1パッキン部26は後側折り曲げ部15と第1突き合わせ部23との間に介在し、第2パッキン部27はカール部16と第2突き合わせ部24との間に介在している。ここでの第1パッキン部26は、第1突き合わせ部23よりも左右方向の寸法が短く、第2パッキン部27は、第2突き合わせ部24よりも前後方向の寸法が長くなるように形成されている。
【0013】
パッキン25を固定する際は、
図7(A)に示すように、第2パッキン部27の内面に貼り付けた両面テープ28を、第2突き合わせ部24の外面に対向させ、パッキン25を内側へ平行移動させて、
図7(B)に示すように、両面テープ28を第2突き合わせ部24の外面に貼り付ける。すると、パッキン25は、前側折り曲げ部22の後側に固定される。この状態で第1パッキン部26の外端は、フロントカバー20の曲面部21の外面よりも内側に位置し、第2パッキン部27の後端は、第2突き合わせ部24の後端よりも後側に位置している。
【0014】
一方、フロントカバー20の上端には、箱本体10の上フランジ部17に取り付けるための上取付部30が形成されている。この上取付部30は、フロントカバー20の上端から上方へ直角に折り曲げられて左右方向に延びる帯状で、上フランジ部17に対向する。上取付部30の上端には、後方へ直角に折り曲げられて左右方向に延びる帯状の係止部31が形成されている。係止部31は、上フランジ部17の上端に係止される。上フランジ部17及び係止部31の左右両端縁と、係止部31の後端縁とには、ヘミング加工による内側への折り返し部32がそれぞれ形成されている。このうち係止部31の後端の折り返し部32では、左右両側を除く中央部分が180°より小さい角度で折り返されて、係止部31の後端から前方下向きに突出するストッパ33となっている。
【0015】
フロントカバー20の下端には、箱本体10の下フランジ部18に取り付けるための下取付部34が形成されている。この下取付部34は、フロントカバー20の下端から下方へ直角に折り曲げられて左右方向に延びる帯状で、下フランジ部18に対向する。下取付部34の左右両端縁と下端縁とにも内側への折り返し部32がそれぞれ形成されている。
上取付部30及び下取付部34には、係止部31が上フランジ部17の上端に係止した状態でネジ孔19,19と対向する一対の透孔35,35がそれぞれ形成されている。
【0016】
以上の如く構成された給湯器1において、箱本体10にフロントカバー20を取り付ける際には、
図8に示すように、箱本体10の上フランジ部17及び下フランジ部18に横長矩形状のパッキン36,36を貼り付けて、フロントカバー20の上取付部30の係止部31を上フランジ部17の上端に上方から係止させる。すると、フロントカバー20は係止部31によって上フランジ部17から吊り下げ支持される。このとき、係止部31のストッパ33は上フランジ部17の後方に位置しているので、フロントカバー20が前方へずれてもストッパ33が上フランジ部17に当接して脱落が防止される。
この状態で上取付部30の透孔35,35を介して一対のネジ40,40を上フランジ部17のネジ孔19,19にねじ込むと共に、下取付部34の透孔35,35を介して一対のネジ40,40を下フランジ部18のネジ孔19,19にねじ込む。すると、フロントカバー20は箱本体10に固定される。
【0017】
このとき、フロントカバー20の左右の前側折り曲げ部22,22は、箱本体10の後側折り曲げ部15,15に近接し、第1突き合わせ部23,23と後側折り曲げ部15,15との間の第1パッキン部26,26を圧縮する。よって、箱本体10の側板12,12とフロントカバー20の曲面部21,21との間はパッキン25,25によってシールされる。このとき第1パッキン部26,26の外端は、側板12,12及び曲面部21,21の外面よりも内側に位置してはみ出さない。
一方、箱本体10の上フランジ部17及び下フランジ部18と、フロントカバー20の上取付部30及び下取付部34との間もパッキン36,36によってシールされる。
そして、メンテナンス等の際にフロントカバー20を取り外す場合、ネジ40,40を先に取り外しても、フロントカバー20は、上取付部30の係止部31が箱本体10の上フランジ部17の上端に係止した状態で吊り下げ支持される。よって、フロントカバー20が不意に脱落したりすることがなく、フロントカバー20の取り外しも容易に行える。
【0018】
(パッキンの固定に係る開示の効果)
上記形態の給湯器1におけるパッキン25の固定方法及び給湯器1では、第1パッキン部26の左右幅を、第1突き合わせ部23の左右幅より小さく形成すると共に、第2パッキン部27を第2突き合わせ部24の外面に貼り付けてパッキン25を前側折り曲げ部22に固定する。
この構成によれば、フロントカバー20の前側折り曲げ部22を内側へ平面視L字状に形成して箱本体10の後側折り曲げ部15との間に同形状のパッキン25を介在させるシール構造であっても、パッキン25のはみ出しを防止して意匠性を維持することができる。
特に、第2パッキン部27は、両面テープ28を用いて第2突き合わせ部24の外面に貼り付けられるので、第2パッキン部27の貼り付けが容易に行える。
【0019】
なお、パッキンの固定に係る開示において、上記形態では、第2パッキン部に両面テープを貼り付けてから第2突き合わせ部の外面に貼り付けているが、第2突き合わせ部の外面に両面テープを貼り付けてから第2パッキン部を貼り付けてもよい。
第2パッキン部の貼り付けは、両面テープに限らず、接着剤を用いてもよい。
箱体の本体側折り曲げ部は、上記形態のカール部付きの後側折り曲げ部に限らない。例えばカール部がなくてもよいし、カール部に代えてヘミング加工を施してもよい。
上記形態では、フロントカバーの折り曲げ部を平面視L字状として同形状のパッキンを固定しているが、これと逆に、箱本体の本体側折り曲げ部(一方側の折り曲げ部の一例)を、内側へ折曲される第1突き合わせ部と、第1突き合わせ部の内側端部から前方へ折曲する第2突き合わせ部とからなる平面視L字状として、この本体側折り曲げ部の前面に同形状のパッキンを固定し、平面視L字状でないフロントカバーのカバー側折り曲げ部(他方側の折り曲げ部の一例)との間でシールしてもよい。この場合、パッキンの前向きの第2パッキン部が前向きの第2突き合わせ部の外面に貼り付けられ、第1パッキン部が第1突き合わせ部の前面に位置することになる。
【0020】
(フロントカバーの取付構造に係る開示の効果)
上記形態の給湯器1は、上取付部30(取付部の一例)の上端に、後方へ折曲されて上フランジ部17(折り曲げ部の一例)の上端に係止し、フロントカバー20を吊り下げ支持する係止部31が形成されている。
この構成によれば、係止部31を利用してフロントカバー20をネジ止め位置で位置決めできる。よって、箱本体10へのフロントカバー20の取り付け及び取り外しを簡単に行うことができ、施工性及びメンテナンス性の向上が期待できる。
特に、係止部31の後端に、係止部31の下方へ突出し、上フランジ部17からの係止部31の脱落を防止するストッパ33が形成されているので、位置決めの際の安定性が増し、フロントカバー20の着脱に係る一層の作業性の向上が期待できる。
【0021】
なお、フロントカバーの取付構造に係る開示において、係止部は水平な板状に限らない。例えば、係止部は、円弧状や逆U字状にカーブする板状であってもよい。
ストッパの形状は、上記形態のように係止部の後端に左右方向へ延びるように1つ設ける構造に限らず、適宜変更可能である。例えば、係止部の後端に、左右幅が短いストッパを、左右方向に所定間隔をおいて複数設けてもよい。
また、ストッパは、係止部から鋭角状でなく下方へ90°折り返してもよいし、倒U字状に折り返し形成してもよい。ストッパを省略することもできる。
【0022】
その他、各開示に共通して、箱本体の幅や高さ、深さ(奥行き)等は上記形態に限らない。
フロントカバーの深さも上記形態に限らない。左右の側部は曲面部でなくてもよい。
フロントカバーを箱本体に取り付けるネジの数や位置も適宜変更可能である。
排気筒は、筐体の前面でなく上面から突出する構造であってもよい。
【符号の説明】
【0023】
1・・給湯器、2・・筐体、10・・箱本体、11・・背板、12・・側板、13・・天板、14・・底板、15・・後側折り曲げ部、16・・カール部、17・・上フランジ部、18・・下フランジ部、19・・ネジ孔、20・・フロントカバー、21・・曲面部、22・・前側折り曲げ部、23・・第1突き合わせ部、24・・第2突き合わせ部、25,36・・パッキン、26・・第1パッキン部、27・・第2パッキン部、28・・両面テープ、30・・上取付部、31・・係止部、32・・折り返し部、33・・ストッパ、34・・下取付部、35・・透孔、40・・ネジ。