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特開2023-160191システム、商品販売データ処理装置、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160191
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】システム、商品販売データ処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20231026BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20231026BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20231026BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20231026BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
G06Q20/20
G07G1/00 311E
G07G1/01 301D
G07G1/06 B
G07G1/12 321H
G07G1/12 361Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070355
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光寿
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA12
3E142CA13
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA02
3E142GA03
3E142GA41
3E142JA01
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】セルフ精算を円滑に行うこと。
【解決手段】システムは、識別情報取得手段と、請求額情報取得手段と、名前情報取得手段と、表示制御手段と、精算手段とを備える。識別情報取得手段は、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する。請求額情報取得手段は、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する。名前情報取得手段は、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する。表示制御手段は、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる。精算手段は、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段と、
前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、
前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記名前情報に基づいて、前記複数の利用者名がそれぞれ類似するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記合計額の一括精算および個別精算のいずれかの精算態様を選択する選択手段と、
を備え、
前記精算手段は、前記選択手段によって選択された精算態様で精算を行う、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
一または複数の商品を登録する登録手段と、
前記精算手段による精算が完了することにより、前記請求額ごとのレシートと、前記商品の購入を示すレシートとをそれぞれ発行する発行手段と、
を備える請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
物品を収納して施錠する複数の収納部を有する収納装置と、
前記複数の収納部のうち、利用者の処方薬を収納する収納部を管理する収納管理手段と、
を備え、
前記収納管理手段は、前記処方薬の精算が完了することにより、前記処方薬を収納した収納部の施錠を解除させる、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記収納管理手段は、前記処方薬ごとに収納部を用いた引き渡しが可能であるか否かを判別し、収納部を用いた引き渡しが可能であると判別した場合に、収納部への前記処方薬の収納を許可する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段と、
前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、
前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項7】
商品販売データ処理装置のコンピュータを、
医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段、
前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、
前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段、
前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、商品販売データ処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等の取引において、POS(Point Of Sales)レジスタなどの電子機器が使用されている。特に、近年では、顧客が精算(セルフ精算)を行うセルフレジが普及しつつある。例えば、処方箋を受け付ける薬局においてもセルフレジが普及しつつある。関連する技術として、病院において、診察券の受付手続を行う利用者と、診療費の支払手続を行う利用者とが相違することを抑制させるために、各手続を行う利用者の生体情報を照合して、各手続を行う人物が同一人物であるか否か判定する取引装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-131667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、顧客が家族等の複数人分の処方箋を提示して、処方薬を受け取ることがある。この場合、精算が処方薬ごとに行われるため、処方箋の数が増えれば、その分、セルフ精算が煩雑化してしまう。このように、従来技術では、顧客がセルフ精算を円滑に行うことができないことがある、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セルフ精算を円滑に行うことができる技術を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるシステムは、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段と、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段と、を備えることを特徴とするシステムである。
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理装置は、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段と、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段と、を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置である。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品販売データ処理装置のコンピュータを、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る商品販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図2】管理サーバSvのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】POS端末装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。
図4】POS端末装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。
図5】処方薬DBの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るPOS端末装置20の画面遷移の一例を示す説明図である。
図7】商品の登録および精算時における画面遷移の一例を示す説明図である。
図8】POS端末装置20が行う商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係るレシートの一例を示す図である。
図10】変形例に係る商品販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図11】ロッカー装置1010の外観の一例を示す図である。
図12】ロッカー装置1010に物品を収納する際の店舗端末装置10の画面例を示す図である。
図13】商品販売データ処理システム1000が行う処方薬の引き渡し処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
(商品販売データ処理システム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係る商品販売データ処理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。商品販売データ処理システム1は、システムの一例である。商品販売データ処理システム1は、例えば薬局(調剤薬局)に導入される。薬局は、ドラッグストアなどの複数の系列店でもよいし、個人店でもよい。
【0011】
図1において、商品販売データ処理システム1は、管理サーバSvと、店舗端末装置10と、POS(Point Of Sales)端末装置20とを含む。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。各装置は、それぞれ、ネットワーク40を介して、通信可能に接続されている。
【0012】
管理サーバSvは、店舗端末装置10や、POS端末装置20を管理するレセプトコンピュータ等のサーバ装置である。薬局が系列店であれば、管理サーバSvは、例えば、各系列店を管理する店舗本部に設けられる。薬局が個人店であれば、管理サーバSvは、店舗内に設けられてもよいし、店舗端末装置10に含まれるようにしてもよい。なお、管理サーバSvは、店舗本部や店舗内に設けられることに限らず、外部サーバやクラウドサーバのように外部に設けられてもよい。
【0013】
管理サーバSvは、処方薬DB(データベース)を備える。処方薬DBは、詳細については後述するが、利用者ごとの処方薬を記憶する。また、管理サーバSvは、薬局で販売される商品の在庫、売上、商品マスタ、顧客情報などを管理する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えば、JAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。また、商品マスタに格納される商品情報は、調剤に用いられる薬剤の情報や、調剤に係る調剤報酬点数等の各種点数の情報などを含む。管理サーバSvは、薬剤師等の薬局スタッフが操作する不図示の管理装置に接続されており、管理装置からの指示に応じて適宜記憶する内容や設定内容を更新することが可能である。
【0014】
店舗端末装置10は、薬局スタッフが操作する端末装置である。店舗端末装置10は、利用者から受領した処方箋の内容や、顧客ID(Identification)を含む顧客情報などの入力を受け付ける。入力された各種情報は、管理サーバSvへ送信され、管理サーバSvで管理される。また、店舗端末装置10は、POS端末装置20の入出金記録のほか、自店舗の在庫状況や販売履歴など各種情報を記憶する。なお、店舗端末装置10は、商品マスタなどの取引に必要な各種情報を記憶してもよい。
【0015】
POS端末装置20は、商品販売データ処理装置の一例である。POS端末装置20は、登録された処方薬等の商品の精算を行う装置である。POS端末装置20は、顧客によって精算(セルフ精算)が行われるセルフ型の装置である。精算は、例えば、処方明細50に記載される2次元コード51(QRコード:登録商標)を顧客がPOS端末装置20に読み取らせることによって行われる。また、POS端末装置20は、商品の登録を行うことも可能である。すなわち、POS端末装置20は、商品の登録と精算とを顧客の操作に基づいて行うことが可能である。
【0016】
なお、POS端末装置20は、動作モードを切替え可能なものとしてもよい。動作モードは、例えば、店員が登録操作を行う店員登録モードと、顧客が登録操作と精算操作との両方を顧客が行うフルセルフモードと、顧客が精算操作のみを行う精算モードとを含む。動作モードを切替え可能なPOS端末装置20を用いる場合、POS端末装置20は、フルセルフモードで動作するものとする。
【0017】
(管理サーバSvのハードウェア構成)
図2は、管理サーバSvのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2において、管理サーバSvは、CPU101と、メモリ102と、通信I/F103と、記憶媒体I/F104とを備える。各構成部101~104は、バス120によってそれぞれ接続される。
【0018】
CPU101は、管理サーバSvの全体の制御を司る。メモリ102は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMは、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムなどの各種プログラムを記憶する。RAMは、CPU101のワークエリアとして使用される。メモリ102に記憶されるプログラムは、CPU101にロードされることで、コーディングされている処理をCPU101に実行させる。
【0019】
通信I/F103は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク40に接続され、ネットワーク40を介して他の装置(例えば、店舗端末装置10やPOS端末装置20など)に接続される。また、通信I/F103は、ネットワーク40と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
記憶媒体I/F104は、CPU101の制御にしたがって、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
【0020】
(POS端末装置20の構成例)
次に、図3を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図3は、POS端末装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、印刷部207と、カード決済部208と、釣銭機209と、音声出力部210と、通信部211と、カメラ212と、サインポール220とを備える。これらは、バス(不図示)を介して相互に通信可能である。
【0021】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、各種プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0022】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、管理サーバSvから取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。また、この情報は、登録した商品を示す登録情報や、精算において生成した精算情報を含む。
【0023】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する各種プログラムを記憶してもよい。また、ハードディスク204は、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0024】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。客側表示部205は、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが押下されることによって、商品の登録を受け付けることも可能である。
【0025】
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。客側スキャナ部206は、商品に付されている商品コード(バーコード)を光学的に読み取ることにより商品の登録を受け付ける。また、客側スキャナ部206は、顧客IDをコード化して表示した処方明細50の2次元コード51を読み取る。これにより、POS端末装置20は、顧客IDを取得することが可能である。
【0026】
印刷部207は、各種媒体(レシート、領収書等)を印刷して出力する。
カード決済部208は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、クレジットカード、電子マネー等のプリペイドカードのほか、ポイントカードなどを含む。
【0027】
釣銭機209は、現金による決済機構である。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。具体的には、釣銭機209は、紙幣や硬貨の投入口と排出口とを有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
音声出力部210は、音を出力する。例えば、音声出力部210は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録や精算に係るものである。
通信部211は、他の装置(管理サーバSv、店舗端末装置10など)と情報を送受信するインターフェースである。
【0028】
カメラ212は、客側表示部205の上方に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、顧客による商品の登録操作や精算操作のほか、登録される商品を撮像する。
【0029】
サインポール220は、例えば、ランプやLED(light emitting diode)であり、所定の色や、所定の点灯態様で点灯可能である。サインポール220の点灯態様により、使用中である旨を示したり、薬局スタッフを呼び出す旨を示したり、顧客による不正行為があった旨を示したりする。
【0030】
なお、POS端末装置20は、店員側表示部や、キー操作部や、店員側スキャナ部を備えてもよい。店員側表示部は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部は、店員側に設けられ、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)を備え、店員から種々の入力を受け付ける。店員側スキャナ部は、店員用のスキャナ部であり、商品コード(バーコード)や店員の名札に付された店員コードなどを読み取る。
【0031】
(処方薬の精算について)
ここで、薬局において、顧客は家族等の複数人分の処方箋を提示して、処方薬を受け取ることがある。この場合、精算が処方箋ごとに行われたとすると、処方箋の数が増えれば、その分、セルフ精算が煩雑化してしまう。そこで、本実施形態では、複数人分の処方薬を精算する際に、一括して精算を行うことを可能にしている。
【0032】
まず、処方明細50の発行、および処方明細50を用いた精算の基本的な流れについて簡単に説明する。
(1)利用者(受診者)は、各病院で診察を受けた後に、処方箋を受け取る。
(2)利用者は、各病院で受け取った処方箋を薬局の窓口へ手渡す。
(3)薬局スタッフは、利用者から受け取った処方箋を基に薬を処方し、その後、処方内容を店舗端末装置10に登録する。
(4)店舗端末装置10は、登録内容を管理サーバSvへ送信する。
(5)管理サーバSvは、利用者ごとに登録内容を記憶する。
(6)店舗端末装置10は、登録された調剤薬に基づく精算額を算出し、処方明細50を発行する。
(7)薬局スタッフは、店舗端末装置10によって発行された処方明細50と処方薬とを利用者に渡す。
(8)受診者は、薬剤師から受け取った処方明細50に記載される2次元コード51をPOS端末装置20に読み取らせる。
(9)POS端末装置20は、処方明細50の2次元コード51を読み取ると、利用者IDに対応する各種情報の問合せを管理サーバSvに対して行う。
(10)POS端末装置20は、管理サーバSvから、利用者名や精算額を示す情報を受信し、精算を行う。
【0033】
すなわち、本実施形態では、顧客が店員から処方薬とともに受け取った処方明細50を用いて、顧客自身で精算(セルフ精算)を行うようにしている。以下、本実施形態に係るPOS端末装置20の機能的構成について、図5図7を参照しながら説明する。
【0034】
(POS端末装置20の機能的構成について)
図4は、POS端末装置20の機能的構成の一例を示す説明図である。図4に示すように、POS端末装置20は、識別情報取得部401と、請求情報取得部402と、名前情報取得部403と、表示制御部404と、精算部405と、判定部406と、選択部407と、登録部408と、発行部409とを備える。各部は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が本実施形態に係る精算プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0035】
識別情報取得部401は、医療サービスを受けたそれぞれの利用者(顧客)を識別する識別情報を取得する。本実施形態において、識別情報取得部401は、一または複数の識別情報を取得する。識別情報は、利用者IDである。利用者IDは、例えば、健康保険証に記載される記号や番号でもよいし、健康保険証に基づいて発行される会員IDとしてもよい。また、利用者IDは、マイナンバーカードの個人番号としてもよい。利用者IDは、処方明細50(50a、50b)に2次元コード51(51a、51b)として印刷されているものとする。
【0036】
処方明細50は、例えば、保険調剤明細書である。処方明細50は、薬局(例えば、店舗端末装置10)で作成され、処方薬とともに薬局スタッフから利用者に渡される。なお、利用者IDは、処方明細50に記載されることに限らない。例えば、薬局において処方薬と引き替えるための番号札を発行するようにした場合、利用者IDは、当該番号札に記載されるようにしてもよい。
【0037】
識別情報取得部401は、例えば、家族等の複数の利用者が医療機関を受診したことによって複数枚の処方明細50がある場合、順番に利用者IDを取得する。具体的には、利用者は、複数枚の処方明細50の2次元コード51を順番に客側スキャナ部206に読み取らせる。これにより、識別情報取得部401は、複数の利用者IDを順次取得する。
【0038】
本実施形態において、一度の取引において識別情報取得部401が取得可能な利用者IDの数には、上限数が設定されている。当該上限数は、例えば「5」である。すなわち、一度の取引において読み取らせることが可能な処方明細50(2次元コード51)の枚数は、5枚である。なお、当該上限数は、可変であり、すなわち、例えば、薬局スタッフの操作によって設定変更が可能である。
【0039】
なお、利用者IDは、2次元コード51を読み取ることによって取得されることに限らない。例えば、利用者IDは、利用者が客側表示部205の所定の入力画面を操作することによって取得されるようにしてもよい。また、例えば、処方明細50のシートに利用者IDを記憶したRFID(Radio Frequency Identifier)タグなどの無線タグを具備させるようにすることも可能であり、このようにした場合には、利用者IDは、POS端末装置20が備える通信機が当該無線タグと通信することによって取得されるようにしてもよい。
【0040】
ここで、管理サーバSvが備える処方薬DBについて説明する。
図5は、処方薬DBの一例を示す図である。図5において、処方薬DBは、「顧客ID」と、「処方箋番号」と、「利用者名」と、「病院」と、「診療科」と、「処方薬」と、「請求額」との各項目を含む。
「顧客ID」は、利用者を識別する識別情報である。
「処方箋番号」は、処方箋を識別する識別情報である。
「利用者名」は、処方箋を服用する利用者の氏名である。
「病院」は、処方箋を発行した病院名や診療所名である。
「診療科」は、利用者が受診した診療科の名称である。
「処方薬」は、処方箋に基づいて調剤された医薬品である。
「請求額」は、処方薬の購入に際して利用者が支払う金額である。
なお、処方薬DBは、これらの項目の他にも、調剤に係る調剤報酬点数等の各種点数の情報などが含まれていてもよい。
【0041】
図5に示す各項目は、例えば、薬剤師等の薬局スタッフが処方箋の内容を確認して、店舗端末装置10に操作入力した内容である。なお、店舗端末装置10に入力される各項目は、薬局スタッフから操作入力されることに限らない。例えば、処方箋に各項目を示す2次元コード等のコードを表示させるようにすることも可能であり、このようにした場合には、各項目は、店舗端末装置10が備えるスキャナが当該コードを読み取ることによって入力されてもよい。また、処方箋のシートに各項目を記憶したRFIDタグなどの無線タグを具備させるようにすることも可能であり、このようにした場合には、各項目は、店舗端末装置10が備える通信機が当該無線タグと通信することによって入力されてもよい。
【0042】
請求情報取得部402は、複数の利用者IDにそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する。請求情報取得部402は、管理サーバSvに対して請求額情報の送信要求を行う。複数の利用者の請求額情報を要求する場合、当該送信要求には、複数の利用者IDが含まれる。管理サーバSvは、当該送信要求を受信すると、処方薬DBの中から、複数の利用者IDに対応する各請求額を抽出し、抽出した各請求額を示す請求額情報をPOS端末装置20へ送信する。これにより、請求情報取得部402は、複数の利用者IDにそれぞれ対応する請求額情報を取得する。
【0043】
名前情報取得部403は、複数の利用者IDにそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する。名前情報取得部403は、管理サーバSvに対して名前情報の送信要求を行う。複数の利用者の名前情報を要求する場合、当該送信要求には、複数の利用者IDが含まれる。管理サーバSvは、当該送信要求を受信すると、処方薬DBの中から、複数の利用者IDに対応する各利用者名を抽出し、抽出した各利用者名を示す名前情報をPOS端末装置20へ送信する。これにより、請求情報取得部402は、複数の利用者IDにそれぞれ対応する名前情報を取得する。
【0044】
表示制御部404は、請求額情報に基づく合計額と、名前情報に基づく複数の利用者名とを含む一覧画面640(図6参照)を客側表示部205に表示させる。客側表示部205は、表示部の一例である。ここで、図6を用いて、本実施形態に係るPOS端末装置20の画面遷移の一例について説明する。
【0045】
図6は、本実施形態に係るPOS端末装置20の画面遷移の一例を示す説明図である。図6(A)に示すように、客側表示部205には、待機画面610が表示されている。待機画面610は、精算手続開始ボタン611を含む。精算手続開始ボタン611は、精算手続の開始を受け付ける。利用者が精算手続開始ボタン611を押下すると、図6(B)に示す読取催促画面620に遷移する。
【0046】
図6(B)は、読取催促画面620を示す。読取催促画面620は、処方明細50の2次元コード51を客側スキャナ部206に読み取らせる旨の通知や、最大5枚まで処方明細50の2次元コード51を読み取らせることが可能な旨の通知を含む。例えば、利用者が2枚の処方明細50を薬局スタッフから受け取り、各処方明細50に記載される2次元コード51をそれぞれ読み取らせると、図6(C)の利用者ID表示画面630に遷移する。
【0047】
図6(C)は、利用者ID表示画面630を示す。利用者ID表示画面630は、2枚の処方明細50にそれぞれ記載される2次元コード51を復号した2人の利用者IDを示す。利用者ID表示画面630は、確認ボタン631を含む。確認ボタン631は、2次元コード51の読取の完了を受け付ける。利用者が確認ボタン631を押下すると、請求情報取得部402は、請求額情報の送信要求を管理サーバSvに対して行うことにより、請求額情報を取得する。また、名前情報取得部403は、名前情報の送信要求を管理サーバSvに対して行うことにより、名前情報を取得する。そして、表示制御部404は、請求額情報と名前情報とに基づいて、一覧画面640(図6(D)参照)を表示させる。
【0048】
図6(D)は、一覧画面640を示す。一覧画面640は、購入項目641と、合計額642とを含む。購入項目641は、利用者名と、請求額とを含む。図示において、購入項目641には、名前情報に基づく複数の利用者名が表示されている。利用者名は、利用者IDから特定される利用者の氏名を示す。また、請求額は、請求額情報に基づく処方箋ごとの支払額を示す。合計額642は、請求額の合計を示す。なお、購入項目641は、処方箋ごとに表示される。すなわち、例えば、「寺岡太郎」に複数の処方箋(眼科と皮膚科)がある場合には、購入項目641において、眼科の項目と、皮膚科の項目とはそれぞれ分けて表示されることになる。
【0049】
図4の精算部405は、一覧画面640が示す内容に基づいて精算を行う。すなわち、精算部405は、一覧画面640の合計額642に示す金額を一括して精算を行うことが可能である。精算時の決済種別は、現金、クレジットカード、交通系IC等のプリペイドカードなどである。このように、本実施形態では、複数人分の処方薬を精算する際に、一括して精算を行うことを可能にしている。
【0050】
本実施形態では、処方明細50は、処方箋ごとに発行される。このため、例えば、利用者は、手持ちの金額と、各処方箋の精算金額とを勘案し、複数枚の処方箋のうち1枚の処方箋に対応する精算を先行して行うことができる。さらに、追って、手持ち現金をそろえた後に、残りの処方箋に対応する精算を行うことができる。したがって、精算における柔軟性を確保することができる。
【0051】
ただし、処方明細50は、処方箋ごとに発行されることに限らず、複数の処方箋に対してまとめて(例えば1枚にまとめて)発行されるようにしてもよい。これにより、複数の処方箋がある場合に、複数枚の処方明細50をそれぞれ一枚ずつ読み取らせなくても、まとめた処方明細50を読み取らせるだけで済むため、読取操作を簡素化させることができる。
【0052】
(利用者名の類似度に応じた一括精算について)
次に、利用者名の類似度に応じた一括精算について説明する。判定部406は、名前情報に基づいて、複数の利用者名がそれぞれ類似するか否かを判定する。具体的には、判定部406は、複数の利用者名のそれぞれの苗字が一致するか否かを判定する。苗字が一致する複数の利用者について、判定部406は、家族であると判定することができる。一方で、苗字が一致しない複数の利用者について、判定部406は、他人であると判定することができる。なお、判定部406は、複数の利用者のそれぞれの氏名(苗字と名)が一致するか否かについても判定する。同姓同名の複数の利用者について、判定部406は、同一人であると判定することができる。
【0053】
選択部407は、判定部406の判定結果に基づいて、合計額の一括精算および個別精算のいずれかの精算態様を選択する。複数の利用者の精算を行う場合、表示制御部404は、精算態様の選択画面を客側表示部205に表示させる。具体的には、判定部406によって苗字が一致しないと判定された場合、表示制御部404は、苗字が一致しない利用者についても一括精算を行うか否かの選択画面を表示させる。
【0054】
選択部407は、当該選択画面において利用者から受け付けた選択態様を選択する。ただし、選択部407は、利用者から精算態様の選択を受け付けることに限らず、予め設定されたいずれか一方の精算態様を選択してもよい。例えば、選択部407は、苗字が一致する場合に一括精算を自動で選択し、また、苗字が一致しない場合に個別精算を自動で選択するようにしてもよい。また、利用者から精算態様の選択を受け付ける設定と、自動で精算態様を選択する設定とを切替え可能としてもよい。
【0055】
精算部405は、選択部407によって選択された精算態様で精算を行う。すなわち、複数の利用者の精算を行う場合、精算部405は、一括精算または個別精算のうちいずれかの精算態様で精算を行う。なお、一の利用者の精算を行う場合、表示制御部404は、精算態様の選択画面を客側表示部205に表示させない。この場合、精算部405は、一括精算の精算態様で精算を行うようにすればよい。
【0056】
なお、複数の利用者名がそれぞれ類似するか否かの判定は、苗字が一致するか否かの判定に限らない。例えば、各利用者が属するグループ(家族)が同一であるか否かの判定とすることも可能である。具体的に説明すると、予め、管理サーバSv(メモリ102)に、利用者(利用者名)が属するグループ(家族)を登録させておく。判定部406は、管理サーバSvに対して、複数の利用者名のそれぞれが同一グループであるか否かの問合せを行い、同一グループであるという結果が得られた場合に、複数の利用者名がそれぞれ類似すると判定すればよい。なお、利用者が属するグループは、管理サーバSvに登録されることに限らず、外部の装置や自装置など管理サーバSv以外の装置に登録されるようにしてもよい。この場合、判定部406は、管理サーバSv以外の装置に対して、上記問合せを行えばよい。
【0057】
(購入商品の登録について)
購入商品がある場合、処方薬の精算と一緒に、購入商品の精算を行う場合がある。これについて以下に説明する。登録部408は、一または複数の商品を登録する。商品は、薬局で販売される各種商品であり、健康食品を含む各種食料品や各種飲料品などのほか、市販の薬や、マスクなどの物品などを含む。商品には、バーコード等の商品コードが付されている。登録部408は、顧客の操作によって客側スキャナ部206に商品コードが読み取られることにより、商品を登録する。なお、登録部408は、客側表示部205に表示される商品に対応するプリセットキーが押下されることによって、商品を登録することも可能である。ここで、図7を用いて、商品の登録および精算時における画面遷移の一例について説明する。
【0058】
図7は、商品の登録および精算時における画面遷移の一例を示す説明図である。図7(A)は、商品購入選択画面710を示す。なお、商品購入選択画面710は、図6(D)の一覧画面640における確定ボタン644が押下されることによって、一覧画面640から遷移する画面である。商品購入選択画面710は、商品の購入を行うか否かを示す通知と、はいボタン711と、いいえボタン712とを含む。はいボタン711が押下されると、図7(B)に示す商品登録画面720に遷移する。いいえボタン712が押下されると、精算開始画面に遷移する。なお、この精算開始画面は、図7(C)に示す精算開始画面730と比較して合計額が異なる画面となる。
【0059】
図7(B)は、商品登録画面720を示す。商品登録画面720は、購入項目641と、合計額642と、精算開始ボタン721とを含む。購入項目641には、「うがい薬」と、「歯ブラシ」とが追加されている。すなわち、利用者が商品「うがい薬」および「歯ブラシ」に付された商品コードを客側スキャナ部206に読み取らせたことにより、「うがい薬」および「歯ブラシ」が登録されたことを示している。精算開始ボタン721は、精算処理の開始を受け付けるボタンである。精算開始ボタン721が押下されると、図7(C)に示す精算開始画面730に遷移する。
【0060】
図7(C)は、精算開始画面730を示す。精算開始画面730は、決済種別の選択を受け付ける画面である。精算開始画面730において、いずれかの決済種別の選択を受け付けると、受け付けた決済種別で精算が行われることになる。精算が完了すると、図7(D)に示す精算完了画面740に遷移する。
【0061】
図7(D)は、精算完了画面740を示す。精算完了画面740は、レシートの受け取りを促す通知と、発行するレシート種別ごとの枚数通知741とを含む。枚数通知741は、処方明細50ごとの処方薬レシートと、商品の購入を示す購入商品レシートとの各枚数を示す。なお、精算完了画面740において、枚数通知741は、表示されなくてもよい。
【0062】
次に、レシートの発行について説明する。図4の発行部409は、精算部405による精算が完了することにより、レシートを発行する。具体的には、発行部409は、印刷部207を制御して、請求額ごと(処方明細50ごと)の処方薬レシートと、商品の購入を示す購入商品レシートとをそれぞれ発行する。図6に示したように、複数の利用者の精算が行われる場合、利用者ごとに分けて処方薬レシートを発行する。また、例えば、「寺岡太郎」に複数の処方箋(眼科の処方箋と皮膚科の処方箋)がある場合には、発行部409は、眼科の処方薬と皮膚科の処方薬とで、それぞれの別々の処方薬レシートを発行する。すなわち、「寺岡太郎」について、2枚以上の処方薬レシートが発行されることがある。なお、発行部409は、同一人の場合には、眼科の処方薬と皮膚科の処方薬とで別々の処方薬レシートを発行せずに、これらをまとめて1枚の処方薬レシートを発行するようにしてもよい。
【0063】
(POS端末装置20が行う商品販売データ処理)
図8は、POS端末装置20が行う商品販売データ処理の一例を示すフローチャートである。図8において、POS端末装置20は、精算手続の開始であるか否かを判断する(ステップS801)。ステップS801の判断は、具体的には、図6(A)に示した精算手続開始ボタン611が押下されたか否かの判断である。POS端末装置20は、精算手続の開始となるまで待機する(ステップS801:NO)。精算手続の開始となると(ステップS801:YES)、POS端末装置20は、図6(B)に示した読取催促画面620を表示する(ステップS802)。
【0064】
そして、POS端末装置20は、処方明細50の2次元コード51をスキャンしたか否かを判断する(ステップS803)。処方明細50の2次元コード51をスキャンしない場合(ステップS803:NO)、POS端末装置20は、ステップS805に進む。一方、処方明細50の2次元コード51をスキャンした場合(ステップS803:YES)、POS端末装置20は、2次元コード51を復号することにより利用者IDを取得して、当該利用者IDを含む利用者ID表示画面630(図6(C)参照)を客側表示部205に表示させる(ステップS804)。
【0065】
そして、POS端末装置20は、全ての処方明細50の2次元コード51のスキャンが完了したか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805の判断は、具体的には、利用者ID表示画面630(図6(C)参照)において、確認ボタン631が押下されたか否かの判断である。2次元コード51のスキャンが完了していない場合(ステップS805:NO)、POS端末装置20は、ステップS803に戻る。
【0066】
一方、2次元コード51のスキャンが完了した場合(ステップS805:YES)、POS端末装置20は、管理サーバSvに対して請求額情報および名前情報の送信要求を行う(ステップS806)。そして、POS端末装置20は、管理サーバSvから、請求額情報および名前情報を受信することにより一覧画面640(図6(D)参照)を表示する(ステップS807)。
【0067】
次に、POS端末装置20は、他の商品の購入があるか否かを判断する(ステップS808)。ステップS808の判断は、具体的には、商品購入選択画面710(図7(A)参照)において、はいボタン711と、いいえボタン712とのうちいずれが押下されたかの判断である。他の商品の購入がない場合(ステップS808:NO)、すなわち、いいえボタン712が押下された場合、POS端末装置20は、ステップS812の処理に進む。
【0068】
一方、他の商品の購入がある場合(ステップS808:YES)、すなわち、はいボタン711が押下された場合、POS端末装置20は、商品に付された商品コードをスキャンしたか否かを判断する(ステップS809)。商品コードをスキャンしない場合(ステップS809:NO)、POS端末装置20は、ステップS811に進む。一方、商品コードをスキャンした場合(ステップS809:YES)、商品を登録して表示する(ステップS810)。
【0069】
そして、POS端末装置20は、精算処理の開始であるか否かを判断する(ステップS811)。ステップS811の判断は、例えば、商品登録画面720(図7(B)参照)において、精算開始ボタン721が押下されたか否かの判断である。精算処理の開始ではない場合(ステップS811:NO)、POS端末装置20は、ステップS809に戻る。精算処理の開始である場合(ステップS811:YES)、POS端末装置20は、名前情報に基づいて、利用者が複数人であるか否かを判断する(ステップS812)。
【0070】
利用者が複数人ではない場合(ステップS812:NO)、POS端末装置20は、ステップS815に進む。一方、利用者が複数人である場合(ステップS812:YES)、POS端末装置20は、複数の利用者名がそれぞれ類似するか否かの判定を行う(ステップS813)。当該判定の結果に基づいて、合計額の一括精算および個別精算のいずれかの精算態様を選択する。
【0071】
そして、POS端末装置20は、決済種別の選択を受け付けて精算を行う(ステップS815)。次に、POS端末装置20は、処方明細50ごとに処方薬レシートを発行する(ステップS816)。そして、POS端末装置20は、購入商品があるか否かを判断する(ステップS817)。購入商品がない場合(ステップS817:NO)、POS端末装置20は、一連の処理を終了する。購入商品がある場合(ステップS817:YES)、POS端末装置20は、購入商品レシートを発行し(ステップS818)、一連の処理を終了する。
【0072】
(本実施形態に係るレシートの一例)
図9は、本実施形態に係るレシートの一例を示す図である。図9(A)は、処方薬レシート900(900a、900b)を示す。処方薬レシート900は、調剤日901と、利用者ID902と、宛名903と、調剤詳細904とを含む。調剤日901は、調剤が行われた日を示す。利用者ID902は、処方明細50の2次元コード51で表される利用者IDである。宛名903は、処方箋が提供された利用者の利用者名を示す。調剤詳細904は、処方薬に関する内容を示しており、具体的には、処方箋を作成した医療機関のほか、調剤に係る各種点数や金額の詳細を示す。
【0073】
処方薬レシート900aにおいて、宛名903には「寺岡太郎」が印刷されている。また、調剤詳細904には、「寺岡太郎」が病院等で提供された処方箋に基づく処方薬に関する内容が印刷されている。また、不図示であるが、処方薬レシート900bにおいて、宛名903には「寺岡一郎」が印刷されており、また、調剤詳細904には「寺岡一郎」が病院等で提供された処方箋に基づく処方薬に関する内容が印刷されている。このように、処方薬レシート900には、管理サーバSvから取得した各種情報が印刷される。
【0074】
図9(B)は、購入商品レシート910を示す。購入商品レシート910は、処方薬レシート900と比較して、調剤日901と、利用者ID902と、調剤詳細904とが印刷されていない点で処方薬レシート900と異なる。また、宛名903は、空欄である。購入商品レシート910には、異なる商品(うがい薬、歯ブラシ)が一のシートに印刷されている。購入商品の点数が増えたとしても、各購入商品は、一枚の購入商品レシート910に印刷される。このように、本実施形態では、処方薬レシート900と、購入商品レシート910とで異なる内容を印刷するとともに、それぞれ別々に印刷するようにしている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1は、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の利用者IDにそれぞれ対応する請求額の合計額と、複数の利用者IDにそれぞれ対応する利用者名とを含む一覧画面640(図6(D)参照)を客側表示部205に表示させて精算を行う。これにより、利用者は、複数人分の処方薬の精算を行う際に、一覧画面640を確認しながら、一括して精算を行うことができる。したがって、処方箋の数が増えたとしても、セルフ精算が煩雑化することを抑えることができる。このため、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1によれば、処方薬に係るセルフ精算の円滑化を図ることができる。
【0076】
また、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1は、名前情報に基づいて、複数の利用者名がそれぞれ類似するか否かを判定した判定結果に基づいて、選択した精算態様(一括精算および個別精算)で精算を行う。これにより、例えば、家族分については一括で精算することができるとともに、他人分については個別に精算することができる。したがって、例えば、他人分については、他人から預かったお金やプリペイドカードなどで精算を行うことができる。このため、精算に係る利用者の利便性を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1は、一または複数の商品を登録し、精算が完了することにより、処方薬ごとの処方薬レシート900(図9参照)と、購入商品レシート910とをそれぞれ発行する。これにより、複数人分の処方薬に係る精算を一括で行うことを可能にしつつ、レシートについては、処方薬ごとの処方薬レシート900を発行することができる。さらに、本実施形態では、処方薬の精算時に商品を登録して、処方薬の精算と一緒に精算を行うことができる。したがって、利用者の利便性をより向上させることができる。
【0078】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の変形例、および上述した実施形態をそれぞれ組み合わせることも可能である。
【0079】
上述した実施形態では、顧客が処方薬を受け取った後に、精算を行う例について説明した。変形例では、顧客が処方薬を受け取る前に、精算を行う例として、ロッカー装置を用いる例について説明する。
【0080】
図10は、変形例に係る商品販売データ処理システム1000のネットワーク構成を示す説明図である。変形例に係る商品販売データ処理システム1000は、上述した実施形態の商品販売データ処理システム1の各装置に加えて、ロッカー装置1010を備える。
【0081】
管理サーバSvは、店舗端末装置10およびPOS端末装置20に加え、ロッカー装置1010についても管理する。管理サーバSvは、収納管理部を備え、ロッカー装置1010が備える複数の収納部のうち、利用者の処方薬を収納する収納部を管理する。具体的には、管理サーバSvは、ロッカー装置1010が備える各収納部に収納される処方薬や、当該処方薬に対応する利用者IDを管理する。
【0082】
ロッカー装置1010は、管理サーバSv、店舗端末装置10、およびPOS端末装置20と、それぞれネットワーク40を介して接続されている。変形例において、店舗端末装置10は、例えば、タブレット端末を含む。
【0083】
(ロッカー装置1010の構成)
図11は、ロッカー装置1010の外観の一例を示す図である。ロッカー装置1010は、複数(12個)の収納部1100を備え、各収納部1100に顧客に引き渡す処方薬を収納する。処方薬は、店舗スタッフによって、収納部1100に収納される。それぞれの収納部1100の正面側(利用者操作側)には施錠可能な正面扉1110が設けられる。また、それぞれの収納部1100の背面側には、施錠可能な背面扉1120を備える。それぞれの収納部1100には、識別情報(収納部番号)が割り当てられており、物品の収納の有無等が管理される。
【0084】
図11において、ロッカー装置1010は、CPUと、メモリと、通信部と、タッチパネル表示部1101と、コードリーダ1102と、発光部1111とを備える。タッチパネル表示部1101は、種々の情報を表示するとともに種々の操作を受け付ける。コードリーダ1102は、コード(1次元コード、2次元コード等)を読み取る。正面扉1110は、CPUの制御に応じて、施錠または解錠する。背面扉1120は、鍵穴1121に鍵(キー)が差し込まれ、鍵が所定方向に回転されることにより、施錠または解錠する。なお、背面扉1120についても、CPUの制御に応じて、施錠または解錠するようにしてもよい。
【0085】
発光部1111は、所定の点灯態様(発光色、点滅態様等)で点灯することにより、収納部1100物品が終了能されている旨や、正面扉1110が解錠されている旨を報知する。
【0086】
このように、各収納部1100は、正面扉1110が施錠されるため、収納する処方薬を利用者が勝手に取り出すことができないようになっている。ロッカー装置1010は、利用者の操作に伴って所定の情報が入力されることにより、正面扉1110のロックを解除させて、収納部1100から処方箋の取出しを可能にする。所定の情報は、例えば、精算が完了した際に発行されるレシートに印刷される、ロック解除用の2次元コードで表される。すなわち、利用者が当該2次元コードをコードリーダ1102に読み取らせることにより、正面扉1110のロックが解除されるようになっている。
【0087】
ここで、管理サーバSvは、収納部1100のステータスを管理する。ステータスは、例えば、「収納準備」、「収納中」、「超過」、「未調剤」、「調剤中」、「他所保管」、「受取中」、「受渡済」などを含む。各ステータスについて以下に説明する。
「収納準備」のステータスは、収納部番号が指定された後、商品が収納される前の状態を示す。
「収納中」のステータスは、商品が収納部1100に収納されている状態を示す。
「超過」のステータスは、受信時刻から一定時間が経過した状態を示す。
「未調剤」は、未だ調剤を開始していない状態を示す。
「調剤中」のステータスは、調剤を開始した後であり、且つ、調剤が完了する前の状態を示す。
「他所保管」のステータスは、ロッカー装置1010の収納部が一杯となっている場合や、収納部1100に収まらない大きな物品の場合に、ロッカー装置1010とは異なる場所で当該物品を保管している状態を示す。
「受取中」のステータスは、利用者が所定の解錠操作を行うことにより、処方薬が収納されている収納部1100の正面扉1110が解錠された状態を示す。
「受渡済」のステータスは、正面扉1110が解錠されて、収納部1100から商品が取り出された状態を示す。
【0088】
(ロッカー装置1010に物品を収納する際の店舗端末装置10の画面例)
図12は、ロッカー装置1010に物品を収納する際の店舗端末装置10の画面例を示す図である。図12に示す画面は、店舗端末装置10(タブレット端末)のタッチパネル表示部11に表示される収納位置受付画面1200を示す。収納位置受付画面1200は、注文対応操作エリアAR20と、ロッカーステータスエリアAR30と、ボタンエリアBT30とを含む。
【0089】
(注文対応操作エリアAR20について)
注文対応操作エリアAR20は、全リストタブTb1と、未収納タブTb2と、収納中タブTb3と、超過タブTb4とを含む。
全リストタブTb1は、全ての注文内容を一覧表示させることを受け付けるタブである。
未収納タブTb2は、ステータスが「収納準備」に対応するリスト項目の一覧を表示させることを受け付けるタブである。
収納中タブTb3は、ステータスが「収納中」に対応するリスト項目の一覧を表示させることを受け付けるタブである。
超過タブTb4は、ステータスが「超過」に対応するリスト項目の一覧を表示させることを受け付けるタブである。
【0090】
図12では、全リストタブTb1が選択されている画面を示している。図12に示すように、注文対応操作エリアAR20には、全てのステータスに対応する注文のリスト項目1201が表示されている。リスト項目1201は、それぞれ一のオーダーに対応する。
【0091】
リスト項目1201は、処方箋番号、ステータス、受信日時、収納期限、個数、収納口の項目を含む。
処方箋番号の項目は、注文を受け付けた処方箋の識別番号を示す。
ステータスの項目は、注文番号が示す注文の現在の状況(ステータス)を示す。ステータスの項目は、文字で表される。なお、ステータスの項目は、文字で表すことに限らず、記号や色で表すようにしてもよい。
【0092】
受信日時の項目は、各注文を受け付けた時刻を示す。
収納期限の項目は、収納期限(時刻)を示している。収納期限は、受信時刻に対して予め設定された所定時間を加えた時刻である。ある商品が収納に収納されたまま、超過時刻を経過した場合、当該商品は、店員によって収納部から取り出され、顧客が受け取りに来るまで別の場所で保管される。
個数の項目は、注文された処方薬の数(登録数)であり、収納部1100に収納されている処方薬の数を示す。
収納口の項目は、商品が収納されている収納部番号を示す。
【0093】
リスト項目1201に示す各内容は、利用者IDや処方箋番号に対応付けられて管理サーバSvで管理される。すなわち、利用者が購入する処方薬のステータスや、収納されている収納部1100の位置や、収納期限などが、利用者IDや処方箋番号に対応付けられて管理サーバSvで管理されることになる。
【0094】
(ロッカーステータスエリアAR30について)
ロッカーステータスエリアAR30は、ロッカー装置1010の各収納部1100の収納状況を示す収納部ステータスエリアAR31を含む。収納部ステータスエリアAR31は、12個の収納部1100に対応している。収納部ステータスエリアAR31は、「空き」または「収納中」のいずれかのステータスを示す。なお、収納部ステータスエリアAR31は、それぞれ商品ステータスに応じた背景色で表示される。このため、店員は、背景色によって、商品ステータスを把握することができる。また、収納部ステータスエリアAR31には、「収納中」のステータスであれば、収納されている処方薬の処方箋番号が表示される。なお、収納部ステータスエリアAR31には、受信時刻や収納期限や個数などがそれぞれ表示されるようにしてもよい。
【0095】
(ボタンエリアBT30について)
ボタンエリアBT30は、収納登録ボタンBT31や、収納登録解除ボタンBT32などの各種ボタンを含む。
収納登録ボタンBT31は、処方薬を収納部1100に収納する登録操作を受け付けるボタンである。
収納登録解除ボタンBT32は、収納部1100に処方薬を収納したことの解除操作を受け付けるボタンである。
【0096】
(収納部1100へ商品を収納する際の登録操作について)
次に、収納部1100へ商品を収納する際の登録操作について説明する。収納位置受付画面1200において、薬局スタッフが収納登録ボタンBT31を押下すると、「空き」のステータスを示す収納部ステータスエリアAR31が選択可能に表示される。薬局スタッフは、収納部ステータスエリアAR31のうち、例えば収納部番号「5」のエリアを選択すると、収納催促通知1210が表示される。収納催促通知1210において、薬局スタッフが収納部番号「5」の収納部1100に処方薬を収納して、はいボタンBT61を押下すると、選択された収納部ステータスエリアAR31のステータスが「収納中」に変更される。なお、いいえボタンBT62が押下されると、収納催促通知1210が消去されるとともに、収納部ステータスエリアAR31の選択に戻る。
【0097】
この一連の収納操作において、店舗端末装置10は、処方薬の処方箋番号を取得して、処方薬と収納部番号とを対応付ける。処方箋番号の取得は、例えば、薬局スタッフによる操作入力としてもよい。また、処方箋番号をコード化した2次元コードを所定のシートに印刷するようにすることも可能であり、このようにした場合、処方箋番号の取得は、当該2次元コードの読み取りによる入力としてもよい。
【0098】
また、処方薬の調剤に係るステータスを管理する他の装置を備えるようにすることも可能であり、このようにした場合、処方箋番号の取得は、当該他の装置からの受信とするようにしてもよい。当該他の装置が処方箋番号を送信するタイミングは、調剤が完了したタイミングとしてもよく、例えば、薬局スタッフから調剤が完了した旨の入力を受け付けたタイミングとしてもよい。このようにした場合、店舗端末装置10は、他の装置から処方箋番号を受信したタイミングで、当該処方箋番号が示す処方薬の収納操作を促す通知を行うようにしてもよい。
【0099】
(対面で引き渡す処方薬について)
ここで、処方薬には、対面(窓口)で引き渡すことを要する処方薬(以下「要説明処方薬」という。)と、対面で引き渡すことを要しない処方薬(以下「説明不要処方薬」という。)がある。要説明処方薬は、薬剤師の説明を必須とする処方薬であり、すなわち、収納部1100を用いた引き渡しを行うことができない処方薬である。具体的には、要説明処方薬は、例えば、初めて処方される処方薬や、二度目以降の処方であっても必ず薬剤師からの用法の説明が必要な処方薬である。
【0100】
また、説明不要処方薬は、薬剤師の説明を不要とする処方薬であり、すなわち、収納部1100を用いた引き渡しを行うことができる処方薬である。具体的には、説明不要処方薬は、二度目以降では用法の説明を全く要しない処方薬や、二度目以降では表示画面を用いた簡単な説明のみを要する処方薬である。
【0101】
そこで、変形例では、管理サーバSvが備える収納管理手段は、処方薬ごとに収納部1100を用いた引き渡しが可能であるか否かを判別し、収納部1100を用いた引き渡しが可能であると判別した場合に、収納部1100への処方薬の収納を許可するようにしている。具体的には、収納管理部は、処方薬について、要説明処方薬であるか、説明不要処方薬であるかを判別する。例えば、収納管理部は、要説明処方薬のうち、初めて処方される処方薬であるか否かについては、過去の履歴を用いて判別する。また、必ず薬剤師からの用法の説明が必要な処方薬には所定のフラグが設定されるため、収納管理部は、当該処方薬であるか否かについては、当該フラグの有無に基づいて判別する。
【0102】
また、例えば、二度目以降では用法の説明を全く要しない処方薬や、二度目以降では表示画面を用いた簡単な説明のみを要する処方薬には、それぞれ所定のフラグが設定されるため、収納管理部は、各処方薬であるか否かについては、各フラグの有無に基づいて判別する。
【0103】
店舗端末装置10は、処方薬の収納において、管理サーバSvに対して、収納部1100を用いた引き渡しを行えるか否か問合せを行う。管理サーバSvは、過去の履歴や、各種フラグを参照し、要説明処方薬であるか説明不要処方薬であるかを判別し、判別結果を店舗端末装置10へ送信する。店舗端末装置10は、当該判別結果を表示する。なお、当該判別は、店舗端末装置10が行うようにしてもよい。すなわち、収納管理部は、店舗端末装置10に具備されてもよい。
【0104】
要説明処方薬である場合、店舗端末装置10は、薬剤師から対面での引き渡しを行うこととし、収納部1100への収納に係る登録操作を受け付けないようにする。なお、この場合、仮に、薬局スタッフが要説明処方薬について収納に係る登録操作を行ったとすると、店舗端末装置10は、エラーを報知するようにしてもよい。また、説明不要処方薬である場合、店舗端末装置10は、対面での引き渡しと、収納部1100を用いた引き渡しとのうち、いずれか一方の選択を薬局スタッフから受け付けるようにする。
【0105】
(商品販売データ処理システム1000が行う処方薬の引き渡し処理)
図13は、商品販売データ処理システム1000が行う処方薬の引き渡し処理の流れを示すシーケンス図である。
【0106】
ステップS1301:まず、店舗端末装置10は、対象の処方薬について、管理サーバSvへ問い合わせた結果、説明不要処方薬であるか否かを判断する。説明不要処方薬ではない場合、すなわち、要説明処方薬である場合、店舗端末装置10は、そのまま処理を終了する。
ステップS1302:説明不要処方薬である場合、店舗端末装置10は、薬局スタッフから選択操作を受け付けることにより、収納部1100を用いた引き渡しとするか否かを判断する。収納部1100を用いた引き渡しとしない場合、すなわち、対面での引き渡しとする場合、店舗端末装置10は、そのまま処理を終了する。
【0107】
ステップS1303:収納部1100を用いた引き渡しとする場合、店舗端末装置10は、処方薬の収納に係る登録操作を受け付け、受け付けた内容を管理サーバSvへ送信する。当該登録操作において、店舗端末装置10は、収納部1100の収納部番号と、処方箋番号とを受け付ける。なお、ステップS1303の処理の前提として、収納部1100に空きがあることとする。収納部1100に空きがない場合には、店舗端末装置10は、ステップS1303の処理を行わずに、そのまま処理を終了する。
ステップS1304:店舗端末装置10は、受け付けた内容に応じて、タッチパネル表示部の画面を更新する。
【0108】
ステップS1305:ロッカー装置1010は、処方箋を収納すると、正面扉1110をロックする。
ステップS1306:管理サーバSvは、店舗端末装置10から受け付けた内容を受信すると、収納部番号に対応する収納部1100のステータスを「収納中」にする。また、このとき、管理サーバSvは、処方箋番号から特定可能な利用者IDと、収納部番号とを対応付けて処方薬DBに記憶する。
以上の処理により、処方箋をロッカー装置1010に収納する処理を終える。
【0109】
次に、処方薬の取り出しに係る処理について説明する。
ステップS1307:POS端末装置20は、利用者の操作に応じた精算を行う。当該精算において、利用者は、予め薬局スタッフから、利用者IDが2次元コードで表されているシートを受け取る。当該シートは、例えば、処方明細50であるが、処方明細50以外のシートとしてもよい。利用者が処方明細50の2次元コードをPOS端末装置20に読み取らせると、上述した実施形態と同様に、POS端末装置20は、一覧画面640(図6(D)参照)を表示させて精算を行う。
【0110】
ステップS1308:精算が完了すると、POS端末装置20は、収納部番号の問合せを行う。当該問合せには、ステップS1307の精算時に読み取った利用者IDが含まれる。
ステップS1309:管理サーバSvは、POS端末装置20から収納部番号の問合せがあると、利用者IDに対応付けられる収納部番号を抽出し、抽出した収納部番号をPOS端末装置20へ送信する。
【0111】
ステップS1310:POS端末装置20は、管理サーバSvから送信された収納部番号を取得する。
ステップS1311:POS端末装置20は、取得した収納部番号が示す収納部1100のロックを解除させるためのロック解除コード(2次元コード)を印刷したレシートを発行し、処理を終了する。ロック解除コードは、発行するレシートのうち、少なくとも一のレシートに印刷されていればよい。なお、発行するレシートは、例えば、複数枚の処方薬レシート900(図9(A)参照)や、購入商品レシート910(図9(B)参照)である。なお、ロック解除コードは、複数枚の処方薬レシート900や、購入商品レシートとは別の専用のシートに印刷されてもよい。
【0112】
ステップS1312:ロッカー装置1010は、利用者がロック解除コードをコードリーダ1102にかざすことにより、ロック解除コードをスキャンする。
ステップS1313:ロッカー装置1010は、ロック解除コードが示す収納部番号の収納部1100に設けられる正面扉1110を解除するとともに、ロックを解除した旨を示す解除通知を管理サーバSvへ送信し、処理を終了する。解除通知には、収納部番号が含まれる。
【0113】
ステップS1314:管理サーバSvは、ロッカー装置1010から解除通知を受信すると、解除通知に含まれる収納部番号に対応する収納部1100のステータスを「空き」にし、処理を終了する。また、このとき、管理サーバSvは、処方薬DBに記憶される利用者IDと収納部番号との対応付けを解除する。
ステップS1315:店舗端末装置10は、管理サーバSvから、更新された収納部1100のステータスを示す情報を受信することにより、タッチパネル表示部の画面を更新し、処理を終了する。
【0114】
変形例に係る商品販売データ処理システム1000は、利用者の処方薬を収納部1100に収納し、処方薬の精算が完了することにより、処方薬を収納した収納部1100の施錠を解除させる。これにより、処方薬に係るセルフ精算の円滑化を図ることができるとともに、精算が完了した後に、顧客に処方薬を引き渡すことができるため、顧客が処方薬の代金を支払わずに処方薬を持ち帰ってしまうことを抑制することができる。
【0115】
また、変形例に係る商品販売データ処理システム1000は、処方薬ごとに収納部1100を用いた引き渡しが可能であるか否かを判別し、収納部1100を用いた引き渡しが可能であると判別した場合に、収納部1100への処方薬の収納を許可する。これにより、処方薬に応じた引き渡しができるため、セルフ精算に係る利便性をより向上させることができる。
【0116】
なお、上述した実施形態および変形例では、商品販売データ処理システム1、1000を、薬局(調剤薬局)の支払に導入した例について説明したが、これに限らない。例えば、商品販売データ処理システム1を、病院の支払に導入することも可能である。この場合、利用者IDは、診察券などに記載されていればよい。請求額情報や名前情報は、利用者IDに対応付けられており、診察券等から得られる利用者IDに基づいて取得されればよい。これにより、病院の支払において、複数人分の医療費を精算する際に、一括して精算を行うことが可能になる。
【0117】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]システム、商品販売データ処理装置、およびプログラム
[技術分野]
本発明は、システム、商品販売データ処理装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、店舗等の取引において、POS(Point Of Sales)レジスタなどの電子機器が使用されている。特に、近年では、顧客が精算(セルフ精算)を行うセルフレジが普及しつつある。例えば、処方箋を受け付ける薬局においてもセルフレジが普及しつつある。関連する技術として、病院において、診察券の受付手続を行う利用者と、診療費の支払手続を行う利用者とが相違することを抑制させるために、各手続を行う利用者の生体情報を照合して、各手続を行う人物が同一人物であるか否か判定する取引装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2021-131667号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、顧客が家族等の複数人分の処方箋を提示して、処方薬を受け取ることがある。この場合、精算が処方薬ごとに行われるため、処方箋の数が増えれば、その分、セルフ精算が煩雑化してしまう。このように、従来技術では、顧客がセルフ精算を円滑に行うことができないことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セルフ精算を円滑に行うことができる技術を提供するにある。
【0118】
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるシステムは、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段と、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段と、を備えることを特徴とするシステムである。
上記構成によれば、利用者は、複数人分の処方薬の精算を行う際に、一覧画面640を確認しながら、一括して精算を行うことができる。したがって、処方箋の数が増えたとしても、セルフ精算が煩雑化することを抑えることができる。このため、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1によれば、処方薬に係るセルフ精算の円滑化を図ることができる。
【0119】
(2)上記(1)の構成において、前記名前情報に基づいて、前記複数の利用者名がそれぞれ類似するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記合計額の一括精算および個別精算のいずれかの精算態様を選択する選択手段と、を備え、前記精算手段は、前記選択手段によって選択された精算態様で精算を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、例えば、家族分については一括で精算することができるとともに、他人分については個別に精算することができる。したがって、例えば、他人分については、他人から預かったお金やプリペイドカードなどで精算を行うことができる。このため、精算に係る利用者の利便性を向上させることができる。
【0120】
(3)上記(1)または(2)の構成において、一または複数の商品を登録する登録手段と、前記精算手段による精算が完了することにより、前記請求額ごとのレシートと、前記商品の購入を示すレシートとをそれぞれ発行する発行手段と、を備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、複数人分の処方薬に係る精算を一括で行うことを可能にしつつ、レシートについては、処方薬ごとの処方薬レシート900を発行することができる。さらに、本実施形態では、処方薬の精算時に商品を登録して、処方薬の精算と一緒に精算を行うことができる。したがって、利用者の利便性をより向上させることができる。
【0121】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの構成において、物品を収納して施錠する複数の収納部を有する収納装置と、前記複数の収納部のうち、利用者の処方薬を収納する収納部を管理する収納管理手段と、を備え、前記収納管理手段は、前記処方薬の精算が完了することにより、前記処方薬を収納した収納部の施錠を解除させるようにしてもよい。
上記構成によれば、精算が完了した後に、顧客に処方薬を引き渡すことができるため、顧客が処方薬の代金を支払わずに処方薬を持ち帰ってしまうことを抑制することができる。
【0122】
(5)上記(4)の構成において、前記収納管理手段は、前記処方薬ごとに収納部を用いた引き渡しが可能であるか否かを判別し、収納部を用いた引き渡しが可能であると判別した場合に、収納部への前記処方薬の収納を許可するようにしてもよい。
上記構成によれば、処方薬に応じた引き渡しができるため、セルフ精算に係る利便性をより向上させることができる。
【0123】
(6)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理装置は、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段と、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段と、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段と、を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置である。
上記構成によれば、利用者は、複数人分の処方薬の精算を行う際に、一覧画面640を確認しながら、一括して精算を行うことができる。したがって、処方箋の数が増えたとしても、セルフ精算が煩雑化することを抑えることができる。このため、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1によれば、処方薬に係るセルフ精算の円滑化を図ることができる。
【0124】
(7)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品販売データ処理装置のコンピュータを、医療サービスを受けたそれぞれの利用者を識別する複数の識別情報を取得する識別情報取得手段、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する請求額を示す請求額情報を取得する請求額情報取得手段、前記複数の識別情報にそれぞれ対応する利用者名を示す名前情報を取得する名前情報取得手段と、前記請求額情報に基づく合計額と、前記名前情報に基づく複数の利用者名と、を含む一覧画面を表示部に表示させる表示制御手段、前記一覧画面が示す内容に基づいて精算を行う精算手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、利用者は、複数人分の処方薬の精算を行う際に、一覧画面640を確認しながら、一括して精算を行うことができる。したがって、処方箋の数が増えたとしても、セルフ精算が煩雑化することを抑えることができる。このため、本実施形態に係る商品販売データ処理システム1によれば、処方薬に係るセルフ精算の円滑化を図ることができる。
【0125】
なお、上記において説明した商品販売データ処理システム1(POS端末装置20)における各機能(入出力、記憶、処理(判断を含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0126】
具体的には、POS端末装置20が実施形態に係る各機能部(図4参照)を備え、管理サーバSvが変形例に係る収納管理部を備える構成について説明した。各機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、各機能部のうち全部または一部が、管理サーバSvに具備されていてもよいし、これ以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、各機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、各機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0127】
具体的には、例えば、POS端末装置20に代えて、管理サーバSvが、複数の利用者IDにそれぞれ対応する請求額の合計額と、複数の利用者IDにそれぞれ対応する利用者名とを含む一覧画面640(図6(D)参照)を客側表示部205に表示させて精算を行うための指示を行うようにしてもよい。
【0128】
上記に関連し、POS端末装置20は、各種表示等に関しては、入出力のインターフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、POS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作やデバイスの検出)を受け付け、入力情報(操作情報や検出情報等)を管理サーバSvに送信し、当該入力情報に基づく管理サーバSvの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0129】
なお、以上に説明した商品販売データ処理システム1(POS端末装置20および管理サーバSv)を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0130】
Sv…管理サーバ、1…商品販売データ処理システム、10…店舗端末装置、20…POS端末装置、101…CPU、102…メモリ、103…通信I/F、201…CPU、205…客側表示部、206…客側スキャナ部、401…識別情報取得部、402…請求情報取得部、403…名前情報取得部、404…表示制御部、405…精算部、406…判定部、407…選択部、408…登録部、409…発行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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