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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160196
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】電力管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20231026BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231026BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20231026BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
H02J3/38 110
H02J3/32
H02J3/14 130
H02J13/00 301A
H02J13/00 311A
H02J13/00 311T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070362
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片桐 汐駿
(72)【発明者】
【氏名】畑野 隆文
(72)【発明者】
【氏名】小倉 徹
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 航司
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB12
5G064DA03
5G064DA11
5G066AE03
5G066AE09
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G066KA01
5G066KB03
(57)【要約】
【課題】電気自動車を含むエネルギーリソースの供出量を安定させること。
【解決手段】電力管理システムは、地域に対応する第1管理装置と、第1管理装置を統制する第2管理装置とを備える。第1管理装置は、地域内における、電気自動車に対して充放電可能な複数の充放電リソースについて、過去の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する推定部と、デマンドレスポンスの発動時に、第2管理装置からの指示に基づいて、複数の充放電リソースのそれぞれに対して、充電量または放電量を制御し、地域内の供出可能量を制御する制御部とを有する。第2管理装置は、地域ごとの第1管理装置から、推定した供出可能量を取得する取得部と、デマンドレスポンスの発動時に、取得した地域ごとの供出可能量と、供出する契約量とに応じて、地域を選択する選択部と、選択された地域の第1管理装置に対して、供出可能量を供出するように指示する指示部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域に対応する第1管理装置と、前記第1管理装置を統制する第2管理装置とを備える電力管理システムであって、
前記第1管理装置は、
前記地域内における、電気自動車に対して充放電可能な複数の充放電リソースについて、過去の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する推定部と、
デマンドレスポンスの発動時に、前記第2管理装置からの指示に基づいて、前記複数の充放電リソースのそれぞれに対して、充電量または放電量を制御し、前記地域内の供出量を制御する制御部と、
を有し、
前記第2管理装置は、
前記地域ごとの前記第1管理装置から、推定した前記供出可能量を取得する取得部と、
前記デマンドレスポンスの発動時に、取得した前記地域ごとの前記供出可能量と、供出する契約量とに応じて、前記地域を選択する選択部と、
選択された前記地域の前記第1管理装置に対して、前記供出可能量を供出するように指示する指示部と、
を有する、
電力管理システム。
【請求項2】
前記第2管理装置の前記指示部は、時間帯に応じて、前記第1管理装置が管理する前記地域の範囲を変更するように、前記第1管理装置に指示する、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記第1管理装置の前記推定部は、前記地域内において前記充放電リソースに接続される前記電気自動車の台数に基づいて、現在の前記供出可能量を推定し、
前記第2管理装置の前記指示部は、前記充放電リソースに接続される前記電気自動車の台数が、所定の台数未満とならないように、前記第1管理装置が管理する前記地域の範囲を変更するよう前記第1管理装置に指示する、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記第1管理装置の前記推定部は、所定の期間ごとに前記供出可能量を推定する、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記第2管理装置の前記選択部は、前記供出可能量が大きい前記地域から順番に前記地域を選択する、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記第2管理装置の前記選択部は、選択した前記地域の前記供出可能量の合計が、前記契約量を超える場合、前記契約量と、前記供出可能量の合計との差の絶対値が最小となる前記地域を、最後に選択する地域とする、
請求項5に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記第2管理装置の前記選択部は、前記供出可能量が同じ前記地域が複数ある場合、選択された回数が少ない方の前記地域を選択する、
請求項5に記載の電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の増加に伴い、電気自動車を充電するための充電設備が各地に設けられている。充電設備は、例えば、1箇所の充電スポットに複数の充電装置が設けられることがあるが、複数の充電装置の全てに電気自動車が接続されて充電が行われると、充電設備の許容電力量を超える場合がある。また、充電設備は、電力会社からデマンドレスポンスの要請が行われた場合、充電設備の出力電力量を抑える場合がある。この様な場合において、充電装置に接続される電気自動車に対する出力電力量を制御して、充電設備全体の電力使用量を制御することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-175315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デマンドレスポンスでは、電気自動車の充電または放電によって供出量を調整することが考えられる。しかしながら、電気自動車をデマンドレスポンスのエネルギーリソースとして用いる場合、電気自動車が接続される台数、つまり電気自動車の在/不在によって、供出量が影響を受ける。このため、安定的に電力の供出量を調整することが難しい。
【0005】
本開示は、電気自動車を含むエネルギーリソースの供出量を安定させることができる電力管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による電力管理システムは、地域に対応する第1管理装置と、前記第1管理装置を統制する第2管理装置とを備える。前記第1管理装置は、前記地域内における、電気自動車に対して充放電可能な複数の充放電リソースについて、過去の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する推定部と、デマンドレスポンスの発動時に、前記第2管理装置からの指示に基づいて、前記複数の充放電リソースのそれぞれに対して、充電量または放電量を制御し、前記地域内の供出可能量を制御する制御部と、を有する。前記第2管理装置は、前記地域ごとの前記第1管理装置から、推定した前記供出可能量を取得する取得部と、前記デマンドレスポンスの発動時に、取得した前記地域ごとの前記供出可能量と、供出する契約量とに応じて、前記地域を選択する選択部と、選択された前記地域の前記第1管理装置に対して、前記供出可能量を供出するように指示する指示部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電気自動車を含むエネルギーリソースの供出量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一実施形態における電力管理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態におけるアグリゲート装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における地域管理装置および充放電リソースの構成の一例を示す図である。
図4図4は、地域ごとの供出可能量と契約量との関係の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における電力管理処理の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、開示する電力管理システムの実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により開示技術が限定されるものではない。
【0010】
[全体構成]
図1は、本開示の一実施形態における電力管理システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、電力管理システム1は、アグリゲート装置10と、複数の地域200を管理する複数の地域管理装置100とを有する。また、地域200は、例えば、建物地下駐車場201、屋外駐車場202および一般家庭駐車場203等に設置された充放電リソース210を含む。なお、アグリゲート装置10と各地域管理装置100との間は図示しないネットワークで通信可能に接続されている。また、各地域管理装置100と各充放電リソース210との間は後述するネットワークNで通信可能に接続されている。さらに、アグリゲート装置10は、図示しない電力会社のサーバと図示しないネットワークで接続されている。建物地下駐車場201、屋外駐車場202および一般家庭駐車場203では、充放電リソース210に電気自動車300が接続されている。また、地域200内には、充電されていない電気自動車300も存在している。
【0011】
アグリゲート装置10は、所定の地域内のエネルギーリソースを束ねて、遠隔・統合制御を行うことで、電力の受給バランス調整を行う装置である。アグリゲート装置10は、例えば、電力会社からデマンドレスポンス(以下、DR(Demand Response)ともいう。)の要請が行われると、契約量に応じた供出量となるように、各地域管理装置100に対して、供出量の制御を指示する。つまり、アグリゲート装置10は、所定の地域内にある複数の地域200のエネルギーリソースを束ねて制御を行う。また、アグリゲート装置10は、複数の地域200の範囲を決定し、各地域200を管理する地域管理装置100に通知する。
【0012】
地域管理装置100は、予め供出可能量を推定しておき、DR発動時にアグリゲート装置10から供出量の制御が指示されると、指示に応じた供出量となるように、自身が管理する地域200内のエネルギーリソースを制御する装置である。制御対象のエネルギーリソースとしては、例えば、電気自動車300の充放電リソース210が挙げられる。なお、地域200は、例えば、都道府県や市町村といった行政区域で分割してもよいし、契約している電力会社によって分割してもよい。また、地域200は、例えば、時間帯等のよって範囲を変更するようにしてもよい。
【0013】
建物地下駐車場201、屋外駐車場202および一般家庭駐車場203等に設置された充放電リソース210は、電気自動車300が接続され、電気自動車300に対して充電または放電を行う装置である。充放電リソース210は、専用の設備であってもよいし、家庭用の電灯線に接続可能な装置であってもよい。充放電リソース210は、地域管理装置100の制御により、例えば、接続されている電気自動車300の充電電力量を制御することで、需要を抑制する下げDRや、需要を創出する上げDRを実行する。
【0014】
[アグリゲート装置10の構成]
次に、図2を用いてアグリゲート装置10について説明する。図2は、本実施形態におけるアグリゲート装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、アグリゲート装置10は、表示部11と、操作部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。なお、アグリゲート装置10は、図2に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイスなどの機能部を有することとしてもかまわない。また、アグリゲート装置10は、第2管理装置の一例である。
【0015】
表示部11は、各種情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部11は、表示デバイスとして液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。表示部11は、制御部15から入力された各種表示画面を表示する。
【0016】
操作部12は、アグリゲート装置10の管理者から各種操作を受け付ける入力デバイスである。操作部12は、例えば、入力デバイスとして、キーボードやマウス等によって実現される。操作部12は、管理者によって入力された操作を操作情報として制御部15に出力する。なお、操作部12は、入力デバイスとして、タッチパネル等によって実現されるようにしてもよく、表示部11の表示デバイスと、操作部12の入力デバイスとは、一体化されるようにしてもよい。
【0017】
通信部13は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部13は、図示しないネットワークを介して地域管理装置100および電力会社のサーバ(図示せず)と有線または無線で接続され、地域管理装置100および電力会社のサーバとの間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部13は、地域管理装置100から供出可能量と、接続中の電気自動車300の台数とを受信する。通信部13は、受信した供出可能量と、接続中の電気自動車300の台数とを制御部15に出力する。また、通信部13は、制御部15から供出可能量のリクエストと、供出指示と、台数のリクエストとが入力される。通信部13は、入力された供出可能量のリクエストと、供出指示と、台数のリクエストとを地域管理装置100に送信する。
【0018】
記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部14は、各地域管理装置100から取得した供出可能量等を記憶する。また、記憶部14は、制御部15での処理に用いる情報を記憶する。
【0019】
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部15は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。
【0020】
制御部15は、取得部16と、選択部17と、指示部18とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部15の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0021】
取得部16は、通信部13を介して、所定の期間ごとに各地域管理装置100に対して供出可能量のリクエストを送信する。取得部16は、初回のリクエストの送信後は、選択部17からリクエストの送信指示が入力されたタイミングで、各地域管理装置100に対して供出可能量のリクエストを送信する。取得部16は、通信部13を介して、各地域管理装置100から供出可能量のリクエストに応じた供出可能量を受信して取得する。取得部16は、受信した供出可能量を地域管理装置100ごとに記憶部14に記憶する。
【0022】
また、取得部16は、各地域管理装置100が管理する地域200の範囲が変更された場合、当該地域200内に接続可能な電気自動車300の台数のリクエストを、通信部13を介して、各地域管理装置100に送信する。
【0023】
選択部17は、図示しないネットワークを介して、電力会社のサーバからデマンドレスポンスの要請を受信したか否かを判定する。選択部17は、デマンドレスポンスの要請を受信していないと判定した場合、所定の期間を経過したか否かを判定する。なお、所定の期間は、例えば、毎日、毎週といった期間が挙げられる。選択部17は、所定の期間を経過していないと判定した場合、引き続き、デマンドレスポンスの要請を待機する。選択部17は、所定の期間を経過したと判定した場合、取得部16に対して、リクエストの送信指示を出力する。
【0024】
選択部17は、デマンドレスポンスの要請を受信したと判定した場合、記憶部14を参照して、地域200ごとの供出可能量と、供出する契約量とに応じて、デマンドレスポンスの対象地域を選択する。選択部17は、例えば、供出可能量が大きい地域200から順番に、対象地域を選択する。また、選択部17は、例えば、選択した地域200の供出可能量の合計が、契約量を超える場合、契約量と、供出可能量の合計との差の絶対値が最小となる地域200を、最後に選択する地域200とすることができる。さらに、選択部17は、例えば、供出可能量が同じ地域200が複数ある場合、選択された回数が少ない方の地域200を選択するようにしてもよい。選択部17は、選択した地域200を指示部18に出力する。
【0025】
指示部18は、選択部17から選択された地域200が入力されると、選択された地域200の地域管理装置100に対して、通信部13を介して、供出指示を送信する。また、指示部18は、時間帯に応じて各地域管理装置100が管理する地域200の範囲を変更するように、通信部13を介して、各地域管理装置100に対して範囲変更指示を送信するようにしてもよい。指示部18は、各地域管理装置100が管理する地域200の範囲を変更する場合、充放電リソースに接続される電気自動車300の台数が、所定の台数未満とならないように、各地域管理装置100が管理する地域200の範囲を変更するよう各地域管理装置100に指示する。なお、充放電リソースに接続される電気自動車300の台数は、地域200内に接続可能な電気自動車300の台数のリクエストに対する返信データに基づいて、電気自動車300が存在する確率から期待値を求めることができる。
【0026】
[地域管理装置100の構成]
続いて、図3を用いて地域管理装置100の構成について説明する。図3は、本実施形態における地域管理装置および充放電リソースの構成の一例を示す図である。図3に示すように、地域管理装置100は、表示部101と、操作部102と、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、地域管理装置100は、図3に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイスなどの機能部を有することとしてもかまわない。また、地域管理装置100は、第1管理装置の一例である。
【0027】
表示部101は、各種情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部101は、表示デバイスとして液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される。表示部101は、制御部130から入力された各種表示画面を表示する。
【0028】
操作部102は、地域管理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力デバイスである。操作部102は、例えば、入力デバイスとして、キーボードやマウス等によって実現される。操作部102は、管理者によって入力された操作を操作情報として制御部130に出力する。なお、操作部102は、入力デバイスとして、タッチパネル等によって実現されるようにしてもよく、表示部101の表示デバイスと、操作部102の入力デバイスとは、一体化されるようにしてもよい。
【0029】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。通信部110は、ネットワークNを介して各充放電リソース210と有線または無線で接続され、各充放電リソース210との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部110は、各充放電リソース210から接続中の電気自動車300の台数と、現在の電気自動車300への充電量または電気自動車300からの放電量等の情報を受信する。通信部110は、受信した台数と、現在の充電量または放電量等の情報を制御部130に出力する。また、通信部110は、制御部130から各充放電リソース210に対する充電量または放電量の制御情報が入力される。通信部110は、入力された制御情報を各充放電リソース210に送信する。
【0030】
また、通信部110は、図示しないネットワークを介して、アグリゲート装置10と有線または無線で接続され、アグリゲート装置10との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部110は、アグリゲート装置10から供出可能量のリクエストと、供出指示と、台数のリクエストと、範囲変更指示とを受信する。通信部110は、受信した供出可能量のリクエストと、供出指示と、台数のリクエストと、範囲変更指示とを制御部130に出力する。また、通信部110は、制御部130から供出可能量と、地域200内において接続中の電気自動車300の台数とが入力される。通信部110は、入力された供出可能量と、地域200内において接続中の電気自動車300の台数とをアグリゲート装置10に送信する。
【0031】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、各充放電リソース210から取得した接続中の電気自動車300の台数と、現在の充電量または放電量等の情報と、供出可能量等を記憶する。また、記憶部120は、制御部130での処理に用いる情報を記憶する。
【0032】
制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されるようにしてもよい。
【0033】
制御部130は、取得部131と、推定部132と、供出制御部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0034】
取得部131は、通信部110を介して、各充放電リソース210から接続中の電気自動車300の台数と、現在の電気自動車300への充電量または電気自動車300からの放電量とを取得する。取得部131は、取得した接続中の電気自動車300の台数と、現在の充電量または放電量とを記憶部120に記憶する。ここで、接続中の電気自動車300の台数と、現在の充電量または放電量とは、例えば、各充放電リソース210において、1分間隔で計測したデータが、各充放電リソース210から送信される。つまり、取得部131は、ほぼリアルタイムで各充放電リソース210における接続中の電気自動車300の台数と、現在の充電量または放電量とを取得する。なお、取得部131は、例えば、取得した接続中の電気自動車300の台数と、現在の充電量または放電量とについて、1時間ごとの平均値を算出し、平均値を記憶部120に記憶するようにしてもよい。
【0035】
推定部132は、記憶部120を参照し、過去の接続中の電気自動車300の台数と、充電量または放電量といった、各充放電リソース210の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する。つまり、推定部132は、地域200内における、電気自動車300に対して充放電可能な複数の充放電リソース210について、過去の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する。ここで、過去の稼働状況を求める期間としては、例えば、6ヶ月、3年等、精度に応じて任意の期間とすることができる。推定部132は、推定した供出可能量を記憶部120に記憶する。また、推定部132は、例えば、毎日、毎週といった所定の期間ごとに、過去の稼働状況を求める期間をスライドして推定を行い、記憶部120に記憶した供出可能量を更新するようにしてもよい。
【0036】
さらに、推定部132は、通信部110を介して、アグリゲート装置10から範囲変更指示を受信すると、受信した範囲変更指示に応じて自身が管理する地域200の範囲を変更する。推定部132は、自身が管理する地域200の範囲が変更された場合、変更後の地域200内において各充放電リソース210に接続される電気自動車300の台数に基づいて、現在の供出可能量を推定し、推定した供出可能量を記憶部120に記憶する。
【0037】
供出制御部133は、通信部110を介して、アグリゲート装置10から供出可能量のリクエストを受信すると、記憶部120を参照し、推定した供出可能量をアグリゲート装置10に送信する。また、供出制御部133は、通信部110を介して、アグリゲート装置10から台数のリクエストを受信すると、記憶部120を参照し、現在の地域200内に接続可能な電気自動車300の台数を返信データとしてアグリゲート装置10に送信する。
【0038】
供出制御部133は、通信部110を介して、アグリゲート装置10から供出指示を受信すると、供出指示に含まれる供出可能量を供出できるように、自身が管理する地域200内の各充放電リソース210に対する充電量または放電量の制御情報を生成する。供出制御部133は、通信部110を介して、生成した制御情報を各充放電リソース210に送信することで、各充放電リソース210の充電量または放電量を制御し、地域200内の供出量を制御する。つまり、供出制御部133は、デマンドレスポンスの発動時に、アグリゲート装置10からの指示に基づいて、複数の充放電リソース210のそれぞれに対して、充電量または放電量を制御し、地域200内の供出量を制御する。
【0039】
[充放電リソース210の構成]
次に、充放電リソース210の構成について説明する。図3に示すように、充放電リソース210は、通信部211と、制御部212と、EV接続部213とを有する。なお、充放電リソース210は、図3に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイスなどの機能部を有することとしてもかまわない。また、充放電リソース210は、図1に示す建物地下駐車場201、屋外駐車場202および一般家庭駐車場203等にそれぞれ設置される。
【0040】
通信部211は、例えば、NIC等によって実現される。通信部211は、ネットワークNを介して地域管理装置100と有線または無線で接続され、地域管理装置100との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部211には、制御部212から接続中の電気自動車300の台数と、現在の電気自動車300への充電量または電気自動車300からの放電量とが入力される。通信部211は、入力された台数と、現在の充電量または放電量とを地域管理装置100に送信する。また、通信部211は、地域管理装置100から充電量または放電量の制御情報を受信する。通信部211は、受信した充電量または放電量の制御情報を制御部212に出力する。
【0041】
制御部212は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されるようにしてもよい。
【0042】
制御部212は、EV接続部213から、EV接続部213に接続されている電気自動車300の台数と、電気自動車300それぞれの充電量または放電量とを取得する。制御部212は、取得した接続中の電気自動車300の台数と、現在の電気自動車300への充電量または電気自動車300からの放電量とを、通信部211を介して、地域管理装置100に送信する。
【0043】
制御部212は、通信部211を介して、地域管理装置100から充電量または放電量の制御情報を受信すると、制御情報に応じて、接続中の電気自動車300の充電量または放電量を制御する。制御部212は、デマンドレスポンスの発動時に充電を行う場合、下げDRでは1台当たりの電力供給を減少させ、上げDRでは1台当たりの電力供給を上昇させるように制御する。一方、制御部212は、デマンドレスポンスの発動時に、下げDRにおいて放電を行う場合、電気自動車300から電力の供給を受け、例えば、充放電リソース210が設置されている建物への電力の供給を行うように制御する。このとき、EV接続部213に複数の電気自動車300が接続されていれば、1台の電気自動車300を放電とし、残りの電気自動車300を充電とするような制御が行われてもよい。また、制御部212は、充放電リソース210から送電網側に電力を供給する逆潮流を行うようにしてもよい。
【0044】
EV接続部213には、電気自動車300が接続される。EV接続部213は、通常時には、例えば、電気自動車300に対して電気自動車300が許容する最大電力を供給し、電気自動車300の充電を行う。また、EV接続部213は、デマンドレスポンスの発動時には、制御部212によって制御された充電量または放電量で電気自動車300に対する充電または放電を行う。
【0045】
[デマンドレスポンスの一例]
続いて、図4を用いてデマンドレスポンスの一例について説明する。図4は、地域ごとの供出可能量と契約量との関係の一例を示す図である。図4に示す表20は、複数の地域200として都道府県を用いており、デマンドレスポンスを行う時間帯として1時間ごととし、この場合の地域200の採否と、供出量と、契約量とを表している。また、表20の例では、契約量が5000kWであり、アグリゲート装置10がデマンドレスポンスにおいて供出する供出量の目標値(供出量の合計)を5000kWとしている。なお、アグリゲート装置10は、デマンドレスポンスの要請の有無に関わらず、供出量の合計が契約量となる組み合わせを求めておき、デマンドレスポンスの要請があった時点で、求めた組み合わせの地域200の地域管理装置100に対してデマンドレスポンスを発動するものとする。
【0046】
時間帯「0:00-1:00」では、東京都の供出可能量が「100kW」、神奈川県の供出可能量が「400kW」、埼玉県の供出可能量が「1000kW」、千葉県の供出可能量が「1000kW」となっている。これは、電気自動車300が郊外の家庭で充電のため充放電リソース210に接続されていることを想定している。アグリゲート装置10は、例えば、供出可能量が多い地域200から採用していく。この場合、埼玉県と千葉県は、東京都と神奈川県よりも供出可能量が多いため、先に採用される。同様に、アグリゲート装置10は、他の地域200においても、供出可能量が多い地域200から採用していき、供出量の合計が5000kWとなった時点で採用をやめる。従って、供出可能量が埼玉県や千葉県と比較して少ない東京都と神奈川県は、不採用となっている。
【0047】
時間帯「9:00-10:00」では、東京都の供出可能量が「1600kW」、神奈川県の供出可能量が「1000kW」、埼玉県の供出可能量が「200kW」、千葉県の供出可能量が「200kW」となっている。これは、電気自動車300が都心の事業所等で充電のため充放電リソース210に接続されていることを想定している。アグリゲート装置10は、例えば、供出可能量が多い地域200から採用していく。この場合、東京都と神奈川県は、埼玉県と千葉県よりも供出可能量が多いため、先に採用される。同様に、アグリゲート装置10は、他の地域200においても、供出可能量が多い地域200から採用していき、供出量の合計が5000kWとなった時点で採用をやめる。従って、供出可能量が東京都や神奈川県と比較して少ない埼玉県と千葉県は、不採用となっている。
【0048】
時間帯「15:00-16:00」では、東京都の供出可能量が「1200kW」、神奈川県の供出可能量が「1200kW」、埼玉県の供出可能量が「300kW」、千葉県の供出可能量が「300kW」となっている。これは、電気自動車300が都心の事業所等で充電のため充放電リソース210に接続されていることを想定している。アグリゲート装置10は、例えば、供出可能量が多い地域200から採用していくが、供出可能量が同じ値である地域200が存在する場合、1日のうちで採用回数が少ない地域200を優先的に採用するものとする。ここで、東京都と神奈川県は、供出可能量が同じ値であるが、東京都の方が採用回数が少ないものとする。この場合、アグリゲート装置10は、東京都を採用し、神奈川県を不採用とする。同様に、埼玉県と千葉県は、供出可能量が同じ値であるが、埼玉県の方が採用回数が少ないものとする。この場合、アグリゲート装置10は、埼玉県を採用し、千葉県を不採用とする。アグリゲート装置10は、他の地域200においても、供出可能量が同じ値である地域200が存在する場合、1日のうちで採用回数が少ない地域200を優先的に採用していき、供出量の合計が5000kWとなるように調整する。
【0049】
時間帯「19:00-20:00」では、東京都の供出可能量が「900kW」、神奈川県の供出可能量が「600kW」、埼玉県の供出可能量が「300kW」、千葉県の供出可能量が「500kW」となっている。これは、充電中の電気自動車300の分布が都心から郊外へと移動していることを想定している。アグリゲート装置10は、例えば、供出可能量が多い地域200から採用していき、東京都の採用後の供出量の合計が4500kWであったとする。次に、供出可能量が多い神奈川県が候補となるが、神奈川県の供出可能量を加算すると、供出量の合計が5100kWとなり、契約量の5000kWを超えてしまう。そこで、アグリゲート装置10は、供出量の合計が5000kWにより近づけることができる千葉県を採用する。つまり、神奈川県は不採用とする。
【0050】
[供出可能量と電気自動車300との関係]
次に、供出可能量と電気自動車300との関係について説明する。供出可能量は、地域管理装置100が管理する充放電リソース210の消費電力の総和から消費電力の期待値を算出し、算出した消費電力の期待値を供出可能量とする。例えば、ある地域xにおける地域管理装置100が管理する充放電リソース210の消費電力の総和がE(x)kW、電気自動車300が時刻tのとき充放電リソース210に接続している確率をp(t)とする。この場合、当該地域xの供出可能量は、E(x)p(t)kWとすることができる。
【0051】
また、電気自動車300の充放電リソース210への接続中か未接続か(在/不在)の影響は、地域200内の電気自動車300の台数が多いほど小さくなる。例えば、電気自動車300が接続中である確率p(t)=0.5、電気自動車300の台数を100台とすると、分散=100×0.5×0.5=25、標準偏差=5、期待値=100×0.5=50となる。この場合、2σの範囲(全体の95.5%)は、40台~60台(40%~60%)となる。
【0052】
また、例えば、電気自動車300が接続中である確率p(t)=0.5、電気自動車300の台数を10000台とすると、分散=10000×0.5×0.5=2500、標準偏差=5、期待値=100×0.5=5000となる。この場合、2σの範囲(全体の95.5%)は、4900台~5100台(49%~51%)となる。
【0053】
[DRにおける供出可能量の利用]
DR発動時に、下げDRを実施する場合、地域管理装置100は、例えば、管理下の全ての充放電リソース210における電気自動車300への充電出力を下げる。これにより、供出可能量に応じた電力が下げDR量として創出される。例えば、供出可能量(期待値)が500kWの地域200の充放電リソース210の出力を100%から0%とすれば、500kWの供出量とみなせる。また、当該地域200の充放電リソース210の出力を100%から50%とすれば、250kWの供出量とみなせる。
【0054】
DR発動時に、上げDRを実施する場合、地域管理装置100は、例えば、管理下の全ての充放電リソース210における電気自動車300への充電出力を上げる。これにより、供出可能量に応じた電力が上げDR量として創出される。例えば、供出可能量(期待値)が500kWの地域200の充放電リソース210の出力を0%から100%とすれば、500kWの供出量とみなせる。また、当該地域200の充放電リソース210の出力を0%から50%とすれば、250kWの供出量とみなせる。なお、充放電リソース210の出力は、ON/OFFの制御でもよいし、0%~100%の間で任意に設定するようにしてもよい。
【0055】
[電力管理方法]
続いて、図5を用いてDRが要請された場合における電力管理処理について説明する。図5は、本実施形態における電力管理処理の一例を示すシーケンス図である。
【0056】
まず、地域管理装置100の推定部132は、記憶部120を参照し、過去の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する(ステップS1)。推定部132は、推定した供出可能量を記憶部120に記憶する。
【0057】
アグリゲート装置10の取得部16は、各地域管理装置100に対して供出可能量のリクエストを送信する(ステップS2)。
【0058】
地域管理装置100の供出制御部133は、アグリゲート装置10から供出可能量のリクエストを受信すると、記憶部120を参照し、推定した供出可能量をアグリゲート装置10に送信する(ステップS3)。
【0059】
アグリゲート装置10の取得部16は、各地域管理装置100から供出可能量のリクエストに応じた供出可能量を受信して取得する(ステップS4)。取得部16は、受信した供出可能量を地域管理装置100ごとに記憶部14に記憶する。
【0060】
選択部17は、電力会社のサーバからデマンドレスポンスの要請を受信したか否かを判定する(ステップS5)。選択部17は、デマンドレスポンスの要請を受信していないと判定した場合(ステップS5:No)、所定の期間を経過したか否かを判定する(ステップS6)。選択部17は、所定の期間を経過していないと判定した場合(ステップS6:No)、ステップS5に戻り、デマンドレスポンスの要請を待機する。選択部17は、所定の期間を経過したと判定した場合(ステップS6:Yes)、取得部16に対して、リクエストの送信指示を出力し、ステップS2に戻る。
【0061】
選択部17は、デマンドレスポンスの要請を受信したと判定した場合(ステップS5:Yes)、記憶部14を参照して、地域200ごとの供出可能量と、供出する契約量とに応じて、デマンドレスポンスの対象地域を選択する(ステップS7)。選択部17は、選択した地域200を指示部18に出力する。
【0062】
指示部18は、選択部17から選択された地域200が入力されると、選択された地域200の地域管理装置100に対して、供出指示を送信する(ステップS8)。すなわち、指示部18は、選択された地域200内の各充放電リソース210を1つの電源とみなしてDRを実施する。
【0063】
地域管理装置100の供出制御部133は、アグリゲート装置10から供出指示を受信すると、自身が管理する地域200内の各充放電リソース210に対する充電量または放電量の制御情報を生成する。供出制御部133は、生成した制御情報を各充放電リソース210に送信することで、各充放電リソース210の充電量または放電量を制御し、地域200内の供出量を制御する(ステップS9)。このように、電気自動車300の在/不在を考慮して推定した供出可能量に基づいて、地域200内の供出量を制御するので、電気自動車300を含むエネルギーリソースの供出量を安定させることができる。すなわち、電力需要の変動に応じて、複数の地域200を組み合わせてリソースとして利用することができる。
【0064】
[効果]
以上、本実施形態によれば、電力管理システム1は、地域200に対応する第1管理装置(地域管理装置100)と、第1管理装置を統制する第2管理装置(アグリゲート装置10)とを備える。第1管理装置は、推定部132と、供出制御部133とを有する。推定部132は、地域200内における、電気自動車300に対して充放電可能な複数の充放電リソース210について、過去の稼働状況に基づいて、現在の供出可能量を推定する。供出制御部133は、デマンドレスポンスの発動時に、第2管理装置からの指示に基づいて、複数の充放電リソース210のそれぞれに対して、充電量または放電量を制御し、地域200内の供出量を制御する。第2管理装置は、取得部16と、選択部17と、指示部18とを有する。取得部16は、地域200ごとの第1管理装置から、推定した供出可能量を取得する。選択部17は、デマンドレスポンスの発動時に、取得した地域200ごとの供出可能量と、供出する契約量とに応じて、地域200を選択する。指示部18は、選択された地域200の第1管理装置に対して、供出可能量を供出するように指示する。その結果、電力管理システム1は、電気自動車300を含むエネルギーリソースの供出量を安定させることができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、第2管理装置の指示部18は、時間帯に応じて、第1管理装置が管理する地域200の範囲を変更するように、第1管理装置に指示する。その結果、電力管理システム1は、電気自動車300の時間帯に応じた存在の偏りに対応した地域200の範囲を設定することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、第1管理装置の推定部132は、地域200内において充放電リソース210に接続される電気自動車300の台数に基づいて、現在の供出可能量を推定する。また、第2管理装置の指示部18は、充放電リソース210に接続される電気自動車300の台数が、所定の台数未満とならないように、第1管理装置が管理する地域200の範囲を変更するよう第1管理装置に指示する。その結果、電力管理システム1は、電気自動車300を含むエネルギーリソースの供出量を安定させることができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、第1管理装置の推定部132は、所定の期間ごとに供出可能量を推定する。その結果、電力管理システム1は、供出可能量の推定精度を高めることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、第2管理装置の選択部17は、供出可能量が大きい地域200から順番に地域200を選択する。その結果、電力管理システム1は、DRを発動する地域200の数を少なくすることができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、第2管理装置の選択部17は、選択した地域200の供出可能量の合計が、契約量を超える場合、契約量と、供出可能量の合計との差の絶対値が最小となる地域200を、最後に選択する地域200とする。その結果、電力管理システム1は、供出可能量の合計を契約量に近づけることができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、第2管理装置の選択部17は、供出可能量が同じ地域200が複数ある場合、選択された回数が少ない方の地域200を選択する。その結果、電力管理システム1は、DRを発動する地域200を分散させることができる。
【0071】
[ハードウェア構成]
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。なお、アグリゲート装置10および地域管理装置100は、同じハードウェア構成を有するので、ここでは、情報処理装置400として説明する。図6に示すように、情報処理装置400は、通信装置400a、HDD(Hard Disk Drive)400b、メモリ400c、プロセッサ400dを有する。また、図6に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0072】
通信装置400aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他の装置との通信を行う。HDD400bは、図2および図3に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0073】
プロセッサ400dは、図2および図3に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD400b等から読み出してメモリ400cに展開することで、図2および図3等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、アグリゲート装置10を例にして説明すると、このプロセスは、アグリゲート装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ400dは、取得部16、選択部17および指示部18等と同様の機能を有するプログラムをHDD400b等から読み出す。そして、プロセッサ400dは、取得部16、選択部17および指示部18等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0074】
このように、情報処理装置400は、プログラムを読み出して実行することで各種情報処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、情報処理装置400は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、情報処理装置400によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、上記実施形態が同様に適用されてもよい。
【0075】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されてもよい。
【0076】
[その他]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、実施形態の構成や詳細は、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0077】
上記実施形態で説明したネットワーク、アグリゲート装置10の数、地域管理装置100の数、充放電リソース210の種類や数、供出可能量の例、契約量の例等は、あくまで一例であり、任意に変更することができる。また、シーケンス図で説明した処理の流れも矛盾のない範囲内で適宜変更することができる。
【0078】
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、アグリゲート装置10と地域管理装置100とを同じコンピュータ(筐体)で実現することもできる。
【0080】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【符号の説明】
【0081】
1 電力管理システム
10 アグリゲート装置
13,110 通信部
14,120 記憶部
15,130 制御部
16 取得部
17 選択部
18 指示部
100 地域管理装置
131 取得部
132 推定部
133 供出制御部
200 地域
210 充放電リソース
300 電気自動車
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6