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特開2023-16020接続アセンブリ、コネクタ、およびコネクタ・アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016020
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】接続アセンブリ、コネクタ、およびコネクタ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/34 20060101AFI20230125BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20230125BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20230125BHJP
【FI】
H01R4/34
H01R13/52 301H
H01R13/6581
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022113761
(22)【出願日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】202110820871.8
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユーチェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,シャオ
【テーマコード(参考)】
5E012
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E012BA12
5E021FA02
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC21
5E021LA10
5E021LA15
5E087EE06
5E087FF13
5E087FF18
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM06
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】本発明により、導電性ハウジングの取り付け穴に配置された導電性プラグが電磁シールド機能を実現し、導電性プラグにスリーブが形成された弾性シール・スリーブが導電性プラグと取り付け穴の内壁との隙間をシールして防水機能を実現することができる、接続アセンブリ、コネクタ、およびコネクタ・アセンブリを提供する。
【解決手段】接続アセンブリは、高電圧ケーブル(1)を接続するために用いられ、かつ絶縁部材(50)を含む、高電圧ケーブル(1)を合わせ接続部に固定的に接続するためのネジ式ファスナ(30、50)、および絶縁部材(50)と接続された導電性プラグ(60)を備え、導電性プラグ(60)を回転させることによって、ネジ式ファスナ(30、50)を締緩することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部材(50)を含む、高電圧ケーブル(1)を合わせ接続部に固定的に接続するためのネジ式ファスナ(30、50)、および
前記絶縁部材(50)と接続された導電性プラグ(60)
を備え、
前記導電性プラグ(60)を回転させることによって、ネジ式ファスナ(30、50)を締緩することができる、高電圧ケーブル(1)を接続するための接続アセンブリ。
【請求項2】
前記ネジ式ファスナ(30、50)が、導電性のネジ式接続部材(30)を含み、
前記絶縁部材(50)が、前記導電性プラグ(60)と前記ネジ式接続部材(30)との間に係合して、前記導電性プラグ(60)を前記ネジ式接続部材(30)から電気的に絶縁する、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記絶縁部材(50)は、前記導電性プラグ(60)の周囲に配置され、前記ネジ式接続部材(30)と前記導電性プラグ(60)との間の沿面距離を増加する外周絶縁部(51)を備える、請求項2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記絶縁部材(50)が、前記ネジ式接続部材(30)および前記導電性プラグ(60)に同時に形成されるか、または
前記絶縁部材(50)が、前記ネジ式接続部材(30)および前記導電性プラグ(60)とは別に形成され、かつ前記ネジ式接続部材(30)および前記導電性プラグ(60)にスリーブが形成されているか、または
前記絶縁部材(50)が、前記ネジ式接続部材(30)および前記導電性プラグ(60)のうちの一方に形成され、かつ前記ネジ式接続部材(30)および前記導電性プラグ(60)のうちの他方にスリーブが形成されている、請求項2に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記絶縁部材(50)および前記導電性プラグ(60)が別に成形され、かつ前記導電性プラグ(60)にスリーブが形成され、
前記絶縁部材(50)の内壁および前記導電性プラグ(60)の外壁のうちの一方に、環状溝(61a)が形成され、他方に前記環状溝(61a)との係合に適した環状突出部が形成されている、請求項4に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記絶縁部材(50)が中間凸部(52)を更に備え、かつ前記外周絶縁部(51)が前記中間凸部(52)を囲み、前記中間凸部(52)に接続されており、
前記導電性プラグ(60)が、前記絶縁部材(50)の前記外周絶縁部(51)と前記中間凸部(52)との間に係合して、前記絶縁部材(50)に対して前記導電性プラグ(60)が回転するのを防止し、
前記ネジ式接続部材(30)が、前記絶縁部材(50)の前記中間凸部(52)に係合して、前記絶縁部材(50)に対して前記ネジ式接続部材(30)が回転するのを防止する、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記ネジ式接続部材(30)がボルトであり、前記ボルトの頭部(31)が前記絶縁部材(50)内に係合されているか、または
前記ネジ式接続部材(30)がナットであり、前記ナットが前記絶縁部材(50)内に係合されている、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
前記ネジ式接続部材(30)がボルトであり、前記ボルトの頭部(31)が前記絶縁部材(50)内に係合されており、かつ
前記接続アセンブリは、前記ボルトの端部(32)が指によって接触されるのを防止するために、前記頭部(31)とは反対側の前記ボルトの端部(32)にスリーブが形成された絶縁キャップ(90)を更に含む、請求項7に記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
前記導電性プラグ(60)の外側端部にブラインド・スロット穴(63)が形成され、前記ブラインド・スロット穴(63)は、前記導電性プラグ(60)を回転駆動するための外部ツールと係合するために使用される、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記導電性プラグ(60)と導電性ハウジング(100)との間の隙間をシールするために、前記導電性プラグ(60)にスリーブが形成された弾性シール・スリーブ(70)
を更に備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項11】
取り付け穴(101)を有する導電性ハウジング(100)、
前記導電性ハウジング(100)に取り付けられた内部絶縁体(200)、
前記内部絶縁体(200)に設けられた端子(20)、
前記内部絶縁体(200)に設けられた合わせネジ式接続部材(40)、および
請求項1~10のいずれか1項に記載の接続アセンブリ
を備え、
前記接続アセンブリは、前記取り付け穴(101)を通って前記導電性ハウジング(100)に入り、前記端子(20)を高電圧ケーブル(1)に電気的に接続するために前記合わせネジ式接続部材(40)と接続される、コネクタ。
【請求項12】
前記接続アセンブリの前記導電性プラグ(60)が、前記取り付け穴(101)を塞ぐために前記取り付け穴(101)に配置され、
前記接続アセンブリの前記弾性シール・スリーブ(70)は、前記導電性プラグ(60)と前記導電性ハウジング(100)との間の隙間をシールするために、前記導電性プラグ(60)にスリーブが形成されている、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記導電性プラグ(60)と前記導電性ハウジング(100)との間の隙間のサイズは、前記隙間を通って前記導電性ハウジング(100)の外部に電磁波が漏れるのを防止するように設定されている、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記弾性シール・スリーブ(70)は、弾性導電性材料から形成される弾性導電性シールであり、前記導電プラグ(60)は、前記弾性シール・スリーブ(70)を介して、前記導電ハウジング(100)に電気的に接続されている、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記端子(20)にはスロットが形成され、前記合わせネジ式接続部材(40)は前記端子(20)のスロットに配置されて、前記合わせネジ式接続部材(40)が前記端子(20)に対して回転するのを防止する、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記導電性プラグ(60)は柱状ボディ部(61)を備え、前記弾性シール・スリーブ(70)は円筒状ボディ部(71)を備え、
前記円筒状ボディ部(71)は、前記柱状ボディ部(61)にスリーブが形成され、前記導電性プラグ(60)の前記柱状ボディ部(61)と前記取り付け穴(101)の内壁との間で半径方向に圧縮されて、両者の間の隙間をシールする、請求項11~15のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記導電性プラグ(60)は、前記柱状ボディ部(61)の外側端部に形成された環状ブリム部(62)を更に備え、かつ前記弾性シール・スリーブ(70)は、前記円筒状ボディ部(71)の一端に形成された半径方向に延在する環状リップ部(72)を更に備え、
前記環状リップ部(72)は、前記導電性プラグ(60)の前記環状ブリム部(62)と前記導電性ハウジング(100)の外面との間で軸方向に圧縮されて、両者の間の隙間をシールする、請求項16に記載のコネクタ。
【請求項18】
請求項11~17のいずれか1項に記載のコネクタ、並びに
ケーブル(1)および前記ケーブル(1)と接続されたケーブル端子(10)を含むケーブルアセンブリ
を備え、
前記ケーブル端子(10)が、前記導電性ハウジング(100)に配置され、前記コネクタの前記端子(20)と電気的に接続されている、コネクタ・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2021年7月20日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第2021108208718号の利益を主張し、その開示全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、接続アセンブリ、接続アセンブリを含むコネクタ、およびコネクタを含むコネクタ・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術では、自動車における高電圧電気回路の迅速な電気的接続を実現するために、高電圧ケーブルとバスバーとの電気的接続を迅速に実現することができるコネクタが必要とされている。コネクタは、高電圧ケーブルおよびバスバーと電気的に接続される端子を内部に備えている。一般的に、端子はボルトを介して高電圧ケーブルに接続される。ボルトを操作するためには、コネクタのハウジングに取り付け穴を形成し、取り付け穴から外部ツールがハウジング内に進入してボルトを操作できるようにする必要がある。
【0004】
しかしながら、先行技術では、通常、取り付け穴は塞がれておらず、開放状態であるため、コネクタは防水機能および電磁波シールド機能を有さないことになる。また、防水機能および電磁波シールド機能を実現するためには、ハウジングに金属製のカバーを設けて取り付け穴を塞ぎ、シールする必要がある。しかし、これはハウジングの複雑化を招き、コネクタの製造コストや操作難易度を上昇させることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した欠点の少なくとも一面を克服または緩和するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様によれば、高電圧ケーブルを接続するための接続アセンブリが提供される。接続アセンブリは、絶縁部材を含む、高電圧ケーブルを合わせ(または番いを成す、若しくは嵌り合うようになっている;mating)接続部に固定的に接続するためのネジ式(threaded)ファスナ、および絶縁部材と接続された導電性プラグを備え、導電性プラグを回転させることによって、ネジ式ファスナを締緩する(または締め付けたり緩めたりする)ことができる。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、ネジ式ファスナは導電性のネジ式接続部材を含み、絶縁部材は導電性プラグとネジ式接続部材との間に係合して、導電性プラグをネジ式接続部材から電気的に絶縁する。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁部材は、導電性プラグの周囲に配置され、ネジ式接続部材と導電性プラグとの間の沿面距離(creepage distance)を増加する外周絶縁部を備える。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁部材は、ネジ式接続部材および導電性プラグに同時に形成されるか、または絶縁部材は、ネジ式接続部材および導電性プラグとは別に形成され、かつネジ式接続部材および導電性プラグにスリーブが形成されているか、または絶縁部材は、ネジ式接続部材および導電性プラグのうちの一方に形成され、かつネジ式接続部材および導電性プラグのうちの他方にスリーブが形成されている。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁部材および導電性プラグは別に成形され、かつ導電性プラグにスリーブが形成され;絶縁部材の内壁および導電性プラグの外壁のうちの一方に環状溝が形成され、他方に環状溝との係合に適した環状突出部が形成されている。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁部材は中間凸部を更に備え、かつ外周絶縁部は中間凸部を囲み、中間凸部に接続されており、導電性プラグは絶縁部材の外周絶縁部と中間凸部との間に係合して、絶縁部材に対して導電性プラグが回転するのを防止し、ネジ式接続部材は絶縁部材の中間凸部に係合して、絶縁部材に対してネジ式接続部材が回転するのを防止する。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ネジ式接続部材はボルトであり、ボルトの頭部は絶縁部材内に係合されているか、または、ネジ式接続部材はナットであり、ナットは絶縁部材内に係合されている。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ネジ式接続部材はボルトであり、ボルトの頭部は絶縁部材内に係合されており、接続アセンブリは、ボルトの端部が指によって接触されるのを防止するために、頭部と反対側のボルトの端部にスリーブが形成された絶縁キャップを更に含む。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導電性プラグの外側端部にブラインド・スロット穴が形成され、ブラインド・スロット穴は、導電性プラグを回転駆動するための外部ツールと係合するために使用される。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、接続アセンブリは、導電性プラグと導電性ハウジングとの間の隙間をシールするために、導電性プラグにスリーブが形成された弾性シール・スリーブを更に備える。
【0016】
本発明の別の態様によれば、取り付け穴を有する導電性ハウジングと、導電性ハウジングに取り付けられた内部絶縁体と、内部絶縁体に設けられた端子と、内部絶縁体に設けられた合わせネジ式接続部材と、上記接続アセンブリと、を備えるコネクタが提供される。接続アセンブリは、取り付け穴を通って導電性ハウジングに入り、端子を高電圧ケーブルに電気的に接続するために、合わせネジ式接続部材と接続される。
【0017】
本発明の例示的な実施形態によれば、接続アセンブリの導電性プラグは、取り付け穴を塞ぐために取り付け穴に配置され、接続アセンブリの弾性シール・スリーブは、導電性プラグと導電性ハウジングとの間の隙間をシールするために、導電性プラグにスリーブが形成されている。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導電性プラグと導電性ハウジングとの間の隙間のサイズは、隙間を通って導電性ハウジングの外部に電磁波が漏れるのを防止するように設定されている。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性シール・スリーブは、弾性導電性材料から形成される弾性導電性シールであり、導電性プラグは、弾性シール・スリーブを介して、導電性ハウジングに電気的に接続される。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子にはスロットが形成され、合わせネジ式接続部材が端子のスロットに配置されて、合わせネジ式接続部材が端子に対して回転するのを防止する。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導電性プラグは柱状ボディ部(columnar body part)を備え、弾性シール・スリーブは円筒状ボディ部を備え、円筒状ボディ部(columnar body part)は、柱状ボディ部にスリーブが形成され、導電性プラグの柱状ボディ部と取り付け穴の内壁との間で半径方向に圧縮されて両者の間の隙間をシールする。
【0022】
本発明の別の例示的な実施態様によれば、導電性プラグは、柱状ボディ部の外側端部に形成された環状ブリム部(または、つば部もしくは縁部;brim part)を更に備え、弾性シール・スリーブは、円筒状ボディ部の一端に形成された半径方向に延在する環状リップ部を更に備え、環状リップ部は導電性プラグの環状ブリム部と導電ハウジングの外面との間で軸方向に圧縮されて、両者の間の隙間をシールする。
【0023】
本発明の別の態様によれば、上記コネクタ、並びにケーブルおよびケーブルと接続されたケーブル端子を含むケーブルアセンブリを備えるコネクタ・アセンブリが提供される。ケーブル端子は、導電性ハウジングに配置され、コネクタの端子と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明による上記例示的な実施形態において、取り付け穴に配置された導電性プラグは電磁シールド機能を実現でき、導電性プラグにスリーブが形成された弾性シール・スリーブは導電性プラグと取り付け穴の内壁との間の隙間をシールして、防水機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の上記および他の特徴は、添付の図面を参照してその例示的な実施形態を詳細に説明することによってより明らかになる。
図1】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの例示的な斜視図を示す。
図2図1に示されたコネクタの断面図を示す。
図3】導電性ハウジングが取り除かれた、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの例示的な斜視図を示す。
図4】内部絶縁体が取り除かれた状態の、図3に示されたコネクタを一方向から見た場合の例示的な斜視図を示す。
図5】内部絶縁体が取り除かれた状態の、図3に示されたコネクタを別の方向から見た場合の例示的な斜視図を示す。
図6図4および図5に示されたコネクタの断面図を示す。
図7】本発明の例示的な実施形態によるコネクタの分解模式図を示す。
図8図1に示したコネクタにおける接続アセンブリの組立図を示す。
図9図8に示した接続アセンブリの断面図を示す。
図10図8に示す接続アセンブリの分解斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明するが、ここで、同様の参照数字は、同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分かつ完全なものとなり、当業者に本開示の概念を十分に伝えるように提供されるものである。
【0027】
以下の詳細な説明では、説明のために、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、1つ以上の実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることは明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスが概略的に示される。
【0028】
本発明の一般的な概念によれば、高電圧ケーブルを接続するための接続アセンブリが提供され、この接続アセンブリは、絶縁部材を含む、高電圧ケーブルを合わせ接続部に固定的に接続するためのネジ式ファスナ、および絶縁部材と接続された導電性プラグを備え、導電性プラグを回転させることによって、ネジ式ファスナを締緩することができる。
【0029】
本発明の他の一般的技術概念によれば、コネクタが提供され、このコネクタは、取り付け穴を有する導電性ハウジング、導電性ハウジングに設置された内部絶縁体、内部絶縁体に設けられた端子、内部絶縁体に配置された合わせネジ式接続部材、並びに取り付け穴を通って導電性ハウジングに入り、端子を高電圧ケーブルに電気てきに接続するために合わせネジ式接続部材と接続されている接続アセンブリを備える。
【0030】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの例示的な斜視図である。図2は、図1に示されたコネクタの断面図を示す。図3は、導電性ハウジング100が取り除かれた、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの例示的な斜視図である。図7は、本発明の例示的な実施形態によるコネクタの分解概略図である。
【0031】
図1~3および図7に示すように、図示の実施形態では、コネクタは、主に、導電性ハウジング100、内部絶縁体200、端子20、ネジ式接続部材30、合わせネジ式接続部材40、導電性プラグ60、弾性シール・スリーブ70および絶縁部材50を含む。導電性ハウジング100は、取り付け穴101を有する。内部絶縁体200は、導電性ハウジング100に取り付けられる。端子20は、内部絶縁体200に設けられている。内部絶縁体200は、端子20を保持し、端子20を導電性ハウジング100から電気的に絶縁するために用いられる。
【0032】
図8は、図1に示すコネクタにおける接続アセンブリの組立図、図9は、図8に示す接続アセンブリの断面図、図10は、図8に示す接続アセンブリの分解斜視図である。
【0033】
図1~3および図7~10に示すように、図示の実施形態では、ネジ式接続部材30、導電性プラグ60および絶縁部材50が接続アセンブリを形成している。接続アセンブリは、導電性ハウジング100の取り付け穴101を通って導電性ハウジング100に入る。接続アセンブリのネジ式接続部材30は、合わせネジ式接続部材40とネジ留め(または螺合)されて、端子20をケーブル端子10に接続する。図示の実施形態では、ケーブル端子10の一端11が高電圧ケーブル1の導体に圧着され、他端12がコネクタの端子20の一端22に接続される。このようにして、コネクタの端子20は、高電圧ケーブル1に接続される。また、図示しないが、コネクタには、高電圧ケーブル1のシールド層を導電性ハウジング100に電気的に接続するために、導電性ハウジング100に設置されたシールド接続部材が含まれる。例えば、前記シールド接続部材は、高電圧ケーブル1のシールド層上に覆われた(またはシースされた)導電性リングであってもよく、導電性リングは導電性バネを有し、導電性バネは導電性ハウジング100の内壁面に接触している。防水要求がある場合、コネクタはまた、導電性ハウジング100と高電圧ケーブルとの間に配置されて、両者の間の合わせ界面をシールするシール・リングを含む。
【0034】
図1~3および図7~10に示すように、図示の実施形態では、電磁シールド機能を実現するために、導電性プラグ60は、取り付け穴101に配置されて、取り付け穴101を塞ぐ。弾性シール・スリーブ70は、導電性プラグ60にスリーブを形成し、導電性プラグ60と導電性ハウジング100との間の隙間をシールして、防水機能を実現する。なお、設置環境に防水要求がない場合は、弾性シール・スリーブ70を省略することができる。絶縁部材50は、導電性プラグ60とネジ式接続部材30との間に係合し、導電性プラグ60をネジ式接続部材30から電気的に絶縁し、導電性プラグ60を回転させることによってネジ式接続部材30、40を締緩することができる。図示の実施形態では、ネジ式接続部材30は導電性であり、絶縁部材50は、作業者が導電性のネジ式接続部材30に接触することを防止することができる。
【0035】
図1~3および図7に示すように、図示の実施形態では、電磁波シールド機能を実現するために、導電性プラグ60と導電性ハウジング100との間の隙間のサイズは、隙間を通って導電性ハウジング100の外部に電磁波が漏れるのを防止するように設定されている。導電性プラグ60と導電性ハウジング100との間の隙間のサイズは、2つの大きさを含み、一方は隙間の幅であり、他方は隙間の長さである。この2つの大きさは、電磁波の波長に応じて合理的に設定することができる。
【0036】
図1~3および図7に示すように、図示の実施形態では、弾性シール・スリーブ70は、ゴムなどの一般的な弾性材料から形成されてもよい。弾性シール・スリーブ70は、通常、防水機能のみを有し、導電機能を有しない。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の例示的な実施形態において、弾性シール・スリーブ70は、弾性導電性材料から形成される弾性導電性シールであってもよく、これにより、導電性プラグ60は、弾性シール・スリーブ70を介して導電性ハウジング100に電気的に接続されることが可能である。このようにすれば、コネクタの電磁シールド効果を更に向上させることができる。
【0037】
図2および図8図10に示すように、本発明の例示的な実施形態では、絶縁部材50は、射出成形によって、ネジ式接続部材30および導電性プラグ60に同時に成形することができる。このようにすれば、絶縁部材50をネジ式接続部材30と導電性プラグ60に同時に係合させることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の別の例示的な実施形態において、絶縁部材50は、ネジ式接続部材30および導電性プラグ60とは別に形成され、かつネジ式接続部材30および導電性プラグ60にスリーブが形成されていてもよい。あるいは、本発明の別の例示的な実施形態では、絶縁部材50は、ネジ式接続部材30および導電性プラグ60のうちの一方に形成され、かつネジ式接続部材30および導電性プラグ60のうちの他方上に覆われていてもよい。
【0038】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、絶縁部材50は、導電性プラグ60と別に形成され、かつ導電性プラグ60上に覆われている。絶縁部材50の内壁および導電性プラグ60の外壁の一方には環状溝61aが形成され、他方には環状溝61aとの係合に適した環状突出部が形成されている。絶縁部材50が導電性プラグ60にスリーブが形成される場合、環状溝61aが環状突出部に係合し、導電性プラグ60が絶縁部材50から軸方向に離れるのを防止する。
【0039】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、絶縁部材50は、外周絶縁部51および中間凸部52を含む。中間凸部52は、外周絶縁部51内に位置し、外周絶縁部51に接続されている。導電性プラグ60は、絶縁部材50の外周絶縁部51と中間凸部52との間に係合されおり、導電性プラグ60が絶縁部材50に対して回転することができない。また、ネジ式接続部材30が絶縁部材50に対して回転できないように、ネジ式接続部材30は絶縁部材50の中間凸部52に係合されている。
【0040】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、絶縁部材50は、ネジ式接続部材30上に成形されている。絶縁部材50とネジ式接続部材30は、一緒になってネジ式ファスナを形成する。
【0041】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、ネジ式接続部材30はボルトであり、合わせネジ式接続部材40はナットであり、ボルトにはナットネジと接続された雄ネジ33が形成されている。ボルトの頭部31は絶縁部材50に係合し、ナットは端子20に固定されている。ボルトは、ケーブル端子10とコネクタ端子20とを貫通し、ナットにネジ留めされて、ケーブル端子10とコネクタ端子20とが互いに接続される。図示の実施形態では、導電性プラグ60を回転させることにより、ボルトを回転させることができ、ボルトを締緩することができる。
【0042】
しかしながら、本発明は、図示された実施形態に限定されない。例えば、本発明の別の例示的な実施形態では、ネジ式接続部材30はナットであり、合わせネジ式接続部材40はボルトである。ナットは絶縁部材50に係合され、ボルトの頭部31は端子20に固定される。ボルトは、ケーブル端子10およびコネクタ端子20を貫通し、ナットにネジ留めすることで、ケーブル端子10およびコネクタ端子20が互いに接続される。
【0043】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、コネクタはまた、作業者がボルト30の端部32に接触しないように、頭部31と反対側のボルト30の端部32にスリーブが形成された絶縁キャップ90を含む。このようにすることで、感電事故を防止することができる。
【0044】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、導電性プラグ60の外側端部に、外部ツール(図示せず)と係合するブラインド・スロット穴63を形成して、外部ツールにより導電性プラグ60を回転駆動できる。このようにして、ネジ式接続部材30を締緩することができる。
【0045】
図1~3および図8~10に示すように、図示の実施形態では、導電性プラグ60は柱状ボディ部61を含み、弾性シール・スリーブ70は円筒状ボディ部71を含む。円筒状ボディ部71は、柱状ボディ部61上に覆われており、導電性プラグ60の柱状ボディ部61と取り付け穴101の内壁との間で半径方向に圧縮されて、両者の間の隙間をシールする。
【0046】
図1~3および図8~10に示すように、図示の実施形態では、導電性プラグ60はまた、柱状ボディ部61の外側端部に形成された環状ブリム部62を含み、かつ弾性シール・スリーブ70はまた、円筒状ボディ部71の一端に形成された半径方向に延在する環状リップ部72を含む。弾性シール・スリーブ70の環状リップ部72は、導電性プラグ60の環状ブリム部62と導電性ハウジング100の外面との間で軸方向に圧縮されて、両者の間の隙間をシールする。
【0047】
図1~3および8~10に示すように、図示の実施形態では、コネクタはまた、導電性ハウジング100の底部に配置された弾性シール・リング80を含む。コネクタの導電性ハウジング100が電気機器のハウジングに設置される場合、弾性シール・リング80は、コネクタの導電性ハウジング100と電気機器のハウジングとの間で圧縮されて、両者の間の合わせ界面をシールする。
【0048】
図4は、図3に示されるコネクタを一方向から見た場合の三次元概略図を示す。図5は、内部絶縁体200が取り除かれた状態の、図3に示されるコネクタを別の方向から見た場合の概略立体図である。図6は、図4および図5に示したコネクタの断面図である。
【0049】
図4図6に示すように、図示の実施形態では、コネクタの端子20は、バスバー(図示せず)との電気的接続に好適である。ケーブル端子10の一端11は、円筒状であり、高電圧ケーブル1に圧着されている。ケーブル端子10の他端12は、コネクタの端子20の一端22と電気的に接続されている。コネクタの端子20の他端21は、板状であり、バスバーとの接続に好適である。図示の実施形態では、ケーブル端子10の他端12とコネクタの端子20の一端22とが共に積層されており、ネジ式接続部材30および合わせネジ式接続部材40を介して互いに接続可能である。
【0050】
図4図6に示すように、図示の実施形態では、コネクタの端子20の一端22にスロットが形成され、端子20の一端22のスロット内に合わせネジ式接続部材40が配置されて、合わせネジ式接続部材40が端子20に対して回転することができない。
【0051】
図1図3に示すように、本発明の例示的な実施形態において、コネクタ・アセンブリも開示される。コネクタ・アセンブリは、主に、上記コネクタおよびケーブルアセンブリを含む。ケーブルアセンブリは、高電圧ケーブル1、および高電圧ケーブル1の導体に電気的に接続されたケーブル端子10を含む。コネクタの端子20は、ケーブル端子10と電気的に接続されている。
【0052】
図2および図8図10に示すように、本発明の例示的な実施形態では、高電圧ケーブル1を接続するための接続アセンブリも開示される。接続アセンブリは、主に、ネジ式ファスナ30、50、および導電性プラグ60を含む。ネジ式ファスナ30、50は、高電圧ケーブル1を合わせ接続部(例えば、図中の端子20)に固定的に接続するために用いられる。ネジ式ファスナ30、50は、絶縁部材50、および導電性のネジ式接続部材30を含む。導電性プラグ60は、絶縁部材50と接続されて、導電性プラグ50を回転させることにより、ネジ式ファスナ30、50を締緩することができる。図示の実施形態では、絶縁部材50は、導電性プラグ60とネジ式接続部材30との間に係合し、かつ導電性プラグ60をネジ式接続部材30から電気的に絶縁する。
【0053】
図2および図8図10に示すように、図示の実施形態では、絶縁部材50は、導電性プラグ60の周囲に配置され、かつ導電性プラグ60上に覆われて、ネジ式接続部材30と導電性プラグ60との沿面距離を増加するのに好適である円筒状の外周絶縁部51を含む。図示の実施形態では、外周絶縁部51は、弾性シール70の軸方向位置も制限して、弾性シール70が下方に移動することを防止する。
【0054】
当業者であれば、上記の実施形態は例示を意図したものであり、制限的なものではないことが理解されるはずである。例えば、当業者であれば、上記実施形態に多くの変更を加えることができ、異なる実施形態で説明した様々な特徴を、構成や原理が矛盾することなく、互いに自由に組み合わせてもよい。
【0055】
いくつかの例示的な実施形態が示され、説明されてきたが、本開示の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態において様々な変更または修正を行ってもよいことが当業者には理解され、その範囲は特許請求の範囲およびその同等物において定義される。
【0056】
本明細書中で使用される場合、単数形で記載され、用語「a」または「an」を用いて進められる要素は、そのような排除が明示されない限り、当該要素またはステップの複数形を排除しないものとして理解されるべきである。更に、本発明の「1つの実施形態」への言及は、記載された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものと解釈することを意図していない。更に、反対のことを明示的に述べない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「含む(comprising)」または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さない別のそのような要素を含むことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 … 高電圧ケーブル
10 … ケーブル端子
20 … コネクタの端子
30 … ネジ式ファスナ
31 … ボルトの頭部
32 … ボルトの端部
40 … 合わせネジ式接続部材
50 … 絶縁部材
51 … 外周絶縁部
52 … 中間凸部
60 … 導電性プラグ
61 … 柱状ボディ部
61a … 環状溝
62 … 環状ブリム部
63 … ブラインド・スロット穴
70 … 弾性シール・スリーブ
71 … 円筒状ボディ部
72 … 環状リップ部
80 … 弾性シール・リング
90 … 絶縁キャップ
100 … 導電性ハウジング
101 … 取り付け穴
200 … 内部絶縁体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】