(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160208
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20231026BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20231026BHJP
G05G 1/02 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B60K20/02 G
G05G5/03 Z
G05G1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070384
(22)【出願日】2022-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】稲村 友峰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 琢也
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA01
3D040AA13
3D040AA22
3D040AA33
3D040AA40
3D040AB01
3D040AC36
3D040AF07
3D040AF26
3D040AF29
3J070AA07
3J070BA07
3J070BA11
3J070BA34
3J070BA44
3J070BA51
3J070CC71
3J070CD21
3J070CD31
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減する。
【解決手段】シフト装置10では、乗員が手指Fによって表ハウジング16AのP位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dを接触操作することで、変速機32のシフトレンジが変更されると共に、表ハウジング16Aが振動される。ここで、表ハウジング16Aに複数のシフト位置が設けられている。このため、部品点数を低減できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシフト位置が設定される操作体と、
前記シフト位置への操作を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更される検出部と、
車両の乗員に報知する報知機構と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記操作体の同一面に複数の前記シフト位置が設定される請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記シフトレンジが変更されることを前記報知機構が報知する請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記シフトレンジの変更が規制されることを前記報知機構が報知する請求項1記載のシフト装置。
【請求項5】
前記シフト位置間への操作を前記報知機構が報知する請求項1記載のシフト装置。
【請求項6】
前記報知機構が振動により報知する請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作体が操作可能にされるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシフト操作用スイッチ装置では、スイッチ部に複数のプッシュボタンが設けられており、プッシュボタンがプッシュ操作されて、車両のレンジが変更される。また、電磁アクチュエータがプッシュボタンのプッシュ操作に対する反力を大きくして、車両のレンジの変更が規制されることが報知される。
【0003】
ここで、このシフト操作用スイッチ装置では、車両のレンジ毎にプッシュボタンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、部品点数を低減できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、複数のシフト位置が設定される操作体と、前記シフト位置への操作を検出して車両の変速機のシフトレンジが変更される検出部と、車両の乗員に報知する報知機構と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記操作体の同一面に複数の前記シフト位置が設定される。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記シフトレンジが変更されることを前記報知機構が報知する。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフトレンジの変更が規制されることを前記報知機構が報知する。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記シフト位置間への操作を前記報知機構が報知する。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのシフト装置において、前記報知機構が振動により報知する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、操作体に複数のシフト位置が設定されており、検出部がシフト位置への操作を検出して、車両の変速機のシフトレンジが変更される。また、報知機構が車両の乗員に報知する。
【0013】
ここで、上述の如く、操作体に複数のシフト位置が設定される。このため、操作体を少なくでき、部品点数を低減できる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、操作体の同一面に複数のシフト位置が設定される。このため、複数のシフト位置を容易に接触操作できる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、シフトレンジが変更されることを報知機構が報知する。このため、シフトレンジが変更されることを乗員が認識できる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、シフトレンジの変更が規制されることを報知機構が報知する。このため、シフトレンジの変更が規制されることを乗員が認識できる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、シフト位置間への操作を報知機構が報知する。このため、シフト位置間が操作されたことを乗員が認識できる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、報知機構が振動により報知する。このため、乗員が報知されたことを明確に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す下方から見た断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の第1変形例に係るシフト装置を示す下方から見た断面図である。
【
図4】本発明の実施形態の第2変形例に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が表側から見た正面図にて示されており、
図2には、シフト装置10が下方から見た断面図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の表側を矢印SFで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0021】
図1及び
図2に示す如く、本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のインストルメントパネル12の車幅方向中央部に設置されて、車両のステアリングホイール(図示省略)の車幅方向内側に配置されている。また、シフト装置10の表側、右方及び上方は、それぞれ車両の後側、右方及び上側に向けられている。
【0022】
シフト装置10には、設置体としての略直方体形箱状のケース14が設けられており、ケース14は、インストルメントパネル12の車両前側に固定されている。ケース14は、左右方向に長尺にされており、ケース14内は、表側に開放されている。インストルメントパネル12には、ケース14の車両後側において、矩形状の開口12Aが形成されており、ケース14は、開口12Aに対向されている。
【0023】
ケース14の表側には、操作体としての略直方体形箱状のハウジング16が設けられており、ハウジング16は、左右方向に長尺にされると共に、例えば樹脂製にされて絶縁体にされている。ハウジング16の表側部分には、略直方体形箱状の表ハウジング16Aが設けられており、表ハウジング16Aの裏壁の外周部以外の部分は、開放されている。ハウジング16の裏側部分には、略矩形板状の裏ハウジング16Bが設けられており、裏ハウジング16Bは、表ハウジング16A内において、表ハウジング16Aの表壁と平行に配置されている。表ハウジング16Aの裏壁内の左面と裏ハウジング16Bの左面との間及び表ハウジング16Aの裏壁内の右面と裏ハウジング16Bの右面との間は、連結部材としての矩形板状の板バネ16Cによって連結されており、板バネ16Cは、左右方向に垂直に配置されると共に、弾性変形可能にされている。裏ハウジング16Bには、金属製で矩形板状の振動板26が固定されており、振動板26は、裏側に突出されると共に、左右方向に垂直に配置されている。
【0024】
ケース14の側壁とハウジング16の裏壁の外周部との間には、弾性部材としての矩形枠状のラバー18が設けられており、ラバー18は、ケース14とハウジング16とを連結すると共に、弾性変形可能にされている。
【0025】
ハウジング16の表壁は、インストルメントパネル12の開口12Aに略嵌合されており、ハウジング16の表壁と開口12Aの周面との間には、全周において、小さな隙間が形成されている。ハウジング16の平面状の表側面は、インストルメントパネル12の車両後側面と共に、車両の車室の意匠面を構成しており、ハウジング16の表側面は、車両の乗員(特に運転者)が手指Fによって接触可能にされている。
【0026】
ハウジング16の表側面には、シフト位置としての矩形状のP位置20P(パーク位置)、R位置20R(リバース位置)、N位置20N(ニュートラル位置)及びD位置20D(ドライブ位置)が設定されており、P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dは、左側から右側へ向けてこの順番で等間隔に配置されている。また、P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dの中央部には、それぞれシフト表示としての「P」表示16P、「R」表示16R、「N」表示16N及び「D」表示16Dが表示されている。
【0027】
ハウジング16表壁の裏側には、検出部としての矩形シート状の静電シート22が固定されており、静電シート22は、ハウジング16表壁の裏側面を被覆している。静電シート22の表側には、シフト検出部としての矩形膜状のP電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dが設けられており、P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dは、左側から右側へ向けてこの順番で等間隔に配置されている。P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dの左右方向寸法は、乗員の手指Fの幅方向寸法に比し大きくされており、P電極24PとR電極24Rとの隙間、R電極24RとN電極24Nとの隙間及びN電極24NとD電極24Dとの隙間の左右方向寸法は、乗員の手指Fの幅方向寸法に比し小さくされている。P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dの各全体は、それぞれP位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dの各全体と表裏方向(ハウジング16表壁の肉厚方向)において対向されており、P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dは、例えば金属製にされて、導電性を有している。
【0028】
ハウジング16の表壁(静電シート22を含む)は、「P」表示16P、「R」表示16R、「N」表示16N及び「D」表示16Dの部分において、光を透過可能にされている。
【0029】
ハウジング16内には、回路基板40が設けられており、回路基板40は、裏ハウジング16Bの表側に固定されている。回路基板40の表側面には、照明部としてのP素子42P、R素子42R、N素子42N及びD素子42Dが固定されており、P素子42P、R素子42R、N素子42N及びD素子42Dは、LEDにされると共に、それぞれハウジング16表壁の「P」表示16P、「R」表示16R、「N」表示16N及び「D」表示16Dの部分に表裏方向において対向されている。
【0030】
ケース14内には、報知機構としての電磁石28が固定されており、電磁石28は、裏ハウジング16Bの振動板26の右側近傍に配置されている。電磁石28が作動された際には、電磁石28が、周期的に、左側に磁束を発生して、振動板26を磁力により吸引することで、裏ハウジング16Bが振動板26と一体に左右方向に振動されて、板バネ16C及びラバー18が左右方向に弾性変形されつつ、表ハウジング16Aが左右方向に振動される。
【0031】
静電シート22のP電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dと回路基板40のP素子42P、R素子42R、N素子42N及びD素子42Dと電磁石28とは、車両の制御装置30に電気的に接続されている。制御装置30には、CPU、ROM、RAM、不揮発性のメモリ(ストレージ)等がバスによって接続されたマイクロコンピュータが設けられており、制御装置30では、CPUがROM及びストレージに記憶されたプログラムを読出してRAMに展開しながら実行することで、各種の機能が実現される。また、制御装置30には、車両の変速機32(自動変速機)、ブレーキ34(フットブレーキ)、車両の速度計36、Nスイッチ38(ニュートラルロックスイッチ)が電気的に接続されている。
【0032】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0033】
以上の構成のシフト装置10では、乗員が手指Fによってハウジング16(表ハウジング16A)表側面のP位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dを接触操作することで、それぞれ手指Fと静電シート22のP電極24P、R電極24R、N電極24N又はD電極24Dとの間に静電容量が発生する。そして、手指FとP電極24P、R電極24R、N電極24N又はD電極24Dとの間の静電容量が選択閾値以上である場合には、それぞれ、P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dが選択されたと制御装置30が判定して、制御装置30の制御により変速機32のシフトレンジが対応するPレンジ(パークレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)又はDレンジ(ドライブレンジ)に変更される。
【0034】
変速機32のシフトレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ又はDレンジに変更された際には、それぞれ、制御装置30の制御により、回路基板40のP素子42P、R素子42R、N素子42N又はD素子42Dが光を出射して、ハウジング16表側面の「P」表示16P、「R」表示16R、「N」表示16N又は「D」表示16Dが照明される。
【0035】
変速機32がPレンジである際に、ブレーキ34が操作されない(OFFにされる)場合(所定の機会)には、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dが選択されても、制御装置30の制御により、変速機32のシフトレンジの変更が規制される。
【0036】
一方、変速機32がPレンジである際に、ブレーキ34が操作された(ONにされた)場合には、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dが選択されることで、それぞれ、制御装置30の制御により、変速機32がRレンジ、Nレンジ又はDレンジに変更される。
【0037】
変速機32がDレンジ又はRレンジである際に、それぞれ車両の前進又は後進の速度が所定速度以上である(速度計36が測定する車両の前進又は後進の速度が所定速度以上である)場合(所定の機会)には、P位置20Pが選択されても、制御装置30の制御により、変速機32のシフトレンジの変更が規制される。
【0038】
一方、変速機32がDレンジ又はRレンジである際に、それぞれ車両の前進又は後進の速度が所定速度未満である(速度計36が測定する車両の前進又は後進の速度が所定速度未満である)場合には、P位置20Pが選択されることで、制御装置30の制御により、変速機32がPレンジに変更される。
【0039】
変速機32がNレンジである際に、Nスイッチ38がON操作された場合(所定の機会)には、P位置20P、R位置20R又はD位置20Dが選択されても、制御装置30の制御により、変速機32のシフトレンジの変更が規制される。
【0040】
一方、変速機32がNレンジである際に、Nスイッチ38がOFF操作された場合には、P位置20P、R位置20R又はD位置20Dが選択されることで、それぞれ、制御装置30の制御により、変速機32がPレンジ、Rレンジ又はDレンジに変更される。
【0041】
ここで、ハウジング16に複数のシフト位置が設けられている。このため、ハウジング16を1つにでき、部品点数を低減できて、コストを削減できる。しかも、ハウジング16(操作体)が1つにされるため、シフト装置10の見栄えを向上できる。
【0042】
さらに、ハウジング16の表側面(同一面)にP位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dが設定されている。このため、例えば乗員が手指Fによってハウジング16の表側面をなぞってP位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dを接触操作でき、P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dを容易に接触操作できる。
【0043】
また、P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dが選択されて、変速機32のシフトレンジが変更される際には、制御装置30の制御により、電磁石28が第1作動態様で作動されて、表ハウジング16Aが第1報知態様で(例えば短時間)左右方向に振動されることで、変速機32のシフトレンジが変更されることが乗員に報知される。このため、変速機32のシフトレンジが変更されることを乗員が認識できる。
【0044】
さらに、P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dが選択されても、変速機32のシフトレンジの変更が規制される際には、制御装置30の制御により、電磁石28が第2作動態様で作動されて、表ハウジング16Aが第2報知態様で(例えば長時間)左右方向に振動されることで、変速機32のシフトレンジの変更が規制されることが乗員に報知される。このため、変速機32のシフトレンジの変更が規制されることを乗員が認識できる。
【0045】
また、乗員が手指FによってP位置20PとR位置20Rとの間、R位置20RとN位置20Nとの間又はN位置20NとD位置20Dとの間に接触して、それぞれ手指FとP電極24P及びR電極24Rとの間の各静電容量、手指FとR電極24R及びN電極24Nとの間の各静電容量又は手指FとN電極24N及びD電極24Dとの間の各静電容量が選択閾値未満でかつ中間閾値以上である場合には、制御装置30の制御により、電磁石28が第3作動態様で作動されて、表ハウジング16Aが第3報知態様で(例えば極短時間)左右方向に振動される。このため、手指Fによってシフト位置間が接触操作されたことを乗員が認識できる。さらに、乗員が手指Fによって表ハウジング16Aの表側面をなぞることで、接触操作されるシフト位置が変更される際に、表ハウジング16Aが第3報知態様で振動されるため、接触操作されるシフト位置が変更されることを乗員が認識できる。
【0046】
さらに、電磁石28が表ハウジング16Aを振動させて、乗員に報知する。このため、乗員が手指Fを介して表ハウジング16Aの振動を認識でき、乗員が報知されたことを明確に認識できる。
【0047】
(第1変形例)
図3には、本実施形態の第1変形例に係るシフト装置50が下方から見た断面図にて示されている。
【0048】
図3に示す如く、本変形例に係るシフト装置50では、ケース14内の裏側面に、回路基板40が固定されており、回路基板40には、電磁石28が貫通されると共に電気的に接続されている。回路基板40のP素子42P、R素子42R、N素子42N及びD素子42Dとハウジング16表壁の「P」表示16P、「R」表示16R、「N」表示16N及び「D」表示16Dの部分との間には、それぞれ案内部材としての柱状のライトガイド44が設けられており、ライトガイド44は、ハウジング16の裏ハウジング16Bに貫通かつ固定されている。ライトガイド44は、表裏方向に平行に配置されており、ライトガイド44は、透明にされて光を案内可能にされている。
【0049】
静電シート22のP電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dと回路基板40のP素子42P、R素子42R、N素子42N及びD素子42Dと電磁石28とは、回路基板40を介して、制御装置30に電気的に接続されている。
【0050】
変速機32のシフトレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ又はDレンジに変更された際には、それぞれ、制御装置30の制御により、回路基板40のP素子42P、R素子42R、N素子42N又はD素子42Dが光を出射することで、当該光をライトガイド44が案内して、ハウジング16表側面の「P」表示16P、「R」表示16R、「N」表示16N又は「D」表示16Dが照明される。
【0051】
(第2変形例)
図4には、本実施形態の第2変形例に係るシフト装置60が表側から見た正面図にて示されている。
【0052】
図4に示す如く、本変形例に係るシフト装置60では、インストルメントパネル12の開口12A、ケース14及びハウジング16が上下方向に長尺にされており、シフト装置60では、上記実施形態の左方、右方、上方及び下方がそれぞれ下方、上方、左方及び右方にされている。ハウジング16には、P位置20P及び「P」表示16Pが設けられておらず、静電シート22及び回路基板40には、それぞれP電極24P及びP素子42Pが設けられていない。
【0053】
ところで、乗員が手指Fによってハウジング16(表ハウジング16A)表側面のN位置20Nを接触操作して、手指FとN電極24Nとの間の静電容量が選択閾値以上である場合には、N位置20Nが選択されたと制御装置30が判定して、制御装置30の制御により変速機32のシフトレンジがNレンジに変更される。
【0054】
その後、乗員が手指Fによって表ハウジング16Aの表側面をN位置20NからR位置20R側(下側)になぞることで、手指FがN位置20NとR位置20Rとの間に接触して、手指FとN電極24N及びR電極24Rとの間の各静電容量が選択閾値未満でかつ中間閾値以上になった後に、手指FがR位置20Rに接触して、手指FとR電極24Rとの間の静電容量が選択閾値以上に規定時間以上なった場合には、R位置20Rが選択されたと制御装置30が判定して、制御装置30の制御により変速機32のシフトレンジがRレンジに変更される。このため、変速機32のシフトレンジがRレンジに変更されるためには、手指FがN位置20NからN位置20NとR位置20Rとの間を介してR位置20Rに連続して接触される必要がある。
【0055】
一方、乗員が手指Fによって表ハウジング16Aの表側面をN位置20NからD位置20D側(上側)になぞることで、手指FがN位置20NとD位置20Dとの間に接触して、手指FとN電極24N及びD電極24Dとの間の各静電容量が選択閾値未満でかつ中間閾値以上になった後に、手指FがD電極24Dに接触して、手指FとD電極24Dとの間の静電容量が選択閾値以上に規定時間以上なった場合には、D位置20Dが選択されたと制御装置30が判定して、制御装置30の制御により変速機32のシフトレンジがDレンジに変更される。このため、変速機32のシフトレンジがDレンジに変更されるためには、手指FがN位置20NからN位置20NとD位置20Dとの間を介してD位置20Dに連続して接触される必要がある。
【0056】
ここで、上述の如く、N位置20Nが選択されて変速機32のシフトレンジがNレンジに変更される際、R位置20Rが選択されて変速機32のシフトレンジがRレンジに変更される際、及び、D位置20Dが選択されて変速機32のシフトレンジがDレンジに変更される際には、制御装置30の制御により、電磁石28が第1作動態様で作動されて、表ハウジング16Aが第1報知態様で(例えば短時間)上下方向に振動される。
【0057】
さらに、上述の如く、手指FとN電極24N及びR電極24Rとの間の各静電容量が選択閾値未満でかつ中間閾値以上になった際、及び、手指FとN電極24N及びD電極24Dとの間の各静電容量が選択閾値未満でかつ中間閾値以上になった際には、制御装置30の制御により、電磁石28が第3作動態様で作動されて、表ハウジング16Aが第3報知態様で(例えば極短時間)上下方向に振動される。
【0058】
なお、本変形例において、N位置20N、「N」表示16N及びN電極24Nに代えて、それぞれH位置(ホーム位置)、「H」表示及びH電極(ホーム電極)が設けられてもよい。この場合、乗員が手指Fによってハウジング16(表ハウジング16A)表側面のH位置を接触操作して、手指FとH電極との間の静電容量が選択閾値以上である場合には、H位置が選択されたと制御装置30が判定して、変速機32のシフトレンジが変更されない。
【0059】
また、本実施形態(第1変形例及び第2変形例を含む)では、電磁石28(報知機構)が表ハウジング16Aを振動させて乗員に報知する。しかしながら、報知機構としての発光装置が光を発生して(例えばシフト表示を照明して)乗員に報知してもよい。また、報知機構としての発音装置が音(例えば音声又はブザー音等)を発生して乗員に報知してもよい。
【0060】
さらに、本実施形態(第1変形例及び第2変形例を含む)では、ハウジング16の表側面が平面状にされる。しかしながら、ハウジング16の表側面が湾曲面状にされてもよい。
【0061】
また、本実施形態(第1変形例及び第2変形例を含む)では、シフト装置10、50、60がインストルメントパネルに設置される。しかしながら、シフト装置10、50、60が車両の他の部分(コンソール又はコラムカバー等)に設置されてもよい。
【0062】
さらに、本実施形態及び第1変形例では、ハウジング16が車幅方向に長尺にされて、複数のシフト位置が横方向に並べられる。しかしながら、ハウジング16が車両上下方向又は車両前後方向に長尺にされて、複数のシフト位置が縦方向に並べられてもよい。
【0063】
しかも、第2変形例では、ハウジング16が車両上下方向に長尺にされて、複数のシフト位置が縦方向に並べられる。しかしながら、ハウジング16が車両前後方向に長尺にされて、複数のシフト位置が縦方向に並べられてもよく、また、ハウジング16が車幅方向に長尺にされて、複数のシフト位置が横方向に並べられてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10・・・シフト装置、16・・・ハウジング(操作体)、20P・・・P位置(シフト位置)、20R・・・R位置(シフト位置)、20N・・・N位置(シフト位置)、20D・・・D位置(シフト位置)、22・・・静電シート(検出部)、28・・・電磁石(報知機構)、30・・・変速機、50・・・シフト装置、60・・・シフト装置