(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160224
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】建材画像認識分析システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/255 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
G01B11/255 H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070423
(22)【出願日】2022-04-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】511024997
【氏名又は名称】清展科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】林丁輝
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA22
2F065AA23
2F065AA53
2F065BB27
2F065CC14
2F065DD02
2F065EE11
2F065FF04
2F065FF11
2F065FF61
2F065FF67
2F065GG04
2F065HH04
2F065HH07
2F065JJ03
2F065MM16
2F065MM26
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ24
2F065QQ26
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065RR05
2F065UU05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建材の実際の寸法を測定する建材画像認識分析システム及びその方法を提供する。
【解決手段】このシステム100は、該建材を撮像して、建材画像を取得する撮像ユニットと、該建材画像を受信して、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴に基づいて画像特徴の実際の寸法を取得し、かつ該画像特徴と該建材画像における建材との比に基づいて、該画像特徴の実際の寸法及び該比に基づいて該建材の実際の寸法を計算する画像認識ユニットと、を含む。これにより、建材の実際の寸法を取得する過程において、寸法補正部材を必要とせずに建材の装着空間を取得することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材画像を取得し、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴を認識し、画像特徴の実際の寸法を取得することと、該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算することと、を含む、ことを特徴とする建材画像認識分析方法。
【請求項2】
該建材画像における建材の色を識別して、該建材の正確な色コードを提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の建材画像認識分析方法。
【請求項3】
建材測位座標値を提供することを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の建材画像認識分析方法。
【請求項4】
該建材測位座標値は、ブルートゥース(登録商標)測位、GPS測位、Wifi測位、RFID測位、赤外線/レーザ測位、ZigBee測位又はVWB測位のうちの1種によって提供される、ことを特徴とする請求項3に記載の建材画像認識分析方法。
【請求項5】
該建材画像を取得する前に、複数の光点を建材に投射して、該建材画像に該複数の光点を含ませることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の建材画像認識分析方法。
【請求項6】
該複数の光点は、光学レーダ、レーザ測定装置、マルチレンズ検知モジュール、構造光検知モジュール、3d検知モジュール又はTOF検知モジュールのうちの1つによって投射される、ことを特徴とする請求項5に記載の建材画像認識分析方法。
【請求項7】
該複数の光点を該画像特徴として認識を行って、前述の該画像特徴の実際の寸法を取得する、ことを特徴とする請求項5に記載の建材画像認識分析方法。
【請求項8】
建材を撮像して、建材画像を取得する撮像ユニットと、該建材画像を受信して、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴に基づいて画像特徴の実際の寸法を取得し、そして該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算する画像認識ユニットと、を含む、ことを特徴とする建材画像認識分析システム。
【請求項9】
該画像認識ユニットは、該建材画像における該建材の色を認識して、該建材の正確な色コードを提供することができる、ことを特徴とする請求項8に記載の建材画像認識分析システム。
【請求項10】
複数の光点を該建材に投射して、該撮像ユニットの取得した該建材画像に該複数の光点を含ませる光点投射ユニットを更に含む、ことを特徴とする請求項8に記載の建材画像認識分析システム。
【請求項11】
該光点投射ユニットは、光学レーダ、レーザ測定装置、マルチレンズ検知モジュール、構造光検知モジュール、3d検知モジュール又はTOF検知モジュールのうちの1つである、ことを特徴とする請求項10に記載の建材画像認識分析システム。
【請求項12】
建材測位座標値を提供する測位ユニットを更に含む、ことを特徴とする請求項8に記載の建材画像認識分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像認識技術であり、特に建材画像認識分析システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、建材を製造する前に、いずれも建材を装着しようとする箇所の空間寸法を先に取得して、前述の空間寸法に応じて適合可能な建材を製造する必要があり、また、現在、建材の空間寸法を取得する方法は、いずれも作業者が、装着される必要がある現場で実際に測定することであり、しかし、装着現場が遠隔地にある場合、人力で現場で測定する方法により通行コスト及び人件費が発生して、建材の装着費用が高止まりする。
【0003】
したがって、上記問題を解決するために、中国台湾特許第I509213号には、「遠隔画像を利用してドア(窓)の装着空間の寸法を取得する方法」が開示されており、この方法は、主に寸法補正部材を利用して建材の装着空間の縁部の一側に設置して、撮影装置により該ドア(窓)の装着空間及び該寸法補正部材を含む画像を取得し、更に該画像を画像測定システムに伝送し、そして該画像測定システムを利用して該画像を分析することにより、該ドア(窓)の装着空間と該寸法補正部材との画像比関係を取得し、該画像比関係及び該寸法補正部材の実際の寸法に基づいて、該ドア(窓)の装着空間の実際の寸法を計算することであり、しかし、この従来技術に使用上に依然として以下の欠点が存在する。
【0004】
一、この従来技術では、画像を取得する前に寸法補正部材を先に配置する必要があるが、測定時に常に適切な寸法補正部材が見つからないため、測定の悩みをもたらすことが目に浮かぶ。
二、この従来技術では、画像における建材の色を認識することができないため、製造された建材の色が常に異なるという問題を引き起こす。
三、更に、従来技術では、撮像するとき、単に装着場所を注記するだけであるため、常に装着場所が誤っているという悩みがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の採用する技術手段は以下のとおりである。建材画像認識分析方法は、建材画像を取得し、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴を認識し、画像特徴の実際の寸法を取得することと、該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算することと、を含む。
【0006】
建材画像認識分析システムは、建材を撮像して、建材画像を取得する撮像ユニットと、該建材画像を受信して、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴に基づいて画像特徴の実際の寸法を取得し、そして該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算する画像認識ユニットと、を含む。
【0007】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明の主な目的は、寸法補正部材を必要とせずに建材装着空間を取得することができることである。
上記目的によれば、本発明に係る、建材の実際の寸法を測定する建材画像認識分析システムは、該建材を撮像して、建材画像を取得する撮像ユニットと、該建材画像を受信して、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴に基づいて画像特徴の実際の寸法を取得し、そして該画像特徴と該建材画像における建材との比に基づいて、該画像特徴の実際の寸法及び該比に基づいて該建材の実際の寸法を計算する画像認識ユニットと、を含む。これにより、建材の実際の寸法を取得する過程において、寸法補正部材を必要とせずに建材の装着空間を取得することができる。
【0008】
上記目的によれば、本発明に係る建材画像認識分析方法は、そのフローとして、建材画像を取得し、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴を認識し、画像特徴の実際の寸法を取得することと、該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算することと、を含む。
【0009】
本発明の更なる目的として、建材の正確な色コードを更に了解することができ、主に、画像認識ユニットに色弁別モジュールを増設し、色弁別モジュールは、画像認識ユニットが建材の特徴を認識すると同時に又は前後に建材画像における建材の色を認識して、該建材データベースに記憶された標準な色コードと照合することにより該建材の正確な色コードデータを提供して、色の異なる建材を製造することを回避する。
【0010】
本発明の別の主な目的は、建材装着空間の測位座標値を提供することにより、建材の装着される位置を正確に取得することができるだけでなく、建具の誤装着の確率を低下させることである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、本発明の建材画像認識分析システムの1つの好ましい実施例であり、主に、撮像ユニット(10)、画像認識ユニット(20)及び測位ユニット(50)を含み、該撮像ユニット(10)は、建材を撮像して、建材画像を取得し、該画像認識ユニット(20)は、該建材画像を受信し、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴を認識して、該画像特徴に基づいて画像特徴の実際の寸法を取得する。
【0013】
本実施例において、該画像認識ユニット(20)に構造特徴識別モジュール(21)が設置され、該構造特徴識別モジュール(21)は、該画像特徴における建材の外観又は構造上の特徴を認識し、前述の認識により取得された該画像特徴を建材データベース(30)に記憶されたデータと照合して、該画像特徴の実際の寸法を取得することができ、更に該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、かつ該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算し、これにより、建材の実際の寸法を取得する過程において、寸法補正部材を必要とせずに建材の装着空間を取得することができる。
【0014】
また、本実施例において、該建材データベース(30)には、中国国内、国外の建材業界の各建材型番の構造的特徴及びその寸法が記憶され、該建材は、煉瓦、ガラス、タイル、建具、建築板材などを含み、かつ前述のものに限定されず、該建具は、外枠、扉、ケーシング及びロックなどの構造的特徴及びその寸法を含み、そして該扉の寸法は、扉縦枠の幅、扉縦枠上の溝特徴、扉横枠の高さなどの寸法を少なくとも有し、また、該建材データベース(30)に標準色コードが内蔵され、そして該画像認識ユニット(20)に色弁別モジュール(22)が更に設置され、該画像認識ユニット(20)が該建材画像を認識する過程において、該色弁別モジュール(22)は、同時に又はその前後に該建材画像における建材の色を認識して、該建材データベース(30)に記憶された該標準な色コードと照合して、該建材の正確な色コードを提供することができることにより、建材の色に色差があるという問題を回避し、本実施例において、該色弁別モジュール(22)は、色認識ソフトウェアであってもよいが、前述のものに限定されない。
【0015】
図2に示すように、該画像認識ユニット(20)に無線通信モジュール(23)が更に設置され、該建材データベース(30)がクラウド(70)に設置されることにより、該画像認識ユニット(20)は、該無線通信モジュール(23)により該クラウド(70)中の該建材データベース(30)におけるデータを取得することができ、更に、該無線通信モジュール(23)は、測位ユニット(50)に電気的に接続されてもよく、該測位ユニット(50)は、該建材画像を認識する際に、同時に又はその前後に該建材の測位座標値を提供することができることにより、該建材の正確な装着位置、例えば建材の装着位置が何軒目の何階目の何室目であるかなどを取得することにより、その後の誤装着の確率を減少させ、該測位ユニット(50)は、ブルートゥース(登録商標)測位、GPS測位、Wifi測位、RFID測位、赤外線/レーザ測位、ZigBee測位又はVWB測位などであり、かつ前述のものに限定されず、測位座標値を提供できる測位ユニットであれば、いずれも本発明の応用範囲に属する。
【0016】
更に
図2に示すように、本実施例は、光点投射ユニット(60)を更に含み、該光点投射ユニット(60)が複数の光点を該建材に投射することにより、該撮像ユニット(10)の取得した該建材画像に該複数の光点を含ませることができるだけでなく、該画像認識ユニット(20)が該建材画像における該複数の光点を該画像特徴として選択して認識を行って、前述の該画像特徴の実際の寸法を取得し、続いて、該画像特徴と該建材画像における該建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算することができ、本実施例において、該光点投射ユニット(60)は、光学レーダ(LIDAR、光レーダと略称する)、レーザ測定装置、マルチレンズ検知モジュール、構造光検知モジュール、3d検知モジュール又はTOF検知モジュールなどであり、かつ前述のものに限定されず、光点を投影できる装置又はモジュールであれば、いずれも本発明の応用範囲に属する。
【0017】
更に
図1及び
図2に示すように、本実施例において、該撮像ユニット(10)、該画像認識ユニット(20)、該建材データベース(30)、該測位ユニット(50)及び該光点投射ユニット(60)は、手持ち式装置(100)に組み立てられてもよく、該手持ち式装置(100)は、カメラ、撮像レンズを搭載するスマートフォン、撮像レンズを搭載するスマートウォッチ、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータなどを含むが、前述のものに限定されない。
【0018】
図3に示すように、上記システムによる本発明の方法のフローは、建材画像を取得し、該建材画像における少なくとも1つの画像特徴を認識し、画像特徴の実際の寸法を取得することと、該画像特徴と該建材画像における建材との比を取得し、該比及び該画像特徴の実際の寸法に基づいて該建材の実際の寸法を計算することと、を含む。これにより、該建材の実際の寸法を取得する過程において、寸法補正部材を完全に必要とせずに建材の装着空間を取得することができる。
【0019】
更に
図3に示すように、該建材画像を取得する前に、複数の光点を建材に投射して、該建材画像に該複数の光点を含ませ、そして該建材画像における該複数の光点を該画像特徴として利用して認識を行うことにより、該画像特徴の実際の寸法を取得し、そして該画像特徴と該建材画像における該建材との比を取得し、該画像特徴の実際の寸法及び該比に基づいて該建材の実際の寸法を計算することができ、前述の該複数の光点は、光学レーダ(LIDAR、光レーダと略称する)、レーザ測定装置、マルチレンズ検知モジュール、構造光検知モジュール、3d検知モジュール又はTOF検知モジュールなどによって投射される以外、光点を投影できる装置又はモジュールであれば、いずれも本発明の応用範囲に属する。
【0020】
また該建材画像を取得した後、該画像特徴を建材データベース(30)における建材データから認識することにより該画像特徴の実際の寸法を取得することができ、該建材データベース(30)内には、中国国内、国外の建材業界の各建材型番の構造的特徴及びその寸法が記憶され、該建材は、煉瓦、ガラス、タイル、建具、建築板材などを含み、かつ前述のものに限定されず、該建具は、例えば、外枠、扉、ケーシング及びロックなどの構造的特徴及びその寸法を含み、かつ該扉の寸法は、扉縦枠の幅、扉縦枠上の溝特徴、扉横枠の高さなどの寸法を少なくとも有する。
【0021】
更に、本発明の方法では、認識過程において、該建材画像における該建材の色を識別して、該建材データベース(30)に記憶された標準な色コードと照合して、正確な色コードを提供することができ、かつ本発明の方法でも該建材の装着空間の測位座標値を提供して、該建材の正確な装着位置を取得してその後の誤装着の確率を減少させることができ、該測位座標値は、ブルートゥース(登録商標)測位、GPS測位、Wifi測位、RFID測位、赤外線/レーザ測位、ZigBee測位又はVWB測位などによって取得されるが、前述のものに限定されず、測位座標値を提供することができる測位技術であれば、いずれも本発明の応用範囲に属する。
【0022】
以上から分かるように、本発明は、効果に関して従来技術と同様であり、いずれも人力による測定コストを低減するなどの効果を有する以外に、本発明は、建材の装着空間を取得する過程において寸法補正部材を完全に必要とせずに従来技術の悩みを解消することができ、かつ本発明において色弁別モジュール及び測位ユニットが増設され、建材の正確な色コードデータを提供して色の異なる建材を製造することを回避することができるだけでなく、建材の装着位置を正確に取得することができ、誤装着を減少させるなどの多重効果を有する。
【0023】
本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に定義された範囲を基準とし、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われた任意の変化及び修正は、いずれも本発明の応用範囲に属する。