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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160241
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】画像読取システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070449
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩崇
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AF00
(57)【要約】
【課題】スキャン画像を関係者に容易に共有できるシステムを提供する。
【解決手段】原稿の画像を読み取る画像読取部70と、画像読取部70が読み取った画像を、設定された保存先500にネットワークNWを介して送信する送信部802と、保存先500に関する情報を指定されたURLに通知する通知手段525とを備えることを特徴とする。また、通知手段525は、WebHookを用いて保存先に関する情報を通知することを特徴とする。また、通知手段525は、送信部802による画像の送信後に保存先500に関する情報を通知することを特徴とする。
【選択図】図9

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部が読み取った画像を、設定された保存先にネットワークを介して送信する送信部と、
前記保存先に関する情報を指定されたURLに通知する通知手段と
を備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記通知手段は、WebHookを用いて前記保存先に関する情報を通知することを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記送信部による画像の送信後に前記保存先に関する情報を通知することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記通知手段は、前記保存先に関する情報と共に、前記送信部により送信した画像に対する前記保存先からのレスポンス情報を通知することを特徴とする請求項3に記載の画像読取システム。
【請求項5】
原稿の画像を読み取る画像読取部と前記画像読取部が読み取った画像を設定された保存先にネットワークを介して送信する送信部とを有する画像読取装置を備えた画像読取システムであって、
前記画像読取装置のメンテナンスに関する情報を、指定されたURLに通知する通知手段を備え、
前記通知手段は、前記送信部による画像の送信後に前記画像読取装置のメンテナンスに関する情報を、WebHookを用いて送信することを特徴とする画像読取システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取って保存先に送信する画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿の画像を読み取るスキャナ装置をネットワークに接続し、スキャナ装置の操作画面から、スキャン操作の指示、読み取った画像データを、ネットワークを介して、ファイルサーバーやFTPサーバーやメールサーバーに送信するプッシュスキャン機能を実施する画像読取システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-91531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このシステムにおいて、スキャナ装置が送信した画像を、関係者と共有したい場合、例えば、ファイルサーバーにファイルを送信した後、関係者に連絡する必要がある。この場合、スキャン操作と別に関係者に連絡する手間がある。また、メールサーバーにスキャン画像を添付して、関係者にスキャン画像をメールすることで共有はできるが、各人のメールボックスの容量を消費してしまう。また、画像データの複製が拡散するため、画像データの管理ができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取システムは、
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部が読み取った画像を、設定された保存先にネットワークを介して送信する送信部と、
前記保存先に関する情報を指定されたURLに通知する通知手段と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スキャン画像を関係者に容易に共有できるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る画像読取システムの概略構成図。
図2】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
図3】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の制御部のブロック図。
図4】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の正面図。
図5】本発明の一実施形態に係るネットワークアダプタの概略構成図。
図6】本発明の一実施形態に係るPCの機能構成例を示すブロック図。
図7】本発明の一実施形態に係るPCとスキャナのネットワーク構成に関する概念図。
図8】本発明の一実施形態に係るスキャナ選択ダイアログと読取設定図。
図9】送信設定ダイアログ。
図10】スキャンフロー。
図11】ボタン監視フロー。
図12】ジョブ実行フロー。
図13】本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの操作パネル図。
図14】URLへの情報送信フロー。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0009】
<画像読取システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムの概略構成図である。
本実施形態の画像読取システムは、複数の情報処理装置(以下、PC500)と、スキャナ装置DRが個別に接続された複数のネットワークアダプタNW/ADと、ユーザ操作端末の一例であるスマートフォン又はタブレット等のモバイル端末Mとが、所定のネットワーク(ここではローカルネットワーク)NWを介在して接続された構成である。すなわち、ネットワークアダプタNW/ADは、詳細は後述するが、スキャナ装置DRとの関係において、スキャナ装置DRを直接的に制御するためのスキャナ制御装置としての役割がある。
【0010】
なお、モバイル端末Mは、無線ルータRに対して無線接続され、ネットワークNWを経由して各ネットワークアダプタNW/ADに接続される。また、複数のPC500及び各ネットワークアダプタNW/ADの間は、さまざまなネットワークプロトコル(例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)など)を通じて通信する。
【0011】
さらに、複数のPC500とモバイル端末Mは、ネットワークアダプタNW/ADと通信し、あるいはスキャナ装置DRを遠隔制御できる専用のアプリケーションがインストールされている。
【0012】
また、上記画像読取システムに組み込まれるスキャナ装置DRとしては、図1ではフラットベット型スキャナを一例として図示しているが、後述するように、搬送媒体を搬送して画像を読み取るシートフィード型スキャナに置き換えてもよい。また、スキャナ装置DR内部に、ネットワークアダプタNW/ADの機能を取り込んでスキャナ装置を構成しても良い。
【0013】
<画像読取装置の構成>
図2は、上述した画像読取システムにおけるスキャナ装置DRの一例としての、シートフィード型スキャナ(画像読取装置A)の概略図である。
【0014】
画像読取装置Aは、載置台1に積載された一又は複数の搬送媒体Sを1つずつ装置内に経路RTにて搬送してその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。読み取る搬送媒体Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。
【0015】
なお、搬送媒体Sには、上述した様々なシート類だけでなく、パスポート(旅券)などの冊子も含まれる。冊子を対象とする場合、ホルダを用いることができる。透明なホルダに見開き状態の冊子を収容して載置台1に載置することで、冊子がホルダと共に搬送され、その画像を読み取ることができる。
【0016】
<給紙>
搬送路である経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構(給送手段)としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。
【0017】
送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向)に回転駆動される。伝達部5は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0018】
なお、図示しないが、本実施形態の給送機構では、例えば、複数の搬送媒体Sに対して分離ローラ12の分離負荷を作用させて搬送媒体Sを1枚ずつ分離する分離給送と、搬送媒体Sに対して分離ローラ12の分離負荷を作用させずに給送する非分離給送とを切り替え可能としてもよい。上記パスポートを袋状のホルダに収容して搬送する場合には、非分離給送へ切り替えておくことが好ましい。
【0019】
<駆動部>
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sを逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0020】
<分離構造>
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向)に回転駆動される。
【0021】
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0022】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は、必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
【0023】
<搬送構造>
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構(搬送手段)としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。
【0024】
従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0025】
このような第2搬送部20よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
【0026】
駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れ回る。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0027】
排出トレイ2は、画像読取装置Aに対して回動可能なように、画像読取装置Aの下方に設けられた第1ヒンジ101を介して軸支されている。また、第1ヒンジ101側の第1排出トレイ2aとその先端側に接続された第1延長トレイ2b、第2延長トレイ2c、第3延長トレイ2dとから構成されている。
【0028】
第1延長トレイ2bは第1排出トレイ2aに対して摺動可能に支持されており、第2延長トレイ2cは第1延長トレイ2bに対して摺動可能に支持されており、第3延長トレイ2dは第2延長トレイ2cに対して摺動可能に支持されている。
【0029】
<画像読取構造、制御>
ここで、本実施形態の画像読取装置Aでは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70によって画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30は搬送媒体Sを定速搬送する。搬送速度は第1搬送部10の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Sに後続搬送媒体Sが追いついてしまう事態を回避できる。
【0030】
例えば、本実施形態では、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度を、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにした。
【0031】
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度と、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部3を制御して後続搬送媒体Sの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行搬送媒体Sと後続搬送媒体Sとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。
【0032】
<重送検出>
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。
【0033】
重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0034】
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された搬送路RT上流側の検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。
【0035】
媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0036】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出された時点で、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。
【0037】
なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0038】
媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60が画像読取ユニット70よりも上流側に配置されている。第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。
【0039】
媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50、60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
【0040】
<CISの配置>
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るコンタクトイメージセンサであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本発明における画像読取部の一例であり、コンタクトイメージセンサ以外のイメージセンサを用いることも可能である。
【0041】
例えば、本実施形態の場合、画像読取ユニット70は経路RTの両側に一つずつ配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70を経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0042】
<ブロック図の説明>
図3を参照して制御部(制御手段)80について説明する。図3は画像読取装置Aの制御部80のブロック図である。
【0043】
制御部80はCPU81、記憶部82、操作部83、通信部84及びインターフェース部85を備える。CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0044】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(外部PC)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェース、ネットワークインターフェースを挙げることができる。
【0045】
また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。本実施形態では、通信部84として、画像読取装置AとネットワークアダプタNW/ADとを接続するUSBインターフェースを備えている。
【0046】
インターフェース部85はアクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、駆動部3、駆動部4、伝達部5等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50及び60、画像読取ユニット70等が含まれる。
【0047】
<PCからの開始指示受信による駆動>
画像読取装置Aの基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば画像読取装置Aに接続されたPC500(外部PC)、モバイル端末M、あるいは自装置の操作部83等から画像読み取りの開始を指示されると、第1乃至第3搬送部10乃至30の駆動を開始し、画像の読み取り処理を行う。
【0048】
すなわち、このような制御部80は、第1乃至第3搬送部10乃至30の駆動、画像読取ユニット70の駆動を開始又は停止する制御手段として機能する。これにより、載置台1に積載された搬送媒体Sがその最も下に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送されると、制御部80は、画像読取ユニット70を制御し、原稿の画像を読み取る、一連の画像読取処理(スキャン処理)を制御する。
【0049】
<重送時の制御>
搬送の途中で、搬送媒体Sは重送検出センサ40により重送の有無が判定され、重送が無いと判定されると搬送が継続される。なお、重送があると判定された場合には、搬送を停止するか、第1搬送部10による後続搬送媒体Sの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Sをそのまま排出するようにしてもよい。
【0050】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部80は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部20により搬送されてきた搬送媒体Sの、画像読取ユニット70による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一時記憶して順次外部PCへ送信する。画像が読み取られた搬送媒体Sは第3搬送部30により排出トレイ2に排出されてその搬送媒体Sの画像読取処理が終了する。
【0051】
<表示パネルの構成>
図4は本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの排出トレイ2を展開した状態の正面図である。より正確には、画像読取装置Aの正面側に傾斜して設けられた正面パネル90に対して垂直な方向から見た図であり、装置を載置した状態における正面よりもやや上方から見た状態の図である。
【0052】
装置正面上部の正面パネル90には、画像読取装置Aの操作部83として、表示パネル93が設けられ、その内部には操作部83の一例としての操作キー群122が設けられている。操作キー群122には、例えば、本実施形態では、画像読取装置Aの動作を開始するためのスタートキー122a、ストップキー122b、OKキー122c、メニューキー122d、上下キー122eが設けられている。
【0053】
また、操作キー群122に隣接するようにしてLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部94が設けられ、画像読取装置Aの本体上部中央には電源ボタン122fが設けられている。
【0054】
<ネットワークアダプタNW/ADの構成>
ここで、上述した画像読取装置Aが有する通信部84(USBインターフェース)とUSBケーブルを通じて接続される図1に示したネットワークアダプタNW/ADの機能別の構成とその制御例について、図5を参照して説明する。
【0055】
図5に示すように、本実施形態のネットワークアダプタNW/ADは、画像読取装置AがUSBケーブルで接続されるUSBインターフェース部801と、ネットワークNWに接続されるネットワークインターフェースである有線LAN802と、ネットワークNWに接続されるネットワークインターフェースである無線LAN803とを有する。これらのインターフェースを用いて、画像読取装置Aで読み取った画像の送受信やその他の通信、制御信号等が送受信される。なお、これらのインターフェースは画像などを送信する送信部の一例であり、ここに例示したもの以外のインターフェースを用いることも可能である。
【0056】
また、ネットワークアダプタNW/ADは、各種インターフェースに加えて、状態表示を行うLED部804と、外部から電力が供給される電源コネクタ部805と、電源供給部806とを有し、これら全ての各機能部(各インターフェース、表示、電源等)を制御部807が制御するようになっている。
【0057】
ここで、有線LAN802と無線LAN803は、切り替えて使用することが可能である。本実施形態においては、有線LAN802にネットワークケーブルが接続されているときは、有線LAN802が有効になり、無線LAN803は無効になる。また、有線LAN802にネットワークケーブルが接続されていないときは、有線LAN802が無効になり、無線LAN803が有効になる。
【0058】
なお、ネットワークアダプタNW/ADに有線LAN802と無線LAN803の切り替えスイッチを本体に設け、ユーザが任意に切り替えるようにしてもよい。また、本実施形態のネットワークアダプタNW/ADでは、電源コネクタ部805に対して電源ケーブルからの給電が行われ、ネットワークアダプタNW/ADの電源として利用されている。
【0059】
また、本実施形態では、図5に示すように、この電源コネクタ部805は、電源供給部806に接続されており、電源供給部806と画像読取装置A(DR)とを接続する電源供給ケーブルを用いて画像読取装置Aへの給電が行われる。
【0060】
さらに、画像読取装置Aには、主電源ボタンが設けられている。この主電源ボタンをONすると、ネットワークアダプタNW/ADに突入電流が流れ、これをネットワークアダプタNW/ADがハード的に検知することで、ネットワークアダプタNW/ADが起動する。
【0061】
<PCの構成>
図6は、PC500の機能構成を示す。
図1に示したPC500のハード構成としては、様々な演算処理を行う中央演算処理部となるCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)と、操作部と、表示部と、インターフェースとを備えている。
【0062】
HDDには、画像読取装置Aを制御するための各種の制御プログラムがインストールされている。制御プログラムは、汎用アプリケーション525、ジョブアプリケーション523と、スキャナドライバ524等である。ユーザの操作、又は他のプログラムからの呼び出しによって、RAMに読み込まれ、これらプログラムをCPUが実行することにより、所定の機能が実現される。
【0063】
本実施形態に係る画像読取システムにおける画像読取装置Aは、プルスキャンモードとプッシュスキャンモードの2つのモードを備えている。プルスキャンモードは、図7に示すように、複数のPC500のうちの1つのPC(PC500aとする)を、ユーザが操作するモードである。ユーザは、PC500aを操作し、汎用アプリケーション525を起動する。起動後、利用したい画像読取装置A(ここではDR1)を選択する。プルスキャンモードは、ネットワークNW上にある複数のPC500の何れかをユーザが操作し、PC500が画像データを取得する。ユーザは、近くの画像読取装置A(DR1)に原稿をセットし、そのPC500で画像読取指示を行った後、再び、画像読取装置A(DR1)から画像読取済みの原稿を回収する。
【0064】
一方、プッシュスキャンモードは、ユーザは、画像読取装置Aに原稿をセットし、画像読取装置Aのスキャン開始ボタンを押す。そうすると、原稿はスキャンされ、画像は所定の場所に保存される。保存先には、汎用アプリケーション525が起動したPC500の中、ファイルサーバー、FTPサーバー、メールサーバー、クラウドストレージなど、外部サーバーがある。
【0065】
図8(a)は汎用アプリケーション525の初期画面(スキャナー選択ダイアログ)である。ユーザが汎用アプリケーション525を起動すると、汎用アプリケーション525はネットワーク上の画像読取装置を検索し一覧表示する。検索に使うネットワークプロトコルは、mDNS(マルチキャストドメインネームシステム)を使う。汎用アプリケーション525はmDNSを、ネットワーク全体にブロードキャストすると、ネットワークアダプタNW/ADが応答する。応答内容に、装置名(例:DR1、DR2・・・)とIPアドレスが含まれる。ユーザはDR1を選択し、閉じるボタンを押すと、汎用アプリケーション525は、DR1と通信する。
【0066】
スキャナ選択ダイアログの次は、図8(b)のスキャン設定画面が表示される。ここでは、モード(選択肢:白黒、グレー、カラー)、用紙サイズ(選択肢:A4、B5,レター)、解像度(選択肢:100、200、300)、読み取り面(選択肢:片面、両面)、ファイル名が設定できる。スキャンボタン300の押下により、汎用アプリケーション525は、設定された読取条件をネットワークNWとネットワークアダプタNW/AD経由で画像読取装置A(DR1)に送信する。キャンセルボタン301が押下されるとスキャンをキャンセルして前の画面に戻り、送信設定ボタン302が押下されると送信設定が可能である。
【0067】
図9は、図8(b)のスキャン設定画面の送信設定ボタン302を押すと表示される画面で、汎用アプリケーション525が画像データを送信する送信先の設定画面である。ここでは、保存先、保存先にアクセスするためのユーザ名とパスワード、画像を保存後、保存先の情報を送るURL、URLに送信するときの、送信MethodとHeaderとBodyをそれぞれ設定できる。
【0068】
例えば、保存先に「local://C:¥data」と記入すると、汎用アプリケーション525は自身が起動しているPC500のハードディスクドライブのdataという名前のフォルダに画像を保存する。
【0069】
また、保存先に「smb://IP address/path」を入力すると、汎用アプリケーション525は、画像を、IP addressのファイルサーバーのpathが示す場所に保存する。同様にFTPの場合は、「ftp://IP address/path」と入力する。Google(登録商標)ドライブやDropBox(登録商標)などのクラウドストレージに保存するときは、保存先に、クラウドストレージが提供するWebAPIを記入する。
【0070】
URLに入力する項目は、例えば、Slack(登録商標)やMicrosoftTeams(登録商標)が提供しているWebHookの受信URLを入力する。なお、URLは情報の送信先を指定する通知先指定情報の一例であり、他の通知先指定情報を用いてもよい。
【0071】
Method項目は、プルダウン式のエディットボックスで、GET、PUTおよびPOSTといったHTTPで定義された送信方式(HTTP Method)が選択できる。Header項目はContent-Typeなどのヘッダー情報が入力できる。Header情報は複数あるので、エディットボックスに1行入力し、Addボタンを押すと、リストとして登録されるように構成される。Body項目は、JSONや、“key1=value1&key2=value2”といったキーバリュー形式の文字列が入る。
【0072】
本実施形態では、ユーザが入力したBODYの情報に、画像読取装置Aが搬送媒体Sの画像を読み取って保存した保存先のパスを追加する。追加するための文字列ルールとして、キー名に、“LOCATION”を予約文字列として利用する。
【0073】
例えば、BODY項目に{“Title”:“画像を保存しました”、“LOCATION”=“”}と入力されて図8(b)に示すスキャンボタン300の押下によりスキャンが実行された場合、汎用アプリケーション525は、保存先に入力された文字列(例として、{ftp://10.10.10.1/folder})を利用して、BODY項目に入力された文字列を{“Title”:“画像を保存しました”、“LOCATION”=“ftp://10.10.10.1/folder/image.jpg”}と変更してURLに入力された受信URLに対して情報を送信する。キーバリュー形式の文字列も同様にLOCATIONキーに画像の保存先パスが追記される。
【0074】
なおこの時、汎用アプリケーション525は、図8(b)に示すスキャン設定画面における不図示の設定項目として、スキャン画像の出力データ形式としてJPEGファイルなどのシングルページ(搬送媒体Sの一面ごとに1ファイル)が設定されていた場合であれば、BODY項目に入力された文字列を{“Title”:“画像を保存しました”、“LOCATION”=“ftp://10.10.10.1/folder”}などのように、フォルダを指定するように変更しても良い。このように構成すれば、シングルページが設定された状態で画像ファイルごとに保存先の情報をURLに送信する保存先通知をしてしまうと、画像ファイルの数だけ通知がなされてしまうことを防ぐことができる。但し、スキャン画像の出力データ形式としてpdfファイルなどのマルチページファイルが設定されていた場合であっても同様に、フォルダを指定するようにしても良い。
【0075】
図10は、プルスキャンモードで、ネットワークアダプタNW/ADがPC500からスキャン開始命令を受けて、画像を返すまでのフローを示す。まずネットワークアダプタNW/ADは起動後(S1030)、PC500からのスキャン命令の受信待ちをする(S1031)。スキャン命令を受信すると、スキャン設定を受信する(S1032)。次にスキャン開始の準備動作を行う。ここでシェーディングデータや背景データなど画像を作る情報を取得する(S1033)。次に、ネットワークアダプタNW/ADは画像読取装置Aに対しスキャンを開始する(S1034)。スキャンが開始すると、まずネットワークアダプタNW/ADは、画像読取装置Aに対して原稿があるかを確認する(S1035)。原稿があると、スキャンを行う(S1036)。スキャン中は、重送などのエラーが発生していないか確認し(S1037:yes)、エラーが発生した場合、PC500に対し、ネットワークアダプタNW/ADは、エラーを通知し(S1038)、終了処理後、再びスキャン開始命令の受信待ちを行う。エラーが発生しない場合(S1037:no)、画像を送信する(S1040)。原稿がなくなると(S1035:no)、ネットワークアダプタNW/ADは、原稿なしを示すエラーを通知し、終了処理後、再びスキャン開始命令の受信待ちを行う。なお、S1038におけるエラー通知は、S1036で一度以上スキャンが実行されていた場合には通知しなくても良い。
【0076】
図11は、プッシュスキャンを行うために、ネットワークアダプタNW/ADがジョブアプリケーション523と通信するフローを示す。ネットワークアダプタNW/ADは、画像読取装置A(スキャナ)が起動すると(S801)、PC500のジョブアプリケーション523から、ボタン情報送信命令を受信したかどうかを確認する(S802)。このボタン情報送信命令には、ジョブ番号とジョブタイトルの情報が付加されている。PC500側では、ジョブアプリケーション523が、RAM上に常駐し、画像読取装置A上の操作パネル93のスタートボタン122aが押下されたか否かを監視している。
【0077】
S802においてボタン情報送信命令を受信した場合(Yes)、画像読取装置Aのボタン情報を取得し、ネットワークNWに接続されているPC500のジョブアプリケーション523に、ボタン情報を送信する(S803)。その後、ネットワークアダプタNW/ADは、ボタン情報送信命令を出したPC500のIPアドレスと、PC500から受信したジョブ情報(ジョブ番号とジョブタイトル)を関連付けてリストとして記憶する(S804)。
【0078】
図12は、プッシュスキャンを行うジョブアプリケーション523がジョブを実行する処理を示すフローチャートである。まず、PC500が起動(S1001)すると、ジョブアプリケーション523は、ネットワークアダプタNW/AD経由で画像読取装置Aを検知する(S1002)。次に、画像読取装置Aが有する操作パネル93におけるスタートボタンの押下を監視する(S1003)。
【0079】
S1003においてジョブアプリケーション523がスタートボタンの押下を検知した場合(Yes)、ジョブアプリケーション523はネットワークアダプタNW/AD経由で画像読取装置Aからジョブ番号を取得する(S1004)。ジョブアプリケーション523は、S1004にて取得したジョブ番号に対応するジョブ設定(画像読取条件)が存在するか確認する(S1005)。
【0080】
S1005においてジョブ設定が存在する場合(Yes)には、ジョブアプリケーション523は、スキャンを開始する(S1006)。スキャンフローは上述した汎用アプリケーション525と同じである。スキャン終了後、PC500内に画像を保存する。
【0081】
なお、画像の送信先の例として、PC500にしているが、図9の保存先に、SMBサーバー、メールサーバー、FTPサーバー、クラウドストレージサーバーへのパスを設定してもよい。また、汎用アプリケーション525を含むPCを画像読取装置A内に含め、PCと一体型の画像処理装置とし、画像処理装置A内で、スキャンと画像の送信を行ってもよい。
【0082】
図13は、画像読取装置Aの操作パネル93である。PC500のジョブアプリケーション523が、ジョブのジョブ番号とタイトルを示すテキストデータをネットワークアダプタNW/ADに送信し、ネットワークアダプタNW/ADが画像読取装置Aにタイトルを送ると、画像読取装置Aが表示部94にタイトルを表示する。ユーザは、表示部94にジョブのタイトルが表示されている際に、操作パネル93を操作し、ジョブ番号とタイトルを選択可能である。当該処理は、例えば、操作キー群122を用いた操作により実現される。
【0083】
次に、汎用アプリケーション525が画像を送信後、送信設定画面のURLに対してHeaderとBody情報を送信する保存先通知の処理フローについて説明する。図14がそのフローである。
【0084】
まず、汎用アプリケーション525は画像を送信完了する(S2000)と、次に、図9の送信設定画面においてURLに登録があるか確認する(S2001)。なお、以下に説明する他の設定項目も含め、図9で各項目に設定された情報はRAMなどに保存されており、汎用アプリケーション525がRAMを参照することによって登録/設定があるかどうかを確認する。
【0085】
URLに登録がなければ、何もせず終了する(S2005)。登録がある場合、BODY項目の内容を確認し、予約文字列LOCATIONがあるかを確認する(S2002)。予約文字列LOCATIONがない場合、BODY項目内容をそのまま、Headerの内容と一緒に、URLに登録された送信先に送信する(S2004)。LOCATIONがある場合、LOCATIONキーと対応する値として、ファイル名も含んだ画像の送信先パスを追記して(S2003)、Headerの内容と一緒に、URLに登録された送信先に送信する(S2004)。
【0086】
例えばURLの値を、Slackが用意しているWebHookのURLにした場合、画像送信後、Slackのチャット画面に対し、BODYに含まれる保存先のパスが表示される(不図示)。
【0087】
以上説明した本実施形態によれば、スキャンした画像を無闇にメール送信などによって複製することなく、スキャン画像を関係者に容易に共有することができる。
【0088】
また、従来の画像読取システムにおいて、スキャンした画像を送信するクラウドストレージには、ファイルが置かれると、関係者に通知をする機能がある。しかし、クラウドストレージサーバーは、ファイルが置かれたことは分かるが、置かれた画像データが、請求書なのか見積書なのかといった何をスキャンした画像データなのかは正確に分からず、通知するときに、詳細な情報を加えて通知できなかった。それに対し、本発明においては、クラウドストレージに対してWebHookを送信することにより、簡易にクラウドストレージに対してスキャン画像データに関する詳細な情報を通知することができる。
【0089】
以上、本発明を一実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではない。
【0090】
例えば、上述した本発明の一実施形態では、URLは一つのみ登録できたが、複数設けてもよい。例えば、URLを2つ入力できるようにすると、SlackだけでなくMicroSoftTeamsにも情報を出したい場合などにも対応できる。
【0091】
また、画像送信後に、URLへの情報送信を行ったが、画像送信前でも良い。この場合、画像をスキャンする前に、関係者に事前に通知できるので、関係者は、あらかじめ、保存されるパス(この場合ファイル名は含まずにフォルダ名までのパスである)を参照して、画像が保存されるまで待つことができる。
【0092】
また、画像送信前、後だけでなく、画像処理装置Aの電源が入るタイミングや切れるタイミングでもよい。この場合、スキャン業務で、オペレーターが画像処理装置Aの電源を入れてから落とすまでをスキャン業務の監督者に通知できる。この通知を利用して、監督者が、1日の業務を管理できる。電源が入るタイミングや電源が切れるタイミングでURLへの情報送信(WebHook送信)を行う場合には、上述したように図9に示すスキャン設定画面における設定における保存先に替えて、電源が入るタイミングや電源が切れるタイミングと紐付けることが設定される。それ以外の設定項目は図9で説明したものと同様の設定項目が設定されることが好ましい。
【0093】
また、この場合、BODYには画像の保存先を記載するわけではなく、スキャナ装置DRの情報(シリアル番号、IPアドレス)が入る。さらに、電源を落とすタイミングでWebHookを送信するように設定する場合には、電源ONからのトータルスキャン枚数を記載してもよい。このように構成すれば、一日単位などの所定単位ごとのトータルスキャン枚数を確認して、管理者による業務量把握などが可能となる。
【0094】
また、トータルスキャン枚数に限らず、スキャナ装置DRのメンテナンスに関する情報をBODYに記載するように構成しても良い。例えば、スキャン後に画像の保存先を通知する情報送信の完了後に、同じURLに対してスキャナ装置DRのメンテナンス情報(ローラ使用時間に関する情報、総スキャン枚数、電源ON時間など)がBODYに記載されたWebHookによる情報送信が自動的に行われるように構成しても良い。なお、これらのメンテナンス情報が所定の条件を満たしたときだけ送信されるようにしても良い。これら情報のWebHookを用いた送信は、電源が入るタイミングや切れるタイミングに限られず、スキャン終了時や所定時刻などの任意のタイミングで実行されて良い。
【0095】
また、予約文字列にLOCATIONキーを使ったがこれだけではない。他に予約文字列として、JOBTITLEキーを作ってもよい。この予約文字列は、ジョブの名前を示す。例えば、ジョブ1番のジョブタイトルが「請求書」、ジョブ2番のジョブタイトルに、「説明書」が入力されたとする。画像読取装置Aはジョブ1番が実行されたら、JOBTITLEキーに「請求書」をつけて、URLにBODYを送信する。通知を受けた関係者は、JOBTITLEキーを見て、どんな原稿の画像データが保存されたかを知ることができる。これにより、スキャンするユーザは、複数のジョブを使い分けて、関係者へどのような原稿の画像データを保存したかを通知できる。なお、このJOBTITLEキーは、図9の送信設定画面を用いてユーザが入力する方法に限らず、スキャン実行時にジョブ選択がなされたことに基づき、そのジョブに予め設定されたジョブタイトルを利用して自動的にBODYに追加しても良い。
【0096】
また、他の予約文字列としてMETADATAキーを作ってもよい。この予約文字列は、スキャン設定(カラー・グレー・白黒)、解像度、表面/裏面、原稿サイズ(幅長さ情報)、スキャン画像に含まれるバーコードの検知結果やスキャンする原稿へ印字するインプリント情報などの画像データに関するメタデータが入る。通知を受けた関係者は、例えば、インプリントされた情報が適切か確認できる。関係者全員で画像データに納められた情報のチェックができる。
【0097】
上述した本発明の一実施形態では、ネットワークアダプタNW/ADに対して1つのスキャナ装置が接続された単一型のシステム形態を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、以下に説明するように、1つのネットワークアダプタNW/ADに対して複数のスキャナ装置が接続される複合型のシステム形態としてもよい。
【0098】
このような複合型のシステム形態とする場合には、複数のスキャナ装置として、例えば、シートフィード型スキャナ、フラットベット型スキャナ、ADF(Auto Document Feeder)付きフラットベットスキャナからなる群から選択される2つを組み合わせることが可能である。 詳細には、ネットワークアダプタNW/ADに対してフラットベット型スキャナを中継してシートフィード型スキャナを直列に接続してもよいし、ネットワークアダプタNW/ADに複数のインターフェースを設けあるいはハブ装置等を使ったりすることで、1つのネットワークアダプタに複数のスキャナ装置を並列に接続してもよい。
【0099】
また、このような複合型のシステム形態においては、上述した一実施形態と同様に、ジョブを実行することができる。例えば、複数のスキャナ装置のうち操作部を有するスキャナ装置をネットワークアダプタが監視、表示制御等を行えるようにすれば、上述した一実施形態と同様に、ジョブを実行することができる。
【0100】
また、Google Apps Scriptなどの自動化スクリプトを使った業務自動化にスキャナ装置からのWebHookを利用してもよい。具体的には、スキャナ装置がスキャン画像をGoogleドライブにアップロードした後、Google Apps Scriptを、スキャナから送信したWebHookをトリガーに起動させる。Google Apps Scriptには、画像ファイルをOCRし、その結果をGoogleスプレッドシートに追記する動作などを行わせる。
【0101】
このシステムによって、例えばアンケート用紙をスキャンし、各項目をOCRでデータ化したものを所定のフォーマットでスプレッドシートに追記して、データとしてまとめることができる。このとき、Google Apps Scriptを起動させるためのWebHook(クラウドサービスへの処理指示となるWebHook)におけるBODYに記載する情報としては、OCRをする画像領域、編集するスプレッドシートのファイル名またはIDが設定される。また、Googleドライブなどのクラウドストレージに画像データを送信したときのレスポンス情報が記載されてもよい。レスポンス情報の一例としては上述したスプレッドシートのファイル名やIDなどの情報であってもよいが、これに限られない。また、送信したスキャン画像に関してスキャナ装置で実行したスキャン動作に関する情報(読み取り解像度、拡縮処理の有無、原稿周囲の読み取りマージン設定の長さ、白紙スキップ設定の有無など)が記載されても良い。Google Apps Script側は、それらの情報を利用して処理を実行することが可能となる。
【0102】
なお、このようにクラウドサービスの自動化スクリプトなどを用いたシステムに対してスキャナ装置からのWebHookを利用する場合に、クラウドサービスへの処理指示となるWebHookを送信したことを、別のWebHookとして他のURLに対して送信してもよい。その場合、クラウドサービス側からのレスポンスや処理結果を含めて別のWebHookを送信してもよい。
【0103】
また、スキャンした画像に対し、その他のクラウドサービスに対する処理を実行した場合に、スキャン画像の保存先をURLに送信するWebHookのBODYにその処理に関する情報を記載しても良いし、そのWebHookとは別に、その処理に関する情報をBODYに記載したWebHookを同じURLに対して送信してもよい。
【符号の説明】
【0104】
DR スキャナ装置
70 画像読取ユニット
80 制御部
500 PC
523 ジョブアプリケーション
525 汎用アプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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