(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160248
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20231026BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H05K13/04 A
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070458
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】ワタリ エイリ
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康一
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 翼
(72)【発明者】
【氏名】土居 徹哉
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE52
5E353EE53
5E353EE84
5E353GG22
5E353HH30
5E353JJ02
5E353JJ21
5E353JJ29
5E353JJ45
5E353JJ48
5E353KK03
5E353KK21
5E353KK25
5E353QQ12
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で回転体の絶対的な回転位置を検出することができる部品実装装置を提供する。
【解決手段】部品実装装置は、回転軸CLを中心とする円周上に複数のシャフトを等間隔で保持する回転体11に設けられ、部品認識ステーションST7においてノズル13(1)~13(12)に保持された部品を撮影するカメラの撮像視野Aに含まれる位置であって特定のシャフト(ノズル13(1)が装着されたシャフト)を識別するための特徴部Fを設けた背景部材Bと、カメラで特徴部Fを認識する特徴部認識部と、特徴部認識部が特徴部Fを検出したときの回転位置に基づいて、複数のシャフトが位置するステーションST1~ST12を特定するノズルシャフトポジション特定部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品実装装置であって、
前記ノズルを下端部に有する複数のシャフトと、
回転軸を中心とする円周上に前記複数のシャフトを等間隔で保持し、前記回転軸を中心に回転して前記複数のシャフトを複数のステーションに順次位置させる回転体と、
前記回転体の回転位置を相対的に検出する回転位置検出部と、
前記複数のステーションのうちの特定のステーションにおいて前記ノズルに保持された部品を撮影するカメラと、
前記カメラで撮像した画像に基づいて部品の位置または状態を認識する部品認識部と、
前記回転体に設けられ、前記カメラの撮像視野に含まれる位置であって前記複数のシャフトのうちの特定のシャフトを識別するための特徴部を設けた背景部材と、
前記カメラで前記特徴部を認識する特徴部認識部と、
前記特徴部認識部が前記特徴部を検出したときの回転位置に基づいて、前記複数のシャフトが位置するステーションを特定するノズルシャフトポジション特定部と、を備えた部品実装装置。
【請求項2】
前記背景部材は、前記回転軸を中心とする前記特徴部と重なる円周上であって前記特定のシャフト以外のシャフトのノズルと共に前記撮像視野に含まれる非特徴部を有し、
前記特徴部認識部は、前記非特徴部の明るさと前記特徴部の明るさの違いを利用して前記特徴部を認識する、請請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記背景部材は、前記回転体の下面に装着されている、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を負圧により保持して基板に実装する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を実装する部品実装装置は、負圧源で発生した吸引力を利用して部品を保持するノズルを備えた作業ヘッドにより、部品供給部から部品を取り出して基板に搭載する。この作業ヘッドとして、下端にノズルが装着される複数のシャフトをインデックス回転する回転体に等間隔に備えるロータリー式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の搭載ヘッド(作業ヘッド)は、回転体がインデックス回転してノズルが停止する位置に、役割の異なる複数のノズル停止ステーションが配置されている。例えば、作業ステーションでは、ノズルを昇降させてノズルに部品を保持し、保持した部品を基板に搭載している。また、部品検出ステーションでは、ノズルに部品が保持されたか否かを検出している。また、部品認識ステーションでは、ノズルに保持された部品を撮像している。ロータリー式の作業ヘッドでは、回転体をインデックス回転させながら、各ステーションでそれぞれの作業を同時に実行することで、効率良く部品実装を実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ロータリー式の作業ヘッドが各ステーションで正常に作業を実行するためには、部品実装装置が回転体の絶対的な回転位置を認識して記憶しておく必要がある。そのため、特許文献1を含む従来技術では、回転体を回転させるモータの絶対的な回転位置を検出するアブソリュートエンコーダや所定のピンを検出する遮光型センサなどを備えている。しかしながら、アブソリュートエンコーダや遮光型センサなどを作業ヘッドに配置する場合、アブソリュートエンコーダのバッテリやセンサ等の取付用のブラケットなどの重さで水平面内を高速で移動する作業ヘッドの重さが増加して、作業ヘッドの移動に伴い振動が発生したり、停止位置の精度が低下したりするなどの課題があった。
【0006】
そこで本発明は、簡易な構成で回転体の絶対的な回転位置を検出することができる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部品実装装置は、ノズルで部品を保持して基板に搭載する部品実装装置であって、前記ノズルを下端部に有する複数のシャフトと、回転軸を中心とする円周上に前記複数のシャフトを等間隔で保持し、前記回転軸を中心に回転して前記複数のシャフトを複数のステーションに順次位置させる回転体と、前記回転体の回転位置を相対的に検出する回転位置検出部と、前記複数のステーションのうちの特定のステーションにおいて前記ノズルに保持された部品を撮影するカメラと、前記カメラで撮像した画像に基づいて部品の位置または状態を認識する部品認識部と、前記回転体に設けられ、前記カメラの撮像視野に含まれる位置であって前記複数のシャフトのうちの特定のシャフトを識別するための特徴部を設けた背景部材と、前記カメラで前記特徴部を認識する特徴部認識部と、前記特徴部認識部が前記特徴部を検出したときの回転位置に基づいて、前記複数のシャフトが位置するステーションを特定するノズルシャフトポジション特定部と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成で回転体の絶対的な回転位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の全体構成を示す斜視図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える作業ヘッドの要部の構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える作業ヘッドのカメラの構成説明図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える作業ヘッドの要部の底面図
【
図5】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える作業ヘッドのカメラの撮像視野に(a)特徴部を有するノズルが位置する状態を示す図(b)特徴部を有しないノズルが位置する状態を示す図
【
図6】本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず
図1を参照して、部品実装装置1の構造を説明する。以下、基板の搬送方向をX軸方向、X軸方向と水平面内において直交する方向をY軸方向、XY平面に対して直交する方向をZ軸方向、Z軸方向を軸として回転する水平面内の方向をθ方向と定義する。
【0011】
図1において、部品実装装置1は、ノズルのノズル開口に負圧を作用させて部品を真空吸着により保持して基板に搭載する機能を有する。基台1aの中央部には、X軸に沿って延びた一対の搬送コンベアを備えた基板搬送機構2が配置されている。基板搬送機構2は部品搭載対象の基板3を上流の装置から受け取って搬送し、以下に説明する部品搭載機構による搭載作業位置に位置決め保持する。
【0012】
基板搬送機構2の両側方には、部品供給部4が配置されている。部品供給部4は、フィーダテーブル4a上に複数のテープフィーダ5をX軸に沿って並列に配置して構成されている。テープフィーダ5は、基板3に搭載される部品を収納したキャリアテープをピッチ送りすることにより、搭載対象の部品を部品搭載機構の作業ヘッド8による取り出し位置に供給する。
【0013】
次に、部品搭載機構について説明する。
図1において、基台1aのX軸方向の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル6が配置されている。Y軸テーブル6には、リニア駆動機構7a(
図2参照)を備えたビーム7がY軸に沿って移動自在に装着されている。ビーム7には、作業ヘッド8の本体フレーム9がX軸に沿って移動自在に装着されている。
【0014】
作業ヘッド8は、基板3に搭載される部品をノズル13(
図2参照)によって部品供給部4からピックアップして保持する機能を有している。ノズル13は、先端部のノズル開口に負圧源によって発生された負圧を作用させて部品を保持する。作業ヘッド8は、Y軸テーブル6、ビーム7を駆動することによりX方軸向、Y軸方向へ水平移動し、ノズル13に保持された部品を基板搬送機構2に位置決め保持された基板3に搭載する。すなわち、Y軸テーブル6とビーム7は、作業ヘッド8をX軸方向とY軸方向に移動させるXY移動部18(
図6参照)を構成する。部品実装装置1の各部は、部品実装装置1が備える制御装置Cによって制御される。
【0015】
次に、
図2を参照して、作業ヘッド8の要部の構造を説明する。作業ヘッド8の本体フレーム9の下部には、ロータ保持部10が水平方向に延出して設けられている。ロータ保持部10には、回転体11がZ軸方向の回転軸CLを回転軸として回転自在に保持されている。回転体11の回転軸CLを中心とする円周上には、複数(この例では12本)のシャフト12が昇降可能な状態で等間隔に保持されている。シャフト12には、下端部に部品を保持するノズル13がそれぞれ装着されている。
【0016】
回転体11の上部には、回転シャフト14が接続されている。回転シャフト14は、本体フレーム9に固定して設けられたロータ駆動部15によって、回転軸CLを回転軸として回転される。制御装置Cがロータ駆動部15を制御して、回転シャフト14を回転駆動させることにより、回転体11が回転軸CLを中心としてθ方向に回転する。回転体11が回転することにより、複数のシャフト12は回転軸CLを中心に周回移動する。回転体11の下部には、シャフト12に装着されたノズル13よりも上方の高さ位置に、略円盤形状の背景部材Bが配置されている。
【0017】
図2において、ロータ駆動部15は、ロータ駆動部15が回転駆動する回転体11の回転角度を検出するエンコーダ16を備えている。エンコーダ16は、例えば、インクリメンタル型のロータリエンコーダである。ロータ駆動部15は、回転体11を回転させることによって複数のシャフト12を、作業ヘッド8に設定された複数(この例では12箇所)のステーションST1~ST12(
図4参照)に順番に位置させる。本体フレーム9には、複数のステーションST1~ST12のうちの作業ステーションST1に停止したシャフト12を昇降させるシャフト昇降部17が固定して配置されている。
【0018】
図2、
図3において、ロータ保持部10には、複数のステーションST1~ST12のうちの部品認識ステーションST7(特定のステーション)においてノズル13に保持された部品を撮影するカメラ20が固定して配置されている。カメラ20は、ロータ保持部10の側方において下方に延出し、さらに部品認識ステーションST7に停止するノズル13の下方に向けて水平方向に延伸する導光筒21を備えている。導光筒21の内部には、下方に延出する部分に光軸を下方に向けた撮像素子22が配置されている。
【0019】
また、導光筒21の水平方向に延伸する部分の上面であって、部品認識ステーションST7に停止するノズル13の下方には、カメラ開口23が形成されている。導光筒21の内部には、部品認識ステーションST7に停止するノズル13の像を、カメラ開口23を通じて撮像素子22まで導く複数のミラー24が配置されている。また、導光筒21のカメラ開口23の周囲には、撮像対象のノズル13、背景部材Bの一部を含む上方を照明するLEDなどの照明部25が配置されている。
【0020】
このように、回転体11は、回転軸CLを中心とする円周上に複数のシャフト12を等間隔で保持し、回転軸CLを中心に回転して複数のシャフト12を複数のステーションST1~ST12に順次位置させる。そして、制御装置Cはシャフト昇降部17を制御して、作業ステーションST1の位置に停止したシャフト12を昇降させる。これにより、シャフト12に装着されたノズル13が昇降する。また、制御装置Cはカメラ20の撮像素子22と照明部25を制御して、部品認識ステーションST7の位置に停止したノズル13を下方から撮影させる。
【0021】
図2、
図3において、回転体11の下面には、背景部材Bが装着されている。次に、
図4、
図5を参照して、背景部材Bの詳細な構成について説明する。
図4において、背景部材Bは、回転軸CLを中心とする略円状で、下方から見てシャフト12に装着されたノズル13の一部と背景部材Bの外周の一部が重なる大きさをしている。背景部材Bは、ノズル13とは反射率が大きく異なる素材で形成されている。この例では、ノズル13は反射率が大きな素材で形成され、背景部材Bは反射率が小さい(黒っぽい)素材で形成されている。
【0022】
図4は、12本あるノズル13(1)~13(12)のうちのノズル13(1)が部品認識ステーションST7(特定のステーション)に停止している状態を示している。カメラ20の撮像視野Aには、ノズル13(1)の他に背景部材Bの一部が含まれている。背景部材Bには、ノズル13(1)の位置に他のノズル13(2)~13(12)と区別するための特徴部Fが設けられている。この例では、下方から見てノズル13(1)と重なる部分を含む、背景部材Bの一部を切り欠いた特徴部Fが形成されている。
【0023】
図5(a)は、部品認識ステーションST7に停止したノズル13(1)をカメラ20が撮影した撮像画像26を示している。また、
図5(b)は、部品認識ステーションST7に停止したノズル13(2)をカメラ20が撮影した撮像画像26を示している。ノズル13(1)の撮像画像26には、背景部材Bの一部と背景部材Bを切り欠いた特徴部Fが写っている。一方、ノズル13(2)の撮像画像26に写る背景部材Bには特徴部Fが無く、ノズル13(1)との識別が可能である。同様に、ノズル13(3)~13(12)の撮像画像26に写る背景部材Bにも特徴部Fが無い。
【0024】
このように、作業ヘッド8は、回転体11に設けられ、カメラ20の撮像視野Aに含まれる位置であって複数のシャフト12のうちの特定のシャフト(ノズル13(1)が装着されたシャフト12)を識別するための特徴部Fが設けられた背景部材Bを備えている。また、背景部材Bは、回転軸CLを中心とする特徴部Fと重なる円周上であって特定のシャフト以外のシャフトのノズル13(2)~13(12)と共に撮像視野Aに含まれる非特徴部CF(
図5(b))を有している。
【0025】
次に、
図6を参照して、部品実装装置1の制御系の構成について説明する。部品実装装置1が備える制御装置Cは、CPU等を備える演算処理装置である部品搭載作業実行部30、回転位置検出部31、画像認識部32、ノズルシャフトポジション特定部33、記憶装置であるノズルシャフトポジション記憶部34、作業プログラム記憶部35を備えている。回転位置検出部31は、エンコーダ16の検出信号に基づいて、回転体11の回転位置を相対的に検出する。
【0026】
画像認識部32は、カメラ20で撮像した画像に基づいて部品の位置または状態を認識する。画像認識部32は、内部処理部として部品認識部32a、特徴部認識部32bを備えている。部品認識部32aは、部品認識ステーションST7に順次停止したノズル13(1)~13(12)をカメラ20が撮影した撮像画像26を認識処理して、ノズル13(1)~13(12)が保持する部品の状態をそれぞれ認識する。
【0027】
図6において、特徴部認識部32bは、部品認識ステーションST7に順次停止したノズル13(1)~13(12)をカメラ20が撮影した撮像画像26を認識処理して、背景部材Bの特徴部Fを検出する。例えば、特徴部認識部32bは、カメラ20が特徴部Fまたは非特徴部CFが含まれる位置(検出ラインSL)を横方向にスキャンし、明るい部分が検出されると特徴部Fがあると認識し、明るい部分が検出されない場合は特徴部Fがない(非特徴部CFがある)と認識する。
【0028】
すなわち、特徴部認識部32bは、非特徴部CFの明るさと特徴部Fの明るさの違いを利用して特徴部Fを認識する。このように、特徴部認識部32bは、カメラ20で特徴部Fを認識する。なお、特徴部認識部32bが特徴部Fの有無を認識する際に、カメラ20は検出ラインSLのみを1次元にスキャンするようにしてもよい。カメラ20が検出ラインSLのみをスキャンして特徴部認識部32bが特徴部Fの有無を認識することで、特徴部Fを有するノズル13(1)を短時間で検出することができる。
【0029】
ノズルシャフトポジション特定部33は、特徴部認識部32bが特徴部Fを検出したときの回転位置に基づいて、複数のシャフト12が位置するステーションST1~ST12を特定する。具体的には、ノズルシャフトポジション特定部33は、ロータ駆動部15を制御して、ノズル13(1)~13(12)を部品認識ステーションST7に順次停止させる。ノズルシャフトポジション特定部33は、特徴部認識部32bが特徴部Fを検出するとノズル13(1)が部品認識ステーションST7に停止していると判断する。そして、ノズルシャフトポジション特定部33は、その時に回転位置検出部31が検出した回転体11の回転位置をノズルシャフトポジション記憶部34に記憶させる。
【0030】
ノズルシャフトポジション特定部33による特定のシャフト12(ノズル13(1)が装着されたシャフト12)の検出は、例えば、部品実装装置1の電源が投入された直後に実行される。ノズルシャフトポジション特定部33は、特定のシャフト12が検出されると、その後はノズルシャフトポジション記憶部34に記憶された回転角度と回転位置検出部31が検出した回転体11の相対的な回転位置に基づいて、複数のシャフト12が位置するステーションST1~ST12を特定する。
【0031】
図6において、部品搭載作業実行部30は、作業プログラム記憶部35に記憶されている作業プログラムと、ノズルシャフトポジション特定部33が特定する複数のシャフト12(またはノズル13(1)~13(12))の回転位置に基づいて、作業ヘッド8を作動させて部品を基板3に搭載する部品搭載作業を実行させる。その際、部品搭載作業実行部30は、部品認識部32aが認識したノズル13(1)~13(12)が保持する部品の状態(部品の有無、ノズルに対するずれ量)に基づいて、部品の基板3への搭載位置を補正する。
【0032】
上記説明したように、本実施の形態の部品実装装置1は、ノズル13(1)~13(12)を下端部に有する複数のシャフト12と、回転軸CLを中心とする円周上に複数のシャフト12を等間隔で保持して複数のステーションST1~ST12に順次位置させる回転体11と、回転体11の回転位置を相対的に検出する回転位置検出部31と、特定のステーション(部品認識ステーションST7)においてノズル13(1)~13(12)に保持された部品を撮影するカメラ20と、カメラ20で撮像した画像に基づいて部品の位置または状態を認識する部品認識部32aを備えている。
【0033】
さらに、部品実装装置1は、回転体11に設けられ、カメラ20の撮像視野Aに含まれる位置であって特定のシャフト12(ノズル13(1)が装着されたシャフト12)を識別するための特徴部Fを設けた背景部材Bと、カメラ20で特徴部Fを認識する特徴部認識部32bと、特徴部認識部32bが特徴部Fを検出したときの回転位置に基づいて、複数のシャフト12が位置するステーションST1~ST12を特定するノズルシャフトポジション特定部33と、を備えている。
【0034】
このように、本実施の形態の部品実装装置1は、回転体11の相対的な回転位置を検出するエンコーダ16と部品搭載作業においてノズル13が保持した部品を撮影するカメラ20を使用して複数のシャフト12の位置を検出している。これによって、簡易な構成で回転体11の絶対的な回転位置を検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の部品実装装置は、簡易な構成で回転体の絶対的な回転位置を検出することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 部品実装装置
3 基板
8 作業ヘッド
9 本体フレーム
11 回転体
12 シャフト
13、13(1)~13(12) ノズル
20 カメラ
A 撮像視野
B 背景部材
CF 非特徴部
F 特徴部
ST1~ST12 ステーション
ST7 部品認識ステーション(特定のステーション)