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特開2023-160261充電管理装置及びナビゲーションシステム並びにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160261
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】充電管理装置及びナビゲーションシステム並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/13 20190101AFI20231026BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20231026BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20231026BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20231026BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231026BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20231026BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B60L58/13
G01C21/26 A
G08G1/0969
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L53/10
H02J7/00 P
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070481
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小橋 建斗
【テーマコード(参考)】
2F129
5G503
5H125
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD40
2F129DD46
2F129EE02
2F129EE80
2F129EE84
2F129EE92
2F129FF12
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH14
2F129HH18
2F129HH20
2F129HH21
5G503AA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503CB06
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC08
5H125BC12
5H125CA18
5H125CC01
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE55
5H125EE61
5H181AA01
5H181FF05
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】目的地までのルートを設定する際に、途中立ち寄るバッテリの充電施設及びそれぞれの充電施設での滞在時間を考慮した充電計画を提案可能にする。
【解決手段】電気自動車のバッテリの充電を管理する充電管理装置は、車両の現在地及び目的地の情報を取得し、現在地から目的地までの行程中に立ち寄るバッテリの充電施設を所定の基準で設定し、一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時におけるバッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車のバッテリの充電を管理する充電管理装置において、
一つ又は複数のプロセッサと、前記一つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された一つ又は複数のメモリと、を備え、
前記一つ又は複数のプロセッサは、
車両の現在地及び目的地の情報を取得し、
前記現在地から前記目的地までの行程中に立ち寄る前記バッテリの充電施設を所定の基準で設定し、
一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時における前記バッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出する、充電管理装置。
【請求項2】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記一の充電施設から前記次の充電施設まで走行する間の前記バッテリの予想消費電力量と前記所定の基準充電容量との和の値と、前記一の充電施設での充電開始時の充電容量の値と、前記バッテリの充電効率のデータと、に基づいて前記必要充電時間を算出する、請求項1に記載の充電管理装置。
【請求項3】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記電気自動車の電力消費率性能に応じて分類した車種ごとに、走行区間と電力消費量とを含む走行データを記録した走行データベースを参照し、
前記バッテリの予想消費電力量を、前記車両と同分類に属する車種の前記走行データに基づいて予測する、請求項2に記載の充電管理装置。
【請求項4】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記必要充電時間を、所定の最低休憩時間以上に設定する、請求項1に記載の充電管理装置。
【請求項5】
前記一つ又は複数のプロセッサは、
前記車両が前記所定の基準で設定した充電施設とは異なる充電施設に立ち寄った場合、前記目的地までの行程中に立ち寄る前記バッテリの充電施設を再設定する、請求項1に記載の充電管理装置。
【請求項6】
電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、
一つ又は複数のプロセッサと、前記一つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された一つ又は複数のメモリと、を備え、
前記一つ又は複数のプロセッサは、
車両の現在地及び目的地の情報を取得し、
前記現在地から前記目的地までの行程中に立ち寄る前記バッテリの充電施設を所定の基準で設定し、
一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時における前記バッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出し、
前記一の充電施設での滞在時間を提示する、ナビゲーションシステム。
【請求項7】
電気自動車のバッテリの充電を管理する充電管理装置に提供されるコンピュータプログラムであって、
一つ又は複数のプロセッサに、
車両の現在地及び目的地の情報を取得することと、
前記現在地から前記目的地までの行程中に立ち寄る前記バッテリの充電施設を所定の基準で設定することと、
一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時における前記バッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出することと、
を含む処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気自動車のバッテリの充電を管理する充電管理装置及びナビゲーションシステム並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、バッテリに充電された電力が枯渇すると走行不能になるため、バッテリの残量が無くなる前に充電をしなければならない。このため、バッテリの充電施設をユーザに提案する技術が種々開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、バッテリを充電可能な充電器を有する複数の充電施設を検索し、複数の充電施設に含まれる各々の充電施設到着時におけるバッテリの温度及びバッテリの残量を推定するとともに、温度に対応する充電時の許容電流を特定し、許容電流と残量から充電時間を推定し、各々の充電施設について到着予定時刻と充電時間を表示するナビゲーション装置が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、記憶されている充電施設の中から、電気自動車の現在地周辺に存在する充電施設を抽出し、抽出された充電施設の位置と、その充電施設に設置されている充電器の利用可能情報とを提供する充電スタンド情報提供装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-9108号公報
【特許文献2】特開2003-262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2等に開示された技術は、これから立ち寄る充電施設について、それぞれの充電施設の位置や充電時間等の情報をユーザに提供するものの、さらに次の充電施設まで到達可能な必要電力を考慮した情報を提供するものではない。具体的に、特許文献1及び2に開示された技術では、ユーザが、電気自動車で所定の目的地まで向かう際に、都度充電施設を選択しなければならず、煩わしさを感じるおそれがある。また、次の充電施設まで到達可能な必要電力を考慮しない場合、それぞれの充電施設において毎回満充電となるまで充電することになり、充電施設での滞在時間が必要以上に長くなるおそれがある。
【0007】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、目的地までのルートを設定する際に、途中立ち寄るバッテリの充電施設及びそれぞれの充電施設での滞在時間を考慮した充電計画を提案可能な充電管理装置及びナビゲーションシステム並びにコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、電気自動車のバッテリの充電を管理する充電管理装置であって、一つ又は複数のプロセッサと、一つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された一つ又は複数のメモリと、を備え、一つ又は複数のプロセッサは、車両の現在地及び目的地の情報を取得し、現在地から目的地までの行程中に立ち寄るバッテリの充電施設を所定の基準で設定し、一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時におけるバッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出する充電管理装置が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本開示の別の観点によれば、電気自動車のナビゲーションシステムであって、一つ又は複数のプロセッサと、一つ又は複数のプロセッサと通信可能に接続された一つ又は複数のメモリと、を備え、一つ又は複数のプロセッサは、車両の現在地及び目的地の情報を取得し、現在地から目的地までの行程中に立ち寄るバッテリの充電施設を所定の基準で設定し、一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時におけるバッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出し、一の充電施設での滞在時間を提示するナビゲーションシステムが提供される。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本開示の別の観点によれば、電気自動車のバッテリの充電を管理する充電管理装置に提供されるコンピュータプログラムであって、一つ又は複数のプロセッサに、車両の現在地及び目的地の情報を取得することと、現在地から目的地までの行程中に立ち寄るバッテリの充電施設を所定の基準で設定することと、一の充電施設での必要充電時間を、次の充電施設への到着予定時におけるバッテリの予想残存容量が所定の基準充電容量以上となるように算出することと、を含む処理を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、目的地までのルートを設定する際に、途中立ち寄るバッテリの充電施設及びそれぞれの充電施設での滞在時間を考慮した充電計画を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態に係る充電管理装置(制御装置)を備えた車両の構成例を示す模式図である。
図2】同実施の形態に係るナビゲーションシステムの機能構成を示すブロック図である。
図3】充電効率データの一例を示す説明図である。
図4】同実施形態の制御装置の処理動作のメインルーチンを示すフローチャートである。
図5】同実施形態の制御装置によるナビゲーション処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
<1.システム構成>
まず、本開示の実施の形態に係る充電管理装置を備えた車両のシステム構成の一例を説明する。なお、本実施形態において、「制御装置50」が充電管理装置としての機能を有する。「制御装置50」は、充電管理装置としての機能と併せて、ナビゲーションシステム40の制御装置としての機能を有する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る充電管理装置を備えた車両1の構成例を示す模式図である。車両1は、車両1の駆動トルクを生成する駆動モータ7から出力される駆動トルクにより前輪を駆動する前輪駆動の電気自動車として構成されている。ただし、車両1は、前輪駆動用モータ及び後輪駆動用モータの二つの駆動用モータを備えた電気自動車であってもよく、それぞれの車輪に対応する駆動用モータを備えた電気自動車であってもよい。
【0016】
駆動モータ7は、代表的には三相交流式のモータであるが、モータの種類は特に限定されるものではない。車両1は、駆動モータ7を駆動するシステムとして、バッテリユニット3及びインバータユニット5を備える。バッテリユニット3は、駆動モータ7に供給する電力を蓄積する複数のバッテリセルを有する。バッテリユニット3は、バッテリ管理装置11を備える。バッテリ管理装置11は、バッテリユニット3の開放電圧、出力電圧、出力電流、充電容量(SOC)及び温度等の情報を取得し、制御装置50へ送信する。バッテリユニット3が、送風ファン等の冷却装置を備えている場合、バッテリ管理装置11は、当該冷却装置の駆動を制御する機能を有していてもよい。
【0017】
インバータユニット5は、バッテリユニット3から供給される直流電流を三相交流電流に変換して駆動モータ7へ供給する。また、インバータユニット5は、車両1の減速時に駆動モータ7の回生により発電される交流電流を直流電流に変換してバッテリユニット3へ供給する。インバータユニット5は、電圧を昇圧又は降圧するDCDCコンバータを備えていてもよい。インバータユニット5の駆動は、車両1の要求駆動トルク又は要求回生ブレーキトルクに基づいて、図示しないモータ制御装置により制御される。
【0018】
<2.ナビゲーションシステム>
続いて、図1及び図2を参照して、ナビゲーションシステム40の構成例を説明する。図2は、ナビゲーションシステム40の機能構成を示すブロック図である。
【0019】
ナビゲーションシステム40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ13、入力部41、出力部43、制御装置50、地図データベース71、充電施設データベース73及び走行データベース75を備えている。
【0020】
GNSSセンサ13は、GPS(Global Positioning System)衛星に代表される衛星から送信される衛星信号を受信する。GNSSセンサ13は、受信した衛星信号に含まれる車両1の位置情報を制御装置50へ出力する。なお、GNSSセンサ13は、GPS衛星以外に、車両1の位置を特定する他の衛星システムからの衛星信号を受信するアンテナを備えていてもよい。
【0021】
入力部41は、ユーザがナビゲーションシステム40を操作するための入力を受け付ける機能を有する。入力部41は、例えばタッチパネル、ダイヤル式スイッチ、スイッチボタン及び操作レバーのうちの少なくとも一つを備えて構成されてよい。入力部41は、音声やジェスチャーによる入力を受け付ける機能を有していてもよい。また、入力部41は、ユーザが利用する携帯端末であってもよい。
【0022】
出力部43は、画像表示や音声出力等の手段により、ユーザに対して種々の情報を提示する機能を有する。出力部43は、例えばインストルメントパネル内に設けられた表示装置及びスピーカを含む。出力部43は、フロントウィンドウ上へ表示を行うHUD(ヘッドアップディスプレイ)を備えていてもよく、ユーザが利用する携帯端末を備えていてもよい。なお、入力部41と出力部43が一体として構成されていてもよい。
【0023】
地図データベース71は、道路情報、建造物の情報、施設情報、交通信号機の設置位置の情報及び地形情報等を含む地図データを記憶したデータベースである。
【0024】
充電施設データベース73は、車両1のバッテリユニット3の充電を行うための充電施設の地図データ上の位置を記憶したデータベースである。充電施設データベース73は、さらにそれぞれの充電施設の充電装置の数等の詳細なデータを記憶していてもよい。
【0025】
走行データベース75は、複数の他車両の走行時の電力消費量のデータを記憶したデータベースである。走行データベース75は、所定の距離単位、交通信号機間、交差点間又はインターチェンジ間等の所定の区間ごとに、各区間を走行した際の電力消費量を車種又は車両諸元に関連付けて記憶する。車種又は車両諸元は、電力消費率性能に影響する要素であり、例えば駆動モータの定格出力、バッテリユニットの定格出力及び車両重量等の情報を含む。
【0026】
GNSSセンサ13、入力部41及び出力部43は、それぞれ専用線やCAN(Controller Area Network)又はLIN(Local Inter Net)等の通信手段を介して制御装置50と通信可能に接続されている。GNSSセンサ13、入力部41及び出力部43は、Bluetooth(登録商標)又はNFC(Near Field Communication)等の無線通信手段を介して接続されていてもよい。
【0027】
地図データベース71、充電施設データベース73及び走行データベース75は、それぞれ車両1に搭載され、専用線やCAN又はLIN等の通信バス、若しくは、Bluetooth(登録商標)又はNFC等の無線通信手段を介して制御装置50と通信可能に接続されていてよい。あるいは、地図データベース71、充電施設データベース73及び走行データベース75は、それぞれ移動体通信手段を介して制御装置50と通信可能に接続された外部サーバに備えられていてもよい。地図データベース71、充電施設データベース73及び走行データベース75に記憶される情報は、それぞれ常時、あるいは、任意の更新時期に更新され得る。
【0028】
制御装置50は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することでバッテリユニット3の充電を管理する装置及びナビゲーションシステムを制御する装置として機能する。当該コンピュータプログラムは、制御装置50が実行すべき後述する動作をプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。プロセッサにより実行されるコンピュータプログラムは、制御装置50に備えられた記憶部(メモリ)55として機能する記録媒体に記録されていてもよく、制御装置50に内蔵された記録媒体又は制御装置50に外付け可能な任意の記録媒体に記録されていてもよい。
【0029】
コンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープ等の磁気媒体、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びBlu-ray(登録商標)等の光記録媒体、フロプティカルディスク等の磁気光媒体、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の記憶素子、並びにUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びSSD(Solid State Drive)等のフラッシュメモリ、その他のプログラムを格納可能な媒体であってよい。
【0030】
なお、制御装置50は、車両1に搭載された電子制御装置に限られるものではなく、スマートホンやウェアラブル機器等の携帯端末機器であってもよい。
【0031】
<3.制御装置(充電管理装置)>
続いて、本実施形態に係る制御装置50の機能構成を詳しく説明する。
なお、以下の実施形態において、電力量あるいは充電容量、残存容量等の電力量は、バッテリユニット3の充電容量の最大値を100%としたときの比率(単位:%)に換算して算出されるものとする。
【0032】
制御装置50は、通信部51、処理部53及び記憶部55を備えている。通信部51は、処理部53と通信可能に接続された外部通信用のインタフェースである。通信部51は、地図データベース71、充電施設データベース73及び走行データベース75や、バッテリ管理装置11等との通信に用いられる。処理部53は、一つ又は複数のプロセッサを備えて構成される。処理部53の一部又は全部は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。記憶部55は、RAM又はROM等の一つ又は複数のメモリにより構成され、処理部53と通信可能に接続される。ただし、記憶部55の数や種類は特に限定されない。記憶部55は、処理部53により実行されるコンピュータプログラムや、演算処理に用いられる種々のパラメタ、検出データ、演算結果等の情報を記憶する。
【0033】
処理部53は、ルート設定部61、消費電力推定部63、充電時間算出部65及び通知制御部67を備えている。これらの各部は、プロセッサによるコンピュータプログラムの実行により実現される機能であるが、各部の一部が、アナログ回路により構成されていてもよい。以下、各部の機能を簡単に説明した後で、処理部53の処理動作を詳しく説明する。
【0034】
(ルート設定部)
ルート設定部61は、ユーザにより指定された目的地の情報を取得するとともに、GNSSセンサ13から出力される位置情報に基づいて車両1の現在地の情報を取得し、現在地から目的地までの少なくとも一つの走行ルートの候補を設定する。ルート設定部61は、現在地から目的地までの行程中に所定の基準で充電施設に立ち寄ることができるように、少なくとも一つの走行ルートの候補を設定する。所定の基準は、例えば所定時間ごとに充電施設に立ち寄ることであってもよく、所定距離ごとに充電施設に立ち寄ることであってもよく、通過する市町村ごとに充電施設に立ち寄ることであってもよく、その他任意の基準で設定されてよい。所定の基準は、あらかじめ決められていてもよく、ユーザが任意に設定できるようにされていてもよく、複数の選択肢の中からユーザが選択可能になっていてもよい。
【0035】
(消費電力推定部)
消費電力推定部63は、車両1が走行予定のルートを走行する際の予想消費電力量E_estを推定する。本実施形態では、消費電力推定部63は、走行データベース75を参照し、電力消費率性能が車両1と同分類に属する車種の車両の走行データを抽出して予想消費電力量E_estを推定する。具体的に、消費電力推定部63は、車両重量、駆動モータの定格出力及びバッテリユニットの定格出力が車両1と同程度に分類される車種の車両の走行データのうち、走行予定のルート中のそれぞれの区間を走行した際の消費電力のデータを抽出して予想消費電力量E_estを推定する。消費電力推定部63は、ルート設定部61により設定された走行ルートの候補のうち、ユーザにより選択された走行ルートのそれぞれの充電施設間ごとの予想消費電力量E_estを推定する。
【0036】
(充電時間算出部)
充電時間算出部65は、車両1が充電施設(以下「立ち寄り施設」ともいう)に立ち寄る際に、当該充電施設での必要充電時間T_chgを、さらに次の充電施設(以下「立ち寄り予定施設」ともいう)への到着予定時におけるバッテリユニット3の予想残存容量E_cが所定の基準充電容量E_min以上となるように算出する。基準充電容量E_minは、バッテリユニット3のバッテリセルの劣化を考慮するなどして、例えば20%に設定されてよい。ただし、基準充電容量E_minは、その他の任意の値に設定されてもよく、ユーザが任意の値に変更できるようになっていてもよい。
【0037】
立ち寄り予定施設への到着予定時におけるバッテリユニット3の予想残存容量E_cは、立ち寄り施設出発時の残存容量E_bから、立ち寄り施設から立ち寄り予定施設までのルートを走行する際の予想消費電力量E_estを引くことにより求めることができる。
E_c=E_b-E_est
【0038】
つまり、基準充電容量E_minに、立ち寄り施設から立ち寄り予定施設までのルートを走行する際の予想消費電力量E_estを足すことによって、立ち寄り施設を出発する際に必要なバッテリユニット3の残存容量E_bを求めることができる。
E_b=E_min+E_est
【0039】
この立ち寄り施設を出発する際のバッテリユニット3の残存容量E_bと、立ち寄り施設において充電を開始する際のバッテリユニット3の残存容量E_aとの差分が、立ち寄り施設での必要充電電力量E_chgである。
E_chg=E_b-E_a
【0040】
充電時間算出部65は、車両1のバッテリユニット3の仕様に応じてあらかじめ記憶部55に記録されている充電効率データに基づいて、必要充電電力量E_chgを充電するために必要な必要充電時間T_chgを算出する。それぞれの充電施設に備えられた充電装置の定格出力はあらかじめ統一規格で定められており、充電開始時のバッテリユニット3の残存容量E_aと、充電終了時のバッテリユニット3の残存容量E_bとが定まることで、必要充電時間T_chgを算出することができる。
【0041】
図3は、充電効率データの一例を示す。
図3は、充電施設を利用してバッテリユニット3の残存容量が0%の状態から充電を開始し、満充電(100%)の状態まで充電をするために要する時間を示している。例えば残存容量が30%の状態から70%の状態まで充電する場合、必要充電時間T_chgは約25分となる。
【0042】
このようにして、充電時間算出部65は、立ち寄り施設での充電開始時のバッテリユニット3の残存容量E_aと、充電終了時のバッテリユニット3の残存容量E_bとに基づいて、立ち寄り施設での必要充電時間T_chgを算出する。充電開始時のバッテリユニット3の残存容量E_aは、例えば立ち寄り施設到着時の残存容量の値が用いられてもよく、立ち寄り施設到着前に立ち寄り施設到着時の残存容量を推定した値が用いられてもよい。例えば充電時間算出部65は、立ち寄り施設到着前に、その時点での車両1の現在地から立ち寄り施設までの区間を走行する際の消費電力量を走行データベース75を参照するなどして求め、その時点でのバッテリユニット3の残存容量から消費電力量を引いた値を、充電開始時のバッテリユニット3の残存容量E_aとしてもよい。
(通知制御部)
通知制御部67は、出力部43の駆動を制御して、ユーザに対して種々の情報を通知する。例えば通知制御部67は、ルート設定部61により設定された目的地までの走行ルートの候補を地図データ上に表示する。また、通知制御部67は、ユーザにより選択された走行ルートを地図データ上に表示するとともに、GNSSセンサ13から取得される車両1の位置情報を地図データ上に表示する。
【0043】
また、通知制御部67は、目的地までの走行ルートにおいて立ち寄る充電施設の情報を地図データ上に表示するとともに、充電施設に立ち寄る際に、当該充電施設での滞在時間を通知する。通知制御部67は、必要充電時間T_chgを滞在時間として提案する。通知制御部67は、滞在時間を、表示による通知又は音声による通知の少なくとも一方の手段によりユーザに通知する。本実施形態では、通知制御部67は、滞在時間が所定の最低休憩時間以上となるように滞在時間を設定する。つまり、必要充電時間T_chgが最低休憩時間よりも短い場合、通知制御部67は、最低休憩時間を滞在時間として提案する。これにより、長時間車両1に乗るユーザの疲労を回復させ、車両1を快適に利用させることができる。
【0044】
<4.制御装置(充電管理装置)の動作>
続いて、本実施形態に係る制御装置50の動作例をフローチャートに沿って具体的に説明する。
【0045】
図4は、本実施形態の制御装置50の処理動作のメインルーチンを示すフローチャートである。まず、ナビゲーションシステム40が起動されると(ステップS11)、処理部53は、システムの設定情報を読み込む(ステップS13)。例えば処理部53は、あらかじめ設定され、あるいは、ユーザにより設定されて記憶部55に記憶された、目的地までの行程中に立ち寄る充電施設の基準の情報、最低休憩時間の情報及び車両1の電力消費率性能に関する情報を読み込む。
【0046】
次いで、処理部53のルート設定部61は、GNSSセンサ13から出力される位置情報に基づいて車両1の現在地の情報を取得するとともに、ユーザにより設定された目的地の情報を取得する(ステップS15)。
【0047】
次いで、ルート設定部61は、地図データベース71及び充電施設データベース73を参照し、現在地から目的地へ向かう道路情報及び充電施設の情報を抽出する(ステップS17)。
【0048】
次いで、ルート設定部61は、現在地から目的地までの行程中に、設定されている基準で充電施設に立ち寄ることができるように、少なくとも一つの走行ルートの候補を設定する(ステップS19)。具体的に、ルート設定部61は、それぞれの道路を法定速度で走行することを前提として、各区間の長さを法定速度で割って得られる走行時間に基づき、例えば概ね1時間ごとに充電施設に立ち寄ることができる走行ルートの候補を演算により求める。所定の基準で充電施設に立ち寄ることができるルートであれば、一般道路を優先するルート、有料道路を優先するルート、最短距離となるルート又は狭小道路を避けるルート等、複数の走行ルートの候補が設定されてよい。また、一部において基準を満たす充電施設を設定することができない場合には、できる限り基準に近い充電施設に立ち寄る設定とすればよい。
【0049】
次いで、通知制御部67は、出力部43の駆動を制御し、ルート設定部61により設定された少なくとも一つの走行ルートの候補を表示する(ステップS21)。これに伴い、ユーザは、表示された走行ルートの候補から、いずれかの走行ルートを選択する。
【0050】
次いで、ルート設定部61は、入力部41を介してユーザが選択した走行ルートを、ナビゲーションに使用する走行ルートに設定し、ナビゲーション処理の開始を設定する(ステップS23)。これにより、処理部53は、ナビゲーション処理を実行する(ステップS25)
【0051】
図5は、ナビゲーション処理のフローチャートを示す。
まず、通知制御部67は、GNSSセンサ13から出力される位置情報に基づいて車両1の現在地の情報を取得する(ステップS31)。次いで、通知制御部67は、車両1の現在地の情報に基づいて表示を更新する(ステップS33)。具体的に、通知制御部67は、車両1の現在地が表示範囲の中央に位置するように表示する地図データを更新するとともに、車両1の現在地に所定のアイコンを表示する。なお、ナビゲーション画面の表示方法は、従来公知の種々の方法を任意に採用することができる。
【0052】
次いで、充電時間算出部65は、バッテリ管理装置11から送信されるバッテリユニット3の充電容量E_soc(%)を読み込み、充電容量E_soc(%)が基準充電容量E_min(%)以上となっているか否かを判定する(ステップS35)。充電容量E_soc(%)が基準充電容量E_min(%)以上でない場合(S35/No)、充電時間算出部65は、充電施設データベース73を参照し、車両1の現在地から最も近い充電施設を探索する(ステップS37)。つまり、バッテリユニット3の充電容量E_soc(%)がすでに基準充電容量E_min(%)を下回っている場合には、バッテリユニット3の充電を優先し、設定した走行ルートにかかわらず最も近い充電施設を探索する。次いで、通知制御部67は、出力部43の駆動を制御し、最も近い充電施設に立ち寄るようにユーザに提案をする(ステップS39)。
【0053】
ステップS35において、充電容量E_soc(%)が基準充電容量E_min(%)以上となっている場合(S35/Yes)、あるいは、ステップS39において、最も近い充電施設に立ち寄るようにユーザに提案を行った場合、次いで、充電時間算出部65は、車両1が充電施設に到着したか否かを判定する(ステップS41)。充電時間算出部65は、車両1の現在地が充電施設に位置する場合に充電施設に到着したと判定してもよく、充電施設から例えば半径10~100m以内に車両1の現在地が位置する場合に充電施設に到着したと判定してもよい。
【0054】
車両1が充電施設に到着していない場合(S41/No)、本ルーチンを抜けて、図4のステップS27に進み、車両1が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS27)。車両1が目的地に到着していない場合(S27/No)、ステップS25に戻って、図5に示すナビゲーション処理を継続する。
【0055】
一方、車両1が充電施設に到着した場合(S41/Yes)、充電時間算出部65は、さらに次に立ち寄る予定の充電施設への到着予定時におけるバッテリユニット3の予想残存容量E_c(%)を演算により求める(ステップS43)。ステップS43では、充電時間算出部65は、今回立ち寄る充電施設(立ち寄り施設)で充電をせずに、さらに次の充電施設(立ち寄り予定施設)まで車両1を走行したと仮定して、立ち寄り予定施設への到着予定時におけるバッテリユニット3の予想残存容量E_c(%)を算出する。
【0056】
具体的に、充電時間算出部65は、走行データベース75を参照し、電力消費率性能が車両1と同じ分類に属する車両が、立ち寄り施設から立ち寄り予定施設までの間の走行ルートの各区間を走行したときの電力消費量のデータを抽出する。当該電力消費量のデータには、例えば登り坂を走行する際の負荷の上昇や、下り坂を走行する際の負荷の低下、回生ブレーキを使用したときの充電電力等が反映されている。充電時間算出部65は、各区間の電力消費量の平均値を積算した値をバッテリユニット3の充電容量に換算し、立ち寄り施設から立ち寄り予定施設まで走行した場合の予想消費電力量E_est(%)を推定する。各区間の電力消費量の平均値の代わりに最大値を積算してもよい。
【0057】
そして、充電時間算出部65は、現在のバッテリユニット3の充電容量E_soc(%)から、推定した予想消費電力量E_est(%)を引くことにより、立ち寄り予定施設への到着予定時におけるバッテリユニット3の予想残存容量E_c(%)を算出する。
【0058】
なお、ステップS39における提案に従って、当初設定されていた走行ルート上の充電施設とは異なる充電施設に立ち寄った場合、充電時間算出部65は、当初設定されたいた走行ルート上の充電施設のうち、今回立ち寄った充電施設から最も近い充電施設を、次に立ち寄る予定の充電施設として設定し、予想残存容量E_c(%)を算出する。
【0059】
次いで、充電時間算出部65は、予想残存容量E_c(%)が基準充電容量E_min(%)以上となっているか否かを判定する(ステップS45)。ステップS45では、今回立ち寄る充電施設で充電をしない場合であっても、さらに次の充電施設への到着予定時のバッテリユニット3の予想残存容量E_c(%)が基準充電容量E_min(%)未満にならないかが判定される。予想残存容量E_c(%)が基準充電容量E_min(%)以上となっている場合(S45/Yes)、今回立ち寄る充電施設で充電をする必要性は低いものの、長時間車両1に乗る乗員の疲労度を考慮して、通知制御部67は、出力部43を駆動し、あらかじめ設定された最低休憩時間T_restを滞在時間として提案する(ステップS47)。
【0060】
一方、予想残存容量E_c(%)が基準充電容量E_min(%)以上でない場合(S45/No)、充電時間算出部65は、次に立ち寄る充電施設への到着予定時のバッテリユニット3の予想残存容量E_c(%)が基準充電容量E_min(%)以上となるように、今回の充電施設での必要充電時間T_chgを算出する(ステップS49)。具体的に、充電時間算出部65は、基準充電容量E_min(%)に、ステップS43で算出した予想消費電力量E_est(%)を足すことにより、今回の充電施設を出発する際に必要なバッテリユニット3の残存容量E_bを算出する。
【0061】
また、充電時間算出部65は、算出した残存容量E_b(%)から、現在のバッテリユニット3の残存容量(充電を開始する際のバッテリユニット3の残存容量)E_a(%)を引くことにより、必要充電電力量E_chg(%)を算出する。さらに、充電時間算出部65は、図3に示した充電効率データに基づいて、充電開始時のバッテリユニット3の残存容量E_a(%)から充電終了時のバッテリユニット3の残存容量E_b(%)となるまでの必要充電時間T_chgを算出する。
【0062】
次いで、通知制御部67は、出力部43を駆動し、算出された必要充電時間T_chgを滞在時間として提案する(ステップS51)。ステップS47又はステップS51で通知制御部67が滞在時間を提案した後、本ルーチンを抜けて、図4のステップS27に進み、車両1が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS27)。車両1が目的地に到着していない場合(S27/No)、ステップS25に戻って、図5に示すナビゲーション処理を継続する。一方、車両1が目的地に到着した場合(S27/Yes)、処理部53は、一連の処理動作を終了させる。
【0063】
ユーザは、提案を受けた滞在時間にしたがってそれぞれの充電施設でバッテリユニット3を充電することにより、バッテリユニット3の過充電又は過放電を抑制してバッテリセルの劣化を防ぎつつ、最低限の滞在時間を消費しながら目的地へと到達することができる。もちろん、提案された滞在時間よりも長時間休憩をしてもよい。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置50は、現在地から目的地までの行程中に立ち寄るバッテリユニット3の充電施設を所定の基準で設定し、それぞれ立ち寄る充電施設での必要充電時間T_chgを、さらに次の充電施設への到着予定時におけるバッテリユニット3の予想残存容量E_cが基準充電容量E_min以上となるように算出する。このため、ユーザは、目的地へ向かう行程中、バッテリユニット3の充電容量E_socが低下するごとに充電施設を探索する必要がない。また、ユーザは、立ち寄るそれぞれの充電施設における最低限の充電時間を知ることができ、充電施設での滞在時間が必要以上に長くなることを防ぐことができる。
【0065】
また、最低限の必要充電時間T_chgが提案されるため、目的地へ向かう行程中にバッテリユニット3が過放電状態及び過充電状態になることを防ぐことができ、バッテリセルの劣化を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態において、制御装置50は、立ち寄る充電施設からさらに次の充電施設まで走行する間のバッテリユニット3の予想消費電力量E_estと基準充電容量E_minとの和の値E_cと、充電施設での充電開始時の充電容量の値(E_a)と、バッテリユニット3の充電効率のデータとに基づいて必要充電時間T_chgを算出する。このため、それぞれの車両1のバッテリユニット3の充電効率に基づいて、必要充電時間T_chgの計算精度を高めることができ、滞在時間の精度を高めることができる。
【0067】
また、本実施形態において、制御装置50は、電気自動車の電力消費率性能に応じて分類した車種ごとに、走行区間と電力消費量とを含む走行データを記録した走行データベースを参照し、バッテリユニット3の予想消費電力量E_estを、車両1と同分類に属する車種の走行データに基づいて予測する。このため、次の充電施設への到着予定時のバッテリユニット3の予想残存容量E_cの予測精度が高められ、滞在時間の精度を高めることができる。
【0068】
また、本実施形態において、制御装置50は、必要充電時間T_chgを最低休憩時間T_rest以上に設定するため、バッテリユニット3の充電容量E_socが十分な場合であっても、長時間車両1に乗る乗員の疲労度を軽減することができる。
【0069】
また、本実施形態において、制御装置50は、バッテリユニット3の充電容量E_socが基準充電容量E_minを下回っている場合には、走行ルートとともに所定の基準で設定した充電施設とは異なる、車両1から最も近い充電施設を提案する。したがって、バッテリユニット3が過放電状態で車両1の走行が継続される時間を短くすることができる。
【0070】
なお、制御装置50は、車両が所定の基準で設定した充電施設とは異なる充電施設に立ち寄った場合、目的地までの行程中に立ち寄るバッテリユニット3の充電施設を再設定してもよい。例えば制御装置50は、異なる充電施設に立ち寄った場合、当該充電施設を現在地として、所定の基準で充電施設に立ち寄ることが可能な走行ルートを再設定し、上記の処理を実行すればよい。
【0071】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0072】
例えば上記実施形態では、車両に搭載された制御装置が充電管理装置あるいはナビゲーション処理の機能を有していたが、制御装置の機能の一部又は全部が、移動体通信手段を介して通信可能に接続された外部サーバに設けられ、当該外部サーバから車両へ送信される信号に基づいて、走行ルートの表示や滞在時間の提案等の通知が行われてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1:車両、3:バッテリユニット、5:インバータユニット、7:駆動モータ、11:バッテリ管理装置、13:GNSSセンサ、40:ナビゲーションシステム、41:入力部、43:出力部、50:制御装置、51:通信部、53:処理部、55:記憶部、61:ルート設定部、63:消費電力推定部、65:充電時間算出部、67:通知制御部、71:地図データベース、73:充電施設データベース、75:走行データベース
図1
図2
図3
図4
図5