(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016027
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】低雑音増幅器のバイアスのための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H03F 1/26 20060101AFI20230125BHJP
H03F 1/22 20060101ALI20230125BHJP
H04B 1/18 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
H03F1/26
H03F1/22
H04B1/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022114729
(22)【出願日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】63/203369
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】バルテアヌ、 フロリネル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リウ、 ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】デバラジ、 アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャン、 サチン
(72)【発明者】
【氏名】トゥーム、 キラン テイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】チェ、 ユンヤン
【テーマコード(参考)】
5J500
5K062
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA13
5J500AA51
5J500AA58
5J500AC02
5J500AC04
5J500AC05
5J500AC14
5J500AC52
5J500AC81
5J500AC85
5J500AC92
5J500AF01
5J500AF10
5J500AF17
5J500AF18
5J500AH10
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH38
5J500AK07
5J500AK09
5J500AK11
5J500AK12
5J500AK23
5J500AK29
5J500AM13
5J500AM17
5J500AQ04
5J500AS01
5J500AS13
5J500AT01
5J500LV07
5K062AB10
5K062AD04
5K062BB16
5K062BD01
5K062BD02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高速なバイアス、バイアス電流の基準電流への正確な整合、回路エリアの狭小化及び優れた電圧ヘッドリームを達成する低雑音増幅器(LNA)及び携帯デバイスを提供する。
【解決手段】LNA210は、無線周波数(RF)入力信号を増幅する少なくとも一つのトランジスタ201と、バイアス回路202と、を含む。バイアス回路は、基準電流に基づいてバイアス電流を生成する電流バイアス回路と、当該バイアス電流に基づいて当該少なくとも一つのトランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成する電圧バイアス回路と、を含む。電流バイアス回路は、基準電流を受信する第1バイアストランジスタと、バイアス電流を生成する第2バイアストランジスタと、第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させる増幅器とを含む。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯デバイスであって、
アンテナと、
フロントエンドシステムと
を含み、
前記フロントエンドシステムは、前記アンテナから受信した無線周波数入力信号を増幅するべく構成される少なくとも一つの増幅トランジスタを含む低雑音増幅器と、バイアス回路とを含み、
前記バイアス回路は、基準電流に基づいてバイアス電流を生成するべく構成される電流バイアス回路と、前記バイアス電流に基づいて前記少なくとも一つの増幅トランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成するべく構成される電圧バイアス回路とを含み、
前記電流バイアス回路は、前記基準電流を受信するべく構成される第1バイアストランジスタと、前記バイアス電流を生成するべく構成される第2バイアストランジスタと、前記第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して前記第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させるべく構成される増幅器とを含む、携帯デバイス。
【請求項2】
前記電流バイアス回路はさらに、複数の選択スイッチと、前記複数の選択スイッチの対応する一つの選択スイッチによってそれぞれが選択可能な複数の電流ミラーリングトランジスタとを含み、
前記複数の電流ミラーリングトランジスタは、前記第2バイアス電圧によるバイアスを受ける、請求項1の携帯デバイス。
【請求項3】
前記第1バイアストランジスタは、前記増幅器の第1入力部に接続されるドレインと、前記増幅器の出力部に接続されるゲートとを含み、
前記第2バイアストランジスタは、前記増幅器の第2入力部に接続されるドレインと、前記増幅器の前記出力部に接続されるゲートとを含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも一つの増幅トランジスタは共通ソーストランジスタを含み、
前記少なくとも一つの入力バイアス電圧は、前記共通ソーストランジスタのためのゲートバイアス電圧を含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項5】
前記バイアス回路は、バイアス抵抗器及びバイアス抵抗器バイパススイッチを含み、
前記電圧バイアス回路は、前記バイアス抵抗器と前記バイアス抵抗器バイパススイッチとの並列組み合わせを介して前記共通ソーストランジスタのゲートに前記ゲートバイアス電圧を与えるように構成される、請求項4の携帯デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも一つの増幅トランジスタはさらに、前記共通ソーストランジスタに直列のカスコードトランジスタを含み、
前記少なくとも一つの入力バイアス電圧はさらに、前記カスコードトランジスタのためのカスコードバイアス電圧を含む、請求項4の携帯デバイス。
【請求項7】
前記フロントエンドシステムはさらに、前記基準電流を生成するべく構成される制御可能電流源を含み、
前記制御可能電流源は、前記基準電流を利得制御信号に基づいて制御するように構成される、請求項1の携帯デバイス。
【請求項8】
前記電圧バイアス回路は、供給電圧とグランド電圧との間に直列の第1電圧バイアストランジスタ及び抵抗器、並びに前記第1電圧バイアストランジスタのゲートと前記グランド電圧との間に直列の第2電圧バイアストランジスタ及び第3電圧バイアストランジスタを含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項9】
前記電圧バイアス回路は、前記抵抗器にわたる電圧に基づいて前記少なくとも一つの入力バイアス電圧の第1入力バイアス電圧を生成するように構成され、前記第2電圧バイアストランジスタのゲート電圧に基づいて前記少なくとも一つの入力バイアス電圧の第2入力バイアス電圧を生成するように構成される、請求項8の携帯デバイス。
【請求項10】
低雑音増幅器であって、
無線周波数入力信号を増幅するべく構成される少なくとも一つの増幅トランジスタと、
バイアス回路と
を含み、
前記バイアス回路は、基準電流に基づいてバイアス電流を生成するべく構成される電流バイアス回路と、前記バイアス電流に基づいて前記少なくとも一つの増幅トランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成するべく構成される電圧バイアス回路とを含み、
前記電流バイアス回路は、前記基準電流を受信するべく構成される第1バイアストランジスタと、前記バイアス電流を生成するべく構成される第2バイアストランジスタと、前記第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して前記第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させるべく構成される増幅器とを含む、低雑音増幅器。
【請求項11】
前記電流バイアス回路はさらに、複数の選択スイッチと、前記複数の選択スイッチの対応する一つの選択スイッチによってそれぞれが選択可能な複数の電流ミラーリングトランジスタとを含み、
前記複数の電流ミラーリングトランジスタは、前記第2バイアス電圧によるバイアスを受ける、請求項10の低雑音増幅器。
【請求項12】
前記第1バイアストランジスタは、前記増幅器の第1入力部に接続されるドレインと、前記増幅器の出力部に接続されるゲートとを含み、
前記第2バイアストランジスタは、前記増幅器の第2入力部に接続されるドレインと、前記増幅器の前記出力部に接続されるゲートとを含む、請求項10の低雑音増幅器。
【請求項13】
前記少なくとも一つの増幅トランジスタは共通ソーストランジスタを含み、
前記少なくとも一つの入力バイアス電圧は、前記共通ソーストランジスタのためのゲートバイアス電圧を含む、請求項10の低雑音増幅器。
【請求項14】
前記バイアス回路は、バイアス抵抗器及びバイアス抵抗器バイパススイッチを含み、
前記電圧バイアス回路は、前記バイアス抵抗器と前記バイアス抵抗器バイパススイッチとの並列組み合わせを介して前記共通ソーストランジスタのゲートに前記ゲートバイアス電圧を与えるように構成される、請求項13の低雑音増幅器。
【請求項15】
前記少なくとも一つの増幅トランジスタはさらに、前記共通ソーストランジスタに直列のカスコードトランジスタを含み、
前記少なくとも一つの入力バイアス電圧はさらに、前記カスコードトランジスタのためのカスコードバイアス電圧を含む、請求項13の低雑音増幅器。
【請求項16】
前記基準電流を生成するべく構成される制御可能電流源をさらに含み、
前記制御可能電流源は、利得制御信号に基づいて前記基準電流を制御するように構成される、請求項10の低雑音増幅器。
【請求項17】
前記電圧バイアス回路は、供給電圧とグランド電圧との間に直列の第1電圧バイアストランジスタ及び抵抗器、並びに前記第1電圧バイアストランジスタのゲートと前記グランド電圧との間に直列の第2電圧バイアストランジスタ及び第3電圧バイアストランジスタを含む、請求項10の低雑音増幅器。
【請求項18】
前記電圧バイアス回路は、前記抵抗器にわたる電圧に基づいて前記少なくとも一つの入力バイアス電圧の第1入力バイアス電圧を生成するように構成され、前記第2電圧バイアストランジスタのゲート電圧に基づいて前記少なくとも一つの入力バイアス電圧の第2入力バイアス電圧を生成するように構成される、請求項17の低雑音増幅器。
【請求項19】
無線周波数信号増幅の方法であって、
低雑音増幅器の少なくとも一つの増幅トランジスタを使用して無線周波数入力信号を増幅することと、
前記低雑音増幅器の電圧バイアス回路を使用して前記少なくとも一つの増幅トランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧をバイアス電流に基づいて生成することと、
前記低雑音増幅器の電流バイアス回路を使用して前記バイアス電流を基準電流に基づいて生成することと
を含み、
第1バイアストランジスタを使用して前記基準電流を受信することと、第2バイアストランジスタを使用して前記バイアス電流を生成することと、増幅器を使用して前記第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を整合a前記第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合するように制御することとを含む、方法。
【請求項20】
前記少なくとも一つの増幅トランジスタのための前記少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成することは、共通ソーストランジスタのためのゲートバイアス電圧を生成することと、前記共通ソーストランジスタに直列のカスコードトランジスタのためのカスコードバイアス電圧を生成することとを含む、請求項19の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は電子システムに関し、詳しくは無線周波数(RF)電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナを介して受信される相対的に弱無線周波数(RF)信号の振幅をブーストするべく低雑音増幅器(LNA)を使用することができる。その後、ブーストされたRF信号を、例えば、RF通信システムにおいてスイッチ、混合器及び/又はフィルタを駆動することを含む様々な目的のために使用することができる。
【0003】
一以上のLNAを備えるRF通信システムの例は、携帯電話機、タブレット、基地局、ネットワークアクセスポイント、顧客宅内機器(CPE)、ラップトップ、及びウェアラブル電子機器を含むがこれらに限られない。
【0004】
LNAは、広範囲の周波数の信号を増幅するべくRF通信システムに含まれ得る。例えば、第5世代(5G)通信規格の周波数レンジ1(FR1)のための約400MHz~約7.125GHzの範囲、又は5G通信規格の周波数レンジ2(FR2)のための約24.250GHz~約71.000GHzの範囲のような、約30kHz~300GHzの周波数範囲にあるRF信号に低雑音増幅を与えるべく、LNAを使用することができる。
【発明の概要】
【0005】
所定の実施形態において、本開示は携帯デバイスに関する。携帯デバイスは、アンテナ及びフロントエンドシステムを含み、当該フロントエンドシステムは、当該アンテナから受信した無線周波数入力信号を増幅するべく構成される少なくとも一つの増幅トランジスタと、バイアス回路とを含む低雑音増幅器を含み、当該バイアス回路は、基準電流に基づいてバイアス電流を生成するべく構成される電流バイアス回路と、当該バイアス電流に基づいて当該少なくとも一つの増幅トランジスタのために少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成するべく構成される電圧バイアス回路とを含む。電流バイアス回路は、基準電流を受信するべく構成される第1バイアストランジスタと、バイアス電流を生成するべく構成される第2バイアストランジスタと、制御a第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させるべく構成される増幅器とを含む。
【0006】
様々な実施形態において、電流バイアス回路はさらに、複数の選択スイッチと、当該複数の選択スイッチの対応する一つの選択スイッチによってそれぞれが選択可能な複数の電流ミラーリングトランジスタとを含み、当該複数の電流ミラーリングトランジスタは、第2バイアス電圧によるバイアスを受ける。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1バイアストランジスタは、増幅器の第1入力部に接続されるドレインと、当該増幅器の出力部に接続されるゲートとを含み、第2バイアストランジスタは、当該増幅器の第2入力部に接続されるドレインと、当該増幅器の出力部に接続されるゲートとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの増幅トランジスタは共通ソーストランジスタを含み、少なくとも一つの入力バイアス電圧は、当該共通ソーストランジスタのためのゲートバイアス電圧を含む。一定数の実施形態によれば、バイアス回路は、バイアス抵抗器及びバイアス抵抗器バイパススイッチを含み、電圧バイアス回路は、当該バイアス抵抗器と当該バイアス抵抗器バイパススイッチとの並列組み合わせを介して共通ソーストランジスタのゲートにゲートバイアス電圧を与えるべく構成される。様々な実施形態によれば、少なくとも一つの増幅トランジスタはさらに、共通ソーストランジスタに直列のカスコードトランジスタを含み、少なくとも一つの入力バイアス電圧はさらに、カスコードトランジスタのためのカスコードバイアス電圧を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、フロントエンドシステムはさらに、基準電流を生成するべく構成される制御可能電流源を含み、当該制御可能電流源は、利得制御信号に基づいて当該基準電流を制御するように構成される。
【0010】
様々な実施形態において、電圧バイアス回路はさらに、供給電圧とグランド電圧との間に直列の第1電圧バイアストランジスタ及び抵抗器、並びに第1電圧バイアストランジスタのゲートとグランド電圧との間に直列の第2電圧バイアストランジスタ及び第3電圧バイアストランジスタを含む。一定数の実施形態によれば、電圧バイアス回路は、抵抗器にわたる電圧に基づいて少なくとも一つの入力バイアス電圧の第1入力バイアス電圧を生成するべく構成され、第2電圧バイアストランジスタのゲート電圧に基づいて当該少なくとも一つの入力バイアス電圧の第2入力バイアス電圧を生成するべく構成される。
【0011】
所定の実施形態において、本開示は、無線周波数入力信号を増幅するべく構成される少なくとも一つの増幅トランジスタと、基準電流に基づいてバイアス電流を生成するべく構成される電流バイアス回路、及び当該バイアス電流に基づいて当該少なくとも一つの増幅トランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成するべく構成される電圧バイアス回路を含むバイアス回路とを含む低雑音増幅器に関する。電流バイアス回路は、基準電流を受信するべく構成される第1バイアストランジスタと、バイアス電流を生成するべく構成される第2バイアストランジスタと、第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させるべく構成される増幅器とを含む。
【0012】
様々な実施形態において、電流バイアス回路はさらに、複数の選択スイッチと、当該複数の選択スイッチの対応する一つの選択スイッチによってそれぞれが選択可能な複数の電流ミラーリングトランジスタとを含み、当該複数の電流ミラーリングトランジスタは、第2バイアス電圧によるバイアスを受ける。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1バイアストランジスタは、増幅器の第1入力部に接続されるドレインと、当該増幅器の出力部に接続されるゲートとを含み、第2バイアストランジスタは、当該増幅器の第2入力部に接続されるドレインと、当該増幅器の出力部に接続されるゲートとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの増幅トランジスタは共通ソーストランジスタを含み、少なくとも一つの入力バイアス電圧は、当該共通ソーストランジスタのためのゲートバイアス電圧を含む。一定数の実施形態によれば、バイアス回路は、バイアス抵抗器及びバイアス抵抗器バイパススイッチを含み、電圧バイアス回路は、当該バイアス抵抗器と当該バイアス抵抗器バイパススイッチとの並列組み合わせを介して共通ソーストランジスタのゲートにゲートバイアス電圧を与えるべく構成される。いくつかの実施形態によれば、少なくとも一つの増幅トランジスタはさらに、共通ソーストランジスタに直列のカスコードトランジスタを含み、少なくとも一つの入力バイアス電圧はさらに、カスコードトランジスタのためのカスコードバイアス電圧を含む。
【0015】
様々な実施形態において、低雑音増幅器はさらに、基準電流を生成するべく構成される制御可能電流源を含み、当該制御可能電流源は、利得制御信号に基づいて当該基準電流制御するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、電圧バイアス回路は、供給電圧とグランド電圧との間に直列の第1電圧バイアストランジスタ及び抵抗器、並びに第1電圧バイアストランジスタのゲートとグランド電圧との間に直列の第2電圧バイアストランジスタ及び第3電圧バイアストランジスタを含む。一定数の実施形態によれば、電圧バイアス回路は、抵抗器にわたる電圧に基づいて少なくとも一つの入力バイアス電圧の第1入力バイアス電圧を生成するように構成され、第2電圧バイアストランジスタのゲート電圧に基づいて当該少なくとも一つの入力バイアス電圧の第2入力バイアス電圧を生成するように構成される。
【0017】
所定の実施形態において、本開示は無線周波数信号増幅の方法に関する。方法は、低雑音増幅器の少なくとも一つの増幅トランジスタを使用して無線周波数入力信号を増幅することと、当該低雑音増幅器の電圧バイアス回路を使用して少なくとも一つの増幅トランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧をバイアス電流に基づいて生成することと、当該低雑音増幅器の電流バイアス回路を使用して当該バイアス電流を基準電流に基づいて生成することとを含み、第1バイアストランジスタを使用して当該基準電流を受信することと、第2バイアストランジスタを使用して当該バイアス電流を生成することと、増幅器を使用して第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合するように制御することとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合するように制御することは、第1バイアストランジスタのドレイン・ソース電圧を第2バイアストランジスタのドレイン・ソース電圧に実質的に等しくなるように制御することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの増幅トランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成することは、共通ソーストランジスタのためのゲートバイアス電圧を生成することと、当該共通ソーストランジスタに直列のカスコードトランジスタのためのカスコードバイアス電圧を生成することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の実施形態が、添付図面を参照する非限定的な例を介して以下に記載される。
【0021】
【
図1】通信ネットワークの一例の模式的な図である。
【
図2A】キャリアアグリゲーションを使用する通信リンクの一例の模式的な図である。
【
図2B】
図2Aの通信リンクのためのアップリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。
【
図2C】
図2Aの通信リンクのためのダウンリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。
【
図3A】多入力・多出力(MIMO)通信を使用するダウンリンクチャネルの一例の模式的な図である。
【
図3B】MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの一例の模式的な図である。
【
図3C】MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの他例の模式的な図である。
【
図4A】ビームフォーミングにより動作する通信システムの一例の模式的な図である。
【
図4B】送信ビームを与えるビームフォーミングの一例の模式的な図である。
【
図4C】受信ビームを与えるビームフォーミングの一例の模式的な図である。
【
図5A】低雑音増幅器(LNA)の一実施形態の模式的な図である。
【
図5C】LNAのための一実施形態のバイアス回路の模式的な図である。
【
図6A】一実施形態のLNA電流バイアス回路の模式的な図である。
【
図6B】LNA電流バイアス回路のための一実施形態のサーボ増幅器の模式的な図である。
【
図6C】LNA電流バイアス回路のための他実施形態のサーボ増幅器の模式的な図である。
【
図7】一実施形態の制御可能基準電流源の模式的な図である。
【
図8】LNAのための一実施形態の出力整合回路の模式的な図である。
【
図9】高速バイアスを備えるLNAの電流対時間のグラフの一例である。
【
図10】2つの実装例のLNAの電圧ヘッドルームのグラフの一例である。
【
図11】一実施形態の携帯デバイスの模式的な図である。
【
図12A】一実施形態のパッケージモジュールの模式的な図である。
【
図12B】
図12Aの12B-12B線に沿ったパッケージモジュールの断面の模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
所定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を提示する。しかしながら、ここに記載されるイノベーションは、例えば特許請求の範囲により画定かつカバーされる数多くの異なる態様で具体化することができる。本明細書において、同じ参照番号が同一の又は機能的に同様の要素を示す図面が参照される。理解されることだが、図面に示される要素は必ずしも縮尺どおりとは限らない。さらに理解されることだが、所定の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素、及び/又は図面に示される要素の部分集合を含み得る。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせも含み得る。
【0023】
国際電気通信連合(ITU)は、国連(UN)の専門機関であり、無線周波数帯の世界的な共用を含む情報通信技術に関する世界的な問題の責任を負っている。
【0024】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))は、無線工業会(ARIB)、電気通信技術委員会(TTC)、中国通信規格協会(CCSA)、電気通信業界ソリューション同盟(ATIS)、電気通信技術協会(TTA)、欧州電気通信規格協会(ETSI)、インド電気通信規格開発協会(TSDSI)のような、世界中の電気通信規格団体のグループ間での共同プロジェクトである。
【0025】
3GPPは、ITUの範囲内で、例えば、第2世代(2G)技術(例えばグローバルシステム・フォー・モバイルコミュニケーションズ(GSM)(登録商標)及びエンハンストデータレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE))、第3世代(3G)技術(例えばユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)及びハイスピードパケットアクセス(HSPA))、第4世代(4G)技術(例えばロングタームエボリューション(LTE)及びLTEアドバンスト)を含む、様々な移動通信技術の技術仕様を開発及び維持する。
【0026】
3GPPにより管理される技術仕様は仕様リリースによって拡張及び改訂することができる。この仕様リリースは、多数年にわたってよく、かつ、幅の広い新たな機能及び進化を指定してよい。
【0027】
一例において、3GPPは、リリース10においてLTEのためのキャリアアグリゲーション(CA)を導入した。3GPPは、初期には2つのダウンリンクキャリアを導入したが、リリース14においては5つまでのダウンリンクキャリア及び3つまでのアップリンクキャリアを含むように拡張した。3GPPリリースにより与えられる新たな特徴及び進化の他例は、ライセンス・アシステッド・アクセス(LAA)、エンハンストLAA(eLAA)、狭帯域インターネットオブシングス(NB-IOT)、ビークル・ツー・エブリシング(V2X)、及びハイパワーユーザ機器(HPUE)を含むがこれらに限られない。
【0028】
3GPPは、リリース15において第5世代(5G)技術のフェーズ1を導入し、リリース16において5G技術のフェーズ2を導入した。その後の3GPPリリースは、5G技術をさらに進化及び拡張させるであろう。5G技術はここでは、5Gニューラジオ(NR)とも称する。
【0029】
5GNRは、ミリメートル波スペクトルによる通信、ビームフォーミング能力、高スペクトル効率波形、低レイテンシ通信、多重ラジオヌメロロジー、及び/又は非直交多重アクセス(NOMA)のような様々な特徴をサポートし又はサポート予定である。かかるRF機能がネットワークに柔軟性を与えてユーザデータレートを向上させるにもかかわらず、かかる特徴をサポートするには一定数の技術的な課題がある。
【0030】
ここでの教示は、LTEアドバンスト、LTEアドバンストプロ及び/又は5GNRのようなアドバンストセルラー技術を使用する通信システムを含むがこれらに限られない多種多様な通信システムに適用可能である。
【0031】
図1は、通信ネットワーク10の一例の模式的な図である。通信ネットワーク10は、マクロセル基地局1、スモールセル基地局3、及びユーザ機器(UE)の様々な例を含む。ユーザ機器(UE)は、第1携帯デバイス2a、無線接続車両2b、ラップトップ2c、静止無線デバイス2d、無線接続列車2e、第2携帯デバイス2f、及び第3携帯デバイス2gを含む。
【0032】
基地局及びユーザ機器の特定例が
図1に示されるにもかかわらず、通信ネットワークは、多種多様なタイプ及び/又は数の基地局及びユーザ機器を含んでよい。
【0033】
例えば、図示の例において、通信ネットワーク10はマクロセル基地局1及びスモールセル基地局3を含む。スモールセル基地局3は、マクロセル基地局1と比べて相対的に低い電力、短い距離、及び/又は少ない同時ユーザで動作し得る。スモールセル基地局3はまた、フェムトセル、ピコセル又はマイクロセルと称してもよい。通信ネットワーク10が2つの基地局を含むように示されるにもかかわらず、通信ネットワーク10は、これよりも多い又は少ない基地局及び/又は他のタイプの基地局を含むように実装してよい。
【0034】
ユーザ機器の様々な例が示されるにもかかわらず、ここでの教示は、携帯電話機、タブレット、ラップトップ、インターネットオブシングス(IoT)デバイス、ウェアラブル電子機器、加入者宅内機器(CPE)、無線接続車両、無線リレー、及び/又は多種多様な他の通信デバイスを含むがこれらに限られない多種多様なユーザ機器に適用可能である。さらに、ユーザ機器は、セルラーネットワークにおいて動作する現在利用可能な通信デバイスのみならず、ここに記載されかつ特許請求の範囲に請求される本発明のシステム、プロセス、方法及びデバイスに容易に実装可能な、その後開発される通信デバイスをも含む。
【0035】
図1の例示の通信ネットワーク10は、例えば4GLTE及び5GNRを含む様々なセルラー技術を使用する通信をサポートする。所定の実装例において、通信ネットワーク10はさらに、WiFiのような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を与えるように適合される。通信技術の様々な例が与えられてきたにもかかわらず、通信ネットワーク10は、多種多様な通信技術をサポートするように適合され得る。
【0036】
通信ネットワーク10の様々な通信リンクが
図1に描かれている。通信リンクは、例えば、周波数分割二重化(FDD)及び/又は時分割二重化(TDD)を使用することを含む多種多様な方法で二重化(デュプレクシング)することができる。FDDは、信号の送信及び受信に異なる周波数を使用するタイプの無線周波数通信である。FDDは、高いデータレート及び低いレイテンシのような一定数の利点を与えることができる。これとは対照的に、TDDは、信号の送信及び受信にほぼ同じ周波数を使用するタイプの無線周波数通信であり、送信通信と受信通信とが時間で切り替わる。TDDには、スペクトルの効率的な使用、及び送受信方向間のスループットの可変的配分のような一定数の利点を与えることができる。
【0037】
所定の実装例において、ユーザ機器は、4GLTE、5GNR及びWiFi技術の一以上を使用して基地局と通信することができる。所定の実装例において、エンハンスト・ライセンス・アシステッド・アクセス(eLAA)が、一以上のライセンスされた周波数キャリア(例えばライセンスされた4GLTE及び/又は5GNR周波数)を、一以上の未ライセンスキャリア(例えば未ライセンスWiFi周波数)と集約するべく使用される。
【0038】
図1に示されるように、通信リンクは、UEと基地局との間の通信リンクのみならず、UE対UE通信及び基地局対基地局通信をも含む。例えば、通信ネットワーク10は、(例えばモバイルデバイス2gとモバイルデバイス2fとの間のような)自己フロントホール及び/又は自己バックホールをサポートするように実装することができる。
【0039】
通信リンクは、多種多様な周波数にわたって動作することができる。所定の実装例において、通信は、6ギガヘルツ(GHz)未満の一以上の周波数帯域にわたって及び/又は6GHz超過の一以上の周波数帯域にわたって、5GNR技術を使用してサポートされる。例えば、通信リンクは、周波数レンジ1(FR1)、周波数レンジ2(FR2)、又はこれらの組み合わせを与えることができる。一実施形態において、携帯デバイスの一以上が、HPUE電力クラス仕様をサポートする。
【0040】
所定の実装例において、基地局及び/又はユーザ機器はビームフォーミングを使用して通信する。例えば、ビームフォーミングは、高い信号周波数にわたる通信に関連付けられる高い損失のような、経路損失を克服するべく信号強度を収束させるべく使用することができる。所定の実施形態では、一以上の携帯電話機のようなユーザ機器は、30GHz~300GHzの範囲のミリメートル波周波数帯域において、及び/又は6GHz~30GHz、詳しくは24GHz~30GHzの範囲の上側センチメートル波周波数において、ビームフォーミングを使用して通信する。セルラーユーザ機器は、例えばFR2-1(24GHz~52GHz)、FR2-2(52GHz~71GHz)及び/又はFR1(400MHz~7125MHz)を含む広範囲の周波数を経由してビームフォーミング及び/又は他の技法を使用して通信することができる。
【0041】
通信ネットワーク10の異なるユーザが、利用可能な周波数スペクトルのような利用可能なネットワークリソースを、多種多様な態様で共有することができる。
【0042】
一例において、一周波数帯域を分割して多重周波数キャリアにするべく周波数分割多重接続(FDMA)が使用される。加えて、一以上のキャリアが特定の一ユーザに配分される。FDMAの例は、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)及び直交FDMA(OFDMA)を含むがこれらに限られない。OFDMAは、利用可能な帯域幅を多数の相互に直交する狭帯域サブキャリアに分割するマルチキャリア技術であり、異なるユーザに別々に配分することができる。
【0043】
共有アクセスの他の例は、周波数リソースを使用するべくユーザに特定のタイムスロットが配分される時分割多重接続(TDMA)、各ユーザに固有の符号を配分することにより周波数リソースを異なるユーザ間で共有する符号分割多重接続(CDMA)、空間分割による共有アクセスを与えるべくビームフォーミングが使用される空間分割多重接続(SDMA)、多重アクセスを目的としてパワードメインが使用される非直交多重接続(NOMA)を含むが、これらに限られない。例えば、NOMAは、同じ周波数、時間及び/又は符号であるが異なる電力レベルにより多数のユーザにサービスを提供するべく使用され得る。
【0044】
エンハンストモバイルブロードバンド(eMBB)は、LTEネットワークのシステムキャパシティを増加させる技術を言及する。例えば、eMBBは、各ユーザに対して少なくとも10Gbpsのピークデータレートかつ最小100Mbpsの通信を言及してよい。超高信頼性低レイテンシ通信(uRLLC)は、例えば2ミリ秒未満の非常に低いレイテンシの通信のための技術を言及する。uRLLCは、自動運転及び/又は遠隔手術アプリケーション目的のようなミッションクリティカルな通信に使用することができる。大規模機械タイプ通信(mMTC)は、日常的な物体との無線接続に関連付けられる低コストかつ低データレートの通信、例えばインターネットオブシングス(IoT)アプリケーションに関連付けられる通信を言及する。
【0045】
図1の通信ネットワーク10は、eMBB、uRLLC及び/又はmMTCを含むがこれらに限られない多種多様なアドバンスト通信機能をサポートするべく使用することができる。
【0046】
図2Aは、キャリアアグリゲーションを使用する通信リンクの一例の模式的な図である。キャリアアグリゲーションを使用することで、多数の周波数キャリアにわたる通信をサポートすることにより通信リンクの帯域幅を広げることができ、これにより、ユーザデータレートを増加させることができ、フラグメント化されたスペクトル配分を利用することによってネットワーク容量を向上させることができる。
【0047】
図示の例において、通信リンクは、基地局21と携帯デバイス22との間に与えられる。
図2Aに示されるように、通信リンクは、基地局21から携帯デバイス22へのRF通信に使用されるダウンリンクチャネル(DL)と、携帯デバイス22から基地局21へのRF通信に使用されるアップリンクチャネル(UL)とを含む。
【0048】
図2AがFDD通信の文脈でキャリアアグリゲーションを示すにもかかわらず、キャリアアグリゲーションはTDD通信のために使用することもできる。
【0049】
所定の実装例において、通信リンクは、ダウンリンクチャネル及びアップリンクチャネルに対して非対称データレートを与えることができる。例えば、通信リンクは、携帯デバイスへのマルチメディアコンテンツの高速ストリーミングを可能にするべく相対的に高いダウンリンクデータレートをサポートすることができる一方、携帯デバイスからクラウドへのデータアップロードのための相対的に低いデータレートを与えることができる。
【0050】
図示の例において、基地局21と携帯デバイス22とは、通信リンクの帯域幅を選択的に増加させるべく使用することができるキャリアアグリゲーションを介して通信する。キャリアアグリゲーションは、同じ動作周波数帯域内に連続キャリアが集約される連続アグリゲーションを含む。キャリアアグリゲーションは不連続でもよく、共通帯域内又は異なる帯域内で周波数が分離したキャリアを含んでもよい。
【0051】
図2Aに示される例において、アップリンクチャネルは、3つの集約されたコンポーネントキャリアf
UL1、f
UL2及びf
UL3を含む。付加的に、ダウンリンクチャネルは、5つの集約されたコンポーネントキャリアf
DL1、f
DL2、f
DL3、f
DL4及びf
DL5を含む。コンポーネントキャリアアグリゲーションの一例が示されるにもかかわらず、これよりも多い又は少ないキャリアをアップリンク及び/又はダウンリンクのために集約することができる。さらに、所望のアップリンクデータレート及びダウンリンクデータレートを達成するべく、集約されるキャリアの数を経時的に変化させることもできる。
【0052】
例えば、特定の携帯デバイスに関するアップリンク通信及び/又はダウンリンク通信のために集約されるキャリアの数が、経時的に変化し得る。例えば、集約されるキャリアの数は、デバイスが通信ネットワークを通るように動くときに、及び/又はネットワーク使用状況が経時的に変化するときに、変化し得る。
【0053】
図2Bは、
図2Aの通信リンクのためのアップリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。
図2Bは、第1キャリアアグリゲーションシナリオ31、第2キャリアアグリゲーションシナリオ32、及び第3キャリアアグリゲーションシナリオ33を含み、これらは、3タイプのキャリアアグリゲーションを模式的に描く。
【0054】
キャリアアグリゲーションシナリオ31~33は、第1コンポーネントキャリアf
UL1、第2コンポーネントキャリアf
UL2、及び第3コンポーネントキャリアf
UL3に対する異なるスペクトル配分を示す。
図2Bが、3つのコンポーネントキャリアを集約する文脈で示されるにもかかわらず、キャリアアグリゲーションは、これよりも多い又は少ないキャリアを集約するべく使用することもできる。さらに、アップリンクの文脈で示されるにもかかわらず、アグリゲーションシナリオは、ダウンリンクにも適用可能である。
【0055】
第1キャリアアグリゲーションシナリオ31は、隣接周波数でありかつ共通周波数帯域内にあるコンポーネントキャリアが集約される帯域内連続キャリアアグリゲーションを示す。例えば、第1キャリアアグリゲーションシナリオ31は、連続して第1周波数帯域BAND1内に位置するコンポーネントキャリアfUL1、fUL2及びfUL3の集約を描く。
【0056】
引き続き
図2Bを参照すると、第2キャリアアグリゲーションシナリオ32が、非隣接の周波数だが共通周波数帯域内にある2つ以上のコンポーネントキャリアが集約される帯域内不連続キャリアアグリゲーションを示す。例えば、第2キャリアアグリゲーションシナリオ32は、不連続であるが第1周波数帯域帯域内に位置するコンポーネントキャリアf
UL1、f
UL2及びf
UL3の集約を描く。
【0057】
第3キャリアアグリゲーションシナリオ33は、非隣接の周波数でありかつ多数の周波数帯域内にあるコンポーネントキャリアが集約される帯域内不連続キャリアアグリゲーションを示す。例えば、第3キャリアアグリゲーションシナリオ33は、第1周波数帯域BAND1のコンポーネントキャリアfUL1及びfUL2と、第2周波数帯域BAND2のコンポーネントキャリアfUL3との集約を描く。
【0058】
図2Cは、
図2Aの通信リンクのためのダウンリンクキャリアアグリゲーションの様々な例を示す。これらの例は、第1コンポーネントキャリアf
DL1、第2コンポーネントキャリアf
DL2、第3コンポーネントキャリアf
DL3、第4コンポーネントキャリアf
DL4及び第5コンポーネントキャリアf
DL5の異なるスペクトル配分のための様々なキャリアアグリゲーションシナリオ34~38を描く。
図2Cが、5つのコンポーネントキャリアを集約する文脈で示されるにもかかわらず、キャリアアグリゲーションは、これよりも多い又は少ないキャリアを集約するべく使用することもできる。さらに、ダウンリンクの文脈で示されるにもかかわらず、アグリゲーションシナリオは、アップリンクにも適用可能である。
【0059】
第1キャリアアグリゲーションシナリオ34は、連続して同じ周波数帯域内に位置するコンポーネントキャリアの集約を描く。加えて、第2キャリアアグリゲーションシナリオ35及び第3キャリアアグリゲーションシナリオ36は、不連続であるが同じ周波数帯域内に位置するアグリゲーションの2つの例を描く。さらに、第4キャリアアグリゲーションシナリオ37及び第5キャリアアグリゲーションシナリオ38は、非隣接の周波数でありかつ多数の周波数帯域内にあるコンポーネントキャリアが集約されるアグリゲーションの2つの例を描く。集約されるコンポーネントキャリアの数が増加するにつれて、可能なキャリアアグリゲーションシナリオの複雑性も増加する。
【0060】
図2A~
図2Cを参照すると、キャリアアグリゲーションにおいて使用される個々のコンポーネントキャリアが、例えば、同じ帯域における又は多数の帯域における周波数キャリアを含む様々な周波数を有し得る。加えて、キャリアアグリゲーションは、個々のコンポーネントキャリアがほぼ同じ帯域幅を有する実装例に適用可能であり、個々のコンポーネントキャリアが異なる帯域幅を有する実装例に対しても適用可能である。
【0061】
所定の通信ネットワークが、アップリンクのためのプライマリコンポーネントキャリア(PCC)又はアンカーキャリア、及びダウンリンクのためのPCCを特定のユーザデバイスに配分する。加えて、携帯デバイスが、アップリンク又はダウンリンクのための単数周波数キャリアを使用して通信する場合、当該ユーザデバイスはPCCを使用して通信する。アップリンク通信のための帯域幅を向上させるべく、アップリンクPCCは、一以上のアップリンクセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)によって集約することができる。加えて、ダウンリンク通信のための帯域幅を向上させるべく、ダウンリンクPCCは、一以上のダウンリンクSCCによって集約することができる。
【0062】
所定の実装例において、通信ネットワークが、各コンポーネントキャリアのためにネットワークセルを与える。加えて、プライマリセルがPCCを使用して動作する一方、セカンダリセルはSCCを使用して動作する。プライマリセル及びセカンダリセルは、キャリアの周波数及び/又はネットワーク環境の違いに起因して、異なるカバレッジエリアを有し得る。
【0063】
ライセンス・アシステッド・アクセス(LAA)とは、移動体通信事業者iに関連付けられる認可周波数キャリアが、WiFiのような未認可スペクトルの周波数キャリアとともに集約されるダウンリンクキャリアアグリゲーションのことである。LAAが、通信リンクに関連付けられる制御及び信号伝達の情報を搬送する認可スペクトルにおいてダウンリンクPCCを用いる一方、未認可スペクトルが、利用可能な場合に、広いダウンリンク帯域幅のために集約される。LAAは、セカンダリキャリアの動的調整によって、WiFiユーザを回避するべく及び/又はWiFiユーザと共存するべく動作し得る。エンハンスト・ライセンス・アシステッド・アクセス(eLAA)とは、ダウンリンク及びアップリンクの双方に対して認可及び未認可スペクトルを集約するLAAの進化形のことである。さらに、NR-Uが、5GHz帯域(5150~5925MHz)及び/又は6GHz帯域(5925MHz~7125MHz)を経由してLAA/eLAAの上で動作し得る。
【0064】
図3Aは、多入力・多出力(MIMO)通信を使用するダウンリンクチャネルの一例の模式的な図である。
図3Bは、MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの一例の模式的な図である。
【0065】
MIMO通信は、多数のデータストリームと同時に通信するべく共通周波数スペクトルを経由して多数のアンテナを使用する。所定の実装例において、データストリームは、受信器におけるデータ受信を強化するべく異なる基準信号によって動作する。MIMO通信は、無線環境の空間的多重化(マルチプレクシング)に起因して高いSNR、改善されたコーディング、及び/又は信号干渉低減からの利益を受ける。
【0066】
MIMOオーダーは、送信又は受信される別個のデータストリームの数を言及する。例えば、ダウンリンク通信のMIMOオーダーは、基地局の送信アンテナの数、及び携帯デバイスのようなUEの受信アンテナの数によって記述することができる。例えば、ツーバイツー(2×2)DLMIMOは、2つの基地局アンテナ及び2つのUEアンテナを使用するMIMOダウンリンク通信を言及する。加えて、フォーバイフォー(4×4)DLMIMOは、4つの基地局アンテナ及び4つのUEアンテナを使用するMIMOダウンリンク通信を言及する。
【0067】
図3Aに示される例において、ダウンリンクMIMO通信は、基地局41のMアンテナ43a、43b、43c、…43mを使用して送信し、携帯デバイス42のNアンテナ44a、44b、44c、…44nを使用して受信することによって与えられる。したがって、
図3Aは、m×nDLMIMOの一例を示す。
【0068】
同様に、アップリンク通信のMIMOオーダーは、携帯デバイスのようなUEの送信アンテナの数、及び基地局の受信アンテナの数によって記述することができる。例えば、2×2ULMIMOは、2つのUEアンテナ及び2つの基地局アンテナを使用するMIMOアップリンク通信を言及する。加えて、4×4ULMIMOは、4つのUEアンテナ及び4つの基地局アンテナを使用するMIMOアップリンク通信を言及する。
【0069】
図3Bに示される例において、アップリンクMIMO通信は、携帯デバイス42のNアンテナ44a、44b、44c、…44nを使用する送信、及び基地局41のMアンテナ43a、43b、43c、…44mを使用する受信によって与えられる。したがって、
図3Bは、n×mULMIMOの一例を示す。
【0070】
MIMOのレベル又はオーダーを増加させることによって、アップリンクチャネル及び/又はダウンリンクチャネルの帯域幅を増加させることができる。
【0071】
MIMO通信は、FDD通信リンク及びTDD通信リンクのような様々なタイプの通信リンクに適用可能である。
【0072】
図3Cは、MIMO通信を使用するアップリンクチャネルの他例の模式的な図である。
図3Cに示される例において、アップリンクMIMO通信は、携帯デバイス42のNアンテナ44a、44b、44c、…44nを使用する送信によって与えられる。加えて、アップリンク送信の第1部分が第1基地局41aのMアンテナ43a1、43b1、43c1、…43m1を使用して受信される一方、アップリンク送信の第2部分が第2基地局41bのMアンテナ43a2、43b2、43c2、…43m2を使用して受信される。加えて、第1基地局41a及び第2基地局41bは、有線、光及び/又は無線のリンクを経由して互いに通信し合う。
【0073】
図3CのMIMOシナリオは、多数の基地局が協調してMIMO通信を容易にする一例を示す。
【0074】
図4Aは、ビームフォーミングにより動作する通信システム110の一例の模式的な図である。通信システム110は、送受信器105、信号コンディショニング回路104a1、104a2…104an、104b1、104b2…104bn、104m1、104m2…104mn、及びアンテナアレイ102を含む。アンテナアレイ102は、アンテナ素子103a1、103a2…103an、103b1、103b2…103bn、103m1、103m2…103mnを含む。
【0075】
ミリメートル波キャリア(例えば30GHz~300GHz)、センチメートル波キャリア(例えば3GHz~30GHz)、及び/又は他の周波数キャリアを使用して通信する通信システムが、信号の送信及び/又は受信のためのビームフォーミング及び指向性を与えるべくアンテナアレイを用いることができる。
【0076】
例えば、図示の実施形態において、通信システム110は、m×n個のアンテナ素子のアレイ102を含み、これらのアンテナ素子はそれぞれが、この実施形態では別個の信号コンディショニング回路によって制御される。省略記号により示されるように、通信システム110は、任意の適切な数のアンテナ素子及び信号コンディショニング回路を実装することができる。
【0077】
信号送信について、信号コンディショニング回路が送信信号をアンテナアレイ102に与えることができることにより、アンテナ素子から放射される信号が、建設的及び破壊的な干渉を使用して結合し、アンテナアレイ102から離れる所与の方向に伝播する強い信号強度を有するビームのような品質を示す集約送信信号を生成する。
【0078】
信号受信の文脈では、信号コンディショニング回路は、受信信号を(例えば受信信号位相を別個に制御することによって)、当該信号が特定の方向からアンテナアレイ102に到達するときに多くの信号エネルギーが受信されるように処理する。したがって、通信システム110はまた、信号の受信のための指向性も与える。
【0079】
送信ビーム又は受信ビームになる信号エネルギーの相対的濃度を、アレイのサイズを増加させることによって高めることができる。例えば、合焦されて送信ビームになる信号エネルギーが多くなると、その信号は、RF通信のための十分な信号レベルを与えている間に長い範囲を伝播することができる。例えば、合焦されて送信ビームになる信号エネルギーの比率が大きい信号は、高い実効等方放射電力(EIRP)を示し得る。
【0080】
図示の実施形態において、送受信器105は、信号コンディショニング回路に送信信号を与え、かつ、信号コンディショニング回路から受信する信号受信を処理する。
図4Aに示されるように、送受信器105は、信号コンディショニング回路の制御信号を生成する。制御信号は、ビームフォーミングを制御するべく送信信号及び/又は受信信号の利得及び位相を制御することのような、様々な機能のために使用することができる。
【0081】
図4Bは、送信ビームを与えるビームフォーミングの一例の模式的な図である。
図4Bは、第1信号コンディショニング回路114a、第2信号コンディショニング回路114b、第1アンテナ素子113a、及び第2アンテナ素子113bを含む通信システムの一部分を示す。
【0082】
2つのアンテナ素子及び2つの信号コンディショニング回路を含むように示されるにもかかわらず、通信システムは、付加的なアンテナ素子及び/又は信号コンディショニング回路を含んでよい。例えば、
図4Bは、
図4Aの通信システム110の一部分の一実施形態を示す。
【0083】
第1信号コンディショニング回路114aは、第1位相シフタ130a、第1電力増幅器131a、第1低雑音増幅器(LNA)132a、及び電力増幅器131a又はLNA132aの選択を制御するスイッチを含む。加えて、第2信号コンディショニング回路114bは、第2位相シフタ130b、第2電力増幅器131b、第2LNA132b、及び電力増幅器131b又はLNA132bの選択を制御するスイッチを含む。
【0084】
信号コンディショニング回路の一実施形態が示されるにもかかわらず、信号コンディショニング回路の他の実装例も可能である。例えば、一例において、信号コンディショニング回路は、一以上の帯域フィルタ、デュプレクサ、及び/又は他のコンポーネントを含む。
【0085】
図示の実施形態において、第1アンテナ素子113aと第2アンテナ素子113bとは距離dだけ離間される。加えて、
図4Bには角度θの注釈が付けられている。この例において、θは、送信ビーム方向がアンテナアレイの平面に実質的に垂直である場合に約90°の値であり、送信ビーム方向がアンテナアレイの平面に実質的に平行である場合に約0°の値である。
【0086】
アンテナ素子113a、113bに与えられる送信信号の相対的な位相を制御することにより、所望の送信ビーム角度θを達成することができる。例えば、第1位相シフタ130aは0°の基準値を有し、第2位相シフタ130bは、約-2πf(d/ν)cosθラジアンの位相シフトを与えるように制御され得る。ここで、fは送信信号の基本周波数であり、dはアンテナ素子間の距離であり、νは放射波の速度であり、πは数学定数パイである。
【0087】
所定の実装例において、距離dは約λ/2となるように実装される。ここで、λは、送信信号の基本成分の波長である。かかる実装において、第2位相シフタ130bは、送信ビーム角度θを達成するべく約-πcosθラジアンの位相シフトを与えるように制御され得る。
【0088】
したがって、位相シフタ130a、130bの相対位相は、送信ビームフォーミングを与えるように制御され得る。所定の実装例において、ベース帯域プロセッサ及び/又は送受信器(例えば
図4Aの送受信器105)が、ビームフォーミングを制御するべく一以上の位相シフタの位相値及び一以上の制御可能増幅器の利得値を制御する。
【0089】
図4Cは、受信ビームを与えるビームフォーミングの一例の模式的な図である。
図4Cは
図4Bと同様であるが、
図4Cが、送信ビームよりもむしろ受信ビームの文脈におけるビームフォーミングを示す点が異なる。
【0090】
図4Cに示されるように、第1位相シフタ130aと第2位相シフタ130bとの相対位相差を、所望の受信ビーム角度θを達成するべくほぼ-2πf(d/ν)cosθラジアンに等しくなるように選択することができる。距離dが約λ/2に対応する実装例において、位相差は、受信ビーム角度θを達成するべく-πcosθラジアンにほぼ等しくなるように選択することができる。
【0091】
ビームフォーミングを与える位相値のための様々な式が与えられてきたにもかかわらず、アンテナアレイの実装、信号コンディショニング回路の実装、及び/又は無線環境に基づいて選択される位相値のような、他の位相選択値も可能である。
【0092】
LNA及びLNAバイアスの例
【0093】
LNAのバイアスのための装置及び方法がここに与えられる。所定の実施形態において、LNAは、無線周波数(RF)入力信号を増幅する少なくとも一つのトランジスタと、バイアス回路とを含む。バイアス回路は、基準電流に基づいてバイアス電流を生成する電流バイアス回路と、当該バイアス電流に基づいて当該少なくとも一つのトランジスタのための少なくとも一つの入力バイアス電圧を生成する電圧バイアス回路とを含む。電流バイアス回路は、基準電流を受信する第1バイアストランジスタと、バイアス電流を生成する第2バイアストランジスタと、第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させる増幅器とを含む。
【0094】
この態様でLNAバイアスを実装することにより、高速なバイアス、バイアス電流の基準電流への正確な整合、回路エリアの狭小化、及び/又は優れた電圧ヘッドリームが達成される。
【0095】
図5Aは、一実施形態のLNA210の模式的な図である。LNA210は、増幅トランジスタ201、バイアス回路202、及び基準電流源203を含む。
【0096】
図5Aに示されるように、増幅トランジスタ201は、RF入力信号RF
INを増幅してRF出力信号RF
OUTを生成する。加えて、増幅トランジスタ201は、バイアス回路202が生成するバイアス電圧V
BIASによるバイアスを受ける。一つの増幅トランジスタ201が含まれるように示されるにもかかわらず、LNA210は、RF入力信号RF
INを増幅する一以上の付加的なトランジスタを含んでよい。例えば、一例において、LNA210は、第1バイアス電圧によるバイアスを受ける共通ソーストランジスタと第2バイアス電圧によるバイアスを受けるカスコードトランジスタとを含むカスコード増幅器として実装される。
【0097】
基準電流源203は、バイアス回路202に与えられる基準電流IREFを生成する。基準電流源203は、この例において制御可能である。例えば、一例において、基準電流IREFは、(RF入力信号RFINに与えられるLNAの増幅量を調整する)利得制御及び/又はトリミングを与えてプロセス、電圧及び/又は温度(PVT)の変動のような変動を明らかにするべくデジタル制御可能である。
【0098】
引き続き
図5Aを参照すると、バイアス回路202は、電流バイアス回路205及び電圧バイアス回路206を含む。電流バイアス回路205が基準電流I
REFに基づいてバイアス電流I
BIASを生成する一方、電圧バイアス回路206は、バイアス電流I
BIASに基づいてバイアス電圧V
BIASを生成する。
【0099】
所定の実装例において、電流バイアス回路205は、基準電流IREFを受信する第1バイアストランジスタと、バイアス電流IBIASを生成する第2バイアストランジスタと、第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させる増幅器207とを含む。この態様で電流バイアス回路205を実装することにより、バイアス電流IBIASの基準電流IREFへの正確な整合が達成される。さらに、かかる正確な整合は、電流バイアス回路においてカスコードトランジスタを使用することなしに達成することができるので、狭小なエリア、及び/又はLNA210に低い供給電圧レベルで動作することを許容する優れた電圧ヘッドリームを達成することができる。
【0100】
さらに、増幅器207を含むことにより、LNA210を有効にしてLNA210に高速バイアスを与えた後、バイアス電流IBIASは急速に定常状態レベルに到達するようになる。このような適切なバイアスを与える速度により、LNA210を、迅速にオン又はオフにするこができる。このことは、5GNRのTDD帯域に対する送信フレームと受信フレームとの間の遷移の短い時間窓に関連付けられる5Gアプリケーションにおいて特に有利となる。
【0101】
図5Bは、他実施形態のLNA230の模式的な図である。LNA230は、共通ソース電界効果トランジスタ(FET)211、カスコードFET212、バイアス回路213、入力整合回路214、基準電流源215、DCブロックキャパシタ216、デジェネレーションインダクタ217、デジェネレーションバイパススイッチ218、出力整合回路219、及び減衰器220を含む。LNA230は電力供給電圧V
DD及びグランド電圧(グランド)を受信し、RF入力信号RF
INを増幅してRF出力信号RF
OUTを生成する役割を果たす。
【0102】
図5Bに示されるように、共通ソースFET211は、入力整合回路214及びDCブロックキャパシタ216を経由してRF入力信号RF
INを受信するゲートを含む。共通ソースFET211のゲート電圧V
Gはまた、バイアス回路213からのゲートバイアス電圧V
BIASによるバイアスを受ける。デジェネレーションインダクタ217及びデジェネレーションバイパススイッチ218は、共通ソースFET211のソースとグランドとの間に並列に接続され、ソースデジェネレーション(誘導性デジェネレーション)の制御可能量を共通ソースFET211に与える役割を果たす。カスコードFET212は、出力整合回路219と共通ソースFET211のドレインとの間に接続され、バイアス回路213が生成するカスコードバイアス電圧V
CASによるバイアスを受けるゲートを含む。
【0103】
引き続き
図5Bを参照すると、減衰器220は、出力整合回路219により与えられるRF信号に一定制御可能量の減衰を与え、LNA230のRF出力信号RF
OUTを生成する。所定の実装例において、減衰器220は、利得制御を目的とする一つのメカニズムを与えるデジタルステップ減衰器(DSA)として実装される。減衰器220がある程度の利得制御を与えることができるにもかかわらず、LNA230の他のコンポーネント(例えば基準電流源215及び/又はバイアス回路213)もまた利得制御を与える。すなわち、LNA230により与えられる増幅量を制御するべく多重のメカニズムが与えられてよい。
【0104】
基準電流源215は、この実施形態においてバイアス回路213に与えられる基準電流IREFを生成する。基準電流源215は、この例において制御可能である。
【0105】
図示の実施形態において、バイアス回路213は、電流バイアス回路221、電圧バイアス回路222、バイアス抵抗器223、及び抵抗器バイパススイッチ224を含む。電流バイアス回路221は、基準電流IREFに基づいてバイアス電流IBIASを生成する。いくつかの実装例において、電流バイアス回路221は、基準電流IREFを受信する第1バイアストランジスタと、バイアス電流IBIASを生成する第2バイアストランジスタと、第1バイアストランジスタの第1バイアス電圧を制御して第2バイアストランジスタの第2バイアス電圧に整合させる増幅器225とを含む。
【0106】
引き続き
図5Bを参照すると、電圧バイアス回路222は、ゲートバイアス電圧V
BIAS及びカスコードバイアス電圧V
CASを生成し、少なくともゲートバイアス電圧V
BIASがバイアス電流I
BIASに基づく。カスコードバイアス電圧V
CASはカスコードFET212のゲートに与えられる。加えて、ゲートバイアス電圧V
BIASは、バイアス抵抗器223と抵抗器バイパススイッチ224との並列組み合わせを経由して共通ソースFET211のゲートに与えられる。いくつかの実装例において、ゲートバイアス電圧V
BIAS及びカスコードバイアス電圧V
CASは双方とも、バイアス電流I
BIASの電流レベルに基づいて変化する電圧レベルを有する。
【0107】
図5Bに示されるように、抵抗器バイパススイッチ224は、電圧バイアス回路222と共通ソースFET211のゲートとの間の抵抗量を低減するべく選択的にアクティブにされ得る速度制御信号(SPEED)によって制御される。したがって、共通ソースFET211のゲートの充電又は放電に関連付けられる抵抗器キャパシタ(RC)時定数を、速度制御信号をアクティブにすることによって選択的に低減することができる。この態様でLNAバイアスを実装することにより、高速なゲートバイアス制御及び高いバイアスアイソレーションの利益が達成される。
【0108】
図5Cは、
図5BのLNA230のようなLNAにとっての一実施形態のバイアス回路260の模式的な図である。バイアス回路260は、電力供給電圧V
DD、グランド電圧、速度制御信号(SPEED)、利得制御信号(GAIN)、及び基準電流I
REFを受ける。バイアス回路260は、共通ソースFETのゲート電圧V
Gを制御するべく使用されるゲートバイアス電圧V
BIASを生成する。バイアス回路260はまた、カスコードFETにバイアスを与えるべく使用されるカスコードバイアス電圧V
CASも生成する。
【0109】
図示の実施形態において、バイアス回路260は、電流バイアス回路241、電圧バイアス回路242、バイアス抵抗器223、及び抵抗器バイパススイッチ224を含む。電流バイアス回路241は基準電流IREFを受信してバイアス電流IBIASを生成する。電流バイアス回路241は、基準電流IREFを受信する第1バイアスFET245と、バイアス電流IBIASを生成する第2バイアスFET246と、第1バイアスFET245の第1バイアス電圧Vaを制御して第2バイアスFET246の第2バイアス電圧Vbに整合させるサーボ増幅器247とを含む。この実施形態において、サーボ増幅器247の第1入力(+)が第1バイアス電圧Vaを受信し、サーボ増幅器247の第2入力(-)が第2バイアス電圧Vbを受信し、サーボ増幅器247の出力が、第1バイアスFET245及び第2バイアスFET246のゲートを制御し、第1バイアスFET245のドレイン・ソース間電圧と第2バイアスFET246のドレイン・ソース間電圧とを互いに整合させるフィードバックを与える。
【0110】
サーボ増幅器247を含むことにより、バイアス電流IBIASの基準電流IREFへの正確な整合が達成される。さらに、電流バイアス回路241は、電力供給電圧VDDが低電圧レベルで動作することを許容する優れた電圧ヘッドルームを有する。さらに、サーボ増幅器247は、第1バイアスFET245及び第2バイアスFET246のゲート電圧を適切なバイアスレベルに迅速に設定することにより、LNAが迅速にオン又はオフになるのを許容する高速バイアスを与える。これは、送信フレームと受信フレームとの間の遷移のための短い時間窓を備えるTDDアプリケーションにとって望ましい。
【0111】
引き続き
図5Cを参照すると、電流バイアス回路242は、電圧源250、第1バイアス抵抗器251、第2バイアス抵抗器252、第1利得制御スイッチ253、第2利得制御スイッチ254、第1バイアスFET255、第2バイアスFET256、第3バイアスFET257、第4バイアスFET258、及び第5バイアスFET259を含む。バイアス電流I
BIASは、第1バイアス抵抗器251を流れて第1バイアスFET255のゲート電圧を制御する。第1バイアスFET255は、第2バイアス抵抗器252を流れる電流を与えてバイアス電圧V
BIASを設定する。バイアス電流I
BIASはまた、第1利得制御スイッチ253及び第2利得制御スイッチ254(利得制御信号GAINにより制御される)の設定に基づいて第2バイアスFET256と第4バイアスFET258との直列組み合わせ、及び/又は第3バイアスFET257と第5バイアスFET259との直列組み合わせを流れる。
【0112】
図5Cに描かれないにもかかわらず、(I
BIASに対応する)当該電流量に基づいて電圧源250の電圧レベルを制御し、第2バイアスFET256及び第3バイアスFET257のゲート電圧(ひいてはカスコードバイアス電圧V
CAS)を設定するべく、多種多様なバイアススキーム(例えばフィードバックスキーム)を使用することができる。
【0113】
ゲートバイアス電圧VBIASは、バイアス抵抗器223と抵抗器バイパススイッチ224との並列組み合わせを介してゲート電圧VGを制御するべく使用される。抵抗器バイパススイッチ224は、速度制御信号(SPEED)によって制御される。
【0114】
図6Aは、一実施形態のLNA電流バイアス回路330の模式的な図である。電流バイアス回路330は、サーボ増幅器301、第1バイアスFET302、第2バイアスFET303、第1選択可能ミラーリングFET304、第2選択可能ミラーリングFET305、第3選択可能ミラーリングFET306、第4選択可能ミラーリングFET307、第1選択スイッチ314、第2選択スイッチ315、第3選択スイッチ316、及び第4選択スイッチ317を含む。
【0115】
図6Aに示されるように、第1バイアスFET302は基準電流I
REFを受信し、第2バイアスFET303はバイアス電流I
BIASを生成し、サーボ増幅器301は、第1バイアスFET302の第1バイアス電圧Vaを制御して第2バイアスFET303の第2バイアス電圧Vbに整合させる。加えて、サーボ増幅器301の第1入力(+)が第1バイアス電圧Vaを受信し、サーボ増幅器301の第2入力(-)が第2バイアス電圧Vbを受信し、サーボ増幅器301の出力が、第1バイアスFET302及び第2バイアスFET303のゲートを制御し、第1バイアスFET302のドレイン・ソース間電圧を第2バイアスFET303のドレイン・ソース間電圧を整合させるフィードバックを与える。
【0116】
選択可能ミラーリングFET304~307は、選択スイッチ314~317それぞれによって選択的にアクティブにされ、バイアス電流IBIASを増加させて利得制御を与える。すなわち、ミラーリングFET304~307それぞれによって生成される電流IB1、IB2、IB3及び/又はIB4を、第2バイアスFET303によって生成される電流に選択的に加えることができる。選択可能ミラーリングFET304~307はアクティブになると、サーボ増幅器301によって与えられるフィードバックゆえに第2バイアスFET303と同じゲートソース間電圧及びソースドレイン間電圧によって動作する。
【0117】
図示の実施形態において、サーボ増幅器301は、第1増幅器FET321、第2増幅器FET322、第1電流源323、及び第2電流源324を含む。しかしながら、他の実装例も可能である。
【0118】
図6Bは、LNA電流バイアス 回路のための一実施形態のサーボ増幅器301の模式的な図である。図示の実施形態において、サーボ増幅器301は、第1増幅器FET321、第2増幅器FET322、第1電流源323、及び第2電流源324を含む。この例において、第1増幅器FET321及び第2増幅器FET322はp型である。
【0119】
図6Cは、LNA電流バイアス回路のための他実施形態のサーボ増幅器350の模式的な図である。サーボ増幅器350は、第1増幅器FET341、第2増幅器FET342、第1電流源343、及び第2電流源344を含む。この例において、第1増幅器FET341及び第2増幅器FET342はn型である。
図6Cのサーボ増幅器350は、
図6Bのサーボ増幅器301の、トランジスタ極性が反転された相補的実装例に対応する。
【0120】
図7は、一実施形態の制御可能基準電流源390の模式的な図である。制御可能基準電流源390は、バンドギャップ回路381、トリミング可能絶対温度比例(PTAT)電流源382、制御可能電流ミラー383、及び有効スイッチ384を含む。
【0121】
バンドギャップ回路381は、トリミング可能PTAT電流源382にバイアスを与えるべく使用されるバンドギャップ電圧VBGを生成する。トリミング可能PTAT電流源382は、正確性を高めるべくトリミング制御信号TRIM(この例ではマルチビットデジタル信号)によってトリミング可能なPTAT電流IPTATを生成する。制御可能電流ミラー383は、PTAT電流IPTATをミラーリングして基準電流IREFを生成する。基準電流IREFは、有効スイッチ384が有効信号ENによってアクティブにされるときに出力に与えられる。制御可能電流ミラー383は、利得制御信号利得(この例ではマルチビットデジタル信号)によって設定される制御可能利得を有する。
【0122】
図8は、LNAのための一実施形態の出力整合回路40の模式的な図である。出力整合回路410は、タンクキャパシタC
TANK、タンクインダクタL
TANK、チューニングキャパシタC
TUNE、チューニングスイッチS
TUNE、及び出力キャパシタC
OUTを含む。出力整合回路410は、LNAの一以上の増幅トランジスタへの接続のためのタンクノードTANK、及び出力信号を与えるための出力ノードOUTを含む。
【0123】
図8に示されるように、タンクキャパシタC
TANKとタンクインダクタL
TANKとが、出力ノードOUTと供給電圧V
DDとの間に並列に接続される。加えて、チューニングスイッチS
TUNEがアクティブ(閉)になると、チューニングキャパシタC
TUNEがタンクキャパシタC
TANKと並列になってタンクキャパシタンスの量が調整される。出力キャパシタC
OUTは、タンクノードTANKと出力ノードOUTとの間に接続される。
【0124】
図9は、高速バイアスを備えるLNAの電流対時間のグラフの一例である。このグラフは、
図5Bの一実装例のLNA230に対応する。
図9に示されるように、バイアス電流は、バイアス電流設定の変換に応答して迅速調整可能である。
【0125】
図10は、2つの実装例のLNAの電圧ヘッドルームのグラフの一例である。グラフは、サーボ増幅器の使用なしのLNAのバイアス電流対ヘッドルーム電圧の第1プロット451と、サーボ増幅器を使用しての一実装例のLNAのバイアス電流対ヘッドルーム電圧の第2プロット452とを含む。第1プロット451に対しては0.86Vが、500μAを超えるバイアス電流を維持する最高ヘッドルームである一方、第2プロット452に対しては、1V未満のヘッドルームであっても適切なバイアス電流が維持される。
【0126】
図11は、一実施形態の携帯デバイス800の模式的な図である。携帯デバイス800は、ベース帯域システム801、送受信器802、フロントエンドシステム803、アンテナ804、電力管理システム805、メモリ806、ユーザインタフェイス807、及び電池808を含む。
【0127】
携帯デバイス800は、2G、3G、4G(LTE、LTEアドバンスト、及びLTEアドバンストプロ)、5GNR、WLAN(例えばWiFi)、WPAN(例えばBluetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標))、WMAN(例えばWiMax)、及び/又はGPS技術を含むがこれらに限られない多種多様な通信技術を使用して通信するように使用することができる。
【0128】
送受信器802は、送信のためのRF信号を生成し、アンテナ804から受信した入来RF信号を処理する。理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連付けられる様々な機能は、
図11においてまとめて送受信器802として代表される一以上のコンポーネントによって達成することができる。一例において、所定タイプのRF信号を取り扱うべく別個のコンポーネント(例えば別個の回路又はダイ)を設けてもよい。
【0129】
フロントエンドシステム803は、アンテナ804に送信し及び/又はアンテナ804から受信する信号のコンディショニングを支援する。図示される実施形態において、フロントエンドシステム803は、アンテナチューニング回路810、複数の電力増幅器(PA)801、複数の低雑音増幅器(LNA)812、複数のフィルタ813、複数のスイッチ814、及び信号分割/結合回路815を含む。しかしながら、他の実装例も可能である。LNA812は、ここでの教示に従って実装される一以上のLNAを含み得る。
【0130】
フロントエンドシステム803は、送信信号の増幅、受信信号の増幅、信号のフィルタリング、異なる帯域間のスイッチング、異なる電力モード間のスイッチング、送信モード及び受信モード間のスイッチング、信号のデュプレクシング、信号のマルチプレクシング(例えばダイプレクシング又はトライプレクシング)、又はこれらの何らかの組み合わせを含むがこれらに限られない一定数の機能を与えることができる。
【0131】
所定の実装例において、携帯デバイス800は、キャリアアグリゲーションをサポートするので、ピークデータレートを増加させる柔軟性が得られる。キャリアアグリゲーションは、周波数分割デュプレクシング(FDD)及び時間分割デュプレクシング(TDD)の双方に使用することができるので、複数のキャリア又はチャネルを集約(アグリゲーション)するべく使用してよい。キャリアアグリゲーションは、同じ動作周波数帯域内に連続キャリアが集約される連続アグリゲーションを含む。キャリアアグリゲーションは不連続でもよく、共通帯域内又は異なる帯域内で周波数が分離したキャリアを含んでもよい。
【0132】
複数のアンテナ804は、多種多様なタイプの通信のために使用されるアンテナを含み得る。例えば、アンテナ804は、多種多様な周波数及び通信規格に関連付けられる信号の送信及び/又は受信のためのアンテナを含み得る。
【0133】
所定の実装例において、アンテナ804は、MIMO通信及び/又はスイッチ式ダイバーシティ通信をサポートする。例えば、MIMO通信は、単数の無線周波数チャネルを経由して多重データストリームを通信する多重アンテナを使用する。MIMO通信は、無線環境の空間的多重化(マルチプレクシング)の違いゆえに、高い信号対雑音比、改善されたコーディング、及び/又は信号干渉低減からの利益を受ける。スイッチ式ダイバーシティとは、特定の時刻に動作する特定のアンテナが選択される通信を称する。例えば、観測ビット誤り率及び/又は信号強度指標のような様々な因子に基づいて一群のアンテナから特定のアンテナを選択するようにスイッチを使用することができる。
【0134】
携帯デバイス800は、所定の実装例においてビームフォーミングとともに動作し得る。例えば、フロントエンドシステム803は、制御可能利得を有する増幅器と、アンテナ804を使用する信号の送信及び/又は受信のためのビームフォーミング及び指向性を与えるべく制御可能な位相を有する位相シフタとを含み得る。例えば、信号送信の文脈において、アンテナ804に与えられる送信信号の振幅及び位相が、アンテナ804から放射される信号が建設的及び破壊的な干渉を使用して結合されるように、制御され、所与の方向に伝播する強い信号強度を有するビームのような品質を示す集約送信信号が生成される。信号受信の文脈において、振幅及び位相は、信号が特定の方向からアンテナ804に到達するときに多くの信号エネルギーが受信されるように制御される。所定の実装例において、アンテナ804は、ビームフォーミングを強化するべく一以上のアレイのアンテナ素子を含む。
【0135】
ベース帯域システム801は、音声及びデータのような様々なユーザ入出力(I/O)の処理を容易にするユーザインタフェイス807に結合される。ベース帯域システム801は、送受信器802に送信信号のデジタル表現を与え、これを送受信器802が処理して送信用のRF信号が生成される。ベース帯域システム801はまた、送受信器802により与えられる受信信号のデジタル表現も処理する。
図11に示されるように、携帯デバイス800の動作を容易にするべく、ベース帯域システム801がメモリ806に結合される。
【0136】
メモリ806は、携帯デバイス800の動作を容易にするべく及び/又はユーザ情報の格納を与えるべく、データ及び/又は命令の格納のような多種多様な目的のために使用することができる。
【0137】
電力管理システム805は、携帯デバイス800の一定数の電力管理機能を与える。所定の実装例において、電力管理システム805は、複数の電力増幅器811の供給電圧を制御するPA供給制御回路を含む。例えば、電力管理システム805は、電力付加効率(PAE)のような効率を改善するべく複数の電力増幅器811のうちの一以上に与えられる供給電圧を変化させるように構成してよい。
【0138】
図11に示されるように、電力管理システム805は、電池808から電池電圧を受ける。電池808は、携帯デバイス800における使用のための、例えばリチウムイオン電池を含む任意の適切な電池としてよい。
【0139】
図12Aは、一実施形態のパッケージモジュール900の模式的な図である。
図12Bは、
図12Aの12B-12B線に沿ったパッケージモジュール900の断面の模式的な図である。
【0140】
パッケージモジュール900は、無線周波数コンポーネント901、半導体ダイ902、表面実装デバイス903、ワイヤボンド908、パッケージ基板920、及び封入構造物940を含む。パッケージ基板920は、中に配置された導体から形成されるパッド906を含む。付加的に、半導体ダイ902はピン又はパッド904を含み、ワイヤボンド908は、ダイ902のパッド904をパッケージ基板920のパッド906に接続するべく使用される。
【0141】
半導体ダイ902は、ここに開示される一以上の特徴に従って実装することができる低雑音増幅器945を含む。
【0142】
パッケージング基板920は、例えば表面実装キャパシタ及び/又はインダクタを含む無線周波数コンポーネント901、半導体ダイ902、及び表面実装デバイス903のような複数のコンポーネントを受容するように構成される。一実装例において、無線周波数コンポーネント901は集積受動デバイス(IPD)を含む。
【0143】
図12Bに示されるように、パッケージモジュール900は複数のコンタクトパッド932を含む。複数のコンタクトパッド932は、パッケージモジュール900の、半導体ダイ902を取り付けるべく使用される側の反対側に配置される。パッケージモジュール900をこの態様で構成することにより、携帯デバイスの電話機基板のような回路基板にパッケージモジュール900を接続することが補助され得る。コンタクトパッド932の例は、無線周波数信号、バイアス信号、及び/又は電力(例えば電力供給電圧及びグランド)を半導体ダイ902及び/又は他のコンポーネントに与えるように構成することができる。
図12Bに示されるように、コンタクトパッド932と半導体ダイ902との電気接続は、パッケージ基板920を介した接続部933によって容易となり得る。接続部933は、多層積層パッケージ基板のビア及び導体に関連付けられる接続部のような、パッケージ基板920を通るように形成される電気経路を表し得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、パッケージモジュール900はまた、例えば保護を与え及び/又は取り扱いを容易にする一以上のパッケージ構造物を含み得る。かかるパッケージ構造物は、コンポーネント及びダイが配置されるパッケージ基板920の上に形成されるオーバーモールド又は封入構造物940を含み得る。
【0145】
理解されることだが、パッケージモジュール900がワイヤボンドに基づく電気接続の文脈で描かれるにもかかわらず、本開示の一以上の特徴は、例えばフリップチップ構成のような他のパッケージ構成に実装することもできる。
【0146】
アプリケーション
【0147】
ここでの実施形態の原理及び利点は、低雑音増幅の必要性を有する任意の他のシステム又は装置のために使用することができる。かかる装置の例はRF通信システムを含む。RF通信システムは、携帯電話機、タブレット、基地局、ネットワークアクセスポイント、顧客宅内機器(CPE)、ラップトップ、及びウェアラブル電子機器を含むがこれらに限られない。すなわち、ここでの低雑音増幅器は、消費者用電子製品を含むがこれに限られない様々な電子デバイスに含まれてよい。
【0148】
おわりに
【0149】
文脈が明確にそうでないことを要求しない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む」、「備える」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは逆の、包括的な意味で、すなわち「~を含むがこれに限られない」意味で解釈されるべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、2つ以上の要素が、直接に接続されるか、又は一以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかとなり得ることを言及する。同様に、ここで一般に使用される用語「接続」も、2以上の要素が、直接に接続されるか、又は一以上の中間要素を経由して接続されるかのいずれかとなり得ることを言及する。加えて、本願において使用される場合、用語「ここで」、「上」、「下」、及び同様の意味の用語は、本願全体を言及するものとし、本願のいずれか特定の部分を言及するわけではない。文脈上許容される場合、単数又は複数の数を使用する上記の詳細な説明における用語は、それぞれ複数又は単数の数も含み得る。2つ以上の項目のリストを参照する「又は」及び「若しくは」という用語は、その用語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、及びリスト内の項目の任意の組み合わせ、のすべてをカバーする。
【0150】
さらに、具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内でそうでないと理解されない限り、とりわけ「してよい」、「し得る」、「できる」、「かもしれない」、「例えば」、「のような」等のようなここで使用される条件的言語は一般に、所定の実施形態が所定の特徴、要素、及び/又は状態を含む一方で他の実施形態がこれらを含まないことを意図する。すなわち、かかる条件的言語は一般に、特徴、要素及び/若しくは状態が、一以上の実施形態に必要な任意の態様で存在すること、又は一以上の実施形態が、著者のインプット若しくはプロンプトあり若しくはなしで、これらの特徴、要素及び/若しくは状態が含まれるか否か、若しくは任意の特定の実施形態において行われるべきか否かを決定する論理を必ず含むこと、を含意することが意図されていない。
【0151】
本発明の実施形態の上記説明は、網羅的であることを意図したものではなく、又は上記開示の正確な形態に本発明を限定することを意図したものでもない。本発明の特定の実施形態及び例は、説明目的のために上述されているが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な等価な修正例が可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示される一方、代替の実施形態が異なる順序でステップを有するルーチンを実行し又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合及び/又は修正され得る。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装してよい。また、プロセス又はブロックは、直列に実行されるように示されることがある一方、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに並列に実行されてもよく、又は異なる時刻に実行されてもよい。
【0152】
ここに与えられる本発明の教示は、必ずしも上述のシステムというわけではない他のシステムに適用することができる。上述の様々な実施形態の要素及び作用は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせてよい。
【0153】
本発明の所定の実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形式で具体化してよく、さらには、ここに記載される方法及びシステムの形式の様々な省略、置換及び変更を、本開示の要旨から逸脱することなく行ってよい。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び要旨に収まるような形式又は修正をカバーすることが意図される。
【外国語明細書】