(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160283
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/61 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B65G47/61 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070526
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】石井 智之
【テーマコード(参考)】
3F044
【Fターム(参考)】
3F044AA01
3F044AB03
3F044AB11
3F044AB25
3F044BA05
3F044BB02
3F044CC02
3F044CE07
(57)【要約】
【課題】無人搬送車に積載された物品載置部に対して物品を出し入れ可能な物品搬送装置において、物品と物品載置部との接触を抑止可能とする。
【解決手段】物品Xを支持する把持機構50と、把持機構50を水平方向に移動させる前後移動機構10及び左右移動機構40と、把持機構50を昇降させる昇降機構20と、把持機構50を旋回させる旋回機構30と、物品Xが載置される物品収容カゴ200の位置を検出する距離センサ4と、距離センサ4の検出結果に基づいて、前後移動機構10及び左右移動機構40、昇降機構20及び旋回機構30を制御する制御部6とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持する物品支持部と、
前記物品支持部を水平方向に移動させる水平移動機構と、
前記物品支持部を昇降させる昇降機構と、
前記物品支持部を旋回させる旋回機構と、
前記物品が載置される物品載置部の位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記水平移動機構、前記昇降機構及び前記旋回機構を制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記物品支持部、前記水平移動機構、前記昇降機構及び前記旋回機構を支持する支持フレームを備え、
前記支持フレームは、前記物品載置部を搬送する搬送車の停車スペースの上方にて、前記物品支持部を移動可能に支持する
ことを特徴とする請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
複数の前記検出部を備え、
平面視における複数方向から前記物品載置部の位置を検出可能に前記検出部が配置されている
ことを特徴とする請求項2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記物品載置部は、上方に向けて開口された開口部を有する容器部を備え、
前記検出部は、前記開口部と同一の高さに配置されている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記物品と前記物品載置部とを上方から撮像する撮像部を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、所定のプログラム等に基づいて物品の搬送を行う無人搬送車が開示されている。無人搬送車によれば、倉庫内等において、物品を自動的に搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような無人搬送車に対してパレットやカゴ等の物品載置部を積載し、物品載置部に物品を載置した状態にて無人搬送車で搬送する場合もある。しかしながら、無人搬送車は、レール等のガイドを必要とせずに床面上を走行可能であるものの、停止位置の精度を高めることが困難である。このため、物品載置部に対してクレーン等の物品搬送装置を用いて物品を出し入れする場合に、物品搬送装置が搬送する物品が物品載置部に対して接触する可能性がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、無人搬送車に積載された物品載置部に対して物品を出し入れ可能な物品搬送装置において、物品と物品載置部との接触を抑止可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の態様は、物品搬送装置であって、物品を支持する物品支持部と、上記物品支持部を水平方向に移動させる水平移動機構と、上記物品支持部を昇降させる昇降機構と、上記物品支持部を旋回させる旋回機構と、上記物品が載置される物品載置部の位置を検出する検出部と、上記検出部の検出結果に基づいて、上記水平移動機構、上記昇降機構及び上記旋回機構を制御する制御部とを備えるという構成を採用する。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記物品支持部、上記水平移動機構、上記昇降機構及び上記旋回機構を支持する支持フレームを備え、上記支持フレームが、上記物品載置部を搬送する搬送車の停車スペースの上方にて、上記物品支持部を移動可能に支持するという構成を採用する。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、複数の上記検出部を備え、平面視における複数方向から上記物品載置部の位置を検出可能に上記検出部が配置されているという構成を採用する。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第1~第3のいずれかの態様において、上記物品載置部が、上方に向けて開口された開口部を有する容器部を備え、上記検出部が、上記開口部と同一の高さに配置されているという構成を採用する。
【0011】
本発明の第5の態様は、上記第1~第4のいずれかの態様において、上記物品と上記物品載置部とを上方から撮像する撮像部を備えるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、物品載置部の位置を検出し、検出結果に基づいて物品の位置を調整することが可能である。このため、無人搬送車の停止位置の精度が高くない場合であっても、無人搬送車に積載された物品載置部の位置に合わせて物品を出し入れすることができる。したがって、本発明によれば、無人搬送車に積載された物品載置部に対して物品を出し入れ可能な物品搬送装置において、物品と物品載置部との接触を抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態における物品搬送装置の概略構成を示す側面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における物品搬送装置の概略構成を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における物品搬送装置が備える支持フレームの概略的な平面図である。
【
図5】無人搬送車が停車スペースに停車した場合における物品収容カゴと距離センサとの位置関係を示す模式図である。
【
図6】本発明の第1実施形態における物品搬送装置の概略構成を示す制御ブロック図である。
【
図7】本発明の第1実施形態における物品搬送装置にて、把持機構に把持された物品がどのように移動するかを示す模式図である。
【
図8】本発明の第2実施形態における物品搬送装置の概略構成を示す制御ブロック図である。
【
図9】無人搬送車が停車スペースに停車した場合における物品収容カゴとカメラとの位置関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る物品搬送装置の一実施形態について説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の物品搬送装置1の概略構成を示す側面図である。また、
図2は、本実施形態の物品搬送装置1の正面図である。なお、以下の説明においては、
図1における紙面垂直方向を前後方向と称する。また、
図2における紙面垂直方向を左右方向と称する。
【0016】
本実施形態の物品搬送装置1は、物品Xを搬送する。例えば、本実施形態の物品搬送装置1は、不図示の搬入出部と無人搬送車100(搬送車)との間にて物品Xの搬送を行う。
【0017】
無人搬送車100は、予め記憶したプログラムや外部から入力される指示信号に基づいて、床面上を自動的に走行可能である。この無人搬送車100は、物品Xを載置可能な物品収容カゴ200(物品載置部)を積載することができる。なお、無人搬送車100に積載される物品載置部は、物品収容カゴ200に限られるものではない。物品載置部としてパレットを無人搬送車100に積載することも可能である。また、物品載置部が載置される搬送車は無人搬送車100に限られるものではない。例えば、ハンドリフタ等の作業員が押し引きする搬送車であってもよい。
【0018】
図3は、物品収容カゴ200の斜視図である。
図3に示すように、本実施形態において物品収容カゴ200は、容器部201を有している。容器部201は、物品Xを内部に収容する部位であり、物品Xの少なくとも一部を前後左右及び下方から覆う。この容器部201は、上方に向けて開口されている。つまり、容器部201は、上方に向けて開口された開口部202を有している。この開口部202を介して上方から物品Xが容器部201の内部に挿入される。また、開口部202を介して、容器部201に収容された物品Xが上方に向けて取り出される。
【0019】
本実施形態の物品搬送装置1は、無人搬送車100に積載された物品収容カゴ200に対して物品Xを収容する。あるいは、本実施形態の物品搬送装置1は、無人搬送車100に搭載された物品収容カゴ200から物品Xを取り出す。このような本実施形態の物品搬送装置1は、支持フレーム2と、レール3と、距離センサ4(検出部)と、可動ユニット5と、制御部6とを備えている。
【0020】
支持フレーム2は、レール3、距離センサ4及び可動ユニット5を支持する強度部材である。支持フレーム2は、
図1に示すように、複数の柱部2aと、複数の桁部2bとを備えている。
図4は、支持フレーム2の概略的な平面図である。この図に示すように、柱部2aは、無人搬送車100の停車スペースRを間に挟むように、停車スペースRの左側と右側とに配置されている。また、停車スペースRの左側と右側との各々には、前後方向に配列された複数の柱部2aが配置されている。なお、柱部2aの数及び配置は、一例であり変更可能である。
【0021】
桁部2bは、複数の柱部2aの上端同士を接続するように、前後方向に延伸して直線状に設けられている。本実施形態においては、2つの桁部2bが設けられている。一方の桁部2bは、停車スペースRの左側に配置された複数の柱部2aの上端同士を接続するように、前後方向に延伸している。また、他方の桁部2bは、停車スペースRの右側に配置された複数の柱部2aの上端同士を接続するように、前後方向に延伸している。
【0022】
支持フレーム2は、レール3を介して、可動ユニット5を移動可能に支持する。可動ユニット5は、後述するように前後移動機構10と、昇降機構20と、旋回機構30と、左右移動機構40と、把持機構50とを備えている。つまり、支持フレーム2は、前後移動機構10と、昇降機構20と、旋回機構30と、左右移動機構40と、把持機構50とを支持している。
【0023】
支持フレーム2に支持された把持機構50は、
図1及び
図2に示すように、無人搬送車100の停車スペースRの上方に配置されている。つまり、支持フレーム2は、無人搬送車100の停車スペースRの上方にて、把持機構50を移動可能に支持する。
【0024】
レール3は、各々の桁部2bの上面に敷設されており、桁部2bに沿って可動ユニット5を案内する。これらのレール3は、互いに平行となるように配置されており、前後方向に沿って直線状に設けられている。
【0025】
距離センサ4は、物品収容カゴ200の位置を検出するセンサである。距離センサ4としては、例えば非接触式のレーザセンサを用いることができる。本実施形態において、距離センサ4は4つ(複数)設けられている。これらの距離センサ4は、各々が支持フレーム2に対して固定されている。なお、距離センサ4は、支持フレーム2と異なる部材によって支持することも可能である。
【0026】
物品収容カゴ200は、無人搬送車100の定められた位置に配置される。このため、 物品収容カゴ200が積載された無人搬送車100が停車スペースRに停車した場合には、物品収容カゴ200は、誤差を有しているものの、ある一定の範囲に位置される。各々の距離センサ4は、無人搬送車100が停車スペースRに停車した場合に物品収容カゴ200が配置される位置に対して水平方向に変位した位置に配置されている。つまり、各々の距離センサ4は、物品収容カゴ200に干渉しない位置に配置されている。
【0027】
図5は、無人搬送車100が停車スペースRに停車した場合における物品収容カゴ200と距離センサ4との位置関係を示す模式図である。
図5(a)は平面図である。
図5(b)は左側から見た側面図である。
図5(c)は前側から見た正面図である。
【0028】
4つの距離センサ4は、同一の高さに配置されている。本実施形態では、4つの距離センサ4の各々は、物品収容カゴ200の開口部202と同一の高さに配置されている。また、4つの距離センサ4のうち2つは、物品収容カゴ200の配置位置に対して左側に位置している。また、4つの距離センサ4のうち他の2つは、物品収容カゴ200の配置位置に対して前側に配置されている。つまり、本実施形態においては、複数の距離センサ4を備え、平面視における複数方向から物品収容カゴ200の位置を検出可能に距離センサ4が配置されている。
【0029】
各々の距離センサ4は、物品収容カゴ200までの距離を検出し、検出結果を示す信号を出力する。また、各々の距離センサ4は、制御部6と接続されている。このため、制御部6には、各々の距離センサ4から、物品収容カゴ200までの距離を示す検出信号が入力される。
【0030】
図1及び
図2に示すように、可動ユニット5は、物品Xを保持した状態で移動可能なユニットである。可動ユニット5は、前後移動機構10(水平移動機構)と、昇降機構20と、旋回機構30と、左右移動機構40(水平移動機構)と、把持機構50(物品支持部)とを備えている。
【0031】
前後移動機構10は、ベース11と、走行車輪12と、走行駆動部13とを備えている。ベース11は、走行車輪12及び走行駆動部13を支持する。また、ベース11は、昇降機構20、旋回機構30、左右移動機構40及び把持機構50を直接的あるいは間接的に支持している。
【0032】
走行車輪12は、ベース11の下面に対して回転可能に取り付けられている本実施形態において、走行車輪12は4つ設けられている。これらの4つの走行車輪12は、2つが一方のレール3上を回転し、他の2つが他方のレール3上を回転するように配置されている。
【0033】
走行駆動部13は、走行車輪12に対して接続されており、走行車輪12を回転駆動するための動力を生成する。走行駆動部13は、例えば、動力を生成するモータと、モータから出力された回転動力を減速させて走行車輪12に伝達する減速機とを備えている。
【0034】
このような前後移動機構10は、走行駆動部13で生成した動力によって走行車輪12を回転駆動させることで、前後方向に移動可能である。つまり、前後移動機構10は、間接的に支持する把持機構50を前後方向(水平方向)に移動させる。
【0035】
昇降機構20は、昇降ポスト21と、ケージ22と、ガイドローラ23と、サイドローラ24と、昇降駆動部25と、昇降ドラム26と、昇降プーリ27と、昇降ワイヤ28とを備えている。
図1に示すように、昇降ポスト21は、前後移動機構10のベース11に固定されており、上下方向に直線状に延伸して設けられる。昇降ポスト21は、ベース11の左側の部位と右側の部位との各々に設けられている。これらの昇降ポスト21は、左右方向に離間して配置されており、上端同士が接続されている。なお、
図2においては、昇降ポスト21は省略している。
【0036】
ケージ22は、ガイドローラ23及びサイドローラ24を介して、昇降ポスト21に沿って昇降する昇降台である。ガイドローラ23は、ケージ22に取り付けられており、昇降ポスト21のケージ22との対向面に対して当接されている。サイドローラ24は、ケージ22に取り付けられており、昇降ポスト21の側面(対向面と直交する鉛直面)に対して当接されている。これらのガイドローラ23及びサイドローラ24が転がることで、ケージ22は昇降ポスト21に案内されながら昇降される。
【0037】
昇降駆動部25は、昇降ドラム26に対して接続されており、昇降ドラム26を回転駆動するための動力を生成する。昇降駆動部25は、前後移動機構10のベース11上に配置されている。昇降駆動部25は、例えば、動力を生成するモータと、モータから出力された回転動力を減速させて昇降ドラム26に伝達する減速機とを備えている。なお、
図2においては、昇降駆動部25を省略している。
【0038】
昇降ドラム26は、昇降駆動部25に対して接続されており、昇降ワイヤ28が巻回されている。昇降ドラム26は、2つ設けられている。これらの昇降ドラム26は、昇降駆動部25を間に挟むようにして、左右方向に離間して前後移動機構10のベース11上に配置されている。これらの昇降ドラム26は、昇降駆動部25によって回転され、昇降ワイヤ28を送り出す。または、これらの昇降ドラム26は、昇降駆動部25によって回転され、昇降ワイヤ28を巻き取る。なお、
図2において、昇降ドラム26を省略している。
【0039】
昇降プーリ27は、各々の昇降ドラム26の下方に配置されており、ケージ22に取り付けられている。各々の昇降プーリ27には、昇降ワイヤ28が掛け回されている。昇降ワイヤ28は、昇降ドラム26と昇降プーリ27とを接続している。昇降ワイヤ28に換えて、チェーンを用いることも可能である。なお、
図2においては、昇降プーリ27及び昇降ワイヤ28を省略している。
【0040】
このような昇降機構20は、昇降駆動部25で生成した動力によって昇降ドラム26を回転させることで、ケージ22を昇降可能である。つまり、昇降機構20は、ケージ22を介して、把持機構50を昇降させる。
【0041】
旋回機構30は、旋回ベース31と、旋回ベアリング32と、旋回駆動部33とを備えている。旋回ベース31は、ケージ22の下方に配置されており、旋回ベアリング32を介してケージ22と接続されている。この旋回ベース31は、左右移動機構40や把持機構50を支持している。
【0042】
旋回ベアリング32は、ケージ22と旋回ベース31との間に介装されており、ケージ22に対して旋回ベース31を旋回可能に接続する。旋回ベアリング32は、例えば外輪が旋回ベース31に固定されており、内輪がケージ22に固定されている。なお、ここでの旋回とは、上下方向と平行な鉛直軸L(
図7参照)を中心として回転することを意味する。
【0043】
旋回駆動部33は、旋回ベアリング32に対して接続されており、旋回ベース31を回転させるための動力を生成する。旋回駆動部33は、例えば旋回ベース31が固定された旋回ベアリング32の外輪を、鉛直軸Lを中心として回動する。旋回駆動部33は、例えば、動力を生成するモータと、モータから出力された回転動力を減速させて旋回ベアリング32に伝達する減速機とを備えている。
【0044】
このような旋回機構30は、旋回駆動部33で生成した動力によって旋回ベアリング32の外輪を回転させることで、旋回ベース31を旋回可能である。つまり、旋回機構30は、旋回ベース31を介して、把持機構50を旋回可能である。
【0045】
左右移動機構40は、シフトガイド41と、シフト駆動部42とを備えている。シフトガイド41は、旋回ベース31と把持機構50との間に配置されており、把持機構50を左右方向に移動可能に支持している。例えば、シフトガイド41は、旋回ベース31の下面に固定されたレールと、レールに沿って左右方向に移動可能な移動ブロックとを備えている。
【0046】
シフト駆動部42は、把持機構50あるいはシフトガイド41の移動ブロックと接続されており、把持機構50を左右方向に移動させるための動力を生成する。シフト駆動部42は、例えば、動力を生成するモータと、モータから出力された回転動力を減速させて把持機構50あるいはシフトガイド41の移動ブロックに伝達する減速機とを備えている。
【0047】
このような左右移動機構40は、シフト駆動部42で生成した動力によって、把持機構50あるいはシフトガイド41の移動ブロックを左右方向に移動可能である。つまり左右移動機構40は、把持機構50を水平方向に移動させる。
【0048】
把持機構50は、シフトガイド41に接続されており、物品Xを支持する。この把持機構50は、物品Xを支持するアーム51と、アーム51が設けられてシフトガイド41に接続される本体部52とを備えている。このような把持機構50は、物品Xの把持することができる。また、把持機構50は、把持した物品を離すことができる。
【0049】
制御部6は、予め記憶されたプログラムや外部からの指示に基づいて、物品搬送装置1の全体を制御する。
図6は、物品搬送装置1の概略構成を示す制御ブロック図である。この図に示すように、制御部6は、距離センサ4と、前後移動機構10と、昇降機構20と、旋回機構30と、左右移動機構40と、把持機構50とに接続されている。
【0050】
制御部6は、距離センサ4から入力される信号に基づいて、物品収容カゴ200の位置を算出する。距離センサ4から入力される信号には、各々の距離センサ4から物品収容カゴ200までの距離を示す情報が含まれている。制御部6は、例えば、これらの距離情報と、予め記憶する物品収容カゴ200の形状データに基づいて、物品収容カゴ200の位置を算出する。つまり、制御部6は、各々の距離センサ4で検出された物品収容カゴ200の位置情報に基づいて、物品収容カゴ200の全体の位置を算出する。
【0051】
また、制御部6は、算出した物品収容カゴ200の位置に基づいて、前後移動機構10と、旋回機構30と、左右移動機構40とを制御する。例えば、制御部6は、物品収容カゴ200の直上に把持機構50が配置されるように、前後移動機構10と、旋回機構30と、左右移動機構40との各々の制御量を算出する。制御部6は、算出した制御量に基づいて前後移動機構10と、旋回機構30と、左右移動機構40とを制御する。
【0052】
なお、制御部6は、物品収容カゴ200の全体の位置を算出せずに、各々の距離センサ4で検出された物品収容カゴ200の位置情報から前後移動機構10と、旋回機構30と、左右移動機構40との各々の制御量を算出してもよい。
【0053】
図7は、制御部6によって、前後移動機構10と、旋回機構30と、左右移動機構40とを制御することで、把持機構50に把持された物品Xがどのように移動するかを示す模式図である。
【0054】
制御部6の制御の下で、前後移動機構10の走行駆動部13が駆動されると、可動ユニット5が前後方向に移動される。このように可動ユニット5が前後方向に移動されると、物品Xは、
図7に示す前後方向に水平移動される。
【0055】
また、制御部6の制御の下で、旋回機構30の旋回駆動部33が駆動されると、把持機構50が鉛直軸Lを中心として回転される。このように把持機構50が鉛直軸Lを中心として回転されると、物品Xは
図7に示す鉛直軸Lを中心とする周方向に沿って回転される。
【0056】
また、制御部6の制御の下で、左右移動機構40のシフト駆動部42が駆動されると、把持機構50が左右方向に移動される。このように把持機構50が左右方向に移動されると、物品Xは、
図7に示す左右方向に水平移動される。
【0057】
制御部6は、物品収容カゴ200の直上に把持機構50が配置されると、昇降機構20の昇降駆動部25を駆動することで、把持機構50を下降させる。物品Xを物品収容カゴ200に収容する場合には、制御部6は、把持機構50を下降させることで、把持機構50が把持している物品Xを物品収容カゴ200に収容させる。物品Xが物品収容カゴ200に収容されると、制御部6は、把持機構50に物品Xを離させる。続いて、制御部6は、昇降機構20の昇降駆動部25を駆動することで、把持機構50を上昇させる。
【0058】
一方、物品収容カゴ200から物品Xを取り出す場合には、制御部6は、物品Xの把持位置まで把持機構50を下降させる。把持機構50が把持位置まで下降されると、制御部6は、把持機構50に物品Xを把持させる。続いて、制御部6は、昇降機構20の昇降駆動部25を駆動することで、把持機構50を上昇させ、物品収容カゴ200から物品Xを取り出す。
【0059】
このような本実施形態の物品搬送装置1は、無人搬送車100が停車スペースRに停車すると、各々の距離センサ4で物品収容カゴ200の位置を検出する。続いて、物品収容カゴ200の位置に基づいて、制御部6が前後移動機構10と、旋回機構30と、左右移動機構40との各々の制御量を算出する。続いて、算出された制御量に基づいて、把持機構50が物品収容カゴ200の直上に移動される。その後、物品Xを物品収容カゴ200に収容する場合には、昇降機構20によって把持機構50が下降されて物品Xが物品収容カゴ200に収容される。また、物品収容カゴ200から物品Xを取り出す場合には、昇降機構20によって把持機構50が下降された後に把持機構50が物品Xを把持し、その後に把持機構50を上昇させることで物品Xを取り出す。
【0060】
以上のような本実施形態の物品搬送装置1は、把持機構50と、前後移動機構10と、左右移動機構40と、昇降機構20と、距離センサ4と、制御部6とを備えている。把持機構50は、物品Xを支持する。前後移動機構10及び左右移動機構40は、把持機構50を水平方向に移動させる。昇降機構20は、把持機構50を昇降させる。旋回機構30は、把持機構50を旋回させる。距離センサ4は、物品Xが載置される物品収容カゴ200の位置を検出する。制御部6は、距離センサ4の検出結果に基づいて、前後移動機構10、左右移動機構40、昇降機構20及び旋回機構30を制御する。
【0061】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、物品収容カゴ200の位置を検出し、検出結果に基づいて物品Xの位置を調整することが可能である。このため、無人搬送車100の停止位置の精度が高くない場合であっても、無人搬送車100に積載された物品収容カゴ200の位置に合わせて物品Xを出し入れすることができる。したがって、本実施形態の物品搬送装置1によれば、無人搬送車100に積載された物品収容カゴ200に対して物品Xを出し入れ可能な物品搬送装置1において、物品Xと物品収容カゴ200との接触を抑止することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態の物品搬送装置1は、支持フレーム2を備える。支持フレーム2は、把持機構50、前後移動機構10、左右移動機構40、昇降機構20及び旋回機構30を支持する。また、支持フレーム2は、物品収容カゴ200を搬送する無人搬送車100の停車スペースRの上方にて、把持機構50を移動可能に支持する。
【0063】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、把持機構50を無人搬送車100の上方で水平移動させることができる。このため、物品収容カゴ200のように容器部201を備える物品載置部に対して、容易に物品Xを載置することができる。また、物品収容カゴ200のように容器部201を備える物品載置部から、容易に物品Xを取り出すことができる。
【0064】
また、本実施形態の物品搬送装置1は、複数の距離センサ4を備えている。また、平面視における複数方向から物品収容カゴ200の位置を検出可能に距離センサ4が配置されている。
【0065】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、物品収容カゴ200の水平方向における位置をより正確に検出することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態の物品搬送装置1において、物品収容カゴ200は、上方に向けて開口された開口部202を有する容器部201を備えている。また、距離センサ4が、開口部202と同一の高さに配置されている。
【0067】
物品Xを昇降する場合に、最も物品Xと物品収容カゴ200とが接触する可能性が高い部位は、開口部202の周囲の部位である。このため、開口部202と同一高さに距離センサ4が配置されることで、開口部202の周囲の部位の位置をより正確に検出することができる。したがって、本実施形態の物品搬送装置1によれば、より確実に物品Xと物品収容カゴ200とが接触することを防止できる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、
図8及び
図9を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0069】
図8は、本実施形態の物品搬送装置1Aの概略構成を示す制御ブロック図である。この図に示すように、本実施形態の物品搬送装置1Aは、カメラ7(撮像部)を備えている。カメラ7は、制御部6と接続されており、撮像データを制御部6に向けて出力する。
【0070】
図9は、カメラ7と物品収容カゴ200との位置関係を示す模式図である。この図に示すように、カメラ7は、物品収容カゴ200の上方に配置されている。より具体的には、停車スペースRに上方から、無人搬送車100に搭載された物品収容カゴ200が撮像できるようにカメラ7は配置されている。例えば、カメラ7は、把持機構50や旋回機構30に設けることができる。なお、カメラ7は、複数台設けられていてもよい。
【0071】
このようなカメラ7は、例えば、物品Xの昇降途中に物品収容カゴ200と物品Xとを撮像する。制御部6は、カメラ7の撮像データに基づいて、物品Xの水平方向の位置を補正する。このような本実施形態の物品搬送装置1Aによれば、物品Xの昇降途中に、物品Xと物品収容カゴ200との位置を把握することができる。このため、より確実に、物品Xと物品収容カゴ200とが接触することを防止できる。
【0072】
このように、本実施形態の物品搬送装置1Aは、物品Xと物品収容カゴ200とを上方から撮像するカメラ7を備える。このため、物品Xの昇降途中に、物品Xと物品収容カゴ200との位置を把握することができる。
【0073】
また、本実施形態の物品搬送装置1Aは、
図8に示すように、距離センサ4とカメラ7とを備えている。このため、例えば、物品収容カゴ200の初期位置を距離センサ4で検出し、物品Xの昇降途中の物品Xと物品収容カゴ200との位置をカメラ7で検出することができる。ただし、カメラ7にて物品収容カゴ200の初期位置を検出可能である場合には、距離センサ4を省略することも可能である。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0075】
例えば、上記実施形態においては、複数の距離センサ4が物品収容カゴ200の開口部202と同一高さに配置された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。複数の距離センサ4の高さを互いに異なる高さとすることも可能である。
【符号の説明】
【0076】
1……物品搬送装置、1A……物品搬送装置、2……支持フレーム、2a……柱部、2b……桁部、3……レール、4……距離センサ(検出部)、5……可動ユニット、6……制御部、7……カメラ(撮像部)、10……前後移動機構(水平移動機構)、20……昇降機構、30……旋回機構、40……左右移動機構(水平移動機構)、50……把持機構(物品支持部)100……無人搬送車(搬送車)、200……物品収容カゴ(物品載置部)、201……容器部、202……開口部、L……鉛直軸、R……停車スペース、X……物品