(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160299
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】害虫の検査のためのプログラム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231026BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070559
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000232623
【氏名又は名称】日本農薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522163469
【氏名又は名称】株式会社アグリマート
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】岡田 敦
(72)【発明者】
【氏名】谷元 忠
(72)【発明者】
【氏名】白井 英男
(72)【発明者】
【氏名】笠原 勇太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】害虫の検査に関わる負担が軽減される害虫の検査のためのプログラム及びサーバが提供すること。
【解決手段】害虫の検査のためのプログラムは、捕虫紙の画像に基づいて少なくとも捕虫紙に張り付いた害虫の種類を同定し、同定した害虫の種類毎に計数をするように構成された検査モデルにおける同定の実施範囲のユーザによる登録の操作を受け付けることと、予め捕虫紙に設定された区画のうち、同定の実施範囲と対応している区画の情報のユーザによる登録の操作を受け付けることと、捕虫紙の画像を検査モデルに入力して同定及び計数を実施させることと、区画の情報に基づいて、検査モデルによる同定の実施範囲における計数の結果である第1の計数結果から区画を単位とした計数の結果である第2の計数結果を計算することと、少なくとも第2の計数結果をユーザに対して提示することとをコンピュータに実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕虫紙の画像に基づいて少なくとも前記捕虫紙に張り付いた害虫の種類を同定し、同定した害虫の種類毎に計数をするように構成された検査モデルにおける前記同定の実施範囲のユーザによる登録の操作を受け付けることと、
予め前記捕虫紙に設定された区画のうち、前記同定の実施範囲と対応している区画の情報の前記ユーザによる登録の操作を受け付けることと、
前記捕虫紙の画像を前記検査モデルに入力して前記同定及び前記計数を実施させることと、
前記区画の情報に基づいて、前記検査モデルによる前記同定の実施範囲における計数の結果である第1の計数結果から前記区画を単位とした計数の結果である第2の計数結果を計算することと、
少なくとも前記第2の計数結果をユーザに対して提示することと、
をコンピュータに実行させるための害虫の検査のためのプログラム。
【請求項2】
前記区画の情報は、前記捕虫紙に設定された区画の総数に対する前記同定の実施範囲に含まれる区画の数を含む、請求項1に記載の害虫の検査のためのプログラム。
【請求項3】
前記同定された害虫の種類と前記第1の計数結果の少なくとも何れかのユーザによる修正の操作を受け付けることをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項2に記載の害虫の検査のためのプログラム。
【請求項4】
前記同定された害虫の種類と前記第1の計数結果の少なくとも何れかの修正に応じて前記第2の計数結果を再計算することをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項3に記載の害虫の検査のためのプログラム。
【請求項5】
前記同定された害虫の種類と前記第2の計数結果とを含む報告書を作成することをさらに前記コンピュータに実行させるための請求項1乃至4の何れか1項に記載の害虫の検査のためのプログラム。
【請求項6】
捕虫紙の画像に基づいて少なくとも前記捕虫紙に張り付いた害虫の種類を同定し、同定した害虫の種類毎に計数をするように構成された検査モデルにおける前記同定の実施範囲のユーザによる登録の操作を受け付ける第1の受付部と、
予め前記捕虫紙に設定された区画のうち、前記同定の実施範囲と対応している区画の情報の前記ユーザによる登録の操作を受け付ける第2の受付部と、
前記捕虫紙の画像を前記検査モデルに入力して前記同定及び前記計数を実施させる検査部と、
前記区画の情報に基づいて、前記検査モデルによる前記同定の実施範囲における計数の結果である第1の計数結果から前記区画を単位とした計数の結果である第2の計数結果を計算する計算部と、
少なくとも前記第2の計数結果をユーザに対して提示する提示部と、
を具備するサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、害虫の検査のためのプログラム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
食品工場及び飲食店等では、衛生管理の一環として害虫の検査が義務付けられている。害虫の検査では、食品工場等の所定の場所に予め設置された粘着トラップ等に張り付いた害虫の同定及び計数が行われる。これらの害虫の同定及び計数の結果に応じて対策が講じられる。ここで、害虫の同定及び計数とその結果を含む報告書作成の業務は、ユーザから委託された外部の業者であるPCO(Pest Control Operator)によって行われることが多い。従来、PCOは、粘着トラップ等に張り付いた害虫の同定及び計数を目視で行っている。また、PCOは、害虫の同定及び計数の結果を報告書にまとめて取引先に提出している。このような目視による害虫の同定及び計数には多大な労力がかかる。人工知能(AI)によって害虫の同定及び計数を実施する試みもされている。しかしながら、このようなAIによる害虫の同定及び計数は画像に写っている範囲について実施される。したがって、報告書の作成のためには同一の作業を繰り返し実施する必要が生じる等して必ずしもPCOの作業負担の軽減につながらない場合もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】環境機器株式会社ホームページ[Online],[令和4年4月7日検索],インターネット<URLhttps://www.semco.net/works/system/pestvision.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、害虫の検査に関わる負担が軽減される害虫の検査のためのプログラム及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様の害虫の検査のためのプログラムは、捕虫紙の画像に基づいて少なくとも捕虫紙に張り付いた害虫の種類を同定し、同定した害虫の種類毎に計数をするように構成された検査モデルにおける同定の実施範囲のユーザによる登録の操作を受け付けることと、予め捕虫紙に設定された区画のうち、同定の実施範囲と対応している区画の情報のユーザによる登録の操作を受け付けることと、捕虫紙の画像を検査モデルに入力して同定及び計数を実施させることと、区画の情報に基づいて、検査モデルによる同定の実施範囲における計数の結果である第1の計数結果から区画を単位とした計数の結果である第2の計数結果を計算することと、少なくとも第2の計数結果をユーザに対して提示することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、害虫の検査に関わる負担が軽減される害虫の検査のためのプログラム及びサーバが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、害虫検査プログラムの起動後の処理について示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、画像登録処理について示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、画像登録画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、区画登録処理について示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、区画登録画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、解析処理について示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、確認/修正処理について示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、同定・計数修正処理について示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、同定・計数修正画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係るシステムの構成を示す図である。システム1は、端末2a及び2bと、サーバ3とを有している。端末2a及び2bと、サーバ3とはネットワークNWを介して接続される。端末2a及び2bは、例えば無線通信によってネットワークNWに接続し得る。
【0009】
端末2aは、例えばスマートフォン、タブレット端末といった、ユーザが携帯できる端末装置である。端末2aは、PCOといった害虫の検査の専門のユーザによって工場及び飲食店等の捕虫器ITが設置されている場所まで携帯されて捕虫器ITに取り付けられた捕虫紙の画像を撮影し、撮影した画像に基づいて捕虫器ITに張り付いた害虫の同定及び計数といった害虫の検査をする処理に使用される。ここで、端末2aは、ユーザが携帯できないパーソナルコンピュータ等の端末装置であってもよい。この場合、端末2aは、スマートフォン等で撮影された捕虫紙の画像を受け取って検査の処理を実施する。また、端末2bは、端末2aのユーザに害虫の検査を依頼した例えば端末2aのユーザの取引先の担当者によって操作され得る端末であり、端末2aでの害虫の検査の結果を報告書の形で受ける際に使用される。端末2bは、スマートフォン、タブレット端末といった、ユーザが携帯できる端末装置であってもよいし、ユーザが携帯できないパーソナルコンピュータ等の端末装置であってもよい。
図1では、端末2a及び2bは、1つずつである。端末2a及び2bは、それぞれ2つ以上であってもよい。
【0010】
図2は、端末2a及び2bのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ここでは、説明を簡単にするために、端末2a及び端末2bは同一の構成を有しているものとして説明する。端末2a及び2bは、プロセッサ21と、ROM22と、RAM23と、ストレージ24と、入力インターフェース25と、ディスプレイ26と、カメラ27と、通信モジュール28とを有している。なお、端末2a及び2bは、必ずしも同一の構成を有していなくてもよい。
【0011】
プロセッサ21は、端末2a及び2bの動作を制御するように構成されたプロセッサである。プロセッサ21は、ストレージ24に記憶されている各種のプログラムに従って各種の処理を実行する。プロセッサ21は、例えばCPUである。プロセッサ21は、CPUではなく、MPU、GPU等であってもよい。また、プロセッサ21は、1つのCPU等によって構成されている必要はなく、複数のCPU等によって構成されてもよい。
【0012】
ROM22は、例えば不揮発性メモリであり、端末2a及び2bの起動プログラム等を記憶している。RAM23は、例えば揮発性のメモリである。RAM23は、例えばプロセッサ21における処理の際の作業メモリとして用いられる。
【0013】
ストレージ24は、例えばフラッシュメモリといったストレージである。ストレージ24は、端末2a及び2bにおいて用いられる各種のプログラム及びデータを格納している。実施形態では、ストレージ24は、OS(オペレーティングシステム)241を格納している。ストレージ24は、OS241以外のプログラム及びデータを格納していてもよい。例えば、ストレージ24は、ブラウザアプリケーションプログラム等を格納していてもよい。OS241は、端末2a及び2bの基本的な機能を実現するためのプログラムである。ストレージ24に格納されている各種のプログラムは、OSの制御下で実行される。
【0014】
入力インターフェース25は、タッチパネル等の入力装置を含む。入力インターフェース25の操作がされた場合、操作内容に応じた信号がプロセッサ21に入力される。プロセッサ21は、この信号に応じて各種の処理を行う。
【0015】
ディスプレイ26は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ26は、各種の画像を表示する。
【0016】
カメラ27は、少なくとも端末2aに備えられたカメラであって、被写体を撮像する。実施形態では、被写体は、例えば捕虫器ITに取り付けられた捕虫紙である。カメラ27は、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサといったイメージセンサと、レンズとを有している。カメラ27の構成は、特定の構成には限定されない。なお、端末2bは、カメラ27を有していなくてもよい。
【0017】
通信モジュール28は、端末2a及び2bがサーバ3と通信するときの処理をするように構成されたインターフェースを含むモジュールである。通信モジュール28は、携帯電話回線、無線LAN回線、有線LAN回線等を用いてネットワークNWに接続するように構成されている。
【0018】
図3は、サーバ3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。サーバ3は、プロセッサ31と、ROM32と、RAM33と、ストレージ34と、入力インターフェース35と、ディスプレイ36と、通信モジュール37とを有している。ここで、サーバ3は、単一のサーバでなくてもよい。さらには、サーバ3は、例えばクラウドサーバとして構成されていてもよい。
【0019】
プロセッサ31は、サーバ3の動作を制御するように構成されたプロセッサである。プロセッサ31は、例えばCPUである。プロセッサ31は、CPUではなく、MPU、GPU等であってもよい。また、プロセッサ31は、1つのCPU等によって構成されている必要はなく、複数のCPU等によって構成されてもよい。
【0020】
ROM32は、例えば不揮発性メモリであり、サーバ3の起動プログラム等を記憶している。RAM33は、例えば揮発性のメモリである。RAM33は、例えばプロセッサ21における処理の際の作業メモリとして用いられる。
【0021】
ストレージ34は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブといったストレージである。ストレージ34は、OS341、害虫検査プログラム342、検査モデル343、取引先情報344、ユーザ情報345、撮影画像346、報告書347を格納している。ストレージ34は、OS341、害虫検査プログラム342、検査モデル343、取引先情報344、ユーザ情報345、撮影画像346、報告書347以外のプログラム及びデータを格納していてもよい。
【0022】
OS341は、サーバ3の基本的な機能を実現するためのプログラムである。ストレージ34に格納されている各種のプログラムは、OSの制御下で実行される。
【0023】
害虫検査プログラム342は、端末2aのユーザからの要求に従って害虫の検査のための一連の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。害虫検査プログラム342は、サーバ3のプロセッサ31によって実行されるプログラムであってよい。または、害虫検査プログラム342は、ウェブアプリケーションとして端末2aにダウンロードされ、端末2aのウェブブラウザ上で実行されるプログラムであってもよい。さらには、害虫検査プログラム342は、端末2aにインストールされて端末2aで実行されるプログラムであってもよい。害虫検査プログラム342については後で詳しく説明される。
【0024】
検査モデル343は、選択された画像に写っている害虫が何であるかを識別する識別器を備えた検査のための解析を実施する学習済みAIモデルである。検査モデル343は、入力された画像に写っている害虫が何に分類されるかを予測し、予測確率の上位の結果に基づいて入力された画像の解析を実施する。この解析は、害虫の種類の同定及び計数を含む。検査モデル343は、例えば畳み込みニューラルネットワーク(CNN)によって構成される。検査モデル343には、害虫が張り付いた状態の捕虫紙の画像等の各種の害虫の画像がそれぞれの害虫の種類を示すラベルとともに教師データとして入力されることで害虫毎の特徴量の学習が行われる。検査モデル343は、画像から得られる特徴量以外の特徴量も含めて学習及び解析を実施するように構成されていてもよい。例えば、画像から得られる特徴量以外の特徴量は、画像の撮影場所、撮影時期といった特徴量を含み得る。
【0025】
取引先情報344は、PCOといった端末2aのユーザの取引先の情報である。取引先情報は、例えば、取引先の会社名又は人物名、住所といった情報を含み得る。会社名は、会社名、支社名といった複数の階層に分けて記録されてもよい。同様に、住所も複数の階層に分けて記録されてもよい。
【0026】
ユーザ情報345は、端末2aのユーザの情報である。ユーザの情報は、ユーザの氏名、電子メールアドレス、住所、ログインパスワードといった情報を含み得る。
【0027】
撮影画像346は、端末2aのユーザによってアップロードされた画像のデータである。撮影画像346は、検査モデル343を用いた解析の対象となり得る画像である。後で詳しく説明されるが、撮影画像346には、捕虫器の情報及び区画の情報が関連付けられる。捕虫器の情報は、撮影画像の撮影対象である捕虫器の情報であり、例えば捕虫器の設置場所、調査方法、捕獲実施日といった情報を含み得る。また、区画の情報は、捕虫紙に設定される区画の数の情報である。人が目視で捕虫紙に張り付いた害虫の同定及び計数をする場合、捕虫紙を複数の区画に分け、区画毎に害虫の同定及び計数をしたり、1つの区画について害虫の同定及び計数をした結果を区画の数に応じて倍することによって捕虫紙の全体としての計数結果を得たりすることがある。実施形態では、区画を単位とした害虫の同定及び計数の結果の計算に区画の情報が利用される。区画は、ユーザによって分けられてもよいし、予め捕虫紙に印刷された枠線によって分けられてもよい。ここで、撮影画像346は、端末2aのユーザによってアップロードされた画像以外に、例えば検査モデル343の学習に用いられた画像等の他の画像を含んでいてもよい。
【0028】
報告書347は、検査モデル343による解析の結果を含む検査結果に基づいて作成される報告書のデータである。報告書は、取引先によって要求された書式に従って作成されてよい。このための、取引先毎の報告書のテンプレートが用意されていてもよく、このような報告書のテンプレートのデータも報告書347に含まれ得る。
【0029】
入力インターフェース35は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置を含む。入力インターフェース35の操作がされた場合、操作内容に応じた信号がプロセッサ31に入力される。プロセッサ31は、この信号に応じて各種の処理を行う。
【0030】
ディスプレイ36は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。ディスプレイ36は、各種の画像を表示する。
【0031】
通信モジュール37は、サーバ3が端末2a、2bと通信するときの処理をするように構成されたインターフェースを含むモジュールである。通信モジュール37は、携帯電話回線、有線LAN回線、無線LAN回線等を用いてネットワークNWに接続するように構成されている。
【0032】
次に、システム1の動作を説明する。
図4は、害虫検査プログラム342の起動後の処理について示すフローチャートである。ここでは、害虫検査プログラム342は、ウェブアプリケーションとしてサーバ3から端末2aにダウンロードされ、端末2aのウェブブラウザ上で実行されるものして説明がされる。この場合、プロセッサ21が害虫検査プログラム342に従って処理を実行する。害虫検査プログラム342の実行のために、IDとパスワードを用いた認証が行われてもよい。また、前述したように害虫検査プログラム342は、サーバ3において実行されてもよい。この場合には、以下で説明する処理は、サーバ3のプロセッサ31が主体となって実施される。このような害虫検査プログラム342を実行することによってプロセッサ21又はプロセッサ31は、第1の受付部、第2の受付部、検査部、計算部及び提示部として動作し得る。
【0033】
ステップS1の処理は、ユーザによって取引先の選択がされた後で開始される。取引先の選択は、例えば、取引先情報344に基づいて表示される取引先の一覧から選択されることで行われ得る。
【0034】
ステップS1において、プロセッサ21は、期間登録処理を実施する。期間登録処理は、ユーザからの入力に基づき、検査対象の捕虫器による捕獲実施日を登録する処理である。ここで、捕獲実施日は、例えばユーザが捕虫器に捕虫紙を設置して害虫の捕獲を開始した日から捕虫器から捕虫紙を回収して害虫の捕獲を終了する日までの期間である。期間登録処理に際して、プロセッサ21は、例えばウェブブラウザの害虫検査プログラム342の画面上に期間登録画面を表示させる。ユーザは、期間登録画面において例えば捕獲開始日と捕獲終了日とを登録する。これを受けて、プロセッサ21は、捕獲開始日及び捕獲終了日を登録する。捕獲実施日の登録後、処理はステップS2に移行する。
【0035】
ステップS2において、プロセッサ21は、捕虫器登録処理を実施する。捕虫器登録処理は、ユーザからの入力に基づいて、検査対象の捕虫器に関する情報を登録する処理である。捕虫器登録処理に際して、プロセッサ21は、例えばウェブブラウザの害虫検査プログラム342の画面上に捕虫器登録画面を表示させる。ユーザは、捕虫器登録画面において捕虫器に関する情報を登録する。捕虫器に関する情報の登録後、処理はステップS3に移行する。ここで、捕虫器に関する情報は、例えば、管理番号、設置場所、調査方法といった情報を含み得る。
【0036】
管理番号は、捕虫紙の画像の管理のための番号である。管理番号は、捕虫紙毎にユーザによって割り当てられ得る。捕虫器には、複数の捕虫紙を取り付けることができるものがある。これらの複数の捕虫紙のそれぞれについて得られる画像を区別するために、管理番号は捕虫紙毎に割り当てられ得る。
【0037】
設置場所は、捕虫器の設置場所である。設置場所は、食品工場及び飲食店等において捕虫器が設置されている場所を特定できる情報として登録される。設置場所は、端末2aのユーザによって任意に登録されてもよいし、予め登録された複数の設置場所の候補の中から端末2aのユーザが選択することで登録されてもよい。ただし、設置場所は、端末2aのユーザ及び端末2bのユーザの双方が認識できる形態で入力されることが望ましい。したがって、設置場所は複数の階層に分けて登録されることで、ユーザ毎の登録内容のぶれ等が少なくされていることが望ましい。
【0038】
調査方法は、設置した捕虫器による調査の方法を表す。例えば、設置した捕虫器がライトトラップを使用する捕虫器である場合、調査方法には「ライトトラップ」が記入される。なお、実施形態においては、捕虫器の調査の方法は、特定の方法に限定されない。
【0039】
ステップS3において、プロセッサ21は、画像登録処理を実施する。画像登録処理は、検査モデル343による解析の対象となる解析対象画像を登録するための処理である。ここで、実施形態における画像登録処理においては、検査モデル343における解析の実施範囲がユーザによって登録される。さらに、実施形態における画像登録処理においては、捕虫紙に区画の情報が登録されている場合には、解析の実施範囲と区画との対応付けもユーザによって行われる。画像登録処理については後で詳しく説明する。
【0040】
ステップS4において、プロセッサ21は、解析処理を実施する。ユーザによる解析実行の指示がされた場合、プロセッサ21は、サーバ3に対して解析の要求をする。この要求に基づいて、サーバ3は、ユーザによって登録された解析対象画像を検査モデル343に入力して検査のための解析を実施する。そして、サーバ3は、解析結果を端末2aに返す。解析処理については後で詳しく説明されるが、実施形態における解析処理では解析の実施範囲を対象にして害虫の同定及び計数が実施される。さらに、解析の実施範囲と区画との対応情報に基づいて、区画を単位とした害虫の同定及び計数の結果も計算される。解析が完了すると解析の結果がユーザに提示される。ユーザは解析の結果を確認し、必要に応じて修正する。そして、ユーザは、確認が完了した旨を示す例えばボタンの選択をする。これを受けて処理はステップS5に移行する。
【0041】
ステップS5において、プロセッサ21は、報告書作成処理を実施する。報告書作成処理の後、処理はステップS6に移行する。報告書は、例えば取引先毎に定められた書式がある場合には、その書式に従って作成され得る。報告書は、取引先名、捕獲実施日、検査結果といった情報を含む。また、報告書は、ユーザによる考察コメントをさらに含んでいてもよい。ここで、検査結果は、検査モデル343によって同定された捕虫紙に張り付いている害虫の同定結果及び計数結果を含む。前述したように、人が目視で捕虫紙に張り付いた害虫の同定及び計数をする場合、捕虫紙を複数の区画に分け、区画毎に害虫の同定及び計数をすることがある。実施形態では、区画を単位とした害虫の同定及び計数の結果も計算される。したがって、人が目視で実施した検査に基づく報告書と同等の報告書が作成され得る。報告書の作成が完了した後、ユーザは作成された報告書を確認し、必要に応じて修正する。そして、ユーザは、確認が完了した旨を示す例えばボタンの選択をする。これを受けて処理はステップS6に移行する。ここで、報告書作成処理においては、報告書が作成される代わりに、害虫の同定及び計数結果のデータだけが、例えばCSV(Comma Separated Value)等の各種のフォーマットのデータに変換されて出力されてもよい。この場合は、ユーザの確認を待たずに処理がステップS6に移行してよい。
【0042】
ステップS6において、プロセッサ21は、対策内容登録処理を実施する。対策内容登録処理は、ユーザが検査の後で実施した対策の内容を報告書等に関連付けて登録する処理である。対策内容登録処理においては、幾つかの代表的な対策がユーザに対して例示され、それらの対策の実施の有無及びその内容がユーザによって登録される。必要に応じて対策内容に関するファイルも登録され得る。対策内容の登録が完了した後、ユーザは、登録が完了した旨を示す例えばボタンの選択をする。これを受けてプロセッサ21は、報告書及び対策内容のデータをサーバ3に送信する。サーバ3のストレージ34に報告書が記憶された後、
図4の処理は終了する。サーバ3のストレージ34に格納された報告書347は、端末2aのユーザの取引先のユーザである端末2bのユーザによって閲覧され得る。また、報告書のデータは、直接的に端末2aから端末2bに送信されてもよい。
【0043】
次に、画像登録処理について説明する。
図5は、画像登録処理について示すフローチャートである。ステップS101において、プロセッサ21は、例えばウェブブラウザの害虫検査プログラム342の画面上に画像登録画面を表示する。
図6は、画像登録画面の一例を示す図である。
【0044】
図6に示すように、画像登録画面400は、情報表示欄401と、画像登録欄402と、解析対象画像登録欄403とを含む。また、画像登録画面400は、戻るボタン404と、解析実行ボタン405とを含む。
【0045】
情報表示欄401は、検査に関わる種々の情報が表示される表示欄である。検査に関わる種々の情報は、例えば取引先の情報、捕獲実施日の情報を含む。取引先の情報は、選択された取引先の取引先名である。捕獲実施日は、期間登録処理において登録された捕獲実施日である。情報表示欄401には、取引先の情報及び捕獲実施日以外の情報が表示されてもよい。
【0046】
画像登録欄402は、サーバ3にアップロードする画像を登録するための表示欄である。画像登録欄402には、例えばファイル選択ボタン4021、ドラッグアンドドロップ領域4022、クリアボタン4023、アップロードボタン4024が表示される。
【0047】
ファイル選択ボタン4021は、捕虫紙の画像の一覧からユーザがアップロードしたい画像を選択するために操作されるボタンである。ファイル選択ボタン4021が選択された場合、例えばストレージ24に記録されている捕虫紙の画像の一覧が表示される。ユーザは、この一覧からサーバ3にアップロードしたい画像を選択し得る。画像が選択された場合、選択された画像のファイル名がアップロード対象のファイル名のリストに追加される。ここで、ファイル選択ボタン4021が選択されたときに表示される捕虫紙の画像の一覧は、ストレージ24に記録されているすべての画像の一覧であってもよいし、アップロードがされていない画像の一覧であってもよい。さらには、画像の一覧は、捕獲実施日に撮影された画像のすべての一覧であってもよいし、捕獲実施日に撮影されたアップロードがされていない画像の一覧であってもよい。
【0048】
ドラッグアンドドロップ領域4022は、ドラッグアンドドロップ操作によってアップロードするファイルを選択するための領域である。ユーザは、ドラッグアンドドロップ領域4022に画像のファイルのアイコンをドラッグアンドドロップし得る。ドラッグアンドドロップ領域4022にドラッグアンドドロップされた画像のファイル名も、アップロード対象のファイル名のリストに追加される。
【0049】
クリアボタン4023は、アップロード対象のファイル名のリストに表示されたファイルをアップロード対象から除外する際に操作されるボタンである。アップロード対象のファイル名のリストに表示された少なくとも1つのファイル名が選択されている状態でクリアボタン4023が選択された場合、そのファイル名がリストから削除される。
【0050】
アップロードボタン4024は、アップロード対象のファイル名のリストに表示されたファイルをサーバ3にアップロードする際に操作されるボタンである。アップロードボタン4024が選択された場合、アップロードが実施される。
【0051】
解析対象画像登録欄403は、サーバ3にアップロードされたファイルのうちで検査モデル343による解析を実施する画像を登録するための表示欄である。解析対象画像登録欄403には、例えば区画画像タブ4031と、全景画像タブ4032とが表示される。
【0052】
区画画像タブ4031は、解析対象画像登録欄403に表示される画像を区画画像に切り替える際に選択されるタブである。区画画像は、捕虫紙の区画毎に分けて撮影された画像である。例えば、1枚の捕虫紙が複数に切り分けられ、それが並べられて同時に撮影された画像は、区画画像に分類される。
【0053】
全景画像タブ4032は、解析対象画像登録欄403に表示される画像を全景画像に切り替える際に選択されるタブである。全景画像は、捕虫紙の区画毎に分けられずに撮影された画像である。例えば、1枚の捕虫紙がそのまま撮影された画像は、全景画像に分類される。
【0054】
さらに解析対象画像登録欄403には、区画画像タブ4031及び全景画像タブ4032のうちの選択されているほうに属する画像4033が表示される。解析対象画像登録欄403に表示される画像は、例えば、サーバ3にアップロード済みのファイルに記録されている画像のうち、登録された捕獲実施日に撮影された画像である。また、それぞれの画像4033には、チェックボックス4033a、状態表示欄4033b、削除ボタン4033cが併せて表示される。チェックボックス4033aは、該当の画像4033が選択中であるかを示すためのチェックボックスである。該当の画像4033が選択中であるときには、チェックボックス4033aにチェックが入る。状態表示欄4033bは、該当の画像4033について後で説明する区画登録処理が実施済みであるか否かの状態を表示するための表示欄である。区画登録処理が実施済みであるときには状態表示欄4033bには例えば「入力済み」が、実施済みでないときには状態表示欄4033bには例えば「未入力」が表示される。削除ボタン4033cは、選択中の画像4033を解析対象から除外する際に選択されるボタンである。
【0055】
戻るボタン404は、処理を捕虫器登録処理に戻す際に選択されるボタンである。以下の
図5の説明では、説明が省略されるが、
図5の処理中に戻るボタン404が選択された場合には、
図5の画像登録処理は終了され、処理は
図4のステップS2の捕虫器登録処理に戻る。解析実行ボタン405は、処理を解析処理に進める際に選択されるボタンである。
【0056】
ここで、
図5の説明に戻る。ステップS101において画像登録画面400を表示した後のステップS102において、プロセッサ21は、アップロードするファイルの選択又は選択の解除がされたか否かを判定する。ファイル選択ボタン4021からのファイルの選択、ドラッグアンドドロップ領域4022へのファイルのアイコンのドラッグアンドドロップ、クリアボタン4023の選択がされた場合には、アップロードするファイルの選択又は選択の解除がされたと判定される。ステップS102において、アップロードするファイルの選択又は選択の解除がされたと判定されたときには、処理はステップS103に移行する。ステップS102において、アップロードするファイルの選択又は選択の解除がされていないと判定されたときには、処理はステップS104に移行する。
【0057】
ステップS103において、プロセッサ21は、操作に応じてアップロードするファイル名のリストへの追加又はリストからの削除をする。例えば、ファイル選択ボタン4021からのファイルの選択又はドラッグアンドドロップ領域4022へのファイルのアイコンのドラッグアンドドロップがされたときには、プロセッサ21は、該当のファイルのファイル名をリストに追加する。クリアボタン4023の選択がされた場合には、該当のファイルのファイル名をリストから削除する。
【0058】
ステップS104において、プロセッサ21は、ファイルをアップロードするか否かを判定する。アップロードボタン4024が選択された場合には、ファイルをアップロードすると判定される。ステップS104において、ファイルをアップロードすると判定されたときには、処理はステップS105に移行する。ステップS104において、ファイルをアップロードしないと判定されたときには、処理はステップS106に移行する。
【0059】
ステップS105において、プロセッサ21は、アップロード対象のリストに含まれるファイルをサーバ3にアップロードする。アップロードされたファイルは、撮影画像346としてサーバ3のストレージ34に格納される。
【0060】
ステップS106において、プロセッサ21は、解析対象画像の選択又は選択の解除がされたか否かを判定する。チェックが入れられていないチェックボックス4033aが選択されたときには、解析対象画像の選択がされたと判定される。一方、チェックが入れられているチェックボックス4033aが選択されたときには、選択の解除がされたと判定される。ステップS106において、画像の選択又は選択の解除がされたと判定されたときには、処理はステップS107に移行する。ステップS106において、画像の選択又は選択の解除がされていないと判定されたときには、処理はステップS108に移行する。
【0061】
ステップS107において、プロセッサ21は、選択された画像を解析対象画像のリストに追加する。または、プロセッサ21は、選択が解除された画像を解析対象画像のリストから削除する。解析対象画像の選択があったときには、プロセッサ21は、チェックボックス4033aにチェックを入れる。一方、解析対象画像の選択の解除があったときには、プロセッサ21は、チェックボックス4033aからチェックを外す。
【0062】
ステップS108において、プロセッサ21は、画像を削除するか否かを判定する。削除ボタン4033cが選択されたときに画像を削除すると判定される。ステップS108において、画像を削除すると判定されたときには、処理はステップS109に移行する。ステップS108において、画像を削除しないと判定されたときには、処理はステップS110に移行する。
【0063】
ステップS109において、プロセッサ21は、選択された削除ボタン4033cに対応した画像4033を解析対象画像登録欄403から削除する。画像4033に加えて、サーバ3にアップロードされている画像のファイルも含めて削除されてもよい。一方で、画像4033が解析対象画像登録欄403から削除されつつ、サーバ3にアップロードされている画像のファイルは残されてもよい。
【0064】
ステップS110において、プロセッサ21は、区画登録処理を実施するか否かを判定する。例えば、何れかの画像4033が選択されたときに、区画登録処理を実施すると判定される。または、区画登録処理のための専用のボタンが選択されたときに、区画登録処理を実施すると判定されてもよい。この場合には、複数の画像4033が選択されている状態で区画登録処理のための専用のボタンが選択されたときには、これらの複数の画像4033について区画登録処理を実施すると判定されてよい。ステップS110において、区画登録処理を実施すると判定されたときには、処理はステップS111に移行する。ステップS110において、区画登録処理を実施しないと判定されたときには、処理はステップS112に移行する。
【0065】
ステップS111において、プロセッサ21は、区画登録処理を実施する。区画登録処理の実施後、処理はステップS112に移行する。区画登録処理については後で詳しく説明される。
【0066】
ステップS112において、プロセッサ21は、解析処理を実施するか否かを判定する。例えば、解析実行ボタン405が選択されたときに、解析処理を実施すると判定される。ステップS112において、解析処理を実施すると判定されたときには、処理はステップS113に移行する。ステップS112において、解析処理を実施しないと判定されたときには、処理はステップS102に戻る。
【0067】
ステップS113において、プロセッサ21は、解析対象画像について区画が登録済みであるか否か、つまり解析対象画像についての区画登録処理が実施済みであるか否かを判定する。ステップS113において、区画が登録済みであると判定されたときには、画像登録処理は終了する。この場合、処理は
図4のステップS4の解析処理に移行する。ステップS113において、区画が登録済みでないと判定されたときには、処理はステップS114に移行する。ここで、後で説明するが、区画登録処理では、それぞれの解析対象画像について管理番号と区画の情報とが対応付けられる。ステップS113の判定では、管理番号の対応付けが行われている場合には、区画の情報がなくても登録済みであると判定されてもよい。
【0068】
ステップS114において、プロセッサ21は、区画が登録済みでないことを示すエラーの通知をユーザに対して行う。エラーの通知は、例えばエラーメッセージを表示させることで行われ得る。その後、処理はステップS102に戻る。
【0069】
次に、区画登録処理について説明する。
図7は、区画登録処理について示すフローチャートである。ステップS201において、プロセッサ21は、区画登録画面を表示する。
図8は、区画登録画面の一例を示す図である。
【0070】
図8に示すように、区画登録画面500は、情報表示欄501と、解析実施範囲登録欄502と、区画登録欄503とを含む。また、区画登録画面500は、戻るボタン504と、解析実行ボタン505とを含む。
【0071】
情報表示欄501は、検査に関わる種々の情報が表示される表示欄である。情報表示欄501には、例えば情報表示欄401に表示されていた情報と同じ情報が表示され得る。必要に応じて、情報表示欄501に情報表示欄401とは異なる情報が表示されてもよい。
【0072】
解析実施範囲登録欄502は、検査モデル343による解析対象画像の解析の実施範囲を登録するための表示欄である。解析実施範囲登録欄502には、解析対象画像5021、拡大ボタン5022、全体選択ボタン5024が表示される。また、ユーザの操作により、解析対象画像5021には、実施範囲選択枠5023が表示され得る。
【0073】
解析対象画像5021は、画像登録処理において解析対象画像とされた画像のうち、区画登録処理の対象となっている画像である。複数の画像が同時に区画登録処理の対象となっているときには、複数の解析対象画像5021が同時に又は切り替えて表示され得る。この場合、拡大ボタン5022及び全体選択ボタン5024は、それぞれの解析対象画像5021について設けられていてもよい。
【0074】
拡大ボタン5022は、解析対象画像5021の拡大/縮小のために選択されるボタンである。拡大ボタン5022が選択される毎に解析実施範囲登録欄502に表示される解析対象画像5021の倍率が変更される。これにより、解析対象画像5021における捕虫紙に張り付いている害虫等のユーザによる視認が補助される。ここで、拡大によって表示しきれなくなった部分については例えばスクロール表示され得る。拡大ボタン5022の代わりに、拡大率の数値を入力するUI(User Interface)が備えられていてもよいし、その他のUIが備えられていてもよい。
【0075】
実施範囲選択枠5023は、ユーザによる解析対象画像5021に対するドラッグ操作を受けて表示され得る。実施範囲選択枠5023の範囲が検査モデル343による解析の実施範囲となる。
【0076】
全体選択ボタン5024は、解析対象画像5021における全範囲を解析の実施範囲とするためのボタンである。全体選択ボタン5024が選択された場合、解析対象画像5021の全範囲を含むように実施範囲選択枠5023が表示される。
【0077】
区画登録欄503は、解析対象画像5021についての区画を登録するための表示欄である。区画登録欄503には、解析対象画像5021についてのそれぞれの区画の情報に割り当てられた番号(No.)が表示される。また、区画登録欄503には、解析対象画像5021についての区画の情報として、管理番号、設置場所、全区画数、選択区画数、ステータスの入力欄5031が設けられている。
【0078】
管理番号は、捕虫器登録の際に割り当てられた番号である。前述したように、管理番号は、解析対象画像5021がどの捕虫器のどの捕虫紙の画像であるかを示す。
【0079】
設置場所は、対応する管理番号を有する捕虫器の設置場所の情報であって、捕虫器登録の際に登録された設置場所の情報である。
【0080】
全区画数は、解析対象画像5021の捕虫紙の区画の総数である。例えば、1枚の捕虫紙が10区画に分けられている場合、全区画数には「10」が登録され得る。
【0081】
選択区画数は、実施範囲選択枠5023に含まれる区画の数である。つまり、選択区画数は、検査モデル343による解析の実施範囲が何区画に該当するかを示す。ここで、区画の境界と実施範囲選択枠5023の境界とが一致している場合、選択区画数は整数値をとる。例えば、
図8では、選択区画数として「1」が登録されている。この場合、実施範囲選択枠5023は、捕虫紙に設定された1区画と一致している。一方で、区画の境界と実施範囲選択枠5023の境界とが一致していない場合には、選択区画数は小数値をとり得る。
【0082】
ステータスは、解析対象画像5021に対する検査モデル343による解析が実施済みであるか否かを示す。実施済みであるときには例えば「解析完了」がステータスに入力され、実施済みでないときには例えば「未実施」がステータスに入力される。ステータスへの情報の入力は、ユーザの操作によらずにプロセッサ21によって自動的に行われてよい。
【0083】
解析対象画像5021に対して区画の情報が関連付けられていないときには、管理番号、設置場所情報、全区画数、選択区画数、ステータスの入力欄5031はそれぞれ空欄である。その後のユーザによる編集によってそれぞれの入力欄5031に情報が登録され得る。そして、解析対象画像5021に対して区画の情報が関連付けられた後の区画登録処理の際には、管理番号、設置場所情報、全区画数、選択区画数、ステータスの入力欄5031には事前に関連付けられた情報が表示される。
【0084】
また、区画登録欄503には、編集ボタン5032が設けられている。編集ボタン5032は、管理番号、全区画数、選択区画数、ステータスの編集をするために選択されるボタンである。ユーザは、編集ボタン5032の選択後に管理番号、全区画数、選択区画数、ステータスの内容を編集し得る。
【0085】
また、区画登録欄503には、削除チェックボックス5033が設けられている。また、区画登録欄503には、削除ボタン5034が設けられている。削除ボタン5034が選択された場合、削除チェックボックス5033にチェックが入っている区画の情報が一括して削除される。
【0086】
戻るボタン504は、処理を画像登録処理に戻す際に選択されるボタンである。解析実行ボタン505は、処理を解析処理に進める際に選択されるボタンである。つまり、実施形態では、区画登録処理においても処理を解析処理に進めることができる。
【0087】
ここで、
図7の説明に戻る。ステップS201において区画登録画面500を表示した後のステップS202において、プロセッサ21は、解析対象画像5021を拡大表示又は縮小表示するか否かを判定する。例えば、拡大ボタン5022が選択された場合に拡大表示又は縮小表示すると判定される。ステップS202において、解析対象画像5021を拡大表示又は縮小表示すると判定されたときには、処理はステップS203に移行する。ステップS202において、解析対象画像5021を拡大表示又は縮小表示しないと判定されたときには、処理はステップS204に移行する。
【0088】
ステップS203において、プロセッサ21は、区画登録欄503に表示されている解析対象画像5021の倍率を変更することで、拡大表示又は縮小表示する。
【0089】
ステップS204において、プロセッサ21は、解析の実施範囲の指定がされたか否かを判定する。例えば、解析対象画像5021に対するドラッグ操作があったとき又は全体選択ボタン5024が選択されたときに解析の実施範囲の指定がされたと判定される。ステップS204において、解析の実施範囲の指定がされたときには、処理はステップS205に移行する。ステップS204において、解析の実施範囲の指定がなされていないときには、処理はステップS206に移行する。
【0090】
ステップS205において、プロセッサ21は、ユーザによって指定された範囲に実施範囲選択枠5023を表示する。また、プロセッサ21は、解析対象画像5021における実施範囲選択枠5023の座標の情報を解析の実施範囲の情報として登録する。
【0091】
ステップS206において、プロセッサ21は、区画の情報の編集をするか否かを判定する。例えば、編集ボタン5032が選択されたときに、区画の情報の編集をすると判定される。ステップS206において、区画の情報の編集をすると判定されたときには、処理はステップS207に移行する。ステップS206において、区画の情報の編集をしないと判定されたときには、処理はステップS208に移行する。
【0092】
ステップS207において、プロセッサ21は、ユーザの編集の操作に従って区画の情報を更新する。これに伴ってプロセッサ21は、それぞれの入力欄5031の表示も更新する。
【0093】
ステップS208において、プロセッサ21は、戻る操作がされたか否かを判定する。例えば、戻るボタン504が選択されたときには、戻る操作がされたと判定される。ステップS208において、戻る操作がされたと判定されたときには、区画登録処理は終了する。この場合、処理は画像登録処理に戻る。ステップS208において、戻る操作がされていないときには、処理はステップS209に移行する。
【0094】
ステップS209において、プロセッサ21は、解析処理を実施するか否かを判定する。例えば、解析実行ボタン505が選択されたときに、解析処理を実施すると判定される。ステップS209において、解析処理を実施すると判定されたときには、処理はステップS210に移行する。ステップS209において、解析処理を実施しないと判定されたときには、処理はステップS202に戻る。
【0095】
ステップS210において、プロセッサ21は、解析対象画像について区画が登録済みであるか否か、つまり解析対象画像についての区画登録処理が実施済みであるか否かを判定する。ステップS210において、区画が登録済みであると判定されたときには、画像登録処理は終了する。この場合、処理は
図4のステップS4の解析処理に移行する。ステップS210において、区画が登録済みでないと判定されたときには、処理はステップS211に移行する。ステップS210の判定では、管理番号の対応付けが行われている場合には、区画の情報がなくても登録済みであると判定されてもよい。
【0096】
ステップS211において、プロセッサ21は、区画が登録済みでないことを示すエラーの通知をユーザに対して行う。その後、処理はステップS202に戻る。
【0097】
次に、解析処理について説明する。
図9は、解析処理について示すフローチャートである。ステップS301において、プロセッサ21は、例えばウェブブラウザの害虫検査プログラム342の画面上に解析結果確認画面を表示する。
図10は、解析結果確認画面の一例を示す図である。
【0098】
図10に示すように、解析結果確認画面600は、情報表示欄601と、解析実行ボタン602と、状況表示欄603と、戻るボタン604と、報告書作成ボタン605とを含む。
【0099】
情報表示欄601は、検査に関わる種々の情報が表示される表示欄である。情報表示欄601には、例えば情報表示欄401及び501に表示されていた情報と同じ情報が表示され得る。必要に応じて、情報表示欄601に情報表示欄401及び501とは異なる情報が表示されてもよい。
【0100】
解析実行ボタン602は、検査モデル343による解析を実施する際に選択されるボタンである。解析実行ボタン602が選択された場合、端末2aからサーバ3に対して解析の実施要求が送信される。
【0101】
状況表示欄603には、検査モデル343による解析の結果を表示するための表示欄である。状況表示欄603は、対象表示欄6031と、ステータス表示欄6032と、画像表示欄6033と、修正状況表示欄6034とを含む。また、状況表示欄603には、スクロール表示のためのスクロールバー6035も表示される。
【0102】
対象表示欄6031は、それぞれの解析対象画像に対する各種の操作を行うためのUIが配された表示欄である。対象表示欄6031には、確認ボタン6031aが表示され得る。また、対象表示欄6031には、チェックボックス6031bが表示され得る。
【0103】
確認ボタン6031aは、管理番号が同一である解析対象画像について1つ表示され得る。確認ボタン6031aは、解析結果の確認又は編集のために選択されるボタンである。確認ボタン6031aが選択された場合、後で説明する確認/修正処理が開始される。ここで、確認ボタン6031aは、該当する管理番号の解析対象画像についてのステータスが「未実施」であるときには選択できないように構成されている。
【0104】
チェックボックス6031bは、管理番号が同一である解析対象画像について1つ表示され得る。チェックボックス6031bは、該当する管理番号のステータスが「未実施」であるときのみ表示される。チェックボックス6031bは、該当する管理番号の解析対象画像についての検査モデル343による解析を実施するか否かを選択するためのチェックボックスである。チェックボックス6031bにチェックが入れられた場合、該当する管理番号の解析対象画像は、検査モデル343による解析の実施対象になる。
【0105】
ステータス表示欄6032は、それぞれの解析対象画像についてのステータスを表示するための表示欄である。該当する解析対象画像についての解析が実施済みであるときには例えば「解析完了」がステータス表示欄6032に表示され、実施済みでないときには例えば「未実施」がステータス表示欄6032に表示される。
【0106】
画像表示欄6033は、画像登録処理において登録された解析対象画像の表示欄である。画像表示欄6033では、管理番号毎に解析対象画像が表示される。また、画像表示欄6033に表示される解析対象画像には、区画登録処理において登録された実施範囲選択枠も表示される。
【0107】
修正状況表示欄6034は、解析対象画像毎の解析結果に対してユーザの手動による修正がされたか否かを示す修正状況を表示するための表示欄である。該当の解析対象画像の解析結果についての修正がされているときには例えば「修正済み」が表示される。一方、該当の解析対象画像の解析結果についての修正がされていないときには、何も表示されない。
【0108】
戻るボタン604は、処理を画像登録処理に戻す際に選択されるボタンである。以下の
図9の説明では、説明が省略されるが、
図9の処理中に戻るボタン604が選択された場合には、
図9の解析処理は終了され、処理は
図4のステップS3の画像登録処理に戻る。報告書作成ボタン605は、処理を報告書作成処理に進める際に選択されるボタンである。
【0109】
ここで、
図9の説明に戻る。ステップS301において解析結果確認画面600を表示した後のステップS302において、プロセッサ21は、解析対象画像の選択又は選択の解除がされたか否かを判定する。チェックが入れられていないチェックボックス6031bが選択されたときには、解析対象画像の選択がされたと判定される。一方、チェックが入れられているチェックボックス6031bが選択されたときには、選択の解除がされたと判定される。ステップS302において、解析対象画像の選択又は選択の解除がされたと判定されたときには、処理はステップS303に移行する。ステップS302において、解析対象画像の選択又は選択の解除がされていないと判定されたときには、処理はステップS304に移行する。
【0110】
ステップS303において、プロセッサ21は、選択された解析対象画像を解析の実施対象のリストに追加する。または、プロセッサ21は、選択が解除された解析対象画像を解析の実施対象のリストから削除する。解析対象画像の選択があったときには、プロセッサ21は、チェックボックス6031bにチェックを入れる。一方、解析対象画像の選択の解除があったときには、プロセッサ21は、チェックボックス6031bからチェックを外す。
【0111】
ステップS304において、プロセッサ21は、検査モデル343による解析を実行するか否かを判定する。例えば、解析実行ボタン602が選択された場合に解析を実行すると判定される。ステップS304において、解析を実行すると判定されたときには、処理はステップS305に移行する。ステップS304において、解析を実行しないと判定されたときには、処理はステップS306に移行する。
【0112】
ステップS305において、プロセッサ21は、サーバ3に対して解析を要求する。このとき、プロセッサ21は、解析の実施対象のリストをサーバ3に送付する。このリストは、解析の実施対象の解析対象画像のファイル名、それぞれの解析対象画像に関連付けられた解析の実施範囲の情報及び区画の情報を含む。サーバ3のプロセッサ31は、端末2aからの要求を受けて解析の実施対象のリストを参照し、該当するファイルをストレージ34の撮影画像346から読み出す。そして、プロセッサ31は、読み出したファイルの画像を解析対象画像として検査モデル343に入力し、検査モデル343による解析を実施する。そして、プロセッサ31は、検査モデル343による解析結果を、解析を要求した端末2aに返す。これを受けて処理はステップS306に移行する。
【0113】
ステップS306において、プロセッサ21は、解析結果確認画面600の状況表示欄603の表示を更新する。例えば、プロセッサ21は、解析結果を受信した解析対象画像についてのステータスを「解析完了」に更新する。また、プロセッサ21は、該当の解析対象画像についての確認ボタン6031aを選択できるようにするとともに、該当の解析対象画像についてのチェックボックス6031bを非表示にする。
【0114】
ステップS307において、プロセッサ21は、解析結果の確認又は修正をするか否かを判定する。例えば、確認ボタン6031aが選択された場合には、解析結果の確認又は修正をすると判定される。ステップS307において、解析結果の確認又は修正をすると判定されたときには、処理はステップS308に移行する。ステップS307において、解析結果の確認又は修正をしないと判定されたときには、処理はステップS309に移行する。
【0115】
ステップS308において、プロセッサ21は、確認/修正処理を実施する。確認/修正処理の後、処理はステップS309に移行する。確認/修正処理については後で詳しく説明する。
【0116】
ステップS309において、プロセッサ21は、報告書作成処理を実施するか否かを判定する。例えば、報告書作成ボタン605が選択された場合に報告書作成処理を実施すると判定される。ステップS309において、報告書作成処理を実施すると判定されたときには、解析処理は終了する。この場合、処理は
図4のステップS5の報告書作成処理に移行する。ステップS309において、報告書作成処理を実施しないと判定されたときには、処理はステップS302に戻る。
【0117】
次に、確認/修正処理について説明する。
図11は、確認/修正処理について示すフローチャートである。ステップS401において、プロセッサ21は、例えばウェブブラウザの害虫検査プログラム342の画面上に確認/修正画面を表示する。
図12A及び
図12Bは、確認/修正画面の一例を示す図である。ここで、
図12Aは、確認/修正処理の直後に表示される確認/修正画面を示す。一方、
図12Bは、
図12Aの確認/修正画面を下側にスクロールすることで表示される確認/修正画面を示す。
【0118】
図12Aに示すように、確認/修正画面700の上側の画面は、情報表示欄701と、解析結果表示欄702と、戻るボタン703と、同定・計数修正ボタン704と、更新ボタン705とを含む。
【0119】
情報表示欄701は、検査に関わる種々の情報が表示される表示欄である。情報表示欄701には、例えば取引先名、設置場所、管理番号、調査方法及び捕獲実施日といった情報が表示され得る。これら以外の情報が情報表示欄701に表示されてもよいし、一部の情報が情報表示欄701に表示されなくてもよい。
【0120】
解析結果表示欄702は、選択された確認ボタン6031aと対応する解析対象画像についての解析結果を表示するための表示欄である。解析結果表示欄702は、種類表示欄7021、画像合計表示欄7022、区画数表示欄7023、係数チェックボックス表示欄7024、全体合計表示欄7025、全体変更表示欄7026を含む。
【0121】
種類表示欄7021は、解析対象画像において同定された害虫の種類の一覧を表示するための表示欄である。ここで、害虫の種類は、色分けされる等されてもよい。例えば、類似の種類の害虫は同じ色に分けられたり、危険度の高い害虫の色は他の害虫の色と区別されたりする等されてもよい。また、
図12に示す、「分類外」は、解析対象画像についての解析において例えば予測の信頼度が閾値以下であった等の特定の種類の害虫と同定できない場合に分類される種類である。「分類外」は必ずしも設けられていなくてもよい。
【0122】
画像合計表示欄7022は、害虫の種類毎の画像合計を表示するための表示欄である。画像合計は、解析対象画像内において同定されたそれぞれの害虫の合計の変更前と変更後の数値である。なお、2以上の解析対象画像について解析が実施されている場合、画像合計は、それぞれの解析対象画像についての合計をさらに合計したものである。また、変更前は、ユーザによって修正される前の合計である。ユーザによる修正が一度もされていないときには、変更前は、検査モデル343による解析の結果として得られた画像合計である。一方、変更後は、ユーザによって修正された後の合計である。さらに、変更の前後で捕虫紙全体の合計に大きな影響を与え得る画像合計については例えば枠7022aが表示されることで他と区別される。変更の前後で捕虫紙全体の合計に大きな影響を与える画像合計は、例えば1といった少ない数である。つまり、元が少数である場合には少ない変更であっても全体の合計に対する影響が大きくなる。このような変更が実施されてもよいかをユーザに確認させるため、このような区別のための表示がされる。
【0123】
区画数表示欄7023は、解析対象画像の区画数についての情報を表示するための表示欄である。区画数表示欄7023には、計測区画と全体区画とが表示され得る。計測区画は、解析対象画像の解析の実施範囲に含まれる区画の数であって、区画登録処理の際に登録された選択区画数に対応している。全体区画は、解析対象画像の対象の捕虫紙に設定された区画の数であって、区画登録処理の際に登録された全区画数に対応している。なお、2以上の解析対象画像について解析が実施されている場合、計測区画はそれぞれの解析対象画像についての選択区画数の合計である。一方、全体区画は、全区画数である。
【0124】
係数チェックボックス表示欄7024は、全体合計表示欄7025に表示される全体合計の計算に区画法を採用するか否かを選択するための係数チェックボックスの表示欄である。区画法は、捕虫紙の一部の区画における計数結果に基づいて捕虫紙の全区画における害虫の合計を計算する方法である。係数チェックボックスにチェックが入っている場合には、全体合計は区画法によって計算される。具体的には、(全体合計)=(画像合計)×(全体区画)/(計測区画)の計算によって全体合計が計算される。このように、実施形態では区画の情報を用いた区画法に基づく計算により、検査モデル343による解析の実施範囲における計数の結果である第1の計数結果から区画を単位とした計数の結果である第2の計数結果が計算され得る。なお、計算結果が小数であるときには、全体合計は、四捨五入された数値であり得る。一方、係数チェックボックスにチェックが入っていない場合には、全体合計は画像合計である。
【0125】
全体合計表示欄7025は、全体合計を表示するための表示欄である。係数チェックボックスにチェックが入っている害虫の全体合計は、区画法によって計算された捕虫紙の全体における該当の種類の害虫の合計である。係数チェックボックスにチェックが入っていない害虫の全体合計は、画像合計と同じである。
【0126】
全体変更表示欄7026は、ユーザによる全体合計の修正値の入力を受け付けるための入力欄を含む表示欄である。全体変更表示欄7026には、初期値として検査モデル343による解析の結果に基づく全体合計の値が表示される。ユーザは、全体変更表示欄7026における修正したい害虫の全体合計の値を直接又は増減アイコンの選択によって入力し得る。解析結果が反映された後は、全体変更表示欄7026にはユーザによって修正された全体合計の数が表示される。ここで、報告書に記入される計数結果は、全体変更表示欄7026に登録された全体合計であってよい。
【0127】
戻るボタン703は、処理を解析処理に戻す際に選択されるボタンである。同定・計数修正ボタン704は、処理を同定・計数修正処理に進める際に選択されるボタンである。更新ボタン705は、ユーザによる修正を反映した上で処理を解析処理に戻す際に選択されるボタンである。
【0128】
図12Bに示すように、確認/修正画面700の下側の画面は、解析結果編集欄706を含む。解析結果編集欄706は、解析結果に対する編集をするための表示欄である。解析結果編集欄706には、解析対象画像7061、種類表示欄7062、計数結果n表示欄7063、変更結果n表示欄7064、変更結果n入力欄7065、削除nチェックボックス表示欄7066が表示される。さらに、解析結果編集欄706には、計測区画数表示欄7067、集計対象チェックボックス7068、追加ボタン7069、削除ボタン7070が表示される。
【0129】
解析対象画像7061は、解析処理が実施された解析対象画像である。複数の解析対象画像について同時に解析処理が実施されているときには、複数の解析対象画像7061が表示され得る。
【0130】
種類表示欄7062は、解析対象画像7061において同定された害虫の解析対象画像において同定された害虫の種類の一覧を表示するための表示欄である。種類表示欄7062は、解析対象画像7061毎に設けられる。
【0131】
計数結果n表示欄7063は、n(nは正の整数)番目の解析対象画像7061についての検査モデル343による害虫の種類毎の計数結果の表示欄である。計数結果n表示欄7063は、解析対象画像7061毎に設けられる。
【0132】
変更結果n表示欄7064は、n番目の解析対象画像7061についてのユーザによって変更された害虫の種類毎の計数結果の表示欄である。ユーザによる計数結果の変更がされていないときには、変更結果n入力欄7064には、検査モデル343による害虫の種類毎の計数結果が表示される。変更結果n表示欄7064は、解析対象画像7061毎に設けられる。
【0133】
変更結果n入力欄7065は、n番目の解析対象画像7061についてのユーザによる計数結果の変更値の入力を受け付けるための入力欄である。変更結果n入力欄7026には、初期値として変更結果n表示欄7063に表示される計数結果の値が表示される。ユーザは、変更結果n入力欄7065における変更したい害虫の計数結果の値を直接又は増減アイコンの選択によって入力し得る。変更結果n入力欄7065における変更結果に伴い、前述した画像合計及び全体合計の値も変更され得る。変更結果n入力欄7065は、解析対象画像7061毎に設けられる。
【0134】
削除nチェックボックス7066は、n番目の解析対象画像7061についての害虫毎の計数結果を削除の対象とするか否かを選択するための削除チェックボックスの表示欄である。削除nチェックボックス7066は、解析対象画像7061毎に設けられる。
【0135】
計測区画数表示欄7067は、n番目の解析対象画像7061における計測区画の数、すなわち解析の実施範囲に含まれる区画の数の表示欄である。
【0136】
集計対象チェックボックス7068は、n番目の解析対象画像7061についての解析結果を集計対象とするか否かを選択するためのチェックボックスである。集計対象チェックボックス7068にチェックが入っている場合、n番目の解析対象画像7061についての解析結果は、解析結果表示欄702の表示の際の画像合計及び全体合計の集計対象となる。集計対象チェックボックス7068にチェックが入っていない場合、n番目の解析対象画像7061についての解析結果は、解析結果表示欄702の表示の際の集計対象から除外される。
【0137】
追加ボタン7069は、n番目の解析対象画像7061についての種類表示欄7062に表示されている害虫以外の種類の害虫を追加する際に選択されるボタンである。追加ボタン7069が選択された場合、例えば追加の害虫の種類を選択させるためのダイアログが表示される。ユーザは、このダイアログから追加すべき害虫の種類を選択する。これにより、n番目の解析対象画像7061について害虫の種類の項目が追加される。追加ボタン7069は、解析対象画像7061毎に設けられてもよいし、1つだけ設けられてもよい。
【0138】
削除ボタン7070は、n番目の解析対象画像7061についての解析結果を削除する際に選択されるボタンである。削除ボタン7070が選択された場合、削除チェックボックスにチェックが入っている区画の情報が一括して削除される。削除ボタン7070は、解析対象画像7061毎に設けられてもよいし、1つだけ設けられてもよい。
【0139】
ここで、
図11の説明に戻る。ステップS401において確認/修正画面700を表示した後のステップS402において、プロセッサ21は、ユーザによる修正の操作があるか否かを判定する。例えば、全体変更表示欄7026又は変更結果n入力欄7065への入力があった場合、削除ボタン7070が選択された場合に、ユーザによる修正の操作があると判定される。ステップS402において、ユーザによる修正の操作があると判定されたときには、処理はステップS403に移行する。ステップS402において、ユーザによる修正の操作がないと判定されたときには、処理はステップS404に移行する。
【0140】
ステップS403において、プロセッサ21は、ユーザによる修正の操作の内容に応じて確認/修正画面700を更新する。例えば、変更結果n入力欄7065において計数結果の変更がされた場合には、プロセッサ21は、画像合計表示欄7022の変更後の画像合計の値を更新するとともに、更新後の画像合計の値に基づいて全体合計の値を再計算する。そして、プロセッサ21は、再計算後の全体合計の値を全体変更表示欄7026に表示する。また、例えば係数チェックボックス表示欄7024の係数チェックボックスにチェックが入れられた又は係数チェックボックスからチェックが外された場合には、プロセッサ21は、区画法を使用して又は使用しないで全体合計の値を再計算する。そして、プロセッサ21は、再計算後の全体合計の値を全体変更表示欄7026に表示する。なお、ここでは表示の更新だけで実際の全体合計等の値は更新されない。
【0141】
ステップS404において、プロセッサ21は、同定・計数修正処理を実施するか否かを判定する。例えば、同定・計数修正ボタン704が選択された場合に、同定・計数修正処理を実施すると判定される。ステップS404において、同定・計数修正処理を実施すると判定されたときには、処理はステップS405に移行する。ステップS404において、同定・計数修正処理を実施しないと判定されたときには、処理はステップS406に移行する。
【0142】
ステップS405において、プロセッサ21は、同定・計数修正処理を実施する。同定・計数実施処理の後、処理はステップS406に移行する。同定・計数修正処理については後で詳しく説明する。
【0143】
ステップS406において、プロセッサ21は、ユーザによる修正を反映するか否かを判定する。例えば、更新ボタン705が選択された場合に、ユーザによる修正を反映すると判定される。ステップS406において、ユーザによる修正を反映すると判定されたときには、処理はステップS407に移行する。ステップS407において、ユーザによる修正を反映しないと判定されたときには、処理はステップS408に移行する。
【0144】
ステップS407において、プロセッサ21は、ユーザによる修正を反映する。例えば、全体合計の変更がされていたときには、プロセッサ21は、変更後の全体合計で変更前の全体合計を上書きする。その後、確認/修正処理は終了する。この場合、処理は
図9のステップS309に移行する。
【0145】
ステップS408において、プロセッサ21は、戻る操作がされたか否かを判定する。例えば、戻るボタン703が選択されたときには、戻る操作がされたと判定される。ステップS408において、戻る操作がされたと判定されたときには、確認/修正処理は終了する。この場合、ユーザによる修正は反映されずに確認/修正処理は終了する。そして、処理は
図9のステップS309に移行する。ステップS408において、戻る操作がされていないと判定されたときには、処理はステップS402に戻る。
【0146】
次に、同定・計数修正処理について説明する。
図13は、同定・計数修正処理について示すフローチャートである。ステップS501において、プロセッサ21は、例えばウェブブラウザの害虫検査プログラム342の画面上に同定・計数修正画面を表示する。
図14は、同定・計数修正画面の一例を示す図である。
【0147】
図14に示すように、同定・計数修正画面800は、修正対象画像表示欄801と、拡大/縮小UI802と、診断結果一覧表示欄803と、画像選択欄804と、戻るボタン805と、更新ボタン806とを含む。
【0148】
修正対象画像表示欄801は、解析対象画像のうちの同定・計数修正処理の対象になっている修正対象画像8011の表示欄である。修正対象画像8011は、画像選択欄804で選択された解析対象画像である。また、修正対象画像表示欄801には、同定範囲識別枠8012が表示される。同定範囲識別枠8012は、解析対象画像のうちの検査モデル343において同定された箇所を示す枠である。また、修正対象画像表示欄801にはスクロールバー8013が設けられている。スクロールバー8013は、修正対象画像8011をスクロール表示させる際に選択され得る。
【0149】
拡大/縮小UI802は、修正対象画像8011の拡大/縮小操作のためのUIである。
図13では、拡大/縮小UI802としてスライダ8021が設けられている。ユーザによるスライダの操作によって任意の拡大率が指定され得る。スライダ8021の代わりに又はスライダ8021とともに、拡大ボタン及びや拡大率の数値を入力するUI等が備えられていてもよい。
【0150】
診断結果一覧表示欄803は、修正対象画像8011についての検査モデル343による解析結果が表示される表示欄である。診断結果一覧表示欄803には、それぞれの同定範囲識別枠8012において同定された害虫の種類の一覧8031が表示される。一覧は、同定範囲識別枠8012と対応付けられた番号と、対応する同定範囲識別枠8012における同定結果としての害虫の種類の名称とを含む。そして、それぞれ同定結果の近傍には選択のためのラジオボタン8031aが設けられている。さらに、それぞれの同定結果としての害虫の種類の名称の表示はドロップダウンリスト8031bとして構成されている。ドロップダウンリスト8031bが選択された場合、害虫のリストが表示される。ユーザはこの害虫のリストの中から自身の望む害虫の種類を選択し得る。また、それぞれの同定結果としての害虫の種類の名称の近傍には削除ボタン8031cも設けられている。削除ボタン8031cが選択された場合は、対応する行の同定結果が削除される。
【0151】
また、診断結果一覧表示欄803には、追加ボタン8032、削除ボタン8033及び害虫種類追加ボタン8034が表示される。追加ボタン8032は、害虫の種類の一覧8031に表示されていない害虫の情報を追加する際に選択されるボタンである。追加ボタン8032が選択された場合、例えば末尾に新たな番号の行が追加される。削除ボタン8033は、修正対象画像8011についての同定結果を一括して削除する際に選択されるボタンである。害虫種類追加ボタン8034は、害虫のリストになり害虫の情報を追加する際に選択されるボタンである。害虫種類追加ボタン8034が選択された場合、害虫の種類を追加するためのダイアログが表示される。
【0152】
画像選択欄804は、修正対象画像を選択するための表示欄である。画像選択欄804には、解析対象画像のうちの同定・計数修正処理の対象になっている画像のプレビュー8051が表示される。画像のプレビュー8051のうちで選択中の画像は例えば太枠表示される。また、画像選択欄804には、送りボタン8042及び戻しボタン8043も表示される。送りボタン8042は、選択中の画像を1つ進める際に選択されるボタンである。戻しボタン8043は、選択中の画像を1つ戻す際に選択されるボタンである。ユーザは、送りボタン8042及び戻しボタン8043によって画像の切り替えを行い得る。画像の送り又は戻しはフリック操作等に応じて行われてもよい。
【0153】
戻るボタン805は、処理を確認/修正処理に戻す際に選択されるボタンである。更新ボタン806は、ユーザによる修正を反映した上で処理を確認/修正処理に戻す際に選択されるボタンである。
【0154】
ここで、
図13の説明に戻る。ステップS501において同定・計数修正画面800を表示した後のステップS502において、プロセッサ21は、修正対象画像8011を拡大表示又は縮小表示するか否かを判定する。例えば、スライダ8021が操作された場合に拡大表示又は縮小表示すると判定される。ステップS502において、修正対象画像8011を拡大表示又は縮小表示すると判定されたときには、処理はステップS503に移行する。ステップS502において、修正対象画像8011を拡大表示又は縮小表示しないと判定されたときには、処理はステップS504に移行する。
【0155】
ステップS503において、プロセッサ21は、修正対象画像表示欄801に表示されている修正対象画像8011の倍率を変更することで、拡大表示又は縮小表示する。
【0156】
ステップS504において、プロセッサ21は、害虫の種類の一覧8031における何れかのラジオボタン8031aの選択又は何れかの同定範囲識別枠8012の選択がされたか否かを判定する。ステップS504において、害虫の種類の一覧8031における何れかのラジオボタン8031aの選択又は何れかの同定範囲識別枠8012の選択がされたときには、処理はステップS505に移行する。ステップ504において、ラジオボタン8031aの選択又は同定範囲識別枠8012の選択がされていないときには、処理はステップS506に移行する。
【0157】
ステップS505において、プロセッサ21は、選択に応じて同定・計数修正画面800に選択表示をする。例えば、ラジオボタン8031aが選択された場合、プロセッサ21は、選択されたラジオボタン8031aに対応した同定結果を選択中表示にする。また、プロセッサ21は、選択されたラジオボタン8031aに対応した同定範囲識別枠8012を選択中表示にする。また、例えば同定範囲識別枠8012が選択された場合、プロセッサ21は、選択された同定範囲識別枠8012を選択中表示にする。また、プロセッサ21は、選択された同定範囲識別枠8012に対応した同定結果を選択中表示にする。
【0158】
ステップS506において、プロセッサ21は、ユーザによる修正の操作がされたか否かを判定する。例えば、ドロップダウンリスト8031bが選択された場合には、ユーザによる修正の操作がされたと判定される。ステップS506において、ユーザによる修正の操作がされたと判定されたときには、処理はステップS507に移行する。ステップS506において、ユーザによる修正の操作がされていないと判定されたときには、処理はステップS508に移行する。
【0159】
ステップS507において、プロセッサ21は、ユーザによる修正に応じて同定・計数修正画面800を更新する。例えば、ドロップダウンリスト8031bによって害虫の種類の変更がされた場合には、プロセッサ21は、害虫の種類の名称の表示を更新する。なお、ここでは表示の更新だけで実際の全体合計等の値は更新されない。
【0160】
ステップS508において、プロセッサ21は、害虫の種類の追加をするか否かを判定する。例えば、害虫種類追加ボタン8034が選択された場合には、害虫の種類の追加をすると判定される。ステップS508において、害虫の種類の追加をすると判定されたときには、処理はステップS509に移行する。ステップS508において、害虫の種類の追加をしないと判定されたときには、処理はステップS510に移行する。
【0161】
ステップS509において、プロセッサ21は、ユーザの操作に応じて害虫のリストに害虫の種類の名称を追加する。
【0162】
ステップS510において、プロセッサ21は、修正対象画像の変更の操作がされたか否かを判定する。例えば、送りボタン8042及び戻しボタン8043が選択された場合には、修正対象画像の変更がされたと判定される。ステップS510において、修正対象画像の変更の操作がされたと判定されたときには、処理はステップS511に移行する。ステップS510において、修正対象画像の変更の操作がされていないと判定されたときには、処理はステップS512に移行する。
【0163】
ステップS511において、プロセッサ21は、ユーザの操作に応じて修正対象画像を変更する。これに伴ってプロセッサ21は、同定・計数修正画面800を更新する。例えば、プロセッサ21は、修正対象画像表示欄801に変更後の修正対象画像8011を表示する。また、プロセッサ21は、診断結果一覧表示欄803に表示する同定結果を変更後の修正対象画像8011についての同定結果に変更する。
【0164】
ステップS512において、プロセッサ21は、ユーザによる修正を反映するか否かを判定する。例えば、更新ボタン806が選択された場合に、ユーザによる修正を反映すると判定される。ステップS512において、ユーザによる修正を反映すると判定されたときには、処理はステップS513に移行する。ステップS512において、ユーザによる修正を反映しないと判定されたときには、処理はステップS514に移行する。
【0165】
ステップS513において、プロセッサ21は、ユーザによる修正を反映する。例えば、害虫の種類の変更がされていたときには、プロセッサ21は、変更後の害虫の種類に基づいて画像合計及び全体合計を再計算し、再計算した画像合計及び全体合計で変更前の画像合計及び全体合計を上書きする。その後、同定・計数修正処理は終了する。この場合、処理は
図11のステップS406に移行する。
【0166】
ステップS514において、プロセッサ21は、戻る操作がされたか否かを判定する。例えば、戻るボタン805が選択されたときには、戻る操作がされたと判定される。ステップS514において、戻る操作がされたと判定されたときには、同定・計数修正処理は終了する。この場合、ユーザによる修正は反映されずに同定・計数修正処理は終了する。そして、処理は
図11のステップS406に移行する。ステップS514において、戻る操作がされていないと判定されたときには、処理はステップS502に戻る。
【0167】
以上説明したように実施形態によれば、捕虫紙の画像に基づく検査から報告書の作成までの処理は1つのアプリケーション上の処理として実施される。このため、PCOは、処理の流れに従って検査から報告書の作成までの一連の作業を行い得る。これにより、PCOによる害虫の検査に関わる作業負担が大きく軽減される。
【0168】
また、実施形態によれば、捕虫紙の画像に基づく害虫の同定及び計数は検査モデルによって実施される。これによってもPCOによる害虫の検査に関わる負担が軽減される。さらには、検査モデルによる同定及び計数結果はユーザが修正し得る。AIを用いた検査モデルは、統計的な手法によって解析をするため、理論上、100%の解析結果を導出することはできない。検査モデルによる結果をユーザによって修正できるようにすることでより正しい解析結果に基づいて報告書が作成され得る。また、PCOは、誤りの確認をするだけでよく、作業負担も小さい。
【0169】
さらには、実施形態では、PCOに区画の情報を登録させることにより、区画法での計数結果が提示され得る。区画法であれば、捕虫紙の全域に対する検査は不要である。一方で、捕虫紙の一部の検査だけである場合、検査が実施された範囲が何区画に該当しているかを検査モデルが認識することは困難である。実施形態では、PCOによる区画の情報の入力によって解析の実施範囲と区画との対応情報が入力されることにより、簡易な処理で解析の実施範囲と区画との対応付けが行われ、区画法に基づく計数結果が正しく計算され得る。
【0170】
[変形例]
以下、変形例を説明する。前述した実施形態では、各種の画面が表示されているが、これらの画面はあくまでも例であって、適宜に変更され得る。例えば、それぞれの画面に現在の処理がステップS1-S6で示した全体処理の中のどの処理かを示す表示がされてもよい。また、この表示において、各処理にリンクが設定されていて、リンクの選択によって処理が遷移するように構成されていてもよい。また、取引先の選択の際に、それぞれの取引先毎の処理の進捗が表示されてもよい。この場合において、仕掛中の取引先が選択された場合には、ステップS1-S6の順番によらずに直接的に該当の処理への遷移が行われてもよい。
【0171】
また、前述した実施形態では、害虫検査プログラムは、端末2aのウェブブラウザ上で実行されるプログラムとされている。前述したように、害虫検査プログラムは、サーバにおいて実行されるプログラムであってもよい。
【0172】
また、上述した実施形態による各処理は、コンピュータであるプロセッサ21又は31に実行させることができるプログラムとして記憶させておくこともできる。この他、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に格納して配布することができる。そして、プロセッサ21又は31は、この外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行することができる。
【0173】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0174】
1 システム、2a,2b 端末、3 サーバ、21 プロセッサ、22 ROM、23 RAM、24 ストレージ、25 入力インターフェース、26 ディスプレイ、27 カメラ、28 通信モジュール、31 プロセッサ、32 ROM、33 RAM、34 ストレージ、35 入力インターフェース、36 ディスプレイ、37 通信モジュール、241 OS、341 OS、342 害虫検査プログラム、343 検査モデル、344 取引先情報、345 ユーザ情報、346 撮影画像、347 報告書。