(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160309
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】簡易間仕切り
(51)【国際特許分類】
A47G 5/00 20060101AFI20231026BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20231026BHJP
A47B 96/04 20060101ALN20231026BHJP
【FI】
A47G5/00 G
E04B2/74 561H
A47B96/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070575
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】大山 慧
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 徹
(72)【発明者】
【氏名】國師 誠
(72)【発明者】
【氏名】光谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】柳森 正
(72)【発明者】
【氏名】小山 豊
(57)【要約】
【課題】簡易的な間仕切りの梱包形態をコンパクトにでき,かつ,簡易間仕切りの高さを変更できるようにする。
【解決手段】簡易間仕切り1は,正面パネル100の両側に側面パネル101を連設した複数の帯状パネル10と,帯状パネル10の連結に用いる複数の連結パネル11を備える。帯状パネル10は,上辺と下辺それぞれに,第1の折罫線102を挟んで対向する第1の溝状切欠き対104R,Lを備え,連結パネル11は,上辺と下辺それぞれに,第1の溝状切欠き対104R,Lに嵌め込む第2の溝状切欠き対110R,Lを備える。簡易間仕切り1では,連結パネル11を利用して上下となる帯状パネル10を連結させることで,複数の帯状パネル10が段積みされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面パネルの両側に側面パネルを連設し,前記正面パネルのサイズを,前記側面パネルを横に2つ並べたサイズにした複数の帯状パネルと,前記帯状パネルの連結に用いる複数の連結パネルを備え,
前記帯状パネルは,前記正面パネルと前記側面パネルの境となる第1の折罫線と,前記正面パネルを幅方向に二分する第2の折罫線と,上辺と下辺それぞれに,前記第1の折罫線を挟んで対向する第1の溝状切欠き対を備え,前記連結パネルは,上辺と下辺それぞれに,前記第1の溝状切欠き対に嵌め込む第2の溝状切欠き対を備え,
前記正面パネルに対して前記側面パネルを所定角度で折り曲げた状態で,前記帯状パネルの上辺にある前記第1の溝状切欠き対に前記連結パネルの下辺にある前記第2の溝状切欠き対が嵌め込まれ,この前記連結パネルの上辺に設けられた前記第2の溝状切欠き対に上段とする前記帯状パネルの下辺にある前記第1の溝状切欠き対が嵌め込まれることで,前記連結パネルにより複数の前記帯状パネルが段積みされている,
ことを特徴とする簡易間仕切り。
【請求項2】
前記第2の折罫線を挟んで対向する第3の溝状切欠き対を前記帯状パネルの上辺および下辺それぞれに設け,
前記帯状パネルの上辺にある前記第3の溝状切欠き対に前記連結パネルの下辺にある前記第2の溝状切欠き対が嵌め込まれ,この前記連結パネルの上辺に設けられた前記第2の溝状切欠き対に上段とする前記帯状パネルの下辺にある前記第3の溝状切欠き対が嵌め込まれている,
ことを特徴とする請求項1に記載した簡易間仕切り。
【請求項3】
モバイル端末を収納する収納ポケットを前面に設け,複数の係止溝を円弧の部分に設けた扇形切欠きを両側面それぞれに設けた端末ホルダを備え,前記係止溝の1つを利用して最上段になる前記帯状パネルの上辺に前記端末ホルダが係止されている,
ことを特徴とする請求項1または2に記載した簡易間仕切り。
【請求項4】
前記収納ポケットを形成するためのパネルと前記扇形切欠きを有するパネルを含む1枚のパネルを折ることで前記端末ホルダが組み立てられていることを特徴とする,請求項3に記載した簡易間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は,半プライベートな空間を簡単に構築できる簡易的な間仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
新型ウィルスによる感染症が世界的に流行したことを受けて,ICT(Information and Communication Technology)を活用した新しい生活様式(「ニューノーマル」とも称される)が急速に普及した。ICTを活用した新しい生活様式では,これまで所定の場所に出向いて行っていたことを,所定の場所に出向くことなく行えるようになった。このような新しい生活様式としては,例えば,仕事の分野ではテレワークが普及し,教育の分野ではオンライン授業が普及している。これ以外にも,リモート飲み会およびリモート帰省なども注目されている。
【0003】
ICTを活用した新しい生活様式では,Web会議(ビデオ会議)およびライブ配信などの映像を利用することが多い。ICTを活用した新しい生活様式に係る映像を,関係者以外に見せたくない場合がある。例えば,テレワークを自宅で行う場合,テレワークで行うWeb会議の映像を家族に見られなくする工夫が必要になる。
【0004】
このことからして,ICTを活用した新しい生活様式では,ICTを活用した新しい生活様式を行う場所に半プライベートな空間を簡単に構築できることが望ましい。新型ウィルスによる感染症の防止対策を目的とした発明ではあるが,本出願人は,すでに,特許文献1などにおいて,卓上に半プライベートな空間を簡単に構築できる簡易的な間仕切り(パーティション,衝立などと称されることもある。)を開示している。また,この簡易的な間仕切りは,特許文献3などでも開示されている。
【0005】
従来の簡易的な間仕切りは,正面パネルの両側に側面パネルを連設し,正面パネルと側面パネルの境を折り曲げ可能に構成されている。上から見たときの形状がU字形になるように,正面パネルと側面パネルの境を折り曲げることで,簡易的な間仕切りを卓上に立設できる。また,正面パネルに重ねるように側面パネルを折り曲げることで,簡易的な間仕切りを平な状態にできる。簡易的な間仕切りを平な状態にすることで,簡易的な間仕切りの梱包形態をコンパクトにできる。特許文献2で開示された簡易的な間仕切りは,梱包形態をA4サイズにできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-12081号公報
【特許文献2】実用新案登録第3231846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら,簡易的な間仕切りに係る従来の技術では,簡易的な間仕切りの梱包形態をコンパクトにできることは考慮されているが,簡易的な間仕切りの高さを変更できることは考慮されていない。ICTを活用した新しい生活様式を考慮すると,ICTを活用した新しい生活様式を行う環境または人に合わせて,簡易的な間仕切りの高さを変更できることが望ましい。
【0008】
そこで,本願では,簡易的な間仕切りの梱包形態をコンパクトにでき,かつ,簡易間仕切りの高さを変更できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する本願は,正面パネルの両側に側面パネルを連設し,前記正面パネルのサイズを,前記側面パネルを横に2つ並べたサイズにした複数の帯状パネルと,前記帯状パネルの連結に用いる複数の連結パネルを備えた簡易間仕切りに係る発明である。本願に係る簡易間仕切りおいて,前記帯状パネルは,前記正面パネルと前記側面パネルの境となる第1の折罫線と,前記正面パネルを幅方向に二分する第2の折罫線と,上辺と下辺それぞれに,前記第1の折罫線を挟んで対向する第1の溝状切欠き対を備える。前記連結パネルは,上辺と下辺それぞれに,前記第1の溝状切欠き対に嵌め込む第2の溝状切欠き対を備える。本願に係る簡易間仕切りにおいて,前記正面パネルに対して前記側面パネルを所定角度で折り曲げた状態で,前記帯状パネルの上辺にある前記第1の溝状切欠き対に前記連結パネルの下辺にある前記第2の溝状切欠き対が嵌め込まれ,この前記連結パネルの上辺に設けられた前記第2の溝状切欠き対に上段とする前記帯状パネルの下辺にある前記第1の溝状切欠き対が嵌め込まれる。このことにより,本願に係る簡易間仕切りでは,前記連結パネルにより複数の前記帯状パネルが段積みされる。
本願に係る簡易間仕切りでは,前記第1の折罫線と前記第2の折罫線を利用して,前記帯状パネルを折り畳むことで,本願に係る簡易間仕切りの梱包形態を前記側面パネルのサイズまでコンパクトにできる。また,本願に係る簡易間仕切りでは,前記帯状パネルを段積みする段数を変更することで,本願に係る簡易間仕切りの高さを調整できる。なお,本願に係る簡易間仕切りでは,前記正面パネルに対して前記側面パネルを所定角度で折り曲げて連結した状態は,前記連結パネルにより維持される。
【0010】
本願に係る簡易間仕切りでは,前記第2の折罫線を挟んで対向する第3の溝状切欠き対を前記帯状パネルの上辺および下辺それぞれに設け,前記帯状パネルの上辺にある前記第3の溝状切欠き対に前記連結パネルの下辺にある前記第2の溝状切欠き対を嵌め込み,この前記連結パネルの上辺に設けられた前記第2の溝状切欠き対に上段とする前記帯状パネルの下辺にある前記第3の溝状切欠き対を嵌め込むことが望ましい。このようにすると,前記正面パネルに前記第2の折罫線を設けても,衝撃により前記正面パネルが折れ曲りにくくなる。
【0011】
更に,本願に係る簡易間仕切りでは, モバイル端末を収納する収納ポケットを前面に設け,複数の係止溝を円弧の部分に設けた扇形切欠きを両側面それぞれに設けた端末ホルダを備え,前記係止溝の1つを利用して最上段になる前記帯状パネルの上辺に前記端末ホルダを係止することが望ましい。本願に係る簡易間仕切りに前記端末ホルダを設けることで,モバイル端末のフロントカメラを利用できる。なお,前記端末ホルダは,前記収納ポケットを形成するためのパネルと前記扇形切欠きを有するパネルを含む1枚のパネルを折ることで組み立てられていることが好適である。
【発明の効果】
【0012】
本願に係る簡易間仕切りは,第1の折罫線と第2の折罫線を利用して帯状パネルを折り畳むことで,簡易的な間仕切りの梱包形態を側面パネルのサイズまでコンパクトにできる。例えば,側面パネルのサイズをA4サイズにすれば,簡易的な間仕切りの梱包形態をA4サイズにできる。また,前記連結パネルにより,前記正面パネルに対して前記側面パネルを所定角度で折り曲げた状態を維持して前記帯状パネルを段積みできるようにすることで,本願に係る簡易間仕切りでは,前記帯状パネルを段積みする段数を変更することで,本願に係る簡易間仕切りの高さを調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図9】端末ホルダの組み立てに用いるホルダパネルを説明する図。
【
図10】端末ホルダに収納するモバイル端末の傾きを小さくした図。
【
図11】端末ホルダに収納するモバイル端末の傾きを大きくした図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここから,本願に係る実施形態について記載する。この実施形態は,本願に係る発明の理解を容易にするためのものである。本願に係る発明は,実施形態の内容に限定されるものではない。また,特に断りのない限り,図面は,本願に係る発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0015】
図1は,実施形態に係る簡易間仕切り1を説明する図である。
図2は,実施形態に係る帯状パネル10を説明する図である。
図3は,実施形態に係る連結パネル11を説明する図である。
図4は,簡易間仕切り1の組み立て方を説明する図である。
【0016】
図1で図示した通り,実施形態に係る簡易間仕切り1は,正面パネル100の両側に側面パネル101を連設した複数の帯状パネル10と,2枚の帯状パネル10を高さ方向に連結するための複数の連結パネル11を備える。
【0017】
実施形態に係る簡易間仕切り1において,連結パネル11により複数の帯状パネル10は,簡易間仕切り1の高さが所望する高さになるまで段積みされている。本願に係る発明では,帯状パネル10を段積みする段数を限定しないが,
図1において,帯状パネル10は3段で段積みされている。
【0018】
実施形態に係る簡易間仕切り1において,連結パネル11は,複数の帯状パネル10を高さ方向で連結するパネルになる。簡易間仕切り1が備える連結パネル11の枚数は,帯状パネル10を段積みしたときの連結箇所の総数になる。実施形態において,帯状パネル10の連結箇所は,正面パネル100の左右2箇所になる。
図1では,帯状パネル10は3段で段積みしているため,帯状パネル10の連結箇所の総数は4箇所で,簡易間仕切り1が備える連結パネル11の枚数は4枚になる。
【0019】
実施形態に係る簡易間仕切り1では,溝状切欠きを利用して帯状パネル10が連結している。実施形態に係る帯状パネル10には,正面パネル100と側面パネル101の境となる第1の折罫線102と,上辺と下辺それぞれに,第1の折罫線102を挟んで対向する第1の溝状切欠き対104R,Lが設けられている。連結パネル11には,上辺と下辺それぞれに,帯状パネル10の第1の溝状切欠き対104R,Lに嵌め込む第2の溝状切欠き対110R,Lが設けられている。
【0020】
帯状パネル10に設けた第1の溝状切欠き対104R,Lに連結パネル11に設けられた第2の溝状切欠き対110R,Lを嵌め込む際,側面パネル101は,正面パネル100に対して所定角度で折り曲げられる。正面パネル100に対して側面パネル101を所定角度で折り曲げた状態で,帯状パネル10に設けた第1の溝状切欠き対104R,Lに連結パネル11に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lを嵌め込むことで,正面パネル100に対して側面パネル101を所定角度で折り曲げた状態を維持しつつ,連結パネル11により2枚の帯状パネル10を連結できる。
【0021】
実施形態に係る簡易間仕切り1を構成するパネルについて説明する。
図2,3で図示した通り,帯状パネル10と側面パネル101は平らな一枚のパネルである。ICTを活用した新しい生活様式を行う場所に半プライベートな空間を構築することを考慮すると,少なくとも帯状パネル10の素材には,不透明な素材を利用することが好適である。例えば,厚さ3mmの段ボールを帯状パネル10の素材として利用できる。連結パネル11の素材を帯状パネル10の素材と同じすることが好適であるが,アクリルなどの透明なプラスチックを連結パネル11の素材に用いることもできる。なお,実施形態に係る簡易間仕切り1では,写真やイラスト広告などを帯状パネル10と側面パネル101に印刷することで,実施形態に係る簡易間仕切り1のカスタマイズが容易に可能である。
【0022】
図2で図示した帯状パネル10は,高さ方向に延びる2本の第1の折罫線102により,1枚の正面パネル100と2枚の側面パネル101に分割されている。本実施形態において,側面パネル101のサイズは横向きのA4サイズになっている。正面パネル100は,横向きのA4サイズの側面パネル101を横方向に2つ並べたサイズになっている。実施形態では,幅方向に二分する第2の折罫線103を正面パネル100に設け,簡易間仕切り1の梱包形態をA4サイズにできるようにしている。簡易間仕切り1の梱包形態をA4サイズに収めると,簡易間仕切り1の配送に書籍の物流を利用できる。
【0023】
帯状パネル10の上辺と下辺それぞれには,第1の折罫線102を挟んで対向する第1の溝状切欠き対104R,Lが設けられている。第1の溝状切欠き対104R,Lの間隔が長いと,連結パネル11のサイズが大きくなってしまう。本実施形態では,側面パネル101のサイズを横向きのA4サイズにし,第1の溝状切欠き対104R,Lの間隔を,横向きのA4サイズの幅を半分にした約150mmにしている。
【0024】
図3で図示した通り,連結パネル11の上辺と下辺それぞれには,帯状パネル10に設けられた第1の溝状切欠き対104R,Lに嵌め込む第2の溝状切欠き対110R,Lが設けられる。連結パネル11の上辺に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lの下端から,連結パネル11の下辺に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lの上端までの長さは,第1の溝状切欠き対104R,Lの長さの倍になっている。これは,帯状パネル10の第1の溝状切欠き対104R,Lに連結パネル11の第2の溝状切欠き対110R,Lを嵌め込んで2枚の帯状パネル10を連結させたとき,2枚の帯状パネル10の隙間をなくすためである。
【0025】
連結パネル11に設けられた第2の溝状切欠き対110R,Lは,正面パネル100に対して側面パネル101を所定角度で折り曲げた状態で,帯状パネル10に設けた第1の溝状切欠き対104R,Lに嵌め込まれる。このことにより,
図3で示した通り,連結パネル11に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lの間隔は,正面パネル100に対して側面パネル101を所定角度で折り曲げた状態において,第1の溝状切欠き対104R,Lに係る直線距離dに相当する。
【0026】
正面パネル100に対して側面パネル101を折曲げる所定角度としては,約90度が好適である。正面パネル100に対して側面パネル101を折曲げる所定角度を約90度,第1の溝状切欠き対104R,Lの間隔を約150mmとした場合,連結パネル11に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lの間隔は約106mmになる。実施形態において,連結パネル11は,高さが約120mm,幅が約150mmの略矩形になっている。
【0027】
図4を参照しながら,
図1で図示した簡易間仕切り1の組み立て方について説明する。
図1で図示した簡易間仕切り1の組み立てる際,まず,正面パネル100に対して側面パネル101を所定角度で折り曲げる(
図4の(a))。次に,正面パネル100に対して側面パネル101を所定角度で折り曲げた状態で,帯状パネル10の上辺に設けた第1の溝状切欠き対104R,Lに連結パネル11の下辺に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lを嵌め込む(
図4(b))。次に,上段とする帯状パネル10の側面パネル101を折り曲げ,上段とする帯状パネル10の下辺に設けた第1の溝状切欠き対104R,Lを,連結パネル11の上辺にある第2の溝状切欠き対110R,Lに嵌め込むことで,上段になる帯状パネル10を段積みする(
図4(c))。帯状パネル10を段積みした高さが所望する高さになるまで,
図4(c)を繰り返すことで,所望する高さの簡易間仕切り1を組み立てることができる。
【0028】
[変形例1]
ここから,実施形態に係る簡易間仕切り1の変形例1について説明する。
図5では,変形例1に係る簡易間仕切り2を説明する図である。
図6は,変形例1に係る帯状パネル20を説明する図である。
図5および
図6では,実施形態と同じ要素については同じ符号を付けている。
【0029】
変形例1に係る簡易間仕切り2は,幅方向で二等分する第2の折罫線103を設けた変形例1に係る正面パネル200の姿勢を維持できるように構成されている。すでに上述している通り,幅方向で二等分する第2の折罫線103を設けるのは,第2の折罫線103を利用して変形例1に係る正面パネル200を折り畳むことで,変形例1に係る正面パネル200の梱包形態を半分のサイズにするためである。例えば,変形例1に係る正面パネル200のサイズを,横向きのA4サイズになっている側面パネル101を横方向に2つ並べたサイズにすると,第2の折罫線103を利用して変形例1に係る正面パネル200を折り畳んだサイズを側面パネル101と同じA4サイズにできる。
【0030】
第2の折罫線103を変形例1に係る正面パネル200に設けると,変形例1に係る簡易間仕切り2を組み立て状態で,変形例1に係る正面パネル200が第2の折罫線103の箇所で折れ易くなってしまう。このことを防止するため,変形例1に係る簡易間仕切り2では,連結パネル11を用いて,変形例1に係る正面パネル200が折れ易くなるのを防止している。
【0031】
図6で図示した通り,変形例1に係る帯状パネルは,実施形態に係る簡易間仕切り1を構成する帯状パネル10に,第2の折罫線103を挟んで対向する第3の溝状切欠き対201R,Lを設けたパネルになっている。なお,変形例1に係る簡易間仕切り2を構成する連結パネル11については,実施形態と同じである。
【0032】
図5で図示した通り,変形例1に係る簡易間仕切り2では,連結パネル11の下辺に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lを,変形例1に係る帯状パネル20の上辺に設けた第3の溝状切欠き対201R,Lに嵌め込むことで,変形例1に係る正面パネル200の姿勢を固定する。このことにより,変形例1に係る簡易間仕切り2では,第3の溝状切欠き対201R,Lの間隔と,第2の溝状切欠き対110R,Lに係る間隔はほぼ同じでよい。なお,変形例1に係る簡易間仕切り2では,変形例1に係る正面パネル200の姿勢を維持するために連結パネル11を使用するため,変形例1に係る簡易間仕切り2で使用する連結パネル11の枚数は増え,合計で6枚である。
【0033】
変形例1に係る簡易間仕切り2の組み立て方は,
図4と同様であるが,
図4(b)において,変形例1に係る帯状パネル20の上辺に設けた第3の溝状切欠き対201R,Lに連結パネル11の下辺に設けた第2の溝状切欠き対110R,Lを嵌め込むことが必要になる。更に,
図4(c)において,連結パネル11の上辺に設けられた110R,Lに,変形例1に係る帯状パネル20の下辺に設けた第3の溝状切欠き対201R,Lを嵌め込むことが必要になる。
【0034】
[変形例2]
ここから,実施形態に係る簡易間仕切り1の変形例2について説明する。
図7は,変形例2に係る簡易間仕切り3を説明する図である。
図8は,端末ホルダ30を説明する図である。
図9は,端末ホルダ30の組み立てに用いるホルダパネル31を説明する図である。
図10は,端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きを小さくした図である。
図11は,端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きを大きくした図である。なお,
図7から
図11では,変形例1と同じ要素については同じ符号を付けている。
【0035】
変形例2に係る簡易間仕切り3は,変形例1に係る簡易間仕切り2に,モバイル端末32を収納する端末ホルダ30を取り付けた形態になっている。実施形態に係る簡易間仕切り1に,モバイル端末32を収納する端末ホルダ30を設けてもよい。
【0036】
変形例2に係る簡易間仕切り3では,端末ホルダ30に収納したモバイル端末32のフロントカメラを,ICTを活用した新しい生活様式で使用できる。
図7で図示した通り,変形例2に係る簡易間仕切り3では,最上段になっている変形例1に係る帯状パネル20の上辺に端末ホルダ30を取り付けている。最上段に端末ホルダ30を取り付けることで,目線より高い位置から顔を撮影できる。目線より高い位置から顔を撮影すれば,顔を明るく映せる。更に,最上段に端末ホルダ30を取り付けることで,モバイル端末32を使用して通話も行える。
【0037】
図8で図示した通り,端末ホルダ30には,モバイル端末32を収納する収納ポケット301が前面に設けられ,複数の係止溝302aを円弧の部分に設けた扇形切欠き302が両側面それぞれに設けられている。
図8で図示した端末ホルダ30は,一枚のパネルから組み立てられている。端末ホルダ30の剛性を考えると,端末ホルダ30の素材としては,PET(polyethylene terephthalate)が好適である。端末ホルダ30を一枚のパネルから組み立てるのは,変形例2に係る簡易間仕切り3の梱包形態をコンパクトにするためである。
【0038】
図9で図示した通り,端末ホルダ30の組み立てに用いるホルダパネル31は,パネルとして,前面パネル310,フック型パネル対311R,Lおよび背面パネル313を含む。フック型パネル対311R,Lは,前面パネル310の両側で連設している。背面パネル313は,フック型パネル対311R,Lの1つと連設し,更に,フック型パネル対311R,Lの反対側で差込片314と連設している。背面パネル313の反対側になるフック型パネル対311R,Lの1つは,背面パネル313の差込片314を差し込むスリット312aが設けられたフラップ312と連設している。
【0039】
また,
図9で図示したホルダパネル31は,パネルとして,第1の収納パネル対315R,L,第2の収納パネル316,第3の収納パネル317および第4の収納パネル318を含む。第1の収納パネル対315R,Lそれぞれは,係止溝302aを設けていない扇形切欠き302の箇所と連設している。第2の収納パネル316は,前面パネル310の底辺と連設している。第3の収納パネル317は,第2の収納パネル316の底辺と連設している。第4の収納パネル318は,第3の収納パネル317の内側に形成されている。
【0040】
図8で図示した端末ホルダ30おいて,前面パネル310,フック型パネル対311R,Lの前面側,第1の収納パネル対315R,L,第2の収納パネル316,第3の収納パネル317および第4の収納パネル318により収納ポケット301が形成される。前面パネル310は,収納ポケット301の前面を形成するパネルになる。フック型パネル対311R,Lの前面側は,収納ポケット301の側面を形成するパネルになる。第1の収納パネル対315R,Lおよび第3の収納パネル317は,収納ポケット301の背面を形成するパネルになる。第2の収納パネル316および第4の収納パネル318は,収納ポケット301の底面を形成するパネルになる。
【0041】
図9で図示したホルダパネル31から
図8で図示した端末ホルダ30を組み立てる際,フック型パネル対311R,Lは,前面パネル310に対して約直角で背面側に曲げられる。背面パネル313は,フック型パネル対311R,Lの一つに対して約直角に曲げられる。背面パネル313と連設している差込片314が,フラップ312に形成されたスリット312aに挿入され,フック型パネル対311R,Lが曲げられた姿勢が維持される。
【0042】
図9で図示したホルダパネル31では,前面パネル310,フック型パネル対311R,Lの一部,第1の収納パネル対315R,L,第2の収納パネル316および第3の収納パネル317によって,モバイル端末32の収納ポケット301を形成する。このため,第1の収納パネル対315R,Lそれぞれは,フック型パネル対311R,Lに対して約直角で内側に曲げられる。また,第2の収納パネル316は,前面パネル310に対して約直角で背面側に曲げられる。第3の収納パネル317は,第1の収納パネル対315R,Lと重なるように曲げられる。更に,第4の収納パネル318は,第3の収納パネル317に対して約直角で前面側に曲げられる。
【0043】
図9で図示したホルダパネル31では,変形例1に係る正面パネル200の上辺を入れる扇形切欠き302が,フック型パネル対311R,Lの内側に形成されている。扇形切欠き302の円弧の部分には,変形例1に係る正面パネル200の上辺を係止する複数の係止溝302aが形成されている。複数の係止溝302aを円弧に沿って形成するのは,端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きを変更できるようにするためである。
【0044】
変形例2では,複数の係止溝302aを円弧の部分に設けた扇形切欠き302をフック型パネル対311R,Lに形成している。このため,変形例1に係る正面パネル200の上辺の係止に用いる係止溝302aを変更することで,変形例1に係る正面パネル200に対する前面パネル310の傾きを変更できる。
図10で図示した通り,変形例1に係る正面パネル200の上辺を係止する係止溝302aを手前側の係止溝302aにすると,変形例1に係る正面パネル200に対する前面パネル310の傾きは小さくなる。よって,端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きも小さくなる。また,
図11で図示した通り,変形例1に係る正面パネル200の上辺を係止する係止溝302aを奥側の係止溝302aにすると,変形例1に係る正面パネル200に対する前面パネル310の傾きは大きくなる。よって,端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きも大きくなる。
【0045】
このように,端末ホルダ30は,変形例1に係る正面パネル200の上端の係止に用いる係止溝302aを変更するだけで,端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きを変更できるように構成されている。端末ホルダ30に収納するモバイル端末32の傾きを変更できれば,変形例1に係る帯状パネル20を段積みする段数に合わせて,モバイル端末32の傾きを調整できる。更に,利用者の顔が位置する高さに合わせて,モバイル端末32の傾きを調整できる。なお,端末ホルダ30を実施形態に係る簡易間仕切り1に取り付けた場合であっても,変形例2と同じ効果が得られる。
【符号の説明】
【0046】
1 簡易間仕切り
10 帯状パネル
100 正面パネル
101 側面パネル
102 第1の折罫線
103 第2の折罫線
104R,L 第1の溝状切欠き対
11 連結パネル
110R,L 第2の溝状切欠き対
2 変形例1に係る簡易間仕切り
20 変形例1に係る帯状パネル
200 変形例1に係る正面パネル
201R,L 第3の溝状切欠き対
3 変形例2に係る簡易間仕切り
30 端末ホルダ
301 収納ポケット
302 扇形切欠き
302a 係止溝
31 ホルダパネル
310 前面パネル
311R,L フック型パネル対
312 フラップ
312a スリット
313 背面パネル
314 差込片
315R,L 第1の収納パネル対
316 第2の収納パネル
317 第3の収納パネル
318 第4の収納パネル
32 モバイル端末