(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160314
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】電子機器および電子機器システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/18 20060101AFI20231026BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20231026BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
G06F1/18 C
G06F1/16 312K
G06F1/16 312E
G06F1/18 E
H05K7/12 Q
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070587
(22)【出願日】2022-04-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 康史
【テーマコード(参考)】
4E353
【Fターム(参考)】
4E353AA11
4E353BB02
4E353BB05
4E353CC02
4E353CC20
4E353CC32
4E353DD01
4E353DR36
4E353GG27
(57)【要約】
【課題】フレキシブル配線板の応力集中を抑制することができるとともにシート部材の長さを短くしやすい電子機器および電子機器システムを得る。
【解決手段】電子機器は、第1の構成要素と、第2の構成要素と、第1の構成要素と第2の構成要素とを電気的に接続したフレキシブル配線板と、可撓性を有し、フレキシブル配線板を挟んだ状態で互いに重ねられ、第1の構成要素と第2の構成要素とに亘って設けられて第1の構成要素と第2の構成要素とを連結した一対のシート部材と、フレキシブル配線板とは別の位置で一対のシート部材の間に入れられ、シート部材における第1の構成要素から第2の構成要素に向かう第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構成要素と、
第2の構成要素と、
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを電気的に接続したフレキシブル配線板と、
可撓性を有し、前記フレキシブル配線板を挟んだ状態で互いに重ねられ、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とに亘って設けられて前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを連結した一対のシート部材と、
前記フレキシブル配線板とは別の位置で前記一対のシート部材の間に入れられ、前記シート部材における前記第1の構成要素から前記第2の構成要素に向かう第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材によって構成された補強部材列が、前記第1の方向と交差する方向に間隔をあけて二つ設けられ、
前記二つの前記補強部材列の間に前記フレキシブル配線板が配置された、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記二つの補強部材列と前記フレキシブル配線板とは、離間した、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の補強部材は、前記第1の構成要素の外面に突き当てられた第1の前記補強部材と、前記第2の構成要素の外面に突き当てられた第2の前記補強部材と、を含む、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記補強部材は、前記シート部材よりも弾性変形しにくい、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか一つに記載の電子機器である第1の電子機器と、
画像を表示可能な第2の電子機器と、
を備え、
前記第1の構成要素は、入力装置であり、
前記第2の構成要素は、前記第2の電子機器と電気的に接続されるコネクタを有し、前記第2の電子機器を着脱可能に支持し、
前記フレキシブル配線板は、前記入力装置と前記コネクタとを電気的に接続した、
電子機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および電子機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、タブレット端末と、タブレット端末と着脱可能に支持する入力ユニットと、を備える電子機器システムがある。この種の入力ユニットとして、タブレット端末を着脱可能に支持する結合部と、入力装置と、可撓性を有し結合部と入力装置とを結合した一対のシート部材と、を備えた構成が知られている。一対のシート部材の間には、結合部と入力装置とを電気的に接続したフレキシブル配線板が設けられる。このような構成によれば、一対のシート部材が湾曲することにより、結合部に結合されたタブレット端末を入力装置に対して揺動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の入力ユニットでは、シート部材がユーザによって摘ままれて折り曲げられるとフレキシブル配線板に応力集中が発生しやすい。シート部材がユーザによって摘まれにくくするには、例えば、シート部材を短くすればよい。しかしながら、シート部材を短くすると、シート部材を湾曲させたときのシート部材のコシが大きくなりやすいため、シート部材における入力装置および結合部との接続部が湾曲の起点となりやすい。このように入力装置および結合部のように固い部材との接続部が湾曲の起点となると、接続部近傍が湾曲の頂点となりやすい。このため、湾曲の半径が小さくなりフレキシブル配線板に応力集中が発生する場合がある。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、フレキシブル配線板の応力集中を抑制することができるとともにシート部材の長さを短くしやすい電子機器および電子機器システムを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる電子機器は、第1の構成要素と、第2の構成要素と、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを電気的に接続したフレキシブル配線板と、可撓性を有し、前記フレキシブル配線板を挟んだ状態で互いに重ねられ、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とに亘って設けられて前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを連結した一対のシート部材と、前記フレキシブル配線板とは別の位置で前記一対のシート部材の間に入れられ、前記シート部材における前記第1の構成要素から前記第2の構成要素に向かう第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材と、を備える。
【0007】
前記電子機器では、例えば、前記第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材によって構成された補強部材列が、前記第1の方向と交差する方向に間隔をあけて二つ設けられ、前記二つの前記補強部材列の間に前記フレキシブル配線板が配置されている。
【0008】
前記電子機器では、例えば、前記二つの補強部材列と前記フレキシブル配線板とは、離間している。
【0009】
前記電子機器では、例えば、前記複数の補強部材は、前記第1の構成要素の外面に突き当てられた第1の前記補強部材と、前記第2の構成要素の外面に突き当てられた第2の前記補強部材と、を含む。
【0010】
前記電子機器では、例えば、前記補強部材は、前記シート部材よりも弾性変形しにくい。
【0011】
本発明の第2の態様にかかる電子機器システムは、前記電子機器である第1の電子機器と、画像を表示可能な第2の電子機器と、を備え、前記第1の構成要素は、入力装置であり、前記第2の構成要素は、前記第2の電子機器と電気的に接続されるコネクタを有し、前記第2の電子機器を着脱可能に支持し、前記フレキシブル配線板は、前記入力装置と前記コネクタとを電気的に接続している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、フレキシブル配線板の応力集中を抑制することができるとともにシート部材の長さを短くしやすい電子機器および電子機器システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態の電子機器システムの例示的な斜視図であって、第2の電子機器が第1の電子機器に結合されて起立位置に位置した状態の図である。
【
図2】
図2は、実施形態の電子機器システムの例示的な斜視図であって、第2の電子機器が第1の電子機器から分離された状態の図である。
【
図3】
図3は、実施形態の電子機器システムの例示的な斜視図であって、第2の電子機器が第1の電子機器に結合されて閉じ位置に位置した状態の図である。
【
図4】
図4は、実施形態の電子機器システムの一部の例示的な側面図であって、第2の電子機器が第1の電子機器に結合されて閉じ位置に位置した状態の図である。
【
図5】
図5は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な平面図である。
【
図8】
図8は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な側面図である。
【
図9】
図9は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0015】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0016】
<電子機器システム1>
図1は、実施形態の電子機器システム1の例示的な斜視図であって、第2の電子機器100が第1の電子機器10に結合されて起立位置に位置した状態の図である。
図2は、実施形態の電子機器システム1の例示的な斜視図であって、第2の電子機器100が第1の電子機器10から分離された状態の図である。
図3は、実施形態の電子機器システムの例示的な斜視図であって、第2の電子機器100が第1の電子機器10に結合されて閉じ位置に位置した状態の図である。
【0017】
図1~
図3に示されるように、電子機器システム1は、第1の電子機器10と、第2の電子機器100と、を備える。第1の電子機器10は、キーボード22を有し、第2の電子機器100に電気信号を入力可能である。第2の電子機器100は、タブレット型(スレート型)のパーソナルコンピュータ、すなわちタブレット端末であり、画像を表示可能な表示画面102aを有する。第1の電子機器10は、電子機器の一例である。
【0018】
図1および
図2に示されるように、第1の電子機器10は、第2の電子機器100を着脱可能に支持する。すなわち、第1の電子機器10と第2の電子機器100とは、着脱可能に結合する。また、
図1および
図3に示されるように、第1の電子機器10は、第2の電子機器100を揺動可能に支持する。べつの言い方をすると、第2の電子機器100は、第1の電子機器10に結合された状態で、開閉可能である。第2の電子機器100は、第1の電子機器10に結合された状態で、起立位置(
図1)および閉じ位置(
図3)を含む複数の位置に移動することができる。起立位置は、第1の電子機器の上面21aおよびキーボード22と第2の電子機器100の表示画面102aとが離間し、第1の電子機器の上面21aおよびキーボード22と第2の電子機器の表示画面102aとが露出する位置である。閉じ位置は、第1の電子機器の上面21aおよびキーボード22と第2の電子機器100の表示画面102aとが対向する位置である。
【0019】
以下、第1の電子機器10に第2の電子機器100が起立状態で結合(支持)された結合形態(
図1)を基準として、電子機器システム1を使用する使用者から見た方向で、手前側を前側(前方)、奥側を後側(後方)と称し、電子機器システム1の高さ方向を上下方向、電子機器システム1の幅方向を左右方向とも称する。また、各図には、X方向、Y方向、およびZ方向が示されている。X方向は、電子機器システム1の幅方向(第2の電子機器100の長手方向(横幅方向))に沿い、Y方向は、電子機器システム1の前後方向(第2の電子機器100の厚さ方向)に沿い、Z方向は、電子機器システム1の高さ方向(第2の電子機器100の短手方向(縦幅方向))に沿う。
【0020】
<第2の電子機器100>
図1および
図2に示されるように、第2の電子機器100は、筐体101と、表示装置102と、を有する。また、第2の電子機器3は、ボディ31に収容される基板、CPU、メモリ、および他の部品を有する。
【0021】
表示装置102は、例えば液晶ディスプレイである。なお、表示装置102は、液晶ディスプレイに限られない。例えば、表示装置102は、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。表示装置102は、画像を表示可能な表示画面102aを有する。表示装置102は、表示画面102aが筐体101の開口部から露出する状態で、筐体101に収容されている。また、表示装置102には、タッチパネルが設けられている。これにより、ユーザは、表示画面102aへのタッチ操作により第2の電子機器3を操作することができる。
【0022】
<第1の電子機器10>
図1および
図2に示されるように、第1の電子機器10は、入力装置11と、結合部12と、連結部13と、フレキシブル配線板14と、を備える。結合部12は、接続部とも称される。入力装置11は、第1の構成要素の一例であり、結合部12は、第2の構成要素の一例である。
【0023】
入力装置11は、ボディ21と、キーボード22と、を有する。
【0024】
ボディ21は、上下方向に扁平な略直方体に形成されている。ボディ21は、上面21aと、下面21bと、を有する。また、ボディ21は、下壁21c、上壁21d、前壁21e、後壁21f、左壁21g、および右壁21h等の複数の壁を有する。ボディ21は、筐体とも称される。
【0025】
下壁21cは、下面21bを含み、上壁21dは、上面21aを含む。下壁21cおよび上壁21dは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。下壁21cは、上壁21dに対してZ方向の反対方向側に位置している。
【0026】
前壁21eおよび後壁21fは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。前壁21eおよび後壁21fは、それぞれ、ボディ21の前端部および後端部を構成している。
【0027】
左壁21gおよび右壁21hは、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。左壁21gおよび右壁21hは、それぞれ、ボディ21の左端部および右端部を構成している。
【0028】
ボディ21は、複数の筐体部材の組み合わせによって構成されうる。
【0029】
キーボード22は、ボディ21の上面aに設けられた凹部に入れられて、ボディ21に支持されている。キーボード22は、複数のキー22aと、キー22aに対する操作を検出する基板(不図示)と、を有する。複数のキー22aは、ボディ21の外側に露出しており、ユーザの操作が可能である。
【0030】
図4は、実施形態の電子機器システム1の一部の例示的な側面図であって、第2の電子機器100が第1の電子機器に結合されて閉じ位置に位置した状態の図である。
図5は、実施形態の第1の電子機器10の一部の例示的な側面図である。
図6は、実施形態の第1の電子機器10の一部の例示的な斜視図である。
図7は、実施形態の第1の電子機器10の一部の例示的な平面図である。
【0031】
図4および
図5に示されるように、結合部12は、連結部13を介して入力装置11に連結されている。
図5~
図7に示されるように、結合部12は、ボディ31と、コネクタ32と、磁石(不図示)と、を備える。
【0032】
ボディ31は、ベース31aと、凸部31bと、二つの突起31cと、を有する。ベース31aは、略直方体状に形成され、X方向に延びている。凸部31bは、ベース31aの一面から突出している。凸部31bは、第2の電子機器100の凹部に入れられる。二つの突起31cは、凸部31bの先端面から突出している。二つの突起31cは、X方向に間隔をあけて並べられている。二つの突起31cは、凸部31bが第2の電子機器100の凹部に入れられた状態で、第2の電子機器100を位置決めする。
【0033】
また、ボディ31の内部には、磁石が設けられている。磁石は、第2の電子機器3に設けられた磁石と、磁力によって引き合い、結合部12と第2の電子機器100とを固定する。これにより、結合部12の磁石は、第1の電子機器10に第2の電子機器100が接続された状態で、結合部12から第2の電子機器100が外れることを抑制する。
【0034】
コネクタ32は、二つの突起31cの間に配置されて、ボディ31に支持されている。コネクタ32は、ボディ31から露出している。コネクタ32は、凸部31bが第2の電子機器100の凹部に入れられた状態で、第2の電子機器100のコネクタと結合する。
コネクタ32が、第2の電子機器100に設けられたコネクタと結合することで、コネクタ32は第2の電子機器100に電気的に接続され、ひいては第2の電子機器100がキーボード22に電気的に接続される。
【0035】
コネクタ32が第1の電子機器10に第2の電子機器100を接続している場合、キーボード22を介して第2の電子機器3への文字入力や第2の電子機器3からキーボード22への給電が可能である。
【0036】
図2、
図4、および
図5に示されるように、連結部13は、可撓性を有し、入力装置11と結合部12とを連結している。連結部13は、X方向を長手方向とする帯状に形成されている。
【0037】
図4および
図5に示されるように、連結部13は、一対のシート部材41,42を有する。シート部材41,42は、入力装置11と結合部12とに亘って設けられて入力装置11と結合部12とを連結している。
【0038】
シート部材41,42は、それぞれ、X方向を長手方向とする帯状に形成され、可撓性を有する。シート部材41,42は、X方向と交差する方向に互いに重ねられた状態で、互いに固定されている。シート部材41,42は、例えば、接着等によって互いに固定されている。シート部材41,42のそれぞれの一端部41a,42aは、入力装置11におけるボディ21の後壁21fの外面21faに固定されている。シート部材41,42のそれぞれの他端部41b,42bは、結合部12におけるボディ31のベース31aの外面31dに固定されている。シート部材41,42は、例えば、布、人工皮革、または合成皮革等によって構成されて、可撓性を有する。シート部材は、クロス部材とも称される。
【0039】
図5に示されるように、シート部材41,42は、フレキシブル配線板14を挟んだ状態で互いに重ねられている。すなわち、シート部材41,42は、フレキシブル配線板14を覆っている。フレキシブル配線板14は、シート部材41,42に接着等によって固定されている。
【0040】
フレキシブル配線板14は、入力装置11と結合部12とを電気的に接続している。詳細には、フレキシブル配線板14の一端部は、キーボード22の基板に電気的に接続され、フレキシブル配線板14の他端部は、コネクタ32に電気的に接続されている。フレキシブル配線板14は、可撓性を有する。フレキシブル配線板14は、FPC(Flexible Printed Circuits)やFFC(Flexible Flat Cable)である。
【0041】
図8は、実施形態の第1の電子機器10の一部の例示的な側面図である。
図9は、実施形態の第1の電子機器10の一部の例示的な斜視図である。
図10は、実施形態の第1の電子機器の一部の例示的な平面図である。
図8~
図10では、シート部材41,42のうちシート部材42のみが示されている。
【0042】
図8~
図10に示されるように、連結部13は、複数(一例として四つ)の補強部材43A~43Dをさらに有する。以後、複数の補強部材43A~43Dの総称として補強部材43を用いる。複数の補強部材43は、フレキシブル配線板14とは別の位置で一対のシート部材41,42の間に入れられている。すなわち、複数の補強部材43は、一対のシート部材41,42に挟まれている。補強部材43は、シート部材41,42に接着等によって固定されている。補強部材43は、X方向を長手方向とする帯板上に形成されている。補強部材43の材料の弾性率は、シート部材41の材料の弾性率よりも高い。すなわち、補強部材43は、シート部材41,42よりも弾性変形しにくい。補強部材43の材料は、例えば、合成樹脂材料、金属材料等である。一例として、補強部材43は、ウレタン樹脂製の高密度のクッション材によって構成され、可撓性を有する。補強部材43は、スペーサとも称される。
【0043】
補強部材43A,43Bは、フレキシブル配線板14に対してX方向側に配置されている。補強部材43A,43Bは、シート部材41,42における入力装置11から結合部12に向かう第1の方向D1に間隔をあけて並べられている。また、補強部材43C,43Dは、フレキシブル配線板14に対してX方向の反対方向側に配置されている。補強部材43C,43Dは、第1の方向D1に間隔をあけて並べられている。
【0044】
また、補強部材43Aと補強部材43Cとは、X方向に間隔をあけて並べられている。補強部材43Bと補強部材43Dとは、X方向に間隔をあけて並べられている。補強部材43Aと補強部材43Cとの間および補強部材43Bと補強部材43Dとの間に、フレキシブル配線板14が配置されている。
【0045】
補強部材43Aと補強部材43Bとは補強部材列51Aを構成し、補強部材43Cと補強部材43Dとは補強部材列51Bを構成している。すなわち、二つの補強部材列51A,51Bが、第1の方向D1と交差(一例として直交)するX方向に間隔をあけて二つ設けられている。各補強部材列の43A,各補強部材列の51A,51Bは、X方向と直交する所定の面(YZ平面)に関して対称である。二つの補強部材列51A,51Bの間に、フレキシブル配線板14が配置されている。
【0046】
図7~
図10に示されるように、補強部材43A,43Cは、入力装置11のボディ21における後壁21fの外面21Faに突き当てられている。補強部材43B,43Dは、結合部12のボディ31におけるベース31aの外面31dに突き当てられている。補強部材43A,43Cは、第1の補強部材の一例であり、補強部材43B,43Dは、第2の補強部材の一例である。
【0047】
また、
図8に示されるように、例えば、第1の方向D1で並ぶ二つの補強部材43間の距離L1は、補強部材43の厚さt以上である。第1の方向D1で並ぶ二つの補強部材43間の距離L1は、補強部材43の厚さtの2倍であることが好適である。
【0048】
また、
図7に示されるように、例えば、二つの補強部材列51A,51Bとフレキシブル配線板14とは、離間している。各補強部材列51A,51Bとフレキシブル配線板14との間の距離L2,L3は、補強部材43の第1の方向D1の幅W以上である。
【0049】
第1の電子機器10に第2の電子機器100が結合された状態で、一対のシート部材41,42が湾曲する(曲がる)ことにより、第1の電子機器10に対して第2の電子機器100を揺動(移動)させることができる。このとき、一対のシート部材41,42とともにフレキシブル配線板14が湾曲する。
【0050】
以上のように、本実施形態では、第1の電子機器10は、入力装置11(第1の構成要素)と、結合部12(第2の構成要素)と、フレキシブル配線板14と、一対のシート部材41,42と、複数の補強部材43と、を備える。フレキシブル配線板14は、入力装置11と結合部12とを電気的に接続している。一対のシート部材41,42は、可撓性を有し、フレキシブル配線板14を挟んだ状態で互いに重ねられ、入力装置11と結合部12とに亘って設けられて入力装置11と結合部12とを連結している。複数の補強部材43は、フレキシブル配線板14とは別の位置で一対のシート部材41,42の間に入れられ、シート部材41,42における入力装置11から結合部12に向かう第1の方向D1に間隔をあけて並べられている。
【0051】
このような構成によれば、複数の補強部材43が、一対のシート部材41,42の間に入れられ、第1の方向D1に間隔をあけて並べられているので、シート部材41,42を湾曲させた場合に、第1の方向D1で隣り合う二つの補強部材43の間が、シート部材41,42の湾曲の頂部になりやすい。よって、シート部材41,42の湾曲の半径が大きくなりやすいので、シート部材の第1の方向D1の長さを短くしてもフレキシブル配線板14に応力集中が発生するのを抑制することができる。したがって、フレキシブル配線板14の断線を抑制することができる。以上のように、上記構成によれば、フレキシブル配線板14の応力集中を抑制することができるとともにシート部材41,42の長さを短くしやすい。
【0052】
ここで、従来、フレキシブル配線板14の断線を抑制するために、補強部材43を用いずに、シート部材41,42を厚くするとともにコシの強い材料を用いる手法がある。これにより、シート部材41,42の湾曲の半径が大きくなるため、フレキシブル配線板14の弾性が抑制される。しかしながら、シート部材41,42を厚くするとともにコシの強い材料を用いると、シート部材41,42を長くしないと、第2の電子機器100を第1の電子機器10の入力装置11に重ねることができない。また、第2の電子機器100を第1の電子機器10の入力装置11に重ねた状態を保持する磁石の吸着力よりもシート部材41,42の復元力が大きくなり、第2の電子機器100が第1の電子機器10から外れる虞がある。これに対して、シート部材41,42を薄く柔らかくすると、シート部材41,42が曲がりやすいため、上述のように、シート部材41,42がユーザに摘ままれて折れ曲がりやすくなる。これに対しては、上述のように、シート部材41,42がユーザに摘ままれにくくするためにシート部材41,42を短くすればよい。このようにシート部材41,42を短くする上で、本実施形態では、補強部材43を設けている。これによりシート部材の第1の方向D1の長さを短くしてもフレキシブル配線板14に応力集中が発生するのを抑制することができる。
【0053】
また、第1の電子機器10では、第1の方向D1に間隔をあけて並べられた複数の補強部材43によって構成された補強部材列51A,51Bが、第1の方向D1と交差(一例として直交)するX方向(第2の方向)に間隔をあけて二つ設けられている。二つの補強部材列51A,51Bの間にフレキシブル配線板14が配置されている。
【0054】
このような構成によれば、二つの補強部材列51A,51Bの間にフレキシブル配線板14が配置されているので、補強部材列51A,51Bのうち一方しか設けられていない場合に比べてフレキシブル配線板14のX方向の幅の全域で湾曲の半径が均等になりやすい。よって、フレキシブル配線板14の応力集中が発生するのが抑制されやすい。
【0055】
また、二つの補強部材列51A,51Bとフレキシブル配線板14とは、離間している。
【0056】
このような構成によれば、フレキシブル配線板14が湾曲しやすいので、フレキシブル配線板14の応力集中が発生するのが抑制されやすい。
【0057】
また、複数の補強部材43は、入力装置11の外面21faに突き当てられた補強部材43A,43C(第1の補強部材)と、結合部12の外面31dに突き当てられた補強部材43B,43D(第2の補強部材)と、を含む。
【0058】
このような構成によれば、シート部材41,42における入力装置11および結合部12との接続部すなわち一端部41a,42aおよび他端部41b,42bが湾曲の起点となりやにくく、接続部近傍が湾曲の頂点となりやすい。よって、シート部材41,42およびフレキシブル配線板14の湾曲の半径が大きくなりやすく、フレキシブル配線板14に応力集中が発生するのがより一層抑制されやすい。
【0059】
なお、上記実施形態では、第2の電子機器100が、タブレット型(スレート型)のパーソナルコンピュータとして構成された例が示されたが、これに限定されない。例えば、第2の電子機器100は、スマートフォン、映像表示装置、テレビジョン受像機、ゲーム機、情報記憶装置等であってもよい。また、第1の構成要素が入力装置11の例が示されたが、これに限定されない。例えば、第1の構成要素は、タブレット型(スレート型)のパーソナルコンピュータや、スマートフォン、映像表示装置、テレビジョン受像機、ゲーム機、情報記憶装置等であってもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、各補強部材列51A,51Bが、それぞれ二つの補強部材43によって構成された例が示されたが、これに限定されない。例えば、各補強部材列51A,51Bは、それぞれ三つ以上の補強部材43によって構成されていてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等の仕様(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…電子機器システム
10…第1の電子機器(電子機器
11…入力装置(第1の構成要素)
12…結合部(第2の構成要素)
14…フレキシブル配線板
21fa…外面
31d…外面
41,42…シート部材
43…補強部材
43A,43C…補強部材(第1の補強部材)
43B,43D…補強部材(第2の補強部材)
51A,51B…補強部材列
D1…第1の方向
【手続補正書】
【提出日】2022-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構成要素と、
第2の構成要素と、
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを電気的に接続したフレキシブル配線板と、
可撓性を有し、前記フレキシブル配線板を挟んだ状態で互いに重ねられ、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とに亘って設けられて前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを連結した一対のシート部材と、
前記フレキシブル配線板とは別の位置で前記一対のシート部材の間に入れられ、前記シート部材における前記第1の構成要素から前記第2の構成要素に向かう第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材と、を備え、
前記第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の前記補強部材によって構成された補強部材列が、前記第1の方向と交差する方向に間隔をあけて二つ設けられ、
前記二つの前記補強部材列の間に前記フレキシブル配線板が配置された電子機器。
【請求項2】
前記二つの補強部材列と前記フレキシブル配線板とは、離間した、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の補強部材は、前記第1の構成要素の外面に突き当てられた第1の前記補強部材と、前記第2の構成要素の外面に突き当てられた第2の前記補強部材と、を含む、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記補強部材は、前記シート部材よりも弾性変形しにくい、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか一つに記載の電子機器である第1の電子機器と、
画像を表示可能な第2の電子機器と、
を備え、
前記第1の構成要素は、入力装置であり、
前記第2の構成要素は、前記第2の電子機器と電気的に接続されるコネクタを有し、前記第2の電子機器を着脱可能に支持し、
前記フレキシブル配線板は、前記入力装置と前記コネクタとを電気的に接続した、
電子機器システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる電子機器は、第1の構成要素と、第2の構成要素と、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを電気的に接続したフレキシブル配線板と、可撓性を有し、前記フレキシブル配線板を挟んだ状態で互いに重ねられ、前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とに亘って設けられて前記第1の構成要素と前記第2の構成要素とを連結した一対のシート部材と、前記フレキシブル配線板とは別の位置で前記一対のシート部材の間に入れられ、前記シート部材における前記第1の構成要素から前記第2の構成要素に向かう第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の補強部材と、を備え、前記第1の方向に間隔をあけて並べられた複数の前記補強部材によって構成された補強部材列が、前記第1の方向と交差する方向に間隔をあけて二つ設けられ、前記二つの前記補強部材列の間に前記フレキシブル配線板が配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の上記態様によれば、フレキシブル配線板の応力集中を抑制することができるとともにシート部材の長さを短くしやすい電子機器および電子機器システムを得ることができる。また、二つの補強部材列の間にフレキシブル配線板が配置されているので、補強部材列のうち一方しか設けられていない場合に比べてフレキシブル配線板の第1の方向と交差する方向の幅の全域でシート部材の湾曲の半径が均等になりやすい。よって、フレキシブル配線板の応力集中が発生するのが抑制されやすい。