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特開2023-16034ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016034
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/28 20060101AFI20230125BHJP
【FI】
F15B15/28 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115546
(22)【出願日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094870
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522290260
【氏名又は名称】キム、ヨンギ
【氏名又は名称原語表記】KIM, YOUNGGI
【住所又は居所原語表記】(Choryang-dong Bando bora skyview) 2802-ho,10, 320beon-gil, Chungangdae-ro ,Dong-gu ,Busan-si ,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンギ
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA02
3H081BB02
3H081CC25
3H081GG06
3H081GG15
3H081GG21
(57)【要約】
【課題】ピストンに設置され、ピストンに沿って移動する永久磁石によって、検出ロードバーから検出された信号を介してピストンの位置を検出することができる、ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダを提供する。
【解決手段】本発明は、ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに係り、さらに詳しくは、ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、前記永久磁石で接点される磁気近接スイッチによって内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値によって前記ピストンの位置情報を提供することを特徴とするピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに関する。上記した課題を解決するための本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダは、ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、前記永久磁石で接点される磁気近接スイッチによって内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値によって前記ピストンの位置を検出することを特徴とする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダハウジング、ピストン、ピストンロッドを含む油圧シリンダにおいて、
前記ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、
前記ピストンとピストンロッドの中心軸に設置され、前記永久磁石の位置に応じて動作される検出ロードバーと、を含んで構成され、
前記検出ロードバーは、
前記永久磁石の位置に応じて内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値に基づいて前記ピストンの位置情報を提供するが、
前記検出ロードバーは、
複数個の抵抗が直列連結される抵抗ラインと、
前記抵抗ラインと平行に設置される検出ラインと、
電源が印加され、終端が前記抵抗ラインの終端と連結される電源ラインと、
前記抵抗ラインに設置された抵抗間において分岐され、前記検出ラインに連結される複数個の分岐ラインと、
前記分岐ラインにそれぞれ設置される磁気近接スイッチと、を含むことを特徴とするピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダ。
【請求項2】
前記検出ロードバーに電源を供給し、前記検出ロードバーから出力される電圧を検出して前記ピストンの位置を検出する検出器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダ。
【請求項3】
前記検出ラインと抵抗ラインとの間の第1検出電圧値または前記検出ラインと電源ラインとの間の第2検出電圧値によって前記ピストンの位置を検出することを特徴とする請求項2に記載のピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに係り、さらに詳しくは、ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、前記永久磁石で接点される磁気近接スイッチによって内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値によって前記ピストンの位置情報を提供することを特徴とするピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧シリンダは、油圧ポンプで発生した油圧の力を用いて、シリンダ内に流体を投入し、その投入された油圧の力でピストンを押してピストンが動けば、このようなピストンの動きをロッドに伝達され、機械的往復運動を発生させる重要な機械要素の一種である。
【0003】
このような油圧シリンダは、油圧ポンプと、油圧ポンプを制御する制御手段とを含んで構成されるが、制御手段を通じて、油圧ポンプを精密制御し、油圧シリンダに供給される流量を制御して、ピストンロッドの引出し(または引込み)距離を制御するとしても、ピストンロッドの移動距離は、ピストンロッドに印加された負荷(重さ等)に応じて供給された油圧に比例して移動されないという問題点があった。
【0004】
よって、供給されるかまたは引き出された油圧に依存することなく、ピストン(またはピストンロッド)の移動距離を検出するための様々な技術が開発された。
【0005】
ピストンまたはピストンロッドの移動距離を検出するための技術として、特許文献1にピストンロッドの位置計測が可能なシリンダが開示されている。
【0006】
上記した技術は、両側に流体が供給、排出される作動空間が内部に備えられ、一側に開放孔が形成されているシリンダ本体と、シリンダ本体の内部に備えられ、流体の移動によって両側に移動されるピストンと、ピストンに連結固定手段を介して他端が固定されており、一側が前記開放孔を貫通しているピストンロッドと、を含むシリンダにおいて、前記ピストンロッドを構成する軸の上部には、軸に磁力が伝達されないように、磁力発生手段が陥没して備えられており、前記軸の周りの表面には、固定部を介して非磁性を有するステンレス鋼板が密着固定されており、前記開放孔の上部とシリンダ本体の外部には、前記磁力発生手段から生成する磁力の変化を計測し、計測されたデータを出力する計測手段が備えられる。
【0007】
しかしながら、上記した技術は、磁力が伝達されないようにする陥没形状を備えなければならないという問題点があった。
【0008】
ピストンまたはピストンロッドの移動距離を検出するための他の技術として、特許文献2に、ピストンの位置検出センサーが内蔵された油圧シリンダのクッション構造が開示されている。
【0009】
上記した技術は、管状のシリンダと、前記シリンダの内部にスライド可能に設置されるロッドと、前記ロッドの一端部に固定され、前記シリンダの内周面にスライド可能に設置されたピストンと、前記シリンダの一端部に固定され、外部と前記ピストンとの間に圧油が流れるメイン流路が備えられたヘッドカバーと、前記ピストンに設置され、前記ピストンと一体で動くマグネットリングと、前記ヘッドカバーに固定され、前記マグネットリングの移動による磁力変化を感知することにより、前記ピストンの位置を検出する位置検出センサーと、を含む。
【0010】
しかしながら、磁力の変化を感知する位置検出センサーは、磁力の範囲が比較的に広くてピストンの位置を検出するのに多くのエラーを起こしている。
【0011】
このような上記した技術のみならず、磁力を用いたピストンの位置を検出する従来技術は、磁力を検出するように構成されるが、シリンダハウジング(バレル)は、磁力の影響を受けない非磁性体材質で構成される。このような材質のシリンダハウジングは、高い油圧に耐えられず、比較的少ない油圧を要する装置や設備に用いられるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-0717338号公報(2007.05.04.)
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-1976692号公報(2019.05.02.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ピストンに設置され、ピストンに沿って移動する永久磁石によって、検出ロードバーから検出された信号を介してピストンの位置を検出することができる、ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダを提供することにある。
【0014】
また、ピストンの位置検出によるエラーを最小化し、金属材質のシリンダハウジングの影響を受けないピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した課題を解決するための本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダは、ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、前記永久磁石で接点される磁気近接スイッチとによって内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値によって前記ピストンの位置を検出することを特徴とする。
【0016】
さらに詳しくは、シリンダハウジング、ピストン、ピストンロッドを含む油圧シリンダにおいて、前記ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、前記ピストンとピストンロッドの中心軸に設置され、前記永久磁石の位置に応じて動作される検出ロードバーと、を含んで構成され、前記検出ロードバーは、前記永久磁石の位置に応じて内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値に基づいて前記ピストンの位置情報を提供することを特徴とする。
【0017】
ここで、前記検出ロードバーに電源を供給し、前記検出ロードバーから出力される電圧を検出して前記ピストンの位置を検出する検出器をさらに含んで構成されてもよい。
【0018】
また、前記検出ロードバーは、複数個の抵抗が直列連結される抵抗ラインと、前記抵抗ラインと平行に設置される検出ラインと、電源が印加され、終端が前記抵抗ラインの終端と連結される電源ラインと、前記抵抗ラインに設置された抵抗間において分岐され、前記検出ラインに連結される複数個の分岐ラインと、前記分岐ラインにそれぞれ設置される磁気近接スイッチと、を含んで構成されてもよい。
【0019】
また、前記検出ラインと抵抗ラインとの間の第1検出電圧値または前記検出ラインと電源ラインとの間の第2検出電圧値によって前記ピストンの位置を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ピストンに設置され、ピストンの移動に沿って移動する永久磁石の磁力によって動作される検出ロードバーから出力される電圧に基づいてピストンの位置を正確に検出することができるという長所がある。
【0021】
また、永久磁石の磁力によって動作される検出ロードバーがピストンロッドの中心軸に設置されることにより、磁力の影響を受ける磁性体シリンダハウジングを使っても構わないので、高圧を要する多様な油圧シリンダに適用することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの斜視図である。
図2】本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの分解斜視図である。
図3】本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに用いられた検出回路の等価回路である。
図4】本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの動作過程を示す図である。
図5】本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの動作に対する等価回路の動作過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの好適な実施形態について、図面を参照して詳述する。
【0024】
以下、同一の機能をする技術要素に対しては、同一の参照符号を付け、重複する説明を避けるために、繰り返される詳細な説明を省略する。
【0025】
また、後述する実施形態は、本発明の好適な実施形態を効果的に示すための例示的なものであって、本発明の権利範囲を制限するものと解釈されてはならない。
【0026】
本発明は、ピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに係り、さらに詳しくは、ピストンに設置され、前記ピストンに沿って移動する永久磁石と、前記永久磁石で接点される磁気近接スイッチとによって内部抵抗値が可変され、可変される前記抵抗値によって前記ピストンの位置を検出することを特徴とするピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに関する。
【0027】
図1は、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの構成を示す図であり、図2は、その分解斜視図である。
【0028】
添付された図1を参照すると、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダは、シリンダハウジング10、ピストンロッド20、ピストン30、ロッドカバー40、ヘッドカバー45、永久磁石50、検出ロードバー60、及び検出器70を含んで構成される。
【0029】
シリンダハウジング10は、一般に、内部に中空部を有するように、金属素材で鋳造方式により製造されてもよい。前記シリンダハウジング10の両側端は、開口部が形成される。
【0030】
前記ピストンロッド20は、前記シリンダハウジング10の開口部から前記シリンダハウジング10の内部に挿入されて設置される。前記ピストンロッド20は、前記シリンダハウジング10に対して、前記シリンダハウジング10の長さ方向に往復移動するように設置される。
【0031】
前記ピストン30は、環形の形状からなり、その外周面は、前記シリンダハウジング10の内周面にスライド可能に接触され、前記ピストンロッド20が結合される。よって、前記ピストン30が、供給される油圧により、前記シリンダハウジング10の内部で移動され、前記ピストン30の移動により、前記ピストンロッド20も一緒に移動される。
【0032】
前記ロッドカバー40は、前記シリンダハウジング10のピストンロッド20が引き出される開口部に固定され、ピストンロッド20側を仕上げることにより、シリンダハウジング10の内部の油圧が流出することを防止する。
【0033】
前記ヘッドカバー45は、前記シリンダハウジング10のピストン30側の開口部に固定され、ピストン30側を仕上げることにより、シリンダハウジング10の内部の油圧が流出することを防止する。
【0034】
このような構成とともに、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダは、永久磁石50、検出ロードバー60、及び検出器70を含んで構成される。
【0035】
永久磁石50は、ピストン30に設置され、ピストン30の移動によって移動される。
【0036】
このとき、前記永久磁石50は、ドーナツ状または棒状のいずれでも構わないが、ピストン30に設置しやすくするためには、ドーナツ状が用いられてもよい。
【0037】
検出ロードバー60は、ヘッドカバー45、ピストン30、及びピストンロッド20の中心軸を連結して設置されたチューブ61の内部に設置されるものであって、永久磁石50の位置に応じて内部抵抗値が可変され、可変される抵抗値によって前記ピストン30の位置を検出することができる位置情報を出力する機能を行う。
【0038】
このとき、前記チューブ61は、非磁性体材質からなってもよく、好ましくは、ステンレス、アルミニウム、黄銅、及び非鉄金属のうちから選ばれた一つの材質からなってもよい。
【0039】
前記チューブ61が設置されるために、前記ピストンは、貫通され、前記ピストンロッドには、軸方向に長孔(図面符号未表示)が形成される。
【0040】
図2の拡大図面を参照すると、検出ロードバー60は、長さ方向に長く形成されたロードバー62と、前記ロードバー62の上面に配置される検出回路63とを含んで構成される。
【0041】
図3は、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダに用いられた検出回路の等価回路を示す図である。
【0042】
添付された図3を参照すると、検出ロードバー60の検出回路63は、複数個の抵抗が直列連結される抵抗ライン100、前記抵抗ライン100と平行に設置される検出ライン200、電源が印加され、終端が前記抵抗ライン100の終端と連結される電源ライン300、前記抵抗ライン100に設置された抵抗間において分岐され、前記検出ライン200に連結される複数個の分岐ライン400、及び前記分岐ライン400にそれぞれ設置される磁気近接スイッチ500を含んで構成される。
【0043】
抵抗ライン100には、複数個の抵抗101、102、...、10nが直列で連結される。ここで、前記抵抗101、102、...、10nは、電圧分配によって比例するように同じ抵抗値を有して構成されてもよい。また、前記抵抗は、線形素子であるキャパシタ、インダクター等で取り換えられてもよいことは言うまでもない。しかしながら、抵抗をキャパシタまたはインダクター等で取り換える場合、解析が複雑であり、位置を特定するためのパラメーターの検出が容易に行われないという短所が生じ得る。
【0044】
検出ライン200は、可変される抵抗値に応じて電圧を検出するための電源線であり、電源ライン300は、電源を供給するための電源線である。
【0045】
前記電源ライン300に供給される電源は、直流電源または交流電源のうちから選ばれた一つの電源が供給されてもよい。しかしながら、線形素子である抵抗による抵抗値の可変と交流電源の周波数成分が含まれて解析が複雑であるので、好ましくは、直流電源が供給されるように構成されてもよい。
【0046】
分岐ライン400は、選択された一つの抵抗と隣り合う抵抗との間で分岐され、検出ライン200を連結する電源線であって、設置された抵抗の個数に応じて複数個構成される。
【0047】
上記の構成において、抵抗ライン100に設置される抵抗は、油圧シリンダの長さに応じて20~50個またはそれ以上に調整されてもよく、分岐ライン400は、設置される抵抗の個数に応じて調節されるようになる。
【0048】
磁気近接スイッチ500は、磁石または電磁石の磁場によってオン・オフを実現する機器であって、磁石(電磁石)の近接によってスイッチを短絡(ON)させ、磁石(電磁石)の離隔によってスイッチを断線(OFF)させる。
【0049】
すなわち、前記磁気近接スイッチ500は、板状の金属片に取り付けられた電気接点が磁力によって作動するスイッチであって、非接触スイッチの一種であり、公知の技術が適用されてもよい。
【0050】
図4は、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの動作過程を示す図である。
【0051】
添付された図4を参照すると、油圧シリンダの伸長(図4の(a)参照)と収縮(図4の(b)参照)によって、ピストン30に設置された永久磁石50は、チューブ61の外側に沿って移動されるとともに、前記チューブ61の内部に設置されたロードバー62の検出回路63に磁力を提供する。
【0052】
図5は、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの動作に対する等価回路の動作過程を示す図である。
【0053】
添付された図5の(a)を参照すると、永久磁石50は、磁気近接スイッチ500のうち最も近接した磁気近接スイッチS1に磁力を提供し、よって、磁気近接スイッチS1は短絡され、相当する分岐ライン400が通電するようになる。
【0054】
磁気近接スイッチS1の短絡によって、抵抗ライン100の抵抗接点(B、以下「B端子」と言う)と検出ライン(A、以下「A端子」と言う)の電位差は、等しくなる。
【0055】
よって、電源ライン300の電源接点(C、以下「C端子」と言う)に印加された電源の電圧は、A端子とB端子が等しく、A端子-B端子間の電圧は0Vである。
【0056】
添付された図5の(b)を参照すると、永久磁石50がピストンに沿って移動され、磁気近接スイッチのうちS1とS2との間に位置されると、永久磁石50の磁力は、S1とS2を動作させ、それぞれの磁気近接スイッチS1、S2は、短絡され、前記磁気近接スイッチS1、S2に連結された分岐ライン400が通電するようになる。
【0057】
前記分岐ライン400の通電によって、磁気近接スイッチS1、S2間に構成される抵抗(R1)は、バイパスされて、全体の合成抵抗値から除外されるようになるが、電源ライン300のC端子に印加された電源の電圧は、A端子とB端子において等しく、A端子-B端子間の電圧は0Vである。
【0058】
添付された図5の(c)を参照すると、永久磁石50がピストンに沿ってさらに移動され、磁気近接スイッチのうちS2に位置されると、永久磁石50の磁力は、S2を動作させ、磁気近接スイッチS2は、短絡され、前記磁気近接スイッチS2に連結された分岐ライン400が通電するようになる。
【0059】
前記分岐ライン400の通電によって、C端子に印加された電源の電圧は、A-B端子とA-C端子に分配されるようになる。
【0060】
添付された図5の(d)を参照すると、永久磁石50がピストンに沿ってなおさら移動され、磁気近接スイッチのうちS2とS3との間に位置されると、永久磁石50の磁力は、S2とS3を動作させ、それぞれの磁気近接スイッチS2、S3は、短絡され、前記磁気近接スイッチS2、S3に連結された分岐ライン400が通電するようになる。
【0061】
前記分岐ライン400の通電によって、磁気近接スイッチS2、S3間に構成される抵抗R2は、バイパスされて、全体の合成抵抗値から除外され、電源ライン300のC端子に印加された電源の電圧は、A-B端子とA-C端子に分配されるようになる。
【0062】
前記過程において、5(c)のA-B端子間の電圧と図5(d)のA-B端子間の電圧の値は、異なって検出される。
【0063】
また、図5(c)のA-C端子間の電圧と図5(d)のA-C端子間の電圧は、異なって検出される。
【0064】
まとめると、前記検出ラインと抵抗ラインとの間の電圧値(A-B端子間の電圧値)を第1検出電圧と定義し、前記検出ラインと電源ラインとの間の電圧値(A-C端子間の電圧値)を第2電圧値と定義すれば、前記検出ラインと抵抗ラインとの間の第1検出電圧値または前記検出ラインと電源ラインとの間の第2検出電圧値によって、前記ピストンの位置を検出することができるようになる。
【0065】
これについて、具体的な例を挙げて説明する。
【0066】
C端子に印加される電圧が10Vであり、抵抗ライン100に設置された抵抗の個数が20個であり、それぞれの抵抗の抵抗値が50Ωであると仮定すれば、前記抵抗ライン100の合成抵抗値は、1KΩ(1,000Ω)である。
【0067】
上記の例として仮定した状態で、図5(c)の状態に対する検出される電圧は、電圧分配の法則によって、A-B端子間の電圧値は、A-B端子間の抵抗R1の抵抗値の50Ωに印加される電圧と、B-C端子間の抵抗R2乃至Rnの合成抵抗値の950Ωに印加される電圧とに分配される。
【0068】
すなわち、合成抵抗値が1,000Ωであるので、A-B端子間の電圧値は、10×(50/1000)=0.5Vと算出され、A-C端子間の電圧値は、10×(950/1000)9.5Vと算出されるようになる。
【0069】
続いて、図5(d)の場合、磁気近接スイッチS2、S3の短絡によって、磁気近接スイッチS2、S3間の抵抗R2は、バイパスされるので、全体の合成抵抗から除外されて、合成抵抗値は950Ωと算出され、電圧分配の法則によって、A-B端子間の電圧値は、A-B端子間の抵抗R1の抵抗値の50Ωに印加される電圧と、B-C端子間の抵抗R3乃至Rnの合成抵抗値の900Ωに印加される電圧とに分配される。
【0070】
すなわち、バイパスされる抵抗を除いた合成抵抗値が950Ωであるので、A-B端子間の電圧値は、10×(50/950)=0.526Vと算出され、A-C端子間の電圧値は、10×(900/950)=9.474Vと算出されるようになる。
【0071】
上記の過程を拡張すれば、永久磁石50がR1からRn側へ漸進的に移動すると、A-B端子間の電圧値は、0Vから10Vに増加するようになる。もちろん、B-C端子間の電圧値は、漸進的に減少するようになる。
【0072】
これに対して、永久磁石50がRnからR1側へ漸進的に移動すると、A-B端子間の電圧値は、10Vから0Vに減少するようになる。同様に、B-C端子間の電圧値は、漸進的に増加するようになる。
【0073】
上記の内容をまとめると、下記の表1の通りである。
【0074】
【表1】
【0075】
上記した表1から分かるように、永久磁石がS1に近接して位置するか、S1とS2との間に位置する場合、検出される電圧値が同じであるか、ピストンの全体移動距離と比べて無視できる程度である。
【0076】
よって、前記表1の検出電圧を比較対象として、ピストンに設置された永久磁石の位置と検出される電圧値を比較すると、ピストンの位置を検出することができる。
【0077】
検出器70は、検出ロードバー60に電源を供給し、前記検出ロードバー60から出力される電圧を検出して前記ピストンの位置を検出する。
【0078】
すなわち、前記検出器70は、検出ロードバー60のC端子に抵抗を供給し、A-B端子間の電圧である第1検出電圧値またはA-C端子間の電圧である第2検出電圧値を検出する。
【0079】
また、前記検出器70は、検出された第1または第2電圧値と、予め算出されて保存された電圧値とを比べて、比較結果によって、ピストンの位置(または移動距離)を検出して表示するようになる。
【0080】
本発明によれば、ピストンに設置され、ピストンの移動に沿って移動する永久磁石の磁力によって動作される検出ロードバーから出力される電圧値に基づいてピストンの位置を正確に検出することができ、永久磁石の磁力によって動作される検出ロードバーが、ピストンロッドの中心軸に設置されることにより、磁力の影響を受ける磁性体シリンダハウジングを使っても構わないので、低圧を要する油圧シリンダだけでなく、高圧の油圧シリンダにも適用することができるという長所がある。
【0081】
以上、本発明によるピストンの位置検出機能を有する油圧シリンダの好適な実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、請求の範囲及び発明の説明、添付した図面の範囲内において、様々に変形して実施することができ、これもまた本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0082】
10 シリンダハウジング
20 ピストンロッド
30 ピストン
40 ロッドカバー
45 ヘッドカバー
50 永久磁石
60 検出ロードバー
70 検出器
100 抵抗ライン
200 検出ライン
300 電源ライン
400 分岐ライン
500 磁気近接スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5