IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特開2023-160346分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法
<>
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図1
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図2
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図3
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図4
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図5
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図6
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図7
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図8
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図9
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図10
  • 特開-分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160346
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20231026BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070664
(22)【出願日】2022-04-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大塚 力
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】医療情報を活用した各種分析を行うことができる分析データ提供装置を提供する。
【解決手段】複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行う分析部と、分析結果を出力する出力部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、
分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、
前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行う分析部と、
分析結果を出力する出力部と、
を有する分析データ提供装置。
【請求項2】
前記分析部は、
前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された場合と、前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤が処方された場合とのそれぞれの検査値の処方動態を分析し、
前記出力部は、前記第1薬剤が処方された場合の処方動態と、前記第2薬剤が処方された場合の処方動態とを出力する
請求項1に記載の分析データ提供装置。
【請求項3】
前記分析部は、
前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された後、処方される薬剤が前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤に切り替えられた場合の検査値の処方動態を分析する
請求項1に記載の分析データ提供装置。
【請求項4】
前記分析部は、
前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された後、処方される薬剤が前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤と第1薬剤とが処方された場合の検査値の処方動態を分析する
請求項1に記載の分析データ提供装置。
【請求項5】
前記分析部は、分析対象期間における、前記複数の患者の検査値について中央値を算出することで処方動態を分析する
請求項2から請求項4のうちいずれか1項に記載の分析データ提供装置。
【請求項6】
分析データ提供装置と、端末装置とを含む分析データ提供システムであって、
前記分析データ提供装置は、
複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、
分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、
前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行う分析部と、
分析結果を出力する出力部と、
を有し、
前記端末装置は、
前記分析データ提供装置に、分析要求を送信する送信部と、
前記出力された分析結果を受信し、表示画面に表示させる表示部と、
を有する分析データ提供システム。
【請求項7】
医療情報取得部が、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得し、
分析要求取得部が、分析内容を指定する分析要求を取得し、
分析部が、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行い、
出力部が、分析結果を出力する
分析データ提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療情報を活用するシステムとして、レセプト情報を収集し、加工したデータを提供するシステムがある(例えば特許文献1参照)。例えば、レセプト情報に基づいて、患者に対して処方される複数の薬剤の組み合わせを確認することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6409113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レセプト情報では、処方された薬剤を把握することができるが、疾患名は特定されておらず、また、薬剤が投与された後の患者の病気の状況については把握することができない。そのため、医療情報を活用した分析を行うことが望まれる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、医療情報を活用した各種分析を行うことができる分析データ提供装置、分析データ提供システム、分析データ提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行う分析部と、分析結果を出力する出力部と、を有する分析データ提供装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、分析データ提供装置と、端末装置とを含む分析データ提供システムであって、前記分析データ提供装置は、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行う分析部と、分析結果を出力する出力部と、を有し、前記端末装置は、前記分析データ提供装置に、分析要求を送信する送信部と、前記出力された分析結果を受信し、表示画面に表示させる表示部と、を有する分析データ提供システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、医療情報取得部が、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得し、分析要求取得部が、分析内容を指定する分析要求を取得し、分析部が、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行い、出力部が、分析結果を出力する分析データ提供方法である。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、この発明によれば、医療情報を活用した各種分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の一実施形態による分析データ提供システムSの構成を示す概略ブロック図である。
図2】分析データ提供サーバ30の構成を示す概略機能ブロック図である。
図3】分析データ提供サーバ30の動作を表すフローチャートである。
図4】分析要求を入力する際の入力可能な情報の一例を示す図である。
図5】薬剤の比較を行った場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
図6】薬剤の比較を行った場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
図7】サマリー分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
図8】傷病基本分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
図9】処方基本分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
図10】シェア分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
図11】薬剤使用量分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による分析データ提供サーバを用いた分析データ提供システムについて図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による分析データ提供システムSの構成を示す概略ブロック図である。
図1において、分析データ提供システムSは、医療機関データ提供システム10と、加工データ提供サーバ20と、分析データ提供サーバ30と、端末装置40とを含む。
【0012】
医療機関データ提供システム10は、加工データ提供サーバ20にネットワーク等の通信網を介して通信可能に接続される。
医療機関データ提供システム10は、地域医療ネットワークシステムに接続されるとともに、病院やクリニック等に設けられた端末装置と通信可能に接続される。医療機関データ提供システム10は、地域医療ネットワークシステムの記憶装置に記憶された電子カルテデータ、病院やクリニック等に設けられた端末装置から入力される電子カルテデータを取得して、データベース等の記憶装置に書き込むことで記憶する。
【0013】
電子カルテデータには、患者に診療に関するデータが含まれており、例えば、患者の基本情報、診療情報、検査情報、処置情報、投薬情報等が含まれる。
患者の基本情報は、患者に関する基本的な各種情報を含むものであり、例えば、患者名、住所、性別、生年月日、連絡先、身長、体重、既往歴等が含まれる。
診療情報は、診療内容に関する情報が含まれるものであり、例えば、診療日、自覚症状、診断名(傷病名または疾患名)、治療方針、医師からの指示、医師の診察の結果(所見等)等が含まれる。
検査情報は、患者に対して各種検査を行った結果が含まれるものであり、例えば、血液検査を行った結果、レントゲンを撮影した画像データ、超音波診断装置により診断をした画像データ等がある。
処置情報は、患者に対して行った処置の内容や、手術の内容等が含まれる。
投薬情報は、患者に対して投薬する内容を表す情報であり、投薬日時、薬剤等が含まれる。
【0014】
医療機関データ提供システム10は、データベースに蓄積された電子カルテデータを一定期間毎(例えば、3ヶ月毎等)、または、一定程度のデータが蓄積されると、加工データ提供サーバ20に送信する。
【0015】
加工データ提供サーバ20は、医療機関データ提供システム10から送信される電子カルテデータを受信して記憶する。
加工データ提供サーバ20は、電子カルテデータのうち、個人に関する情報について、個人が特定されないようなデータに加工する。例えば、加工データ提供サーバ20は、記憶した電子カルテデータに含まれる患者毎に、患者を識別する患者IDを付与し、患者名を患者IDに置換した匿名加工データを生成し、加工データ提供サーバ20内のデータベースに記憶する。ここでは、加工データ提供サーバ20は、匿名加工データにおける、電子カルテデータに含まれる病院名、クリニック名等についても、病院やクリニックを識別可能な施設IDに置換した匿名加工データを生成し、加工データ提供サーバ20内のデータベースに記憶するようにしてもよい。また、加工データ提供サーバ20は、患者年齢について80歳以上を80歳、5歳未満を4歳、5歳から80歳未満の年齢については、5歳刻みとなるように加工した、匿名加工データを生成し、加工データ提供サーバ20内のデータベースに記憶するようにしてもよい。
【0016】
分析データ提供サーバ30は、ネットワークなどの通信網を介して加工データ提供サーバ20に通信可能に接続されるとともに、端末装置40にネットワークを介して通信可能に接続される。
分析データ提供サーバ30は、加工データ提供サーバ20に記憶された匿名加工データを受信して記憶する。匿名加工データを受信するタイミングとしては、例えば、一定期間毎(例えば3ヶ月毎)である。また、分析データ提供サーバ30は、端末装置40から送信される分析要求に応じて、匿名加工データの分析を行い、分析結果を端末装置40に送信する。
【0017】
端末装置40は、分析データ提供サーバ30に対して、ネットワークを介して通信可能に接続される。端末装置40は、分析内容を指定する分析要求を分析データ提供サーバ30に送信する送信部、分析データ提供サーバ30から送信される、分析結果を受信する機能を有する。
端末装置40は、入力装置と表示装置を有し、受信した分析結果を、端末装置40に接続された表示装置(表示画面)に表示させる表示部を有する。入力装置は、キーボード、マウス、タッチパネルのうち少なくともいずれか1つであってもよい。表示装置は、例えば、液晶表示装置である。
【0018】
端末装置40の利用者は、例えば、製薬会社、医療機器メーカ等である。
【0019】
図2は、分析データ提供サーバ30の構成を示す概略機能ブロック図である。
分析データ提供サーバ30は、通信部31、記憶部32、医療情報取得部33、分析要求取得部34、分析部35、制御部36、入力部37、出力部38を有する。
通信部31は、加工データ提供サーバ20と通信を行う機能、端末装置40と通信を行う機能を有する。
記憶部32は、各種データを記憶する。
例えば、記憶部32は、加工データ提供サーバ20から通信部31によって受信した匿名加工データを記憶する。
【0020】
記憶部32は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部32は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0021】
医療情報取得部33は、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する。この医療情報に含まれる電子カルテデータは、匿名加工データであってもよいし、加工データ提供サーバ20においてデータが加工されていない電子カルテデータであってもよい。医療情報は、匿名加工データだけでなく他のデータも含まれていてもよい。
分析要求取得部34は、分析内容を指定する分析要求を端末装置40から取得する。
【0022】
分析部35は、電子カルテデータ(匿名加工データ)に含まれる、疾患名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、分析要求に応じた分析を行う。分析要求には、分析対象の項目の指定や分析手法の指定などが含まれていてもよい。
分析部35は、匿名加工データに含まれるデータから、薬剤の名称、疾患名等を抽出し、薬剤の名称に応じた、薬剤を識別する薬剤コードの付与、疾患名に応じた、疾患名を識別する疾患名コードの付与をする。これら分析部35は、薬剤コード、疾患名コードを、端末装置40に送信することもできる。この場合、分析部35は、薬剤コード、疾患名コードを付与することによって、取扱易いデータ(標準化データ)として加工することができるため、業界共通のマスターとなるデータとして、端末装置40に提供することもできる。
【0023】
分析部35は、薬剤コード、疾患名コードを付与することにより、これらのコードを利用して、分析対象の疾患を特定し、その疾患に対応する薬剤のうち、薬剤コードに基づいて、分析対象の薬剤を特定し、各種分析をする。例えば、分析部35は、分析要求として分析対象の疾患名が含まれる要求を取得すると、記憶部32に記憶された匿名加工データのうち、この疾患名に対応するコードが含まれる匿名加工データを複数の患者について抽出し、抽出された匿名加工データのうち、分析要求として分析対象として指定された薬剤に対応する薬剤コードが含まれる匿名加工データを複数の患者について抽出する。そして、分析部35は、抽出された匿名加工データの各患者の検査値を読み出し、その検査値に基づいて、中央値の算出や、基準値に収まっているか否かの判定などを行うことで、分析をする。分析部35は、異なる薬剤の効果の比較、薬剤の切り替え、薬剤の追加等について行う。例えば、薬剤の比較を行う場合には、上述のような分析を、分析対象として指定された薬剤毎に行うことで、薬剤の効果を比較することが可能な分析結果を得ることができる。
【0024】
分析部35は、検査結果が示す数値に基づく分析をすることもできる。例えば、分析部35は、同じ薬剤が投与された複数の患者であって、投与後の期間のうち分析対象期間について検査値(例えば、血液検査のある項目の検査結果を示す検査値)の中央値を求めることで分析をする。例えば、匿名加工データに含まれる投与日に基づいて、投与後の1ヶ月毎に中央値を求めることで、投与後の効果の経過を把握可能となる。また、分析部35は、このような中央値を求める処理について、同じ疾患に対して投薬された異なる薬剤のそれぞれについて行うことで、異なる薬剤について比較可能なデータを生成することができる。
【0025】
分析部35は、電子カルテデータから分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された場合と、第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤が処方された場合とのそれぞれの検査値の処方動態を分析する(薬剤の比較)。
分析部35は、電子カルテデータから分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された後、処方される薬剤が第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤に切り替えられた場合の検査値の処方動態を分析する(薬剤の切り替え)。
分析部35は、電子カルテデータから分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された後、処方される薬剤が第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤と第1薬剤とが処方された場合の検査値の処方動態を分析する(薬剤の追加)。
分析部35は、分析対象期間における、複数の患者の検査値について中央値を算出することで処方動態を分析する。
【0026】
制御部36は、分析データ提供サーバ30の各部を制御する。
入力部37は、分析データ提供サーバ30の外部に接続される入力装置から入力される操作入力を受け付ける。
【0027】
出力部38は、分析結果を出力する。例えば、出力部38は、分析結果を通信部31によって端末装置40に送信させる。
出力部38は、第1薬剤が処方された場合の処方動態と、第2薬剤が処方された場合の処方動態とを出力する。
【0028】
上述した通信部、医療情報取得部33、分析要求取得部34、分析部35、制御部36、入力部37、出力部38の機能を、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成することで実現するようにしてもよい。
【0029】
次に、分析データ提供サーバ30の動作について説明する。
図3は、分析データ提供サーバ30の動作を表すフローチャートである。
ここでは、医療機関データ提供システム10は、一定期間毎に、複数の患者の電子カルテデータを加工データ提供サーバ20に送信する。加工データ提供サーバ20は、複数の患者の電子カルテデータを加工することで各患者の基本情報についての加工が行われた、匿名加工データを生成し、分析データ提供サーバ30に送信する。匿名加工データの送信は、一定期間毎(例えば、3ヶ月毎)に送信する。分析データ提供サーバ30の医療情報取得部33は、加工データ提供サーバ20から匿名加工データを通信部31を介して受信すると、記憶部32に記憶する。
【0030】
端末装置40の利用者は、分析をしてもらう場合に、端末装置40の分析要求入力画面において、分析要求を入力する。例えば、分析要求としては、分析対象となる疾患名、薬剤名、分析手法(分析メニュー)、分析期間を含むようにすることができる。疾患名、薬剤名は、名称を表すキーワードを入力してもよいし、選択可能な疾患名や、薬剤名をプルダウンメニューから選択するようにしてもよい。分析手法は、種々の分析手法のなかから指定することができるが、例えば、薬剤の比較、薬剤の切り替え、薬剤の追加、その他の分析のうちいずれか1つを選択することができる。
薬剤の比較は、薬剤A(A社)、薬剤B(B社)とのそれぞれキーワードとして指定することで、これら2つの薬剤について比較をする分析要求を入力することができる。この比較する対象は2つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
薬剤の切り替え(処方動態その1)は、同じ患者に対して、ある薬剤(第1薬剤)から別の薬剤(第2薬剤)に切り替えた場合を分析対象とするものでる。ここでは第1薬剤と第2薬剤をキーワードとして入力するとともに、薬剤の切り替えであることを指定することで、薬剤の切り替えについて分析してもらうことができる。
薬剤の追加(処方動態その2)は、ある薬剤(第1薬剤)が投与されていたところ、別の薬剤(第2薬剤)を追加で投与される場合について分析対象とするものである。ここでは第1薬剤と第2薬剤をキーワードとして入力するとともに、薬剤の追加であることを指定することで、薬剤の追加について分析してもらうことができる。
このような処方動態における薬剤の効果がわかることで、製薬会社によって有効に活用することができる情報が得られる。
その他の分析は、例えば、サマリー分析、傷病基本分析、処方基本分析、シェア分析、薬剤使用量分析等がある。
【0031】
図4は、分析要求を入力する際の入力可能な情報の一例を示す図である。この図4に示すような各項目を分析要求入力画面において表示し、分析したい対象に応じていくつかの項目に入力内容を入力することで、分析要求を生成することができる。
ここでは、分析内容を指定するための項目のうち大項目として、分析メニュー(分析手法)、項目・条件、データ表出がある。
項目・条件には、中項目として、施設軸、検査軸、製品・疾患軸、患者軸等があり、これら中項目に対して、それぞれ小項目が属している。項目・条件は、例えば、分析したい条件や分析対象の薬剤を指定する項目等を指定することができるようになっている。この項目・条件に対して各種データを入力することで、検査名称(検査項目)、疾患名、薬剤名称、患者の年代、患者の性別等を指定することができる。
データ表出には、中項目として、表出項目、期間条件設定があり、これら中項目に対して、それぞれ小項目が属している。
データ表出において、各種データを入力することで、例えば分析対象の期間、検査回数等を指定することができる。
【0032】
端末装置40の利用者は、分析要求入力画面において、分析内容を入力した後、決定ボタンを入力する。これにより、端末装置40は、入力された分析内容に応じた分析要求を分析データ提供サーバ30に送信する。
分析データ提供サーバ30の分析要求取得部34は、端末装置40から送信された分析要求を、通信部31を介して取得する(ステップS101)。
分析部35は、分析要求取得部34によって分析要求を取得すると、分析要求に基づいて、分析内容を特定する(ステップS102)。例えば、分析部35は、分析要求に含まれる分析手法を参照することで、分析手法が、薬剤の比較、薬剤の切り替え、薬剤の追加、その他の分析のうちいずれの分析であるかを特定する。
【0033】
分析部35は、分析手法が薬剤の比較である場合、分析要求に基づいて、同じ疾患名であって、指定された第1薬剤(例えば、薬剤A)と第2薬剤(例えば、薬剤B)とに従い、薬剤Aが投与された患者(ここでは複数の患者)と薬剤Bが投与された患者(ここでは複数の患者)について分析をする(ステップS103)。ここで分析部35は、分析期間、分析結果の表示態様等については、データ表出の項目において指定されているため、その指定内容に基づいて分析を行う。
【0034】
一方、分析部35は、分析手法が薬剤の切り替えである場合、分析要求に基づいて、分析対象の疾患名が含まれる電子カルテのうち、投与された薬剤が第1薬剤(例えば薬剤A)から第2薬剤(例えば薬剤B)に切り替えられた患者を対象として分析をする(ステップS104)。ここで分析部35は、分析期間、分析結果の表示態様等については、データ表出の項目において指定されているため、その指定内容に基づいて分析を行う。
【0035】
また、分析部35は、分析手法が薬剤の追加である場合、分析対象の疾患名が含まれる電子カルテのうち、第1薬剤(例えば薬剤A)が投与された後、第3薬剤(例えば薬剤C)が追加で投与された患者を対象として分析する(ステップS105)。ここで分析部35は、分析期間、分析結果の表示態様等については、データ表出の項目において指定されているため、その指定内容に基づいて分析を行う。
【0036】
また、分析部35は、分析手法が薬剤の比較、薬剤の切り替え、薬剤の追加のいずれでもない場合には、その他の分析であると判定し、指定された分析手法に沿った分析をする(ステップS106)。ここで分析部35は、分析期間、分析結果の表示態様等については、データ表出の項目において指定され内容に応じて分析を行う。
【0037】
出力部38は、分析部35によって、指定された分析手法に応じた分析処理が行われ、分析結果が得られると、その分析結果を通信部31を介して、分析要求の送信元の端末装置40に送信する(ステップS107)。
これにより、端末装置40は、分析結果を受信することができ、分析結果を表示画面に表示することができる。
【0038】
図5は、薬剤の比較を行った場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
この表示画面において、画面の左側には薬剤Aの分析結果が表示され、画面の右側には薬剤Bの分析結果が表示される。ここでは、一例として、C18結腸における悪性新生物(腫瘍)について、市場内における初回薬剤処方後の治療効果として、検査結果の中央値を求めた場合について図示されている。この分析結果では、腫瘍マーカを用いた薬剤治療効果のトレンド分析として薬剤別に中央値の推移がグラフとして表示されている。このグラフでは、横軸が分析期間であり、薬剤を投与してから0ヶ月後から6ヶ月後までを示している。縦軸は、検査項目であるCEAの値を表している。
ここでは、比較対象の薬剤の効果を示すグラフを画面に並べて表示することで、2つの薬剤の効果を簡単に比較することができる。
また、この分析結果の画面において、薬剤の名称の表示箇所がプルダウンメニューになっており、利用者が別の薬剤を選択入力すると、その選択された内容が分析要求として端末装置40から分析データ提供サーバ30に送信される。分析データ提供サーバ30は、プルダウンメニューによって選択された薬剤についての分析結果を端末装置40に送信する。これにより、端末装置40は、プルダウンメニューによって選択した薬剤についての分析結果を速やかに得ることができ、表示画面に表示することができる。
【0039】
図6は、薬剤の比較を行った場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。図5では、CEAの検査結果の中央値をグラフによって表示する場合について説明したが、図6においては、検査値の基準値内外における患者数の割合を棒グラフによって分析結果として表示された場合について図示されている。
この図に示すように、薬剤Aが処方された場合と、薬剤Bが処方された場合とについて、それぞれ、CEAの検査結果の値が基準に収まった患者の数と収まっていない患者の数の割合が、1ヶ月毎に棒グラフによって表されている。これにより、2つの薬剤の効果について、基準値に収まっているか否かという観点から分析し、簡単に把握することができる。
また、この図においても、薬剤の名称の部分をプルダウンメニューによって選択可能となっており、薬剤が選択されることに応じて、選択された後の薬剤の分析結果が棒グラフとして表示し直される。
なお、中央値を用いたグラフによって表すか、あるいは、検査結果の値が基準に収まった患者の数と収まっていない患者の数の割合を棒グラフで表すか、については、表出項目において指定することができるようになっている。
【0040】
ここでは、薬剤の比較についての分析結果が表示された場合について図示したが、薬剤の切り替え、薬剤の追加についても同様に、分析結果の表示画面に表示させることができる。
例えば、薬剤の切り替えについて表示する場合、分析部35は、処方された薬剤が薬剤Aから薬剤Bに切り替えられた患者の匿名加工データを記憶部32から読み出し、図5に示すようなCEAの検査値の中央値をグラフを生成することで、端末装置40に表示させることができ、また、図6に示すように、CEAの検査値が基準値に収まった患者の数と収まって以内患者の数の割合を棒グラフで表す結果を生成することで、端末装置40に表示させることができる。この場合、切り替える前の薬剤と切り替えた後の薬剤がいずれであるかを、図5図6と同様に、プルダウンメニューによって選択してもらい、その分析結果を逐次画面に表示するようにしてもよい。
【0041】
また、例えば、薬剤の追加について表示する場合、分析部35は、処方された薬剤が薬剤Aが処方されており薬剤Cが追加で処方された患者の匿名加工データを記憶部32から読み出し、図5に示すようなCEAの検査値の中央値をグラフを生成することで、端末装置40に表示させることができ、また、図6に示すように、CEAの検査値が基準値に収まった患者の数と収まって以内患者の数の割合を棒グラフで表す結果を生成することで、端末装置40に表示させることができる。この場合、最初に処方された薬剤と追加で処方された薬剤とがいずれであるかを、図5図6と同様に、プルダウンメニューによって選択してもらい、その分析結果を逐次画面に表示するようにしてもよい。
【0042】
図7は、サマリー分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。ここでは、疾患として悪性新生物であると診断された患者の背景や処方された薬剤の探索結果が分析結果として表示された場合について図示されている。例えば、傷病設定においては、傷病の分類毎の診断患者数、傷病小分類毎の診断患者数等が分析された結果がグラフによって表示される。患者背景では、診療科毎の診断患者数、性別毎の診断患者数、年代毎の診断患者数等について分析された結果がグラフによって表示される。また、処方薬剤探索としては、薬剤毎の処方患者数や、成分の一般名毎の処方患者数等がグラフによって表示される。
このようなサマリー分析を行うことで、傷病情報を軸に、分析内容のインサイトの取得、分析目的のフィージビリティスタディが可能となる。
【0043】
図8は、傷病基本分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。
この図においては、大腸がんであると診断された患者数や、薬剤の利用がある患者数の推移と処方薬のランキングが表示される。
例えば、診断患者数の四半期毎の推移がグラフによって表示されるとともに、処方患者数の四半期毎の推移がグラフによって表示される。また、成分の一般名毎の処方患者数、製品名(薬剤名)毎の処方患者数がグラフによって表示される。
これにより、傷病における市場の変動を把握し、分析目的のフィージビリティスタディが可能となる。
【0044】
図9は、処方基本分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。ここでは、適応症別処方割合について分析された結果が表示されている。この場合における分析手法としては、Prod A(薬剤A)の処方先疾患割合の推移について示されている。また、薬剤Aが処方された患者の合計人数(総処方患者数)、適応処方患者割合、期間計処方患者割合、処方患者数割合の遷移が示されている。
このような分析をすることで、薬剤を処方する観点における市場の変動を把握し、分析目的のフィージビリティスタディが可能となる。
【0045】
図10は、シェア分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。ここでは、大腸がん患者における薬剤毎の処方患者数割合の推移について示されている。例えば、大腸がん患者のであって薬剤が処方された患者の合計人数(総処方患者数)、分析対象期間における期間計処方患者割合、処方患者数割合の遷移が示されている。
このような分析をすることで、シェア変動(効果)によるある製薬会社の市場内浸透度及び他社の動向把握を容易に行うことができる。
【0046】
図11は、薬剤使用量分析が行われた場合に得られる分析結果が表示された表示画面の一例を示す図である。ここでは、Prod A(薬剤A)の処方疾患あたり平均薬剤使用量の適応症比較をした場合の分析結果が示されている。例えば、症帆患者あたり平均薬剤使用量、処方患者あたり平均総投薬量推移、処方患者あたり平均総処方日数推移が示されている。
このような分析をすることで、想定と実態の差分の把握、フォーキャストへの反映、施策による使用量変動(効果)の把握が可能である。
【0047】
以上説明した実施形態によれば、医療データ(電子カルテデータ)に基づく分析データを製薬会社や医療機器メーカに提供することができる。すなわち、医療機関の外部に提供されるデータとして、電子カルテデータが提供される。これにより、医療機関の外部においても、アウトカムについて把握することができる。
製薬会社は、自社が開発した薬剤については治験データを持っているため、その治験データを元に、薬剤の改良等の検討をすることができる。しかし、上述の分析データが得られることで、医師によって薬剤が処方された後の患者の診療状況や、検査情報等をアウトカムとして取得することができるため、これまでにできなかった観点から、薬剤についての各種検討を進めることができる。また、自社の薬剤だけでなく、他社の薬剤の動態についても把握することができるため、新たな観点か薬剤についての検討をすることができる。
医療機器メーカは、薬剤が投与された効果を参照することができるため、薬剤と相乗効果が得られそうな機器の開発をするためのデータをすることができる。
【0048】
また、製薬会社は、分析要求として、疾患名と、分析対象の薬剤名を複数入力することができる。これにより、投薬の対象とされた疾患名、投薬された薬剤、投薬後の診療状況(数ヶ月後等に同じ疾患について通院があったか否か等)、投与されてことによって実際に血液結果等の検査値が基準値に収まったか否かの割合等を、例えば、薬剤Aと薬剤Bとのそれぞれについて比較することができる。
また、製薬会社は、自社の薬剤の効果について、治験の結果からある程度把握できているが、上述の分析結果を得ることで、市販された後も同じ効果をたどっているか否かの確認や、競合の製薬会社の薬剤との効果の比較もすることができる。
【0049】
また、製薬会社や医療機器メーカは、端末装置40を利用して、分析データ提供サーバ30にアクセスすることで、分析結果を得ることができるため、分析データ提供サーバ30をBI(Business Intelligence)ツールとして提供することが可能となる。
【0050】
また、上述した実施形態によれば、分析対象を最近の四半期等に設定することで、四半期のトレンドや、ある疾患に対して利用される薬剤がどの薬剤からどの薬剤に変わったか等のさまざまな切り口での分析を行うことができる。
また、上述した実施形態によれば、端末装置40の分析対象入力画面において、患者の年代や性別等のセグメントを指定すると、即時にチャートが連動し指定セグメントに絞り込まれた状態で分析結果を分析データ提供サーバ30から取得し、端末装置40の表示画面上に表示することができる。これにより、端末装置40の利用者は、データ処理の専門知識がなくても気になる分析軸、セグメントでの細分化および深掘りが即時に可能となり、探索的なデータ分析に役立つ。
【0051】
また上述した実施形態によれば、電子カルテデータに含まれる、医師によって診断された疾患に基づいて分析することができる。
【0052】
以上説明した実施形態によれば、分析対象が疾患である場合を一例として説明したが、分析対象は疾患に限られるものではなく、傷病であればよく、例えば外傷について分析するようにしてもよい。電子カルテデータに、外傷が含まれている場合には、分析データ提供サーバ30は、外傷に関して用いられた薬剤についても分析することができる。
【0053】
上述した実施形態における分析データ提供サーバ30をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0054】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10…医療機関データ提供システム,20…加工データ提供サーバ,30…分析データ提供サーバ,31…通信部,32…記憶部,33…医療情報取得部,34…分析要求取得部,35…分析部,36…制御部,37…入力部,38…出力部,40…端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、
分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、
前記電子カルテデータに含まれるデータに基づいて、前記指定された分析内容に応じた分析を行う分析部と、
分析結果を出力する出力部と、
を有し、
前記分析部は、
前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された場合と、前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤が処方された場合とのそれぞれの検査値の処方動態を分析するものであり、分析対象期間における、前記複数の患者の分析対象の検査項目の検査値について中央値を算出することで処方動態を分析し、
前記出力部は、前記第1薬剤が処方された場合の処方動態と、前記第2薬剤が処方された場合の処方動態とのそれぞれについて、前記検査項目の前記検査値が基準値に収まった患者と収まっていない患者の数の割合を、薬剤を投薬してからの異なる経過期間毎に棒グラフによって表示画面に表示させる
分析データ提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分析データ提供装置と、端末装置とを含む分析データ提供システムであ
前記端末装置は、
前記分析データ提供装置に、分析要求を送信する送信部と、
前記出力された分析結果を受信し、表示画面に表示させる表示部と、
を有する分析データ提供システム。
【請求項3】
医療情報取得部が、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得し、
分析要求取得部が、分析内容を指定する分析要求を取得し、
分析部が、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行い、
出力部が、分析結果を出力する分析データ提供方法であり、
前記分析部が分析を行うことは、
前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された場合と、前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤が処方された場合とのそれぞれの検査値の処方動態を分析するものであり、分析対象期間における、前記複数の患者の分析対象の検査項目の検査値について中央値を算出することで処方動態を分析することを含み、
前記出力部が出力することは、前記第1薬剤が処方された場合の処方動態と、前記第2薬剤が処方された場合の処方動態とのそれぞれについて、前記検査項目の前記検査値が基準値に収まった患者と収まっていない患者の数の割合を、薬剤を投薬してからの異なる経過期間毎に棒グラフによって表示画面に表示させることを含む
分析データ提供方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得する医療情報取得部と、分析内容を指定する分析要求を取得する分析要求取得部と、前記電子カルテデータに含まれるデータに基づいて、前記指定された分析内容に応じた分析を行う分析部と、分析結果を出力する出力部と、を有し、前記分析部は、前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された場合と、前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤が処方された場合とのそれぞれの検査値の処方動態を分析するものであり、分析対象期間における、前記複数の患者の分析対象の検査項目の検査値について中央値を算出することで処方動態を分析し、前記出力部は、前記第1薬剤が処方された場合の処方動態と、前記第2薬剤が処方された場合の処方動態とのそれぞれについて、前記検査項目の前記検査値が基準値に収まった患者と収まっていない患者の数の割合を、薬剤を投薬してからの異なる経過期間毎に棒グラフによって表示画面に表示させる分析データ提供装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明の一態様は、上述の分析データ提供装置と、端末装置とを含む分析データ提供システムであ、前記端末装置は、前記分析データ提供装置に、分析要求を送信する送信部と、前記出力された分析結果を受信し、表示画面に表示させる表示部と、を有する分析データ提供システムである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明の一態様は、医療情報取得部が、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を取得し、分析要求取得部が、分析内容を指定する分析要求を取得し、分析部が、前記電子カルテデータに含まれる、病名、検査値、処方された薬剤のうち少なくともいずれか1つの項目のデータに基づいて、前記分析要求に応じた分析を行い、出力部が、分析結果を出力する分析データ提供方法であり、前記分析部が分析を行うことは、前記電子カルテデータから前記分析要求によって指定された病名に該当する電子カルテデータのうち、第1薬剤が処方された場合と、前記第1薬剤とは異なる薬剤である第2薬剤が処方された場合とのそれぞれの検査値の処方動態を分析するものであり、分析対象期間における、前記複数の患者の分析対象の検査項目の検査値について中央値を算出することで処方動態を分析することを含み、前記出力部が出力することは、前記第1薬剤が処方された場合の処方動態と、前記第2薬剤が処方された場合の処方動態とのそれぞれについて、前記検査項目の前記検査値が基準値に収まった患者と収まっていない患者の数の割合を、薬剤を投薬してからの異なる経過期間毎に棒グラフによって表示画面に表示させることを含む分析データ提供方法である。