(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160382
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】車載用揺動スイッチユニット
(51)【国際特許分類】
H01H 23/16 20060101AFI20231026BHJP
H01H 23/30 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H01H23/16 Z
H01H23/30
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070727
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 英誠
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035AA24
5G035CA04
5G035CB01
5G035DA14
5G035JB03
5G035JB04
(57)【要約】
【課題】本発明は、車載用揺動スイッチユニットを薄くすることを目的とする。
【解決手段】車載用揺動スイッチユニット100は、基板14に向けて突出した支点部44と、スイッチ押圧部30とを備えている。スイッチ押圧部30は、支点部44から互いに反対方向(上方向および下方向)に延びる第1腕部40および第2腕部42とを備える。スイッチ押圧部30は、支点部44の周りで揺動自在である。また、車載用揺動スイッチユニット100は、スイッチノブ12と、第1スイッチ16および第2スイッチ18を備えている。スイッチノブ12は、スイッチ押圧部30の揺動軸8上に設けられ、スイッチ押圧部30の傍らに結合し、スイッチ押圧部30と共に揺動自在である。押圧スイッチは、第1腕部40および第2腕部42のそれぞれに対応する基板14上の位置に設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に向けて突出した支点部と、
前記支点部から互いに反対方向に延びる第1腕部および第2腕部と、を備え、前記支点部の周りで揺動自在なスイッチ押圧部と、
前記スイッチ押圧部の揺動軸上に設けられ、前記スイッチ押圧部の傍らに結合し、前記スイッチ押圧部と共に揺動自在なスイッチノブと、
前記第1腕部および前記第2腕部のうち少なくとも一方に対応する前記基板上の位置に設けられた押圧スイッチと、を備えることを特徴とする車載用揺動スイッチユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用揺動スイッチユニットであって、
前記第1腕部および前記第2腕部のそれぞれは、
前記スイッチノブの揺動端部から前記揺動軸の方向に沿って延びる第1区間と、
前記第1区間が延びた先における先端部から前記支点部に向けて延びる第2区間と、を含み、
前記押圧スイッチは、
前記第1腕部における前記第1区間の先端部、および前記第2腕部における前記第1区間の先端部のうち少なくとも一方に対応する前記基板上の位置に設けられていることを特徴とする車載用揺動スイッチユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の車載用揺動スイッチユニットであって、
前記第1腕部および前記第2腕部のうち、前記第1区間の先端部に対応する前記基板上の位置に前記押圧スイッチが設けられている一方または両方は、
前記押圧スイッチの押圧方向に沿って延びる押圧方向区間を前記第1区間に有していることを特徴とする車載用揺動スイッチユニット。
【請求項4】
請求項2に記載の車載用揺動スイッチユニットであって、
前記スイッチノブを囲むベゼルを有し、
前記支点部は、
前記スイッチノブに結合され、前記揺動軸に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトが延びた先に設けられた支点本体部と、を有し、
前記シャフトは、
前記ベゼルに形成されたシャフト嵌め込み部と、前記基板との間に回転自在に挟まれていることを特徴とする車載用揺動スイッチユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用揺動スイッチユニットに関し、特に、基板上に設けられるスイッチの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、オーディオ装置、エアコンディショナ、ルームライト、パワーウィンドウ、ウインカ等のアクセサリ機器が搭載されている。一般に、アクセサリ機器の操作は、車室のコンソールに設けられたスイッチユニットによって行われる。スイッチユニットには、特許文献1~3に示されているように、スイッチノブを揺動させることで、内蔵のスイッチが操作される揺動スイッチユニットがある。
【0003】
揺動スイッチユニットでは、スイッチノブが揺動して一方側に傾いたときに、2つのスイッチのうち一方が押圧操作され、揺動スイッチノブが揺動して他方側に傾いたときに、2つのスイッチのうち他方が押圧操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-216185号公報
【特許文献2】特開平08-111142号公報
【特許文献3】特開2008-262899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の揺動スイッチユニットには、スイッチが基板等の固定部材に固定され、スイッチノブと固定部材との間にスイッチが位置する構造を有しているものがある。このような構造では、揺動スイッチユニットが厚くなってしまうことがある。
【0006】
本発明は、車載用揺動スイッチユニットを薄くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板に向けて突出した支点部と、前記支点部から互いに反対方向に延びる第1腕部および第2腕部と、を備え、前記支点部の周りで揺動自在なスイッチ押圧部と、前記スイッチ押圧部の揺動軸上に設けられ、前記スイッチ押圧部の傍らに結合し、前記スイッチ押圧部と共に揺動自在なスイッチノブと、前記第1腕部および前記第2腕部のうち少なくとも一方に対応する前記基板上の位置に設けられた押圧スイッチと、を備えることを特徴とする。
【0008】
望ましくは、前記第1腕部および前記第2腕部のそれぞれは、前記スイッチノブの揺動端部から前記揺動軸の方向に沿って延びる第1区間と、前記第1区間が延びた先における先端部から前記支点部に向けて延びる第2区間と、を含み、前記押圧スイッチは、前記第1腕部における前記第1区間の先端部、および前記第2腕部における前記第1区間の先端部のうち少なくとも一方に対応する前記基板上の位置に設けられている。
【0009】
望ましくは、前記第1腕部および前記第2腕部のうち、前記第1区間の先端部に対応する前記基板上の位置に前記押圧スイッチが設けられている一方または両方は、前記押圧スイッチの押圧方向に沿って延びる押圧方向区間を前記第1区間に有している。
【0010】
望ましくは、前記スイッチノブを囲むベゼルを有し、前記支点部は、前記スイッチノブに結合され、前記揺動軸に沿って延びるシャフトと、前記シャフトが延びた先に設けられた支点本体部と、を有し、前記シャフトは、前記ベゼルに形成されたシャフト嵌め込み部と、前記基板との間に回転自在に挟まれている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車載用揺動スイッチユニットを薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】車載用揺動スイッチユニットの斜視図である。
【
図2】車載用揺動スイッチユニットの六面図である。
【
図3】車載用揺動スイッチユニットの分解斜視図である。
【
図4】揺動操作部、第1スイッチおよび第2スイッチの斜視図である。
【
図5】ベゼルを右斜め下後方から見た斜視図である。
【
図6】車載用揺動スイッチユニットの各断面の位置を示す図である。
【
図7】車載用揺動スイッチユニットのA-A断面を示す図である。
【
図8】車載用揺動スイッチユニットのB-B断面を示す図である。
【
図9】車載用揺動スイッチユニットのC-C断面を示す図である。
【
図10】車載用揺動スイッチユニットのC-C断面を示す図である。
【
図11】車載用揺動スイッチユニットのC-C断面を示す図である。
【
図12】車載用揺動スイッチユニットのD-D断面を示す図である。
【
図13】車載用揺動スイッチユニットのD-D断面を示す図である。
【
図14】車載用揺動スイッチユニットのD-D断面を示す図である。
【
図15】車載用揺動スイッチユニットのE-E断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示されている同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を簡略化する。各図で定義された上、下、左、右、前、後ろ等の方向は、説明の便宜上のものであり、各構成要素を配置する際の姿勢を限定するものではない。また、本願の図面では、構造を把握し易くするため、各部材の断面に通常施される塗りつぶしパターンが省略されている。
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係る車載用揺動スイッチユニット100の斜視図が示されている。
図2には車載用揺動スイッチユニット100の六面図が示されている。
図2には、(a)正面、(b)右側面、(c)左側面、(d)上面、(e)下面および(f)背面が示されている。車載用揺動スイッチユニット100は、例えば、自動車のドアの車室側のコンソールに設けられ、パワーウィンドウの開閉用に用いられてよい。また、オーディオ装置、エアコンディショナ等、その他のアクセサリ機器に用いられてもよい。
【0015】
図1に示されているように、車載用揺動スイッチユニット100は、ベゼル10、スイッチノブ12、基板14、第1スイッチ16、第2スイッチ18および裏カバー20を備えている。ベゼル10は、スイッチノブ12を長方形状に囲む枠状の部材である。ベゼル10は、横方向(x軸方向)に延びる短辺と上下方向(y軸方向)に延びる長辺とを有する長方形のフロントパネル50に、スイッチノブ12が入り込む長方形の窓22が形成された形状を有している。
【0016】
ベゼル10の窓22からは、スイッチノブ12が前方(z軸正方向)を臨んでいる。スイッチノブ12の前方側の面は、上側の平坦な第1操作領域24と、下側の平坦な第2操作領域26を有している。第1操作領域24と第2操作領域26との間には、上から下に向かうにつれて後退する斜面25が形成されており、第1操作領域24、斜面25および第2操作領域26は、上から下に向かって緩やかなクランク形状を描く。第1操作領域24には、「OPEN」の文字が描かれており、第2操作領域26には、「CLOSE」の文字が書かれている。各領域に書かれる文字あるいは描かれる図形は、車載用揺動スイッチユニット100の用途に応じたものであってよい。第1操作領域24または第2操作領域26が押圧されることで、スイッチノブ12は、横方向に延びる揺動軸8の周りで揺動自在となっている。
【0017】
基板14の右側の縦辺付近には、第1スイッチ16および第2スイッチ18が上下に配置されている。後述するように、スイッチノブ12の右側には、第1スイッチ16および第2スイッチ18のうち一方を押圧するスイッチ押圧部30が結合しており、スイッチノブ12およびスイッチ押圧部30の揺動によって、第1スイッチ16および第2スイッチ18のうち一方が押圧される。基板14の後方は、裏カバー20によって覆われている。
【0018】
図3には、車載用揺動スイッチユニット100の分解斜視図が示されている。車載用揺動スイッチユニット100は、ベゼル10、揺動操作部28(スイッチノブ12およびスイッチ押圧部30)、遮光部32、基板14、光源34、第1スイッチ16、第2スイッチ18および裏カバー20を組み立てることで構成される。基板14の前面には右側の縦辺付近に、第1スイッチ16および第2スイッチ18が上下に配置されている。また、基板14の前面には2つの光源34が上下に配置されている。光源34は発光ダイオードや電球であってよい。また、基板14には、遮光部32を固定するための2つの固定穴36が設けられている。
図3に示されている例では、2つの光源34のそれぞれの下側に固定穴36が設けられている。
【0019】
遮光部32は、前後方向に立設して2つの光源34を囲む遮光壁部32aと、遮光壁部32aによって囲まれた領域を後方から覆う後面部32bを有している。後面部32bには、各光源34が前方を見通す穴が空けられている。後面部32bには、上下に配置された2つの固定構造32cが形成されている。各固定構造32cは、後方に突出した一対のツメから構成され、基板14の固定穴36に差し込まれたときに、基板14に引っ掛かる構造を有している。遮光部32の上下の固定構造32cが、基板14に設けられた上下の固定穴36に差し込まれることで、遮光壁部32aが各光源34を囲む状態で、遮光部32が基板14の前面に固定される。揺動操作部28のうちのスイッチノブ12は遮光部32に前方から重ねられ、スイッチ押圧部30は第1スイッチ16および第2スイッチ18に前方から重ねられる。
【0020】
図4には、揺動操作部28、第1スイッチ16および第2スイッチ18の斜視図が示されている。スイッチノブ12は、後方が開放された略直方体の容器形状を有している。スイッチノブ12の左側面の中央の後方部からは、円柱状の左シャフト48が突出している。
図1を参照して説明したように、スイッチノブ12の前方側の面は、第1操作領域24および第2操作領域26と、第1操作領域24および第2操作領域26の間の斜面25を含む。スイッチノブ12は、少なくとも一部が光を透過する材料で形成されている。例えば、「OPEN」および「CLOSE」の文字の部分が光を透過する材料で形成され、その他の部分が光を透過しない材料で形成されてもよい。
【0021】
スイッチ押圧部30は、支点部44、第1腕部40および第2腕部42から構成されている。支点部44は、スイッチノブ12の右側面の中央の後方部に結合している。支点部44がスイッチノブ12に接合する部分は略円柱状となっており右シャフト46が形成されている。支点部44は、右シャフト46の先で上下方向および前後方向の幅が広がり、各方向の幅が広がった領域(支点本体部)で後方に突出する形状を有している。支点部44の後方端は基板14に接触している。
【0022】
第1腕部40は、支点部44の前方側から上側に延び、左側に折れ曲がって左側に延び、さらに、後方に折れ曲がって後方に延びた後、左側に折れ曲がってスイッチノブ12の右側面の上側の後方部に結合している。第2腕部42は、支点部44の前方側から下方に延び、左側に折れ曲がって左側に延び、さらに、後方に折れ曲がって後方に延びた後、左側に折れ曲がってスイッチノブ12の右側面の下側の後方部に結合している。第1腕部40の上端部(横方向に延びる領域の右側)の後面には第1スイッチ16が接触している。第2腕部42の下端部(横方向に延びる領域の右側)の後面には第2スイッチ18が接触している。
【0023】
このように、スイッチ押圧部30の第1腕部40および第2腕部42のそれぞれは、スイッチノブ12の右側面の上側および下側、すなわち、上下の揺動端部から揺動軸8の方向に沿って延びる第1区間を含む。また、スイッチ押圧部30の第1腕部40および第2腕部42のそれぞれは、第1区間が延びた先における先端部から支点部44に向けて延びる第2区間を含む。第1スイッチ16(押圧スイッチ)は、第1腕部40における第1区間の先端部に対応する基板14上の位置に設けられている。第2スイッチ18(押圧スイッチ)は、第2腕部42における第1区間の先端部に対応する基板14上の位置に設けられている。
【0024】
このような構造では、上下の揺動端部から揺動軸8の方向に沿って延びる第1区間と右シャフト46によって、スイッチ押圧部30がスイッチノブ12に結合される。これによって、スイッチ押圧部30とスイッチノブ12の機械的強度が高くなる。
【0025】
ここでは、2つの押圧スイッチとして第1スイッチ16および第2スイッチ18が設けられた例が示されているが、押圧スイッチは一方のみが設けられてもよい。すなわち、押圧スイッチは、第1腕部40における第1区間の先端部、および第2腕部42における第1区間の先端部のうち少なくとも一方に対応する基板14上の位置に設けられてよい。
【0026】
また、第1腕部40および第2腕部42のうち、第1区間の先端部に対応する基板14上の位置に押圧スイッチが設けられている一方または両方は、押圧スイッチの押圧方向(前後方向)に沿って延びる押圧方向区間(前後方向に延びる区間)を第1区間に有している。押圧方向区間の長さを調整することで、押圧方向の長さが異なる様々な押圧スイッチが、第1スイッチ16および第2スイッチ18として用いられてよい。
【0027】
図5には、ベゼル10を右斜め下後方から見た斜視図が示されている。ベゼル10は、フロントパネル50と、ベゼル壁部52を有している。フロントパネル50には、スイッチノブ12が前方を臨む窓22が形成されている。ベゼル壁部52は、フロントパネル50から後方に立設し、窓22を囲んでいる。ベゼル壁部52のうち右側で立設する区間には、スイッチ押圧部30の第1腕部40が入り込む第1切り欠き部58、第2腕部42が入り込む第2切り欠き部60、および右シャフト46が嵌まる右シャフト嵌め込み部56が形成されている。ベゼル壁部52のうち左側で立設する区間には、左シャフト48が嵌まる左シャフト嵌め込み部54が形成されている。また、フロントパネル50の後面における、ベゼル壁部52よりも右側の領域には、スイッチ押圧部30の揺動運動を許容するための窪み62が形成されている。
【0028】
図3~
図5を参照して車載用揺動スイッチユニット100の構造について説明する。ベゼル10は、右シャフト嵌め込み部56および左シャフト嵌め込み部54にそれぞれ、右シャフト46および左シャフト48が嵌まり込むように、さらには、第1切り欠き部58および第2切り欠き部60にそれぞれ、第1腕部40および第2腕部42が入り込むように、基板14上に固定される。ベゼル壁部52の後方の縁は基板14に接触する。これによって、揺動操作部28は、右シャフト46および左シャフト48の周りで揺動自在となるように基板14に取り付けられる。
【0029】
このように、車載用揺動スイッチユニット100は、スイッチノブ12を囲むベゼル10を有している。支点部44は、右シャフト46と支点本体部(右シャフト46が延びた先で上下方向および前後方向の幅が広がり、その各方向の幅が広がった領域)とを有している。右シャフト46はスイッチノブ12に結合され、揺動軸8に沿って延びており、支点本体部は右シャフト46が延びた先に設けられている。右シャフト46は、ベゼル10に形成された右シャフト嵌め込み部56と、基板14との間に回転自在に挟まれ、右シャフト46を通る揺動軸8を中心にスイッチノブ12およびスイッチ押圧部30が揺動自在となっている。
【0030】
図6には、車載用揺動スイッチユニット100の正面図と共に、後述するA-A断面、B-B断面、C-C断面、D-D断面およびE-E断面の位置が示されている。
【0031】
図7には、車載用揺動スイッチユニット100のA-A断面が示されている。A-A断面には、ベゼル10、基板14および裏カバー20の他、スイッチノブ12および遮光部32が現れている。スイッチノブ12の左側面の後方部からは左シャフト48が左方向に突出し、スイッチノブ12の左シャフト嵌め込み部54に嵌め込まれている。スイッチノブ12の右側面の後方部からは、支点部44の一部として右シャフト46が右方向に突出し、スイッチノブ12の右シャフト嵌め込み部56に嵌め込まれている。左シャフト48および右シャフト46が、それぞれ、スイッチノブ12の左シャフト嵌め込み部54および右シャフト嵌め込み部56に嵌め込まれた状態で、左シャフト48および右シャフト46は、揺動軸8を中心に回転自在である。
【0032】
図8には、車載用揺動スイッチユニット100のB-B断面が示されている。B-B断面には、ベゼル10、基板14および裏カバー20の他、第1スイッチ16、スイッチノブ12、遮光部32および光源34が現れている。
図8には、揺動操作部28に対して操作がされていないときの状態が示されている。遮光部32は、スイッチノブ12によって覆い被されている。遮光部32は、光源34から基板14の前面に沿った方向に発せられる光を遮り、光の拡散を抑制する。スイッチノブ12の右側面の後方部からは右方向に第1腕部40が延び、第1スイッチ16よりも左側で前方に折れ曲がり、第1スイッチ16の先端部に向けて右側に折れ曲がっている。第1腕部40の右端(第1腕部40の上端部)の後面には、第1スイッチ16が接触している。
【0033】
図9には、車載用揺動スイッチユニット100のC-C断面が示されている。C-C断面には、ベゼル10、基板14および裏カバー20の他、スイッチ押圧部30の第1腕部40および第2腕部42と、第1スイッチ16および第2スイッチ18が現れている。この図には、揺動操作部28に対して操作がされていない状態が示されている。第1スイッチ16の先端部および第2スイッチ18の先端部は、前方に付勢されており、第1腕部40および第2腕部42は基板14に対してほぼ平行な姿勢に維持されている。
【0034】
図10には、スイッチノブ12の第1操作領域24がユーザによって押圧されたときの状態が示されている。スイッチ押圧部30は、右シャフト46および左シャフト48を通る揺動軸8を中心に、
図10の時計回りに回転する。これによって、第1腕部40は第1スイッチ16を押圧する。
【0035】
図11には、スイッチノブ12の第2操作領域26がユーザによって押圧されたときの状態が示されている。スイッチ押圧部30は、右シャフト46および左シャフト48を通る揺動軸8を中心に、
図9の反時計回りに回転する。これによって、第2腕部42は第2スイッチ18を押圧する。
【0036】
図12には、車載用揺動スイッチユニット100のD-D断面が示されている。D-D断面には、ベゼル10、基板14および裏カバー20の他、スイッチノブ12、遮光部32および光源34が現れている。この図には、揺動操作部28に対して操作がされていない状態が示されている。第1操作領域24および第2操作領域26は基板14に対してほぼ平行な姿勢に維持されている。
【0037】
図13には、スイッチノブ12の第1操作領域24がユーザによって押圧されたときの状態が示されている。スイッチノブ12はスイッチ押圧部30と一体的に揺動軸8を中心に回転する。これによって、スイッチノブ12は
図13の時計回りに回転する。第1操作領域24が押圧された状態では、スイッチノブ12上側の側壁の後方の縁が、基板14の前面に接触する。
【0038】
図14には、スイッチノブ12の第2操作領域26がユーザによって押圧されたときの状態が示されている。スイッチノブ12はスイッチ押圧部30と一体的に揺動軸8を中心に回転する。これによって、スイッチノブ12は
図14の反時計回りに回転する。第2操作領域26が押圧された状態では、スイッチノブ12下側の側壁の後方の縁が、基板14の前面に接触する。
【0039】
図15には、車載用揺動スイッチユニット100のE-E断面が示されている。E-E断面には、ベゼル10、基板14および裏カバー20の他、スイッチ押圧部30の第1腕部40、第2腕部42および支点部44が現れている。第1腕部40および第2腕部42については、前方において左右方向に延びる区間が現れている。この図には、揺動操作部28に対して操作がされていない状態、スイッチノブ12の第1操作領域24が押圧された状態、およびスイッチノブ12の第2操作領域26が押圧された状態が示されている。
【0040】
図15に示されている3つの第1腕部40のうち、最も後方に描かれているものは、第1操作領域24が押圧されたときの第1腕部40である。3つの第1腕部40のうち、中央に描かれているものは、揺動操作部28に対して操作がされていないときの第1腕部40である。3つの第1腕部40のうち、最も前方に描かれているものは、第2操作領域26が押圧されたときの第1腕部40である。
【0041】
図15に示されている3つの第2腕部42のうち、最も後方に描かれているものは、第2操作領域26が押圧されたときの第2腕部42である。3つの第2腕部42のうち、中央に描かれているものは、揺動操作部28に対して操作がされていないときの第2腕部42である。3つの第2腕部42のうち、最も前方に描かれているものは、第1操作領域24が押圧されたときの第2腕部42である。
【0042】
支点部44は、後方に突出した突出部44aを後方の端に有しており、突出部44aの先端が基板14に接触している。スイッチノブ12に対する押圧操作によって、右シャフト46および左シャフト48を通る揺動軸8を中心に支点部44が回転し、第1腕部40および第2腕部42が揺動する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る車載用揺動スイッチユニット100は、基板14に向けて突出した支点部44と、支点部44から互いに反対方向(上方向および下方向)に延びる第1腕部40および第2腕部42とを備えるスイッチ押圧部30を備えている。スイッチ押圧部30は、支点部44の周りで揺動自在である。また、車載用揺動スイッチユニット100は、スイッチノブ12と、押圧スイッチである第1スイッチ16および第2スイッチ18とを備えている。スイッチノブ12は、スイッチ押圧部30の揺動軸8上に設けられ、スイッチ押圧部30の傍らに結合し、スイッチ押圧部30と共に揺動自在である。押圧スイッチは、第1腕部40および第2腕部42のうち少なくとも一方に対応する基板14上の位置に設けられている。
【0044】
このような構成によれば、
図4に示されているように、スイッチノブ12の後方ではなく、スイッチノブ12の傍らに設けられたスイッチ押圧部30の第1腕部40の後方および第2腕部42の後方に第1スイッチ16および第2スイッチ18が配置される。これによって、スイッチノブ12から基板14に亘っての前後方向の厚みが抑えられる。
【符号の説明】
【0045】
10 ベゼル、12 スイッチノブ、14 基板、16 第1スイッチ、18 第2スイッチ、20 裏カバー、22 窓、24 第1操作領域、25 斜面、26 第2操作領域、28 揺動操作部、30 スイッチ押圧部、32 遮光部、32a 遮光壁部、32b 後面部、32c 固定構造、34 光源、36 固定穴、40 第1腕部、42 第2腕部、44 支点部、46 右シャフト、48 左シャフト、50 フロントパネル、52 ベゼル壁部、54 左シャフト嵌め込み部、56 右シャフト嵌め込み部、58 第1切り欠き部、60 第2切り欠き部、62 窪み、100 車載用揺動スイッチユニット。