(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160400
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】作業情報管理システム、及び作業情報管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20231026BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20231026BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070759
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 彰悟
(72)【発明者】
【氏名】久保島 康裕
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 秀一
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 泰
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】正確な作業実績の分析を可能とする。
【解決手段】作業者が実施する作業の情報を取得する作業情報管理システムであって、前記作業の順序を示す作業フローに基づいて、前記作業者が使用する端末に前記作業の内容を表示するためのデータを生成する作業表示部と、前記作業者が実施した作業の作業時刻を記録する作業実績記録部と、前記作業の情報を前記端末から取得して、作業時刻を前記作業実績記録部に記録する時刻登録部と、前記作業実績記録部に記録された作業時刻から前記作業の各々の作業時間を算出する当該作業時間算出部と、前記作業フローの前記作業の順序に従って、前記作業及び当該作業の作業時間を表示するためのデータを生成する結果表示部と、を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が実施する作業の情報を取得する作業情報管理システムであって、
前記作業の順序を示す作業フローに基づいて、前記作業者が使用する端末に前記作業の内容を表示するためのデータを生成する作業表示部と、
前記作業者が実施した作業の作業時刻を記録する作業実績記録部と、
前記作業の情報を前記端末から取得して、作業時刻を前記作業実績記録部に記録する時刻登録部と、
前記作業実績記録部に記録された作業時刻から前記作業の各々の作業時間を算出する当該作業時間算出部と、
前記作業フローの前記作業の順序に従って、前記作業及び当該作業の作業時間を表示するためのデータを生成する結果表示部と、を備えることを特徴とする作業情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業情報管理システムであって、
前記作業実績記録部に記録された作業時刻に基づいて、複数の作業者による前記作業の各々の平均作業時間を算出する過去平均作業時間算出部と、
当該作業者の作業時間と前記平均作業時間とを比較する比較評価部と、を備え、
前記結果表示部は、前記比較の結果を含む作業日報を表示するためのデータを生成することを特徴とする作業情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の作業情報管理システムであって、
前記結果表示部は、前記比較の結果を前記作業フローに重畳させて表示するためのデータを生成することを特徴とする作業情報管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の作業情報管理システムであって、
前記結果表示部は、前記比較の結果を、当該比較の結果によって異なる態様で表示するためのデータを生成することを特徴とする作業情報管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の作業情報管理システムであって、
前記作業フローにおける条件分岐において、前記条件分岐後の処理が選択された頻度を算出する算出部を備え、
前記結果表示部は、前記算出された頻度を前記作業フローに重畳させて表示するためのデータを生成することを特徴とする作業情報管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の作業情報管理システムであって、
前記結果表示部は、前記算出された頻度を、当該頻度によって異なる態様で表示するためのデータを生成することを特徴とする作業情報管理システム。
【請求項7】
作業者が実施する作業の情報を取得する作業情報管理システムが実行する作業情報管理方法であって、
前記作業情報管理システムは、所定の演算処理を実行する演算装置と、前記演算処理に使用されるデータを記憶する記憶装置とを有し、
前記作業情報管理方法は、
前記作業の順序を示す作業フロー情報に基づいて、前記作業者が使用する端末に前記作業の内容を表示するためのデータを生成する作業表示手順と、
前記作業の情報を前記端末から取得して、作業時刻を記録する時刻登録手順と、
記録された前記作業時刻から前記各作業の作業時間を算出する当該作業時間算出手順と、
前記作業フロー情報の前記作業ごとの順序に従って、前記作業及び当該作業の作業時間を表示するためのデータを生成する結果表示手順と、を備えることを特徴とする作業情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造設備やインフラ機器等が故障したときには、故障を素早く修理する必要がある。その際、修理作業者は、修理作業を実施し、実施した修理作業を管理者に報告するため、実施した修理作業に関する作業実績を逐次記録する。また、管理者は、記録された作業実績によって、作業者の作業レベルを測定するなど作業を分析する。
【0003】
しかし、作業者は、作業実績の記録によって、修理作業の時間が奪われる。また、管理者は、作業記録のレベルが作業者によって異なり、作業分析データとしての利用が困難である。このため、作業記録を簡素化し、分析データに適した作業実績の記録が求められる。
【0004】
本技術分野の背景技術として、特開2012-141929号公報(特許文献1)がある。特開2012-141929号公報には、生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置であって、上記作業者による所定の行動を検出する行動検出デバイスと、上記作業者からの操作を受け付ける操作デバイスと、上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得する時刻取得手段と、該時刻取得手段が上記作業の終了時刻を取得した後に、上記作業の内容を示す内容情報を、上記操作デバイスを介して取得する内容取得手段と、上記時刻取得手段が取得した終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成する作業情報作成手段とを備えることを特徴とする作業情報記録装置が記載されている(請求項1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1に記載された作業情報記録装置は、ある設備に対する処置を作業の単位として捉えて、作業開始時刻と作業時刻を自動的に収集している。しかし、修理において必要な作業は作業者が自由に選択可能であり、設備の修理に対する作業を事前に決められていない。そのため、各作業の順序関係が不明であり、複数の作業者について作業時間の比較は難しく、作業実績の分析が困難である。
【0007】
そこで、本発明では、作業単位が設定された作業フローに従って作業実績を記録することによって、作業日報を自動的に作成し、正確な作業実績の分析が可能な作業実績管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、作業者が実施する作業の情報を取得する作業情報管理システムであって、前記作業の順序を示す作業フローに基づいて、前記作業者が使用する端末に前記作業の内容を表示するためのデータを生成する作業表示部と、前記作業者が実施した作業の作業時刻を記録する作業実績記録部と、前記作業の情報を前記端末から取得して、作業時刻を前記作業実績記録部に記録する時刻登録部と、前記作業実績記録部に記録された作業時刻から前記作業の各々の作業時間を算出する当該作業時間算出部と、前記作業フローの前記作業の順序に従って、前記作業及び当該作業の作業時間を表示するためのデータを生成する結果表示部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、正確な分析が可能な作業実績データを収集できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】作業情報管理システムの概要を示す図である。
【
図1B】結果表示部が提供するインタフェースの例を示す図である。
【
図2】実施例1の作業情報管理システムが実行する処理のフローチャートである。
【
図3】実施例1の作業情報管理システムの機能ブロック図である。
【
図4A】実施例1の作業実績テーブルの構成例を示す図である。
【
図4B】実施例1の案件管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図5】実施例2の作業情報管理システムが実行する処理のフローチャートである。
【
図6A】実施例2の端末に表示される作業結果画面の例を示す図である。
【
図6B】実施例2の端末に表示される作業日報の例を示す図である。
【
図7】実施例3の作業情報管理システムが実行する処理のフローチャートである。
【
図8】実施例3の管理者が使用する計算機に表示される作業分析画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0012】
<実施例1>
図1Aは本発明の実施例の作業情報管理システム109の概要を示す図であり、
図1Bは結果表示部107が提供するインタフェースの例を示す図である。
【0013】
本実施例の作業情報管理システム109は、所定のプログラムを実行する演算装置と、演算処理に使用されるデータを記憶する記憶装置(メモリや補助記憶装置)とを有する計算機によって構成される。作業情報管理システム109は、作業時間登録部102、作業時間比較部103、結果評価部104、作業フロー管理部105及び作業平均時間算出部106を有する。
【0014】
修理作業を行う作業者100は、端末101を介してWebサーバ機能を有する作業情報管理システム109を使用するため、Webブラウザ上にURLを入力してログインする(110)。本実施例における端末101は、作業の表示や入力に使用されるものであり、例えばスマートフォンやスマートデバイスである。端末101は作業情報管理システム109と接続されている。端末101と作業情報管理システム109との間は無線通信(例えば、携帯電話網、WiFiなど)で接続されるとよい。また、端末101と作業情報管理システム109との間を5Gの携帯電話網で接続してもよい。端末101と作業情報管理システム109との間を5Gで接続することによって、作業者100が特定の地域に集中しても安定して通信できる。また、高精細な画像を伝送でき、作業者100に詳細な指示を与えられる。さらに、作業者100から詳細な画像を伴う報告を受けることができる。
【0015】
管理者108は、故障タイプ別に作成された作業フローを、作業情報管理システム109の作業フロー管理部105に予め登録する(112)。本実施例における作業フローとは、機器の故障のタイプ別に作業者100が行うべき複数の作業を時系列順に整理したフローであり、作業フローによって作業者100が行うべき作業全体が分かるようになっている。また、管理者108は、作業全体を管理する人物であり、作業者100の作業を支援したり評価する役割を有する。事前に登録された作業フローは、作業者の端末101上に表示される。作業者100は、端末101に表示された作業フローに沿って作業を進め、端末101へ作業実績を入力する(111)。作業時間登録部102は、作業者100によって登録された作業実績を記録する。作業実績としては、作業内容と作業終了時刻が記録されるとよい。
【0016】
また、作業情報管理システム109は、過去の作業実績を管理している。作業平均時間算出部106は、過去の作業実績を参照し、作業フローの各々の作業に費やした作業時間の平均値を算出する。作業時間比較部103は、各作業の終了時刻と一つ前の作業の終了時刻とを用いて作業時間を計算し、過去の作業実績から算出された各々の作業時刻の平均値と、現在作業している作業者の作業の作業時間との差を計算する。そして、結果評価部104は、現在の作業時間が過去の作業実績から算出された作業時刻より多いか少ないかを判定し、作業結果を評価する。
【0017】
結果表示部107は、作業の結果の評価を含む作業日報を自動的に作成する。管理者108は、今回作業を実施した作業者100が、過去の作業実績と比較をして短時間で作業を終了しているか、作業に長時間を要しているかについて、結果表示部107で結果を参照できる(113)。結果表示部107は、管理者108が作業者100の各々の作業時間を一覧化して見られるインタフェースを提供するとよい(
図1Bに示す114)。
【0018】
このようにして、管理者108は、どの作業者100が短時間で作業を実施できるか、逆に作業に長時間を要しているかを客観的に判断できる。このように、作業情報管理システム109の出力を、作業者100の評価基準としたり、教育対象の作業者100を選別するなど、有用な分析用データとして使用できる。また、作業者100は、端末101に作業実績を入力するだけで作業日報が自動的に作成されるため、作業日報の作成時間を短縮できる。
【0019】
図2は、作業情報管理システム109が実行する処理のフローチャートである。
【0020】
作業フローに含まれる各作業が完了したら、作業者は端末101を操作し、作業フローの次の作業を確認する。この時、前の作業が完了し、次の作業を確認するために、作業者100が端末を操作した時刻を作業完了時刻とする。作業時間登録部102は、作業完了時刻を作業実績テーブル304の登録日時706(
図4A参照)に記録する(201)。作業平均時間算出部106は、作業実績テーブル304に登録されている作業時刻の登録時間より、現在作業している作業者100の作業フローの各作業の作業時刻を算出する(202)。
【0021】
作業平均時間算出部106は、作業実績テーブル304に登録されている過去の作業実績より、作業フローの各作業の平均作業時刻を算出する(203)。
【0022】
その後、作業時間比較部103は、現在作業している作業者100の作業時刻と平均作業時間とを比較する(204)。比較の後、結果評価部104は、現在作業している作業者100の各作業の作業時刻が過去の作業実績より早いか遅いかを判定し、当該作業者100の作業を評価する(205)。
【0023】
結果表示部107は、作業日時と作業者と各作業の作業時間と評価結果を関連付けて、作業者100及び管理者108に表示するための表示データを出力する(206)。
【0024】
図3は、作業情報管理システム109の機能ブロック図である。
【0025】
案件管理テーブル301は、作業者が実施する作業フローを管理するためのデータが格納される。作業表示部302は、作業者が実施すべき作業フロー及び作業フローに含まれる各作業の内容を表示するための表示データを出力する。作業者は、表示された作業フローに従って作業を行う。作業者は、作業フローに含まれる各作業の終了時点で、端末101を操作して(例えば、端末101の画面のボタンを押し下げ、作業結果の入力など)、次の作業の表示をする。時刻登録部303は、各作業の終了タイミングの操作を検出し、時刻情報を作業実績テーブル304に記録する。なお、各作業の終了時点で作業終了時刻を記録するのではなく、各作業の開始時点で作業開始時刻を登録してもよい。
【0026】
作業実績テーブル304は、現在作業している作業者100の作業時刻の他に、過去同じ作業フローで作業をした作業者100の過去の作業実績の情報を保持しているため、過去平均作業時間算出部306は、過去の作業時間の平均を算出する。作業実績テーブル304に保持されている、現在作業している作業者の作業時間は、各作業の登録時間から算出できるため、当該作業時間算出部305は、作業フローの各作業にかかった作業時間を決定する。比較評価部307は、算出された作業時間と過去の平均作業時間とを比較して、各作業の作業時間が過去の作業実績の作業時間より早いか遅いかを判定する。
【0027】
案件情報処理部309は、案件管理テーブル301に関連付けられた作業フローの情報を取得する。結果作成部308は、案件情報処理部309からの情報と、作業者、作業名、各フローの作業時間、その評価などをまとめて作業日報を作成し、結果表示部310が、作成された作業日報を作業者に表示するための表示データを生成する。
【0028】
図4Aは、作業実績テーブル304の構成例を示す図である。
【0029】
作業実績テーブル304は、作業者が作業を実施したときの作業実績が登録されるテーブルであり、ナビ種別ID401、建屋コード402、案件番号403、対応者404、対応日405、登録日時406及び現在ノードID407を含む。ナビ種別ID401は、作業フローを一意に識別するための識別情報である。建屋コード402は、作業対象となる設備が設置された場所を一意に識別するための識別情報である。案件番号403は、機器の故障に対して付与される一意の識別情報である。対応者404は、当該作業を実施した作業者の氏名である。対応日405は、当該作業を実施した日付である。登録日時406は、当該作業の作業日時(例えば、作業終了日時)である。なお、作業の内容が端末101に表示された時刻を作業開始時刻として記録してもよい。現在ノード407は、作業フローのうち実施している作業の識別情報である。
【0030】
図4Bは、案件管理テーブル301の構成例を示す図である。
【0031】
案件管理テーブル301は、作業者が実施する作業フローを管理するためのデータを格納するテーブルであり、ナビ種別ID401、建屋コード402、案件番号403、ノードID408、ナビ定義の詳細情報409及びフロー表示情報410を含む。ノードID408は、当該作業フローに含まれる作業に連続して付与される識別情報であり、作業フロー中の作業の順序を表す。ナビ定義の詳細情報409は、各作業の詳細を示す情報である。フロー表示情報410は、作業フローの表示に関する情報(例えば、見た目の形、フローの色)である。
【0032】
<実施例2>
本実施例は、前述の一般化された実施例1より個別具体的な本発明の適用例について説明する。また、実施例2では、判定結果を分かりやすく作業フロー図に重層して作業者及び管理者に表示する。判定結果の表示方法が、作業日報602のような表のみだと、作業が短時間で終了しているか長時間を要しているかが視覚的に分かりにくい。このため、作業フロー図の形式で判定結果を表示する。
【0033】
図5は、実施例2の作業情報管理システムが実行する処理のフローチャートである。
【0034】
まず、作業者100は、作業者に割り当てられたURLにアクセスし、建屋コード、案件番号、管理コード等の作業フローを特定するデータを入力する。作業情報管理システム109は、作業者100が入力したデータをキーにして作業フローを一意に識別するためのナビ種別IDを検索し、作業フローを表示するための表示データをWebブラウザに送信する(501)。
【0035】
作業情報管理システム109は、検索されたナビ種別IDをキーにして各作業単位(ノードID)が完了した日時である登録日時を検索し(502)、検索された登録日時の情報より各作業単位(ノードID)の平均作業時間を作業フロー管理部105から取得する(503)。作業情報管理システム109は、作業実績テーブル304に登録されている作業時間を参照して、現在作業中の作業者の作業単位の作業時間を算出する(504)。
【0036】
その後、各作業単位(ノードID)で、平均作業時間と当該作業者の作業時間とを比較する(505)。その結果、平均作業時間より当該作業者の作業時間が所定の閾値時間(例えば3分)以上短い場合、当該作業を青に変更する(506)。平均作業時間より当該作業者の作業時間が所定の閾値時間(例えば3分)以上長い場合、当該作業を赤に変更する(508)。また、平均作業時間と当該作業者の作業時間との差が所定の閾値時間(例えば3分)より小さい場合、当該作業の色を変更しない(507)。なお、所定の閾値時間として3分を例示したが、判定結果が作業者に分かりやすいように管理者が動的に変更可能とするとよい。また、平均作業時間との差を数字で示してもよい。
【0037】
最後に、平均作業時間との差の程度によって頃なる態様で各作業が表示された作業フローを表示するための表示データを生成してWebブラウザに送信する(509)。
【0038】
また、習熟度によって作業者を層別に分けて判定してもよい。例えば、経験年数が1年目から5年目、6年目から10年目、10年目以上の三つのグループに作業者を分けて、同じグループの中で平均作業時間と比較する。その結果、全体でみれば平均作業時間より短いが、同じグループの中では平均作業時間程度の作業であるというような分析ができる。
【0039】
図6Aは作業者100が使用する端末101に表示される作業結果画面の例を示す図であり、
図6Bは端末101に表示される作業日報の例を示す図である。
【0040】
図6Aに示すように、作業者100が作業フローとして表示された一連の作業が完了すると、作業日報602を表示する画面601が表示される。作業日報602は、
図6Bに示すように、作業担当者、作業日、作業名などの基本情報とともに、実施した作業と作業時間及び平均作業時間と比較した評価結果を含む。作業日報602の下に設けられる「作業フロー図表示」ボタン603を操作すると、作業フロー全体像604が表示される。作業フロー全体像604では、作業者が実施した各作業の作業時間と平均作業時間との比較結果を作業フローに重畳して表示するので、平均作業時間より長時間だった短時間だったかを視覚的に理解できる。作業者は、この情報によって、実施した作業フローの中で時間を要した作業を振り返ることができる。また、作業時間が長時間となっている場合に異常アラームを管理者108に報知できる。
【0041】
図6Aに示す画面は、作業者100の他、管理者108も閲覧できる。
【0042】
<実施例3>
実施例3は、各作業が実施されている頻度を視覚的に分かりやすく表示するものであり、作業実績のデータを用いて、作業フロー上に過去の作業フローの条件分岐の割り合いを可視化して表示する。実施例3によると、管理者108は、頻度が多い作業を知ることができ、当該の多頻度作業の作業手順を工夫したり、作業の教育を実施するなど、作業をより円滑かつ効率的に実施するための施策を構築できる。
【0043】
図7は作業情報管理システムが実行する処理のフローチャートであり、
図8は管理者108が使用する計算機に表示される作業分析画面の例を示す図である。
【0044】
ある特定のナビ種別IDの選択によって、一つの作業フローが選択される(701)。作業実績テーブル304に保持されている各パターンの使用回数データを参照して、選択されたナビ種IDが選択された回数を算出する(702)。また、作業実績テーブル304に保持されている各ノードID(各作業)の使用回数データを集計する(703)。
【0045】
そして、各ノードIDが使用された回数をナビ種IDが選択された全回数で除算することによって、各ノードIDの実施率、すなわち各作業の実施頻度を算出できる(704)。算出された実施頻度の値によって分岐して、フロー中の各作業の表示形態を変える(705)。例えば、計算結果が所定の判定閾値(例えば、0.50)以上であるノードIDの作業に濃色を付し(706)、計算結果が所定の判定閾値(例えば、0.50)未満であるノードIDの作業に薄色を付す(707)。なお、判定閾値を所定の判定閾値として0.50を例示したが、判定結果が作業者に分かりやすいように管理者が動的に変更可能とするとよい。
【0046】
最後に、各作業の実施頻度が色によって区別された作業フローを表示するための表示データを生成して、管理者108が使用する計算機に送信する(708)。作業分析画面800は、
図8に示すように、分岐801直下の作業が濃色802又は淡色803で表示される。なお、分岐直下の作業ではなく、後続する作業についても濃色802又は淡色803で表示してもよい。
【0047】
実施例3によると、実施頻度が多い作業がと実施頻度が少ない作業とを異なる態様で表示するので、分岐後の各作業の実施頻度を視覚的に分かりやすく表示できる。
【0048】
以上に説明したように、本発明の実施例の作業情報管理システムは、作業の順序を示す作業フローに基づいて、作業者が使用する端末101に作業の内容を表示するためのデータを生成する作業表示部302と、作業者が実施した作業の作業時刻を記録する作業実績記録部(作業実績テーブル304)と、作業の情報を端末101から取得して、作業時刻を作業実績テーブル304に記録する時刻登録部303と、記録された作業時刻から作業の各々の作業時間を算出する当該作業時間算出部305と、作業フローの作業の順序に従って、作業及び当該作業の作業時間を表示するための表示データを生成する結果表示部310と、を備えるので、作業者によってブレがない作業実績データを収集でき、正確な分析が可能となる。すなわち、管理者は修理作業の作業フローを予め登録し、作業者は、端末において登録された作業フローを閲覧し、作業フローに従って作業を実施し、作業実績を登録し、作業実績を登録した時刻を記録することによって、作業フローの各作業単位で作業時間を算出できる。また、作業フローによって作業の粒度や順序が統一するので、作業単位レベルで各作業者の作業レベルを算出できる。
【0049】
また、作業者ごとに各作業単位で作業時刻を記録しているため、これらの集計によって、各作業者の作業レベルを分析できる。例えば、作業フローに「装置Aの電流測定」が登録されている場合、作業者Aが作業を開始して終了するまで10分間かかったとする。この作業について他の作業者が作業した作業時間の平均値が15分である場合、作業者Aの「装置Aの電流測定」という作業は、平均よりも早くできたと判定できる。
【0050】
また、作業実績テーブル304に記録された作業時刻に基づいて、複数の作業者による作業の各々の平均作業時間を算出する過去平均作業時間算出部305と、当該作業者の作業時間と平均作業時間とを比較する比較評価部307と、を備え、結果表示部310は、比較の結果を含む作業日報を表示するためのデータを生成するので、作業日報の自動作成によって、作業者の手間を軽減でき、修理作業の時間を確保できる。
【0051】
また、結果表示部310は、比較の結果を作業フローに重畳させて表示するためのデータを生成するので、判定結果を分かりやすく表示できる。
【0052】
また、結果表示部310は、比較の結果を、当該比較の結果によって異なる態様(例えば異なる色)で表示するためのデータを生成するので、判定結果を視覚的に分かりやすく表示できる。
【0053】
また、作業フローにおける条件分岐において、条件分岐後の処理が選択された頻度を算出する算出部を備え、結果表示部310は、算出された分岐の頻度を作業フローに重畳させて表示するためのデータを生成するので、分岐後の各作業の実施頻度を測定できる。こによって、管理者108は、頻度が多い作業を知ることができ、当該の多頻度作業の作業手順を工夫したり、作業の教育を実施するなど、作業をより円滑かつ効率的に実施するための施策を構築できる。
【0054】
また、結果表示部310は、算出された分岐の頻度を、当該頻度によって異なる態様で表示するためのデータを生成するので、分岐後の各作業の実施頻度を視覚的に分かりやすく表示できる。
【0055】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0056】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0057】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0058】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0059】
100 作業者
101 端末
102 作業時間登録部
103 作業時間比較部
104 結果評価部
105 作業フロー管理部
106 作業平均時間算出部
107 結果表示部
108 管理者
109 作業情報管理システム
301 案件管理テーブル
302 作業表示部
303 時刻登録部
304 作業実績テーブル
305 当該作業時間算出部
306 過去平均作業時間算出部
307 比較評価部
308 結果作成部
309 案件情報処理部
310 結果表示部