(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160411
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 19/08 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B65G19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070781
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】390021739
【氏名又は名称】東亜機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂泊 昌浩
【テーマコード(参考)】
3F013
【Fターム(参考)】
3F013BA01
3F013BB02
3F013BB12
3F013BC01
3F013BC04
3F013BC05
3F013BD01
(57)【要約】
【課題】 設置面積がコンパクトであり、また、供給口の構成を簡素にすることができるを搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送装置100の往路部3は、搬送方向上流側端部に位置し、水平方向に延び、ケース1の上面に配設された供給口36を有する往路第1部分31と、搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように湾曲して延びる往路第2部分32と、搬送方向下流側に向かうに連れて水平方向に向かうように湾曲して延びる往路第3部分33と、搬送方向下流側端部に位置し、往路第1部分31の搬送方向と反対方向に延び、ケース1の下面に配設された排出口37を有する往路第4部分34と、を有し、往路第1部分31乃至往路第4部分34の順に搬送方向上流側から下流側に向かって並び、復路部4は、往路第4部分34の上方に位置する復路第1部分41と、往路第1部分31の下方に位置する復路第2部分42と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に延びる往路部と、前記往路部に沿って延びる復路部とを有するケースと、
搬送方向上流側及び下流側に設けられた一対のスプロケットと、
前記一対のスプロケットに巻回され、前記ケース内を循環運動する無端チェーンと、
前記無端チェーンに並列に取り付けられた複数のスクレーパと、を備え、
前記往路部は、前記搬送方向上流側端部に位置し、水平方向に延び、前記ケースの上面に配設された供給口を有する往路第1部分と、前記搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように湾曲して延びる往路第2部分と、前記搬送方向下流側に向かうに連れて水平方向に向かうように湾曲して延びる往路第3部分と、前記搬送方向下流側端部に位置し、前記往路第1部分の前記搬送方向と反対方向に延び、前記ケースの下面に配設された排出口を有する往路第4部分と、を有し、往路第1部分乃至往路第4部分の順に前記搬送方向上流側から下流側に向かって並び、
前記復路部は、前記往路第4部分の上方に位置する復路第1部分と、前記往路第1部分の下方に位置する復路第2部分と、を有する、搬送装置。
【請求項2】
前記往路第1部分は、前記供給口を複数有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記往路第2部分は、前記排出口を複数有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記無端チェーンは、環状に並ぶ複数のリンクと、隣り合う前記リンクを揺動自在に連結するピンとを備え、
前記スクレーパは、前記リンクの両側面から前記搬送方向と交差する方向に延び、
前記スプロケットには、前記ピンと嵌合する複数のピン嵌合部が周方向に等間隔に形成され、且つ隣り合う前記ピン嵌合部の間に前記スクレーパと嵌合する複数のスクレーパ嵌合部が周方向に等間隔に形成されている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記往路部は、開口部を有し、
閉鎖位置と開放位置との間でスライド可能であり、前記閉鎖位置において前記開口部を閉鎖する閉鎖領域と、物品の投下口が形成され、前記開放位置において前記開口部に位置する開放領域とを有するゲート板を備え、
前記ゲート板は、前記開放領域の前記搬送方向の全域に亘って前記スクレーパを支持する支持部を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から搬送装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この搬送装置は、搬送方向に一直線に延びる搬送面と、搬送面上の物品を移動させるチェーンコンベアと、搬送面に形成されている開口部とを備える。また、チェーンコンベアの上流側端部の上には移送装置が配設されている。この移送装置は、搬送される物品をチェーンコンベアの上流側端部の上方から投下し、搬送装置に移送する。投下された物品は、復路部に位置するスクレーパの間を通り抜けて落下し、搬送面の上流側端部に載置され、往路部に位置する収容部に収容される。これによって、粉粒体等の物品を適切に搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の搬送装置は、被搬送物を持ち上げるように搬送することができず、また、設置スペースが大きいという問題があった。また、移送装置から投下された被搬送物は、復路部に位置するスクレーパの間を通り抜けて落下するので、粉粒体が復路部の位置するスクレーパ等に付着しやすく、付着した粉粒体が搬送方向上流側のスプロケットに噛み込まれ易いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る搬送装置は、搬送方向に延びる往路部と、前記往路部に沿って延びる復路部とを有するケースと、搬送方向上流側及び下流側に設けられた一対のスプロケットと、前記一対のスプロケットに巻回され、前記ケース内を循環運動する無端チェーンと、前記無端チェーンに並列に取り付けられた複数のスクレーパと、を備え、前記往路部は、前記搬送方向上流側端部に位置し、水平方向に延び、前記ケースの上面に配設された供給口を有する往路第1部分と、前記搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように湾曲して延びる往路第2部分と、前記搬送方向下流側に向かうに連れて水平方向に向かうように湾曲して延びる往路第3部分と、前記搬送方向下流側端部に位置し、前記往路第1部分の前記搬送方向と反対方向に延び、前記ケースの下面に配設された排出口を有する往路第4部分と、を有し、往路第1部分乃至往路第4部分の順に前記搬送方向上流側から下流側に向かって並び、前記復路部は、前記往路第4部分の上方に位置する復路第1部分と、前記往路第1部分の下方に位置する復路第2部分と、を有する。
【0007】
この構成によれば、搬送装置の設置面積をコンパクトにすることができる。また、供給口の構成を簡素にすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、搬送装置の設置面積をコンパクトにすることができ、また、供給口を簡素に構成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る搬送装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図1の搬送装置の下流側転回部の構成例を示す断面図である。
【
図3】
図1の搬送装置の上流側転回部の構成例を示す断面図である。
【
図4】
図1の搬送装置のケースの構成例を示す横断面図である。
【
図5】
図1の搬送装置の排出口の構成例を示す平面図である。
【
図6】実施の形態2に係る搬送装置の構成例を示す平面図である。
【
図7】
図6の搬送装置のゲート板の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る搬送装置100の構成例を示す図である。
【0012】
搬送装置100は、粉粒体等の被搬送物を搬送する搬送装置である。なお、被搬送物は、この搬送装置100を用いることにより搬送することができる物品であれば特に限定されない。粉粒体として、米、小麦、トウモロコシ等の穀物、砂糖、骨粉が例示されるがこれに限られるものではない。なお、以下では、説明の便宜上、搬送方向下流側を下流といい、搬送方向上流側を上流ということがある。
【0013】
図4は、搬送装置100のケース1の構成例を示す横断面図である。
図1、4に示すように、搬送装置100は、ケース1を有する。ケース1は、所定の搬送方向に延びる往路部3と、往路部3に沿って延びる復路部4とを有する。そして、往路部3及び復路部4の搬送方向下流側の端部を下流側転回部51が接続し、往路部3及び復路部4の搬送方向上流側端部を上流側転回部52が接続している。そして、
図4に示すように、往路部3及び復路部4は、隔壁13によって隔離されている。そして、ケース1は、隔壁13の他に、隔壁13と共に往路部3の周囲を取り囲み、搬送路の主要部において略横長長方形の横断面を区画する往路側外壁11と、隔壁13と共に復路部4の周囲を取り囲み、搬送路の主要部において略横長長方形の横断面を区画する復路側外壁12とを有する。このように、往路部3及び復路部4は、それぞれ管状に形成されている。そして、往路部3は、後述する無端チェーン21及び被搬送物を往路部3に沿って案内するように機能する。また、復路部4は、後述する無端チェーン21を復路部4に沿って案内するように機能する。なお、ケース1は、任意の場所に透明な材質で構成される窓部55が設けられ、ケース1内の様子が視認可能となっている。
【0014】
往路部3は、物品の搬送路を成し、往路第1部分31と、往路第2部分32と、往路第3部分33と、往路第4部分34とを含む。往路第1部分31乃至往路第4部分34は、この順に搬送方向上流側から下流側に向かって並んでいる。なお、往路第1部分31乃至往路第4部分34は、連続してもよく、また、間に別の部分が介在してもよい。本実施の形態においては、上下方向に延びる中間部分35が往路第2部分32と往路第3部分33との間に介在している。
【0015】
往路第1部分31は、往路部3の搬送方向上流側端部に位置し、実質的に水平方向に延びる部分である。往路第1部分31は、ケース1の上面(往路側外壁11)に配設された供給口36を有する。供給口36は、被搬送物を往路部3に供給するための開口である。往路第1部分31において、隔壁13が往路部3の底面側に位置し、往路側外壁11が往路部3の上面側に位置する。
【0016】
往路第2部分32は、搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように湾曲して延びる部分である。すなわち、往路第2部分32は、上流側端部において実質的に水平方向に延び、下流側端部において実質的に垂直方向に延びる。
【0017】
往路第3部分33は、搬送方向下流側に向かうに連れて水平方向に向かうように湾曲して延びる部分である。すなわち、往路第3部分33は、上流側端部において実質的に垂直方向に延び、下流側端部において実質的に水平方向に延びる。
【0018】
図5は、搬送装置100の排出口37の構成例を示す平面図である。往路第4部分34は、往路部3の搬送方向下流側端部に位置し、往路第1部分31の搬送方向と反対方向に延びる部分である。すなわち、往路第4部分34は、実質的に水平方向に延びる部分であり、往路第1部分31と平行に伸びている。往路第4部分34は、ケース1の下面(往路側外壁11)に配設された排出口37を有する。排出口37は、
図5に示すように、搬送された被搬送物を往路部3から排出するための開口であり、搬送方向に延びるスクレーパ脱落防止部材37aが設けられている。このように、往路部3は、全体として垂直面においてC字を描くように延びている。往路第4部分34において、往路側外壁11及び隔壁13の位置関係は往路第1部分31と上下反転しており、隔壁13が往路部3の上面側に位置し、往路側外壁11が往路部3の底面側に位置する。
【0019】
復路部4は、上述の通り往路部3に沿って延び、往路部3の外側において全体として垂直面においてC字を描くように延びている。これにより、ケース1をコンパクトに構成することができる。復路部4は、より具体的には、往路第4部分34の上方に位置する復路第1部分41と、往路第1部分31の下方に位置する復路第2部分42とを有する。
【0020】
そして、搬送装置100は、被搬送物を搬送方向に移動させるチェーンコンベヤ機構を有する。
図2は、搬送装置100の下流側転回部51の構成例を示す断面図である。
図3は、搬送装置100の上流側転回部52の構成例を示す断面図である。
【0021】
図2、3に示すように、チェーンコンベヤ機構は、搬送方向上流側及び下流側に設けられた一対のスプロケット26、27と、無端チェーン21と、複数のスクレーパ22と、駆動部20と、を備える。
【0022】
下流側スプロケット26は、下流側転回部51に配設され、上流側スプロケット27は、上流側転回部52に配設されている。スプロケット26、27は、それぞれ水平方向に延びる回転軸に回動可能に支持され、この回転軸の軸線周りに回動する。下流側スプロケット26が電動機である駆動部20に連結され、駆動部20により一方向に回転駆動される主動側のスプロケットであり、上流側スプロケット27が従動側のスプロケットである。なお、駆動部20には電動機の他に公知のアクチュエータを用いる事ができる。
【0023】
スプロケット26、27の外周縁には、複数のピン嵌合部28及び複数のスクレーパ嵌合部29が周方向に等間隔に形成されている。ピン嵌合部28は、後述するピン24と嵌合する窪みであり、偶数個設けられている。また、スクレーパ嵌合部29は、後述するスクレーパ22と嵌合する窪みである。スクレーパ嵌合部29は、隣り合うピン嵌合部28の間の部分のうち、一つおきに形成されている。また、スクレーパ嵌合部29の回転方向前方に位置するピン嵌合部28の回転方向と反対側の部分には、スプロケット26、27の径方向外方に突出する突出部25が形成されている。本実施の形態において、ピン嵌合部28は8個形成され、スクレーパ嵌合部29及び突出部25は4個形成されている。
【0024】
無端チェーン21は、全体として環状をなすように形成され、一対のスプロケット26、27に巻回され、ケース1内を循環運動する。無端チェーン21は、例えば周知のローラチェーンであり、環状に並ぶ複数のリンク23と、隣り合うリンク23を揺動自在に連結する複数のピン24と、を含む。より具体的には、リンク23は、複数の外リンクと、外リンクと同数の内リンクとを含む。各内リンクは、一対の板状の内リンク本体がスペーサとしても機能するブシュによって連結されたものであり、ブシュの両端部は各内リンク本体の外側面に開口する。各外リンクは、一対の外リンク本体を含む。各外リンク本体は、一方向に延びる板状体であり、両端部にはピン24を挿通するための挿通口が形成されている。そして、複数の内リンクは、間隔を開けて一列に環状に配置され、外リンクが隣り合う内リンクを連結している。具体的には、ピン24は、リベットであり、外リンクの一方の外リンク本体の挿通孔、ブシュ、他方の外リンク本体の挿通孔にこの順に挿通されている。そして、ピン24の先端部は潰され、外リンクと内リンクとはリベット接合されている。これによって、外リンクと内リンクとはピン24の軸線周りに揺動可能となっており、無端チェーン21を湾曲させることができる。なお、無端チェーン21は、上記の形態に限られるものではなく、これに代えて、例えば環状のベルトで構成してもよい。
【0025】
各スクレーパ22は、往路部3及び復路部4を横断するように無端チェーン21に取り付けられている板状体であり、無端チェーン21の循環運動により、被搬送物を押して、搬送する。複数のスクレーパ22は、無端チェーン21に所定の間隔で並列に取り付けられている。そして、各スクレーパ22は、リンク23の両側面から搬送方向と交差する方向、すなわち、往路部3及び復路部4の横断面上に延びている。より具体的には、各スクレーパ22は、無端チェーン21の延在方向と直交する平面上に延びる姿勢で、無端チェーン21の各外リンクに取り付けられている。これにより、複数のスクレーパ22が無端チェーン21の延在方向に並ぶように構成され、隣り合うスクレーパ22の間の空間が、搬送される物品が収容される収容部を成す。スクレーパ22の材質は、例えば耐摩耗性やすべり特性に優れた超高分子量ポリエチレンである。
【0026】
[動作例]
次に、搬送装置100の動作例を説明する。搬送装置100を用いて被搬送物を搬送するときは、まず、被搬送物を供給口36に投入する。供給口36に投入された被搬送物は、往路部3に落ち込んで収容され、隔壁13上に載る。このとき、搬送装置100の往路第1部分31は復路第2部分42の上方に位置するので、投入された被搬送物が復路部4を経由せず、往路部3に投入されるので、供給口36の構成を簡素にすることができる。
【0027】
そして、駆動部20がその駆動力により下流側スプロケット26を回動させると、ピン嵌合部28にピン24が嵌まり、突出部25がピン嵌合部28に嵌合する無端チェーン21のピン24を押して、下流側スプロケット26の外周縁に沿って転回させる。このとき、スクレーパ22の上部は、スクレーパ嵌合部29に嵌まり、スクレーパ22とスプロケット26、27との干渉が防止される。そして、往路部3に位置する無端チェーン21は、下流側スプロケット26と係合する無端チェーン21に牽引され、往路部3の延在方向に沿って搬送方向に移動する。更に、上流側転回部52においては、上流側スプロケット27が従動して回動し、復路部4に位置する無端チェーン21を往路部3に向かって転回させる。そして、復路部4に位置する無端チェーン21は、上流側スプロケット27と係合する無端チェーン21に牽引され、復路部4の延在方向に沿って搬送方向とは反対方向に移動する。このようにして、駆動部20の駆動力により、無端チェーン21が循環運動する。
【0028】
そして、往路部3の隔壁13上に載った被搬送物は、無端チェーン21と共に循環運動するスクレーパ22に押されて、搬送方向下流に向かって搬送される。被搬送物は、往路第1部分31により案内され、水平方向に搬送される。次に、被搬送物は、往路第2部分32により案内され、搬送方向を水平方向から上方に変更され、持ち上げられる。次に、被搬送物は、往路第3部分33により案内され、再び搬送方向を、上方から水平方向に変更される。次に、被搬送物は、往路第4部分34により往路第1部分31の搬送方向と反対方向に案内される。すなわち、被搬送物は、平面視において、供給口36に近づく方向に案内される。そして、被搬送物が排出口37に到達すると、排出口37の開口から投下される。このとき、搬送装置100の往路第4部分34は、復路第1部分41の下方に位置するので、投入された被搬送物が復路部4を経由せず、往路部3から投下されるので、排出口37の構成を簡素にすることができる。また、往路第4部分34は、往路第1部分31の搬送方向と反対方向に延びているので、搬送装置100の設置面積をコンパクトにすることができる。
【0029】
そして、投下された被搬送物の後工程における処理が進められる。このとき、搬送装置100によって被搬送物が持ち上げられているので、後工程においては、重力を用いて被搬送物を移動させることができ、後工程における処理を容易に進めることができる。
【0030】
以上に説明したように、搬送装置100は、搬送方向に延びる往路部3と、往路部3に沿って延びる復路部4とを有するケース1と、搬送方向上流側及び下流側に設けられた一対のスプロケット26、27と、一対のスプロケット26、27に巻回され、ケース1内を循環運動する無端チェーン21と、無端チェーン21に並列に取り付けられた複数のスクレーパ22と、を備え、往路部3は、搬送方向上流側端部に位置し、水平方向に延び、ケース1の上面に配設された供給口36を有する往路第1部分31と、搬送方向下流側に向かうに連れて上方に向かうように湾曲して延びる往路第2部分32と、搬送方向下流側に向かうに連れて水平方向に向かうように湾曲して延びる往路第3部分33と、搬送方向下流側端部に位置し、往路第1部分31の搬送方向と反対方向に延び、ケース1の下面に配設された排出口37を有する往路第4部分34と、を有し、往路第1部分31乃至往路第4部分34の順に搬送方向上流側から下流側に向かって並び、復路部4は、往路第4部分34の上方に位置する復路第1部分41と、往路第1部分31の下方に位置する復路第2部分42と、を有する。これによって、搬送装置100の設置面積をコンパクトにすることができる。また、供給口36の構成を簡素にすることができる。
【0031】
往路第1部分31は、供給口36を複数有してもよい。これによって、多点投入を適切に行うことができる。
【0032】
往路第2部分32は、排出口37を複数有してもよい。これによって、多点排出を適切に行うことができる。
【0033】
無端チェーン21は、環状に並ぶ複数のリンク23と、隣り合うリンク23を揺動自在に連結するピン24とを備え、スクレーパ22は、リンク23の両側面から搬送方向と交差する方向に延び、スプロケット26、27には、ピン24と嵌合する複数のピン嵌合部28が周方向に等間隔に形成され、且つ隣り合うピン嵌合部28の間にスクレーパ22と嵌合する複数のスクレーパ嵌合部29が周方向に等間隔に形成されていてもよい。これによって、スクレーパ22とスプロケット26、27との干渉を防止することができる。
【0034】
往路部3は、開口部111を有し、閉鎖位置と開放位置との間でスライド可能であり、閉鎖位置において開口部111を閉鎖する閉鎖領域141と、物品の投下口143が形成され、開放位置において開口部111に位置する開放領域142とを有するゲート板104を備え、ゲート板104は、開放領域142の搬送方向の全域に亘ってスクレーパ22を支持する支持部144を有してもよい。これによって、スクレーパ22の開口部111への落ち込みを防止でき、また、搬送される物品がスクレーパ22と搬送面との間に残留することを防止することができる。
【0035】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る搬送装置の構成例を示す平面図である。
図7は、実施の形態2に係る搬送装置のゲート板104の構成例を示す平面図である。
【0036】
上記実施の形態1において、被搬送物は排出口37から排出されるよう構成されている。本実施の形態において、被搬送物は、排出口37に加えて、ゲート板104からも排出可能となっている。
【0037】
本実施の形態において、往路第4部分34のうち、排出口37よりも搬送方向上流側の部分であって、隔壁13と対向する往路側外壁11の面、すなわち、往路側外壁11の底面に開口部111が形成されている。ゲート板104は、この開口部111に配設されている。なお、開口部111の位置は、上記の位置に限定されるものではない。
【0038】
ゲート板104は、板体であり、上面に閉鎖領域141及び開放領域142を備えている。ゲート板104は、閉鎖位置と開放位置との間でスライド可能に図示しないスライダに支持されている。閉鎖領域141は、閉鎖位置において開口部111に位置し、開口部111を閉鎖する。また、開放領域142は、開放位置において開口部111に位置し、開口部111を開放する。閉鎖領域141及び開放領域142は、開口部111と同一形状の領域であり、往路部3を横断する方向に並んで位置する。したがって、ゲート板104を閉鎖領域141及び開放領域142が並ぶ方向にスライドさせることにより、開口部111の開放及び閉鎖を行うことができる。したがって、本実施の形態に係る搬送装置は、排出口37及び開口部111の2系統の排出経路を有し、開口部111の開放/閉鎖状態を切り替えることにより排出経路を切り替えることができる。
【0039】
そして、ゲート板104の開放領域142は、投下口143と支持部144とを有する。支持部144は、搬送方向の全域に亘ってスクレーパ22を支持するように配設されている。即ち、支持部144は、例えば、一対の側縁支持部144aと、中央支持部144bと、一対の斜交支持部144cとを有している。一対の側縁支持部144aは、開放領域142の各側縁部の上流側の端部から開放領域142の側縁に沿って搬送方向下流側に向かってそれぞれ延び、開放領域142の上流側の端部と下流側の端部との中間部まで延びている。中央支持部144bは、開放領域142の往路部3を横断する方向における中央部の上流側の端部から搬送方向下流側に向かって延び、側縁支持部144aの下流側端部よりも若干上流側の位置まで延びている。一対の斜交支持部144cは、中央支持部144bの下流側の端部から開放領域142の各側縁部の下流側の端部に向かって、往路部3を横断してそれぞれ延びている。そして、開放領域142に係る支持部144が形成されている部分の残余の部分に投下口143が開口している。
【0040】
これによって、開放領域142上を摺動するスクレーパ22は、搬送方向において、開放領域142の搬送方向上流側の端部から中央支持部144bの下流側の端部までの範囲に位置するときは、側縁支持部144a及び中央支持部144bに支持され、投下口143の中に落ち込まないようになっている。また、同スクレーパ22は、搬送方向において、中央支持部144bの下流側の端部から側縁支持部144aの下流側の端部までの範囲に位置するときは、側縁支持部144a及び斜交支持部144cに支持され投下口143の中に落ち込まないようになっている。更に、同スクレーパ22は、搬送方向において、側縁支持部144aの下流側の端部から開放領域142の下流側の端部までの範囲に位置するときは、斜交支持部144cに支持され、投下口143の中に落ち込まないようになっている。このように、開放領域142上を摺動するスクレーパ22の支持部144は、開放領域142の搬送方向の全域に亘ってスクレーパ22を支持するように構成されている。なお、上記支持部144の構成は例示であり、上記形態に限られるものではない。
【0041】
そして、投下口143は、開放領域142の往路部3を横断する方向(前記搬送方向と直交する方向)の全域に亘って開口している。即ち、往路部3を横断する方向において、側縁支持部144aが形成されている範囲においては、側縁支持部144aの下流側の端部より下流側に投下口143が開口している。また、往路部3を横断する方向において、中央支持部144bが形成されている範囲においては、斜交支持部144cの上流側の端部より下流側に投下口143が開口している。往路部3を横断する方向におけるその他の範囲においては、開放領域142の上流側の端部より下流側に投下口143が開口している。したがって、開放領域142上を移動するスクレーパ22は、往路部3を横断する方向におけるいずれの箇所も投下口143上を通過する。したがって、隣り合うスクレーパ22の間の空間に収容されたほぼ全ての物品は、開放領域142上を通過することによって、投下口143に投入される。
【0042】
(実施の形態3)
実施の形態1において、搬送装置100は、供給口36を一つ有する。しかし、これに限られるものではなく、搬送装置は、複数の供給口36を搬送方向に並ぶように配設してもよい。これによって、多点投入を適切に行うことができる。
【0043】
(実施の形態4)
実施の形態2において、搬送装置は、開口部111を一つ有する。しかし、これに限られるものではなく、搬送装置は、複数の開口部111を搬送方向に並ぶように配設してもよい。これによって、多点排出をより適切に行うことができる。
【0044】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【符号の説明】
【0045】
1 ケース
3 往路部
4 復路部
21 無端チェーン
22 スクレーパ
23 リンク
24 ピン
26 下流側スプロケット
27 上流側スプロケット
31 往路第1部分
32 往路第2部分
33 往路第3部分
34 往路第4部分
36 供給口
37 排出口
41 復路第1部分
42 復路第2部分
100 搬送装置