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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160415
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
A61M1/14 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070787
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 勇貴
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077HH21
4C077KK25
(57)【要約】
【課題】医療装置のディスプレイの内部への静電気および液体の浸入を抑制する。
【解決手段】本開示に基づく医療装置1は、ディスプレイ10と、取付部20とを備えている。取付部20は、ディスプレイ10より上方に位置して薬液が入った収容体を取り付け可能である。ディスプレイ10は、本体部11と、表示灯部12とを有している。本体部11は、表示面111を有する。表示灯部12は、本体部11の上側に位置している。表示灯部12は、発光体121と、収容部122とを有している。発光体121は、本体部11上に設けられている。収容部122は、本体部11とともに発光体121を収容しつつ該発光体121が発した光を外部に透過可能である。収容部122および本体部11の一方は、凹条部30を有し、収容部122および本体部11の他方は、凹条部30を覆うように、収容部122および本体部11の上記一方と当接する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイより上方に位置して薬液が入った収容体を取り付け可能な取付部とを備える医療装置であって、
前記ディスプレイは、
表示面を有する本体部と、
前記本体部の上側に位置する表示灯部とを有し、
前記表示灯部は、
前記本体部上に設けられた発光体と、
前記本体部とともに前記発光体を収容しつつ該発光体が発した光を外部に透過可能な収容部とを有し、
前記収容部および前記本体部の一方は、凹条部を有し、
前記収容部および前記本体部の他方は、前記凹条部を覆うように、前記収容部および前記本体部の前記一方と当接する、医療装置。
【請求項2】
前記凹条部は、前記発光体を取り囲むように環状に延びている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記収容部が前記凹条部を有しており、
前記本体部は、前記凹条部と係合する凸条部を有している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記本体部が前記凹条部を有しており、
前記収容部は、前記凹条部と係合する凸条部を有している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記収容部が前記凹条部を有しており、
前記本体部は、前記凹条部と対向するように位置する対向凹条部を有している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
前記凹条部内に位置するシール部材をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記収容部および前記本体部の少なくとも1つが、前記凹条部内において、前記本体部と前記表示灯部とが並ぶ第1方向に沿って突出する突起部をさらに有し、
前記突起部は、前記シール部材を押圧する、請求項6に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-170117号公報(特許文献1)には、動作部品を含む少なくとも一つの筐体と、動作状況および/または治療状況を表示するための発光部とを備える体外血液処理装置が開示されている。筐体は、体外血液処理装置の基本構成に接続されたモニターおよび/または操作領域を格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-170117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された装置のように、表示灯部を有するディスプレイを備える医療装置が知られている。ディスプレイの本体部および表示灯部は、互いに異なる部材で構成される。このため、本体部および表示灯部の隙間に沿って静電気が放電し、ディスプレイの内部に静電気が侵入する可能性がある。また、医療装置においては、ディスプレイより上方に薬液が入った収容体が取り付けられている場合がある。そうすると、たとえば薬液がディスプレイに垂れて、上記隙間からディスプレイの内部に侵入する場合もある。静電気、および、薬液などの液体が、ディスプレイの内部に侵入すると、ディスプレイに異常が発生し得る。
【0005】
本開示は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ディスプレイの内部への静電気および液体の浸入が抑制された、医療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づく医療装置は、ディスプレイと、取付部とを備えている。取付部は、ディスプレイより上方に位置して薬液が入った収容体を取り付け可能である。ディスプレイは、本体部と、表示灯部とを有している。本体部は、表示面を有する。表示灯部は、本体部の上側に位置する。表示灯部は、発光体と、収容部とを有する。発光体は、本体部上に設けられている。収容部は、本体部とともに発光体を収容する。収容部は、該発光体が発した光を外部に透過可能である。収容部および本体部の一方は、凹条部を有し、収容部および本体部の他方は、凹条部を覆うように、収容部および本体部の上記一方と当接する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、凹条部により、収容部および本体部の隙間における、ディスプレイの外部側から内部側への沿面距離が長くなる。これにより、ディスプレイ内部への静電気の侵入を抑制できる。さらに、凹条部は、収容部または本体部で覆われているため、ディスプレイ内部への液体の侵入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態1に係る医療装置を示す斜視図である。
図2】本開示の実施形態1に係る医療装置のディスプレイの一部を示す斜視図である。
図3図2のディスプレイをIII-III線矢印方向から見た部分的な断面図である。
図4】本開示の実施形態2に係る医療装置のディスプレイを示す部分的な断面図である。
図5】本開示の実施形態3に係る医療装置のディスプレイを示す部分的な断面図である。
図6】本開示の実施形態4に係る医療装置のディスプレイを示す部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の各実施形態に係る医療装置の構成について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1に係る医療装置を示す斜視図である。図1に示すように、医療装置1は、具体的には血液浄化装置であり、より具体的には、持続緩徐式血液浄化療法(Continuous Renal Replacement Therapy:CRRT)に用いられる血液浄化装置である。ただし、医療装置1は、持続的血液濾過透析法(continuous hemodiafiltration:CHDF)、持続的血液ろ過法(continuous hemofiltration:CHF)、持続的血液透析法(continuous hemodialysis:CHD)、および、持続緩徐式限外濾過(Slow Continuous UltraFiltration:SCUF)のいずれかに用いられる血液浄化装置であってもよい。
【0011】
医療装置1には、薬液が入った収容体(たとえば、薬液バッグ)が取り付けられる。また、医療装置1は、患者の血液などの体液、または、血液浄化器からの排液などが流れる回路を有する(いずれも不図示)。このため、医療装置1は、防液性を向上させることが好ましい。また、医療装置1は、電磁両立性(EMC:Electromagnetic Compatibility)を有している必要がある。さらに、医療装置1は、患者のためのベッドが置かれた部屋に配置される場合がある。ベッドのシーツなどを取り替える際には、静電気が発生する。このため、医療装置1は、静電気の放電による影響を小さくすることが好ましい。
【0012】
医療装置1は、ディスプレイ10と、取付部20とを備えている。取付部20は、ディスプレイ10より上方に位置している。取付部20には、たとえば、生理食塩液などの薬液が入った収容体が取り付けられる。
【0013】
図2は、本開示の実施形態1に係る医療装置のディスプレイの一部を示す斜視図である。図1および図2に示すように、ディスプレイ10は、本体部11と、表示灯部12とを有している。
【0014】
本体部11は、表示面111を有する。表示面111には、医療装置1の稼働状況が映し出される。たとえば、医療装置1において、各種圧力計によって検知された回路内の液体の圧力、または、回路内の液体の流量が、表示面111に表示される(いずれも不図示)。表示面111は、医療装置1を操作するためのタッチパネルスクリーンであってもよい。
【0015】
図3は、図2のディスプレイをIII-III線矢印方向から見た部分的な断面図である。図2および図3に示すように、表示灯部12は、本体部11の上側に位置する。
【0016】
表示灯部12は、複数の発光体121と、収容部122とを有している。発光体121は、基板121aを介して、本体部11上に設けられている。発光体121は、たとえばLED(Light Emitting Diode)である。
【0017】
収容部122は、本体部11とともに発光体121を収容している。収容部122は、発光体121が発した光を外部に透過可能である。具体的には、収容部122は、筐体部123と透過部124とを有している。
【0018】
筐体部123は、発光体121が発した光を外部に透過させない。筐体部123は、下方に開口を有するような開口端を有している。換言すると、当該開口は、本体部11に向いている。筐体部123は、本体部11と表示灯部12とが並ぶ第1方向D1(本明細書においては単に上下方向という場合がある)、および、表示面111に垂直な第2方向D2の、両方に直交する第3方向D3から見て、上方に向かって凸状に湾曲している。また、筐体部123は、一対の孔部123aを有している。一対の孔部123aは、筐体部123の外部と内部とを互いに連通するように、筐体部123を貫通している。一対の孔部123aは、第2方向D2に並んで位置している。一対の孔部123aの貫通方向は、第1方向D1および第2方向D2の両方に交差する方向である。一対の孔部123aは、それぞれ、第3方向D3において直線状に延びている。一対の孔部123aの第3方向D3における長さは、筐体部123の第3方向D3における長さの1/2以上である。なお、ディスプレイ10の第2方向D2寸法を小さくするという観点から、一対の孔部123aの各々の第2方向D2における寸法は、たとえば40mm以下である。
【0019】
透過部124は、発光体121が発した光を外部に透過させる。透過部124は、少なくとも一対の孔部123a内に位置するように配置される。透過部124のうち一対の孔部123a内にそれぞれ配置された部分である、一対の露出部124aは、第2方向D2に並んで位置している。一対の露出部124aの第3方向D3における長さは、筐体部123の第3方向D3における長さの1/2以上である。ディスプレイ10の第2方向D2寸法を小さくするという観点から、一対の露出部124aの各々の第2方向D2における寸法は、たとえば40mm以下である。
【0020】
なお、筐体部123は、一つのみの孔部123aを有していてもよい。この場合、孔部123aは、筐体部123の上部に位置してもよい。この場合、露出部124aは、収容部122の上部に位置する。また、この場合、露出部124aの第1方向D1の寸法は、第2方向D2の両側から十分に視認可能な長さであることが好ましい。
【0021】
ディスプレイ10の第2方向D2寸法を小さくするという観点から、収容部122と基板121aとの距離は小さいことが好ましい。第2方向D2における収容部122と基板121aとの離隔距離は、たとえば15mm以下である。
【0022】
収容部122および本体部11の一方は、凹条部30を有し、収容部122および本体部11の他方は、凹条部30を覆うように収容部122および本体部11の上記一方と当接する。この凹条部30により、収容部122および本体部11の隙間における沿面距離が長くなる。これにより、ディスプレイ10内部への静電気の侵入を抑制できる。さらに、凹条部30は、収容部122または本体部11で覆われているため、ディスプレイ10内部への液体(たとえば、取付部20に取り付けられた収容体に収容された薬液)の侵入を抑制できる。
【0023】
具体的には、収容部122が凹条部30を有している。これにより、凹条部30が収容部122および本体部11の隙間において上側に位置するため、液体が凹条部30に溜まることを抑制できる。
【0024】
また、本実施形態においては、凹条部30から見て収容部122の内部側において、収容部122と本体部11とが互いに係合している。
【0025】
また、凹条部30は、発光体121を取り囲むように環状に延びている。これにより、収容部122および本体部11の隙間のいずれの部分においても、外部側から内部側への沿面距離を長くすることができ、静電気の侵入をより抑制できる。
【0026】
医療装置1は、シール部材50をさらに備える。シール部材50は、凹条部30内に位置する。これにより、ディスプレイ10の内部への液体の浸入をさらに抑制できる。
【0027】
シール部材50は、たとえば可撓性のチューブであることが好ましい。これにより、凹条部30への嵌め込みが容易となる。さらに、シール部材50は、凹条部30の形状に応じて、容易に変形可能となる。また、シール部材50は、ゴムなどの、弾性変形可能な材料からなることが好ましい。これにより、シール性が向上する。
【0028】
さらに、医療装置1においては、収容部122および本体部11の少なくとも1つが、突起部60をさらに有している。突起部60は、凹条部30内において、本体部11と表示灯部12とが並ぶ第1方向D1に沿って突出している。突起部60は、シール部材50を押圧している。これにより、収容部122および本体部11は、凹条部30内において、押圧されたシール部材50から第1方向D1に沿って反発力を受ける。ひいては、シール部材によるシール性がより向上する。
【0029】
突起部60は、発光体121を取り囲むように凹条部30に沿って、環状に延びていてもよい。本実施形態において、突起部60は、本体部11から突出しているが、突起部60は、収容部122(凹条部30)から突出していてもよい。さらに、2つの突起部60が、それぞれ、本体部11および収容部122のそれぞれから突出していてもよい。なお、突起部60の第1方向D1における高さ寸法は、押圧される前の状態のシール部材50の第1方向D1における高さ寸法(すなわち、チューブであるシール部材50の、延在方向に直交する断面における、外径)の30%以下であることが好ましい。
【0030】
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2に係る医療装置について説明する。本開示の実施形態2に係る医療装置においては、主に、後述する凸条部が凹条部に係合する点で、実施形態1と異なっている。このため、実施形態1と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0031】
図4は、本開示の実施形態2に係る医療装置のディスプレイを示す部分的な断面図である。図4に示すように、本開示の実施形態2においても、収容部122および本体部11の一方は、凹条部30Aを有し、収容部122および本体部11の他方は、凹条部30Aを覆うように収容部122および本体部11の上記一方と当接する。この凹条部30Aにより、収容部122および本体部11の隙間における沿面距離が長くなる。これにより、ディスプレイ10内部への静電気の侵入を抑制できる。さらに、凹条部30Aは、収容部122または本体部11(具体的には本体部11)で覆われているため、ディスプレイ10内部への液体(たとえば、取付部20に取り付けられた収容体に収容された薬液)の侵入を抑制できる。
【0032】
さらに、本開示の実施形態2においては、本体部11が、凸条部40Aを有している。凹条部30Aと凸条部40Aとは、互いに係合している。すなわち、凸条部40Aが、収容部122の外部から内部に向く方向において、凹条部30Aと隣接している。凹条部30Aと凸条部40Aとが、互いに係合していることにより、収容部122および本体部11の隙間がラビリンス構造となる。ひいては、ディスプレイ10内部への液体の浸入がより抑制される。また、収容部122の外部から内部に向かう方向において、凸条部40A側の沿面距離が長くなることにより、静電気の侵入がより抑制される。
【0033】
また、凸条部40Aは、発光体121を取り囲むように凹条部30Aに沿って環状に延びている。シール部材50は、第1方向D1において凸条部40Aと凹条部30Aとの間で挟み込まれるように位置している。
【0034】
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3に係る医療装置について説明する。本開示の実施形態3に係る医療装置においては、主に、本体部が凹条部を有している点で、実施形態1と異なっている。このため、実施形態1と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0035】
図5は、本開示の実施形態3に係る医療装置のディスプレイを示す部分的な断面図である。図5に示すように、本開示の実施形態3においても、収容部122および本体部11の一方は、凹条部30Bを有し、収容部122および本体部11の他方は、凹条部30Bを覆うように収容部122および本体部11の上記一方と当接する。この凹条部30Bにより、収容部122および本体部11の隙間における沿面距離が長くなる。これにより、ディスプレイ10内部への静電気の侵入を抑制できる。さらに、凹条部30Bは、収容部122または本体部11(具体的には収容部122)で覆われているため、ディスプレイ10内部への液体(たとえば、取付部20に取り付けられた収容体に収容された薬液)の侵入を抑制できる。
【0036】
本開示の実施形態3においては、本体部11が凹条部30Bを有している。そしてさらに、収容部122は、凸条部40Bを有している。凹条部30Bと凸条部40Bとは、互いに係合している。すなわち、凸条部40Bが、収容部122の外部から内部に向く方向において、凹条部30Bと隣接している。凹条部30Bと凸条部40Bとが、互いに係合していることにより、収容部122および本体部11の隙間がラビリンス構造となる。ひいては、ディスプレイ10内部への液体の浸入がより抑制される。また、収容部122の外部から内部に向かう方向において、凸条部40B側の沿面距離が長くなることにより、静電気の侵入がより抑制される。
【0037】
また、凸条部40Bは、発光体121を取り囲むように凹条部30Bに沿って環状に延びている。シール部材50は、第1方向D1において凸条部40Bと凹条部30Bとの間で挟み込まれるように位置している。
【0038】
(実施形態4)
次に、本開示の実施形態4に係る医療装置について説明する。本開示の実施形態4に係る医療装置においては、主に、本体部が後述する対向凹条部を有している点で、実施形態1と異なっている。このため、実施形態1と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0039】
図6は本開示の実施形態4に係る医療装置のディスプレイを示す部分的な断面図である。図6に示すように、本開示の実施形態4においても、収容部122および本体部11の一方は、凹条部30Cを有し、収容部122および本体部11の他方は、凹条部30Cを覆うように収容部122および本体部11の上記一方と当接する。この凹条部30Cにより、収容部122および本体部11の隙間における沿面距離が長くなる。これにより、ディスプレイ10内部への静電気の侵入を抑制できる。さらに、凹条部30Cは、収容部122または本体部11(具体的には本体部11)で覆われているため、ディスプレイ10内部への液体(たとえば、取付部20に取り付けられた収容体に収容された薬液)の侵入を抑制できる。
【0040】
さらに、本開示の実施形態4においては、本体部11が、凹条部30Cと対向するように位置する対向凹条部70Cを有している。これにより、収容部122の外部から内部に向かう方向において、対向凹条部70C側の沿面距離が長くなることにより、静電気の侵入がより抑制される。
【0041】
また、対向凹条部70Cは、発光体121を取り囲むように凹条部30Cに沿って環状に延びている。シール部材50は、第1方向D1において凹条部30Cと対向凹条部70Cとの間で挟み込まれるように位置している。
【0042】
[付記]
以上のように、本開示の実施形態は以下のような開示を含む。
【0043】
(構成1)
ディスプレイ(10)と、
前記ディスプレイ(10)より上方に位置して薬液が入った収容体を取り付け可能な取付部(20)とを備える医療装置(1)であって、
前記ディスプレイ(10)は、
表示面(111)を有する本体部(11)と、
前記本体部(11)の上側に位置する表示灯部(12)とを有し、
前記表示灯部(12)は、
前記本体部(11)上に設けられた発光体(121)と、
前記本体部(11)とともに前記発光体(121)を収容しつつ該発光体(121)が発した光を外部に透過可能な収容部(122)とを有し、
前記収容部(122)および前記本体部(11)の一方は、凹条部(30)を有し、
前記収容部(122)および前記本体部(11)の他方は、前記凹条部(30)を覆うように、前記収容部(122)および前記本体部(11)の前記一方と当接する、医療装置(1)。
【0044】
(構成2)
前記凹条部(30)は、前記発光体(121)を取り囲むように環状に延びている、構成1に記載の医療装置(1)。
【0045】
(構成3)
前記収容部(122)が前記凹条部(30A)を有しており、
前記本体部(11)は、前記凹条部(30A)と係合する凸条部(40A)を有している、構成1または構成2に記載の医療装置1。
【0046】
(構成4)
前記本体部(11)が前記凹条部(30B)を有しており、
前記収容部(122)は、前記凹条部(30B)と係合する凸条部(40B)を有している、構成1または構成2に記載の医療装置。
【0047】
(構成5)
前記収容部(122)が前記凹条部(30C)を有しており、
前記本体部(11)は、前記凹条部(30C)と対向するように位置する対向凹条部(70C)を有している、構成1または構成2に記載の医療装置。
【0048】
(構成6)
前記凹条部(30)内に位置するシール部材(50)をさらに備える、構成1から構成5のいずれか1つに記載の医療装置(1)。
【0049】
(構成7)
前記収容部(122)および前記本体部(11)の少なくとも1つが、前記凹条部(30)内において、前記本体部(11)と前記表示灯部(12)とが並ぶ第1方向(D1)に沿って突出する突起部(60)をさらに有し、
前記突起部(60)は、前記シール部材(50)を押圧する、構成6に記載の医療装置。
【0050】
また、上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【0051】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
1 医療装置、10 ディスプレイ、11 本体部、111 表示面、12 表示灯部、121 発光体、121a 基板、122 収容部、123 筐体部、123a 孔部、124 透過部、124a 露出部、20 取付部、30,30A,30B,30C 凹条部、40A,40B 凸条部、50 シール部材、60 突起部、70C 対向凹条部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6